JP2010251113A - 固体電解質電池の製造方法および固体電解質電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】膜の層数を少なくすることができ、良好な特性を得ることができる固体電解質電池の製造方法および固体電解質電池を提供する。
【解決手段】この固体電解質電池の製造方法は、基板上11に、下部集電体層12と中間層13と上部集電体層14とがこの順で積層された積層体を形成する、積層体形成工程と、積層体に対して電圧を加える工程とを有する。
【選択図】図1

Description

この発明は、固体電解質電池の製造方法および固体電解質電池に関する。
近年の携帯電子技術の目覚ましい発達により、携帯電話やノートブック型パーソナルコンピュータ等の携帯型電子機器は、高度情報化社会を支える基盤技術と認知されてきた。さらに、これらの機器の高機能化に関する研究開発は精力的に進められており、それに比例して、携帯型電子機器の消費電力も増加の一途を辿っている。その反面、これらの電子機器は、長時間駆動が求められており、必然的に駆動電源である二次電池の高エネルギー密度化が望まれている。
携帯型電子機器に内蔵される電池の占有体積や重量などの観点より、電池のエネルギー密度は高いほど望ましい。リチウムイオンのドープおよび脱ドープを利用したリチウムイオン二次電池は、優れたエネルギー密度を有することから、携帯型電子機器に広く使用されている。
リチウムイオン二次電池の中でも、薄膜技術を利用して電池を形成した薄膜リチウムイオン二次電池は、より一層の小型化および軽量化を実現でき、ICカードや小型の電子機器の動力源として期待されている。
例えば、特許文献1に記載されている薄膜リチウムイオン二次電池は、基板上に、正極側の集電体層、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、負極側の集電体層が積層された構成を有している。この薄膜リチウムイオン二次電池では、各層(薄膜)の形成をスパッタリング法で行っている。
再表2006/082846号公報
しかしながら、特許文献1に記載の従来の薄膜リチウムイオン二次電池(以下、従来の薄膜電池と称する)では、以下の(1)〜(5)の問題があった。
(1)従来の薄膜電池では、集電体層、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、および集電体層の各層(各薄膜)は、異なる材料で構成される。したがって、従来の薄膜電池を、例えば、スパッタリング法で製造する場合には、各層ごとに、各層を構成する材料に対応した異なるターゲット材料を用意する必要があり、必要となるターゲット材料の種類が多くなってしまう。
(2)従来の薄膜電池では、各層(各薄膜)の形成において、条件の異なるスパッタを多数回行う必要があり、各回ごとにターゲット材料やマスクの交換等も行わなければならないので、製造に時間がかかってしまう。
(3)さらに、従来の薄膜電池では、膜の層数が多いため(5層)、それぞれの膜の応力によって、剥離やクラックが生じてしまう。
(4)さらに、従来の薄膜電池では、膜の層数が多いため(5層)、それぞれの膜の熱膨張係数が異なることによって、温度が変化した場合に剥離やクラックが起こってしまう。
(5)さらに、従来の薄膜電池では、正極や負極に使う材料の中には希少金属(CoやNi)が含まれているので、製造コストが高くなってしまう。
したがって、この発明の目的は、(1)〜(5)の問題に対して有効な固体電解質電池の製造方法、および固体電解質電池を提供することにある。
上述した課題を解決するために、第1の発明は、第1の集電体材料で構成された第1の集電体層と、第2の集電体材料で構成された第2の集電体層と、リチウムイオン伝導材料で構成された中間層とを有する積層体を形成する工程と、積層体に対して、電圧を加える工程とを有する固体電解質電池の製造方法である。
第2の発明は、基板と、基板上に形成され、第1の集電体材料で構成された第1の集電体層と、第1の集電体層上に形成され、リチウムイオン伝導材料で構成された中間層と、中間層上に形成され、第2の集電体材料で構成された第2の集電体層とを有する積層体を形成する工程と、積層体に対して、電圧を加える工程とを有する固体電解質電池の製造方法である。
第3の発明は、第1の集電体材料で構成された第1の集電体層と、第2の集電体材料で構成された第2の集電体層と、第1の集電体層と第2の集電体層との間に設けられ、リチウムイオン伝導材料で構成された中間層とを有し、中間層は、リチウムイオン伝導材料が変化することによって形成された正極領域、固体電解質領域および負極領域を有し、充電時に正極領域から固体電解質領域を介して負極領域にリチウムイオンが移動し、放電時に負極領域から固体電解質領域を介して正極領域にリチウムイオンが移動する固体電解質電池である。
第4の発明は、基板と、基板上に形成され、第1の集電体材料で構成された第1の集電体層と、第1の集電体層上に形成され、リチウムイオン伝導材料で構成された中間層と、 中間層上に形成され、第2の集電体材料で構成された第2の集電体層と、を有し、中間層は、リチウムイオン伝導材料が変化することによって形成された正極領域、固体電解質領域および負極領域を有し、充電時に正極領域から固体電解質領域を介して負極領域にリチウムイオンが移動し、放電時に負極領域から固体電解質領域を介して正極領域にリチウムイオンが移動する固体電解質電池である。
第1の発明〜第4の発明では、リチウムイオン伝導材料で構成された単一の中間層が変化して、正極領域、固体電解質領域および負極領域を形成するので、これにより、固体電解質電池の層の数を少なくすることができる。
この発明によれば、リチウムイオン伝導材料で構成された単一の中間層が変化して、正極領域、固体電解質領域および負極領域を形成することによって、良好な特性を得ることができる。
この発明の第1の実施の形態による固体電解質電池の製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第1の実施の形態による固体電解質電池の製造方法に用いるスパッタリング装置の一例の構成を示す略線図である。 この発明の第2の実施の形態による固体電解質電池の製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第3の実施の形態による固体電解質電池の製造方法を説明するための断面図である。 試験例1−1の充放電試験の結果を示すグラフである。 試験例1−1の充放電試験の結果を示すグラフである。 試験例1−1の充放電試験の結果を示すグラフである。 試験例1−1の開回路電圧の測定結果を示すグラフである。 試験例1−1のインピーダンス測定の結果を示すCole−Coleプロットである。 試験例1−1のインピーダンス測定の結果を示すCole−Coleプロットである。 試験例1−2の充放電試験の結果を示すグラフである。 試験例1−2の充放電試験の結果を示すグラフである。 試験例1−2の開回路電圧の測定結果を示すグラフである。 試験例1−2のインピーダンス測定の結果を示すCole−Coleプロットである。 試験例1−2のインピーダンス測定の結果を示すCole−Coleプロットである。 試験例1−3の充放電試験の結果を示すグラフである。 試験例1−3の充放電試験の結果を示すグラフである。 試験例1−3の充放電試験の結果を示すグラフである。 試験例1−3の開回路電圧の測定結果を示すグラフである。 試験例1−3のインピーダンス測定の結果を示すCole−Coleプロットである。 試験例1−3のインピーダンス測定の結果を示すCole−Coleプロットである。 試験例1−4の充放電試験の結果を示すグラフである。 試験例1−4の充放電試験の結果を示すグラフである。 試験例1−4の充放電試験の結果を示すグラフである。 試験例1−4の開回路電圧の測定結果を示すグラフである。 試験例1−4のインピーダンス測定の結果を示すCole−Coleプロットである。 試験例1−4のインピーダンス測定の結果を示すCole−Coleプロットである。 集電体層の材料別にサイクル数に対する放電容量をプロットしたグラフである。 集電体層の材料別にサイクル数に対する放電容量をプロットしたグラフである。 集電体層の材料別にサイクル数に対する放電容量をプロットしたグラフである。 集電体層の材料別にサイクル数に対する放電容量維持率をプロットしたグラフである。 試験例2−1の充放電試験の結果を示すグラフである。 試験例2−1の充放電試験の結果を示すグラフである。 試験例2−1の開回路電圧の測定結果を示すグラフである。 試験例2−1のインピーダンス測定の結果を示すCole−Coleプロットである。 試験例2−1のインピーダンス測定の結果を示すCole−Coleプロットである。 試験例2−2の充放電試験の結果を示すグラフである。 試験例2−2の充放電試験の結果を示すグラフである。 試験例2−2の開回路電圧の測定結果を示すグラフである。 試験例2−2のインピーダンス測定の結果を示すCole−Coleプロットである。 試験例2−2のインピーダンス測定の結果を示すCole−Coleプロットである。 試験例2−3の充放電試験の結果を示すグラフである。 試験例2−3の充放電試験の結果を示すグラフである。 試験例2−3の開回路電圧の測定結果を示すグラフである。 試験例2−3のインピーダンス測定の結果を示すCole−Coleプロットである。 試験例2−3のインピーダンス測定の結果を示すCole−Coleプロットである。 試験例2−4の充放電試験の結果を示すグラフである。 試験例2−4の充放電試験の結果を示すグラフである。 試験例2−4の開回路電圧の測定結果を示すグラフである。 試験例2−4のインピーダンス測定の結果を示すCole−Coleプロットである。 試験例2−4のインピーダンス測定の結果を示すCole−Coleプロットである。 試験例2−5の充放電試験の結果を示すグラフである。 試験例2−5の充放電試験の結果を示すグラフである。 試験例2−5の開回路電圧の測定結果を示すグラフである。 試験例2−5のインピーダンス測定の結果を示すCole−Coleプロットである。 試験例2−5のインピーダンス測定の結果を示すCole−Coleプロットである。 試験例2−6の充放電試験の結果を示すグラフである。 試験例2−6の充放電試験の結果を示すグラフである。 試験例2−6の開回路電圧の測定結果を示すグラフである。 試験例2−6のインピーダンス測定の結果を示すCole−Coleプロットである。 試験例2−6のインピーダンス測定の結果を示すCole−Coleプロットである。 試験例2−7の充放電試験の結果を示すグラフである。 試験例2−7の充放電試験の結果を示すグラフである。 試験例2−7の開回路電圧の測定結果を示すグラフである。 試験例2−7のインピーダンス測定の結果を示すCole−Coleプロットである。 試験例2−7のインピーダンス測定の結果を示すCole−Coleプロットである。 集電体層の材料別にサイクル数に対する放電容量をプロットしたグラフである。 集電体層の材料別にサイクル数に対する放電容量をプロットしたグラフである。 集電体層の材料別にサイクル数に対する放電容量をプロットしたグラフである。 集電体層の材料別にサイクル数に対する放電容量維持率をプロットしたグラフである。 試験例3−1の充放電試験の結果を示すグラフである。 試験例3−1の充放電試験の結果を示すグラフである。 試験例3−1の開回路電圧の測定結果を示すグラフである。 試験例3−1のインピーダンス測定の結果を示すCole−Coleプロットである。 試験例3−1のインピーダンス測定の結果を示すCole−Coleプロットである。 試験例3−2の充放電試験の結果を示すグラフである。 試験例3−3の充放電試験の結果を示すグラフである。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下に説明する実施の形態は、この発明の具体的な例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、この発明の範囲は、以下の説明において、特にこの発明を限定する旨の記載がない限り、実施の形態に限定されないものとする。なお、説明は、以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(固体電解質電池の製造方法の第1の例)
2.第2の実施の形態(固体電解質電池の製造方法の第2の例)
3.第3の実施の形態(固体電解質電池の製造方法の第3の例)
4.他の実施の形態(変形例)
1.第1の実施の形態(固体電解質電池の製造方法の第1の例)
この発明の第1の実施の形態による固体電解質電池の製造方法について説明する。この発明の第1の実施の形態による固体電解質電池の製造方法は、大別すると、基板上に、下部電体層と中間層と上部集電体層とがこの順で積層された積層体を形成する、積層体形成工程と、積層体に対して電圧を加える工程とを有する。
以下、積層体形成工程および積層体に対して電圧を加える工程を、図1を参照しながら説明する。なお、図1Aは、積層体形成工程を説明するための断面図である。図1Bは、積層体に対して電圧を加える工程を説明するための断面図である。図1Cは、積層体形成工程と、積層体に対して電圧を加える工程とによって形成された固体電解質電池を説明するための断面図である。
〔積層体形成工程〕
[積層体]
まず、積層体形成工程によって形成する積層体について説明する。この積層体は、図1Aに示すように、基板11上に、下部集電体層12と、中間層13と、上部集電体層14とがこの順で積層された構造を有する。第1の実施の形態では、下部集電体層12、中間層13および上部集電体層14を薄膜で形成する例について説明する。
ここで、薄膜とは、厚さが例えば数μm以下であり、表面積に比べて体積が著しく小さい材料をいい、その形状は、一般的には平板状である。なお、第3の実施の形態、他の実施の形態で後述するが、この発明は、各層すべてを薄膜で形成する例に限定されるものではない。
積層体を構成する基板11、下部集電体層12、中間層13、および上部集電体層14について、より詳細に説明する。
(基板)
基板11は、例えば、ガラス、アルミナなどのセラミック、樹脂などの電気絶縁性材料からなる基板、シリコンなどの半導体材料からなる基板、アルミニウム、銅、ステンレスなどの導電性材料からなる基板などを用いることができる。基板11の形状としては特に限定されるものではないが、例えば、板状、シート状、フィルム状、ブロック状などが挙げられる。基板11は硬いものであっても、可撓性を有するものであってもよく、多様で広範囲のものを使用することができる。
(下部集電体層)
下部集電体層12は、良好な化学的安定性、電気伝導性を有する集電体材料で形成された薄膜である。この集電体材料としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、ITO(Indium Tin Oxide)、チタン、白金、金、銀、ステンレススチールなどの金属材料、または炭素などが挙げられる。中でも、より優れた電池特性を得ることができる点から、銅が好ましい。
(中間層)
中間層13は、リチウムイオン伝導性があり、電子移動性が無視できるほど小さいリチウムイオン伝導材料によって構成された薄膜である。このようなリチウムイオン伝導性材料としては、例えば、Li3PO4またはLi3PO4に対して窒素が添加されたLiPONなどのリチウムとリンとを含む化合物が挙げられる。この薄膜は、例えばアモルファスであり、透明度の高い薄膜である。
(上部集電体層)
上部集電体層14は、良好な化学的安定性、電気伝導性を有する集電体材料により構成された薄膜である。この集電体材料としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、ITO(Indium Tin Oxide)、チタン、白金、金、銀、ステンレススチールなどの金属材料、または炭素などが挙げられる。中でも、より優れた電池特性を得ることができる点から、銅が好ましい。なお、上部集電体層14および下部集電体層12の材料は、同一材料であっても異なる材料であってもよい。
[積層体の形成(下部集電体層12、中間層13、上部集電体層14の形成)]
積層体は、基板11上に下部集電体層12となる薄膜、中間層13となる薄膜、上部集電体層14となる薄膜をこの順で形成することによって、得ることができる。
(薄膜の形成方法)
下部集電体層12、中間層13、上部集電体層14となる各薄膜の形成方法について説明する。
各薄膜は、例えば、PVD(Physical Vapor Deposition:物理気相成長)法あるいはCVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法などの気相法により形成できる。また、電気めっき、無電界めっき、塗布法、ゾル−ゲル法などの液相法により形成できる。また、SPE(固相エピタキシー)法、LB(Langmuir-Blodgett:ラングミュアーブロジェット)法などの固相法により形成することができる。
PVD法は、薄膜化する薄膜原料を熱やプラズマなどのエネルギーで一旦蒸発・気化し、基板上に薄膜化する方法である。PVD法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、MBE(分子線エキピタシー)法、レーザアブレーション法等が挙げられる。
CVD法は、ガスとして供給される薄膜の構成材料に対して、熱、光、プラズマなどのエネルギーを加えて原料ガス分子の分解・反応・中間生成物を形成し、基板表面での吸着、反応、離脱を経て薄膜を堆積させる方法である。
CVD法としては、例えば、熱CVD法、MOCVD(Metal Organic Chemical Chemical Vapor Deposition:有機金属気相成長)法、RFプラズマCVD法、光CVD法、レーザCVD法、LPE(Liquid Phase Epitaxy)法などが挙げられる。
上述の薄膜形成方法によって、所望の構成の下部集電体層12、中間層13、上部集電体層14となる薄膜を形成することは、当業者にとって容易である。すなわち、当業者は、薄膜原料、薄膜形成方法、薄膜形成条件等を適宜選択することによって、所望の構成の下部集電体層12、中間層13、上部集電体層14となる薄膜を容易に形成できる。
[積層体の形成例]
以下、一例としてスパッタリング法によって、基板11上に、下部集電体層12、中間層13および上部集電体層14となる各薄膜を形成することによって、積層体を形成する例について説明する。
なお、勿論、下部集電体層12、中間層13および上部集電体層14となる各薄膜の形成は、スパッタリング法に限定されず、上述した薄膜形成方法を広く適用することができる。
(スパッタリング装置)
まず、積層体の製造に用いるRF(高周波)マグネトロンスパッタリング装置の一例について説明する。なお、このスパッタリング装置の構成は、あくまでも一例であり、積層体の製造に用いるスパッタリング装置は、この構成に限定されるものではない。
図2に示すように、このスパッタリング装置20は、成膜室となる真空チャンバ21、この真空チャンバ21内の真空状態を制御する真空制御部22およびプラズマ放電用のRF電源23を備える。また、このRF電源23と電源ライン24を通じて接続されているスパッタリングカソード部25、このスパッタリングカソード部25と所定の距離を持って対向配置されているパレット26を備える。さらに、アルゴンガスなどの不活性ガスを真空チャンバ21内に供給するための、放電ガス供給部31aを備える。窒素ガス、酸素ガスなどの反応性ガスを真空チャンバ21内に供給するための、反応性ガス供給部31bを備える。
放電ガス供給部31aは、不活性ガスであるアルゴンガスなどの放電ガスが貯留されている放電ガス源32aと、真空チャンバ21に供給する放電ガスのガス流量を制御するマスフローコントローラ33aとから構成される。放電ガス源32aからマスフローコントローラ33aを介して、真空チャンバ21に放電ガスが供給される。
反応性ガス供給部31bは、窒素ガス、酸素ガスなどの反応性ガスが貯留されている反応性ガス源32bと、真空チャンバ21に供給する反応性ガスのガス流量を制御するマスフローコントローラ33bとから構成される。反応性ガス源32bからマスフローコントローラ33bを介して、真空チャンバ21に反応性ガスが供給される。
スパッタリングカソード部25は、負電極として機能するターゲット28、ターゲット28を固着するように構成されたバッキングプレート29、およびバッキングプレート29のターゲット28が固着される面とは反対側の面に設けられた磁石系30を備える。
また、正電極として機能するパレット26と、負電極として機能するターゲット28とから、一対の電極が構成されている。パレット26上には、スパッタリングカソード部25と対向するように、薄膜が形成される被薄膜形成体36が取り付けられる。
以上のようにして、各薄膜を形成するためのスパッタリング装置20が構成されている。このスパッタリング装置20を用いて、図1Aに示す積層体を作製する例について説明する。
[積層体の形成]
(下部集電体層の形成)
まず、基板11を、下部集電体層12となる材料で構成されたターゲット28が設置されたスパッタリング装置20に搬入し、パレット26に固定する。次に、真空チャンバ21内を所定の圧力になるまで真空引きする。その後、真空チャンバ21内に、放電ガス供給部31aから、例えばアルゴンガスなどの不活性ガスを導入し、スパッタリングを行うことにより、基板11上に下部集電体層12となる薄膜を形成する。
(中間層の形成)
次に、下部集電体層12が形成された基板11を、中間層13となるリチウムイオン伝導材料で構成されたターゲット28が設置されたスパッタリング装置20に搬入し、パレット26に固定する。
次に、真空チャンバ21内を所定の圧力になるまで真空引きする。その後、真空チャンバ21内に、放電ガス供給部31aから例えばアルゴンガスなどの不活性ガスを導入し、スパッタリングを行うことにより、前工程で形成した下部集電体層12上に中間層13となる薄膜を形成する。
なお、この際、反応性スパッタリングを行ってもよい。反応性スパッタリングとは、放電ガスとしてのアルゴンガスなどの不活性ガス以外に、窒素ガス、酸素ガスなどの反応性ガスを真空チャンバ21に導入して、スパッタリングする方法である。例えば、上述のLiPONによって構成された薄膜は、Li3PO4をターゲット材料として、窒素ガスを真空チャンバ21に導入して、スパッタリングすることによって形成される。
反応性スパッタリングを行う場合には、真空チャンバ21内に、放電ガス供給部31aから例えばアルゴンガスなどの不活性ガスを導入し、さらに反応性ガス供給部31bから窒素ガスや酸素ガスなどの反応性ガスを導入する。そしてスパッタリングを行うことにより、前工程で形成した下部集電体層12上に中間層13となる薄膜を形成する。
(上部集電体層の形成)
次に、中間層13が形成された基板11を、上部集電体層14となる材料で構成されたターゲット28が設置されたスパッタリング装置20に搬入し、パレット26に固定する。次に、真空チャンバ21内を所定の圧力になるまで真空引きする。その後、真空チャンバ21内に、例えばアルゴンガスなどの不活性ガスを導入し、スパッタリングを行うことにより、前工程で形成した中間層13上に上部集電体層14となる薄膜を形成する。以上により図1Aに示す積層体を得ることができる。
〔電圧を加える工程〕
図1Bに示すように、積層体形成工程で作製した積層体に対して、電圧を加える。例えば、電源18の+端子を、上部集電体層14に接続し、電源の−端子を、下部集電体層12に接続することによって、積層体に対して電圧を加える。このとき電子は矢印Pの向きに流れる。加える電圧の大きさは、例えば3V以上8V以下であるが、この大きさに限定されるものではない。加える電圧の大きさは、上記の範囲以下であっても、以上であってもよい。この工程によって、積層体の状態が変化し、この変化によって積層体が、安定に充放電動作可能な固体電解質電池として機能するようになる。
[積層体の状態の変化について]
電圧を加える工程によって、積層体の状態が、図1Aに示す状態から図1Cに示す状態に変化する。
この図1Cに示す積層体は、基板11/下部集電体層12/領域13c/領域13b/領域13a/上部集電体層14を有する。すなわち、電圧を加えることによって、リチウムイオン伝導材料が変化し、中間層13は、領域13c、領域13bおよび領域13aを有するようになる。
この領域13cは、充電時にリチウムイオンが吸蔵され、放電時にリチウムがイオンとなって離脱する領域である(負極領域)。領域13bは、充電および放電時にリチウムイオンを伝導する媒質となる領域である(固体電解質領域)。領域13aは、充電時にリチウムがイオンとなって離脱し、放電時にリチウムイオンを吸蔵する領域(正極領域)である。
この図1Cに示す積層体は、充電時に領域13aから領域13bを介して領域13cにリチウムイオンが移動し、放電時に領域13cから領域13bを介して領域13aにリチウムイオンが移動し、固体電解質電池(二次電池)として機能する。
この領域13a、領域13bおよび領域13cは、図1Aに示す積層体に対して、1回の電圧を加えることによって、形成され、その後の充電および放電によっても、この形成された領域が保持される。したがって、図1Cに示す積層体は、充放電動作が可能な固体電解質電池として機能する。
この図1Cに示す積層体の領域13a、領域13bおよび領域13cは、単一層(単一薄膜)が変化することによって形成される。したがって、領域13aと領域13bとの間、並びに、領域13bと領域13cとの間の界面抵抗は、非常に小さいものとなる。
〔効果〕
この発明の第1の実施の形態により得られる固体電解質電池では、単一の層(中間層13)に領域13c/領域13b/領域13aが形成され、固体電解質電池として機能する。したがって、各領域間で生じる界面抵抗が小さいものとなる。
この発明の第1の実施の形態による固体電解質電池の製造方法では、成膜する薄膜の材料の種類が少ないので、製造工程を大幅に削減することができる。
すなわち、背景技術の欄で例示した特許文献1に記載の薄膜電池(以下、特許文献1の薄膜電池と称する)では、集電体層/正極活物質層/固体電解質層/負極活物質層/集電体層の4種類の異なる材料の薄膜を形成する必要がある。例えば、スパッタリング法によって、薄膜を形成する場合には、各層に対応した4種類の材料のターゲットが必要とされ、各層の形成ごとにターゲット材料等の交換を行う必要がある。
これに対して、この発明の第1の実施の形態による固体電解質電池の製造方法では、成膜する薄膜の材料の種類は、下部集電体層12/中間層13/上部集電体層14の3種類または2種類と従来より少ない。したがって、特許文献1に記載の薄膜電池に比べて、1種類または2種類分ターゲット材料等の交換を行う必要がなく、製造工程を削減することができる。なお、2種類の場合は、下部集電体層12および上部集電体層14の薄膜の種類が同じ場合である。
この発明の第1の実施の形態による固体電解質電池の製造方法では、固体電解質電池を作製するための材料コストを、従来に比べて抑えることができる。すなわち、例えば、特許文献1の薄膜電池では、正極活物質として、ニッケルやマンガンなどの希少金属を含む材料を用いる。しかしながら、第1の実施の形態では、このような希少金属を含む材料を使用しないでも、固体電解質電池を作製できるため、材料コストを抑えることができる。
この発明の第1の実施の形態によって得られる固体電解質電池では、形成する薄膜の層数が少ないため、応力による剥離やクラックが起こりにくく長寿命である。すなわち、例えば、特許文献1の薄膜電池は、形成する薄膜の層が5層である。これに対して、第1の実施の形態では、形成する薄膜の層が3層であるので、従来に比べて、応力による剥離やクラックが起こりにくく長寿命である。
この発明の第1の実施の形態によって得られる固体電解質電池では、形成する薄膜の層数が少ないため温度変化による熱膨張の影響の心配が少なく、薄い基板や樹脂等のやわらかい基板を使用することができる。すなわち、例えば、特許文献1の薄膜電池では、形成する薄膜の層が5層である。これに対して、第1の実施の形態によって得られる固体電解質電池では、形成する薄膜の層が3層であるので、従来に比べて、温度変化による熱膨張の影響の心配が少なく、薄い基板や樹脂等の軟らかい基板を使用することができる。
この発明の第1の実施の形態によって得られる固体電解質電池では、上部集電体層12および下部集電体層14をITO等の透明度の高い材料で形成し、中間層13を透明度の高いLi3PO4、LiPONで形成することで、透過度の高い電池を得ることができる。
2.第2の実施の形態
この発明の第2の実施の形態による固体電解質電池の製造方法について説明する。この発明の第2の実施の形態による固体電解質電池の製造方法では、積層体に対して、電圧を加える工程が第1の実施の形態と異なり、その他は、第1の実施の形態と同様である。
以下、図3を参照しながら、この発明の第2の実施の形態による固体電解質電池の製造方法について説明する。なお、図3Aは、積層体形成工程を説明するための断面図である。図3Bは、積層体に対して電圧を加える工程を説明するための断面図である。図3Cは、積層体形成工程と、電圧を加える工程とによって形成された固体電解質電池を説明するための断面図である。なお、図1と同一の部材については、同一の符号を付し、その説明を適宜省略するものとする。
〔積層体形成工程〕
まず、図3Aに示す積層体を形成する。積層体の構成および積層体を形成する工程については、第1の実施の形態と同様であるので、詳細な説明を省略する。
〔電圧を加える工程〕
次に、図3Bに示すように、積層体形成工程で作製した積層体に対して、電圧を加える。例えば、電源18の+端子を、下部集電体層12に接続し、電源18の−端子を、上部集電体層14に接続することによって、積層体に対して電圧を加える。このとき電子は矢印Qの向きに流れる。この工程によって、積層体の状態が変化し、この変化によって、積層体が、安定に充放電動作が可能な固体電解質電池として機能するようになる。
[積層体の状態の変化について]
電圧を加える工程によって、積層体の状態が、図3Aに示す状態から図3Cに示す状態に変化する。
この図3Cに示す積層体は、基板11/下部集電体層12/領域13a/領域13b/領域13c/上部集電体層14を有する。すなわち、電圧を加えることによって、中間層13を構成するリチウムイオン伝導材料が変化し、中間層13が領域13a、領域13bおよび領域13cを有するようになる。
この領域13aは、充電時にリチウムがイオンとなって離脱し、放電時にリチウムイオンを吸蔵する領域である(正極領域)。領域13bは、充電および放電時にリチウムイオンを伝導する媒質となる領域である(固体電解質領域)。領域13cは、充電時にリチウムイオンが吸蔵され、放電時にリチウムがイオンとなって離脱する領域である(負極領域)。
この図3Cに示す積層体は、充電時に領域13aから領域13bを介して領域13cにリチウムイオンが移動し、放電時に領域13cから領域13bを介して領域13aにリチウムイオンが移動し、固体電解質電池(二次電池)として機能する。
この領域13a、領域13bおよび領域13cは、図3Aに示す積層体に対して、1回の電圧を加えることによって、形成され、その後の充電および放電によっても、この形成された領域が保持される。したがって、図3Cに示す積層体は、充放電動作可能な固体電解質電池として機能する。
この図3Cに示す積層体の領域13a、領域13bおよび領域13cは、単一層(単一薄膜)が変化することによって形成される。したがって、領域13aと領域13bとの間、並びに、領域13bと領域13cとの間の界面抵抗は、非常に小さいものとなる。
〔効果〕
この発明の第2の実施の形態よる固体電解質電池の製造方法は、第1の実施の形態による固体電解質電池の製造方法と同様の効果を有する。
3.第3の実施の形態
この発明の第3の実施の形態による固体電解質電池の製造方法について説明する。この発明の第3の実施の形態による固体電解質電池の製造方法では、積層体の構成および形成方法が第1の実施の形態と異なる。以下、図4を参照しながら、この発明の第3の実施の形態による固体電解質電池の製造方法について説明する。
なお、図4Aは、積層体形成工程を説明するための断面図である。図4Bは、積層体に対して電圧を加える工程を説明するための断面図である。図4Cは、積層体形成工程と、電圧を加える工程とによって、形成された固体電解質電池を説明するための断面図である。また、図1と同一の部材については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略するものとする。
〔積層体形成工程〕
[積層体]
この発明の第3の実施の形態による固体電解質電池の製造方法では、積層体の構成は、図1Aに示した積層体の基板11を省略した構成とされる。すなわち、図4Aに示す積層体は、下部集電体層12/中間層43/上部集電体層14の構造を有する。この積層体は、中間層43が、例えば、Li3PO4のようなリチウムイオン伝導材料で形成された板状のガラス(ガラス基板)で構成される、このガラス基板を薄膜形成対象にして、上部集電体層14および下部集電体層12となる各薄膜を形成する。なお、このガラス基板の形状は、板状に限定されるものではなく、例えばシート状、フィルム状、ブロック状であってもよい。
[積層体の形成]
まず、リチウムイオン伝導材料を原料として、板状のガラス基板を製造し、これを中間層43とする。次に、この中間層43に対して、上部集電体層14および下部集電体層12となる薄膜を形成する。すなわち、中間層43→上部集電体層14→下部集電体層12または中間層43→上部集電体層14→下部集電体層12の順に積層体を形成する。
中間層43となる板状のガラス基板は、リチウムイオン伝導材料を原料として、例えば、溶融法、低温合成法などの従来提案されている方法によって、原料をガラス化し、所定形状に加工することによって得ることができる。
溶融法は、ガラスとなる原料を直接加熱することによって、溶融して液体状態とした後、急冷してガラス化する方法である。ガラスとなる原料は、単独であっても、複数の材料の混合物を用いてもよい。
例えば、中間層43をLi3PO4のガラス基板で形成する場合には、Li3PO4を溶融した後急冷し、所定の形状に加工して、Li3PO4のガラス基板を得ることができる。なお、酸化リン、酸化リチウムなどの混合物を、溶融した後急冷し、所定の形状に加工してLi3PO4のガラス基板を得てもよい。
低温合成方法としては、ゾルゲル法、液相反応法などが挙げられる。例えば、ゾルゲル法は、金属アルコキシドや金属塩等からなるゾル溶液を加水分解・重縮合して、ゲルとして、このゲルを乾燥、熱処理することによって、ガラスを得る方法である。
〔電圧を加える工程〕
次に、図4Bに示すように、積層体形成工程で作製した積層体に対して、電圧を加える。例えば、電源18の+端子を、上部集電体層14に接続し、電源18の−端子を、下部集電体層12に接続することによって、積層体に対して電圧を加える。このとき電子は矢印Pの向きに流れる。この工程によって、積層体の状態が変化し、この変化によって、積層体が、安定に充放電動作可能な固体電解質電池として機能するようになる。
[積層体の状態の変化について]
電圧を加える工程によって、積層体の状態が、図4Aに示す状態から図4Cに示す状態に変化する。
この図4Cに示す積層体は、下部集電体層12/領域43c/領域43b/領域43a/上部集電体層14を有する。すなわち、電圧を加えることによって、リチウムイオン伝導材料が変化し、中間層43は、領域43c、領域43bおよび領域43aを有するようになる。
この領域43cは、充電時にリチウムイオンが吸蔵され、放電時にリチウムがイオンとなって離脱する領域である(負極領域)。領域43bは、充電および放電時にリチウムイオンを伝導する媒質となる領域である(固体電解質領域)。領域43aは、充電時にリチウムがイオンとなって離脱し、放電時にリチウムイオンを吸蔵する領域である(正極領域)。
この図4Cに示す積層体は、充電時に領域43aから領域43bを介して領域43cにリチウムイオンが移動し、放電時に領域43cから領域43bを介して領域43aにリチウムイオンが移動し、固体電解質電池(二次電池)として機能する。
この領域43a、領域43bおよび領域43cは、図4Aに示す積層体に対して、1回の電圧を加えることによって、形成され、その後の充電および放電によっても、この形成された領域が保持される。したがって、図4Cに示す積層体は、充放電動作可能な固体電解質電池として機能する。
この図4Cに示す積層体の領域43a、領域43bおよび領域43cは、単一層の状態が変化することによって形成される。したがって、領域43aと領域43bとの間、並びに、領域43bと領域43cとの間の界面抵抗は、非常に小さいものとなる。
〔効果〕
この発明の第3の実施の形態により得られる固体電解質電池では、単一の層(中間層13)に領域43c/領域43b/領域43aが形成され、固体電解質電池として機能する。したがって、各領域間で生じる界面抵抗が小さいものとなる。
この発明の第3の実施の形態による固体電解質電池の製造方法によれば、成膜する薄膜の種類が少ないので、製造工程を大幅に削減することができる。成膜する薄膜の材料の種類は、下部集電体層12、上部集電体層14の2種類または1種類と少ないので、従来に比べて、製造工程を大幅に削減することができる。なお、1種類は、下部集電体層12および上部集電体層14の薄膜の材料の種類が同じ場合である。
この発明の第3の実施の形態による固体電解質電池の製造方法では、固体電解質電池を作製するための材料コストを、従来に比べて抑えることができる。すなわち、例えば、特許文献1の薄膜電池では、正極活物質として、ニッケルやマンガンなどの希少金属を含む材料を用いる。しかしながら、第3の実施の形態によって得られる固体電解質電池では、このような希少金属を含む材料を使用しないで、固体電解質電池を作製するため、材料コストを抑えることができる。
また、この発明の第3の実施の形態によって得られる固体電解質電池では、形成する薄膜の層が少ないため、応力による剥離やクラックが起こりにくく長寿命である。
また、この発明の第3の実施の形態によって得られる固体電解質電池では、上部集電体層12および下部集電体層14をITOなどの透明度の高い材料で形成することによって、透過度の高い電池を得ることができる。
以下、この発明の実施例を示すが、この発明はこれに限定されるものではない。
〔試験例1−1〜試験例1−7〕(基板11側を正極として試験した例)
<試験例1−1>
以下のようにして、図1Aに示すような、基板11/下部集電体層12/中間層13/上部集電体層14の構造を有する積層体を作製した。
[下部集電体層12の形成]
まず、スパッタリング装置を用いて、基板11(ガラス基板)上に以下のスパッタ条件で下部集電体層12となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Al
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:10sccm
出力 :50W
成膜時間 :15分
膜厚 :100nm
[中間層13の形成]
次に、スパッタリング装置を用いて、下部集電体層12上に以下のスパッタ条件で中間層13となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Li3PO4
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:N2=30sccm:30sccm
出力 :300W
成膜時間 :6時間
膜厚 :800nm
[上部集電体層14の形成]
次に、スパッタリング装置を用いて、基板11上に以下のスパッタ条件で上部集電体層14となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Al
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:10sccm
出力 :50W
成膜時間 :15分
膜厚 :100nm
この積層体を用いて、以下の試験を行った。
(充放電試験)
電源の+端子を下部集電体層12、電源の−端子を上部集電体層14に接続し、定電流で、充電は3.5Vをカットオフ電圧として、放電は1.0Vをカットオフ電圧として、充放電試験(サイクル数10回)を行った。なお、充放電時の電流の大きさは0.1μA、有効面積は1cm×1cm(1cm2)とした。測定結果を図5、図6および図7に示す。なお、図7は、図6の矢印101に示す充放電曲線を拡大して示したものである。
(開回路電圧の測定)
充放電試験(サイクル数10回)後の積層体を、ソーラートロン社製の電気化学測定装置に接続し、開回路電圧を25時間モニターした。1分間隔で開回路電圧を測定し、横軸を時間、縦軸を電圧としたグラフに示した測定結果を図8に示す。
(インピーダンス測定)
交流インピーダンス法によって、1サイクル目の充放電試験前後のインピーダンスを測定した。測定結果のCole−Coleプロットを図9および図10に示す。なお、図10は、図9を拡大して示したものである。
<試験例1−2>
以下のようにして、図1Aに示すような、基板11/下部集電体層12/中間層13/上部集電体層14の構造を有する積層体を作製した。
[下部集電体層12の形成]
まず、スパッタリング装置を用いて、基板11(ガラス基板)上に以下のスパッタ条件で下部集電体層12となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Cu
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:20sccm
出力 :50W
成膜時間 :8分
膜厚 :100nm
[中間層13の形成]
次に、スパッタリング装置を用いて、下部集電体層12上に以下のスパッタ条件で中間層13となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Li3PO4
圧力 :0.5Pa
スパッタガス:Ar:N2=30sccm:30sccm
成膜時間 :6時間
出力 :300W
膜厚 :800nm
[上部集電体層14の形成]
次に、スパッタリング装置を用いて、基板11上に以下のスパッタ条件で上部集電体層14となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Cu
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:20sccm
出力 :50W
成膜時間 :8分
膜厚 :100nm
この積層体に対して、試験例1−1と同様にして、(充放電試験)、(開回路電圧)および(インピーダンス測定)を行った。
充放電試験の結果を、図11および図12に示す。開回路電圧測定の結果を図13に示す。インピーダンス測定の結果のCole−Coleプロットを図14および図15に示す。
<試験例1−3>
以下のようにして、図1Aに示すような、基板11/下部集電体層12/中間層13/上部集電体層14の構造を有する積層体を作製した。
[下部集電体層12の形成]
まず、スパッタリング装置を用いて、基板11(ガラス基板)上に以下のスパッタ条件で下部集電体層12となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :ITO
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:10sccm
出力 :50W
成膜時間 :10分
膜厚 :100nm
[中間層13の形成]
次に、スパッタリング装置を用いて、下部集電体層12上に以下のスパッタ条件で中間層13を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Li3PO4
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:N2=30sccm:30sccm
成膜時間 :6時間
出力 :300W
膜厚 :800nm
[上部集電体層14の形成]
次に、スパッタリング装置を用いて、基板11上に以下のスパッタ条件で上部集電体層14を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット:ITO
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:10sccm
出力 :50W
成膜時間 :8分
膜厚 :100nm
この積層体に対して、試験例1−1と同様にして、(充放電試験)、(開回路電圧)および(インピーダンス測定)を行った。
充放電試験の結果を、図16、図17および図18に示す。なお、図18は、図17において、矢印102に示す充放電曲線を拡大して示したものである。開回路電圧測定の結果を図19に示す。インピーダンス測定の結果のCole−Coleプロットを図20および図21に示す。なお、図21は、図20を拡大して示したものである。
<試験例1−4>
以下のようにして、図1Aに示すような、基板11/下部集電体層12/中間層13/上部集電体層14の構造を有する積層体を作製した。
[下部集電体層12の形成]
まず、スパッタリング装置を用いて、基板11(ガラス基板)上に以下のスパッタ条件で下部集電体層12を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Pt
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:10sccm
出力 :50W
成膜時間 :10分
膜厚 :100nm
[中間層13の形成]
次に、スパッタリング装置を用いて、下部集電体層12上に以下のスパッタ条件で中間層13を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Li3PO4
圧力 :0.5Pa
スパッタガス:Ar:N2=30sccm:30sccm
成膜時間 :6時間
出力 :300W
膜厚 :800nm
[上部集電体層14の形成]
次に、スパッタリング装置を用いて、基板11上に以下のスパッタ条件で上部集電体層14を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Pt
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:10sccm
出力 :50W
成膜時間 :10分
膜厚 :100nm
この積層体に対して、試験例1−1と同様にして、(充放電試験)、(開回路電圧)および(インピーダンス測定)を行った。
充放電試験の結果を、図22、図23および図24に示す。なお、図24は図23において矢印103に示す充放電曲線を拡大して示したものである。開回路電圧測定の結果を図25に示す。インピーダンス測定の結果のCole−Coleプロットを図26および図27に示す。なお、図27は図26を拡大して示したものである。
〔評価〕
試験例1−1〜試験例1−4から、図1Aに示すような積層体は、充放電動作を繰り返し行うことが可能であることが確認できた。また、インピーダンス測定によると、充放電試験前と、充放電試験後で同じ挙動を示さず、充放電試験前と、充放電試験後で中間層13の状態が変化していることが確認できた。
[集電体材料別のサイクル特性の評価]
下部集電体層12および上部集電体層13を構成する集電体材料別に、各サイクル数に対して放電容量を、プロットしてまとめたグラフを図28〜図30に示す。なお、図29は、図28の一部を拡大して示したものである。図30は、図28の一部を拡大して示したものである。
また、各サイクル数に対して、初回の放電容量に対する放電容量の維持率をプロットしてまとめたものを、図31に示す。
図28〜図30に示すように、上部集電体層12および下部集電体層14を構成する集電体材料の種類によって、放電容量が異なることがわかる。中でも、銅を用いた場合は、放電容量が他の材料に比べて大きいことがわかった。
また、図31に示すように、集電体材料の種類によって、放電容量の維持率が異なることがわかった。
〔試験例2−1〜試験例2−7〕(基板11側を負極として試験した例)
(試験例2−1)
以下のようにして、図1Aに示すような、基板11/下部集電体層12/中間層13/上部集電体層14の構造を有する積層体を作製した。
[下部集電体層12の形成]
まず、スパッタリング装置を用いて、基板11(ガラス基板)上に以下のスパッタ条件で下部集電体層12となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Al
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:10sccm
出力 :50W
成膜時間 :15分
膜厚 :100nm
[中間層13の形成]
次に、スパッタリング装置を用いて、下部集電体層12上に以下のスパッタ条件で中間層13となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Li3PO4
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:N2=30sccm:30sccm
出力 :300W
成膜時間 :6時間
膜厚 :800nm
[上部集電体層14の形成]
次に、スパッタリング装置を用いて、基板11上に以下のスパッタ条件で上部集電体層14となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Al
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:10sccm
出力 :50W
成膜時間 :15分
膜厚 :100nm
この積層体を用いて、以下の試験を行った。
(充放電試験)
電源の+端子を上部集電体層14、電源の−端子を下部集電体層12に接続し、定電流で、充電は3.5Vをカットオフ電圧として、放電は1.0Vをカットオフ電圧として、充放電試験(サイクル数10回)を行った。なお、充放電時の電流の大きさは0.1μA、有効面積は1cm×1cm(1cm2)とした。測定結果を図32および図33に示す。
(開回路電圧の測定)
充放電試験(サイクル数10回)後の積層体を、ソーラートロン社製の電気化学測定装置に接続し、開回路電圧を25時間モニターした。1分間隔で開回路電圧を測定し、横軸を時間、縦軸を電圧としたグラフに示した測定結果を図34に示す。
(インピーダンス測定)
交流インピーダンス法によって、1サイクル目の充放電試験前後のインピーダンスを測定した。測定結果のCole−Coleプロットを図35および図36に示す。なお、図36は、図35を拡大して示したものである。
<試験例2−2>
以下のようにして、図1Aに示すような、基板11/下部集電体層12/中間層13/上部集電体層14の構造を有する積層体を作製した。
[下部集電体層12の形成]
まず、スパッタリング装置を用いて、基板11(ガラス基板)上に以下のスパッタ条件で下部集電体層12となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Cu
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:10sccm
出力 :50W
成膜時間 :8分
膜厚 :100nm
[中間層13の形成]
次に、スパッタリング装置を用いて、下部集電体層12上に以下のスパッタ条件で中間層13となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Li3PO4
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:N2=30sccm:30sccm
成膜時間 :6時間
出力 :300W
膜厚 :800nm
[上部集電体層14の形成]
次に、スパッタリング装置を用いて、基板11上に以下のスパッタ条件で上部集電体層14となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Cu
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:10sccm
出力 :50W
成膜時間 :8分
膜厚 :100nm
この積層体に対して、試験例2−1と同様にして、(充放電試験)、(開回路電圧)および(インピーダンス測定)を行った。
充放電試験の結果を、図37および図38に示す。開回路電圧測定の結果を図39に示す。インピーダンス測定の結果のCole−Coleプロットを図40および図41に示す。なお、図41は、図40を拡大して示したものである。
<試験例2−3>
以下のようにして、図1Aに示すような、基板11/下部集電体層12/中間層13/上部集電体層14の構造を有する積層体を作製した。
[下部集電体層12の形成]
まず、スパッタリング装置を用いて、基板11(ガラス基板)上に以下のスパッタ条件で下部集電体層12となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :ITO
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:10sccm
出力 :50W
成膜時間 :10分
膜厚 :100nm
[中間層13の形成]
次に、スパッタリング装置を用いて、下部集電体層12上に以下のスパッタ条件で中間層13となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Li3PO4
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:N2=30sccm:30sccm
成膜時間 :6時間
出力 :300W
膜厚 :800nm
[上部集電体層14の形成]
次に、スパッタリング装置を用いて、基板11上に以下のスパッタ条件で上部集電体層14となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :ITO
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:10sccm
出力 :50W
成膜時間 :10分
膜厚 :100nm
この積層体に対して、試験例2−1と同様にして、(充放電試験)、(開回路電圧)および(インピーダンス測定)を行った。
充放電試験の結果を、図42および43に示す。開回路電圧測定の結果を図44に示す。インピーダンス測定の結果のCole−Coleプロットを図45および図46に示す。なお、図46は、図45を拡大して示したものである。
<試験例2−4>
以下のようにして、図1Aに示すような、基板11/下部集電体層12/中間層13/上部集電体層14の構造を有する積層体を作製した。
[下部集電体層12の形成]
まず、スパッタリング装置を用いて、基板11(ガラス基板)上に以下のスパッタ条件で下部集電体層12となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Ni
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:10sccm
出力 :50W
成膜時間 :15分
膜厚 :100nm
[中間層13の形成]
次に、スパッタリング装置を用いて、下部集電体層12上に以下のスパッタ条件で中間層13となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Li3PO4
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:N2=30sccm:30sccm
成膜時間 :6時間
出力 :300W
膜厚 :800nm
[上部集電体層14の形成]
次に、スパッタリング装置を用いて、基板11上に以下のスパッタ条件で上部集電体層14となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Ni
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:10sccm
出力 :50W
成膜時間 :15分
膜厚 :100nm
この積層体に対して、試験例2−1と同様にして、(充放電試験)、(開回路電圧)および(インピーダンス測定)を行った。
充放電試験の結果を、図47および図48に示す。開回路電圧測定の結果を図49に示す。インピーダンス測定の結果のCole−Coleプロットを図50および図51に示す。なお、図51は、図50を拡大して示したものである。
<試験例2−5>
以下のようにして、図1Aに示すような、基板11/下部集電体層12/中間層13/上部集電体層14の構造を有する積層体を作製した。
[下部集電体層12の形成]
まず、スパッタリング装置を用いて、基板11(ガラス基板)上に以下のスパッタ条件で下部集電体層12となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Ti
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:20sccm
出力 :50W
成膜時間 :20分
膜厚 :100nm
[中間層13の形成]
次に、スパッタリング装置を用いて、下部集電体層12上に以下のスパッタ条件で中間層13となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Li3PO4
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:N2=30sccm:30sccm
成膜時間 :6時間
出力 :300W
膜厚 :800nm
[上部集電体層14の形成]
次に、スパッタリング装置を用いて、基板11上に以下のスパッタ条件で上部集電体層14となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Ti
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:20sccm
出力 :50W
成膜時間 :20分
膜厚 :100nm
この積層体に対して、試験例2−1と同様にして、(充放電試験)、(開回路電圧)および(インピーダンス測定)を行った。
充放電試験の結果を、図52および53に示す。開回路電圧測定の結果を図54に示す。インピーダンス測定の結果のCole−Coleプロットを図55および図56に示す。なお、図56、図55を拡大して示したものである。
<試験例2−6>
以下のようにして、図1Aに示すような、基板11/下部集電体層12/中間層13/上部集電体層14の構造を有する積層体を作製した。
[下部集電体層12の形成]
まず、スパッタリング装置を用いて、基板11(ガラス基板)上に以下のスパッタ条件で下部集電体層12となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Pt
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:20sccm
出力 :50W
成膜時間 :10分
膜厚 :100nm
[中間層13の形成]
次に、スパッタリング装置を用いて、下部集電体層12上に以下のスパッタ条件で中間層13となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Li3PO4
圧力 :0.5Pa
スパッタガス:Ar:N2=30sccm:30sccm
成膜時間 :6時間
出力 :300W
膜厚 :800nm
[上部集電体層14の形成]
次に、スパッタリング装置を用いて、基板11上に以下のスパッタ条件で上部集電体層14となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Pt
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:20sccm
出力 :50W
成膜時間 :10分
膜厚 :100nm
この積層体に対して、試験例2−1と同様にして、(充放電試験)、(開回路電圧)および(インピーダンス測定)を行った。
充放電試験の結果を、図57および58に示す。開回路電圧測定の結果を図59に示す。インピーダンス測定の結果のCole−Coleプロットを図60および図61に示す。なお、図61は図60を拡大して示したものである。
<試験例2−7>
以下のようにして、図1Aに示すような、基板11/下部集電体層12/中間層13/上部集電体層14の構造を有する積層体を作製した。
[下部集電体層12の形成]
まず、スパッタリング装置を用いて、基板11(ガラス基板)上に以下のスパッタ条件で下部集電体層12となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :C
圧力 :0.5Pa
スパッタガス : Ar:20sccm
出力 :50W
成膜時間 :150分
膜厚 :100nm
[中間層13の形成]
次に、スパッタリング装置を用いて、下部集電体層12上に以下のスパッタ条件で中間層13となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Li3PO4
圧力 :0.5Pa
スパッタガス:Ar:N2=30sccm:30sccm
成膜時間 :6時間
出力 :300W
膜厚 :800nm
[上部集電体層14の形成]
次に、スパッタリング装置を用いて、基板11上に以下のスパッタ条件で上部集電体層14となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :C
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:20sccm
出力 :50W
成膜時間 :150分
膜厚 :100nm
この積層体に対して、試験例2−1と同様にして、(充放電試験)、(開回路電圧)および(インピーダンス測定)を行った。
充放電試験の結果を、図62および63に示す。開回路電圧測定の結果を図64に示す。インピーダンス測定の結果のCole−Coleプロットを図65および図66に示す。なお、図66は図65を拡大して示したものである。
〔評価〕
試験例2−1〜試験例2−7から、図1Aに示すような積層体は、充放電動作を繰り返し行うことが可能であることが確認できた。また、インピーダンス測定によると、充放電試験前と、充放電試験後で同じ挙動を示さず、充放電試験前と、充放電試験後で中間層13の状態が変化していることが確認できた。
[集電体材料別のサイクル特性の評価]
下部集電体層12および上部集電体層14を構成する集電体材料別に、各サイクル数に対して放電容量を、プロットしてまとめたグラフを図67〜図69に示す。なお、図68は、図67を拡大して示したものである。図69は、図67を拡大して示したものである。
また、各サイクル数に対して、初回の放電容量に対する放電容量の維持率をプロットしてまとめたものを、図70に示す。
図67〜図69に示すように、上部集電体層14および下部集電体層12を構成する集電体材料の種類によって、放電容量が異なることがわかった。中でも、銅を用いた場合は、放電容量が他の材料に比べて大きいことがわかった。さらに、銅を用いた場合は、サイクル回数が増加するごとに、放電容量が増加していることがわかった。
さらに図70に示すように、集電体を構成する集電体材料の種類によって、放電容量の維持率が異なることがわかった。
〔試験例3−1〜試験例3−3〕(集電体材料に銅を用いて試験した他の例)
<試験例3−1>(基板11側を負極として試験した例)
上述の試験例2−1〜試験例2−7において、集電体材料として銅を用いた場合に良好な特性を得られたので、集電体材料として銅を用いた場合について、さらに試験を行った。すなわち、ターゲット材料として銅を用い、試験例2−2と異なるスパッタ条件で、下部集電体層12および上部集電体層14となる薄膜を形成した積層体を作製し、試験例2−1と同様の試験を行った。
[下部集電体層12の形成]
まず、スパッタリング装置を用いて、基板11(ガラス基板)上に以下のスパッタ条件で下部集電体層12となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Cu
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:20sccm
出力 :50W
成膜時間 :10分
膜厚 :150nm
[中間層13の形成]
次に、スパッタリング装置を用いて、下部集電体層12上に以下のスパッタ条件で中間層13となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Li3PO4
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:N2=30sccm:30sccm
出力 :300W
成膜時間 :8時間
膜厚 :1100nm
[上部集電体層14の形成]
次に、スパッタリング装置を用いて、基板11上に以下のスパッタ条件で上部集電体層14となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Cu
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:20sccm
出力 :50W
成膜時間 :10分
膜厚 :150nm
この積層体を用いて、試験例2−2と同様にして、(充放電試験)、(開回路電圧の測定)および(インピーダンス測定)を行った。
充放電試験の測定結果を図71および図72に示す。開回路電圧の測定結果を図73に示す。インピーダンス測定の結果のCole−Coleプロットを図74および図75に示す。なお、図75は図74を拡大して示したものである。
(評価)
試験例3−1から、図1Aに示すような積層体は、充放電動作を繰り返し行うことが可能であることが確認できた。また、インピーダンス測定によると、充放電試験前と、充放電試験後で同じ挙動を示さず、充放電試験前と、充放電試験後で中間層13の状態が変化していることが確認できた。
[試験例3−2〜試験例3−3](充放電試験の電圧の条件を変えた例)
<試験例3−2>(基板11側を正極として試験した例)
以下のようにして、図1Aに示すような、基板11/下部集電体層12/中間層13/上部集電体層14の構造を有する積層体を作製した。
[下部集電体層12の形成]
まず、スパッタリング装置を用いて、基板11(ガラス基板)上に以下のスパッタ条件で下部集電体層12となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Cu
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:20sccm
出力 :50W
成膜時間 :15分
膜厚 :200nm
[中間層13の形成]
次に、スパッタリング装置を用いて、下部集電体層12上に以下のスパッタ条件で中間層13となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Li3PO4
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:N2=30sccm:30sccm
出力 :300W
成膜時間 :8時間
膜厚 :1100nm
[上部集電体層14の形成]
次に、スパッタリング装置を用いて、基板11上に以下のスパッタ条件で上部集電体層14となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Cu
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:20sccm
出力 :50W
成膜時間 :15分
膜厚 :200nm
この積層体を用いて、以下の充放電試験を行った。
(充放電試験)
電源の+端子を下部集電体層12、電源の−端子を上部集電体層14に接続し、定電流で、充電は4.5Vをカットオフ電圧として、放電は1.0Vをカットオフ電圧として、充放電試験(サイクル数10回)を行った。なお、充放電時の電流の大きさは0.5μA、有効面積は1cm×1cm(1cm2)とした。測定結果を図76に示す。
<試験例3−3>(基板11側を負極として試験した例)
以下のようにして、図1Aに示すような、基板11/下部集電体層12/中間層13/上部集電体層14の構造を有する積層体を作製した。
[下部集電体層12の形成]
まず、スパッタリング装置を用いて、基板11(ガラス基板)上に以下のスパッタ条件で下部集電体層12となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Cu
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:20sccm
出力 :50W
成膜時間 :15分
膜厚 :200nm
[中間層13の形成]
次に、スパッタリング装置を用いて、下部集電体層12上に以下のスパッタ条件で中間層13となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Li3PO4
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:N2=30sccm:30sccm
出力 :300W
成膜時間 :8時間
膜厚 :1100nm
[上部集電体層14の形成]
次に、スパッタリング装置を用いて、基板11上に以下のスパッタ条件で上部集電体層14となる薄膜を形成した。
(スパッタ条件)
ターゲット :Cu
圧力 :0.5Pa
スパッタガス: Ar:20sccm
出力 :50W
成膜時間 :15分
膜厚 :200nm
この積層体を用いて、以下の充放電試験を行った。
(充放電試験)
電源の+端子を上部集電体層14、電源の−端子を下部集電体層12に接続し、定電流で、充電は4.5Vをカットオフ電圧として、放電は1.0Vをカットオフ電圧として、充放電試験(サイクル数10回)を行った。なお、充放電時の電流の大きさは0.5μA、有効面積は1cm×1cm(1cm2)とした。測定結果を図77に示す。
(評価)
試験例3−2〜試験例3−3から、図1Aに示すような積層体は、充放電動作を繰り返し行うことが可能であることが確認できた。
4.他の実施の形態
この発明は、上述したこの発明の実施の形態に限定されるものでは無く、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
例えば、第1の実施の形態および第2の実施の形態では、積層体形成工程の後、電圧を加える工程を行い、固体電解質電池を作製しているが、電圧を加える工程を省略してもよい。すなわち、例えば、スパッタリング法で、上記積層体の中間層13を形成した場合は、積層体を形成した時点で、積層体に対して電圧を加える工程の前であっても、積層体に電位差が生じているので、固体電解質電池として機能する。したがって、スパッタリング法で、中間層13を形成する場合には、電圧を加える工程を省略してもよい。
第1の実施の形態〜第3の実施の形態では、中間層13または中間層43を構成するリチウムイオン伝導材料として、Li3PO4、LiPONを挙げているが、中間層を構成するリチウムイオン伝導材料は、これらに限定されるものではない。
中間層13または中間層43を構成するリチウムイオン伝導材料は、例えば、従来提案されている、リチウムイオン伝導性を有する無機固体電解質を用いることができる。このようなリチウムイオン伝導材料としては、例えば、リチウムイオン伝導性を有する、Liの窒素化物、ハロゲン化物、酸素酸塩、硫化物などが挙げられる。例えば、NASICON型Li1+xxTi2-x(PO43(M=Al、Scなどの異種元素)、ペロブスカイト型La2/3-xLi3XTiO3、LISICON型Li4-xGe1-xx4、β−Fe2(SO4)型Li32(PO43(M=In、Scなどの異種元素)などが挙げられる。
第1の実施の形態〜第3の実施の形態では、下部集電体層12および上部集電体層14を、集電体材料で構成された薄膜で形成したが、下部集電体層12および上部集電体層14を板状の集電体材料で構成してもよい。
第3の実施の形態において、例えば、電源18の+端子を、下部集電体層12に接続し、電源18の−端子を、上部集電体層14に接続することによって、積層体に対して電圧を加えるようにしてもよい。
11・・・基板、12・・・下部集電体層、13・・・中間層、14・・・上部集電体層

Claims (17)

  1. 第1の集電体材料で構成された第1の集電体層と、第2の集電体材料で構成された第2の集電体層と、リチウムイオン伝導材料で構成された中間層とを有する積層体を形成する工程と、
    上記積層体に対して、電圧を加える工程と
    を有する固体電解質電池の製造方法。
  2. 上記第1の集電体材料および上記第2の集電体材料は、Cuである請求項1記載の固体電解質電池の製造方法。
  3. 上記中間層は、上記リチウムイオン伝導材料から形成された薄膜である請求項1記載の固体電解質電池の製造方法。
  4. 上記第1の集電体層は、上記第1の集電体材料から形成された薄膜であり、
    上記第2の集電体層は、上記第2の集電体材料から形成された薄膜である請求項3記載の固体電解質電池の製造方法。
  5. 上記第1の集電体層は、上記第1の集電体材料から形成された薄膜であり、
    上記第2の集電体層は、上記第2の集電体材料から形成された薄膜であり、
    上記中間層は、上記リチウムイオン伝導材料から形成されたガラス基板である請求項1記載の固体電解質電池の製造方法。
  6. 上記リチウムイオン伝導材料は、少なくともリチウムおよびリンを構成元素として含む化合物である請求項1記載の固体電解質電池の製造方法。
  7. 上記少なくともリチウムおよびリンを構成元素として含む化合物は、Li3PO4またはLi3PO4に窒素が添加されたLiPONである請求項6記載の固体電解質電池の製造方法。
  8. 基板と、該基板上に形成され、第1の集電体材料で構成された第1の集電体層と、該第1の集電体層上に形成され、リチウムイオン伝導材料で構成された中間層と、該中間層上に形成され、第2の集電体材料で構成された第2の集電体層とを有する積層体を形成する工程と、
    上記積層体に対して、電圧を加える工程と
    を有する固体電解質電池の製造方法。
  9. 上記電圧を加える工程において、
    上記第1の集電体層を低電位側として、上記第2の集電体層を高電位側として、電圧を加える請求項8記載の固体電解質電池の製造方法。
  10. 上記電圧を加える工程において、
    上記第1の集電体層を高電位側として、上記第2の集電体層を低電位側として、電圧を加える請求項8記載の固体電解質電池の製造方法。
  11. 第1の集電体材料で構成された第1の集電体層と、
    第2の集電体材料で構成された第2の集電体層と、
    上記第1の集電体層と上記第2の集電体層との間に設けられ、リチウムイオン伝導材料で構成された中間層とを有し、
    上記中間層は、上記リチウムイオン伝導材料が変化することによって形成された正極領域、固体電解質領域および負極領域を有し、
    充電時に上記正極領域から上記固体電解質領域を介して上記負極領域にリチウムイオンが移動し、
    放電時に上記負極領域から上記固体電解質領域を介して上記正極領域にリチウムイオンが移動する固体電解質電池。
  12. 上記第1の集電体材料および上記第2の集電体材料は、Cuである請求項11記載の固体電解質電池。
  13. 上記リチウムイオン伝導材料は、少なくともリチウムおよびリンを構成元素として含む化合物である請求項11記載の固体電解質電池。
  14. 上記少なくともリチウムおよびリンを構成元素として含む化合物は、Li3PO4またはLi3PO4に窒素が添加されたLiPONである請求項13記載の固体電解質電池。
  15. 基板と、
    該基板上に形成され、第1の集電体材料で構成された第1の集電体層と、
    該第1の集電体層上に形成され、リチウムイオン伝導材料で構成された中間層と、
    該中間層上に形成され、第2の集電体材料で構成された第2の集電体層と、
    を有し、
    上記中間層は、上記リチウムイオン伝導材料が変化することによって形成された正極領域、固体電解質領域および負極領域を有し、
    充電時に上記正極領域から上記固体電解質領域を介して上記負極領域にリチウムイオンが移動し、
    放電時に上記負極領域から上記固体電解質領域を介して上記正極領域にリチウムイオンが移動する固体電解質電池。
  16. 上記正極領域は上記第2の集電体層側に形成され、
    上記負極領域は上記第第1の集電体層側に形成された請求項15記載の固体電解質電池。
  17. 上記正極領域は上記第1の集電体層側に形成され、
    上記負極領域は上記第2の集電体層側に形成された請求項15記載の固体電解質電池。
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