JP2010249297A - 遠心振子式動吸振器 - Google Patents
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Abstract
【課題】転動体と転動室との接触の発生を抑制できる、遠心振子式動吸振器を提供する。
【解決手段】遠心振子式動吸振器1は、回転体10と、転動体50とを備える。回転体10は、回転可能に設けられている。回転体10の内部に、転動室40が形成されている。転動体50は、転動室40内に転動可能に収容されている。転動体50の円筒面状の転動面52に環状の突起53が形成され、転動室40の円筒面状の軌道面42に環状の溝43が形成されている。突起53が溝43の内部に嵌合するように、転動体50は転動室40内に配置されている。転動面52の軸方向における突起53の側面56,57と溝43の側面46,47との間の隙間寸法が、軌道面42に沿った転動体50の転動室40内の転動に伴って変動する。
【選択図】図3
【解決手段】遠心振子式動吸振器1は、回転体10と、転動体50とを備える。回転体10は、回転可能に設けられている。回転体10の内部に、転動室40が形成されている。転動体50は、転動室40内に転動可能に収容されている。転動体50の円筒面状の転動面52に環状の突起53が形成され、転動室40の円筒面状の軌道面42に環状の溝43が形成されている。突起53が溝43の内部に嵌合するように、転動体50は転動室40内に配置されている。転動面52の軸方向における突起53の側面56,57と溝43の側面46,47との間の隙間寸法が、軌道面42に沿った転動体50の転動室40内の転動に伴って変動する。
【選択図】図3
Description
本発明は、遠心振子式動吸振器に関し、特に、回転体のトルク変動を低減させるための遠心振子式動吸振器に関する。
回転体のトルク変動を抑制する一手法として、遠心力を利用した動吸振器、すなわち遠心振子式動吸振器の技術が既に知られている。遠心振子式動吸振器では、転動体が転動室の中で自由に動き、その転動体の運動エネルギーによって回転体の振動成分の運動エネルギーを打ち消す。従来の遠心振子式動吸振器は、たとえば特許文献1に開示されている。
遠心振子式動吸振器では、遠心振子として振舞う転動体が転動室内を転動する際に、転動体が転動室内を回転軸方向に動いてしまうと、転動体の側面が転動室の側面と接触する。転動体と転動室との間の接触は、振動低減効果に大きく寄与している。つまり、転動体が転動室に接触するときに発生する摩擦力は、すべり摩擦力であるため、転動体の通常の転動時に発生する転がり摩擦力と比較して非常に大きい。そのため、転動体と転動室との接触を低減し、すべり摩擦力を低減することが、振動低減効果向上のために求められている。
特許文献1に記載の遠心振子式動吸振器は、このすべり摩擦力を低減しようとしたものであり、転動体の転動面に環状の突起を設け、一方転動室の軌道面には環状の溝を形成したものである。この突起と溝との嵌合によって転動体の軸方向変位を規制し、転動体の側面と転動室の側面との接触を抑制している。
しかし、特許文献1に記載の遠心振子式動吸振器では、転動体に設けられた突起と転動室に形成された溝との間で発生する接触については防止できていない。そのため、突起と溝との間で発生するすべり摩擦力によって、遠心振子式動吸振器の振動低減効果が損なわれてしまう問題があった。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、転動体と転動室との接触の発生を抑制できる、遠心振子式動吸振器を提供することである。
本発明の一の局面に係る遠心振子式動吸振器は、回転体と、転動体とを備える。回転体は、回転可能に設けられている。回転体の内部に、転動室が形成されている。転動体は、転動室内に転動可能に収容されている。転動室の円筒面状の軌道面と、転動体の円筒面状の転動面と、の一方に環状の突起が形成され、他方に環状の溝が形成されている。突起が溝の内部に嵌合するように、転動体は転動室内に配置されている。転動面の軸方向における突起の側面と溝の側面との間の隙間寸法が、軌道面に沿った転動体の転動室内の転動に伴って変動する。
上記遠心振子式動吸振器において好ましくは、転動面に形成された突起または溝は、軸方向における寸法が転動面の周方向に沿って変化している。転動体の重心位置は、転動面の中心軸に一致する。
上記遠心振子式動吸振器において好ましくは、転動面に形成された突起または溝は、軸方向における寸法が転動面の一周回当たり偶数回変動する。
本発明の他の局面に係る遠心振子式動吸振器は、回転体と、転動体とを備える。回転体は、回転可能に設けられている。回転体の内部に、転動室が形成されている。転動体は、転動室内に転動可能に収容されている。転動室の、円筒面状の軌道面に、環状の溝が形成されている。転動体は、円筒面状の転動面が溝の内部に嵌合するように、転動室内に配置されている。転動面の軸方向における転動体の端面と溝の側面との間の隙間寸法が、軌道面に沿った転動体の転動室内の転動に伴って変動する。
上記遠心振子式動吸振器において好ましくは、転動体は、軸方向における寸法が転動面の周方向に沿って変化している。転動体の重心位置は、転動面の中心軸に一致する。
上記遠心振子式動吸振器において好ましくは、転動体は、軸方向における寸法が転動面の一周回当たり偶数回変動する。
本発明の遠心振子式動吸振器によると、転動体と転動室との接触の発生を抑制できるので、転動体と転動室との間の摩擦力を低減することができ、振動低減効果を向上させることができる。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
なお、以下に説明する実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。また、以下の実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、上記個数などは例示であり、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の遠心振子式動吸振器1に含まれる転動体50の構成を示す斜視図である。図1に示すように、転動体50は、円筒状に形成された本体部51を備える。図1中に示す中心軸Oは、本体部51の円筒形状の軸を示す。転動体50は、円筒ころの形状を有しており、本体部51の外周面に転動面52が形成されている。転動面52は、中心軸Oを軸とする、円筒面状に形成されている。
図1は、実施の形態1の遠心振子式動吸振器1に含まれる転動体50の構成を示す斜視図である。図1に示すように、転動体50は、円筒状に形成された本体部51を備える。図1中に示す中心軸Oは、本体部51の円筒形状の軸を示す。転動体50は、円筒ころの形状を有しており、本体部51の外周面に転動面52が形成されている。転動面52は、中心軸Oを軸とする、円筒面状に形成されている。
転動面52には、転動面52の一部が径方向外側へ突起した、突起53が形状されている。突起53は、転動面52を周回する環状に形成されている。円筒形状の転動面52に形成された環状の突起53は、軸方向、すなわち中心軸Oに沿う方向の寸法が転動面52の周方向に沿って変化している。具体的には、突起53は、最小厚部54と、最大厚部55とを有する。突起53の軸方向における寸法は、最小厚部54において最小であって、最大厚部55において最大である。突起53の軸方向における寸法は、最小厚部54から最大厚部55へ向かって、漸次拡大する。突起53が径方向において転動面52から突出する高さは、転動面52の周方向に沿って変化せず一定とされている。
図2は、実施の形態1の遠心振子式動吸振器1の構成を示す断面模式図である。図2には、遠心振子式動吸振器1の、回転体10に転動室40が形成されている複数箇所のうちの一箇所が、拡大して図示されている。図3は、図2中に示すIII−III線に沿う遠心振子式動吸振器1の断面模式図である。なお図2は、図3中に示すII−II線に沿う遠心振子式動吸振器1の断面図である。
遠心振子式動吸振器1は、図示しない回転シャフトに取り付けられている。遠心振子式動吸振器1は、回転している上記回転シャフトの回転変動、すなわち、回転シャフトのある一点における、平均角速度に対する回転角速度の増減(変動)を打ち消すように作用する。遠心振子式動吸振器1は、回転変動を低減させることにより、回転変動によって誘起される回転シャフトの捩り振動を低減する。
遠心振子式動吸振器1は、たとえば自動車などの車両に搭載される。遠心振子式動吸振器1は、エンジンに代表される車両の駆動力源から入力される動力を駆動輪へ伝達する、動力伝達装置の回転シャフトに取り付けられる。遠心振子式動吸振器1は、たとえば、ピストンの往復運動を回転力に変えるエンジンのクランクシャフト、クラッチ機構を介在させてクランクシャフトに連結されたトランスミッションのインプットシャフト、ギヤやプーリによってインプットシャフトと連結されたトランスミッションのアウトプットシャフト、駆動輪へ動力を伝達するためのドライブシャフトなどに取り付けられる。
遠心振子式動吸振器1は、動力伝達装置に含まれる任意の回転物に取り付けることができる。但し、動力伝達装置の下流側では回転変動が増幅される場合があるため、できるだけ動力伝達装置の上流側(すなわち、駆動力源に近い側)に遠心振子式動吸振器1を設置するのが望ましい。たとえば、遠心振子式動吸振器1は、エンジンのクランクシャフトや、エンジンとトランスミッションとの間に設けられるフライホイールに取り付けられるのが望ましい。または、遠心振子式動吸振器1自体をフライホイールとして適用しても構わない。
図2および図3に示すように、遠心振子式動吸振器1は、回転体10を備える。回転体10は、円筒形状に形成されている。回転体10の中央部には貫通孔が形成されており、この貫通孔に回転シャフトが挿通されることにより、回転体10は回転シャフトとともに回転可能に設けられている。
回転体10の内部には、転動室40が形成されている。転動室40は、図2に示す回転体10の軸方向に対し直交する断面において、断面形状が円環状であるように形成されている。転動室40は、円筒面状の軌道面42を有する、円筒形状に形成されている。軌道面42には、軌道面42の一部が窪んだ、溝43が形成されている。溝43は、軌道面42を周回する環状に形成されている。円筒形状の軌道面42に形成された環状の溝43は、軸方向の寸法が軌道面42の周方向に沿って変化せず一定とされている。溝43が径方向において軌道面42から凹んだ溝深さは、軌道面42の周方向に沿って変化せず一定とされている。
転動体50は、転動室40の内部に収容されている。転動体50は、転動室40内を転動可能に設けられている。転動室40の内部において、転動体50は、円筒形状の軌道面42に沿って自在に転がり動くことができる。転動体50は、転動体50の転動面52に形成された環状の突起53が、転動室40の軌道面42に形成された環状の溝43の内部に嵌合するように、転動室40内に配置されている。転動室40内部での転動体50の軸方向の移動は、突起53と溝43との嵌合によって、規制されている。
回転体10が回転運動するとき、転動室40の内部に収容された転動体50には、回転体10の径方向外側向きの遠心力が作用する。一定速度で回転体10が回転しているとき、転動体50は、遠心力の作用によって、転動室40内において回転体10の径方向に最も外側の位置に移動して、転動室40の径方向外側の軌道面42に接触する。図2および図3に示す遠心振子式動吸振器1の断面図では、図上側に回転体10の回転中心があり、転動体50は、転動可能な転動範囲の中で最も回転体10の径方向外側に配置されている状態が図示されている。
回転体10の速度最大時など、転動体50が転動室40内の最外径位置にある状態で、突起53の最小厚部54が溝43内に嵌入されている。最小厚部54の軸方向寸法は、溝43の軸方向寸法に対して小さく形成されている。そのため、図3に示す断面視において、最小厚部54における突起53の一方の側面56と、溝43の一方の側面46との間に隙間が形成されている。また、突起53の他方の側面57と、溝43の他方の側面47との間に隙間が形成されている。
円筒面状の転動面52の軸方向において、突起53の側面56,57と溝43の側面46,47との間に隙間が形成されており、突起53は溝43に対し非接触とされている。また、図3に示すように、軸方向において転動体50の本体部51の側面と転動室40の側面との間に隙間が形成されており、本体部51の側面が転動室40の側面に対し非接触とされている。転動室40内の最外径位置において、転動体50と転動室40との接触を回避できるように、転動体50および転動室40が形成されている。
転動面52上の異なる周方向位置において、転動面52の軸方向における突起53の寸法が異なっている。転動面52の軸方向における突起53の寸法は、転動面52の周方向に沿う転動体50の転がり角度の変化に伴って、変化している。転動室40に対し転動体50が異なる相対位置関係にあるとき、転動面52の軸方向における突起53の側面56,57と溝43の側面46,47との間の隙間寸法が異なっている。突起53の側面56,57間の寸法は、転動面52の周方向に沿って変動する。
図4は、転動体50が転動室40内を一の方向に転動した状態を示す、遠心振子式動吸振器1の断面模式図である。図4では、転動体50が、図2に示す最外径位置から反時計回り方向に、軌道面42に沿って転動室40内を転動している。図5は、図4中に示すV−V線に沿う遠心振子式動吸振器1の断面模式図である。なお図4では、図5中に示すIV−IV線に沿う遠心振子式動吸振器1の断面が図示されている。図5では、転動体50に形成された突起53の最大厚部55が転動室40の溝43に嵌入されている状態が図示されている。
図6は、転動体50が転動室40内を他の方向に転動した状態を示す、遠心振子式動吸振器1の断面模式図である。図6では、転動体50が、図2に示す最外径位置から時計回り方向に、軌道面42に沿って転動室40内を転動している。図7は、図6中に示すVII−VII線に沿う遠心振子式動吸振器1の断面模式図である。なお図6では、図7中に示すVI−VI線に沿う遠心振子式動吸振器1の断面が図示されている。図7では、転動体50に形成された突起53の最大厚部55が転動室40の溝43に嵌入されている状態が図示されている。
回転体10の一定回転中に回転変動が発生すると、転動体50が軌道面42に沿って転動室40内を転動して転動室40内の最外径位置から離れることにより、回転変動を低減させる。たとえば、反時計周り方向に回転している回転体10に対し、回転体10の回転角速度を増加させる方向に回転変動が発生した場合、転動体50が転動室40内を回転体10の中心軸周りの時計回り方向に移動することにより、回転変動を低減させる。またたとえば、反時計周り方向に回転している回転体10の回転角速度を減少させる方向に回転変動が発生した場合、転動体50が転動室40内を回転体10の中心軸周りの反時計回り方向に移動することにより、回転変動を低減させる。
図4〜図7に示す転動体50は、回転体10に対する転動体50の相対速度がほぼ零となる位置にあるものとする。つまり、図4および図6は、遠心振子として振舞う転動体50が、回転体10の一定回転中の回転変動により転動する転動範囲の限界位置にある状態を示している。図4および図6中に示す転動体50は、振子運動の折り返し点に位置している。
突起53の最大厚部55の軸方向における寸法は、溝43の軸方向における寸法に対してわずかに小さい。そのため、転動範囲の限界位置において、転動体50の突起53の側面56と溝43の側面46とが接近し、また突起53の側面57と溝43の側面47とが接近して、突起53と溝43との距離が小さくなる。つまり、転動範囲の限界位置において、軸方向における転動体50の位置決めが行なわれ、転動体50の軸方向ぶれが規制される。したがって、転動体50が、図4および図6に示す転動範囲の限界位置から、転動室40の最外径位置に向けて転動を開始するとき、転動体50の転動方向を規制し、転動室40の周方向に沿う一定の軌道上において転動体50を転動させることができる。
転動体50が転動室40内の最外径位置にあるときに、突起53の最小厚部54が溝43と嵌合する。一方、転動体50が回転変動による転動範囲の限界位置にあるときに、突起53の最大厚部55が溝43と嵌合する。転動体50が回転変動により転動室40内を軌道面42に沿って転動するとき、転動体50の転動に伴って、転動面52の軸方向における突起の側面56,57と溝43の側面46,47との間の隙間寸法が変動する。そのため、転動範囲の限界位置近傍を除いて、突起53の側面56,57と溝43の側面46,47との間には隙間が形成される。
突起53が溝43の内部に嵌合することにより、転動体50の軸方向の移動量が規制されるので、転動体50の側面と転動室40との接触が防止される。加えて、突起53の軸方向寸法を転動面52の周方向に沿って変化させることにより、突起53の側面56,57と溝43の側面46,47との接触を抑制することができる。その結果、転動体50と転動室40との接触が抑制され、転動体50と転動室40との接触が必要最小限とされるので、転動体50と転動室40との間ですべり摩擦力の発生を抑制し、転動体50と転動室40との間の摩擦力を低減することができる。したがって、遠心振子式動吸振器1の振動低減効果を向上させることができる。
図8は、転動体50の転動面52に形成された突起53を転動面52の周方向に展開した図である。図8中の左右方向が転動面52の周方向を示す。図8に示す座標軸は、突起53の最小厚部54を原点として、転動面52の周方向に沿う転動体50の中心軸O周りの角度を示す。つまり、図8には、転動面52の一周回当たりの突起53の展開図が図示されている。
図8に示すように、座標軸上の原点の位置に最小厚部54が設けられており、座標軸上の−180,+180の位置に最大厚部55が設けられている。突起53には、一箇所の最小厚部54と、一箇所の最大厚部55とが形成されている。転動面52に形成された突起53の軸方向における寸法は、転動面52の一周回当たり一回変動している。突起53の軸方向における寸法は、周期的に変動しており、その変動は360°周期である。転動面52の一周回当たりの突起53の軸方向寸法の変動数をサイクルと称した場合、図8に示す突起53は、1サイクルである。すなわち、転動面52の周方向に沿う、最大厚部55から最大厚部55までの周期(または最小厚部54から最小厚部54までの周期)は、360°である。
ここで、転動体50が軌道面42上を滑らかに転動するためには、転動体50の重心位置が転動面52の中心軸Oに一致する必要がある。転動体50の重心位置が中心軸Oに一致することにより、転動している転動体50の中心軸O周りにトルクが発生して転動体50の転動が不安定になることを回避することができる。図8に示す1サイクルの突起53を有する転動体50の場合、転動面52の周方向に180°離れた位置に最小厚部54と最大厚部55とがそれぞれ形成されている。そのため、最小厚部54の形成された側の転動体50の重量が相対的に小さく、最大厚部55の形成された側の転動体50の重量が相対的に大きくなる。つまり、円筒形状の本体部51の外周面に1サイクルの突起53が形成された転動体50では、重心位置が中心軸Oに対しずれている。
このずれを修正して、転動体50の重心位置を転動面52の中心軸Oと一致させるために、転動体50を追加加工する必要がある。具体的には、転動体50の本体部51の側面の一部に溝加工や穴加工を施すことによって、最大厚部55の形成された側の転動体50の重量を小さくすることで、転動体50の重心位置を転動面52の中心軸Oと一致させることができる。または、最小厚部54の形成された側の転動体50に重錘を付加して、重量を増加させてもよい。
後述する実施の形態2の転動体と比較して、図1に示す実施の形態1の転動体50は、円柱形状により近い形状を有する。つまり、転動体50の本体部51は円柱形状に形成されており、転動面52に形成された突起53の軸方向寸法のみが周方向に変動している。そのため、重心位置の中心軸Oに対するずれ量は、図1に示す実施の形態1の転動体50のほうがより小さくなっており、重心位置を中心軸Oに一致させるために必要とされる追加加工をより少なくできる。また、遠心振子として振舞う転動体50の重量が小さいと、遠心振子式動吸振器1の振動低減効果が小さくなる。そのため、追加加工により削られる量が相対的に小さく、十分な振動低減効果を得るために転動体50に必要とされる重量を容易に確保できる点で、実施の形態1の転動体50は優れている。
図9は、突起53の変形例を転動体50の径方向から見た模式図である。図9では、転動体50の本体部51は図示を省略されている。図10は、図9に示す突起53の変形例を転動面52の周方向に展開した図である。
図9および図10に示す突起53には、二箇所の最小厚部54と、二箇所の最大厚部55とが形成されている。転動面52に形成された突起53の軸方向における寸法は、転動面52の一周回当たり二回変動している。突起53の軸方向における寸法は、周期的に変動しており、その変動は180°周期である。図9および図10に示す突起53は、2サイクルである。すなわち、転動面52の周方向に沿う、最大厚部55から最大厚部55までの周期(または最小厚部54から最小厚部54までの周期)は、180°である。
図11は、突起53の他の変形例を転動体50の径方向から見た模式図である。図11では、転動体50の本体部51は図示を省略されている。図12は、図11に示す突起53の他の変形例を転動面52の周方向に展開した図である。
図11および図12に示す突起53には、四箇所の最小厚部54と、四箇所の最大厚部55とが形成されている。転動面52に形成された突起53の軸方向における寸法は、転動面52の一周回当たり四回変動している。突起53の軸方向における寸法は、周期的に変動しており、その変動は90°周期である。図11および図12に示す突起53は、4サイクルである。すなわち、転動面52の周方向に沿う、最大厚部55から最大厚部55までの周期(または最小厚部54から最小厚部54までの周期)は、90°である。
図9〜図12に示す突起53では、軸方向における寸法が転動面52の一周回当たり偶数回変動している。このような突起53を有する転動体50では、重心位置が転動面52の中心軸Oと一致する。したがって、1サイクルの突起53を有する場合と異なり、転動体50の重心合わせのための溝加工や穴加工などの追加加工が必要なくなり、転動体50の製造工程の簡略化を達成できる。また、転動体50を中心軸Oに対し対称に形成すればよいので、転動体50の加工精度を向上させることができる。
なお、図9〜図12に示す突起53を有する転動体50と比較して、1サイクルの突起53を有する転動体50の場合、突起53そのものの加工がより容易である。つまり、サイクル数が増加するほど突起53がより製造しにくくなるので、1サイクルの突起53を形成し重心合わせのための追加加工を行なう転動体50のほうが、より容易に製造できる場合もある。
次に、転動体50の自動軌道修正作用について説明する。図13は、転動体50が軸方向にずれた状態を示す遠心振子式動吸振器1の断面模式図である。図2および図3に示す、転動体50が回転体10の最外径位置にあり溝43内に最小厚部54が嵌合している状態で、遠心振子式動吸振器1に何らかの軸方向の外乱が入力されたとき、図13に示すように、転動体50が軸方向に移動して、突起53の側面56と溝43の側面46との接触が発生する場合がある。
しかし、転動体50が転動室40の軌道面42に沿って転動して、図4または図6に示す転動範囲の限界位置にまで到達すると、突起53の最大厚部55が溝43と嵌合する。転動範囲の限界位置において、突起53は溝43にちょうど嵌まり合うような形状に形成されている。突起53の最大厚部55の軸方向寸法は、溝43の最大厚部55が嵌合する箇所の軸方向寸法に対して、わずかに小さくされている。最大厚部55が溝43と嵌合した状態で、突起53の側面56と溝43の側面46との間に微小隙間が形成され、かつ突起53の側面57と溝43の側面47との間に微小隙間が形成されるように、突起53および溝43は形成されている。
このように突起53および溝43の形状を特定することにより、転動体50の転動に伴って転動体50の軸方向ずれを修正し、転動体50の軌道を修正することができる。つまり、転動体50は、転動室40内の振子運動の折り返し点において、軸方向における突起53の中心線が溝43の中心に一致するように軸方向に移動する。転動体50の転動範囲の限界位置において、軸方向における転動体50の位置決めが行なわれ、転動体50の軸方向ぶれが規制される。図13に示す軸方向ぶれが発生した状態から、転動体50が軌道面42上を転動することにより、転動範囲の限界位置において、図5および図7に示すように、突起53の最大厚部55が溝43に嵌合して、転動体50の軸方向のずれが修正される。
転動体50の軌道面42に沿う転動の軌道が自動修正されるので、転動体50は、突起53の側面56,57と溝43の側面46,47との接触が発生しない軌道上を、継続して運動することができる。したがって、転動体50と転動室40との接触により発生する摩擦力の影響を低減することができ、遠心振子式動吸振器1の振動低減効果を向上させることができる。
(実施の形態2)
図14は、実施の形態2の遠心振子式動吸振器1に含まれる転動体60の構成を示す斜視図である。図14に示すように、転動体60は、転動面62を有する。転動面62は、中心軸Oを軸とする、円筒面状に形成されている。転動体60は、軸方向、すなわち中心軸Oに沿う方向の寸法が転動面62の周方向に沿って変化している。具体的には、転動体60は、最小厚部64と、最大厚部65とを有する。転動体60の軸方向における寸法は、最小厚部64において最小であって、最大厚部65において最大である。転動体60の軸方向における寸法は、最小厚部64から最大厚部65へ向かって、漸次拡大する。
図14は、実施の形態2の遠心振子式動吸振器1に含まれる転動体60の構成を示す斜視図である。図14に示すように、転動体60は、転動面62を有する。転動面62は、中心軸Oを軸とする、円筒面状に形成されている。転動体60は、軸方向、すなわち中心軸Oに沿う方向の寸法が転動面62の周方向に沿って変化している。具体的には、転動体60は、最小厚部64と、最大厚部65とを有する。転動体60の軸方向における寸法は、最小厚部64において最小であって、最大厚部65において最大である。転動体60の軸方向における寸法は、最小厚部64から最大厚部65へ向かって、漸次拡大する。
図15は、実施の形態2の遠心振子式動吸振器1の構成を示す断面模式図である。図15には、遠心振子式動吸振器1の、回転体10に転動室40が形成されている複数箇所のうち一箇所が、拡大して図示されている。図16は、図15中に示すXVI−XVI線に沿う遠心振子式動吸振器1の断面模式図である。なお図15は、図16中に示すXV−XV線に沿う遠心振子式動吸振器1の断面図である。
遠心振子式動吸振器1は、図示しない回転シャフトに取り付けられている。図15および図16に示すように、遠心振子式動吸振器1は、回転体10を備える。回転体10は、円筒形状に形成されている。回転体10の中央部には貫通孔が形成されており、この貫通孔に回転シャフトが挿通されることにより、回転体10は回転シャフトとともに回転可能に設けられている。
回転体10の内部には、転動室40が形成されている。転動室40は、図15に示す回転体10の軸方向に対し直交する断面において、断面形状が円環状であるように形成されている。転動室40は、円筒面状の軌道面42を有する、円筒形状に形成されている。軌道面42には、軌道面42の一部が窪んだ、溝43が形成されている。溝43は、軌道面42を周回する環状に形成されている。円筒形状の軌道面42に形成された環状の溝43は、軸方向の寸法が軌道面42の周方向に沿って変化せず一定とされている。溝43が径方向において軌道面42から凹んだ溝深さは、軌道面42の周方向に沿って変化せず一定とされている。
転動体60は、転動室40の内部に収容されている。転動体60は、転動室40内を転動可能に設けられている。転動室40の内部において、転動体60は、円筒形状の軌道面42に沿って自在に転がり動くことができる。転動体60は、転動面62が、転動室40の軌道面42に形成された環状の溝43の内部に嵌合するように、転動室40内に配置されている。転動室40内部での転動体60の軸方向の移動は、転動体60と溝43との嵌合によって、規制されている。
回転体10が回転運動するとき、転動室40の内部に収容された転動体60には、回転体10の径方向外側向きの遠心力が作用する。一定速度で回転体10が回転しているとき、転動体60は、遠心力の作用によって、転動室40内において回転体10の径方向に最も外側の位置に移動して、転動室40の径方向外側の溝43に嵌合する。図15および図16に示す遠心振子式動吸振器1の断面図では、図上側に回転体10の回転中心があり、転動体60は、転動可能な転動範囲の中で最も回転体10の径方向外側に配置されている状態が図示されている。
回転体10の速度最大時など、転動体60が転動室40内の最外径位置にある状態で、転動体60の最小厚部64が溝43内に嵌入されている。最小厚部64の軸方向寸法は、溝43の軸方向寸法に対して小さく形成されている。そのため、図16に示す断面視において、最小厚部64における転動体60の一方の端面66と、溝43の一方の側面46との間に隙間が形成されている。また、転動体60の他方の端面67と、溝43の他方の側面47との間に隙間が形成されている。
円筒面状の転動面62の軸方向において、転動体60の端面66,67と溝43の側面46,47との間に隙間が形成されており、転動体60は溝43に対し非接触とされている。また、軸方向において転動体60の端面66,67と転動室40の側面との間に隙間が形成されており、転動体60の端面66,67が転動室40の側面に対し非接触とされている。転動室40内の最外径位置において、転動体60と転動室40の側面との接触を回避できるように、転動体60および転動室40が形成されている。
転動面62上の異なる周方向位置において、転動面62の軸方向における転動体60の寸法が異なっている。転動面62の軸方向における転動体60の寸法は、転動面62の周方向に沿う転動体60の転がり角度の変化に伴って、変化している。転動室40に対し転動体60が異なる相対位置関係にあるとき、転動面62の軸方向における転動体60の端面66,67と溝43の側面46,47との間の隙間寸法が異なっている。転動体60の端面66,67間の寸法は、転動面62の周方向に沿って変動する。
回転体10の一定回転中に回転変動が発生すると、転動体60が軌道面42に沿って転動室40内を転動して転動室40内の最外径位置から離れることにより、回転変動を低減させる。図示しないが、実施の形態1と同様に、遠心振子として振舞う転動体60が、回転体10の一定回転中の回転変動により転動する転動範囲の限界位置にある状態で、転動体60の最大厚部65が転動室40の溝43に嵌入される。
最大厚部65の軸方向における寸法は、溝43の軸方向における寸法に対してわずかに小さい。そのため、転動範囲の限界位置において、転動体60の端面66と溝43の側面46とが接近し、また端面67と溝43の側面47とが接近して、突起63と溝43との距離が小さくなる。つまり、転動範囲の限界位置において、軸方向における転動体60の位置決めが行なわれ、転動体60の軸方向ぶれが規制される。したがって、転動体60が、転動範囲の限界位置から転動室40の最外径位置に向けて転動を開始するとき、転動体60の転動方向を規制し、転動室40の周方向に沿う一定の軌道上において転動体60を転動させることができる。
転動体60が転動室40内の最外径位置にあるときに、最小厚部64が溝43と嵌合する。一方、転動体60が回転変動による転動範囲の限界位置にあるときに、最大厚部65が溝43と嵌合する。転動体60が回転変動により転動室40内を軌道面42に沿って転動するとき、転動体60の転動に伴って、転動面62の軸方向における転動体60の端面66,67と溝43の側面46,47との間の隙間寸法が変動する。そのため、転動範囲の限界位置近傍を除いて、転動体60の端面66,67と溝43の側面46,47との間には隙間が形成される。
転動体60が溝43の内部に嵌合することにより、転動体60の軸方向の移動量が規制されるので、転動体60の側面と転動室40との接触が防止される。加えて、転動体60の軸方向寸法を転動面62の周方向に沿って変化させることにより、転動体60の端面66,67と溝43の側面46,47との接触を抑制することができる。その結果、転動体60と転動室40との接触が抑制され、転動体50と転動室40との接触が必要最小限とされるので、転動体60と転動室40との間ですべり摩擦力の発生を抑制し、転動体60と転動室40との間の摩擦力を低減することができる。したがって、遠心振子式動吸振器1の振動低減効果を向上させることができる。
転動体60には、一箇所の最小厚部64と、一箇所の最大厚部65とが形成されている。転動面62の軸方向における寸法は、転動面62の一周回当たり一回変動している。転動体60の軸方向における寸法は、周期的に変動しており、その変動は360°周期である。転動面62の一周回当たりの軸方向寸法の変動数をサイクルと称した場合、転動体60は、1サイクルである。すなわち、転動面62の周方向に沿う、最大厚部65から最大厚部65までの周期(または最小厚部64から最小厚部64までの周期)は、360°である。
ここで、転動体60が軌道面42上を滑らかに転動するためには、転動体60の重心位置が転動面62の中心軸Oに一致する必要がある。1サイクルの転動体60の場合、転動面62の周方向に180°離れた位置に最小厚部64と最大厚部65とがそれぞれ形成されている。そのため、最小厚部64の形成された側の転動体60の重量が相対的に小さく、最大厚部65の形成された側の転動体60の重量が相対的に大きくなる。つまり、1サイクルの転動体60では、重心位置が中心軸Oに対しずれている。
このずれを修正して、転動体60の重心位置を転動面62の中心軸Oと一致させるために、転動体60を追加加工する必要がある。具体的には、転動体60の端面66,67の一部に溝加工や穴加工を施すことによって、最大厚部65の形成された側の転動体60の重量を小さくすることで、転動体60の重心位置を転動面62の中心軸Oと一致させることができる。または、最小厚部64の形成された側の転動体60に重錘を付加して、重量を増加させてもよい。
実施の形態1の転動体50と比較して、実施の形態2の転動体60は、環状の突起を有さず、より簡素な形状に形成されている。そのため、転動体60の生産性が向上している。また、転動面に環状の突起を形成した場合、突起の根元部に応力が集中して破壊起点となり転動体の強度が低下する可能性があるが、実施の形態2の転動体60では突起のような極端な応力集中箇所がないため、転動体60の強度を向上させ、耐久性も向上させることができる。
図示しないが、実施の形態1と同様に、転動体60に偶数箇所の最小厚部64および最大厚部65を形成し、転動体60の軸方向における寸法が転動面62の一周回当たり偶数回変動するようにしてもよく、この場合、追加加工する必要なく転動体60の重心位置を中心軸Oと一致させることができる。また、実施の形態2の転動体60においても、図13を参照して説明した転動体の自動軌道修正作用を、実施の形態1の転動体50と同様に得ることができる。
(実施の形態3)
図17は、実施の形態3の遠心振子式動吸振器1の構成を示す断面模式図である。図17には、遠心振子式動吸振器1の、回転体10に転動室40が形成されている複数箇所のうち一箇所が、拡大して図示されている。図18は、図17中に示すXVIII−XVIII線に沿う遠心振子式動吸振器1の断面模式図である。なお図17は、図18中に示すXVII−XVII線に沿う遠心振子式動吸振器1の断面図である。
図17は、実施の形態3の遠心振子式動吸振器1の構成を示す断面模式図である。図17には、遠心振子式動吸振器1の、回転体10に転動室40が形成されている複数箇所のうち一箇所が、拡大して図示されている。図18は、図17中に示すXVIII−XVIII線に沿う遠心振子式動吸振器1の断面模式図である。なお図17は、図18中に示すXVII−XVII線に沿う遠心振子式動吸振器1の断面図である。
実施の形態3の転動体50は、円筒ころの形状を有しており、外周面に転動面52が形成されている。転動面52には、転動面52の一部が窪んだ、溝58が形成されている。溝58は、転動面52を周回する環状に形成されている。円筒形状の転動面52に形成された環状の溝58は、軸方向の寸法が転動面52の周方向に沿って変化せず一定とされている。溝58が径方向において転動面52から凹んだ溝深さは、転動面52の周方向に沿って変化せず一定とされている。
回転体10の内部には、転動室40が形成されている。転動室40は、回転体10の軸方向に対し直交する断面において、断面形状が円環状であるように形成されている。転動室40は、円筒面状の軌道面42を有する、円筒形状に形成されている。
軌道面42には、軌道面42の一部が径方向内側へ突起した、突起48が形状されている。突起48は、軌道面42を周回する環状に形成されている。円筒形状の軌道面42に形成された環状の突起48は、軸方向の寸法が軌道面42の周方向に沿って変化している。突起48は、側面49a,49b間の寸法が最小の最小厚部と、側面49a,49b間の寸法が最大の最大厚部とを有する。突起48の軸方向における寸法は、最小厚部から最大厚部へ向かって、漸次拡大する。突起48が径方向において軌道面42から突出する高さは、軌道面42の周方向に沿って変化せず一定とされている。
転動体50は、転動室40の内部に収容されている。転動体50は、転動室40内を転動可能に設けられている。転動室40の内部において、転動体50は、円筒形状の軌道面42に沿って自在に転がり動くことができる。転動体50は、転動体50の転動面52に形成された環状の溝58が、転動室40の軌道面42に形成された環状の突起48の内部に嵌合するように、転動室40内に配置されている。転動室40内部での転動体50の軸方向の移動は、突起48と溝58との嵌合によって、規制されている。
実施の形態1と同様に、円筒面状の転動面52の軸方向において、転動体50に形成された溝58の側面59a,59bと突起48の側面49a,49bとの間に隙間が形成されており、突起48は溝58に対し非接触とされている。また、軸方向において転動体50の側面と転動室40の側面との間に隙間が形成されており、転動体50の側面が転動室40の側面に対し非接触とされている。
転動体50が転動室40内の最外径位置にあるときに、突起48の最小厚部が溝58と嵌合する。一方、転動体50が回転変動による転動範囲の限界位置にあるときに、突起48の最大厚部が溝58と嵌合する。転動体50が回転変動により転動室40内を軌道面42に沿って転動するとき、転動体50の転動に伴って、転動面52の軸方向における突起48の側面49a,49bと溝58の側面59a,59bとの間の隙間寸法が変動する。そのため、転動範囲の限界位置近傍を除いて、転動体50に形成された溝58の側面59a,59bと突起48の側面49a,49bとの間には隙間が形成される。
突起48が溝58の内部に嵌合することにより、転動体50の軸方向の移動量が規制されるので、転動体50の側面と転動室40との接触が防止される。加えて、突起48の軸方向寸法を軌道面42の周方向に沿って変化させることにより、突起48の側面49a,49bと溝58の側面59a,59bとの接触を抑制することができる。その結果、転動体50と転動室40との接触が抑制されるので、転動体50と転動室40との間ですべり摩擦力の発生を抑制し、転動体50と転動室40との間の摩擦力を低減することができる。したがって、遠心振子式動吸振器1の振動低減効果を向上させることができる。
実施の形態3の転動体50の転動面52に形成されている環状の溝58は、溝深さ(溝58の径方向寸法)および溝幅(溝58の軸方向寸法。すなわち、側面59a,59b間の軸方向寸法)が、周方向において一定に形成されている。溝58は、転動面52の周方向において、寸法が一定の同一形状に形成されている。このような溝58が形成された転動体50の重心位置は、転動面52の中心軸に一致する。そのため、転動体50に追加加工を施すことなく重心合わせを行なうことができるので、転動体50の加工精度および生産性を向上させることができる。
(実施の形態4)
図19は、実施の形態4の遠心振子式動吸振器1の構成を示す断面模式図である。実施の形態4の転動体50は、円筒ころの形状を有しており、外周面に転動面52が形成されている。転動面52には、転動面52の一部が径方向内側へ突起した、突起53が形状されている。突起53は、転動面52を周回する環状に形成されている。円筒形状の転動面52に形成された環状の突起53は、軸方向の寸法が転動面52の周方向に沿って変化せず一定とされている。突起53が径方向において転動面52から突出する高さは、転動面52の周方向に沿って変化せず一定とされている。
図19は、実施の形態4の遠心振子式動吸振器1の構成を示す断面模式図である。実施の形態4の転動体50は、円筒ころの形状を有しており、外周面に転動面52が形成されている。転動面52には、転動面52の一部が径方向内側へ突起した、突起53が形状されている。突起53は、転動面52を周回する環状に形成されている。円筒形状の転動面52に形成された環状の突起53は、軸方向の寸法が転動面52の周方向に沿って変化せず一定とされている。突起53が径方向において転動面52から突出する高さは、転動面52の周方向に沿って変化せず一定とされている。
回転体10の内部には、転動室40が形成されている。転動室40は、回転体10の軸方向に対し直交する断面において、断面形状が円環状であるように形成されている。転動室40は、円筒面状の軌道面42を有する、円筒形状に形成されている。軌道面42には、軌道面42の一部が窪んだ、溝43が形成されている。溝43は、軌道面42を周回する環状に形成されている。
円筒形状の軌道面42に形成された環状の溝43は、軸方向の寸法が軌道面42の周方向に沿って変化している。溝43は、側面46,47間の寸法が最小の最小幅部と、側面46,47間の寸法が最大の最大幅部とを有する。溝43の軸方向における寸法は、最小幅部から最大幅部へ向かって、漸次拡大する。溝43が径方向において軌道面42から凹んだ溝深さは、軌道面42の周方向に沿って変化せず一定とされている。
転動体50は、転動室40の内部に収容されている。転動体50は、転動室40内を転動可能に設けられている。転動室40の内部において、転動体50は、円筒形状の軌道面42に沿って自在に転がり動くことができる。転動体50は、転動体50の転動面52に形成された環状の突起53が、転動室40の軌道面42に形成された環状の溝43の内部に嵌合するように、転動室40内に配置されている。転動室40内部での転動体50の軸方向の移動は、突起53と溝43との嵌合によって、規制されている。
実施の形態1と同様に、円筒面状の転動面52の軸方向において、転動体50に形成された突起53の側面56,57と溝43の側面46,47との間に隙間が形成されており、突起53は溝43に対し非接触とされている。また、軸方向において転動体50の側面と転動室40の側面との間に隙間が形成されており、転動体50の側面が転動室40の側面に対し非接触とされている。
転動体50が転動室40内の最外径位置にあるときに、溝43の最大幅部が突起53と嵌合する。一方、転動体50が回転変動による転動範囲の限界位置にあるときに、溝43の最小幅部が突起53と嵌合する。転動体50が回転変動により転動室40内を軌道面42に沿って転動するとき、転動体50の転動に伴って、転動面52の軸方向における突起53の側面56,57と溝43の側面46,47との間の隙間寸法が変動する。そのため、転動範囲の限界位置近傍を除いて、転動体50に形成された突起53の側面56,57と溝43の側面46,47との間には隙間が形成される。
突起53が溝43の内部に嵌合することにより、転動体50の軸方向の移動量が規制されるので、転動体50の側面と転動室40との接触が防止される。加えて、溝43の軸方向寸法を軌道面42の周方向に沿って変化させることにより、突起53の側面56,57と溝43の側面46,47との接触を抑制することができる。その結果、転動体50と転動室40との接触が抑制されるので、転動体50と転動室40との間ですべり摩擦力の発生を抑制し、転動体50と転動室40との間の摩擦力を低減することができる。したがって、遠心振子式動吸振器1の振動低減効果を向上させることができる。
実施の形態3の転動体50の転動面52に形成されている環状の突起53は、高さ(突起53が転動面52から突出する径方向寸法)および幅(突起53の軸方向寸法。すなわち、側面56,57間の軸方向寸法)が、周方向において一定に形成されている。突起53は、転動面52の周方向において、寸法が一定の同一形状に形成されている。このような突起53を有する転動体50の重心位置は、転動面52の中心軸に一致する。そのため、転動体50に追加加工を施すことなく重心合わせを行なうことができるので、転動体50の加工精度および生産性を向上させることができる。
なお、実施の形態4では、転動体50の転動面52に環状の突起53が形成されている例について説明したが、この構成に限られるものではない。実施の形態2で説明した転動体60と同様に、転動面に突起を有さない円筒ころ状の転動体とし、その転動体の転動面と嵌合する溝の軸方向の寸法を変化させることにより、転動体の側面と溝の側面との接触を抑制する構成としてもよい。
(実施の形態5)
図20は、実施の形態5の遠心振子式動吸振器1の構成を示す断面模式図である。実施の形態5の転動体50は、円筒ころの形状を有しており、外周面に転動面52が形成されている。転動面52には、転動面52の一部が窪んだ、溝58が形成されている。溝58は、転動面52を周回する環状に形成されている。
図20は、実施の形態5の遠心振子式動吸振器1の構成を示す断面模式図である。実施の形態5の転動体50は、円筒ころの形状を有しており、外周面に転動面52が形成されている。転動面52には、転動面52の一部が窪んだ、溝58が形成されている。溝58は、転動面52を周回する環状に形成されている。
円筒形状の転動面52に形成された環状の溝58は、軸方向の寸法が転動面52の周方向に沿って変化している。溝58は、側面59a,59b間の寸法が最小の最小幅部と、側面59a,59b間の寸法が最大の最大幅部とを有する。溝58の軸方向における寸法は、最小幅部から最大幅部へ向かって、漸次拡大する。溝58が径方向において転動面52から凹んだ溝深さは、転動面52の周方向に沿って変化せず一定とされている。
回転体10の内部には、転動室40が形成されている。転動室40は、回転体10の軸方向に対し直交する断面において、断面形状が円環状であるように形成されている。転動室40は、円筒面状の軌道面42を有する、円筒形状に形成されている。軌道面42には、軌道面42の一部が径方向内側へ突起した、突起48が形状されている。突起48は、軌道面42を周回する環状に形成されている。円筒形状の軌道面42に形成された環状の突起48は、軸方向の寸法が軌道面42の周方向に沿って変化せず一定とされている。突起48が径方向において軌道面42から突出する高さは、軌道面42の周方向に沿って変化せず一定とされている。
転動体50は、転動室40の内部に収容されている。転動体50は、転動室40内を転動可能に設けられている。転動室40の内部において、転動体50は、円筒形状の軌道面42に沿って自在に転がり動くことができる。転動体50は、転動体50の転動面52に形成された環状の溝58が、転動室40の軌道面42に形成された環状の突起48の内部に嵌合するように、転動室40内に配置されている。転動室40内部での転動体50の軸方向の移動は、突起48と溝58との嵌合によって、規制されている。
実施の形態3と同様に、円筒面状の転動面52の軸方向において、転動体50に形成された溝58の側面59a,59bと突起48の側面49a,49bとの間に隙間が形成されており、突起48は溝58に対し非接触とされている。また、軸方向において転動体50の側面と転動室40の側面との間に隙間が形成されており、転動体50の側面が転動室40の側面に対し非接触とされている。
転動体50が転動室40内の最外径位置にあるときに、溝58の最大幅部が突起48と嵌合する。一方、転動体50が回転変動による転動範囲の限界位置にあるときに、溝58の最小幅部が突起48と嵌合する。転動体50が回転変動により転動室40内を軌道面42に沿って転動するとき、転動体50の転動に伴って、転動面52の軸方向における突起48の側面49a,49bと溝58の側面59a,59bとの間の隙間寸法が変動する。そのため、転動範囲の限界位置近傍を除いて、転動体50に形成された溝58の側面59a,59bと突起48の側面49a,49bとの間には隙間が形成される。
突起48が溝58の内部に嵌合することにより、転動体50の軸方向の移動量が規制されるので、転動体50の側面と転動室40との接触が防止される。加えて、突起48の軸方向寸法を軌道面42の周方向に沿って変化させることにより、突起48の側面49a,49bと溝58の側面59a,59bとの接触を抑制することができる。その結果、転動体50と転動室40との接触が抑制されるので、転動体50と転動室40との間ですべり摩擦力の発生を抑制し、転動体50と転動室40との間の摩擦力を低減することができる。したがって、遠心振子式動吸振器1の振動低減効果を向上させることができる。
なお、実施の形態1〜5の説明においては、転動体の転動面または転動室の軌道面の異なる周方向位置において、突起および溝のいずれか一方の軸方向における寸法が異なっている例について説明した。つまり、実施の形態1〜5では、突起および溝のいずれか一方の、転動面の軸方向における側面間の寸法が転動面の周方向に沿って変動したが、この構成に限られるものではない。本発明の遠心振子式動吸振器1は、転動室内における転動体の転動に伴って、転動体と転動室との間の隙間寸法が変動するものであれば、どのような構成でもよい。具体的には、突起と溝との両方の、転動体の軸方向における寸法が、転動面の周方向に沿って変動してもよい。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遠心振子式動吸振器1は、車両の駆動力源から駆動輪へ動力を伝達する動力伝達装置に搭載された、回転シャフトの捩り振動を低減するための吸振器に、特に有利に適用され得る。
1 遠心振子式動吸振器、10 回転体、40 転動室、42 軌道面、43 溝、46,47 側面、48 突起、49a,49b 側面、50,60 転動体、51 本体部、52,62 転動面、53,63 突起、54,64 最小厚部、55,65 最大厚部、56,57 側面、58 溝、59a,59b 側面、66,67 端面、O 中心軸。
Claims (6)
- 回転可能に設けられ、内部に転動室が形成された回転体と、
前記転動室内に転動可能に収容された転動体とを備え、
前記転動室の円筒面状の軌道面と、前記転動体の円筒面状の転動面と、の一方に環状の突起が形成され、他方に環状の溝が形成されており、
前記突起が前記溝の内部に嵌合するように、前記転動体は前記転動室内に配置されており、
前記転動面の軸方向における前記突起の側面と前記溝の側面との間の隙間寸法が、前記軌道面に沿った前記転動体の前記転動室内の転動に伴って変動する、遠心振子式動吸振器。 - 前記転動面に形成された前記突起または前記溝は、前記軸方向における寸法が前記転動面の周方向に沿って変化しており、
前記転動体の重心位置は、前記転動面の中心軸に一致する、請求項1に記載の遠心振子式動吸振器。 - 前記転動面に形成された前記突起または前記溝は、前記軸方向における寸法が前記転動面の一周回当たり偶数回変動する、請求項2に記載の遠心振子式動吸振器。
- 回転可能に設けられ、内部に転動室が形成された回転体と、
前記転動室内に転動可能に収容された転動体とを備え、
前記転動室の円筒面状の軌道面に環状の溝が形成されており、
前記転動体は、円筒面状の転動面が前記溝の内部に嵌合するように、前記転動室内に配置されており、
前記転動面の軸方向における前記転動体の端面と前記溝の側面との間の隙間寸法が、前記軌道面に沿った前記転動体の前記転動室内の転動に伴って変動する、遠心振子式動吸振器。 - 前記転動体は、前記軸方向における寸法が前記転動面の周方向に沿って変化しており、
前記転動体の重心位置は、前記転動面の中心軸に一致する、請求項4に記載の遠心振子式動吸振器。 - 前記転動体は、前記軸方向における寸法が前記転動面の一周回当たり偶数回変動する、請求項5に記載の遠心振子式動吸振器。
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2009
- 2009-04-20 JP JP2009102279A patent/JP2010249297A/ja not_active Withdrawn
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