JP2010249175A - 遠心振子式動吸振器 - Google Patents
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Abstract
【課題】転動体の衝突による異音の発生を抑制できる、遠心振子式動吸振器を提供する。
【解決手段】遠心振子式動吸振器1は、回転体10と、転動体50と、摩擦材60とを備える。回転体10は、回転可能に設けられている。回転体10の内部に、転動室40が形成されている。転動体50は、転動室40内に転動可能に収容されている。摩擦材60は、転動室40内に配置されている。摩擦材60は、転動体50に接触して転動体50の転動を妨げることにより、転動体50の転動範囲を規定する。
【選択図】図3
【解決手段】遠心振子式動吸振器1は、回転体10と、転動体50と、摩擦材60とを備える。回転体10は、回転可能に設けられている。回転体10の内部に、転動室40が形成されている。転動体50は、転動室40内に転動可能に収容されている。摩擦材60は、転動室40内に配置されている。摩擦材60は、転動体50に接触して転動体50の転動を妨げることにより、転動体50の転動範囲を規定する。
【選択図】図3
Description
本発明は、遠心振子式動吸振器に関し、特に、回転体のトルク変動を低減させるための遠心振子式動吸振器に関する。
回転体のトルク変動を抑制する一手法として、遠心力を利用した動吸振器、すなわち遠心振子式動吸振器の技術が既に知られている。遠心振子式動吸振器では、転動体が転動室の中で自由に動き、その転動体の運動エネルギーによって回転体の振動成分の運動エネルギーを打ち消す。従来の遠心振子式動吸振器は、たとえば特許文献1〜4に開示されている。
遠心振子式動吸振器にはいくつかの方式が考えられる。中でも最も簡素で設計が容易な方式として、円形の転動室内に円形の転動体を収容したタイプの遠心振子式動吸振器が挙げられる。このタイプの遠心振子式動吸振器は、簡素な一方で、転動体が転動室内を自由に動いてしまい、転動体が運動する際に異音が生じるという課題がある。
特許文献4に記載の遠心振子式動吸振器は、上記の課題を解決したものであり、転動室の側壁にガイドピンを設ける一方で、遠心振子として振舞う転動体の側面にガイド溝を形成している。このガイドピンとガイド溝との協働によって転動体の運動軌道を規制することにより、転動体の不規則運動時の異音の発生を防止している。
しかし、特許文献4に記載の遠心振子式動吸振器では、転動体の運動方向に運動の妨げとなり得る壁面が存在する。そのため、回転体の低速回転時、または回転体に過大振動が入力された際に、転動体と当該壁面との衝突が発生して、この衝突が衝突音の発生の原因となり得るという問題があった。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、転動体の衝突による異音の発生を抑制できる、遠心振子式動吸振器を提供することである。
本発明に係る遠心振子式動吸振器は、回転体と、転動体と、摩擦材とを備える。回転体は、回転可能に設けられている。回転体の内部に、転動室が形成されている。転動体は、転動室内に転動可能に収容されている。摩擦材は、転動室内に配置されている。摩擦材は、転動体に接触して転動体の転動を妨げることにより、転動体の転動範囲を規定する。
上記遠心振子式動吸振器において好ましくは、転動室は、回転体の径方向内側の内周面と回転体の径方向外側の外周面とを有し、中心軸が回転体の回転軸に平行な円弧状に形成されている。摩擦材は、転動室の外周面に設置されている。
上記遠心振子式動吸振器において好ましくは、転動室は、中心軸が回転体の回転軸に平行な円環状に形成されている。摩擦材は、転動体の転動範囲を、回転体の径方向外側の転動室内に規定するように、転動室の外周面に設置されている。
上記遠心振子式動吸振器において好ましくは、回転体は、第一部材と、第一部材に対して軸方向に並べて配置された第二部材と、第一部材と第二部材とを連結固定する連結部材とを含む。連結部材は、軸方向に延在する円筒形状を有する。連結部材の外周面は、転動室の内周面を構成する。
上記遠心振子式動吸振器において好ましくは、摩擦材は、転動体の転動範囲の限界位置近傍のみに配置されている。
本発明の遠心振子式動吸振器によると、摩擦材が転動体の転動を妨げることにより、転動体が転動室の壁面に衝突することが抑制されている。したがって、転動体の衝突が発生して異音が発生することを、抑制することができる。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
なお、以下に説明する実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。また、以下の実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、上記個数などは例示であり、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の遠心振子式動吸振器1の構成を示す断面模式図である。図2は、図1中に示すII−II線に沿う遠心振子式動吸振器1の断面模式図である。なお図1は、図2中に示すI−I線に沿う遠心振子式動吸振器1の断面図である。遠心振子式動吸振器1は、回転シャフト90に取り付けられている。遠心振子式動吸振器1は、回転している回転シャフト90の回転変動、すなわち、回転シャフト90のある一点における、平均角速度に対する回転角速度の増減(変動)を打ち消すように作用する。遠心振子式動吸振器1は、回転変動を低減させることにより、回転変動によって誘起される回転シャフト90の捩り振動を低減する。
図1は、実施の形態1の遠心振子式動吸振器1の構成を示す断面模式図である。図2は、図1中に示すII−II線に沿う遠心振子式動吸振器1の断面模式図である。なお図1は、図2中に示すI−I線に沿う遠心振子式動吸振器1の断面図である。遠心振子式動吸振器1は、回転シャフト90に取り付けられている。遠心振子式動吸振器1は、回転している回転シャフト90の回転変動、すなわち、回転シャフト90のある一点における、平均角速度に対する回転角速度の増減(変動)を打ち消すように作用する。遠心振子式動吸振器1は、回転変動を低減させることにより、回転変動によって誘起される回転シャフト90の捩り振動を低減する。
遠心振子式動吸振器1は、たとえば自動車などの車両に搭載される。遠心振子式動吸振器1は、エンジンに代表される車両の駆動力源から入力される動力を駆動輪へ伝達する、動力伝達装置の回転シャフト90に取り付けられる。遠心振子式動吸振器1は、たとえば、ピストンの往復運動を回転力に変えるエンジンのクランクシャフト、クラッチ機構を介在させてクランクシャフトに連結されたトランスミッションのインプットシャフト、ギヤやプーリによってインプットシャフトと連結されたトランスミッションのアウトプットシャフト、駆動輪へ動力を伝達するためのドライブシャフトなどに取り付けられる。
遠心振子式動吸振器1は、動力伝達装置に含まれる任意の回転物に取り付けることができる。但し、動力伝達装置の下流側では回転変動が増幅される場合があるため、できるだけ動力伝達装置の上流側(すなわち、駆動力源に近い側)に遠心振子式動吸振器1を設置するのが望ましい。たとえば、遠心振子式動吸振器1は、エンジンのクランクシャフトや、エンジンとトランスミッションとの間に設けられるフライホイールに取り付けられるのが望ましい。または、遠心振子式動吸振器1自体をフライホイールとして適用しても構わない。
図1および図2に示すように、遠心振子式動吸振器1は、回転体10を備える。回転体10の中央部には貫通孔が形成されており、この貫通孔に回転シャフト90が挿通されることにより、回転体10は回転シャフト90とともに回転可能に設けられている。回転体10は、円筒形状に形成されている。図2に示すように、回転体10は、円筒形状の回転体10の軸方向に並べて配置された第一部材11と第二部材21とが組み合わせられて形成されている。第一部材11と第二部材21とは、ねじ止め、溶接、かしめなどの任意の方法によって一体に接合されて、回転体10を形成している。
回転体10の内部には、四箇所の転動室40が形成されている。転動室40は、図1に示す回転体10の軸方向に対し直交する断面において、断面形状が円弧状であるように形成されている。転動室40は、第一部材11の内部に溝が穿たれて形成されている。第二部材21と対向する第一部材11の表面が、たとえばフライス加工などにより、回転体10の軸方向に沿って穿削されて、転動室40が形成されている。
転動室40は、図1に示す円弧状の断面形状を有し、回転体10の軸方向に深さ方向を有する穴の、内部の空洞によって形成されている。転動室40の断面形状を形成する円弧の中心軸Pが、回転体10の仮想の回転中心をなす回転軸Oに平行であるように、転動室40は形成されている。
転動室40は、内周面41と、外周面42とを有する。内周面41は、転動室40の、回転体10の径方向内側の内面を形成する。外周面42は、転動室40の、回転体10の径方向外側の内面を形成する。内周面41と、外周面42とは、中心軸Pを軸とする円筒面の一部形状に形成されている。転動室40はまた、一対の径方向側面43を有する。径方向側面43は、内周面41および外周面42を形成する円弧形状の径方向に延びるように形成されている。内周面41、外周面42および径方向側面43は、第一部材11に形成された溝の側面を形成する。
それぞれの転動室40の内部には、転動体50が収容されている。転動体50は、円筒形状に形成されている。転動体50は、転動室40内を転動可能に設けられている。中心軸Pを中心とした円の径方向における内周面41と外周面42との間の距離を転動室40の径方向寸法とすると、円筒状の転動体50の直径は、転動室40の径方向寸法に対しわずかに小さい。そのため、転動室40の内部において、転動体50は中心軸Pを中心とした円弧形状の周方向に沿って自在に転がり動くことができ、一方転動室40の円弧形状の径方向に沿う転動体50の移動が規制されている。
円筒状の転動体50の高さ方向寸法は、図2に示すように、回転体10の軸方向における転動室40の寸法、すなわち、第一部材11に形成された溝の深さ寸法に対し、わずかに小さい。そのため、転動室40内での転動体50の転動が妨げられないように、回転体10の軸方向において、回転体10と転動体50との間には微小な隙間が形成されている。かつ、転動室40の内部における、回転体10の軸方向に沿う転動体50の移動量が制限されている。
転動室40の内部には、回転体10を形成する材料と比較して摩擦係数の高い材料により形成された、摩擦材60が配置されている。摩擦材60は、第一の摩擦材61と第二の摩擦材62とを含む。一対に設けられた第一の摩擦材61および第二の摩擦材62は、転動室40の外周面42上に設置されている。第一の摩擦材61および第二の摩擦材62は、外周面42の、図1に示す回転体10の断面において外周面42を形成する円弧形状の両端部付近に設置されている。摩擦材60は、薄板状に形成されており、転動室40の内面の一部を形成する外周面42に貼付されて、転動室40内に固定されている。
摩擦材60は、金属材、焼結材、ペーパ材などの、乾式クラッチの摩擦材に一般的に用いられる材料を用いて形成することができる。または、ゴムに代表される樹脂材料などの低弾性材料を用いて、摩擦材60を形成してもよい。摩擦材60には、後述するように、転動している転動体50の転動速度を減じて停止させる機能が求められるが、この機能を達成可能なように摩擦係数の高い材料特性を有する材料であれば、任意の材料を用いて摩擦材60を形成することができる。
以上の構成を備える遠心振子式動吸振器1において、回転体10が回転シャフト90とともに一体回転する場合の転動体50の動作について説明する。回転体10が回転軸Oを中心として回転運動するとき、転動体50には、回転体10の径方向外側向きの遠心力が作用する。回転体10の加速時および減速時には、回転体10の角速度が変化するために、転動体50には、遠心力に加えて、回転体10の周方向の慣性力が作用する。
エンジンの始動時など、回転体10の回転速度上昇中には、回転体10の周方向の慣性力が転動体50に作用するために、転動体50はいずれかの径方向側面43に向かって移動する。たとえば、図1に示す断面視において、回転体10が反時計回り方向に回転を開始したとき、転動体50は、転動体50に対し時計回り方向の径方向側面43へ向けて、転動室40内を転動する。
転動室40内の、径方向側面43近傍の外周面42には、摩擦材60が設けられている。外周面42の周方向において時計回り方向側の径方向側面43近傍には、第一の摩擦材61が設けられている。回転体10が回転しているとき、転動体50には遠心力が作用しているので、転動体50は回転体10の径方向外側の外周面42に接触する。転動体50が慣性力を受けて径方向側面43に向かって転動室40内を転動するとき、転動体50は外周面42に沿って転動する。径方向側面43近傍に到達した転動体50は、外周面42に設置された第一の摩擦材61に接触する。
摩擦材60は、転動室40の外周面42の径方向側面43近傍のみに配置されている。つまり、転動室40内の径方向側面43から離れた位置では、転動体50は外周面42に沿って転動し易くされている。径方向側面43側へ転動する転動体50に作用する転がり摩擦係数は、転動体50が第一の摩擦材61に接触すると同時に、急激に増加する。第一の摩擦材61は、転動体50の転動を妨げて、転動体50の転動速度を急激に低下させる。転動体50は、第一の摩擦材61の表面上において転動を持続することができず、第一の摩擦材61の表面上で回転体10に対し相対的に停止する。
第一の摩擦材61は、転動体50が転動室40の径方向側面43に接触する位置に対して、径方向側面43から離れる位置において、転動体50の回転体10に対する相対的な転動を妨げる。第一の摩擦材61は、径方向側面43に向かって転動する転動体50を、転動体50が径方向側面43に衝突しない位置において、回転体10に対し相対的に停止させる。第一の摩擦材61は、所定の位置で転動体50を停止させることにより、転動体50の転動範囲を規定している。
転動体50が転動室40内を動き得る限界の位置に第一の摩擦材61が設けられており、第一の摩擦材61が転動体50の転動を妨げているので、転動体50が転動室40の径方向側面43に衝突することを防止することができる。したがって、回転体10の回転速度上昇中において、転動体50と径方向側面43との衝突音が発生することがなく、異音の発生を防止することができる。
回転体10の回転速度が増加して一定速度で回転体10が回転しているとき、転動体50に遠心力が作用するので、転動体50は、転動室40内において回転体10の径方向に最も外側の位置に移動する。図1に示す遠心振子式動吸振器1の断面図では、回転体10の等速回転運動中の転動体50の配置が図示されている。回転体10の加速中に第一の摩擦材61によって動きを止められていた転動体50が、回転体10の径方向に最も外側の位置に移動するとき、転動体50が転動室40の径方向側面43に衝突することはなく、異音の発生は起こらない。
回転体10の一定回転中に回転変動が発生すると、転動体50が転動室40内を転動することにより、回転変動を低減させる。たとえば、反時計周り方向に回転している回転体10に対し、回転体10の回転角速度を増加させる方向に回転変動が発生した場合、転動体50が転動室40内を中心軸P周りの時計回り方向に移動することにより、回転変動を低減させる。またたとえば、反時計周り方向に回転している回転体10の回転角速度を減少させる方向に回転変動が発生した場合、転動体50が転動室40内を中心軸P周りの反時計回り方向に移動することにより、回転変動を低減させる。
回転体10に入力される回転変動の大きさの大小に従って、転動体50の転動室40内の移動量も変動する。つまり、回転変動の大きさが大きいほど、転動体50の移動量は大きくなる。回転体10に過大な回転変動が入力されたとき、転動体50は転動室40の径方向側面43に向かって急速に移動する。径方向側面43近傍に到達した転動体50は、外周面42に設置された摩擦材60、すなわち、第一の摩擦材61または第二の摩擦材62のいずれか一方に接触する。
摩擦材60が転動体50の転動を妨げて、転動体50を摩擦材60の表面上で回転体10に対し相対的に停止させることにより、転動体50が転動室40の径方向側面43に衝突することを防止することができる。したがって、回転体10に過大な回転変動が入力された場合においても、転動体50と径方向側面43との衝突音が発生することがなく、異音の発生を防止することができる。
エンジンの停止時など、回転体10の回転速度低下中には、回転体10の周方向の慣性力が転動体50に作用するために、転動体50はいずれかの径方向側面43に向かって移動する。たとえば、図1に示す断面視において、反時計回り方向に回転していた回転体10が減速するとき、転動体50は、転動体50に対し反時計回り方向の径方向側面43へ向けて、転動室40内を転動する。
転動体50に対し反時計回り方向の径方向側面43近傍には、第二の摩擦材62が設けられている。径方向側面43近傍に到達した転動体50は、外周面42に設置された第二の摩擦材62に接触する。回転体10の回転速度上昇中の第一の摩擦材61の作用と同様に、第二の摩擦材62は、転動体50の転動を妨げて、転動体50を第二の摩擦材62の表面上で回転体10に対し相対的に停止させる。
第二の摩擦材62は、径方向側面43に向かって転動する転動体50を、転動体50が径方向側面43に衝突しない位置において、停止させる。第二の摩擦材62は、所定の位置で転動体50を停止させることにより、転動体50の転動範囲を規定している。したがって、転動体50が転動室40の径方向側面43に衝突することを防止することができるので、回転体10の回転速度低下中において、転動体50と径方向側面43との衝突音が発生することがなく、異音の発生を防止することができる。
以上説明したように、実施の形態1の遠心振子式動吸振器1は、摩擦材60を備える。摩擦材60は、転動室40内に配置されており、転動体50に接触して転動体50の転動を妨げることにより転動体50の転動範囲を規定する。このようにすれば、回転体10の回転中のあらゆる場面において、摩擦材60が転動体50の転動を妨げることにより、転動体50が転動室40の径方向側面43に衝突することを防止することができる。したがって、回転体10の回転時の、転動体50の衝突による異音の発生を防止することができる。また、転動体50の衝突が発生しないので、従来の遠心振子式動吸振器に対して強度的に有利であり、遠心振子式動吸振器1の耐久性を向上することができる。
摩擦材60は、図1に示すように、転動室40の外周面42の径方向側面43近傍のみに配置されている。摩擦材60によって転動体50の転動範囲が規定されており、摩擦材60は転動体50の転動範囲の限界位置近傍のみに配置されている。つまり、円弧形状の転動室40内を移動する転動体50の、中心軸P周りの周方向における往復運動の経路の両端部に摩擦材60が配置されており、上記経路の端部を除いて摩擦材60は設けられていない構成とされている。
転動体50が転動し得る範囲の中間部には摩擦材60が置かれず、そのため当該中間部を転動する転動体50に対する摩擦抵抗は小さいので、円弧状の転動室40の中央部では転動体50の転動が妨げられず、転動体50は自由に転動可能とされている。転動体50が動き得る限界の位置のみに摩擦材60を設けることにより、摩擦材60に接触しない範囲での転動体50の転動速度を増大させることができるので、回転体10の回転変動を効率的に抑制することができる。
(実施の形態2)
図3は、実施の形態2の遠心振子式動吸振器1の構成を示す断面模式図である。図4は、図3中に示すIV−IV線に沿う遠心振子式動吸振器1の断面模式図である。なお図3は、図4中に示すIII−III線に沿う遠心振子式動吸振器1の断面図である。実施の形態2の遠心振子式動吸振器1は、実施の形態1と比較して、回転体10の内部に形成された転動室40の形状において異なっている。
図3は、実施の形態2の遠心振子式動吸振器1の構成を示す断面模式図である。図4は、図3中に示すIV−IV線に沿う遠心振子式動吸振器1の断面模式図である。なお図3は、図4中に示すIII−III線に沿う遠心振子式動吸振器1の断面図である。実施の形態2の遠心振子式動吸振器1は、実施の形態1と比較して、回転体10の内部に形成された転動室40の形状において異なっている。
具体的には、図3および図4に示すように、回転体10の内部には、四箇所の転動室40が形成されている。転動室40は、図3に示す回転体10の軸方向に対し直交する断面において、断面形状が円環状であるように形成されている。図4に示すように、第一部材11の第二部材21と対向する側の表面に四箇所の円筒状の穴が穿設され、当該穴と中心軸Pを共有する円筒状の突起が第二部材21に形成され、その突起が穴の内部に嵌入されることによって、転動室40が形成されている。転動室40の断面形状を形成する円環形状の中心軸Pが、回転体10の仮想の回転中心をなす回転軸Oに平行であるように、転動室40は形成されている。
転動室40は、中心軸Pを中心とする円環の内周面を形成する内周面45と、中心軸Pを中心とする円環の外周面を形成する外周面46とを有する。内周面45と、外周面46とは、中心軸Pを軸とする円筒面に形成されている。内周面45は、第二部材21に形成された円筒状突起の外周面により形成されている。外周面46は、第一部材11に形成された円筒状の穴の側面により形成されている。
転動室40の内部には、摩擦材60が配置されている。摩擦材60は、第一の摩擦材61と第二の摩擦材62とを含む。一対に設けられた第一の摩擦材61および第二の摩擦材62は、転動室40の外周面46に配置されている。摩擦材60は、回転体10の径方向において、転動室40の中心軸Pに対して径方向外側に設置されている。摩擦材60は、薄板状に形成されており、外周面46の一部形成された凹みの内部に埋設されて、転動室40の内部に取り付けられている。
転動体50は、転動室40の外周面46に摩擦材60が設置されている位置に対して、回転体10の径方向外側に配置されている。摩擦材60は、外周面46に沿って転動する転動体50の転動を妨げ、転動体50の転動範囲を回転体10の径方向外側の転動室40内に規定している。
以上の構成を有する実施の形態2の遠心振子式動吸振器1によると、実施の形態1と同様に、回転体10の回転中のあらゆる場面において、摩擦材60が転動体50の転動を妨げることにより、転動体50が転動室40の表面に衝突することを防止することができる。実施の形態1と異なり、中心軸P回りの周方向に移動する転動体50の移動方向と対向する径方向側面43は形成されていないので、転動体50が転動するとき径方向側面43に衝突することは起こり得ない。したがって、回転体10の回転時の、転動体50の衝突による異音の発生を、より確実に防止することができる。
また、実施の形態2の遠心振子式動吸振器1では、実施の形態1の遠心振子式動吸振器1と比較して、転動室40が円環状に形成されているために、回転体10の内部に形成された空洞の容積が拡大されている。そのため、遠心振子式動吸振器1の軽量化を達成することができる。
また、実施の形態2の遠心振子式動吸振器1の転動室40は、第一部材11に形成された円筒面である外周面46と、第二部材21に形成された円筒面である内周面45とを組み合わせることにより形成されている。転動室40を形成する部品形状および穴形状が単純であるので、容易に転動室40を加工することができ、製造コストの低減および製造工程の簡略化を達成できるとともに、転動室40の加工精度を向上することができる。四箇所の転動室40が同一形状に形成されているために、一層製造工程を簡略化することができる。
さらに、実施の形態2の遠心振子式動吸振器1では、摩擦材60の設置位置を変更することにより、転動体50の転動範囲を容易に変更することができる。遠心振子式動吸振器1が車両に搭載される場合、エンジン容量が大きいほど回転変動の変動成分が大きくなり、回転変動を打ち消すために転動体50の移動量も大きくする必要がある。実施の形態1の遠心振子式動吸振器1の場合、転動体50の転動範囲を変更するためには、転動体50が径方向側面43に衝突しないように転動室40を形成する穴形状を変更する必要がある。そのため、異なる車種へ展開するには車種毎に転動室40の形状を変更する必要があり、汎用性が低い。
一方、転動室40が円環形状に形成されている実施の形態2の遠心振子式動吸振器1では、転動室40の形状を変更せずに、摩擦材60の設置位置を変更するだけで転動体50の転動範囲を変更できる。したがって、転動体50の移動量を容易に調整することができるので、異なる車種に同一形状の回転体10を有する遠心振子式動吸振器1を展開することができ、遠心振子式動吸振器1の汎用性を向上させることができる。摩擦材60を転動室40の外周面46に貼付することにより摩擦材60を転動室40内に配置するようにすれば、摩擦材60の設置位置において外周面46に凹みを形成する必要がなくなり、さらに遠心振子式動吸振器1の汎用性を向上させることができる。
(実施の形態3)
図5は、実施の形態3の遠心振子式動吸振器1の構成を示す断面模式図である。図6は、実施の形態3の遠心振子式動吸振器1の分解斜視図である。なお図6では、回転シャフト90は図示を省略されている。実施の形態3の遠心振子式動吸振器1では、円環形状の転動室40を形成する各部材の構成において、実施の形態2と異なっている。
図5は、実施の形態3の遠心振子式動吸振器1の構成を示す断面模式図である。図6は、実施の形態3の遠心振子式動吸振器1の分解斜視図である。なお図6では、回転シャフト90は図示を省略されている。実施の形態3の遠心振子式動吸振器1では、円環形状の転動室40を形成する各部材の構成において、実施の形態2と異なっている。
具体的には、図5および図6に示すように、回転体10は、円板状の第一部材11と、第一部材11と同径の円板状に形成された第二部材21と、第一部材11と同径の円筒形状に形成された円筒部材71とを含む。第二部材21は、第一部材11に対して軸方向に並べて配置されている。軸方向に第一部材11、円筒部材71および第二部材21が順に並べられており、第一部材11と第二部材21とは円筒部材71を介在させて軸方向に隔てられて配置されている。
第一部材11、第二部材21および円筒部材71には、中心部に同径の回転シャフト90を挿通可能な穴が形成されている。また、第一部材11、第二部材21および円筒部材71には、それぞれ四箇所の貫通孔12,22,72が形成されている。この貫通孔12,22,72は、第一部材11、第二部材21および円筒部材71をそれぞれ厚み方向(軸方向)に貫通するように形成されており、回転軸O回りの周方向位置が同一に形成されている。第一部材11、第二部材21および円筒部材71に形成された貫通孔12,22,72は、中心軸Pを共有する。第一部材11および第二部材21に形成された貫通孔12,22は同径であって、円筒部材71の貫通孔72は貫通孔12,22に対し相対的に大きな径に形成されている。
回転体10はまた、連結部材31を含む。連結部材31は、第一部材11、第二部材21および円筒部材71とは別体の構造とされている。連結部材31は、第一部材11、第二部材21および円筒部材71に形成された貫通孔12,22,72に順に挿通されて、第一部材11、第二部材21および円筒部材71を一体に連結固定する。連結部材31は、ねじ止め、溶接、かしめなどの任意の方法によって第一部材11および第二部材21に接合されて、第一部材11、第二部材21および円筒部材71を一体化させて回転体10を形成している。
連結部材31は、円板形状の頭部33と、円筒形状の基部34とを有する。連結部材31は、円筒状の基部34の片端部に、基部34に対して大径の頭部33を有する、リベット状の構造を有している。連結部材31は、細い丸鋼が加工された円筒形状を有するピン状に形成されてもよい。図5に示すように、連結部材31を用いて一体の回転体10が形成された状態で、連結部材31と、貫通孔12,22,72とは、中心軸Pを共有する。円筒形状の基部34が軸方向に延在するように、連結部材31は配置されている。連結部材31は、基部34の外径が貫通孔12,22と略等しく、基部34を貫通孔12,22に挿通することで円筒部材71を介在させて第一部材11および第二部材21を一体に接合可能であるように、形成されている。
実施の形態3の転動室40は、中心軸Pが回転体10の回転軸Oに平行な円環状に形成されている。転動室40は、中心軸Pを中心とする円環の内周面を形成する内周面45と、中心軸Pを中心とする円環の外周面を形成する外周面46とを有する。内周面45と、外周面46とは、中心軸Pを軸とする円筒面に形成されている。内周面45は、連結部材31の基部34の円筒面である外周面32によって形成されている。外周面46は、円筒部材71に形成された円筒状の貫通孔72の内面により形成されている。
以上の構成を有する実施の形態3の遠心振子式動吸振器1によると、実施の形態1と同様に、回転体10の回転中のあらゆる場面において、摩擦材が転動体50の転動を妨げることにより、転動体50が転動室40の表面に衝突することを防止することができる。
また、実施の形態3の遠心振子式動吸振器1を構成する各部材の形状は全て円筒または円板形状であり、各部材の形状が極めて単純であるので、容易に成形することが可能である。各部材に形成される孔は円形の貫通孔であるので、ドリル加工やプレス加工などの機械加工によって容易に貫通孔12,22,72を形成することができる。したがって、遠心振子式動吸振器1の生産性を一層向上させることができ、一層の製造コストの低減および製造工程の簡略化を達成することができる。
なお、実施の形態3の遠心振子式動吸振器1の回転体10は、四つの別々の部材により形成されていたが、この構成に限られるものではない。円筒部材71が第一部材11または第二部材21と一体に形成され、第一部材11、第二部材21および連結部材31の三つの部材により回転体10が形成されていてもよい。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遠心振子式動吸振器1は、車両の駆動力源から駆動輪へ動力を伝達する動力伝達装置に搭載された、回転シャフトの捩り振動を低減するための吸振器に、特に有利に適用され得る。
1 遠心振子式動吸振器、10 回転体、11 第一部材、12,22,72 貫通孔、21 第二部材、31 連結部材、32 外周面、33 頭部、34 基部、40 転動室、41,45 内周面、42,46 外周面、43 径方向側面、50 転動体、60 摩擦材、61 第一の摩擦材、62 第二の摩擦材、71 円筒部材、90 回転シャフト、O 回転軸、P 中心軸。
Claims (5)
- 回転可能に設けられ、内部に転動室が形成された回転体と、
前記転動室内に転動可能に収容された転動体と、
前記転動室内に配置され、前記転動体に接触して前記転動体の転動を妨げることにより前記転動体の転動範囲を規定する摩擦材とを備える、遠心振子式動吸振器。 - 前記転動室は、前記回転体の径方向内側の内周面と前記回転体の径方向外側の外周面とを有し、中心軸が前記回転体の回転軸に平行な円弧状に形成されており、
前記摩擦材は、前記転動室の前記外周面に設置されている、請求項1に記載の遠心振子式動吸振器。 - 前記転動室は、中心軸が前記回転体の回転軸に平行な円環状に形成されており、
前記摩擦材は、前記転動体の転動範囲を、前記回転体の径方向外側の前記転動室内に規定するように、前記転動室の外周面に設置されている、請求項1に記載の遠心振子式動吸振器。 - 前記回転体は、第一部材と、前記第一部材に対して軸方向に並べて配置された第二部材と、前記第一部材と前記第二部材とを連結固定する連結部材とを含み、
前記連結部材は、軸方向に延在する円筒形状を有し、
前記連結部材の外周面は、前記転動室の内周面を構成する、請求項3に記載の遠心振子式動吸振器。 - 前記摩擦材は、前記転動体の転動範囲の限界位置近傍のみに配置されている、請求項1から請求項4のいずれかに記載の遠心振子式動吸振器。
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