JP2010250230A - 光コネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内蔵光ファイバ2を内蔵するフェルール3に位置決め溝5を持つ接続機構4を一体に設け、位置決め溝5内で内蔵光ファイバ2と挿入光ファイバ10aとを突き合わせ接続する光コネクタにおいて、前記内蔵光ファイバ2の挿入光ファイバ10aと突き合わせる後端側の端面2aを切断加工により、ファイバ軸心と直交する面に対する角度(端面角度)θが5〜8°の範囲となるように形成する。端面角度θを5〜8°としたことで、低反射接続を実現でき、また、内蔵光ファイバと挿入光ファイバとの突き合わせに際する欠けの発生が防止される。また、また、切断加工によるので、研磨加工による場合と比べて傾斜端面を得る加工が簡便である。
【選択図】 図6
Description
この場合、フレネル反射による光損失を抑制するために、フェルール端面間(光ファイバ端面間)に生じる隙間に屈折率整合剤を介在させることが一般に行われている。
また、フェルール端面を斜め研磨することで光ファイバ端面を斜め研磨して、フレネル反射を極力なくすことも一般的である。
また、フェルールの端面を球面研磨をすることで光ファイバ端面を球面研磨し、光ファイバ端面どうしが隙間なく直接接触するフィジカルコンタクト(PC接続)を実現する方法も一般に行われる。
光ファイバコアが半球状に突き出していることで、コアどうしが直接接触(フィジカルコンタクト)して、大きな反射減衰量を得る。
前記接続機構4は、フェルール3と一体でフェルールの光ファイバ穴3aに連続する位置決め溝5aが形成されたベース6と、このベース6に対向する蓋部7、8と、両者を弾性的にクランプする板ばね9とから構成され、図4にも示すように、各蓋部7,8が楔型の開閉部材11によりベース6に対して開閉可能にされる構成である。
この光コネクタ1を組み立てる場合、蓋7、8を僅かに開いた状態とし、挿入光ファイバ10aを位置決め溝5aに挿入して内蔵光ファイバ2と突き合わせる。
なお、図1に示した光コネクタ1の外観、及び図4は本発明及び従来例に共通する。
この種の光コネクタ1における、位置決め溝内の内蔵光ファイバと挿入光ファイバとの突き合わせ部については通常、単に、端面が直角な光ファイバどうしを屈折率整合剤を介在させて突き合わせ接続している(特許文献3「光プラグコネクタ」の図4〜図6など)。
この光減衰素子において、微小貫通孔の対向する光ファイバ端面が傾斜していることで、反射戻り光が低減される。この光減衰素子における光ファイバ端面の傾斜角度は光軸の直角面に対して8°以上としている。
この場合、光コネクタどうしの突き合わせ部(フェルール端面)における反射抑制手段は、位置決め溝内での光ファイバどうしの突き合わせ部には必ずしも適用できないという制約のなかで、複雑な構成によらずに簡単な方法で実現することが望まれる。
例えば特許文献1の方法は、光ファイバをエッチングする方法であり、煩雑である。
また、特許文献2の方法は、フェルールの端面に対する光ファイバ端面の引き込み量dを正確に設定する必要があるが、フェルールの弾性に対応させた光ファイバ端面の引き込み量dを正確に設定する必要があるので、やはり煩雑である。
また、特許文献4は光減衰器であり、かつ、光ファイバ間に隙間を設けるものであって、光ファイバどうしを突き合わせる光コネクタとは事情が異なる。
この場合、光ファイバの端面を研磨加工により傾斜端面とするのはやはり煩雑であり、そこで、光ファイバの端面を切断加工により傾斜端面とすることに着眼した。
しかし、光コネクタ組み立て時に、挿入光ファイバ10aを位置決め溝5aに挿入して内蔵光ファイバ2と突き合わせる際、両光ファイバ2、10aの傾斜端面の先端が尖っているので、目視できない位置決め溝内で挿入光ファイバ10aを内蔵光ファイバ2に突き当てた時に光ファイバ2、10aが欠ける恐れがある。光ファイバの端面部が欠けた光コネクタは不良品となるので、突き当てた時に先端部に欠けが生じないことが重要である。
前記内蔵光ファイバの挿入光ファイバと突き合わせる後端側の端面を切断加工により、ファイバ軸心と直交する面に対する角度(端面角度)θが5〜8°の範囲となるように形成したことを特徴とする。
また、傾斜端面の形成が切断加工によるものであるから、研磨加工による場合と比べて傾斜端面を得る加工がはるかに簡便である。
この光コネクタ1は、内蔵光ファイバ(被覆除去された裸ファイバ)2を備え端面研磨を施したフェルール3と、このフェルール3の接続端面3bと反対側に延出する接続機構4とを備えている。
内蔵光ファイバ2及び挿入光ファイバ(裸ファイバ)10aはいずれも石英ファイバであり、その径は125μmである。
接続機構4は、フェルール3の光ファイバ穴3aに連続する位置決め溝5が形成されたベース6とこのベース6に対向する蓋部と両者を弾性的にクランプする例えば図示例ではC形の板バネ9より構成されている。
ベース6はフェルール3を一体に嵌合する筒状のフェルール嵌合部13及び鍔状のフランジ部14と一体に形成されており、フランジ部14からフェルール3の接続端面3bと反対側に延出している。
ベース6の位置決め溝5は、光ファイバ穴3aに直接連続して、突き合わせ接続しようとする光ファイバ2、10aを収容する位置決め溝5aと、挿入光ファイバ10の被覆部分10bを収容する位置決め溝5bとからなる。
前記蓋部は、光ファイバの突き合わせ接続部Pを開閉する接続部開閉用の蓋部7と、挿入光ファイバ10の被覆部分10bを開閉する挿入光ファイバ被覆部開閉用の蓋部8とに2分割されている。そして、板バネ9の反力に抗して各蓋部7、8をベース6に対して開閉する楔タイプの開閉部材11を用意している。
開閉部材11は、図1に示すように、接続部開閉用の蓋部7を開くための楔部11aと、挿入光ファイバ被覆部開閉用の蓋部8を開くための楔部11bとの2箇所の楔部を一体に備えている。
ベース6と蓋部7又は8との間に、前記開閉部材11の2箇所の楔部11a、11bがそれぞれ差し込まれる開閉部材差込み用の凹所12が2箇所に形成されている。なお、この開閉部材11は光コネクタ組立時にのみ使用するものである。
接続部開閉用の蓋部7の内面は平坦面であり、挿入光ファイバ被覆部開閉用の蓋部8の内面には、挿入光ファイバ10の裸ファイバ10a部分を収容する位置決め溝5a’及び被覆部分10bを収容する位置決め溝5b’が形成されている。
この光コネクタ1の組立てに際しては、開閉部材11の2箇所の楔部11a、11bを、図4にも示すようにベース6と蓋部7又は8との間に形成した開閉部材差込み用の凹所12に差し込んで、蓋7、8を僅かに開いた状態とする。
この状態で外部から挿入光ファイバ(先端が裸ファイバ)10aを挿入して、内蔵光ファイバ2と挿入光ファイバ10aとを突き合わせる。
両光ファイバの端面間には屈折率整合剤が充填されている。
次いで、開閉部材11を抜いて板バネ9によりベース6と蓋部7、8とで光ファイバの突き合わせ接続部Pを挟持し、かつ挿入光ファイバ10の被覆部分10bを挟持する。
光コネクタ装置50は、光コネクタ1における接続機構4に、その後端面に当てて当該接続機構4を前方に付勢するためのスプリング51を配置した上でストップリング52を被せ、フェルール3及び接続機構4の前方部分にハウジング53を被せた構成である。
この光コネクタ装置50の構成は、例えば光コネクタアダプタ等に挿入して別の光コネクタと接続する場合に採用される。
なお、光ファイバを切断して傾斜端面を得る斜め切断加工は、光ファイバを直角に切断する場合と若干異なり、光ファイバに張力を作用させた上で捩りを加えて切断するが、張力及び捩りの程度を調節して所望の端面角度を得る。
内蔵光ファイバ2と突き合わせ接続する挿入光ファイバ10aの端面も、同じく切断加工により傾斜端面10cとする。この端面角度αは、内蔵光ファイバ2の端面角度5〜8°の範囲及びそれに近い範囲で適宜設定することができる。
両光ファイバの突き合わせ部における反射減衰量は、その端面角度θが大きいほど大きくなる。
しかし、端面角度θが大きくなると(即ち先端が尖ってくると)、挿入光ファイバ10aを内蔵光ファイバ2に突き当てた時に欠けが生じる恐れが高くなり、不良品発生率が高くなる。したがって、突き当てた時に先端部に欠けが生じないことが重要である。
そこで、下記のように端面角度θを種々変えた内蔵光ファイバ2を用いて光コネクタを組み立て、その際の突き当て時の欠けの状況を目視で調べ、また、それらについて接続損失、及び反射減衰量を測定する実験をした。
使用した試料は表1に示す通りであり、端面角度θ=5〜5.9°のものが65点(A群)、端面角度θ=6〜6.9°のものが48点(B群)、端面角度θ=7〜8°のものが15点(C群)、端面角度θ=8.1〜8.9°のものが10点(D群)、端面角度θ=9〜11°のものが13点(E群)である。
また、挿入光ファイバ10aの端面角度αは11°とした。
なお、挿入光ファイバ10aを内蔵光ファイバ2に突き合わせる際、光ファイバの外周面に周方向位置のマーキングをし、両光ファイバ2、10aの回転角のずれを0°として突き合せた(すなわち、後述する図7の(a)の場合)。
なお、本発明における光ファイバの切断加工とは、前述のように、光ファイバに張力及び捩り加えて切断するものであるが、通常の切断加工によるもの、すなわち、光ファイバに捩りを入れないで切断加工したもの(通常の切断加工でも僅かな端面角度は生じ得る)と明確に区別できるために、端面角度θの下限を5°とした。
一方、E群(端面角度θ=9〜11°)では15%(13点のうちの2点)であった。
この実験結果から、内蔵光ファイバの端面角度θが9°を越えると欠けが発生し易くなることが分かるが、若干の余裕をとって端面角度θの上限を8°に設定した。なお、端面角度θが小さいと欠けの恐れが少なくなるのは明白であり、欠けについての端面角度θの下限はない。
表1中の「欠けの発生したもの」(E群中の11点のみ)については、平均値は1.34dB、最悪値は10.5dBであった。この数値は当然、許容できない数値である。
上記のことから、端面角度θが少なくとも5〜8°の範囲のものについては、接続損失の面で許容できないものはない。
以上のことから、内蔵光ファイバの端面角度θ=5〜8°に設定した。
図7(a)のように両光ファイバ2、10aの回転角のずれが0°の場合(すなわち、両光ファイバ2、10aの傾斜端面2a、10cの向きが一致している場合)が、両光ファイバの端面間の隙間が最も小さいので、好ましい。
一方、図7(c)に示すように、挿入光ファイバ10aが内蔵光ファイバ2に対して回転角180°ずれた状態で突き当たった場合、両光ファイバ2、10aの尖った先端どうしが突き当たることになるので、その尖った先端が欠け易い。
図7(b)は挿入光ファイバ10aが内蔵光ファイバ2に対して回転角90°ずれた状態を示す。この場合、両光ファイバ2、10aを突き当てた時に欠けが生じる恐れは上記(a)、(c)の場合の中間的なものである。
したがって、実験のように、挿入光ファイバ10aを内蔵光ファイバ2に突き合わせる際、光ファイバの外周面に周方向位置のマーキングをし、両光ファイバ2、10aの回転角のずれを0°として突き合せるのが適切である。なお、回転角のずれを0°にして突き合わせた場合でも、端面角度θが大きい(9〜11°)ものでは、表1の実験結果の通り、やはり突き当てた時の欠けの発生率が大であった。
端面間には屈折率整合剤が介在しているので、光コネクタを組み立てた当初は、端面間の隙間dは接続損失にあまり影響しないが、隙間が大きいと、使用中の信頼性(経年による信頼性)に欠けるので、隙間が大きいのは不適当である。
しかし、突き合わせ作業の際に回転角のずれを90°以内に収めることは容易であることを考慮すると、図8において上記の端面角度θ=5°〜8°の範囲では、両光ファイバ端面間の隙間dが概ね10μm以下であり、許容できる範囲の隙間である。
2 内蔵光ファイバ(被覆除去された裸ファイバ)
2a 傾斜端面
3 フェルール
3a 光ファイバ穴
3b (フェルールの)接続端面
4 接続機構
5 位置決め溝
5a、5b (ベース側の)位置決め溝
5a’、5b’(蓋部側の)位置決め溝
6 ベース
7、8 蓋部
9 板バネ
10 挿入光ファイバ
10a 光ファイバ(挿入光ファイバの裸ファイバ)
10b 被覆部分(挿入光ファイバの被覆部分)
10c (挿入光ファイバの)傾斜端面
11 開閉部材
12 (開閉部材差込用の)凹所
13 フェルール嵌合部
14 フランジ部
θ 内蔵光ファイバの端面角度
α 挿入光ファイバの端面角度
Claims (2)
- 内蔵光ファイバを内蔵し端面研磨を施したフェルールと、このフェルールの接続端面と反対側に延出する接続機構とを備え、前記接続機構に設けた位置決め溝内で前記内蔵光ファイバと外部から挿入した挿入光ファイバとを屈折率整合剤を介在させて突き合わせ接続する光コネクタにおいて、
前記内蔵光ファイバの挿入光ファイバと突き合わせる後端側の端面を切断加工により、ファイバ軸心と直交する面に対する角度(端面角度)θが5〜8°の範囲となるように形成したことを特徴とする光コネクタ。 - 前記接続機構は、フェルールと一体でフェルールの光ファイバ穴に連続する位置決め溝が形成されたベースと、このベースに対向する蓋部と、両者を弾性的にクランプする板ばねとから構成され、前記蓋部は光ファイバの突き合わせ接続部を開閉する接続部開閉用の蓋部と挿入光ファイバの被覆部分を開閉する挿入光ファイバ被覆部開閉用の蓋部とに2分割され、各蓋部が楔型の開閉部材によりベースに対して開閉可能にされていることを特徴とする請求項1記載の光コネクタ。
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