JP2010248750A - 鎌錠 - Google Patents

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Abstract

【課題】引き戸と開き戸の両方で使用可能であり、設置する際の設計が容易である鎌錠を提供することである。
【解決手段】
鎌錠1の構成部品は、ケース2、鎌片3、トリガー7、トリガー補助部材8、バネ9、リンク部材10、てこ部材11、姿勢補助部材12、スライダー13、ロック部53である。鎌錠1は、トリガー7がケース2に退入すると鎌片3がケース2から突出するように各部材をリンクさせ、トリガー7が単独で退入、突出可能である範囲を設け、トリガー7の動きと鎌片3動きが連動するまでに時間差を設ける。そのことにより、鎌片3の突出に猶予を持たせることにより、開き戸(ウィング戸)に用いたときの周辺部材の設計を容易にし、開き戸に用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、鎌錠に関するものである。より詳細には、鎌状の部材が突出することによって、戸枠等に設けられたストライクと係合して施錠状態にする錠であって、引き戸と開き戸(ウイング戸)双方に使用可能である錠に関するものである。
従来、引き戸用の錠前の一つとして、戸先鎌錠と称される錠が知られている。この形式の錠は、引き戸の端面から鎌状の閉止用係合部材(以下鎌片)が出入りする。そして、当該鎌片が戸枠に設けられたストライクと係合し、引き戸を施錠する。
以下、この種の戸先鎌錠の機能を簡単に説明する。図16は、従来技術の引き戸錠の機能を説明する説明図である。
この種の引き戸錠100は、鎌片101の他にトリガー102を持つ。そして常時において鎌片101は錠ケース103の中にあり、トリガー102が錠ケースから突出している。また鎌片101とトリガー102とは錠ケース103の内部でリンクしており、トリガー102が錠ケース103内に没入すると鎌片101が突出し、トリガー102が突出すると鎌片101が錠ケース103内に没入する関係にある。
そして、上記の機能に加え、係止機構と解除機構を備えることで、跳ね返りに対応した鎌錠(引き戸錠)が特許文献1に開示されている。
特開2001−12126号公報
このような鎌錠は防犯上優れた効果があるので引き戸のみならず開き戸にも使用したいという要求がある。
しかしながら、上記した従来技術の鎌錠はトリガーと鎌片が連動しているため、鎌片が退入すると同時に必ずトリガーが突出する。言い換えると、鎌片の動きとトリガーの動きが一対になっており、完全に連動している。そのため、鎌片が退入すると同時にトリガーが突出するので、鎌片の退入途中にトリガーの一部分が突出する。
このことにより、この従来技術の鎌錠を開き戸に使用すると、鎌片の退入に伴って突出したトリガーが戸の回動を阻害したり、周辺部材がトリガーの突出を妨げることで鎌片が退入せず、戸が開かないといった問題が発生する。
上記の問題を回避して、従来技術の鎌錠を開き戸に用いるには、戸枠やストライクの設計に極めて精緻な計算が必要である。また、精緻な計算により戸枠やストライクを設計しても、施工時に誤差が発生したり、使用することによる微量な摩耗等が生じたりするので現実的ではない。そのため、従来技術の鎌錠を開き戸に用いることは困難である。
そこで本発明は、開き戸と引き戸の両方で容易に使用可能であり、スムーズに戸の開閉と施錠や開錠を行うことができる鎌錠を提供するものである。
上記課題を解決するための請求項1の発明は、戸や錠本体に出退可能な鎌片とトリガーを有し、トリガーの退入に連動して前記鎌片の鎌先が別途設けられた受け穴の奥に移動して施錠する鎌錠において、前記トリガーが単独で出退可能であることを特徴とする鎌錠である。
請求項1の発明では、鎌片と連動するトリガーがトリガーのみで錠本体等に突出・退入可能である。そのため、本発明を用いた開き戸を開く時に、鎌片の退入に伴って突出したトリガーが何らかの部材に衝突しても、トリガーが鎌片の動きとは別に単独で錠本体等に退入する。そのため、鎌片は規定通りに錠本体等に退入し、トリガーは周辺部材に引っ掛かることがないため、開き戸の回動を阻害しない。
したがって、本発明の鎌錠は鎌錠と周辺部材間の距離を設計する際に幅を持たせることができるので、開き戸に用いることが容易である。
請求項2の発明は、前記トリガーを戸や錠本体から突出する方向に付勢する付勢部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の鎌錠である。
請求項2の発明では、トリガーを戸や錠本体から突出する方向に付勢する付勢部材を設けているので、トリガーが鎌片と連動せずに独立して退入すると、退入前の位置に戻そうとする力がトリガーに加わる。それにより、トリガーが鎌片から独立して移動可能な範囲内で、最も突出方向側の位置に移動する。したがって、常時トリガーが独立して退入できる距離を最大限に保つことができる。
請求項3の発明は、前記トリガーに衝撃吸収部材を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の鎌錠である。
請求項3の発明では、トリガーに衝撃吸収部材を設けているので、本発明を引き戸に用いた際に、引き戸が勢いよく閉められても、トリガーが戸枠やストライク等に衝突したときに受ける衝撃を軽減する。そのためトリガーやトリガーに連結している部材が壊れにくいという効果がある。
請求項4の発明は、前記衝撃吸収部材にバネを用いたことを特徴とする請求項3に記載の鎌錠である。
請求項4の発明では、前記した衝撃吸収部材にバネを用いることで、衝撃吸収部材が請求項2に記載している付勢部材の機能を兼ねることができる。そのため、衝撃吸収部材と付勢部材を別途の部材で配置する場合と比べて、部品点数が少なくてよいという利点がある。
請求項5の発明は、前記トリガーの突出方向の先端部分に回転部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至4に記載の鎌錠である。
請求項5の発明では、トリガーの突出方向の先端部分に回転部材を設けているので、本発明を開き戸に用いて戸を開閉する際に、トリガーがストライクと円滑に摺動する。
詳しく説明すると、扉を閉じる方向に回動させるとき、扉がストライクと接近すると、扉から突出したトリガーが戸枠やストライクと当接する。このとき、トリガーが扉の回動の進行方向に進むことで、ストライクからトリガーに摩擦力による抵抗がかかる。しかし、トリガーの先端が回転することで、トリガーにかかる抵抗を低減する。そのことにより、トリガーがストライクと接触した状態においてもドアは円滑に回動する。
また、扉を開く時も同様に、ストライクからトリガーにかかる抵抗を低減することにより、扉が円滑に回動する。
請求項6の発明は、前記トリガーと前記鎌片を連動させる機構が、連続する部材間で動力を伝達する機構を備え、連続する部材の内少なくとも一組の部材間で一方の部材の動作に遅れて他方の部材が動作する様に一方の部材と他方の部材が配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の鎌錠である。
請求項6の発明では、前記トリガーと前記鎌片を連動させる機構が、連続する部材間で動力を伝達する機構を備え、連続する部材の内少なくとも一組の部材間で一方の部材の動作に遅れて他方の部材が動作する。したがって、トリガーの退入開始から鎌片の突出開始までの間と、鎌片の退入開始からトリガーの突出開始までの間に時間差を設けることができる。
この時間差を調整することで、戸枠やストライクの形状に合わせて、扉の回動を阻害しないタイミングで鎌片の突出やトリガーの突出を行うことができる。そのため戸枠やストライクの形状の選択肢が広がる。
請求項7の発明は、施錠時において、前記トリガーの動作に遅れて鎌片が連動することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の鎌錠である。
請求項7の発明では、施錠時にトリガーの動作に遅れて鎌片が連動するため、本発明を開き戸に用いる際に、鎌片の突出位置が調整できるので、戸枠などに設けるストライクの設計が容易になる。
具体的に説明すると、本発明を用いた開き戸を閉じる際、トリガーがストライクに接触して、トリガーが戸や錠本体に退入を始める。しかし、その時すぐに鎌片は突出せず、開き戸が戸の閉じ方向に移動してから鎌片を突出する。つまり、鎌片とストライクが係合可能である位置まで開き戸が移動するまで鎌片の突出を止めておくことができる。
したがって、ストライクを設計する際に、トリガーが接触する部位と鎌片が係合する部位の相対的な位置の設定に幅を持たせることができるので、ストライクを容易に作成することができる。
本発明の鎌錠は、上記のように、トリガーが鎌片から独立して錠本体や戸に退入することにより、トリガーが何らかの部材に衝突しても鎌片の動きを妨げない。そのことにより、周辺部材の位置や部材間の距離を設計するときに、距離や位置に幅を持たせることができるので、引き戸に加え、開き戸でも容易に使用できるという優れた効果がある。
本発明を実施した鎌錠の蓋を開けた状態を示す正面図であり、動作の第一段階を示すものである。 本発明を実施した鎌錠の正面図であり、動作の第二段階を示すものである。 本発明を実施した鎌錠の正面図であり、動作の第三段階を示すものである。 図1の鎌錠の左側面図である。 図1の鎌錠の背面図である。 本発明を実施した鎌錠の正面図であり、本施錠状態を示すものである。 図1の鎌錠の分解斜視図である。 図1の鎌錠のトリガー補助部材の斜視図である。 図1の鎌錠のリンク部材の斜視図である。 本発明を開き戸に用いた際に使用するストライクの正面図である。 図10のストライクの右側面図である。 図10のストライクの斜視図である。 本発明を実施した鎌錠と図10のストライクを開き戸に設置した状態を示す斜視図である。 図13のA−A断面図である。 本発明の鎌錠の蓋を閉じた状態を示す正面図である。 従来技術の引き戸錠の機能を説明する説明図である。
各図において、1は、本発明の実施形態の鎌錠を示す。本実施形態の鎌錠1は、戸先鎌錠と称される錠であり、ケース2内から鎌片3とトリガー7が出入りするものであり、ケース2内には鎌片3とトリガー7をリンクする機構部品が内蔵されている。以下詳細に説明する。
鎌錠1の構成部品は、前記したケース2、鎌片3とトリガー7の他、バネ9(衝撃吸収部材兼付勢部材)、リンク部材10、てこ部材11、姿勢補助部材12、スライダー13、蓋34、ロック部53である。また、各部材の姿勢を保持するためのピン17〜26を有している。
ケース2は、公知の錠ケースと同様に鋼板をプレスした後、曲げ加工し、必要に応じて溶接する等により作られたものであり、図1で示されるように正面板51とケース本体52によって構成されている。
ケース2の正面板51は戸先端面に固定されるものであり、ケース本体52の端面よりも大きい。また、図4に示されるように、正面板51には鎌片3が出入りする開口50と、トリガー7の先端部分が出入りする開口49が設けられている。
ケース本体52には、図1、図5に示すようにネジ29〜33を配置するためのネジ穴59〜63と、長孔40〜48が設けられている。ネジ穴はケース本体52の底面から突出状に設けられた、円柱状の部材の端面に設けており、ネジ29〜33で蓋34を固定することができる。
ケース本体52の底面に設けられている長孔40〜48の形状について説明する。
長孔40、43、44、46、47は正面板51に垂直な方向に伸びるように形成されている孔であり、長孔41は背面の正面板51と垂直な方向から見たときに緩やかな逆「S」字を描くように伸びている孔であり、長孔42は円弧状に伸びている孔である。そして、これらの長孔は両端が約180度にわたる円弧状の長孔となっている。
そして、長孔48は略長方形状であり、正面板51と垂直方向に伸びている孔である。
さらに長孔45は、正面板51と垂直方向に伸びている孔である。さらに、長孔45は正面板51と平行方向の長さが異なる2つの部分があり、正面板51側の長さが他方に比べて長く、2つの部分は段差になって繋がっている。
本発明の鎌錠1は、図15で示されるように、ケース2に蓋34を装着した状態で使用する。この蓋34には、前述したケース本体52の底面に設けられている長孔40〜48と同じ形状の長孔と、ネジを挿通するための孔が設けられている。そして、この蓋34をケース本体52に装着すると、鎌錠1はそれぞれの同形の長孔が対向するように位置し、ネジを挿通するための孔がネジ穴の位置に重なるように配置される。
鎌片3は、図1で示されるように、概ね逆「L」字状であり、本体部分3aと係止部分3bがある。本体部分3aの長手方向の一端から係止部分3bが突出状に設けられている。
また、本体部分3aの中央部分から、係止部分3bが無い方の端部よりの位置に、貫通孔3cと貫通孔3dの2つの貫通孔が設けられている。貫通孔3cは開口が円形であり、開口の外径はピン24の断面の外径と略同等である。貫通孔3dは開口がやや逆「く」の字状に伸びており、ピン23を挿通後に摺動可能な幅を持つ。そして、それぞれの貫通孔の中心線は本体部分3aの長手方向に対して垂直である。
さらに、図7に示されるように、この鎌片3は薄い板状の部材を2枚重ね合わせた様な形状である。具体的に説明すると、係止部分3bは2枚が密着しており、本体部分3aは2枚が離れている様な形状をしている。つまり、鎌片3を構成する2つの板状の部材には係止部分3bと本体部分3aの間に傾斜があり、設置したとき蓋側(図1の手前側)に配置されている板状の部材は蓋側から底辺側(図1の奥側)に傾斜しており、底辺側に配置されている板状の部材は底辺側から蓋側に傾斜している。
さらに、2枚の板状の部材と垂直に接触する板状の部材が2つの本体部分3aを繋ぐように配置されている。
トリガー7は、図1、図7で示されるように、ローラー受け4、ローラー5、トリガー軸6、トリガー補助部材8から構成されている。
ローラー受け4は、板状の部材を「コ」の字状に折り曲げた様な形状である。言い換えると、3つの板状の部材を組み合わせた様な形状であり、トリガー7の突出方向と垂直に設けられた縦板部分4cと、縦板部分4cからトリガー7の突出方向に突出している上板部分4aと下板部分4bがあり、上板部分4aと下板部分4bは互いに平行となるように縦板部分4cの端部に配置されている。
ここで、上板部分4aには貫通孔4dが、下板部分4bには貫通孔4eがそれぞれ設けられている。これらの貫通孔は、トリガー7の突出方向に対して垂直に伸びる孔であり、外径が等しい。そして、これらの貫通孔は図1における上方向から見て重なる様に配置されている。したがって、ローラー5を上板部分4aと下板部分4bの間に挟むようにして配置したときに、軸部材を連通して、ローラー5を回転可能な状態で配置することができる。さらに、縦板部分4cには貫通孔4fが設けられており、貫通孔4fはトリガー軸6にローラー受け4を接合する際にトリガー軸6の突出部6aを挿通することができるものである。
ローラー5は、円柱状の部材に中空孔が設けられた形状であり、中空孔は円柱の軸方向に底面と上面の中心部分を貫通する孔である。
トリガー軸6は断面が円形の棒状の部材であり、一端部にローラー受け4と接合するための平面を持ち、該平面が無い方の端部は他端に比べて細くなっている。詳細に説明すると、トリガー軸6は断面の外径が異なる2つの棒を組み合わせた様な形状であり、2つの棒が連結している部分は段差になっている。また、ローラー受け4と接合するための平面には、軸方向に突出している突出部6aが設けられており、前述したように突出部6aはローラー受け4の孔に挿通可能である。
トリガー補助部材8は、図1や図7、図8で示すように、中空孔や切り欠きを有する柱状の部材である。詳しく説明すると、この部材は図1における左方上側に切り欠き8aを備えている。切り欠き8aは正面から見て半小判状であり正面から背面に伸びるように設けられている。そして、切り欠き部分の正面と背面を繋ぐ面は円弧状に窪んでいる。
さらに、トリガー補助部材8は図1、図8における左方下側に直方体状の突起8cを有しており、この突起8cは正面と背面にそれぞれ対向するように設けられている。ここで突起8cの図1、図8における上下方向の長さは、長孔48の図5における上下方向の長さと略同じである。そのため、背面に設けた突起8cは長孔48に嵌入できる。また、正面に設けた突起8cも同様に、前述の蓋34の長孔48と同形状の長孔に嵌入可能である。
また、トリガー補助部材8の図1、図8における右方上方には貫通孔8bが設けられている。この貫通孔8bの中心線はトリガー補助部材8の正面の長手方向に対して垂直であり、貫通孔8bは正面から背面を貫通する孔である。また、貫通孔8bは開口部分の形状が円形であり、開口部分の外径はピン17の断面の外径に等しい。
そして、トリガー補助部材8には長手方向両端の対向する面を貫通するように孔や溝が設けられており、トリガー軸6を挿通することができる。
詳しく説明すると、正面板51と平行な面の中で最も正面板51よりの面に孔8dが設けられており、最も正面板51から離れた面に孔8gが設けられている。さらに、切り欠き8aの貫通孔8bよりの端部にある壁8hに溝8eが設けられており、貫通孔8b近傍にある壁8iに溝8fが設けられている。ここで、孔8dの開口はトリガー軸6の太い方の外径と略等しく、孔8gの開口はトリガー6の細い方の外径と略等しい。また、溝8eと溝8fは上面から下面に向かって「U」字状に削られた形状であり、溝8eの下側の円弧状の部分は、径がトリガー軸6の太い方の外径と等しく、溝8fの下側の円弧状の部分は、径がトリガー軸6の細い方の外径と等しい。加えて、溝8eと溝8fの幅はそれぞれの円弧状の部分の直径に等しい。即ち、孔8dと溝8eはトリガー軸6のいずれの部分でも挿通可能であるが、孔8gと溝8fはトリガー軸6の断面の外径が細い部分のみ挿通可能である。
バネ9は、つる巻きバネであり、巻径はトリガー軸6の太い部分の断面の外径に等しい。即ち、バネ9はトリガー軸6に巻きつけるように配置することができる。
リンク部材10は、図1や図7、図9で示すように、略直方体状の本体部分と、本体部分の図1における左方上側、右方上側、右方下側にそれぞれ突出した部分を有する部材である。さらに、本体部分の中心近傍には正面と背面を貫通する貫通孔10bが設けられており、この貫通孔10bの中心線はトリガー7の突出方向と垂直である。
詳しく説明すると、左方上側の突出部分は、本体部分からトリガー7の突出方向に突出しており、ネジ29近傍に設けられ、突出方向と垂直に伸びる円柱の様な形状であり、突出部分は本体部分に接触する部分が平面状である。つまり、この突出部分は円柱の側面を一部切り取った様な形状をしている。さらに、この突出部分には、円柱の中心部分をくり抜くように貫通孔10aが設けられている。貫通孔10aの中心線は貫通孔10bの中心線と平行方向であり、貫通孔10aは正面と背面を貫通する。
さらに、本体部分の貫通孔10aが無い方の端部側の短手方向両端には、貫通孔10aの中心線と平行方向に伸びる板状の突起10cがそれぞれ設けられている。突起10cの中心部分の一部は本体部分と一体化しており、また突起10cは長手方向の両端部が本体部分の正面と背面から突出している。
本体部分の貫通孔10aの対角位置に係合部10dが設けられている。係合部10dは本体部分から突起10cと垂直に突出している板状の部材であり、板の長手方向両端は丸みを帯びている。また、この係合部10dは本体部分の正面側と背面側にそれぞれ一つずつ設けられており、この2つの係合部10dの間は円弧状の面で繋がっている。ここで、この係合部10dはトリガー補助部材8の切り欠き8aに収まる大きさであり、リンク部材10とトリガー補助部材8の厚さ(図1の手前側から奥側方向の長さ)は略同じである。つまり、切り欠き8aに嵌め込んでトリガー補助部材8の長手方向に摺動可能である。
そしてまた、図9で示されるように、係合部10dの一端には、壁10fが設けられている。壁10fは、本体部分から「U」字形に突出しており、係合部10dに挟まれるように配置されている。この壁10fの中心部分のやや突出方向側に貫通孔10eが設けられている。この貫通孔10eの中心線は貫通孔10bの中心線と垂直方向である。
てこ部材11は、図1、図7に示されるように、外形が略同一である2つの板状部材を、間隔を空けて重ねるように配置して、別途の板状部材を2つの板状部材の間を繋ぐように設けている。そして、この別途の板状部材は2つの板状部材とそれぞれ垂直に接触している。
重ねるように配置された2つの板状の部材は、それぞれの両端部が円弧状であり、両端部にそれぞれ連通孔11a、連通孔11cを備えている。これらの連通孔は、一つの連通孔が2つの貫通孔から構成され、貫通孔は2つの板状部材に一つずつ設けられており、それぞれ中心線がトリガー7の突出方向と垂直である。そして、連通孔を構成する2つの貫通孔はそれぞれ対向するように位置しており、図1の正面から見て重なっている。
さらに、てこ部材11は中央部からやや一方の端部より位置に連通孔11bを備えている。この連通孔11bもまた、上記の連通孔と同様に2つの貫通孔により構成されている。2つの貫通孔の位置関係は連通孔11a、連通孔11cと同様である。
2つの板状部材の内の一つは、板状部材の長手方向に垂直に突出した板状の突出部分を有しており、突出部分にはピン22を挿通可能な貫通孔11dが設けられている。
姿勢補助部材12は、図1に示される様に両端部が円弧状である板状の部材である。また、両端部には板を正面から背面へ貫通する孔が設けられている。
スライダー13は、図1、図7で示されるように「T」字状の部材であって、横棒部分13aと縦棒部分13bがあり、横棒部分13aから縦棒部分13bが突出している。横棒部分13aの正面板51に近い端部には貫通孔13dが設けられており、他端には13eが設けられている。これらの貫通孔は正面と背面を貫通する孔であり、両孔の中心線は図1におけるトリガー7の突出方向と垂直である。また、これらの孔は開口が円形である。そして、貫通孔13dの開口の外径はピン21の外径に等しく、貫通孔13eの開口の外径はピン20の外径に等しい。
さらに、横棒部分13aの図7における上側の位置にある上面13fには、溝13gが設けられている。この溝13gは貫通孔13e側の端部から横棒部分13aの長手方向と平行に伸びており、溝13gを設けている面の中央部分からやや貫通孔13d側の端部に近い位置まで達している。さらに、この溝13gは延びるにつれて深さ寸法(縦棒部分13bの長手方向の長さ)が短くなる。つまり、この溝13gは延びる方向と平行な面で切った断面が略直角三角形の形状をしている。
そして、この溝13gの幅寸法(貫通孔13d、13eの中心線と平行方向の長さ)は姿勢補助部材12の厚さ(正面から背面までの長さ)と略同等であり、溝13gに姿勢補助部材12を挟むように配置することができる。
また、縦棒部分13bの横棒部分13aが無い方の端部近傍に直方体状の突起13cが設けられている。この突起13cは、正面と背面にそれぞれ一つずつ設けられており、縦棒部分13bの長手方向に伸びている。
ロック部53は、図1、図7に示されるようにロックカム14、ロック用連動部材15、ロック用係止部材16から構成されている。
ロックカム14は、正面視が略楕円状の部材であり、中央部分に周知のシリンダー(図示せず)の係合部が係合する溝がある。また、一端に節度部材14bが設けられており、他端に正面と背面を貫通する貫通孔14aがある。図1に示すように、貫通孔14aの中心線はロックカム14の長手方向と垂直であり、開口は円形である
ロック用連動部材15は、略柱状の本体部材と、本体部材の両端から突出した厚い板状の部材と、それぞれの板状部材に設けられている突出部から構成される。
詳細に説明すると、本体部材の正面板51に近い端部には、本体部材の長手方向と平行に突出した板状部材があり、板状部材には突出部15aが設けられている。突出部15aは本体部材の背面から正面に向かう方向に突出しており、外形は円柱状である。この突出部の断面の外径はロックカム14の貫通孔14aの開口の外径と略同一である。
また他端には、正面と背面を貫通する貫通孔15bがある。貫通孔15bは開口が円形であり、開口の外径はピン26の外径と略同じである。さらに、貫通孔15bがある側の本体部材の端部には、図1における下側に突出した板状部材があり、この板状部材には突出部15cが設けられている。
突出部15cも突出部15aと同じ方向に突出しており、外形が円柱状である。そして、この突出部の断面の外径はロック用係止部材16の端部に設けられた貫通孔16bの開口の外径と略同一である。
ロック用係止部材16は、正面視が柱状であり長手方向の両端が円弧状になっている部材である。ロック用係止部材16の長手方向の鎌片3に近い位置の端部には貫通孔16aが設けられており、他端部には貫通孔16bが設けられている。これらの貫通孔はいずれも正面と背面を貫通する孔であり、中心線が図1におけるトリガー7の突出方向と垂直であり、開口が円形である。そして、貫通孔16aの開口の外径はピン25と略同一であり、貫通孔16bの開口の外径は、前述した突出部15cの断面の外径と略同一である。
ピン17〜26は、各部材の姿勢保持や、動作の制御に使用される部材であり、それぞれ形状が異なっている。
ピン17は、円柱状の本体部分と突出部から構成されている。本体部分の側面には長手方向における中心部分に、対向する側面を貫通する孔が設けられており、この孔の外径は前述のトリガー軸6の細い部分の断面の外径と略同等である。突出部は円柱状であり、本体部分の上面と底面の中心部分に設けられている。突出部の断面の外径は、本体部分の断面の外径より小さい。
ピン22は、3つの円柱状の部材を、軸を揃えて重ね合わせた形状をしており、3つの部材はそれぞれ断面の外径と側面の長手方向の長さが異なっている。
ピン18とピン23は円柱状の部材である。
ピン19〜21とピン24〜26には、円柱状の本体部分と突出部があり、突出部は本体部分の上面と底面の中心部分に設けられている。そして、突出部の断面の外径は本体部分の断面の外径より小さい。
さらに、ここで本発明の鎌錠1を開き戸に使用した時に用いる、ストライクの一例について説明する。図10乃至図12に示しているように、開き戸に使用するストライク54は、柱状の部材に開口54aと2つの斜面54bを設けた形状をしている。
開口54aは正面から見ると長方形状であり、側面から見ると図11における右端部分の上下に略台形状に突出した部分を持つ長方形状である。そして、開口54aの奥の部分、即ちストライク54の内部側の部分には、開口54a近傍からストライク54の両側の長手方向に伸びる中空孔54cを有している。
斜面54bは正面から露出している側面へ向かって傾いている面であり、ストライク54の端部の一部を直角三角形状に切り欠くようにして設けられている。この斜面54bはストライク54の図10における上下に一つずつ設けられている。
次に本発明の鎌錠1の組み立て構成について説明する。前記した各部材は、いずれもケース2をベースとし、ケース本体52に内蔵されている。すなわち鎌片3は、ケース本体52の内部であって、正面板51の開口50近傍にあり、貫通孔に挿通したピン24によって揺動自在に取り付けられている。
トリガー7は、正面板51の開口49から、ローラー5を設けている側の端部が突出するように配置されている。また、トリガー7はトリガー軸6がトリガー補助部材8の側面を正面板51の垂直方向に貫通するように配置されており、バネ9、リンク部材10と摺接しており、ピン17と係合している。
詳細に説明すると、トリガー補助部材8の貫通孔8bにはピン17が挿通されており、トリガー補助部材8の孔8dの中心線、バネ9の巻径の中心線、リンク部材10の貫通孔10eの中心線、ピン17の側面に設けた孔の中心線がすべて正面板51と垂直となるように配置されている。
そして、トリガー軸6はトリガー補助部材8の孔8d、バネ9、リンク部材10の貫通孔10e、トリガー補助部材8の溝8e、トリガー補助部材8の溝8f、ピン17の孔、トリガー補助部材8の孔8gを連通するように配置されており、トリガー補助部材8と一体に固定されている。なお、トリガー軸6の太い方の先端にはローラー受け4が接合されており、ローラー受け4の上板部分4aと下板部分4bの間にはローラー5が回転可能に配置されている。
さらに、トリガー補助部材8の突起8cと長孔48が係合し、ピン17の突出部と長孔47が係合している状態でトリガー7はケース2に配置されている。即ち、トリガー7は正面板51に対して垂直方向に摺動可能な状態で配置されている。
バネ9はトリガー補助部材8の切り欠き8aにあり、トリガー補助部材8とリンク部材10の間に挟まれるように配置されている。そして、バネ9はトリガー補助部材8の孔8dが設けてある面とリンク部材10の壁10fに当接しており、トリガー補助部材8をトリガー7の突出方向に付勢し、リンク部材10をトリガー7の退入方向に付勢している。
リンク部材10は正面板51の近傍にあり、トリガー補助部材8とバネ9に接触している。そして、壁10fがバネ9よりも開口49から遠い位置に配置されており、係合部10dと壁10fはトリガー補助部材8の切り欠き8aに嵌合している。
さらに、貫通孔10aにはピン19が挿通されており、ピン19の突出部は長孔46と係合している。そして、突起10cが長孔45の短手方向と沿うように係合している。
つまり、リンク部材10はトリガー補助部材8とバネ9に接触し、トリガー補助部材8やバネ9と連動可能であり、正面板51に対して垂直方向に摺動可能な状態で配置されている。
てこ部材11は、リンク部材10と鎌片3の間に配置され、リンク部材10と鎌片3を繋いでいる。詳しく説明すると、てこ部材11の両端部はそれぞれリンク部材10と鎌片3を挟むように配置しており、連通孔11cとリンク部材10の貫通孔10bの位置を合わせてピン19を挿通しており、連通孔11aと鎌片3の貫通孔3dの位置を合わせてピン23を挿通している。また、てこ部材11は連通孔11bに、ネジ穴61を設けている円柱状の部材を挿通している。結果、リンク部材10と鎌片3は、それぞれてこ部材11の端部を伴って移動可能であり、てこ部材11は連通孔11bに挿通している円柱状の部材を支点として回転可能である。つまり、リンク部材10と鎌片3は、てこ部材11を介して連動可能に繋がっている。
さらに、てこ部材11の貫通孔11dと、姿勢補助部材12の一端の孔の位置を揃えて、ピン22を挿通している。
姿勢補助部材12は、てこ部材11とスライダー13の間に設けられている。前述したように、一端がてこ部材11とピン22で繋がっており、ピン22を支点に揺動可能である。そして、他端はスライダー13の横棒部分13aの溝に挟まれるように配置されており、貫通孔13eと姿勢補助部材12の端部の孔の位置を揃えてピン20を挿通している。したがって、姿勢補助部材12はピン20を支点に揺動可能である。つまり、姿勢補助部材12は、両端の孔に挿通したピン20とピン22をどちらも揺動支点とすることが可能な状態で配置されている。
スライダー13は、ケース本体2の後端側(正面板51に対して反対側)に設けられている。そして、横棒部分13aの一端は前述のように姿勢補助部材12とピン20で繋がっている。また、貫通孔13dにはピン21が挿通されている。さらに、ピン21の突出部が長孔44に、ピン20の突出部が長孔43に、縦棒部分13bの突起13cが長孔45にそれぞれ係合している。そのため、スライダー13は正面板51に対して垂直方向に摺動可能な状態でケース2に配置されている。
ロック部53は、前記したリンク部材10の対角位置に設けられており、ロックカム14の回転に伴って、ロック用連動部材15とロック用係止部材16がそれぞれ正面板51と垂直方向に摺動するように配置されている。
具体的に説明すると、ロックカム14はケース2に回転可能に配置されている。さらに、ロック用連動部材15の突出部15aはロックカム14の貫通孔14aに挿通されており、突出部15cはロック用係止部材16の貫通孔16cに挿通されている。つまり、ロック用連動部材15は突出部15a、15cを軸にロックカム14やロック用係止部材16と互いに揺動可能に繋がっている。加えて、ロック用連動部材15の貫通孔15bはピン26が挿通されており、ロック用係止部材16の貫通孔16aはピン25を挿通されている。そして、ピン25の突出部は長孔41と係合し、ピン26の突出部が長孔40に係合している。
次に本発明の鎌錠1の機能について説明する。以下、鎌錠1を開き戸(ウイング戸)に用いた場合と、引き戸に用いた場合についてそれぞれ戸の開閉手順を追って説明し、さらに、本発明の鎌錠1を鍵でロックする場合について説明する。
まず、開き戸を閉じる時の鎌錠1の動作を説明する。図13に示されるように、鎌錠1を扉55に取り付け、ストライクを壁56に取り付けて使用する。そして、このように、開き戸に用いる場合には周知のプッシュプルハンドル57を取り付けるものとする。なお、図14に示されるように、プッシュプルハンドル57はそれぞれリンク部材10、スライダー13に係合しており、レバーを操作するとリンク部材10又はスライダー13をもう一方の部材から離れる方向に移動させるものとする。鎌錠1を取り付けた開き戸が開いている状態の様子は、図1の通りであり、ケース2からトリガー7が突出し、鎌片3はケース本体52の中に沈んでいる。
この時、ケース本体52の内部では、トリガー7はバネ9に突出方向に付勢されており、トリガー補助部材8、リンク部材10は移動範囲内において、最も正面板51よりの位置にある。そして、リンク部材10はトリガー補助部材8の切り欠き8aの最も正面板51から遠い位置と接触している。また、スライダー13は移動範囲内で最も正面板51から遠い位置にある。
この状態から、開き戸を閉じると、突出しているトリガー7の先端部分がストライク54の斜面54bに当接する。さらに開き戸を閉じ方向へ移動させると、開き戸の移動力によって、トリガー7に斜面54bからトリガー7の退入方向と斜面に沿う方向に力が加わる。ここで、トリガー7の先端のローラー5が回転することで斜面に沿う方向に加わる力がトリガー7の移動を阻害しない。つまり、トリガー7は斜面54bに引っ掛かることなく退入方向に移動していく。
そして、図2で示すようにトリガー補助部材8の孔8dが設けられている壁がリンク部材10に当接するまで、トリガー7はケース2に退入する方向に移動する。即ち、図1で示す状態から図2で示す状態までトリガー7が単独でケース2に退入する方向へ移動する。
このトリガー7が単独で移動可能である範囲が所謂「遊び」になっている。この範囲において、トリガー7の動きが鎌片3に連動しないので、扉が適切な位置に移動するまで鎌片3の突出を遅らせることができる。つまり、この「遊び」を調節することで、ストライク54の取り付け位置や傾斜54bの角度等の設計に幅を持たせることができ、鎌錠1を開き戸に使用することを容易にする。
また、常にバネ9がトリガー7を突出方向に付勢しているため、トリガー7は、単独で移動可能な範囲において、摺動可能な範囲内で最も突出した位置、もしくは傾斜54bと当接する位置まで突出する。
そのため、開き戸を閉じる際のトリガー7が傾斜54bと当接する前や、開き戸を開く際のトリガー7がストライク54と離れた後などに、何らかの障害物に接触した際、それによりトリガー7が鎌錠1に退入するという誤動作を防ぐ効果がある。さらに、開き戸を開く際、トリガー7は必ず最も突出した状態で斜面54bに接触するので、バネ9はトリガー7が斜面54bに当接した時に生じる衝撃を和らげる。
またさらに、トリガー7のローラー5が斜面54b上を回転しながら移動する際に、ローラー5が斜面54bから離れないので、トリガー7の退入をスムーズに行うことができる。
また、図2の状態からさらに扉を閉じる方向に移動すると、トリガー補助部材8がリンク部材10を押圧し、トリガー7と共にリンク部材10がトリガー7の退入方向に移動する。そして、トリガー7が移動範囲内で最も正面板51から離れる方向に移動してトリガー7の退入が止まると、バネ9がリンク部材10を退入方向に付勢する。それにより、図3で示されるように、リンク部材10は長孔45の中央近傍まで移動する。
この時、てこ部材11はリンク部材10とピン18で繋がっているため、リンク部材10の移動に伴って、てこ部材11の連通孔11c側の端部がトリガー7の退入方向に移動する。すると、てこ部材11がネジ穴31を設けている円柱を軸に反時計回りに回転する。このことにより、てこ部材11の連通孔11a側の端部が、ピン23を介して鎌片3をトリガー7の突出方向に付勢し、鎌片3はピン24を軸に時計回りに回転を始める。
なお、ピン23が係合している貫通孔3dは「く」の字状に伸びており、ピン24が係合している長孔42は円弧状に伸びている。したがって、てこ部材11の端部は貫通孔3dに沿って動くことが可能であり、鎌片3は回動しながら、ロックカム14を設置している方向に動くことが可能である。このことにより、鎌片3とてこ部材11は互いの動きを阻害しない。
さらにこの時、てこ部材11の移動と共に姿勢補助部材12が正面板51側に引っ張られる。これにより、姿勢補助部材12とピン20により繋がっているスライダー13も同じ方向に引っ張られる。その結果、スライダー13は正面板51側に平行に移動する。そして、図3で示されるように、スライダー13は長孔45の中央近傍まで移動する。
そして、リンク部材10が移動範囲内で最も正面板51から離れた位置まで移動すると、リンク部材10は移動を止める。それにより、鎌片3の回動も止まる。その結果、図3に示される様に、鎌片3がケース2から突出する。
図3で示される状態において、姿勢補助部材12とスライダー13がてこ部材11の姿勢を支えており、てこ部材11が鎌片3を突出する方向に付勢する。したがって、外力が加わらない限り鎌片3の姿勢は保持される。
この時、鎌片3がストライク54の開口54a、係合孔54cと係合することによって、鎌錠1は施錠状態となり、扉が閉じる。
次に、開き戸を開く時の鎌錠1の動作を説明する。開き戸が閉じている状態の鎌錠1は、前述した様に、図3で示される通りである。
図3の状態からプッシュプルハンドル57を操作して、リンク部材10又はスライダー13をもう一方の部材から離れる方向へ移動させる。ここで、リンク部材10とスライダー13のどちらを移動させても、二つの部材はてこ部材11、姿勢補助部材12で繋がっているため、互いに離れる方向へ移動する。
たとえば、リンク部材10をスライダー13から離れる方向へ移動させた場合、リンク部材10の移動に伴って、ピン18と共に、てこ部材11の端部が正面板51に近づく方向に移動する。すると、てこ部材11がネジ孔61が設けてある円柱を支点に時計回りに回転する。そのとき、姿勢補助部材12はてこ部材11とピン22で繋がっているので、姿勢補助部材12はてこ部材11の回転により正面板51から離れる方向へ押される。そして、姿勢補助部材12とスライダー13はピン20で繋がっているので、スライダー13も正面板51から離れる方向へ押される。結果、スライダー13が正面板51から離れる方向へ移動するので、リンク部材10とスライダー13は互いに離れる方向へ移動する。
また逆に、スライダー13をリンク部材10から離れる方向へ移動させた場合、スライダー13の移動に伴って、姿勢補助部材12が正面板51から離れる方向に移動する。この時、姿勢補助部材12はてこ部材11とピン22で繋がっているので、てこ部材11のピン22を設けてある部分が正面板51から離れる方向に引っ張られる。すると、てこ部材11がネジ孔61が設けてある円柱を支点に時計回りに回転する。そのことにより、てこ部材11の連通孔11c側の端部が、ピン18と共に正面板51に近づく方向に移動する。それに伴い、ピン18に押されたリンク部材10が正面板51に近づく方向に移動する。つまり、リンク部材10は、スライダー13と逆の方向へ移動するので、互いに離れる方向へ移動する。
したがって、プッシュプルハンドル57の操作によりリンク部材10とスライダー13のどちらを移動させても、リンク部材10は正面板51に近づく方向に移動し、スライダー13は正面板51から離れた方向に移動する。
リンク部材10とスライダー13が前述の様に移動し、てこ部材11が時計回りに回転することで、てこ部材11がピン23を介して鎌片3に正面板51から離れる方向に力を加える。そして、鎌片3はてこ部材11から受けた力と鎌片3自身の重力により、ピン24を軸に反時計回りに回動し、ネジ33に対応するネジ孔を持つ円柱状の部材に当接して鎌片3の回動が止まる。その結果、鎌片3がケース2の内部に退入することで扉の施錠状態が解除される。
このとき、リンク部材10が正面板51に近づく方向への移動に伴って、バネ9が圧縮される。すなわち、リンク部材10はバネ9を圧縮させながら正面板51に近づく方向へ移動する。そして、リンク部材10がトリガー7のトリガー補助部材8に当接する。
さらにリンク部材10を移動させると、リンク部材10とトリガー7が一体となってトリガー7の突出方向に移動し、リンク部材10が移動範囲内で最も正面板51よりの位置に至ると、バネ9がトリガー補助部材8を押圧する。そのことにより、ケース2からトリガー7が突出する。
つまり、扉の施錠状態が解除されると同時に扉を開き方向に移動させて扉を開く。このとき、トリガー7は施錠状態の解除と共に突出するが、トリガー7には単独で移動可能である範囲が設けられているので、トリガー7の突出が鎌片3の退入を阻害しない。
次に、本発明の鎌錠1を引き戸に用いる場合について説明する。本発明の鎌錠1は従来の鎌錠と同様に引き戸に設置して使用することができる。その時、鎌錠1は通常は引き戸側に取り付けられ、戸枠側に従来と同様のストライクを取り付けて使用するものである。
まず、引き戸を閉じる時の鎌錠1の動作について説明する。引き戸が開いている状態の鎌錠1の様子は、図1の通りであり、ケース2からトリガー7が突出しており、鎌片3はケース2の中に沈んでいる。
また、この時のケース本体52の内部では、トリガー7はバネ9に突出方向に付勢されており、トリガー補助部材8、リンク部材10は移動範囲内において、最も正面板51よりの位置にある。そして、リンク部材10はトリガー補助部材8の切り欠き8aの最も正面板51から遠い位置と接触している。
この状態から、引き戸を閉じると、戸枠にトリガー7が当接し、引き戸の移動力によって図2に示すように、トリガー7がバネ9を圧縮させつつケース2の内部に退入し、最終的に図3で示した位置まで移動する。そして、鎌片3が突出してストライクと係合することにより扉が閉まる。トリガー7に連動する各部材の動きは第一の実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略する。
また、前述のように、トリガー7は単独で移動可能である範囲が設けてあり、バネ9で突出方向に付勢されていることから、勢い良く引き戸を閉じてトリガー7が強く戸枠に衝突しても、バネ9が圧縮してトリガー7が受ける衝撃を和らげ、トリガー7の破損を防ぐ。したがって鎌錠1を引き戸に用いると従来のものより丈夫な引き戸錠を提供することができる。
次に、引き戸を開く時の鎌錠1の動作を説明する。なお、引き戸が閉じている時の鎌錠1は図3に示す通りである。即ち、ケース2にトリガー7が退入しており、鎌片3はケース2から突出している。
この状態から引き戸を引くと、鎌片3がストライクから反時計方向の力を受け、鎌片3が反時計方向に回動を開始する。
鎌片3の回動に伴って、ピン23が鎌片3の貫通孔3dを移動しながら正面板51から離れる方向に移動する。ここで、てこ部材11の連通孔11a側の端部がピン23の移動に伴って正面板51から離れる方向へ移動し、ネジ31のネジ穴を設けている円柱を軸に、てこ部材11が時計回りに回転する。それに伴って、てこ部材11がピン18を介してリンク部材10を押し、てこ部材11の端部11c側の端部とリンク部材10が共に正面板51に近づく方向へ移動する。また、てこ部材11が回転することにより、姿勢補助部材12は正面板51から離れる方向へ押される。このとき、スライダー13は、姿勢補助部材12に押されて図1で示されるケース本体2の後端側に移動する。
このとき、リンク部材10が正面板51に近づく方向へ移動することで、バネ9が圧縮される。言い換えると、リンク部材10はバネ9を圧縮させながら正面板51に近づく方向へ移動する。そして、リンク部材10がトリガー7のトリガー補助部材8に当接する。
さらにリンク部材10を移動させると、リンク部材10とトリガー7が一体となってトリガー7の突出方向に移動する。リンク部材10が移動範囲内で最も正面板51よりの位置に至るとリンク部材10の移動が止まり、バネ9がトリガー補助部材8を押圧する。そのことにより、ケース2からトリガー7が突出する。
次に、本発明の鎌錠1を鍵でロックする場合について説明する。本発明の鎌錠1を実施する際に鍵でロックしない場合は、図1乃至図3に示したようにロック用係止部材16を鎌片3に干渉させない状態で使用する。
一方、鍵でロックする場合は、図6に示されるように、鎌錠1の鎌片3がケース2から突出した状態において、ロック用係止部材16を鎌片3に当接させて鎌片3の回動を阻止する。なお、鍵でロックした場合は再び鍵でロックを解除するまで施錠が解除されることはない。
具体的に説明すると、鎌錠1が施錠状態の時に、ロックカム14を貫通孔14a側の端部が鎌片3に近づくように回動させる。このとき回動させる範囲は端部に設けられている節度部材14bで限定する。するとロックカム14と繋がっているロック用連動部材15が正面板51に近づく方向に移動する。その時、ロック用係止部材16はロック用連動部材15と繋がっているため、ロック用係止部材16もロック用連動部材15と同じ方向に移動する。ここでロック用係止部材16の一端部はピン25が長孔41と係合しているため、鎌片3に近づく方向に移動し、図6で示すように、鎌片3の回動軌道上で止まる。この状態の鎌錠1は、ロック用係止部材16が鎌片3の回動を阻止するので施錠状態が解除されない。
本施錠状態を解除するには、ロックカム14を貫通孔14a側の端部が鎌片3から遠ざかるように回動させる。すなわち、本施錠状態に切り替える手順と逆の手順を行うことで、ロック用係止部材16の端部を鎌片3の回動軌道上から取り除き、鎌片3を回動可能にする。
したがって、本発明の鎌錠1を鍵でロックした状態にすると、再び鍵でロックを解除しない限り鎌片3が回動しないため、鎌錠1の施錠状態は解除されない。
以上説明した実施形態において、鎌錠1を開き戸に用いた際に、正面から見て右側の扉55に取り付け、ストライク54を左側の壁56に取り付けて使用した。しかしながら、本発明の鎌錠1を使用する開き戸はこれに限定されるものではない。たとえば、左側に扉を設けて、右側に壁を設けた開き戸に使用してもよいし、二枚の開き戸より構成される観音開きのような扉に用いてもよい。
さらに、図3において、鎌片3を突出時に係止部分3bが上向きになるように配置したが、突出時に係止部分3bが下向きになるように配置してもよい。すなわち、鎌錠1を上下逆に配置してもよい。
1 鎌錠
2 ケース
3 鎌片
4 ローラー受け
5 ローラー(回転部材)
6 トリガー軸
7 トリガー
8 トリガー補助部材
9 バネ(衝撃吸収部材、付勢部材)
10 リンク部材
11 てこ部材
12 姿勢補助部材
13 スライダー
14 ロックカム
15 ロック用連動部材
16 ロック用係止部材
34 蓋
51 正面板
52 ケース本体
53 ロック部
54 ストライク

Claims (7)

  1. 戸や錠本体に出退可能な鎌片とトリガーを有し、トリガーの退入に連動して前記鎌片の鎌先が別途設けられた受け穴の奥に移動して施錠する鎌錠において、前記トリガーが単独で出退可能であることを特徴とする鎌錠。
  2. 前記トリガーを戸や錠本体から突出する方向に付勢する付勢部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の鎌錠。
  3. 前記トリガーに衝撃吸収部材を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の鎌錠。
  4. 前記衝撃吸収部材にバネを用いたことを特徴とする請求項3に記載の鎌錠。
  5. 前記トリガーの突出方向の先端部分に回転部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の鎌錠。
  6. 前記トリガーと前記鎌片を連動させる機構が、連続する部材間で動力を伝達する機構を備え、連続する部材の内少なくとも一組の部材間で一方の部材の動作に遅れて他方の部材が動作するように一方の部材と他方の部材が配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の鎌錠。
  7. 施錠時において、前記トリガーの動作に遅れて鎌片が連動することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の鎌錠。
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