JP2010144902A - スプライン嵌合構造、摺動式トリポード型等速ジョイントおよびボール型等速ジョイント - Google Patents

スプライン嵌合構造、摺動式トリポード型等速ジョイントおよびボール型等速ジョイント Download PDF

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晴彦 齋藤
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Abstract

【課題】周方向位置により剛性が異なる継手部材との圧入嵌合において、シャフトとの結合力を損なうことなくスプラインに加わる最大の応力を低減することができるスプライン嵌合構造、またこの構造を含む摺動式トリポード型等速ジョイントおよびボール型等速ジョイントを提供することを目的とする。
【解決手段】外スプライン42が形成されるシャフト40と、内スプライン23が形成され、外歯43および内歯24によりシャフト40と圧入嵌合される継手部材と、を備え、外歯43の歯面と内歯23の歯面が圧接する各圧入歯面間の圧入代は、継手部材の周方向位置に応じてそれぞれ設定される。
【選択図】図3

Description

本発明は、シャフトのスプライン嵌合構造、この構造を含む摺動式トリポード型等速ジョイントおよびボール型等速ジョイントに関するものである。
スプライン嵌合構造は、外周面に外スプラインが形成されたシャフトと、内周面に内スプラインが形成された継手部材を備える。そして、この継手部材にシャフトを圧入することで嵌合し、両者間で動力伝達を可能としている。このような構造において、外スプラインを形成する複数の外歯と、内スプラインを形成する複数の内歯との間に隙間が残ると、回転ガタなどが生じ動力伝達の妨げとなる。そこで、外歯と内歯の歯面が圧接するように、例えば、特開平6−101719号公報(特許文献1)に記載されたものがある。このスプライン嵌合構造は、外歯および内歯において歯厚方向の圧入代を確保している。つまり、外歯と内歯の歯面同士が圧入されている。これにより、回転ガタの発生を防止できるものとされている。
また、このようなスプライン嵌合構造は、車両の動力伝達装置などに使用される。例えば、特開2008−164129号公報(特許文献2)に記載されているように、ドライブシャフトの一部である摺動式トリポード型等速ジョイントがある。この摺動式トリポード型等速ジョイントは、3本の軌道溝が形成された筒状の外輪と、径方向に延びる3本のトリポード軸部を有するトリポードと、それぞれのトリポード軸部に軸支されるローラを備える。そして、このトリポードの内周面に形成された内スプラインと、シャフトの外周面に形成された外スプラインが圧入嵌合することでスプライン嵌合構造をなしている。これにより、外輪およびシャフトは、トリポードとローラを介することで動力を伝達している。
特開平6−101719号公報 特開2008−164129号公報
ここで、例えば、特許文献2のスプライン嵌合構造において、シャフトが圧入されるトリポードは、3本のトリポード軸部を有することからも明らかなように周方向位置により肉厚が異なる。つまり、継手部材であるトリポードの各部位は、周方向位置により剛性が異なっているものと考えられる。このような継手部材にシャフトを圧入した場合に、継手部材の各部位における剛性の高低により、内スプラインを形成する内歯が径方向外方に逃げてしまうことがある。このような場合に、内歯の逃げた部位においては圧入代が減少することとなる。すると、他の部位において応力が集中することになり、全周に亘り応力が不均一な状態となる。
一方で、応力が不均一とならないように、全体の圧入代を減少させるとシャフトと継手部材の結合力も減少してしまう。よって、十分な動力伝達ができなくなってしまうおそれがある。また、圧入時に内歯が逃げないようにするため、または、最大応力に耐えうるために継手部材を厚肉化すると装置が大型化し、また重量が増してしまうことが懸念される。
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、周方向位置により剛性が異なる継手部材との圧入嵌合において、シャフトとの結合力を損なうことなくスプラインに加わる最大の応力を低減することができるスプライン嵌合構造、またこの構造を含む摺動式トリポード型等速ジョイントおよびボール型等速ジョイントを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、
軸状に形成され、外周面において軸方向に延びる複数の外歯により外スプラインが形成されたシャフトと、
周方向位置により剛性が異なる環状部材からなり、前記環状部材の内周面において軸方向に延びる複数の内歯により内スプラインが形成された継手部材であって、前記シャフトの前記外歯に前記内歯が圧入嵌合されたものと、
を備え、
前記外歯の歯面と前記内歯の歯面との間の圧入代は、前記継手部材の前記周方向位置に応じてそれぞれ設定されていることである。
請求項2に記載の発明の構成上の特徴は、請求項1において、
前記圧入代は、前記内歯の歯面に対して径方向外方へ同一荷重をかけた場合の当該歯面の径方向の撓み量に応じて、それぞれ設定されていることである。
請求項3に記載の発明の構成上の特徴は、請求項1において、
前記圧入代は、前記内歯の圧入歯面の径方向外方に位置する前記継手部材の各部位における剛性に応じて、それぞれ設定されていることである。
請求項4に記載の発明の構成上の特徴は、請求項3において、
前記圧入代は、前記継手部材の前記各部位の軸方向幅において最大となる剛性に応じて、それぞれ設定されていることである。
請求項5に記載の発明の構成上の特徴は、請求項3または4において、
前記圧入代は、前記継手部材の前記各部位における径方向の最大厚みに応じてそれぞれ設定されていることである。
請求項6に記載の発明の構成上の特徴は、請求項1〜5の何れか一項において、
前記圧入代は、前記外歯の歯厚および前記内歯の歯厚の少なくとも一方が前記周方向位置に応じてそれぞれ設定されることにより、それぞれ設定されていることである。
請求項7に記載の発明の構成上の特徴は、請求項1〜6の何れか一項において、
前記外歯の圧入歯面における法線ベクトルは、前記シャフトの径方向外方の成分を有するように設定され、
前記内歯の前記圧入歯面における法線ベクトルは、前記シャフトの径方向内方の成分を有するように設定されていることである。
上記の課題を解決するため、請求項8に記載の発明の構成上の特徴は、
筒状に形成され、内周面に外輪回転軸方向に延びる3本の軌道溝が形成された外輪と、
シャフトと連結されるボス部、および、前記ボス部の外周面からそれぞれ前記ボス部の径方向外方に延びるように立設され各前記軌道溝に挿入される3本のトリポード軸部を有するトリポードと、
前記軌道溝に転動可能に挿入されると共に、前記トリポード軸部に軸支されるローラと、
を備える摺動式トリポード型等速ジョイントであって、
前記シャフトは、外周面において軸方向に延びる複数の外歯により外スプラインが形成され、
前記トリポードは、前記ボス部の内周面において前記シャフトの軸方向に延びる複数の内歯により内スプラインが形成され、前記シャフトの前記外歯に前記内歯が圧入嵌合され、
前記外歯の歯面と前記内歯の歯面との間の圧入代は、前記トリポードの周方向位置に応じて、それぞれ設定されていることである。
請求項9に記載の発明の構成上の特徴は、請求項8において、
前記圧入代は、前記ボス部のうち径方向外方に前記トリポード軸部が存在する領域において第一圧入代に設定され、その他の領域において前記第一圧入代より大きい第二圧入代に設定されていることである。
上記の課題を解決するため、請求項10に記載の発明の構成上の特徴は、
筒状に形成され、内周面に外輪回転軸方向に延びる複数の外輪ボール溝が形成された外輪と、
シャフトと連結される環状部材であり、外周面に内輪軸方向に延びる複数の内輪ボール溝が形成され、前記外輪の内側に配置される内輪と、
それぞれの前記外輪ボール溝およびそれぞれの前記内輪ボール溝に対して周方向に係合し、前記外輪と前記内輪との間で動力を伝達する複数のボールと、
環状からなり、前記外輪と前記内輪との間に配置され、周方向に前記ボールをそれぞれ収容する複数の開口窓部が形成された保持器と、
を備えるボール形等速ジョイントであって、
前記シャフトは、外周面において軸方向に延びる複数の外歯により外スプラインが形成され、
前記内輪は、前記内輪の内周面において前記シャフトの軸方向に延びる複数の内歯により内スプラインが形成され、前記シャフトの前記外歯に前記内歯が圧入嵌合され、
前記外歯の歯面と前記内歯の歯面との間の圧入代は、前記内輪の周方向位置に応じて、それぞれ設定されていることである。
請求項1に係る発明によると、外スプラインを形成する外歯の歯面と、内スプラインを形成する内歯の歯面が圧接するように圧入代が設定される構成となっている。そして、この圧入代は、圧入歯面が位置する継手部材の周方向位置に応じて設定されている。つまり、各周方向位置に位置する圧入歯面間の圧入代は、その周方向位置における継手部材の部位に適するように個々に異なる量が設定される。このような構成とすることで、外歯および内歯に加わる応力を均一化することができる。従って、継手部材に加わる最大応力を低減することができるので、従来と比べて継手部材に必要とされる強度が下がり、継手部材の小型化や軽量化を図ることができる。
請求項2に係る発明によると、各圧入歯面間の圧入代は、その圧入歯面が位置する周方向位置において、継手部材の径方向の撓み量に応じてそれぞれ設定される。ここで、径方向の撓み量とは、継手部材の内歯の歯面のうち、外歯と圧接する部分に対して径方向外方へ荷重をかけた場合に、その継手部材の部位が撓む量のことである。この撓み量について、継手部材の材質や設計上の形状や寸法などを用いて解析により、または実験によりそれぞれの内歯に対して求めることで圧入代が設定される。これにより、シャフトとの圧入時において、継手部材が撓むことにより内歯が逃げる量を推測することができる。よって、より適切な圧入代を設定することができ、外歯および内歯に加わる応力を均一化することができる。
請求項3に係る発明によると、各圧入歯面間の圧入代は、その圧入歯面が位置する周方向位置の継手部材の部位における剛性に応じてそれぞれ設定されている。ここで、継手部材の部位における剛性とは、継手部材に荷重がかけられた場合に、その継手部材の部位が変形に抵抗する度合いのことである。すなわち、この剛性は、実質的に曲げ剛性に相当する。この継手部材の部位における剛性について、継手部材の材質や設計上の形状や寸法などを用いて解析により、または実験によりそれぞれの内歯に対して求めることで圧入代が設定される。つまり、ある周方向位置の圧入代は、その圧入歯面の外側に位置する継手部材の部位における剛性の高低により設定される。これにより、シャフトとの圧入時において、継手部材が変形することにより内歯が逃げる量を推測することができる。よって、より適切な圧入代を設定することができ、外歯および内歯に加わる応力を均一化することができる。
請求項4に係る発明によると、より適切な圧入代の設定ができる。継手部材は、周方向位置により剛性が異なるように環状に形成されている。この環状からなる継手部材は、ある周方向位置の軸方向幅において厚みが一定でないことがある。このような場合には、継手部材は軸方向幅において剛性が異なることになる。そこで、圧入歯面間の圧入代は、軸方向幅において最大となる剛性に応じて設定することでより適切な値とすることができる。よって、適切な圧入代によって、外歯および内歯に加わる応力を均一化することができる。
請求項5に係る発明によると、各圧入歯面間の圧入代は、その圧入歯面が位置する周方向位置の継手部材の部位における最大厚みに応じてそれぞれ設定されている。継手部材の各部位における径方向の最大厚みをそれぞれの部位における剛性とみなすことで、簡易に圧入代を設定することができる。各部位の剛性は、各部位の外歯および内歯に加わる応力の比を求めることができれば十分である。そして、部材の各部位の剛性は、その部位における径方向の厚みに影響されるものと考えられる。よって、各部位の剛性をそれぞれの部位における径方向の最大厚みとみなしてもよい。つまり、継手部材が均一の材質からなり、対称性を有することから、径方向の最大厚みに応じて圧入代を定量的に求めることができる。
請求項6に係る発明によると、外歯の歯厚および内歯の歯厚の少なくとも一方は、圧入歯面が位置する継手部材の周方向位置に応じて設定される構成となっている。これにより、各圧入歯面間の圧入代は、上記歯厚の設定によりそれぞれ設定される。そこで、例えば、各外歯の歯厚を一定にし、内歯の歯厚を各周方向位置に応じてそれぞれ所定の値とすることで、各圧入歯面間の圧入代をそれぞれ設定することができる。また、外スプラインの外歯を一定にする場合は、組付け時において、周方向位置を考慮する必要なく継手部材にシャフトを圧入することができる。一方、内スプラインの内歯を一定にする場合は、周方向位置により歯厚が異なる外歯が外周面にあるため、一般に内周面加工よりも成形が容易となる。
請求項7に係る発明によると、外歯の圧入歯面における法線ベクトルがシャフトの径方向外方成分を有し、内歯の圧入歯面における法線ベクトルがシャフトの径方向内方成分を有する構成となっている。このような構成では、外歯と内歯が圧接する圧入歯面は、いずれの歯底面に対して傾斜することになる。従って、継手部材にシャフトを圧入した場合に、内歯が径方向外方に向かう力を受けることになるので、内歯が径方向外方に逃げやすい。つまり、継手部材の各周方向位置において、外歯および内歯に加わる応力の差が大きくなる。このような形態に対しても、確実に応力を均一化することができる。これにより、継手部材の小型化や軽量化を図ることができる。
請求項8に係る発明によると、継手部材が摺動式トリポード型等速ジョイントのトリポードであり、シャフトとトリポードがスプライン嵌合構造をなす構成となっている。そして、シャフトの外スプラインを形成する外歯の歯面と、トリポードの内スプラインを形成する内歯の歯面が圧接するように圧入代が設定される構成となっている。そして、この圧入代は、圧入歯面が位置するトリポードの周方向位置に応じて設定されている。つまり、各周方向位置に位置する圧入歯面間の圧入代は、その周方向位置におけるトリポードの部位に適するように個々に異なる量が設定される。つまり、本発明によれば、上述した請求項1に係るスプライン嵌合構造による効果を奏する。ここで、上述したスプライン嵌合構造における他の特徴部分は、本発明の摺動式トリポード型等速ジョイントのスプライン嵌合構造に適用することができる。この場合、スプライン嵌合構造のそれぞれの特徴による効果と同一の効果を奏する。
請求項9に係る発明によると、トリポードの各周方向位置において、圧入歯面間の圧入代は、第一圧入代または第二圧入代のいずれかに設定される構成となっている。一般に、摺動式トリポード型等速ジョイントのトリポードは3本のトリポード軸部を等間隔に有している。そして、トリポードのうちボス部およびトリポード軸部を含む第一の周方向位置において、圧入代は第一圧入代に設定される。また、トリポードのうちボス部のみを含む第二の周方向位置において、圧入代は第一圧入代より大きい第二圧入代に設定される。このように、圧入歯面間の圧入代を圧入歯面が位置する周方向位置により、何れか一方の圧入代に簡易に設定することができる。また、圧入代は断続的な2種類の圧入代に設定されるので、外スプラインまたは内スプラインを比較的容易に成形加工できる。
請求項10に係る発明によると、継手部材がボール型等速ジョイントの内輪であり、シャフトと内輪がスプライン嵌合構造をなす構成となっている。そして、シャフトの外スプラインを形成する外歯の歯面と、内輪の内スプラインを形成する内歯の歯面が圧接するように圧入代が設定される構成となっている。そして、この圧入代は、圧入歯面が位置する内輪の周方向位置に応じて設定されている。つまり、各周方向位置に位置する圧入歯面間の圧入代は、その周方向位置における内輪の部位に適するように個々に異なる量が設定される。つまり、本発明によれば、上述した請求項1に係るスプライン嵌合構造による効果を奏する。ここで、上述したスプライン嵌合構造における他の特徴部分は、本発明のボール型等速ジョイントのスプライン嵌合構造に適用することができる。この場合、スプライン嵌合構造のそれぞれの特徴による効果と同一の効果を奏する。
以下、本発明のスプライン嵌合構造を含む摺動式トリポード型等速ジョイントおよびボール型等速ジョイント(以下、単に「等速ジョイント」と称する。)を具体化した実施形態について図面を参照しつつ説明する。ここで、本実施形態の等速ジョイントは、車両の動力伝達シャフトの連結に用いる場合を例に挙げて説明する。例えば、ディファレンシャルギヤに連結された軸部とドライブシャフトの中間シャフトとの連結部位に用いる場合である。
<第一実施形態>
第一実施形態の等速ジョイント1およびスプライン嵌合構造2について図1,2を参照して説明する。図1は、第一実施形態の等速ジョイント1の軸方向断面図である。図2は、スプライン嵌合構造2の分解状態を示す軸方向断面図である。
等速ジョイント1は、図1に示すように、スプライン嵌合構造2を含み、外輪10と、トリポード20と、ローラ30と、シャフト40とから構成される。
外輪10は、筒状(例えば、有底筒状)に形成されており、一端側がディファレンシャルギヤ(図示せず)に連結されている。そして、外輪10の筒状部分の内周面には、外輪軸方向(図1の左右方向)に延びる軌道溝11が、外輪軸の周方向に等間隔に3本形成されている。各軌道溝11における溝延伸方向に直交する断面形状が、コの字形をなしている。つまり、各軌道溝11は、ほぼ平面状に形成され且つ幅方向中央部に逃げ凹溝が形成された溝底面と、相互に対向し且つ深さ方向の中央部における対向距離が最も大きくなるような円弧凹状に形成される両側の溝側面とを備える。
トリポード20は、外輪10の筒状部分の内側に配置されている。このトリポード20は、ボス部21と、3本のトリポード軸部22とを備える。ボス部21は、環状であり、外周面がほぼ球面凸状に近似した形状となるように形成されている。それぞれのトリポード軸部22は、ボス部21の外周面からそれぞれボス部21の径方向外方に延びるように立設された円柱状をなしている。これらのトリポード軸部22は、ボス部21の周方向に等間隔(120deg間隔)に形成されている。ボス部21の外周面の周方向において、トリポード軸部22の根元部の両端角度は、約60degとされている。つまり、ボス部21の外周面の周方向において、トリポード軸部22が存在する角度範囲と、トリポード軸部22が存在しない角度範囲とが、約60deg毎に交互に位置している。そして、それぞれのトリポード軸部22の少なくとも先端部は、外輪10のそれぞれの軌道溝11内に挿入されている。
また、図2に示すように、ボス部21の内周面には複数の内歯24により内スプライン23が形成されている。この内スプライン23は、後述するシャフト40の端部に形成された外スプライン42と圧入嵌合される。また、内歯24は、シャフト40の軸方向に延びるように形成されている。内スプライン23の内歯24および嵌合構造に関する詳細については後述する。
上述したように、トリポード20は、内周面に内スプライン23を有する環状の部材である。さらに、外周面においてトリポード軸部22が約60deg間隔に断続的に設けられている。これにより、トリポード20は、ボス部21とトリポード軸部22を含む部位では、他の部位と比較して剛性が高くなっている。つまり、トリポード20は、周方向位置により剛性が異なる環状部材からなっている。
ローラ30は、図1に示すように、環状である。このローラ30は、トリポード軸部22の外周側に、複数のニードル31を介してトリポード軸(トリポード軸部22の軸心)周りに回転可能に、且つ、トリポード軸方向に摺動可能に軸支されている。さらに、ローラ30は、外輪10の軌道溝11の溝側面に転動可能に且つ揺動可能に挿入されている。
シャフト40は、図2に示すように、軸状であり、シャフト本体41と、外スプライン42とを備える。外スプライン42は、シャフト本体41の端部の外周面において軸方向に延びる複数の外歯43により形成されている。つまり、トリポード20およびシャフト40は、図2の軸線方向において近接するように相対移動し、圧力を加えられて結合される。この時、外スプライン42は、トリポード20のボス部21に形成された内スプライン23と圧入嵌合される。
ここで、トリポード20およびシャフト40によるスプライン嵌合構造2について、図3,4を参照して説明する。図3は、スプライン嵌合構造2をシャフト40の回転軸方向から見た図である。図4は、スプライン嵌合前の内歯24および外歯43を示す拡大図である。
スプライン嵌合構造2は、図3に示すように、トリポード20の内スプライン23にシャフト40の外スプライン42が圧入嵌合されてなる。この時、内スプライン23を形成する複数の内歯24と、外スプライン42を形成する複数の外歯43とが噛合している。そして、それぞれの内歯24の歯面と、外歯43の歯面が互いに圧接している。これにより、トリポード20とシャフト40は、周方向の隙間がないため、回転ガタが生じないように結合されている。従って、トリポード20は、継手部材としてシャフト40にスプライン嵌合され、ローラ30を介して外輪10とシャフト40の間の動力を伝達可能としている。
ところで、それぞれの内歯24と外歯43は、スプライン嵌合したトリポード20とシャフト40の抜けを防止する必要がある。そこで、トリポード20とシャフト40の十分な結合力を得るために、噛合する内歯24と外歯43は、相対して所定の圧入代が設定されている。これにより、各圧入歯面の反発力から発生する摩擦力で結合している。このようなスプライン嵌合によるシャフトと継手部材の結合は、一般的にスプライン歯同士の噛合により発生する結合力の総和により抜けを防止している。つまり、それぞれのスプライン嵌合に必要な結合力を得られるように圧入代は所定量に設定されている。ここで、圧入歯面とは、内歯24の歯面および外歯43歯面のうち、トリポード20とシャフト40が圧入嵌合した状態で互いに圧接している部分的な歯面を意味する。
ここで、本実施形態における圧入代の設定について説明する。内スプライン23の内歯24の圧入歯面における法線ベクトルVi(図4に示す)は、シャフト40の径方向内方の成分を有するように設定されている。また、外スプライン42の外歯43の圧入歯面における法線ベクトルVo(図4に示す)は、シャフト40の径方向外方の成分を有するように設定されている。
内スプライン23の内歯24および外スプライン42の外歯43について、歯数が18、ピッチ円直径PCDが19.05mmになるように形成されている。このような条件では、全ての内歯24および外歯43のピッチ円上の円弧歯厚が約1.66mmの場合に圧入代が0mmとなる。
そして、本実施形態では、外スプライン42の外歯43a,43b,43c,・・・,43rのピッチ円上の円弧歯厚は、全て1.66mmに設定されている。一方、内スプライン23の内歯24a,24b,24c,・・・,24rのピッチ円上の円弧歯厚は、周方向位置に応じて異なるように設定されている。ここで、図3におけるトリポード20の中心を回転中心として、図3の上方に延びるトリポード軸部22の軸心方向を角度0degとし、図3の右回りを正方向として説明する。
0〜120degの角度範囲においては、両端に位置する内歯24a,24fのピッチ円上の円弧歯厚が1.70mm、それらの内側に位置する内歯24b,24eの当該歯厚が1.73mm、角度60deg付近に位置する内歯24c,24dの当該歯厚が1.78mmに設定されている。残りの120〜240degの角度範囲である内歯24g〜24l、および240〜360degの角度範囲である内歯24m〜24rは、同様のパターンで設定されている。
つまり、図4に示すように、内歯24と外歯43の寸法から得られる圧入代は、以下の通りとなる。すなわち、外歯43bの一方側歯面の圧入代w1は、円弧歯厚t1が1.70mmである内歯24aにより0.02mm(=(1.70−1.66)/2)となる。また、外歯43bの他方側歯面の圧入代w2は、円弧歯厚t2が1.73mmである内歯24bにより0.035mm(=(1.73−1.66)/2)となる。よって、外歯43bの圧入代はw1とw2の和から、0.055mm(=0.02+0.35)となる。同様に、0〜120degの角度範囲における外スプライン42の圧入代は、外歯43a,43gが0.04mm、外歯43b,43fが0.055mm、外歯43c,43eが0.095mm、外歯43dが0.12mmに設定されている。残りの周角度範囲の圧入代についても同様のパターンで設定される。つまり、内歯24a,24b,24c,・・・,24rの円弧歯厚を周方向位置に応じて設定することにより、各圧入歯面間の圧入代はそれぞれ設定される。
このような構成において、外スプライン42における圧入代について見る。すると、圧入歯面に対してシャフト40の径方向外方にトリポード軸部22が立設されている0degの周方向位置にある外歯43aは、最小の圧入代である0.04mmが設定されている。これから角度を増す毎に圧入代は増加する。そして、トリポード軸部22が立設される位置の中間にあたる60degの周方向位置にある外歯43dは、最大の圧入代である0.12mmが設定されている。これから、さらに角度を増す毎に圧入代は減少する。そして、トリポード軸部22が立設されている120degの周方向位置にある外歯43gで再び最小の圧入代である0.04mmが設定されている。
ここで、比較例として、上述した歯数およびピッチ円直径PCDの条件の場合に、周方向位置に関わりなく一定の圧入代を設定した場合について説明する。例えば、内スプライン23の各内歯24の円弧歯厚を1.76mmに設定した場合を考える。このような場合では、各外歯43の圧入代は、それぞれ0.10mmに設定されることになる。しかし、トリポード軸部22が立設される位置の中間にあたる60deg近傍の部位の剛性は低い。よって、内歯24がシャフト40径方向外方に逃げてしまうことがある。これにより、実際には、内歯24の逃げた部位においては圧入代が0.10mmよりも小さい値となる。すると、他の比較的剛性が高い、換言すれば実際の圧入代が大きい0deg近傍および120deg近傍の部位においては応力が集中することになり、全周に亘り応力が不均一な状態となる。
これに対して、本実施形態のスプライン嵌合構造2における各圧入歯面間の圧入代は、トリポード20の周方向位置に応じてそれぞれ設定されている。具体的には、剛性の低い部位に対して大きな圧入代が設定されているので、内歯24の逃げを一部許容し、且つ、一定の圧入代を確保することができる。一方、相対的に、剛性の高い部位に対して小さな圧入代が設定されるので、当該部位に応力が集中することを防止することができる。よって、内歯24と外歯43に加わる応力を均一化することができる。従って、トリポード20に加わる最大応力を低減することができるので、スプライン嵌合に関して従来と比べてトリポード20に必要とされる強度が下がり、トリポード20の小型化や軽量化を図ることができる。
また、本実施形態では、各圧入歯面間の圧入代を0.04mm〜0.12mmとなるように設定した。これは、各部位に一定の圧入代を設定した場合に、各部位における応力の比の推定値に基づいている。この応力の比は、トリポード20の材質や設計上の形状や寸法などを用いて解析により、または実験により求められる各部位の剛性から推定することができる。つまり、トリポード20とシャフト40との圧入時において、トリポード20が変形することにより内歯24が逃げる量を推定する。そして、不均一となる応力の比から、各圧入歯面において応力が均一となるように適切な圧入代を設定することができる。また、このように一部において従来よりも小さな圧入代が設定されているが、それぞれの内歯24および外歯43の噛合により発生する結合力の総和は低減することのないように設定されている。
また、上記においては、各周方向位置の圧入代は、トリポード20の剛性に応じて設定した。つまり、トリポード20の剛性が高い周方向位置の圧入代は、小さく設定し、トリポード20の剛性が低い周方向位置の圧入代は、大きく設定した。このことは、別の見方をすると、各圧入歯面に対してトリポード20に径方向外方へ同一荷重をかけた場合に、トリポード20における圧入歯面の径方向の撓み量に応じて圧入代を設定することと同じ意味となる。この撓み量は、剛性の場合と同様に、トリポード20の材質や設計上の形状や寸法などを用いて解析により、または実験により、それぞれの内歯24に対して求められるものである。
その他、トリポード20の各部位の剛性について、材質や設計上の形状や寸法などを用いて解析により求められるが、特に軸方向幅において最大となる剛性に応じて圧入代を設定しても良い。例えば、本実施形態のように、トリポード20のような継手部材では、図2に示すようにボス部21の厚みが一定でないことがある。このような場合は、トリポード20は軸方向幅において剛性が異なることになる。そこで、圧入歯面間の圧入代は、例えば、最大厚みTmの部位で最大となる剛性に応じて設定することでより適切な値とすることができる。よって、適切な圧入代によって、内歯24および外歯43に加わる応力を均一化することができる。
さらに、本実施形態では、各外歯43の歯厚を一定にして、内歯24の歯厚を各周方向位置に応じてそれぞれ所定の値とすることで、各圧入歯面間の圧入代が設定されている。これにより、シャフト40は、周方向位置による外歯43の形状に変化がないので、組付け時において周方向位置を考慮する必要がなくトリポード20に圧入することができる。
また、図4に示すように、外歯43の圧入歯面における法線ベクトルVoは、シャフト40の径方向外方の成分を有するように設定されている。同様に、内歯24の圧入歯面における法線ベクトルViは、シャフト40の径方向内方の成分を有するように設定されている。これにより、外歯43と内歯24が圧接する圧入歯面は、いずれの歯底面に対して傾斜することになる。従って、トリポード20にシャフト40を圧入した場合に、内歯24が径方向外方に向かう力を受けることになるので、内歯24が径方向外方に逃げやすい。つまり、トリポード20の各周方向位置において、外歯43および内歯24に加わる応力の差が大きくなる。このような形態に対しても、本発明により確実に応力を均一化することができる。これにより、トリポード20の小型化や軽量化を図ることができる。
<第一実施形態の変形態様>
第一実施形態の変形態様について、図5を参照して説明する。上述した第一実施形態において、各圧入歯面間の圧入代は、トリポード20の周方向位置に応じてその値を連続的に徐変するように設定されていた。これに対して、図5に示すように、トリポード20のうちボス部21およびトリポード軸部22を含む第一の周方向位置P1において、圧入代は第一圧入代に設定される。さらに、トリポード20のうちボス部21のみを含む第二の周方向位置P2において、圧入代は第二圧入代に設定される。つまり、トリポード20の各周方向位置において、圧入代は第一圧入代または第二圧入代のいずれかに設定される。この時、第一圧入代よりも第二圧入代の方が大きい。
一般に、トリポード型等速ジョイント1のトリポード20は3本のトリポード軸部22を等間隔に有している。つまり、トリポード20は、周方向に亘り剛性が主として大小に分けることができる。よって、圧入代は断続的な2種類の圧入代に設定されるので、内スプライン23を比較的容易に成形加工できる。しかし、より応力の均一化を図るという観点からは、圧入代を連続的に徐変するように設定する方が好ましい。
<第二実施形態>
第二実施形態の等速ジョイント101およびスプライン嵌合構造102について図6,7を参照して説明する。図6は、第二実施形態の等速ジョイント101の軸方向断面図である。図7は、内輪60をシャフト40の回転軸方向から見た図である。また、第二実施形態の等速ジョイント101は、ボール型等速ジョイントである。
等速ジョイント101は、図6に示すように、スプライン嵌合構造102を含み、外輪50と、内輪60と、ボール70と、保持器80と、シャフト40とから構成される。
外輪50は、筒状(例えば、有底筒状)に形成されており、一端側が他の動力伝達軸(図示せず)に連結される。さらに、外輪50の筒状部分の内周面には、外輪軸方向(図6の左右方向)に延びる外輪ボール溝51が、外輪軸の周方向に等間隔に6本形成されている。各外輪ボール溝51における溝延伸方向に直交する断面形状が、円弧凹状をなしている。
内輪60は、環状からなり、外輪50の内側に配置されている。この内輪60の外周面には、内輪軸方向(図6の左右方向)に延びる内輪ボール溝61が、内輪軸の周方向に等間隔に6本形成されている。各内輪ボール溝61における溝延伸方向に直交する断面形状が、円弧凹状をなしている。そして、内輪ボール溝61は、外輪50に形成される外輪ボール溝51と同数形成されている。つまり、それぞれの内輪ボール溝61が、外輪50のそれぞれの外輪ボール溝51に対向するように位置する。
また、図7に示すように、内輪60の内周面には、複数の内歯63a,63b,63c,・・・により内スプライン62が形成されている。この内スプライン62は、シャフト40の端部に形成された外スプライン42に圧入嵌合する。また、内歯63は、内輪軸方向に延びるように形成されている。ここで、内輪軸方向とは、内輪60の中心軸を通る方向、すなわち、内輪60の回転軸方向を意味する。
上述したように、内輪60は、内周面に内スプライン62を有する環状の部材である。さらに、外周面において内輪ボール溝61が断続的に設けられている。これにより、内輪60の内輪ボール溝61が形成されていない部位は、他の部位と比較して剛性が高くなっている。一方、内輪60の内輪ボール溝61が形成されている部位、特に溝底の部位は、他の部位と比較して剛性が低くなっている。つまり、内輪60は、周方向位置により剛性が異なる環状部材からなっている。
6個のボール70は、それぞれ、外輪50の外輪ボール溝51および内輪60の内輪ボール溝61に配置されている。そして、それぞれのボール70は、それぞれの外輪ボール溝51およびそれぞれの内輪ボール溝61に沿って転動自在であって、それぞれの外輪ボール溝51およびそれぞれの内輪ボール溝61に対して周方向(外輪軸回りまたは内輪軸回り)に係合している。従って、ボール70は、外輪50と内輪60との間で動力を伝達する。
保持器80は、環状からなり、外輪50の内周面と内輪60の外周面との間に配置されている。保持器80の内周面は、内輪12の最外周面にほぼ対応する部分球面凹状に形成されている。また、保持器80の外周面は、部分球面凸状に形成されている。そして、保持器80の内周面の球面中心と外周面の球面中心は、ジョイント回転中心に対して、軸方向に等距離だけそれぞれ反対側にオフセットさせている。そして、保持器80には、周方向に等間隔に6個の開口窓部81が形成されている。この開口窓部81は、外輪ボール溝51および内輪ボール溝61と同数形成されている。そして、それぞれの開口窓部81には、ボール70がそれぞれ挿通されている。つまり、保持器80は、6個のボール70を保持している。
シャフト40は、第一実施形態と共通なので詳細な説明を省略する。本実施形態において、内輪60およびシャフト40は、シャフト40の軸方向に近接するように相対移動し、圧力を加えられて結合される。この時、外スプライン42は、内輪60に形成された内スプライン62と圧入嵌合される。
ここで、内輪60およびシャフト40によるスプライン嵌合構造102については、第一実施形態におけるトリポード20とシャフト40によるスプライン嵌合構造2と共通する。よって、スプライン嵌合構造102における各圧入歯面間の圧入代の設定について説明する。ここで、圧入歯面とは、内歯63の歯面および外歯43歯面のうち、内輪60とシャフト40が圧入嵌合した状態で互いに圧接している部分的な歯面を意味する。
本実施形態のスプライン嵌合構造102における各圧入歯面間の圧入代は、内輪60の周方向位置に応じてそれぞれ設定されている。図7に示すように、内歯63aの径方向外方には、内輪ボール溝61の溝底の部位の径方向内方に位置する周方向位置となっている。この周方向位置において、内輪61は径方向の肉厚d1が最も薄くなり剛性が低くなっている。よって、内歯63aには大きな圧入代が設定されている。一方で、内歯63cの径方向外方には、内輪ボール溝61が形成されておらず、径方向の肉厚d2が最も厚くなり剛性が高くなっている。よって、内歯63cには小さな圧入代が設定されている。内歯63aと内歯63cの間に位置する内歯63bには、それぞれの中間程度の圧入代が設定されている。その他の内歯63についても同様に圧入代が設定されている。
これにより、内輪60とシャフト40が圧入嵌合されると、剛性の低い部位に対して大きな圧入代が設定されているので、内歯63の逃げを一部許容し、且つ、一定の圧入代を確保することができる。さらに、剛性の高い部位に対して小さな圧入代が設定されるので、応力の集中を防止することができる。よって、内歯63と外歯43に加わる応力を均一化することができる。従って、内輪60に加わる最大応力を低減することができるので、スプライン嵌合に関して従来と比べて内輪60に必要とされる強度が下がり、内輪60の小型化や軽量化を図ることができる。
また、各圧入歯面間の圧入代の設定値は、各部位における応力の比の推定値に基づいている。この応力の比は、内輪60の材質や設計上の形状や寸法などを用いて解析により、または実験により求められる各部位の剛性から推定することができる。つまり、内輪60とシャフト40との圧入時において、内輪60が変形することにより内歯63が逃げる量を推定する。そして、不均一となる応力の比から、各圧入歯面において応力が均一となるように適切な圧入代を設定することができる。また、このように一部において従来よりも小さな圧入代が設定されているが、それぞれの内歯63および外歯43の噛合により発生する結合力の総和は低減することのないように設定されている。
以上のことから、本実施形態によれば、第一実施形態に係るスプライン嵌合構造2と同様の効果を奏する。ここで、上述したスプライン嵌合構造2における他の特徴部分は、本実施形態の等速ジョイント101のスプライン嵌合構造102に適用することができる。この場合、スプライン嵌合構造2のそれぞれの特徴による効果と同一の効果を奏する。
<その他>
第一、第二実施形態において、各圧入歯面間の圧入代を設定するために、まず、外スプライン42の外歯43の歯厚を一定に設定した。そして、内スプライン23,62の内歯24,63の歯厚をそれぞれ周方向位置に応じて設定することで圧入代を設定した。これに対して、内歯24,63の歯厚を一定に設定し、且つ、外歯43の歯厚を周方向位置に応じて設定する構成としても良い。これにより、周方向位置により歯厚が異なる外歯43が外周面にあるため、一般に内周面加工よりも成形が容易となる。また、内歯24,63の歯厚および外歯43の歯厚の両方を変更して、周方向位置に応じて歯厚が設定される構成としても良い。ただし、外歯43を周方向位置によって異なる歯厚とすると、圧入時に継手部材との角度を決める(位相決めを行う)必要がある。このような組付け容易性の観点からは、外歯43の歯厚を一定にし、内歯24,63の歯厚のみ周方向位置に応じて設定することが好ましい。
また、継手部材であるトリポード20および内輪60の各部位の剛性は、それぞれの材質や設計上の形状や寸法を用いて解析により、または実験により求めることができるものである。しかし、この各部位の剛性は、各部位の応力の比を求めることができれば十分である。そして、部材の各部位の剛性は、その部位における径方向の厚みに影響されるものと考えられる。よって、各部位の剛性をそれぞれの部位における径方向の最大厚みとみなしてもよい。つまり、継手部材が均一の材質からなり、対称性を有することから、径方向の最大厚みに応じて圧入代を定量的に求めることができる。これにより、簡易に各圧入歯面間の圧入代を設定することができる。
第一実施形態:等速ジョイント1の軸方向断面図である。 スプライン嵌合構造2の分解状態を示す軸方向断面図である。 スプライン嵌合構造2をシャフト40の回転軸方向から見た図である。 スプライン嵌合前の内歯24および外歯43を示す拡大図である。 第一実施形態の変形態様:トリポードの正面図である。 第二実施形態:等速ジョイント101の軸方向断面図である。 内輪60をシャフト40の回転軸方向から見た図である。
符号の説明
1:摺動式トリポード型等速ジョイント、 101:ボール型等速ジョイント
2,102:スプライン嵌合構造
10:外輪、 11:軌道溝
20:トリポード、 21:ボス部、 22:トリポード軸部、 23:内スプライン
24a〜24r:内歯
30:ローラ、 31:ニードル
40:シャフト、 41:シャフト本体、 42:外スプライン
43a〜43r:外歯
50:外輪、 51:外輪ボール溝
60:内輪、 61:内輪ボール溝、 62:内スプライン
63a,63b,63c:内歯
70:ボール
80:保持器、 81:開口窓部

Claims (10)

  1. 軸状に形成され、外周面において軸方向に延びる複数の外歯により外スプラインが形成されたシャフトと、
    周方向位置により剛性が異なる環状部材からなり、前記環状部材の内周面において軸方向に延びる複数の内歯により内スプラインが形成された継手部材であって、前記シャフトの前記外歯に前記内歯が圧入嵌合されたものと、
    を備え、
    前記外歯の歯面と前記内歯の歯面との間の圧入代は、前記継手部材の前記周方向位置に応じてそれぞれ設定されていることを特徴とするスプライン嵌合構造。
  2. 請求項1において、
    前記圧入代は、前記内歯の歯面に対して径方向外方へ同一荷重をかけた場合の当該歯面の径方向の撓み量に応じて、それぞれ設定されていることを特徴とするスプライン嵌合構造。
  3. 請求項1において、
    前記圧入代は、前記内歯の圧入歯面の径方向外方に位置する前記継手部材の各部位における剛性に応じて、それぞれ設定されていることを特徴とするスプライン嵌合構造。
  4. 請求項3において、
    前記圧入代は、前記継手部材の前記各部位の軸方向幅において最大となる剛性に応じて、それぞれ設定されていることを特徴とするスプライン嵌合構造。
  5. 請求項3または4において、
    前記圧入代は、前記継手部材の前記各部位における径方向の最大厚みに応じてそれぞれ設定されていることを特徴とするスプライン嵌合構造。
  6. 請求項1〜5の何れか一項において、
    前記圧入代は、前記外歯の歯厚および前記内歯の歯厚の少なくとも一方が前記周方向位置に応じてそれぞれ設定されることにより、それぞれ設定されていることを特徴とするスプライン嵌合構造。
  7. 請求項1〜6の何れか一項において、
    前記外歯の圧入歯面における法線ベクトルは、前記シャフトの径方向外方の成分を有するように設定され、
    前記内歯の前記圧入歯面における法線ベクトルは、前記シャフトの径方向内方の成分を有するように設定されていることを特徴とするスプライン嵌合構造。
  8. 筒状に形成され、内周面に外輪回転軸方向に延びる3本の軌道溝が形成された外輪と、
    シャフトと連結されるボス部、および、前記ボス部の外周面からそれぞれ前記ボス部の径方向外方に延びるように立設され各前記軌道溝に挿入される3本のトリポード軸部を有するトリポードと、
    前記軌道溝に転動可能に挿入されると共に、前記トリポード軸部に軸支されるローラと、
    を備える摺動式トリポード型等速ジョイントであって、
    前記シャフトは、外周面において軸方向に延びる複数の外歯により外スプラインが形成され、
    前記トリポードは、前記ボス部の内周面において前記シャフトの軸方向に延びる複数の内歯により内スプラインが形成され、前記シャフトの前記外歯に前記内歯が圧入嵌合され、
    前記外歯の歯面と前記内歯の歯面との間の圧入代は、前記トリポードの周方向位置に応じて、それぞれ設定されていることを特徴とする摺動式トリポード型等速ジョイント。
  9. 請求項8において、
    前記圧入代は、前記ボス部のうち径方向外方に前記トリポード軸部が存在する領域において第一圧入代に設定され、その他の領域において前記第一圧入代より大きい第二圧入代に設定されていることを特徴とする摺動式トリポード型等速ジョイント。
  10. 筒状に形成され、内周面に外輪回転軸方向に延びる複数の外輪ボール溝が形成された外輪と、
    シャフトと連結される環状部材であり、外周面に内輪軸方向に延びる複数の内輪ボール溝が形成され、前記外輪の内側に配置される内輪と、
    それぞれの前記外輪ボール溝およびそれぞれの前記内輪ボール溝に対して周方向に係合し、前記外輪と前記内輪との間で動力を伝達する複数のボールと、
    環状からなり、前記外輪と前記内輪との間に配置され、周方向に前記ボールをそれぞれ収容する複数の開口窓部が形成された保持器と、
    を備えるボール形等速ジョイントであって、
    前記シャフトは、外周面において軸方向に延びる複数の外歯により外スプラインが形成され、
    前記内輪は、前記内輪の内周面において前記シャフトの軸方向に延びる複数の内歯により内スプラインが形成され、前記シャフトの前記外歯に前記内歯が圧入嵌合され、
    前記外歯の歯面と前記内歯の歯面との間の圧入代は、前記内輪の周方向位置に応じて、それぞれ設定されていることを特徴とするボール型等速ジョイント。
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