JP2019114609A - 薄膜トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents

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達哉 武井
博史 辻
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【課題】酸窒化亜鉛を半導体層に用いた薄膜トランジスタにおいて、高い移動度を保ちつつ、電気的特性の安定性を向上させうる薄膜トランジスタおよびその製造方法を提供する。【解決手段】基板1上に、少なくとも、ゲート電極2、ゲート絶縁膜3、酸化物半導体層4、およびソース電極5とドレイン電極6を積層した構成とされ、酸化物半導体層4は、少なくともZn、O、N、およびInを含む半導体を材料として用い、前記酸化物半導体層4に含まれるInの該酸化物半導体層4全体に対する割合が、1.5atomic%以上、かつ4.8atomic%以下に設定されている。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、ディスプレイ駆動素子などに用いられる薄膜トランジスタに関し、詳しくは酸化物半導体として酸窒化亜鉛を含む薄膜トランジスタおよびその製造方法に関するものである。
近年、ディスプレイ駆動素子等に活用することを目的とした薄膜トランジスタ(以下、TFT(Thin-Film Transistor)と称することもある)として、インジウム、ガリウム
および亜鉛を含む酸化物半導体(酸化インジウムガリウム亜鉛)(In-Ga-Zn-O)等の酸化物半導体をチャネル(活性層)に用いたものが注目されている。In-Ga-Zn-Oを用いたTFT(以下、IGZO−TFT)(下記非特許文献1を参照)は、アモルファスシリコンTFTに比べて10倍以上も高い移動度(〜10 cm2/Vs)を示す。
今日では、大面積・高精細のディスプレイに適用するため、IGZO−TFTよりもさらに高い移動度を有するTFTの検討がなされている。例えば、酸窒化亜鉛(Zn-O-N)を用いたTFT(以下、ZnON−TFT)は、IGZO−TFTよりも高い移動度を示すことが知られている(下記非特許文献2を参照)。
K.Nomura et al., Nature vol.432,p.488(2004) M.Ryu et al., IEDM Tech.Dig. vol.432,p.5.6.1(2012)
しかしながら、上述したように高い移動度を示すZnON−TFTは、電気的な特性が不安定であり、その経時的な変化が生じやすく、高い移動度を保ちつつ、電気的特性の経時的変化が小さい、ZnON−TFTの出現が望まれていた。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、主成分として酸窒化亜鉛を半導体層に用いた薄膜トランジスタにおいて、高い移動度を保ちつつ、電気的特性の安定性を向上させうる薄膜トランジスタおよびその製造方法を提供することを目的とするものである。
上記のような目的を達成するために、
本発明の薄膜トランジスタは、
活性層としての酸化物半導体層として、少なくともZn、O、N、およびInを含む半導体を材料として用い、
前記酸化物半導体層に含まれるInの該酸化物半導体層全体に対する割合が、1.5atomic%以上、かつ4.8atomic%以下であることを特徴とするものである。
また、本発明の薄膜トランジスタは、
基板の一方の面上に、少なくとも、ゲート電極、ゲート絶縁膜、前記酸化物半導体層、およびソース・ドレイン電極を有する構成とすることができる。
また、本発明の薄膜トランジスタの製造方法は、基板の一方の面上に、少なくとも、ゲ
ート電極、ゲート絶縁膜、酸化物半導体層、およびソース・ドレイン電極をこの順に形成し、
前記酸化物半導体層はスパッタリングを用いて、Zn、O、N、およびInを含む半導体を材料とすることにより形成され、
前記スパッタリングは、Inのスパッタターゲットに第1の電力を印加するとともにZnのスパッタターゲットに第2の電力を印加し、
前記Inのスパッタターゲットに印加する該第1の電力は、前記酸化物半導体層に含まれるInの該酸化物半導体層全体に対する割合が、1.5atomic%以上、かつ4.8atomic%以下となる値に調整することを特徴とするものである。
ここで、「第1の電力」および「第2の電力」とは、DC電力あるいはRF電力等の電力の種類を称し、第1の電力および第2の電力が異種であっても同種であっても良い。例えば、第1の電力をDC電力、第2の電力をRF電力とすることができる。
酸窒化亜鉛を酸化物半導体層に用いた薄膜トランジスタにおいて、インジウムが添加された酸窒化亜鉛全体に対してのInの添加量が増えるにつれて移動度が増加するが、本願発明者等の測定、考察によれば、Inの添加量が所定値を超えると移動度が減少する。
Inの添加量が所定値を超えると移動度が減少するのは、酸化物半導体層の全体の原子数に対するInの原子数に応じてキャリアの散乱も増加し、所定値からは、キャリアの散乱による効果の方が大きくなってしまうことが考えられる。
また、ドレイン電圧が所定の電圧値のときに、ドレイン電流が所定の電流値となるときのゲート電圧で定義されるしきい値電圧の変化(ΔVth)は、Inを添加することでその値を小さくすることが可能となる。しかし、このしきい値電圧の変化(ΔVth)もInを添加し過ぎると、逆に大きくなり過ぎてしまう。なお、上記所定の電圧値としては、例えば1V、上記所定の電流値としては、例えば10-7Aとする。
本発明者等の測定の結果、Inの添加量に対して、1.5atomic%以上、かつ4.8atomic%以下とすることにより、高い移動度を維持しつつ経年的な電気的な安定性を得られることが見出されたので、本発明の薄膜トランジスタにおいては、酸化物半導体層全体原子数に対するInの原子数を1.5atomic%以上、かつ4.8atomic%以下に設定している。
したがって、本発明の薄膜トランジスタおよびその製造方法によれば、高い移動度を維持しつつ、経年的な電気的特性の安定化を図ることができる。
本発明の実施形態に係る薄膜トランジスタの断面構造を示すものである。 本発明の実施例1に係る薄膜トランジスタのゲート電圧―ドレイン電流特性(DCスパッタターゲット電力5W)を示すグラフである。 本発明の実施例2に係る薄膜トランジスタのゲート電圧―ドレイン電流特性(DCスパッタターゲット電力8W)を示すグラフである。 本発明の実施例3に係る薄膜トランジスタのゲート電圧―ドレイン電流特性(DCスパッタターゲット電力10W)を示すグラフである。 本発明の実施例4に係る薄膜トランジスタのゲート電圧―ドレイン電流特性(DCスパッタターゲット電力12W)を示すグラフである。 本発明の実施例5に係る薄膜トランジスタのゲート電圧―ドレイン電流特性(DCスパッタターゲット電力15W)を示すグラフである。 本発明の実施例6に係る薄膜トランジスタのゲート電圧―ドレイン電流特性(DCスパッタターゲット電力20W)を示すグラフである。 本発明の実施例7に係る薄膜トランジスタのゲート電圧―ドレイン電流特性(DCスパッタターゲット電力30W)を示すグラフである。 本発明の実施例8に係る薄膜トランジスタのゲート電圧―ドレイン電流特性(DCスパッタターゲット電力50W)を示すグラフである。 比較例に係る薄膜トランジスタのゲート電圧―ドレイン電流特性(DCスパッタターゲット電力0W)を示すグラフである。 薄膜トランジスタのしきい値電圧変化(ΔVth)の、Inスパッタターゲットに加えたDC電力に対する依存性を示すグラフである。 薄膜トランジスタの移動度の、Inスパッタターゲットに加えたDC電力に対する依存性を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態に係る薄膜トランジスタを図面を用いて説明する。
図1は本実施形態に係る薄膜トランジスタの構造を示すものである。
本発明の薄膜トランジスタ(以下、TFTと称する)は、まず、基板1の上にゲート電極2およびゲート絶縁膜3を順次形成し、次に、半導体層(インジウムを添加した酸窒化亜鉛層)(活性層)4を形成し、その上にソース電極5およびドレイン電極6を形成してなる。
本実施形態に係るTFTは、薄膜トランジスタの基板1について、種々の材質のものを用いることができ、シリコン基板、ガラス基板、プラスチック基板等、用途に応じて選択することができる。
本実施形態に係る薄膜トランジスタは、図1に示すようにボトムゲート型であり、かつトップコンタクト型であるが、本発明を適用し得るTFTのタイプとしては、この構造に限られるものではない。例えばゲート電極の下側にゲート絶縁膜と半導体層を順に備えたトップゲート型のTFT、あるいは、ソース電極とドレイン電極が半導体層の下側に配されるボトムコンタクト型のTFTでもよい。
上記基板1としては、種々の材質のものを用いることができ、シリコン、ガラスあるいはプラスチック樹脂等から構成されるが、フレキシブルなプラスチックフィルムで構成することにより、フレキシブルなディスプレイ(例えば有機ELディスプレイ)を形成することが可能である。
プラスチックフィルムとしては、たとえばPET、PEN、ポリイミド等を用いたものが挙げられる。
上記ゲート電極2およびゲート絶縁膜3の構成材料として種々の周知の材料を用いることができる。
ゲート電極2としては、例えば、電気抵抗率の低いAlやCuの金属、耐熱性の高いMo、Cr、Ti等の高融点金属、さらには、これら金属の合金を用いることができる。なお、ゲート電極2は、フォトリソグラフィー法(紫外線露光による微細加工技術)等を用いて、必要な大きさ、形状に、パターニングされている。
また、ゲート絶縁膜3としては、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、さらにはシリコン酸窒化膜等が代表的に例示される。
その他に、Al23やY23等の酸化物や、これらを積層したものを用いることもできる。
上記半導体層(活性層)4は、Zn、O、N、およびInで構成される、Inを添加した酸窒化物からなり、上記Zn、O、N、およびInの原子数の合計に対する各金属元素の原子数の比が下記式(1)〜(4)を全て満足するものであることが好ましい。なお、下記式(1)〜(4)において、Zn、O、N、およびInは、各々、Zn、O、N、お
よびInの原子数を表す。
0.40 ≦Zn/(Zn+O+N+In)≦0.80 ・・・(1)
0.01 ≦O /(Zn+O+N+In)≦0.50 ・・・(2)
0.10 ≦N /(Zn+O+N+In)≦0.50 ・・・(3)
0.015 ≦In/(Zn+O+N+In)≦0.048 ・・・(4)
Inは電気伝導性の向上に寄与する元素である。上記式(4)で示すInの原子数比が大きくなるほど、半導体層4の導電性が増加するため電界効果移動度は増加する。したがって、上記Inの原子数比は0.015以上とする必要がある。
しかしながら、In原子数比が大き過ぎると、キャリア密度が増加しすぎて、移動度の低下を招くとともに、しきい値電圧が低下し、経年的な電気的特性の安定化等に問題が生じるため、0.048以下とする必要がある。
次に、本発明の実施形態に係る薄膜トランジスタの製造方法を図1を参照して説明する。
本実施形態の製造方法においては、まず、ガラスや樹脂等からなる基板1を洗浄し、基板1の表面にバリア層や平坦化層(無機薄膜や有機薄膜)を形成し(図示せず)、その後、ゲート電極2を積層し、必要な形状にパターニングする。なお、微細形状をパターニングするには、フォトリソグラフィー法(紫外線露光による微細加工技術)を用いる。
次に、ゲート電極2上および基板1(ゲート電極2が形成されていない領域)上にゲート絶縁膜3を形成する。ゲート絶縁膜3としては、シリコン酸化膜(SiO2)を、例えば100nmの厚みに形成したものを用いる。成膜は化学気相成長法やスパッタリング法を用いる。勿論、有機材料を用いて成膜することもできる。
続いて、Inを添加した酸窒化亜鉛からなる半導体層4をスパッタリングを用いて形成する。
次に、ソース電極5およびドレイン電極6を、スパッタリング等を用いて形成する。なお、半導体層4上にエッチングストップ層を導入すれば半導体特性の劣化を抑制することができるので好ましい。電極の材料としては、ITO、IZOなどの透明電極や、Al、Ag、Cr、Mo、Ti等の金属電極やこれらの合金を用いることができる。
なお、積層された積層体(基板1、ゲート電極2、ゲート絶縁膜3、酸化物半導体層4、ソース電極5およびドレイン電極6)の上表面に保護膜を形成することも可能である。
以下、本発明の実施例に係るTFTについて、比較例との比較を行うことにより説明する。
<サンプルの作成>
まず、実施例に係るTFTは、ゲート電極を兼ねた高ドープシリコン基板上にSiO2熱酸化膜からなるゲート絶縁膜をシリコンの熱酸化により100nmの厚さに形成した。
そのゲート絶縁膜の上に、スパッタ装置により、ZnスパッタターゲットおよびInスパッタターゲットを用い、共スパッタリングにより半導体層(活性層)を10nmの厚さに成膜した。
その際に、InスパッタターゲットにはDC電力が印加されるようにし、DC電力の値を、0〜50Wの範囲で変化させるようにした(DC電力の値を大きくするほど、半導体に添加されるInの量が多くなる)。
DC電力の値を変化させる毎にTFTの中間サンプルを作製した。
DC電力が5Wのときを実施例1の中間サンプル、DC電力が8Wのときを実施例2の中間サンプル、DC電力が10Wのときを実施例3の中間サンプル、DC電力が12Wのときを実施例4の中間サンプル、DC電力が15Wのときを実施例5の中間サンプル、DC電力が20Wのときを実施例6の中間サンプル、DC電力が30Wのときを実施例7の中間サンプル、DC電力が50Wのときを実施例8の中間サンプル、さらにスパッタを行わず、Inが添加されていない状態のものを比較例の中間サンプルとした。
上記実施例1〜8の中間サンプルおよび比較例の中間サンプルについて、RBS分析を行った。
RBS分析法(ラザフォード後方散乱分析法)を行った結果、実施例2の中間サンプルは、半導体中のInの組成比が1.5atomic%であり、実施例4の中間サンプルは、半導体中のInの組成比が3.1atomic%であり、実施例7の中間サンプルは、半導体中のInの組成比が4.8atomic%との測定結果が得られた。
半導体層の成膜後、ホットプレートを用いて、大気中で200℃、1時間の熱処理を実施した。その後、ソース電極とドレイン電極を形成し、TFTの本サンプルを作製した。作製したTFTはボトムゲート−トップコンタクト構造であり、チャネル長は80μm、チャネル幅は520μmとなるように、上述した実施例1〜8の本サンプルおよび比較例の本サンプルを作製した。
<サンプルの測定>
これらの各サンプルにおける、TFTのゲート電圧−ドレイン電流特性の測定は、半導体パラメータアナライザを用い、TFTを作製した日、およびその日から2ヶ月後に相当する日において、互いに同様の測定を実施した。
[実施例1]
・半導体膜のスパッタ製膜条件
成膜時のガス流量:Ar/O2/N2=5/0.5/10 sccm
成膜時の圧力:0.6 Pa
半導体層(活性層)の厚さ:10nm
印加電力:RF100W(Znスパッタターゲット),
:DC5W(Inスパッタターゲット)
上記実施例1の条件で作製したTFTのゲート電圧−ドレイン電流特性を図2に示す。
[実施例2]
Inスパッタターゲットの印加電力をDC8Wとしたこと以外は、実施例1の場合と同様の条件で作製した。
上記実施例2の条件で作製したTFTのゲート電圧−ドレイン電流特性を図3に示す。[実施例3]
Inスパッタターゲットの印加電力をDC10Wとしたこと以外は、実施例1の場合と同様
の条件で作製した。
上記実施例3の条件で作製したTFTのゲート電圧−ドレイン電流特性を図4に示す。
[実施例4]
Inスパッタターゲットの印加電力をDC12Wとしたこと以外は、実施例1の場合と同様
の条件で作製した。
上記実施例4の条件で作製したTFTのゲート電圧−ドレイン電流特性を図5に示す。[実施例5]
Inスパッタターゲットの印加電力をDC15Wとしたこと以外は、実施例1の場合と同様
の条件で作製した。
上記実施例5の条件で作製したTFTのゲート電圧−ドレイン電流特性を図6に示す。
[実施例6]
Inスパッタターゲットの印加電力をDC20Wとしたこと以外は、実施例1の場合と同様
の条件で作製した。
上記実施例6の条件で作製したTFTのゲート電圧−ドレイン電流特性を図7に示す。[実施例7]
Inスパッタターゲットの印加電力をDC30Wとしたこと以外は、実施例1の場合と同様
の条件で作製した。
上記実施例7の条件で作製したTFTのゲート電圧−ドレイン電流特性を図8に示す。
[実施例8]
Inスパッタターゲットの印加電力をDC50Wとしたこと以外は、実施例1の場合と同様
の条件で作製した。
上記実施例8の条件で作製したTFTのゲート電圧−ドレイン電流特性を図9に示す。[比較例]
Inスパッタターゲットに電力を印加しなかったこと以外は、実施例1の場合と同様の条件で作製した。
上記比較例の条件で作製したTFTのゲート電圧−ドレイン電流特性を図10に示す。
図11に、実施例1〜8および比較例に係るTFTに関し、しきい値電圧変化(ΔVth)の、Inスパッタターゲットに加えたDC電力に対する依存性を示す(横軸はDCパワー(DC電力(W)))の値であり、縦軸はしきい値電圧変化(ΔVth(V))の値である。
ここで、しきい値電圧は、ドレイン電圧が1Vのときに、ドレイン電流が10-7 Aとなるときのゲート電圧で定義し、しきい値電圧変化(ΔVth)は、TFTの作製日に測定したしきい値電圧と、2ヶ月後に相当する日に測定したしきい値電圧の差の絶対値により定義した。
図11に示すように、しきい値電圧変化(ΔVth)の大きさは、Inの添加がない場合(DCパワーが0Wの場合)に比べて、Inを添加することでその値を小さくすることが
でき、DCパワーが15Wの場合に、しきい値電圧変化が最小となっている。
この図11から明らかなように、DCパワーが0Wの場合よりもしきい値電圧変化(Δ
th)の値が小さくなるのは、DCパワーが5W以上、かつ30W以下の場合である。
次に、図12に、実施例1〜8および比較例に係るTFTに関し、TFTの移動度の、Inスパッタターゲットに加えたDC電力に対する依存性を示す(横軸はDCパワー(DC電力(W))の値であり、縦軸は移動度(cm/Vs)の値である)。
図12に示すように、移動度の大きさは、Inスパッタターゲットに印加するDC電力が大きくなる(DCパワーが5W〜12W)につれて、つまり、Inの添加量が増えるにつれて移動度が増加する。しかし、Inスパッタターゲットに印加するDC電力がさらに大きくなる(DCパワーが15W以上)につれて、つまり、Inの添加量がさらに増えるに
つれて移動度が減少していることが明らかである。
許容できる移動度の最小値を10(cm/Vs)とすると、DCパワーは8W以上、かつ30W以下の範囲となる。
前述したように、RBS分析法により、DCパワーが8Wおよび30Wのときの酸化物半導体層中のInの組成比は、それぞれ1.5atomic%(実施例2)および4.8atomic%(実施例7)となるから、結局、酸化物半導体層中のInの組成比は、1.5atomic%以上、かつ4.8atomic%以下の範囲に設定すればよいことになる。
本発明の薄膜トランジスタおよびその製造方法によれば、酸化物半導体層中のInの組成比を、1.5atomic%以上、かつ4.8atomic%以下に設定しているから、移動度を良好に維持しつつ、経年的な電気的特性の変化を抑制することができる。
本発明の薄膜トランジスタおよびその製造方法としては、上記実施形態に記載したものに限られるものではなく、その他の種々の態様の変更が可能である。
例えば、上記酸化物半導体層に含まれる元素としては、少なくとも、Zn、O、N、およびInを含んでいればよく、その他の元素を微量含むことを排除するものではない。
また、本発明の薄膜トランジスタとしては、上記実施形態に限られるものではなく、実施形態において示す各層間に他の層を介在させる構成とすることも可能である。
また、上記実施形態においては、酸化物半導体層を形成する際に、共スパッタリング法を用い、InスパッタターゲットにはDC電力を、ZnスパッタターゲットにはRF電力を印加するようにしているが、本発明の薄膜トランジスタを形成する際には、必ずしもこの電力印加手法に限られるものではなく、何れも、他の電力印加手法を用いることが可能である。
また、上述した薄膜トランジスタを用いて表示駆動部を形成し、例えば、有機ELディスプレイ(OLED)やLCD等の種々の表示装置を形成することができる。
1 基板
2 ゲート電極
3 ゲート絶縁膜
4 酸化物半導体層
5 ソース電極
6 ドレイン電極

Claims (3)

  1. 活性層としての酸化物半導体層として、少なくともZn、O、N、およびInを含む半導体を材料として用い、前記酸化物半導体層に含まれるInの該酸化物半導体層全体に対する割合が、1.5atomic%以上、かつ4.8atomic%以下であることを特徴とする薄膜トランジスタ。
  2. 基板の一方の面上に、少なくとも、ゲート電極、ゲート絶縁膜、前記酸化物半導体層、およびソース・ドレイン電極を有する構成とされていることを特徴とする請求項1記載の薄膜トランジスタ。
  3. 基板の一方の面上に、少なくとも、ゲート電極、ゲート絶縁膜、酸化物半導体層、およびソース・ドレイン電極をこの順に形成し、
    前記酸化物半導体層はスパッタリングを用いて、Zn、O、N、およびInを含む半導体を材料とすることにより形成され、
    前記スパッタリングは、Inのスパッタターゲットに第1の電力を印加するとともにZnのスパッタターゲットに第2の電力を印加し、
    前記Inのスパッタターゲットに印加する該第1の電力は、前記酸化物半導体層に含まれるInの該酸化物半導体層全体に対する割合が、1.5atomic%以上、かつ4.8atomic%以下となる値に調整することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
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