JP2010016175A - 薄膜トランジスタ - Google Patents

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Abstract

【課題】ゲート絶縁層の厚さを大きくすることが容易であり、ゲート絶縁層の影響によるチャネル層の半導体特性の劣化が防止された薄膜トランジスタ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】薄膜トランジスタ10は、基板1の表面に、ゲート電極2、ゲート絶縁層3及びチャネル層4がこの順に形成され、該チャネル層4の表面にソース電極5及びドレイン電極6が形成された構成となっている。ゲート絶縁層3としては、アモルファスフッ素樹脂が用いられる。ゲート絶縁層3がアモルファスフッ素樹脂よりなるため、ゲート絶縁層が金属酸化物絶縁体よりなる場合と比べて、厚さを大きくすることが容易である。また、ゲート絶縁層がポリアミド等の他の有機材料よりなる場合と比べて、ゲート絶縁層の影響によるチャネル層の半導体特性の劣化が著しく少ない。
【選択図】図1

Description

本発明は、ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、チャネル層及び該ゲート電極と該チャネル層との間に介在するゲート絶縁層を有する薄膜トランジスタに関する。
近年、低温プロセスで安価に製造することができる酸化物トランジスタの開発が盛んに行われている。この酸化物トランジスタとしては、ZnOやInGaZnOをチャネル層として用いたものなどの開発が進んでおり、アモルファスシリコンをチャネル層として用いた薄膜トランジスタを凌駕するトランジスタ特性も得られている(Nature,vol.432(2004),P.488)。例えば、特開2000−150900号には、チャネル層としてZnOを用いたトランジスタが開示されている。
I. 現在、これらの薄膜トランジスタのゲート絶縁膜としては、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化イットリウムなどの金属酸化物絶縁体が主に用いられている。これら金属酸化物絶縁体をゲート絶縁膜として用いた場合、該ゲート絶縁膜と接するチャネル層を変質させることがなく、チャネル層の半導体特性が良好に維持される。
これら金属酸化物絶縁体よりなるゲート絶縁膜を工業的に形成する場合、スパッタ法が用いられることが多い。特に基板としてPET等のフィルム基板を使用する場合には、主に無加熱でのスパッタ成膜法が用いられる。
しかしながら、これら金属酸化物絶縁体よりなるゲート絶縁膜をスパッタ法で形成する場合、成膜速度が非常に遅いために生産性が悪いという問題がある。また、低温で成膜した場合、十分な耐電圧特性や低リーク電流を得ることが難しいことが多く、特にQR−LPDを始めとする高電圧駆動のデバイスに適用することは困難である。
II. また、薄膜トランジスタのゲート絶縁膜として、PVP、ポリイミド、アクリル樹脂などの有機材料が用いられることも多い。これら有機系ゲート絶縁膜はスピンコートやインクジェット法などの塗布プロセスで形成することが可能であり、ミクロンオーダーの厚膜を形成することが非常に容易である。
しかしながら、これらの有機系ゲート絶縁膜にあっては、絶縁膜中の有機物が不純物としてチャネル層へ侵入し、トランジスタ特性を劣化させるという問題がある。特に、チャネル層として酸化物半導体を用いた場合には、トランジスタ特性が著しく劣化する。
特開2000−150900号 Nature,vol.432(2004),P.488
本発明は、ゲート絶縁層の厚さを大きくすることが容易であり、ゲート絶縁層の影響によるチャネル層の半導体特性の劣化が防止された薄膜トランジスタを提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の薄膜トランジスタは、ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、チャネル層及び該ゲート電極と該チャネル層との間に介在するゲート絶縁層を有する薄膜トランジスタにおいて、該ゲート絶縁層がアモルファスフッ素樹脂よりなることを特徴とするものである。
請求項2の薄膜トランジスタは、請求項1において、前記チャネル層が酸化物半導体よりなることを特徴とする。
請求項3の薄膜トランジスタは、請求項2において、前記酸化物半導体が、ZnO半導体、AlをドープしたZnO半導体、Ga、Zn、Sn及びWのうち少なくとも1つ以上の金属をドープした酸化インジウム半導体、CuO半導体、NiO半導体又はAlをドープしたCuO半導体よりなることを特徴とする。
請求項4の薄膜トランジスタは、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記ゲート絶縁層の厚さは10nm〜2μmであることを特徴とする。
請求項5の薄膜トランジスタは、請求項1ないし4のいずれか1項において、前記ゲート絶縁層は、アモルファスフッ素樹脂を焼き付けることにより形成されたものであることを特徴とする。
本発明(請求項1)の薄膜トランジスタは、ゲート絶縁層がアモルファスフッ素樹脂よりなるため、ゲート絶縁層の厚さを大きくすることが容易であり、かつ、ゲート絶縁層によるチャネル層の半導体特性の劣化を良好に防止することができる。
請求項2の通り、チャネル層が酸化物半導体よりなる場合においても、ゲート絶縁層がアモルファスフッ素樹脂よりなるため、ゲート絶縁層の影響によるチャネル層の半導体特性の劣化を良好に防止することができる。
請求項3の通り、酸化物半導体は、ZnO半導体、AlをドープしたZnO半導体、Ga、Zn、Sn及びWのうち少なくとも1つ以上の金属をドープした酸化インジウム半導体、CuO半導体、NiO半導体又はAlをドープしたCuO半導体よりなっていてもよい。
ゲート絶縁層が厚さ0.1μm以上である場合、高い耐電圧特性と低いリーク電流を得ることができ、QR−LPDなどの高電圧駆動のデバイスに好適に適用することができる。
請求項5の通り、ゲート絶縁層をアモルファスフッ素樹脂の焼き付けによって形成すると、厚さの大きいゲート絶縁膜を容易かつ迅速に製造することが可能である。
本発明の薄膜トランジスタは、ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、チャネル層及び該ゲート電極と該チャネル層との間に介在するゲート絶縁層を有する薄膜トランジスタにおいて、該ゲート絶縁層がアモルファスフッ素樹脂よりなることを特徴とするものである。
第1図は、本発明の薄膜トランジスタの一例を示す模式図である。
この薄膜トランジスタ10は、基板1の表面に、ゲート電極2、ゲート絶縁層3及びチャネル層4がこの順に形成され、該チャネル層4の表面にソース電極5及びドレイン電極6が形成された構成となっている。
この基板1としては、例えば、ケイ酸アルカリ系ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等のガラスを使用することができる。また、この薄膜トランジスタ10をフレキシブルデバイスとして適用する場合には、この基板1としては、PET、アクリル、ポリイミド樹脂、PEN等の種々の合成樹脂よりなる板状基板やフィルム基板等を使用することもできる。基板1の厚さは、0.05〜10mmが一般的であり、0.2〜5mmが好ましい。
このゲート電極2としては、ITO(インジウム錫酸化物)やAlドープZnOなどの透明導電膜、AlやAuなどの金属膜、PEDOT−PSSなどの導電性高分子膜等が用いられる。このゲート電極2の比抵抗は、例えば8×10−5〜1×10−2Ω・cm程度である。このゲート電極2の厚みは、例えば5nm〜200μm程度である。
このゲート電極2は、DC反応性スパッタ法、RFスパッタ法、パルスレーザー蒸着法などの物理的気相成長法によって成膜することができる。
このゲート絶縁層3としては、アモルファスフッ素樹脂が用いられる。
アモルファスフッ素樹脂としては、酸素原子を構成群として有するパーフルオロシクロポリマーが挙げられ、具体的には市販されている旭硝子(株)社製のサイトップ(CYTOP)シリーズ(例えば、CTX−809、803M、805M、807M、809M、811M、813M。)が好適に用いられる。また、duPont製のテフロン(テフロンは登録商標)AFシリーズ(例えば、テフロンAF1600、テフロンAF2400、テフロンAF1601S等)も用いることができる。
このゲート絶縁層3の厚みは、デバイスに依存しますが、10nm〜2μmであることが好ましく、特にQR−LPD用の場合0.3μm〜1.0μmがより好ましい。10nm未満であると、ゲートリーク電流の抑制を十分に行うことができない。2μm超であると、ゲート電極2に印加するゲート電圧を過大にする必要がある。このゲート絶縁層3の比抵抗は、1×1011Ω・cm以上、例えば1×1011〜1015Ω・cm、特に1×1013〜1015Ω・cmであることが好ましい。
このゲート絶縁層3は、アモルファスフッ素樹脂の焼き付けによって形成されることが好ましく、例えば、上記アモルファスフッ素樹脂を溶媒に溶解したアモルファスフッ素樹脂含有溶液をゲート電極2の表面に塗布し、焼成することによって製造されたものが好ましい。このアモルファスフッ素樹脂含有溶液の塗布厚を大きくすることにより、厚さの大きいゲート絶縁層3を容易に製造することができる。従って、従来例のようにスパッタ法によって金属酸化物絶縁体よりなるゲート絶縁層を製造する場合と比べて、厚さを大きくすることが容易である。
このアモルファスフッ素樹脂を溶解してアモルファスフッ素樹脂含有溶液とするためのフッ素系溶媒としては、旭硝子(株)社製のCT−Solv.100、CT−solv.180、duPont製のFLUORINERT、FC−75等が好適である。
この塗布法としては、スピンコーティング、スクリーン印刷、ジェット印刷、スタンプ印刷等を用いることができる。焼成温度は80〜200℃、焼成時間は30分〜3時間程度が好ましい。このように焼成温度が低温であるので、基板1として、上記の通りPETなどの合成樹脂を用いることができる。
このゲート絶縁層3は、アモルファスフッ素樹脂よりなるため、従来例のようにポリアミドやアクリル樹脂等の有機材料よりなる場合と比べて、ゲート絶縁層の影響によるチャネル層の半導体特性の劣化を著しく低減することができる。
このチャネル層4としては、ZnO半導体、AZO(Alをドープした酸化亜鉛)半導体、Ga、Zn、Sn及びWを少なくとも1種以上ドープした酸化インジウム等の金属酸化物半導体、CuO半導体、NiO半導体、AlをドープしたCuO半導体等が用いられる。AZO半導体である場合、原子数比Al/(Zn+Al)は0.01〜30atm%、特に0.1〜5atm%であることが好ましい。
このチャネル層4の比抵抗は、10−1〜10Ω・cm、特に1〜10Ω・cmであることが好ましい。比抵抗がこの範囲であると、電界効果移動度及びオン/オフ比が十分に高い値となる。このチャネル層4の厚みは、例えば10nm〜100nm程度である。
このチャネル層4は、上記のゲート電極2と同様、各種の物理的気相成長法によって製造することができる。
このソース電極5及びドレイン電極6としては、AZO導体、ITO導体、AlやAuなどの金属膜、PEDOT−PSSなどの導電性高分子膜などが用いられる。AZO導体である場合、原子数比Al/(Zn+Al)が0.01〜30atm%、特に0.1〜5atm%であることが好ましい。また、これらソース電極5及びドレイン電極6の比抵抗は、10−2Ω・cm以下、特に10−3Ω・cm以下であることが好ましい。これらソース電極5及びドレイン電極6の比抵抗の制御も、成膜時の酸素導入量の制御によって行うことができる。これらソース電極5及びドレイン電極6の厚みは、例えば5〜200nm程度である。また、これら電極5,6間の距離(チャネル長)は1μm〜200μm程度である。各電極5,6の奥行き(チャネル幅)は要求される電流量に依存する。
これらソース電極5及びドレイン電極6は、上記のゲート電極2と同様、各種の物理的気相成長法によって製造することができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
なお、まずガラス基板上に直接に又は各種の絶縁層を介して半導体薄膜を形成し、各々の半導体薄膜のシート抵抗を測定した試験例1〜12について説明する。なお、ガラス基板としては、corning社製1737無アルカリガラス(縦50mm×横80mm×厚み1.0mm)を用いた。また、試験例1〜6ではZnO半導体薄膜を形成し、試験例7〜12ではInGaZnO半導体薄膜を形成した。
[試験例1〜6]
[試験例1]
上記のガラス基板上に、アモルファスフッ素含有溶液を1900rpmの条件で90秒間スピンコートした後、120℃で1時間焼成し、厚さ0.54μmの絶縁膜を形成したものを、基板2とした。
なお、アモルファスフッ素含有溶液としては、アモルファスフッ素樹脂(旭硝子(株)社製「サイトップCTX−807M」)と溶媒(旭硝子(株)社製「CT−Solv.180」)を80:20(wt%)で混合したものを用いた。この薄膜上に無加熱スパッタ法によって厚さ40nmのZnO半導体薄膜を形成した。無加熱スパッタ法のスパッタ条件は、以下の通りとした。
ターゲット:75mmφ金属亜鉛ターゲット
成膜時の圧力:0.5Pa
印加電圧:DC150W
成膜時のガス流量:Ar/O=96/4.0sccm
成膜時間:10分
[試験例2]
ガラス基板上に、試験例1と同一条件にてZnO半導体薄膜を形成した。
[試験例3]
ガラス基板上に、ポリイミド樹脂(京セラケミカル社製「ケミタイト」)を1900rpmの条件で180秒間スピンコートし、200℃で1時間焼成し、厚さ0.78μmの絶縁膜を形成した後、試験例1と同一条件にてZnO半導体薄膜を形成した。
[試験例4]
ガラス基板上に、アクリル樹脂(三菱レイヨン社製「アクリライト」)をスクリーン印刷法で塗布し、UV光を照射して硬化させ、0.89μmの絶縁膜を形成した後、試験例1と同一条件にてZnO半導体薄膜を形成した。
[試験例5]
ガラス基板上に、無加熱スパッタ法によって膜厚50nmのAl薄膜を形成した。無加熱スパッタ法のスパッタ条件は、以下の通りとした。
ターゲット:75mmφアルミナ焼結体
成膜時の圧力:0.5Pa
印加電圧:RF150W
成膜時のガス流量:Ar=100sccm
成膜時間:90分
この上に、試験例1と同一条件にてZnO半導体薄膜を形成した。
[試験例6]
ガラス基板上に、無加熱スパッタ法によって膜厚35nmのTa薄膜を形成した。無加熱スパッタ法のスパッタ条件は、以下の通りとした。
ターゲット:75mmφタンタル酸化物焼結体
成膜時の圧力:0.5Pa
印加電圧:RF150W
成膜時のガス流量:Ar=100sccm
成膜時間:90分
この上に、試験例1と同一条件にてZnO半導体薄膜を形成した。
Figure 2010016175
[試験例7〜12]
試験例1〜6において、ZnO半導体薄膜の代わりに無加熱スパッタ法によって厚さ35nmのInGaZnO半導体薄膜を形成した。無加熱スパッタ法のスパッタ条件は、以下の通りとした。
ターゲット:75mmφInGaZnO焼結体
(In:Ga:Zn(mol比)=1:1:1)
成膜時の圧力:0.5Pa
印加電圧:DC150W
成膜時のガス流量:Ar/O=98/2.0sccm
成膜時間:10分
Figure 2010016175
<シート抵抗の測定>
上記試験例1〜12の各試料を30mm×70mmの大きさにしたものについて、三菱化学社製「Hirester−UP」を用いてシート抵抗を測定した。その結果を表1及び表2に示す。
ガラス基板と半導体薄膜との間にアモルファスフッ素樹脂を介在させた試料(試験例1,7)は、ガラス基板に直接に半導体薄膜を形成した試料(試験例2,8)や、ガラス基板と半導体薄膜との間に酸化物薄膜(Al,Ta)を介在させた試料(試験例5,6,11,12)とほぼ同等の抵抗率を示し、半導体特性が変化していないことが明らかとなった。
これに対し、ガラス基板と半導体薄膜との間にポリイミド樹脂を介在させた試料(試験例3,8)と、ガラス基板と半導体薄膜との間にアクリル樹脂を介在させた試料(試験例4,9)は、抵抗率が大幅に低下していることが明らかとなった。
[実施例1,2及び比較例1〜4]
以下に説明する通り、3種類の基板上に、ZnO半導体薄膜又はInGaZnO半導体薄膜を成膜し、その上にソース電極及びドレイン電極を形成したトランジスタを製造し、特性を測定した。
<実施例1>
ガラス基板として、corning社製1737無アルカリガラス(縦50mm×横80mm×厚み1.0mm)の表面にITO膜(厚み100nm、In90質量部、Sn10質量部)が形成されたITOガラス基板を用いた。
このITOガラス基板上に、上記試験例1の場合と同一の手順及び条件でアモルファスフッ素樹脂絶縁膜を形成した。
この上に、試験例1〜6と同一手順及び条件にて厚さ40nmのZnO半導体薄膜を形成した。
次いで、シャドーマスクを用い、このZnO半導体薄膜上にITOのソース電極及びドレイン電極を成膜し、薄膜トランジスタを形成した。この薄膜トランジスタのチャネル長(ソース電極とドレイン電極の間隔)は0.1mmとし、チャネル幅(ソース電極及びドレイン電極の奥行き)は6.4mmとした。
なお、成膜条件は以下の通りとした。
ターゲット:75mmφITOターゲット(In:Sn(質量比)=90:10)
成膜時の圧力:0.5Pa
印加電圧:DC150W
成膜時のガス流量:Ar/O=99/1.0sccm
成膜時間:3分
膜厚:40nm
[比較例1]
実施例1において、アモルファスフッ素樹脂の代わりに試験例3と同一の方法で厚さが0.78μmのポリイミド樹脂絶縁膜を形成したこと以外は同一条件にて薄膜トランジスタを製造した。
[比較例2]
実施例1において、アモルファスフッ素樹脂の代わりに試験例4と同一の方法で厚さ0.89μmのアクリル樹脂絶縁膜を形成したこと以外は同一条件にて薄膜トランジスタを製造した。
[実施例2、比較例3,4]
実施例1及び比較例1,2において、ZnO薄膜の代わりに試験例7〜12と同一の方法によって厚さ35nmのInGaZnO半導体薄膜を形成したこと以外は同一条件にて薄膜トランジスタを製造した。
なお、表3にこれらの実施例1,2及び比較例1〜4の構成を示した。
Figure 2010016175
<トランジスタ特性の測定>
トランジスタ特性として、ドレイン電圧が50Vのときにおけるドレイン電流のゲート電圧依存性を測定した。測定装置として、Agilent社製半導体パレメーターアナライザー「4155C」を用いた。測定結果を図2に示す。
図2の通り、ゲート絶縁層をポリイミド樹脂又はアクリル樹脂にて構成した比較例1〜4では、ゲート電圧による変調が起こらずに常にオン状態になることが確認された。
これに対して、ゲート絶縁層をアモルファスフッ素樹脂で構成した実施例1,2では、ゲート電圧の変化によってチャネルが変調され、オフ状態からオン状態への明瞭な変化が確認された。これにより、良好なトランジスタ特性が得られていることがわかった。
薄膜トランジスタの一例を示す模式的な断面図である。 薄膜トランジスタのトランジスタ特性を示すグラフである。
符号の説明
1 基板
2 ゲート電極
3 ゲート絶縁層
4 チャネル層
5 ソース電極
6 ドレイン電極
10 薄膜トランジスタ

Claims (5)

  1. ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、チャネル層及び該ゲート電極と該チャネル層との間に介在するゲート絶縁層を有する薄膜トランジスタにおいて、
    該ゲート絶縁層がアモルファスフッ素樹脂よりなることを特徴とする薄膜トランジスタ。
  2. 請求項1において、前記チャネル層が酸化物半導体よりなることを特徴とする薄膜トランジスタ。
  3. 請求項2において、前記酸化物半導体が、ZnO半導体、AlをドープしたZnO半導体、Ga、Zn、Sn及びWのうち少なくとも1つ以上の金属をドープした酸化インジウム半導体、CuO半導体、NiO半導体又はAlをドープしたCuO半導体よりなることを特徴とする薄膜トランジスタ。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記ゲート絶縁層の厚さは10nm〜2μmであることを特徴とする薄膜トランジスタ。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記ゲート絶縁層は、アモルファスフッ素樹脂を焼き付けることにより形成されたものであることを特徴とする薄膜トランジスタ。
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