JP2011258804A - 電界効果型トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

電界効果型トランジスタ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】IGZO系電界効果型薄膜トランジスタにおいて、消費電力が少なく、環境変化及び駆動に対する素子安定性の優れたものとする
【解決手段】電界効果型トランジスタ1aは、基板10上に、ゲート電極21と、ゲート絶縁膜30と、IGZO系アモルファス酸化物からなる(不可避不純物を含んでもよい)活性層40と、活性層40上にパターン形成されてなるソース電極22及びドレイン電極23と、酸化ガリウムを主成分とする第1の保護層50とを備え、保護層50は、少なくとも、ソース電極22とドレイン電極23との間のバックチャネル領域の活性層40上に形成されてなるものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、アモルファス酸化物系電界効果型トランジスタ及びその製造方法に関するものである。
電界効果型トランジスタは、半導体メモリ用集積回路の単位素子、高周波信号増幅素子、液晶駆動用素子等に用いられており、特に薄膜化したものは薄膜トランジスタ(TFT)として幅広い分野で用いられている。
電界効果型トランジスタを形成する半導体チャネル層(活性層)としては、シリコン半導体やその化合物が多く用いられており、高速動作が必要な高周波増幅素子、集積回路等には単結晶シリコン、低速動作で十分であるが、ディスプレイ用途等大面積化への対応が要求される液晶駆動装置用にはアモルファスシリコンが用いられている。
ディスプレイ分野では、近年、軽量かつ曲げられるフレキシブルディスプレイが注目を浴びている。かかるフレキシブルデバイスには、可撓性の高い樹脂基板が主に用いられるが、樹脂基板は、その耐熱温度が通常150〜200℃、耐熱性の高いポリイミド系樹脂でも300℃程度とガラス基板等の無機基板に比して低い。アモルファスシリコンは、その製造工程において300℃を超える高温の加熱処理が通常必要とされていることから、耐熱性現在のディスプレイにおけるフレキシブル基板などの支持基板には用いることが難しい。
一方、室温にて成膜可能であり、かつアモルファスでも半導体としての性能を出すことが可能なIn-Ga-Zn-O系(IGZO系)の酸化物半導体が東工大細野らにより発見され、次世代ディスプレイ用のTFT材料として有望視されている。
IGZO系酸化物半導体からなる活性層は、使用環境における水分や酸素等の影響により特性の変化が生じやすく素子安定性に課題を有しており、また、製造過程におけるプラズマやUVによるダメージにより低抵抗化して閾値電圧が負になりやすいという問題がある。閾値電圧が負である場合は、オフ電流を生じるためノーマリーオフ型のTFTとならず、消費電力が大きくなる。
活性層の劣化を抑制するために、チャネル層上を保護膜で覆うことで、TFTの特性及び安定性向上を目指す試みがなされている(特許文献1〜3)。特許文献1では、ボトムゲート型のTFTにおいて、チャネル層上を金属酸化物膜やシリコン酸化物膜、シリコン窒化物膜等の絶縁体膜で覆う技術が提案されている。特許文献1には、金属酸化物やSiO等の保護膜を、比較的酸素分圧の高い雰囲気中においてスパッタ成膜することにより大気圧下と真空下との違いなどの環境の変化による特性の変動を抑制できることが記載されている。
特許文献2には、活性層のバックチャネル領域に金属酸化物膜やシリコン酸化物膜、シリコン窒化物膜等の保護膜を設けたボトムゲート型のTFTにおいて、活性層のゲート電極側のキャリア密度を、保護膜側のキャリア密度より大きくし、且つ、活性層の膜厚を30nm±15nmとすることにより消費電力を抑制する技術が提案されている。特許文献3では、活性層のキャリア密度を調整するために、保護膜の成膜時におけるスパッタ成膜ガスのO/Ar混合比率を増加させている(具体的には、O20%以上50%以下)。
特許文献3には、保護層として、昇温脱離分析により酸素として観測される脱離ガスを3.8×1019個/cm以上含有した酸化物絶縁体保護層を設けることによって、製造時における活性層へのダメージを抑制する技術が開示されている。
特開2008−53356号公報 特開2008−218495号公報 特開2008−166716号公報
特許文献1には、環境変化による特性の安定性の改善の効果は示されているが、オフ電流の改善は、保護膜の形成前に活性層のアニール処理を施さなかった場合にのみ効果が得られることが記載されている(段落[0123]―[0128])。
また、特許文献2及び3においては、環境変化による特性の安定性の改善の効果に加えてノーマリーオフ型のTFTが得られることが示されているが、これらの文献において、IGZO活性層は室温成膜後のアニール処理が施されていない。アニール処理が施されていないIGZO活性層は、駆動による閾値電圧が変動(閾値シフト)を生じることが知られており、駆動による素子安定性に問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、消費電力が少なく、且つ、立ち上がり特性及び環境変化及び駆動に対する素子安定性の優れた電界効果型薄膜トランジスタ及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の電界効果型トランジスタは、基板上に、ゲート電極と、ゲート絶縁膜と、IGZO系アモルファス酸化物からなる(不可避不純物を含んでもよい)活性層と、該活性層上にパターン形成されてなるソース電極及びドレイン電極と、酸化ガリウムを主成分とする第1の保護層とを備えた電界効果型トランジスタであって、
前記保護層が、少なくとも、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間のバックチャネル領域の前記活性層上に形成されてなることを特徴とするものである。
本明細書において、IGZO系アモルファス酸化物とは、In,Gaを含むアモルファス酸化物を意味し、好ましくは更にZnを含むアモルファス酸化物を意味する。これらの金属元素以外に、ドーパントや置換元素等の他の元素を含んでいてもよい。
本発明の電界効果型トランジスタにおいて、少なくとも前記活性層のバックチャネル領域に、前記パターン形成による該領域の活性層の損傷を抑制する、酸化ガリウムを主成分とする第2の保護層を更に備えていることが好ましい。
本明細書において、「主成分」とは、含量80質量パーセント以上の成分を意味するものとする。
前記バックチャネル領域の酸化ガリウムを主成分とする保護層の平均総厚は、10nm以上50nm未満であることが好ましい。ここで、「平均総厚」とは、前記第1の保護層と前記第2の保護層の合計層厚の平均値の意である。
本発明の電界効果型トランジスタの製造方法は、基板上に、ゲート電極と、ゲート絶縁膜と、IGZO系アモルファス酸化物からなる(不可避不純物を含んでもよい)活性層と、ソース電極と、ドレイン電極と、酸化ガリウムを主成分とする第1の保護層とを備えた電界効果型トランジスタの製造方法であって、
前記ソース電極と前記ドレイン電極をパターン形成した後、
少なくとも、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間のバックチャネル領域上に前記第1の保護層を形成する工程と、
前記活性層をアニール処理する工程とを有し、
前記保護層を、アルゴンガス中に0体積%超10体積%以下の酸素を含むスパッタリングガスを用いたスパッタリング法により形成することを特徴とするものである。
本明細書において、アニール処理とは、スパッタ成膜後のアニール処理に加え、スパッタ成膜された薄膜が加熱されるすべての処理を含むものとし、例えば、フォトリソグラフィやエッチング等のパターニング工程や、積層される膜の成膜工程における加熱処理等を含むものとする。
また、アルゴンガス中に0体積%超10体積%以下の酸素を含むスパッタリングガスを用いたスパッタリング法とは、スパッタリング雰囲気が、アルゴンと酸素とからなり、その組成が、アルゴン90体積%以上100体積%未満、酸素0体積%超10体積%以下であることを意味する。
前記アニール処理は、180℃〜200℃の温度における加熱処理であることが好ましい。
また、前記パターン形成がエッチング処理である場合は、該エッチング処理の前に、少なくとも前記活性層のバックチャネル領域に、前記エッチング処理による活性層の損傷を抑制する、酸化ガリウムを主成分とする第2の保護層を成膜する工程を有することが好ましい。
本発明の電界効果型トランジスタは、IGZO系アモルファス酸化物半導体系電界効果型トランジスタにおいて、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間のバックチャネル領域の前記活性層上に、酸化ガリウムを主成分とする保護膜を備えている。かかる構成では、バックチャネル領域の活性層が、該活性層のよりも充分にキャリア濃度の低い酸化ガリウムを主成分とする保護膜により保護されているため、環境変化による特性の安定性が優れている。また、保護膜の成膜により活性層に与えるダメージが少ないため、オフ電流を良好に低減させることができる上、アニール処理による安定化を行ってもかかる効果が維持される。従って、本発明によれば、消費電力が少なく、且つ、立ち上がり特性及び環境変化及び駆動に対する素子安定性の優れた電界効果型薄膜トランジスタ及びその製造方法を提供することができる。
本発明に係る第1実施形態の電界効果型トランジスタの構成を示す概略断面図。 本発明に係る第2実施形態の電界効果型トランジスタの構成を示す概略断面図。 (a)〜(h)は、第1実施形態の電界効果型トランジスタの製造工程を示す概略断面図。 (a)〜(i)は、第2実施形態の電界効果型トランジスタの製造工程を示す概略断面図。 実施例1の電流―電圧特性を示す図 実施例2の電流―電圧特性を示す図 実施例7の電流―電圧特性を示す図 比較例1の電流―電圧特性を示す図
「電界効果型トランジスタ」
図面を参照して、本発明に係る一実施形態の電界効果型トランジスタ及びその製造方法について説明する。図1は第1実施形態の電界効果型トランジスタ1aの厚み方向断面図、図2は第2実施形態の電界効果型トランジスタ1bの厚み方向断面図、図3(a)〜(h)及び図4(a)〜(i)はそれぞれの製造工程図である。視認しやすくするため、構成要素の縮尺は実際のものとは適宜異ならせてある。
図1に示すように、本実施の形態の電界効果型トランジスタ1aは、基板10上に、ゲート電極21、ゲート絶縁膜30、活性層40、ソース電極22とドレイン電極23、及び第1の保護層50を備えた構成とした、ボトムゲート型のトランジスタである。活性層40は、詳細は後述するが、電子またはホールの移動するチャネル層として機能し、活性層40は、該活性層40の上面側(活性層40の基板10とは反対側の面)でソース電極21及びドレイン電極22に接するトップコンタクト型である。
この電界効果型トランジスタ1aは、ゲート電極21に電圧を印加することで活性層40に流れる電流を制御して、ソース電極22とドレイン電極23との電極間の電流をスイッチングする機能を有するアクティブ素子である。
本実施の形態の電界効果型トランジスタ1aによれば、保護層50は、活性層40の少なくともソース電極22とドレイン電極23との電極間のバックチャネル領域を覆うように配置されている。
以下に第1実施形態の電界効果型トランジスタ1aの製造方法及び各部の構成について説明する。
図3(a)に示されるように、まず、基板10を用意する。基板10としては特に制限されず、例えば、YSZ(ジルコニア安定化イットリウム)、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の有機材料が挙げられる。基板10が有機材料である場合には、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、加工性、低通気性、又は低吸湿性等に優れた材料を選択することが好ましい。
基板10としては、可撓性を有することがより好ましい。可撓性を有する基板としては、上記有機材料をフィルム状とした樹脂基板や、金属基板の表面に絶縁層が設けられた基板等が挙げられる。基板10が樹脂基板の場合は、水分や酸素の透過させやすいことから、基板10の片面又は両面にガスバリア層を設けることが好ましい(図示略)。また、絶縁性や平坦性、及び積層する層との密着性を向上するために、各種のコート層を積層した構成としてもよい。
基板10の厚みは、50μm以上500μm以下とすることが好ましい。基板10の厚みが50μm未満であると、基板10自体が十分な平坦性を保持することが難しい場合がある。基板10の厚みが500μmよりも厚いと、基板10自体を自由に曲げることが困難になり、すなわち基板10自体の可撓性が乏しくなる。
次に、ゲート電極21を、活性層40のチャネル領域(図示略)にゲート電圧を良好に印加可能な領域に、常法を用いてパターン形成する(図3(b))。
ゲート電極21としては、例えば、Al、Mo、Cr、Ta、Ti、Au、またはAg等の金属、Mo−Nb、Al−Nd、APC等の合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の金属酸化物導電膜、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロ−ルなどの有機導電性化合物、またはこれらの混合物が挙げられる。
ゲート電極21の厚みは、配線抵抗が確保され、かつ、絶縁層で十分覆うことができるという観点から、10nm以上100nm以下とすることが好ましく、20nm以上500nm以下とすることが更に好ましく、40nm以上100nm以下とすることが特に好ましい。
次いで、ゲート電極21の上に、ゲート絶縁膜30を成膜する。ゲート絶縁膜30としては、SiO、SiN、SiON、Al、Y、Ta、HfO等の絶縁体、又はそれらの化合物を少なくとも二つ以上含む混晶化合物が用いられる。また、ポリイミドのような高分子絶縁体をゲート絶縁膜30として用いてもよい。
ゲート絶縁膜30の膜厚としては10nm以上1000nm以下が好ましく、50nm以上500nm以下が更に好ましく、100nm以上300nm以下が特に好ましい。ゲート絶縁膜30はリーク電流を減らすため、また耐電圧性を高める為に、ある程度膜厚を厚くする必要がある。しかし、ゲート絶縁膜30の膜厚を厚くすると、電界効果型トランジスタ1aの駆動電圧の上昇を招く結果となる。その為、ゲート絶縁膜30の膜厚は、上記範囲内とすることが好ましい。
ゲート絶縁膜30の成膜方法としては、スパッタ法、パルスレーザデポジション(PLD)法、及び電子ビーム蒸着法などの気相法等が好適に用いられるが、これらの方法に限られない。
次いで、活性層40を形成する図3(d)。本実施形態において、活性層40は、IGZO系アモルファス酸化物からなる層であり、IGZO系アモルファス酸化物としては、下記一般式(P1)で表されるInGaZnO(IGZO)等のホモロガス化合物が一例として挙げられる。かかる活性層40は、低温(室温)で成膜可能であることから、可撓性のある基板10上に好適に形成される。
(In2−xGa)O・(ZnO)・・・(P1)
(式中0<x<2かつmは自然数)
活性層40のキャリア濃度は、特に限定されないが、好ましくは1×1015/cm以上の高い領域である。より好ましくは、1×1015/cm以上1×1021/cm以下である。
活性層40のキャリア濃度の調整方法としては、(1)酸素欠陥による調整、(2)組成比による調整、(3)不純物による調整等が挙げられる。
(1)酸素欠陥による調整
アモルファス酸化物半導体においては、酸素欠陥によりキャリア濃度が増加し、電気伝導度が大きくなることが知られている。よって、本実施形態においても、活性層40の酸素欠陥量を調整することで、活性層40のキャリア濃度が調整される。活性層40の酸素欠陥量を制御する具体的な方法としては、活性層40の成膜中の酸素分圧、成膜後の後処理時の酸素濃度と処理時間等が挙げられる。ここでいう後処理とは、具体的に100℃以上の熱処理、酸素プラズマ、UVオゾン処理がある。これらの方法の中でも、生産性の観点から活性層40の成膜中の酸素分圧を調整する方法が好ましい。
(2)組成比による調整
活性層40におけるアモルファス酸化物半導体の金属組成比を変えることによって、活性層40のキャリア濃度は変化する。例えば、上記一般式(P1)において、Inの比率が大きくなるほどキャリア濃度が高くなり、Gaの比率が大きくなるほど、キャリア濃度は小さくなる。
活性層40の組成比を変える具体的な方法として、例えば、スパッタによる成膜方法においては、組成比の異なるターゲットを用いることで活性層40の組成比を調整する方法や、多元のターゲットにより共スパッタして、そのスパッタレートを個別に調整することにより、活性層40の組成比を調整する方法が挙げられる。
(3)不純物による調整
活性層40におけるアモルファス酸化物半導体に、Li,Na,Mn,Ni,Pd,Cu,Cd,C,N,又はP等の元素を不純物として添加すると、キャリア濃度は減少する。不純物を添加する方法としては、アモルファス酸化物半導体と不純物元素とを共蒸着する方法や、成膜されたアモルファス酸化物半導体から構成される活性層40に不純物元素のイオンをイオンドープする方法が挙げられる。
なお、活性層40のキャリア濃度の調整方法としては、上記(1)〜(3)の方法を単独に用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。
活性層40の成膜方法としては、上記酸化物半導体の多結晶焼結体をターゲットとして、気相成膜法を用いるのが好ましい。気相成膜法の中でも、スパッタリング法、PLD法が適している。さらに、量産性の観点から、スパッタリング法が好ましい。例えば、RFマグネトロンスパッタリング蒸着法により、真空度及び酸素流量を制御して成膜される。
成膜された活性層40は、周知のX線回折法によりアモルファス膜であることが確認される。活性層40の組成比は、RBS(ラザフォード後方散乱)分析法により求められる。
活性層40は、アニール処理を施すことにより、素子化した際に、駆動による閾値電圧が変動(閾値シフト)を抑制し素子安定性の高いものとすることができるため、本実施形態では、アニール処理を施す。
アニール処理の温度は、成膜時の条件にもよるが、所望のキャリア濃度を安定的に維持可能となる温度とすることが好ましい。後記する実施例においては、スパッタリング法による成膜後、180℃にてアニール処理を行うことにより、良好な素子特性を有するTFTを得ることができている。好適なアニール処理温度は、100℃以上400℃未満、好ましくは180℃〜200℃と考えられる。成膜条件及び基板の耐熱温度に応じてアニール処理温度は選択することが好ましい。
アニール処理は、上記したように加熱による処理の他、レーザアニールやフラッシュランプアニールなどの光アニールを行ってもよい。
アニール処理のタイミングは、活性層40の成膜直後に実施してもよいし、その他の層を成膜(パターン成膜)した後に実施してもよい。
活性層40の厚みは、動作が十分可能であること、また、極端に厚いと駆動による閾値シフトが大きくなるなどの理由から、0.1nm以上100nm以下であることが好ましく、1nm以上80nm以下であることが更に好ましく、10nm以上50nm以下であることが特に好ましい。
次に、ソース電極22及びドレイン電極23をパターン形成する。
ソース電極22及びドレイン電極23を構成する材料としては、Al、Mo、Cr、Ta、Ti、Au、またはAg等の金属、Al−Nd、APC等の合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の金属酸化物導電膜、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロ−ルなどの有機導電性化合物、またはこれらの混合物が好適に挙げられる。
形成されるソース電極22、及びドレイン電極23の層厚は、十分に低い抵抗を確保するためにある程度の厚さが必要であることと、極端に厚いとTFT素子上にさらにデバイスを形成することが困難であるという理由から、10nm以上1000nm以下とすることが好ましく、20nm以上500nm以下とすることが更に好ましく、40nm以上400nm以下とすることが特に好ましい。
これらのソース電極22及びドレイン電極23の成膜法は特に限定されることはなく、印刷方式、コ−ティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式、などの中から前記材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って成膜される。例えば、ITOを選択する場合には、直流あるいは高周波スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレ−ティング法等が用いられる。
ソース電極22及びドレイン電極23のパターン形成は、特に制限されず、上記のように両電極を含むベタ膜(連続膜)20を成膜した後(図3(e))、一般的に用いられるエッチング等によりパターニングする方法等が挙げられる(図3(f))。図3(f)は、レーザLを用いたドライエッチングによりパターニングした例を示してある。
ソース電極22及びドレイン電極23のパターン形成後、図3(g)に示されるように、第1の保護膜50を成膜する。
第1の保護層50は、酸化ガリウムを主成分とし、活性層40の少なくともソース電極22とドレイン電極23との電極間のバックチャネル領域を覆うように形成されている。ソース電極22とドレイン電極23の間のチャネル部を十分に覆う事ができるという理由から、該領域を含み且つソース電極22及びドレイン電極23に少なくとも一部が接触するように設けられていることが好ましい。なお、酸化ガリウムは電荷中性組成としては、Gaであるが、その組成は成膜条件によって変動することがある。従って、第1の保護層及び後記する第2の保護層の主成分である酸化ガリウムは、Ga、GaO,Ga,GaO,GaOのいずれかの組成の状態で存在していてもよい。
また、第1の保護層50は、該保護層50の少なくとも一部が活性層40に直接接触するように配置されていてもよく、他の層を介して設けられていてもよい。
「背景技術」の項において述べたように、IGZO系電界効果型トランジスタは、活性層40への水分や酸素の影響による特性変化を生じやすいという問題、及び、成膜中のプラズマ等のダメージにより低抵抗化しやすく、閾値電圧が負に偏っており、オフ電流が大きくなるため、消費電力が大きいという2つの問題があった。かかる問題に対し、先行技術文献に記載の方法等により、上記2つの問題の改善が試みられてきたが、水分や酸素の影響による特性変化の抑制についての効果はみられるものの、オフ電流の低減については、安定性の高い活性層を得るために必須であるアニール処理を施したトランジスタにおいて成功例の報告はない。
本発明者は、電界効果型トランジスタ1aにおいて、酸化ガリウムを主成分とする保護層50を、活性層40の少なくともソース電極22とドレイン電極23との電極間のバックチャネル領域を覆うように形成することにより、活性層40への水分や酸素の影響による特性変化を抑制し、且つ、アニール処理を施した安定性の高いIGZO系電界効果型トランジスタにおいて閾値電圧をゼロに近づけうる、すなわち、オフ電流を最小化しうることを見いだした(後記実施例を参照)。
第1の保護層50の形成方法については、特に限定はなく、一般的な方法が用いられる。例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング法、印刷法、または転写法が適用される。これらの中でも、成膜速度や膜質の観点からスパッタリング法を用いることが好ましい。また、保護層の安定化のために、保護膜形成後アニール処理を行ってもよい。
第1の保護層50の形成方法においてスパッタリング法を用いる場合に、閾値電圧を正化してオフ電流をゼロに近づける効果を得るには、スパッタ成膜ガスとして、酸素とアルゴンの混合ガスを用い、混合ガス中のArに対するOの体積比率は、0%超15%未満とする必要があり、3%以上10%以下とすることが好ましい(後記実施例を参照)。このような低酸素分圧のスパッタ条件における酸化ガリウムの成膜においても、活性層40を低抵抗率化させることなく、オフ電流を低減させ、ノーマリーオフに近づけることができる。
先行技術にもあるように、水分や酸素を遮断する機能性膜としてはSiOを用いることが一般的であるが、その場合、かかる酸素プアな雰囲気での成膜は、活性層40へのダメージが大きく、逆に活性層40を低抵抗化させてしまう。一方、酸素リッチ雰囲気でのマイルドな条件での成膜は、成膜速度が極端に遅くなる上、アニール処理により保護層50の酸素が抜けて低抵抗化を引き起こす可能性がある。
上記本実施の形態の電界効果型トランジスタ1aで用いる保護層50の成膜条件(酸素分圧)は、通常のスパッタ法の成膜条件の範囲内であり、かかる条件において活性層40にダメージを与えること無く容易に成膜することが可能であり、好ましい。なお、上記スパッタ成膜ガス以外のスパッタ条件(投入RFパワーや圧力)についても、ターゲットに応じて一般的な条件を採用すればよい。
本実施形態において、第1の保護層50の主成分である酸化ガリウムは、バンドギャップが活性層40に比して大きい。第1の保護層50の成膜条件については後記するが、本実施形態では、低酸素分圧での気相成膜により、プラズマダメージを大きく与えることなく保護層50を成膜することができるので、保護層50の成膜時の活性層40の低抵抗化を良好に抑制し、活性層40のキャリア濃度よりも充分小さいキャリア濃度の保護層50とすることができる。
第1の保護層50のキャリア濃度が活性層40に比して小さい場合は、ソース電極22から保護層50に電子が注入されて該保護層50からドレイン電極23へ流れることが良好に抑制される。このため、ドレイン電流が立ち上がるときのゲート印加電圧であるVonが極端に小さくなることが抑制される。従って、電界効果型トランジスタ1aにおいては、ソース電極22及びドレイン電極23の電極間では活性層40側に電流が流れ易い状態となり、駆動時の閾値シフトが抑制され、動作安定性が向上する。
最後に、図3(h)に示されるように、ソース電極22及びドレイン電極23上の第2の保護膜50を除去して電界効果型トランジスタ1aを得る。実際は、電界効果型トランジスタ1aの第1の保護膜50上には、平坦化膜が形成される(図示略)。
また、上記一般式(P1)で示されるIGZO系アモルファス酸化物半導体層は、ソース/ドレイン電極のパターニングにおいて、ウェットエッチングの場合、電極層のエッチング速度と半導体層のエッチング速度とが近いため、パターニング時に活性層表面にある上記酸化物半導体層がダメージを受けやすい。
また、ドライエッチングの場合は、ウェットエッチングに比べればダメージは少ないが、エッチングによるダメージにより活性層表面の低抵抗化は、オフ電流が大きくなるため好ましくない。
しかしながら、ソース/ドレイン電極をパターニング後に、第1の保護膜50を、活性層40の少なくともソース電極22とドレイン電極23との電極間のバックチャネル領域を覆うように形成することにより、オフ電流の少ないTFT素子とすることができる。
その理由は明らかではないが、本発明者は、酸化ガリウムを主成分とする第1の保護層50を、成膜時に活性層40の表面の低抵抗化を促進させることなく、低抵抗化した活性層40表面上に低酸素分圧でのスパッタ成膜することにより、第1の保護層50により活性層40の表面ダメージがカバーされて、その抵抗値を正にシフトさせるのではないかと考えている。
一方、上記パターニングプロセスにおける活性層40のバックチャネル領域のエッチングダメージは、少ない方が好ましい。従って、図2に示される第2実施形態の電界効果型トランジスタ1bのように、更に、少なくとも活性層40のバックチャネル領域に、ソース電極22・ドレイン電極23のパターン形成時に活性層40の損傷を抑制する、酸化ガリウムを主成分とする第2の保護層60をエッチングストッパ層として更に備えていることが好ましい。
第2実施形態の電界効果型トランジスタ1bの製造方法を図4(a)〜(i)に示す。上記したように、第1実施形態と第2実施形態とでは、エッチングストッパ層となる第2の保護層60の有無のみが異なるため、製造方法においても、第2の保護層60の成膜工程(図4(e))が入り、その上に、ベタ電極層20を成膜していく以外は第1実施形態と同様であるため説明は省略する。
第1の保護層50と第2の保護層60の主成分は同様に酸化ガリウムであることから、第2の保護膜60の成膜方法は第1の保護層50と同様であることが好ましい。
第2の保護層60の役割としては、上記エッチングストッパ層としての役割以外に、第1の保護層50の補強としての役割も果たすことができる。従って、活性層40のバックパル領域においては、第1の保護層50と第2の保護層60の両方が、保護層として機能する。
第1の保護層50の平均厚み(層厚)、また、第2の保護膜60を備えた構成ではバックチャネル領域の酸化ガリウムを主成分とする第1及び第2保護層の平均総厚は、水や酸素の浸入による活性層40の低抵抗化を抑制可能な被覆性を充分に有し、且つ、配線を取り出すための縦穴のあけやすい程度の厚さ以下であることの観点からは、10nm以上1000nm以下であればよい。初期電流の立ち上がり特性(S値)を悪化させることなく、閾値電圧を良好に正化してオフ電流をゼロに近づけるためには、後記実施例に示されるように、10nm以上50nm未満であることが好ましく、40nm以下であることがより好ましい。
以上説明したように、本実施の形態の電界効果型トランジスタ1aは、IGZO系アモルファス酸化物半導体系電界効果型トランジスタにおいて、ソース電極22とドレイン電極23との間のバックチャネル領域の活性層40上に、酸化ガリウムを主成分とする保護膜50を備えている。かかる構成では、バックチャネル領域の活性層40が、活性層40よりも充分にキャリア濃度の低い酸化ガリウムを主成分とする保護膜50により保護されているため、環境変化による特性の安定性が優れている。また、保護膜50の成膜により活性層40に与えるダメージが少ないため、オフ電流を良好に低減させることができる上、アニール処理による安定化を行ってもかかる効果が維持される。従って、本発明によれば、消費電力が少なく、且つ、立ち上がり特性及び環境変化及び駆動に対する素子安定性の優れた電界効果型薄膜トランジスタ1a(1b)とすることができる。
「設計変更」
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能である。
本発明に係る実施例及び比較例について説明する。
(実施例1)
0.5mm厚み、2.5cm角のガラス基板を洗浄容器に入れ、2−プロパノール中で超音波洗浄した後、30分間UV−オゾン処理を行った。このガラス基板上に、ゲート電極としてスパッタリング法によりMo−Nb膜(40nm)を成膜した後、エッチングによりパターニングした。エッチングは、31℃のAlエッチャントに20秒弱浸漬することで行った。
次に、上記ゲート電極上に、SiOゲート絶縁膜を、RFマグネトロンスパッタ法(条件:ターゲットSiO、成膜温度54℃、スパッタガスO/Ar=2/12sccm、RFパワー400W、成膜圧力0.4Pa)にて200nmの厚みに成膜し、その後、バッファードフッ酸(BHF)を用いたウエットエッチングによりパターン形成した。
次いで、上記ゲート絶縁層上に、50nm厚の活性層をRFマグネトロンスパッタ法(条件:ターゲット組成InGaZnO、スパッタガスO/Ar=2/97sccm、RFパワー200W、全圧0.38Pa)により形成した。
次いで、ソース電極22及びドレイン電極23としてモリブデン(Mo)を100nmの厚みに抵抗加熱蒸着(成膜温度25℃)することによって形成した。なお、ソース電極及びドレイン電極のパターニングは、ドライエッチングにより行った。形成されたソース電極及びドレイン電極の電極間の距離は、200μmであった。
次に、上記形成したソース電極及びドレイン電極の双方に接触し、且つ該電極間における活性層の露出した領域(バックチャネル領域)を覆うように酸化ガリウム保護層をスパッタ法により形成した(スパッタ条件:ターゲット組成Ga、スパッタガスO/Ar=2/97sccm(5%)、RFパワー100W、全圧0.4Pa)。形成された保護層の厚みは10nmであった。
最後に、180℃の乾燥器を用いて、加熱アニール処理を行った後、電界効果型トランジスタ1aを作製した。アニール処理は、30分かけて180℃への昇温した後、180℃にて60分間行った。
(実施例2)
保護層の厚みを20nmとした以外は実施例1と同様にして電界効果型トランジスタ1aを作製した。
(実施例3,4)
保護層のスパッタ成膜における、スパッタガスの組成を、O/Ar=3/97sccm(3%)とした以外は実施例1及び2と同様にして電界効果型トランジスタ1aを作製した。
(実施例5,6)
保護層のスパッタ成膜における、スパッタガスの組成を、O/Ar= 10/90sccm(10%)とした以外は実施例1及び2と同様にして電界効果型トランジスタ1aを作製した。
(実施例7)
保護層の厚みを40nmとした以外は実施例1と同様にして電界効果型トランジスタ1aを作製した。
(比較例1)
保護層の厚みを50nmとした以外は実施例1と同様にして電界効果型トランジスタ1aを作製した。
(比較例2)
保護層のスパッタ成膜における、スパッタガスの組成を、O/Ar=15/85sccm(15%)とした以外は実施例1及び2と同様にして電界効果型トランジスタ1aを作製した。
<評価>
上記実施例1〜7、及び上記比較例1,2の各々で調整した電界効果型トランジスタの各々について電流電圧特性を測定した。電流電圧特性は、飽和領域ドレイン電圧Vd=15V(ゲート電圧−10V≦Vg≦15V)での伝達特性の測定を行うことによって電流−電圧特性曲線を求めた。なお、この伝達特性の測定は、半導体パラメータ・アナライザー4156C(アジレントテクノロジー社製)を用いて行った。
代表として、図5〜図8に、実施例1,2,7及び比較例1の電流電圧特性(Id−Vg特性)を、保護膜を形成しなかった場合のId−Vg曲線と併せて示す。横軸はゲート電圧(Vg)、縦軸はドレイン電流(Id)である。図5〜図7においては、酸化ガリウム保護層の成膜により、良好な、初期電流の立ち上がり特性(S値)を維持しつつ、閾値電圧を0に近づけられた(正化:約+2V)ことが示されており、本発明の効果を確認することができた。実施例3〜6についても同様に本発明の効果を確認することができたが、実施例6については、閾値電圧の正化量が他の実施例に比して少なかった。
図8は、比較例1のId−Vg特性を示したものである。図示されるように、若干閾値電圧に対する効果は確認されたものの、酸化ガリウム保護膜の成膜によって、立ち上がり特性(S値)が劣化してしまった。更に、比較例2については、閾値電圧に対する効果が全く観察されなかった。
上記電流電圧曲線から求めた閾値電圧(最小電流値を発生する電圧)の代表的な結果を、表1及び表2に示す。表1は、酸化ガリウム保護膜の膜厚を10nmとした場合に、スパッタ成膜時のスパッタガス中のアルゴンに対する酸素分圧の違いによる閾値電圧の正化の値について纏めたものである。表1には、酸素分圧がゼロでは閾値電圧が大きく負となり、活性層が導体化してしまうが、3%以上10%未満においては、最大3Vもの閾値電圧のプラスシフトが得られることが示されている。
また、表2は、上記酸素分圧を5%として固定した場合に、酸化ガリウム保護膜の膜厚の違いによる閾値電圧の正化の値について纏めたものである。繰り返しになるが、表2には、保護膜の膜厚が厚くなると、初期電流の立ち上がり電圧が悪化(S値が悪化)し、且つ、充分な閾値電圧の正化も得られないことが示されている。
表3は、上記実施例において、良好な立ち上がり特性を維持し、且つ、良好な閾値の正化の効果(2V以上)が得られた場合を◎、良好な立ち上がり特性を維持しているが、閾値の正化の効果が0V超2V未満であった場合を○、閾値正化の効果が得られなかった場合を×として、酸化ガリウム保護膜の好適な厚み及びスパッタ成膜時のスパッタガス中の酸素分圧の範囲を示したものである。
上記実施例及び比較例より、本発明の有効性が確認された。
Figure 2011258804
Figure 2011258804
Figure 2011258804
本発明の電界効果型トランジスタ及びその製造方法は、液晶やEL素子を用いた画像表示装置、特に(Flat Panel Display:FPD)のスイッチング素子、駆動素子として用いられる。特に、フレキシブルFPD装置のスイッチング素子、駆動素子として好適に用いられる。また、可撓性基板上に電界効果型トランジスタを形成することで、ICカードやIDタグ、フレキシブルDRセンサ、バイオセンサ、フレキシブル太陽電池などに幅広く応用される。
1a,1b 電界効果型トランジスタ
10 基板
20 電極層(連続膜)
21 ゲート電極
30 ゲート絶縁膜
40 活性層
22 ソース電極
23 ドレイン電極
50 第1の保護層
60 第2の保護層

Claims (11)

  1. 基板上に、ゲート電極と、ゲート絶縁膜と、IGZO系アモルファス酸化物からなる(不可避不純物を含んでもよい)活性層と、該活性層上にパターン形成されてなるソース電極及びドレイン電極と、酸化ガリウムを主成分とする第1の保護層とを備えた電界効果型トランジスタであって、
    前記保護層が、少なくとも、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間のバックチャネル領域の前記活性層上に形成されてなることを特徴とする電界効果型トランジスタ。
  2. 少なくとも前記活性層のバックチャネル領域に、前記パターン形成による前記活性層の損傷を抑制する、酸化ガリウムを主成分とする第2の保護層を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の電界効果型トランジスタ。
  3. 前記第1の保護層の平均層厚が、10nm以上50nm未満であることを特徴とする請求項1に記載の電界効果型トランジスタ。
  4. 前記第1の保護層と前記第2の保護層とからなる前記バックチャネル領域の保護層の平均層厚が、10nm以上50nm未満であることを特徴とする請求項2に記載の電界効果型トランジスタ。
  5. 前記平均層厚が40nm以下であることを特徴とする請求項3又は4に記載の電界効果型トランジスタ。
  6. 基板上に、ゲート電極と、ゲート絶縁膜と、IGZO系アモルファス酸化物からなる(不可避不純物を含んでもよい)活性層と、ソース電極と、ドレイン電極と、該ソース電極と該ドレイン電極との間の前記活性層のバックチャネル領域の上に少なくとも形成された、酸化ガリウムを主成分とする第1の保護層とを備えた電界効果型トランジスタの製造方法であって、
    前記ソース電極と前記ドレイン電極をパターン形成した後、少なくとも、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間のバックチャネル領域上に前記第1の保護層を形成する工程と、前記活性層をアニール処理する工程とを有し、
    前記第1の保護層を、アルゴンガス中に0体積%超10体積%以下の酸素を含むスパッタリングガスを用いたスパッタリング法により形成することを特徴とする電界効果型トランジスタの製造方法。
  7. 前記スパッタリングガスとして、前記アルゴンガス中に3体積%以上5体積%以下の酸素を含むものを用いることを特徴とする請求項6に記載の電界効果型トランジスタの製造方法。
  8. 前記第1の保護層の平均層厚が10nm以上50nm未満となる条件で、該第1の保護層を形成することを特徴とする請求項6又は7に記載の電界効果型トランジスタの製造方法。
  9. 前記アニール処理が180℃〜200℃の温度における加熱処理であることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の電界効果型トランジスタの製造方法。
  10. 前記パターン形成がエッチング処理であり、該エッチング処理の前に、少なくとも前記活性層のバックチャネル領域に、前記エッチング処理による活性層の損傷を抑制する、酸化ガリウムを主成分とする第2の保護層を成膜する工程を有することを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の電界効果型トランジスタの製造方法。
  11. 前記前記第1の保護層と前記第2の保護層とからなる前記バックチャネル領域の保護層の平均層厚が10nm以上50nm未満となる条件で、該第1の保護層を形成することを特徴とする請求項6又は7に記載の電界効果型トランジスタの製造方法。
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