JP2010248438A - プロピレン系成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】反り変形性および臭気に優れたプロピレン系透明薄肉成形品の提供。
【解決手段】メルトフローレートが3以上100以下であるプロピレン系(共)重合体100重量部に対し、下記化学構造式(1)で示される透明化核剤(A)を0.01〜2.0重量部配合することを特徴とするプロピレン系樹脂組成物を射出成形してなる、肉厚1mm以下の透明薄肉成形品。
【化1】

[但し、nは、0〜2の整数であり、R〜Rは、同一または異なって、それぞれ水素原子もしくは炭素数が1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボニル基、ハロゲン基およびフェニル基であり、Rは、炭素数が1〜20のアルキル基である。]
【選択図】なし

Description

本発明は、プロピレン系樹脂組成物を用いた薄肉透明成形品、特に低臭気性および低反り変形性に優れた透明薄肉成形品に関する。
プロピレン系(共)重合体は、成形加工性、剛性に優れ、またリサイクル性や耐熱性にも優れていることから、各種の方法で成形加工され、幅広い用途に用いられている。これらの特長を活かすべく、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートに代表される他の透明樹脂からポリプロピレン材料への置き換えも活発であるが、その場合にはポリプロピレン材料への透明性付与が非常に大きな課題となっている。
さらに、近年では環境負荷の低減が強く要請される中で、成形品の薄肉化による軽量化が追求される傾向が非常に強くなっているが、薄肉成形品では厚肉成形品に比べて反り変形が生じやすいため、それを防止することが非常に重要である。また、薄肉成形品の中でも特に重要な用途として食品・飲料・医薬品・化粧品等の容器が挙げられる。この用途では、前述の特性に加えてより優れた臭気の少なさが強く求められる。
プロピレン系(共)重合体は結晶性樹脂であるため、成形後に、結晶成長に伴う成形品の収縮が生じることは原理的に避けがたい問題である。この収縮が大きい場合には、成形品の変形が生じやすくなる。特に、方向によって収縮の度合いが異なる場合、いわゆる収縮率に異方性がある場合には、成形品にいびつな収縮応力が作用する結果、成形品の反り変形が生じる。この課題の解消のためには、繊維状のフィラー成分を添加する技術などが用いられている(例えば、特許文献1参照。)が、フィラー成分の添加により、透明性が大きく損なわれてしまうという問題があった。
プロピレン系(共)重合体には、単独重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体があるが、剛性や耐熱性、ガスバリヤー性の点ではプロピレン単独重合体が、透明性や耐衝撃性の点ではエチレン、ブテン−1等とプロピレンとのランダム共重合体が、耐熱性、耐衝撃性ではエチレン、ブテン−1等とプロピレンとのブロック共重合体が好適であり、状況に応じて適宜選択的に用いられている。
これらの中で、ランダム共重合体が透明成形品を得るためには好適である。しかしランダム共重合体を用い、さらにその各種パラメータの最適化を行っても、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等には透明性の点ではるかに及ばないのが実情である。
このため、プロピレン系(共)重合体の改質だけではなく、プロピレン系(共)重合体に対する透明化核剤の活用による透明性の改良が幅広く試みられてきた。透明化核剤としては、ジメチルベンジリデンソルビトール系核剤(例えば、特許文献2参照。)や有機リン酸塩系核剤(例えば、特許文献3参照。)等が最も一般的に使用されている。
しかしながら、これらの既存の透明化核剤を使用しても、透明性の改良幅は必ずしも十分ではなく、ポリスチレン等の他の樹脂の透明性にはまだ及ばない。また、ジベンジリデンソルビトール系核剤を使用すると、成形加工時の加熱によって、p−トルアルデヒドに代表される芳香族アルデヒド等の強い臭気を有する揮発成分が発生し、臭気を悪化させるという問題があった。
一方、有機リン酸塩系核剤を使用した場合には、臭気物質の発生はない。しかし、透明性はジベンジリデンソルビトール系核剤には及ばない。また、この核剤は、プロピレン系樹脂組成物の中で一次元方向に結晶成長し、成形加工時の樹脂の流れによって配向することが知られている。プロピレン系(共)重合体の結晶ラメラは核剤結晶に垂直方向に成長するため、この核剤を含むプロピレン系樹脂組成物から得られる成形品は流れ方向(MD方向)と流れに垂直方向(TD方向)とで成形後の収縮率が異なる現象、すなわち異方性が発生する。その結果、MD方向への収縮とTD方向への収縮が不均一になるため、容器を成形した後、反り変形が発生して、所望の形状の製品が得られないことも多かった。特に薄肉成形品においては、厚肉の場合よりも容器が変形しやすいため、反り変形が顕著になることが問題視されていた。
このように、透明性と低臭気と低反り変形性とを同時に満たすプロピレン系薄肉成形品は存在せず、これらを同時に満たす成形品の開発が強く望まれていた(特許文献1〜3)。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、透明性、臭気および反り変形性に優れたプロピレン系透明薄肉容器を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のプロピレン系(共)重合体に対し、特定の透明化核剤を添加したプロピレン系樹脂組成物を成形することにより、透明性、臭気、低反り変形性に優れたプロピレン系透明薄肉容器が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、メルトフローレートが3以上100以下であるプロピレン系(共)重合体100重量部に対し、下記化学構造式(1)で示される透明化核剤(A)を0.01〜2.0重量部配合することを特徴とするプロピレン系樹脂組成物を射出成形してなる、肉厚1mm以下の透明薄肉成形品が提供される。
[但し、nは、0〜2の整数であり、R〜Rは、同一または異なって、それぞれ水素原子もしくは炭素数が1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボニル基、ハロゲン基およびフェニル基であり、Rは、炭素数が1〜20のアルキル基である。]
本発明の第2の発明によれば、第1の発明における透明化核剤(A)が下記化学構造式(2)で示されることを特徴とする透明薄肉成形品が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1または第2の発明において、プロピレン系(共)重合体の融解熱が100以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の透明薄肉成形品が提供される。
本発明の第4の発明によれば、第1から第3のいずれかの発明における成形品の製造方法が提供される。
本発明のプロピレン系透明薄肉成形品は、特定の構造を持つプロピレン系(共)重合体に対し、前記化学構造式(1)または(2)に示される新規な透明化核剤を配合したポリプロピレン系樹脂組成物を射出成形してなる、肉厚1mm以下の透明薄肉成形品であり、このような新規なプロピレン系樹脂組成物を使用することにより、従来のプロピレン系成形品では実現しえなかった優れた透明性を臭気、反り変形性を悪化させることなく得ることができる。
本発明は、メルトフローレートが3以上100以下であるプロピレン系(共)重合体100重量部に対し、下記化学構造式(1)で示される透明化核剤(A)を0.01〜2.0重量部配合することを特徴とするプロピレン系樹脂組成物を成形してなる、肉厚1mm以下の透明薄肉成形品である。以下、このような透明薄肉成形品を製造するために用いるプロピレン系樹脂組成物を構成する成分、プロピレン系樹脂組成物の製造方法、薄肉成形品の成形方法について詳細に説明する。
[1]プロピレン系樹脂組成物を構成する成分
(1)プロピレン系(共)重合体
本発明のプロピレン系樹脂組成物で用いられるプロピレン系(共)重合体に関する、具体的な(共)重合体の例を挙げると、最も代表的なものはプロピレン単独重合体である。同様に、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1の少なくとも一種のα−オレフインを好ましくは0.1〜20重量%、好ましくは1〜8重量%程度含む、プロピレンとα−オレフイン共重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体が挙げられる。具体的には、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ペンテン−1共重合体、プロピレン−ヘキセン−1共重合体、プロピレン−オクテン−1共重合体のような二元共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ヘキセン−1共重合体のような各種三元共重合体である。そのプロピレン系(共)重合体の構造は、例えばランダム共重合体、グラフト共重合体、またはブロック共重合体が挙げられる。特にプロピレン系ブロック共重合体の場合には、前段工程と後段工程の多段工程を用いて、前段工程でプロピレンもしくはプロピレンとエチレンを、後段工程でプロピレンとエチレンまたはブテン−1などを共重合することにより製造されるブロック共重合体などが挙げられる。
本発明で用いられるプロピレン系組成物は、成形時の流れ方向(MD方向)の収縮率と流れに垂直方向(TD方向)の収縮率との比が小さく、それによって、成形時の反り変形が小さいことを特徴とする。この比を、収縮率比(MD方向/TD方向)とすれば、これは、収縮率の異方性の尺度となり、この値が1に近いほど異方性が小さいことを意味する。また、この値が1に近ければ近いほど、薄肉成形品を成形した場合においても、反り変形が小さくなる。肉厚1mm以下の透明薄肉成形品という特別な状況においては、収縮率比(MD方向/TD方向)は、0.90〜1.10の範囲の場合に反り変形が許容範囲になるが、通常は0.94〜1.08の範囲のもの、好ましくは0.95〜1.05の範囲のもの、より好ましくは、0.98〜1.02のような範囲のものが特に推奨される。このような範囲の成形品を得るための条件は、プロピレン系(共)重合体の種々のインデックス、透明化核剤の種類および配合量などによって影響される。
これらの影響因子の中でも、最も影響が大きいものは、プロピレン系(共)重合体のメルトフローレート(MFR)である。本発明者らの検討により、収縮率比を小さくするためには、MFRが3以上100以下でなければならないことが見出された。プロピレン系(共)重合体のMFRが3より小さくなると、成形時のMD方向の収縮率がTD方向の収縮率に対して大きくなる。この結果、収縮率比(MD方向/TD方向)が1.10以上となり、成形後の反り変形が大きくなるので望ましくない。一方、プロピレン系(共)重合体のMFRが100より大きくなると、MD方向の収縮率がTD方向の収縮率よりも小さくなる結果、収縮率比(MD方向/TD方向)が0.90より小さくなるため、やはり収縮率の異方性が生じて、反り変形は大きくなる。プロピレン系(共)重合体のMFRが3以上100以下の場合には、MD方向の収縮率とTD方向の収縮率がほぼ等しくなり、収縮率比(MD方向/TD方向)は、0.90〜1.10の範囲に収まるため、反り変形が非常に小さい成形品を得ることができる。プロピレン系(共)重合体のMFRが10以上80以下の範囲にある場合には、収縮率比(MD方向/TD方向)がさらに1に近づくため、より好ましい。
MFRに関しては、その値が大きくなるにつれて、剛性は大きくなるが、衝撃強度が小さくなるというトレードオフの関係がある。さらに、成形品の形状等や成形条件により最適なMFR範囲が規定される場合も多い。このように、諸物性や用途に対する適性を考慮して、本発明の目的に反しない範囲で、適宜MFRを選定することができる。
また、本発明で用いられるプロピレン系(共)重合体は、結晶性の指標である融解熱が100J/g以下であることがより好ましい。融解熱は、ポリプロピレン樹脂の完全結晶において、209J/gとされており、融解熱が100J/g以下というのは、結晶化度が約50%以下であることになる。この場合には、結晶化が極端に大きくは進まないため、成形後の収縮率が小さくなる結果、反り変形は小さくなる。一方、融解熱が100J/gを超えると、プロピレン系(共)重合体の結晶化度が大きくなる結果、成形後の収縮率が著しく大きくなり、反り変形をしやすくなるので好ましく。また、融解熱が低下すると、プロピレン系(共)重合体の結晶サイズが小さくなるため、透明性の面でも好ましい方向である。
本発明で用いられるプロピレン系(共)重合体を得るために用いられる触媒は、特に限定されるものではなく、公知の触媒が使用可能である。例えば、チタン化合物と有機アルミニウムを組み合わせた、いわゆるチーグラー・ナッタ触媒、あるいは、メタロセン触媒(例えば、特開平5−295022号公報等に記載)が使用できる。
中でも、メタロセン触媒を用いた場合には透明性が良好であるため、より好ましい。また、メタロセン触媒を用いると、融解熱が小さいプロピレン系(共)重合体を製造しても、製造プロセス内での閉塞トラブルを誘発するような低結晶成分をほとんど生成しない。その結果、従来のチーグラー・ナッタ触媒では製造できなかったような低い融解熱を有するプロピレン系(共)重合体を安定的に生産することができるため、非常に好ましい。
本発明で用いられるプロピレン系(共)重合体を得るために用いられる重合プロセスは、特に限定されるものではなく、公知の重合プロセスが使用可能である。例えば、スラリー重合法、バルク重合法、気相重合法等が使用できる。また、これらの重合法の1種または2種以上を組み合わせて多段重合を行って重合することもできる。さらには、2種以上のプロピレン系(共)重合体を機械的に溶融混練することによっても製造することができる。
(2)透明化核剤(A)
本発明のプロピレン系樹脂組成物に用いられる透明化核剤(A)は、下記化学構造式(1)で示される透明化核剤である。
化学構造式(1)において、nは、0〜2の整数であり、R〜Rは、同一または異なって、それぞれ水素原子もしくは炭素数が1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボニル基、ハロゲン基およびフェニル基であり、Rは、炭素数が1〜20のアルキル基である。
また、透明化核剤(A)が、下記化学構造式(2)で表される場合には、透明性がきわめて良好となり、臭気も発生しないため、より好ましい。
本発明に用いられる透明化核剤(A)は、得られる成形品に、従来の透明化核剤では実現が不可能なほどの非常に優れた透明性を与えることができる。また、従来の透明化核剤とは異なり、加熱しても芳香族アルデヒドの発生がきわめて少ない上、万一、芳香族アルデヒドが発生しても、その閾値が大きいため、臭気としてはほとんど感知されないという特徴がある。さらに、透明化核剤(A)は、ポリプロピレン系組成物の中で、一次元方向にのみ結晶が成長するのではなく、三次元の網目状の結晶形態となるという特徴を持つ。このため、この核剤を起点に発生するポリプロピレンの結晶ラメラも一次元方向にのみ成長するのではなく、等方的に成長する。その結果、成形後の収縮も等方的となるため、成形後の反り変形が非常に小さくなるという、非常に好ましい特徴がある。
本発明のプロピレン系樹脂組成物に用いられる透明化核剤(A)の配合量は、プロピレン系(共)重合体100重量部に対し、0.01〜2.0重量部であり、好ましくは0.2〜0.6重量部である。0.01重量部未満では十分な効果が得られ難い。2.0重量部を超えると核剤の凝集が発生して透明性が低下する可能性があるため望ましくない。
本発明に用いられる透明化核剤(A)の製造方法としては、特表2007−534827号公報等に記載の方法を挙げることができる。市販品としても、容易に入手することができ、例えば、ミラッドNX8000J(ミリケン・アンド・カンパニー社製)を挙げることができる。
(3)その他の添加剤
本発明のプロピレン系樹脂組成物においては、プロピレン系(共)重合体および透明化核剤(A)に加えて、プロピレン系(共)重合体の安定剤などとして使用されている各種酸化防止剤、中和剤、滑剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤を配合することができる。
具体的には、酸化防止剤としては、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、ジ−ステアリル−ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−フォスフォナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−フォスフォナイト等のリン系酸化防止剤、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ハイドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ハイドロキシベンジル)イソシアヌレート等のフェノール系酸化防止剤、ジ−ステアリル−β,β’−チオ−ジ−プロピオネート、ジ−ミリスチル−β,β’−チオ−ジ−プロピオネート、ジ−ラウリル−β,β’−チオ−ジ−プロピオネート等のチオ系酸化防止剤等が挙げられる。
中和剤の具体例としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの金属脂肪酸塩、ハイドロタルサイト(商品名:協和化学工業(株)の下記一般式(3)で表されるマグネシウムアルミニウム複合水酸化物塩)、ミズカラック(下記一般式(4)で表されるリチウムアルミニウム複合水酸化物塩)などが挙げられる。
Mg1−xAl(OH)(COx/2・mHO …(3)
[式中、xは、0<x≦0.5であり、mは3以下の数である。]
[AlLi(OH)X・mHO …(4)
[式中、Xは、無機または有機のアニオンであり、nはアニオン(X)の価数であり、mは3以下である。]
滑剤の具体例としては、既知の滑剤が挙げられるが、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸ブチル、シリコーンオイル等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤等が挙げられる。
光安定剤としては、n−ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピぺリジル)セバケート、コハク酸ジメチル−2−(4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジル)エタノール縮合物、ポリ{[6−〔(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ〕−1,3,5−トリアジン−2,4ジイル]〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕}、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス〔N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ〕−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物等の光安定剤を挙げることができる。
さらに、下記化学構造式(5)や下記一般式(6)で表されるアミン系酸化防止剤、5,7−ジ−t−ブチル−3−(3,4−ジ−メチル−フェニル)−3H−ベンゾフラン−2−ワン等のラクトン系酸化防止剤、下記化学構造式(7)等のビタミンE系酸化防止剤を挙げることができる。
[但し、式(6)中、RとRは、炭素数14〜22のアルキル基である。]
さらに、このプロピレン系組成物は、その他の添加剤として、帯電防止剤、脂肪酸金属塩等の分散剤、有機化酸化物、顔料や染料などを含むことができる。また、このプロピレン系組成物は、収縮率の異方性と透明化核剤の機能とに悪影響を与えない範囲で、高密度、低密度、線形低密度のポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリレート共重合体、セルロース、澱粉、ロジン、ワックスのような天然樹脂のような各種合成または天然樹脂を、或いはEPR,EPDM,天然ゴム、ブタジエン系ゴム、スチレン系ゴムなどの各種天然ゴムまたは合成ゴムを1〜30重量%程度配合することもできる。
[2]プロピレン樹脂組成物の製造方法
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、プロピレン系(共)重合体、透明化核剤(A)および必要に応じて用いる他の添加剤を、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、リボンブレンダー等に投入して混合した後、通常の単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、プラベンダー、ロール等で160〜280℃の温度範囲で溶融混練することにより得ることができる。
[3]透明薄肉成形品
本発明の透明薄肉成形品は、上記のプロピレン系樹脂組成物を、公知の射出成形機により射出成形することにより得られる肉厚が1mm以下の成形品であり、例えば、肉厚が、1mm、0.8mm、0.5mm、0.3mm、0.1mm程度のものである。このような透明薄肉成形品においては、透明化核剤による透明化効果をより一段と高めることができる。プロピレン系(共)重合体を成形する場合、特に射出成形をする場合には、溶融状態から急冷されることになる。通常、金型に接触する表面部分の重合体が冷却され、次いで順次内部に向かって冷却されるが、冷却速度に傾斜が生じることになるために、成形品の厚さ方向に従って、結晶化の程度が異なることになる。その結果、金型接触部分、すなわち成形品の表面近傍(スキン層)においては、プロピレン系組成物が瞬時に冷却されるため、可視光線の波長に対して非常に小さいサイズの結晶しか形成されず、可視光線の透過をほとんど妨げることがない、非常に透明な層を形成する。一方、冷却速度が比較的遅い成形品の内部(コア層)においては、可視光線の波長に対して十分に小さいとは言えないサイズの結晶が成長する可能性がある。その結果、コア層の透明性はスキン層に比べて劣ることが多い。このように、成形品の透明性は、その表面と内部とで異なる傾向が観察されるのが一般的である。このような傾向は、プロピレン系(共)重合体の設計、透明化核剤の使用、成形条件等の最適化によりある程度是正できるが、厚肉成形品ではある程度避けがたい問題であった。
それに対して、本発明の肉厚1mm以下の透明薄肉成形品という特有の成形品においては、例えば、肉厚2mmや3mmの成形品と比べると、成形工程における冷却速度が、成形品の表面のみならず、成形品の内部においても非常に早い。その結果、成形品の部位による冷却速度の差異が非常に小さくなり、いずれの部位においても微細で均一な結晶が形成され、非常に透明性が高い成形品を得ることが可能となる。この効果により、透明性は単なる肉厚を削減した効果以上に向上する。例えば、肉厚2mmの成形品を、50%の肉厚である1mmに変更した場合には、不透明性の指標であるヘーズ値は、単に2mmの場合の50%になるのではなく、40%以下、場合によっては30%以下にまで低減される。このように、薄肉成形品では、厚肉の場合には得られなかった、きわめて透明な成形品を得ることが可能となる。さらに結晶の均一性は、透明性のみならず、剛性、耐熱性、耐衝撃性などにおいても有益な効果が期待できる。
また、肉厚を薄くすることにより、成形品を大幅に軽量化することが可能となり、省資源化に大きく寄与できる。さらに、成形工程での冷却が容易となることにより、成形サイクルを大幅に短縮し、省エネルギー化を図ることも可能となる。これらによって、環境負荷を大幅に低減することが可能となる。
その一方で、肉厚が薄くなると成形品の剛性が低下するため、結晶性の異方性に伴う収縮率の異方性がわずかでもあれば、容器全体が変形して反りやすくなる。しかし、収縮率の異方性が非常に小さいという特徴を持つ本発明の組成物を用いて成形することにより、反り変形を非常に小さくすることが可能である。また、同時に非常に高い透明性と臭気の少なさが実現されることを特徴とする。その結果、非常に高い意匠性、クリーン性、寸法精度が要求される用途に好適である。
本発明の成形品としては、食品容器(プリン容器、ゼリー容器、ヨーグルト容器、その他のデザート容器、惣菜容器、茶碗蒸し容器、インスタントラーメン容器、米飯容器、レトルト容器、弁当容器等)、飲料容器(飲料ボトル、チルドコーヒー容器、ワンハンドカップ容器、その他の飲料容器等)、キャップ(ペットボトルキャップ、1ピースキャップ、2ピースキャップ、インスタントコーヒーのキャップ、調味料キャップ、化粧品容器キャップ、ヒンジキャップ等)、医薬品容器(プレフィルドシリンジ、キット製剤、目薬容器、薬液容器、薬剤容器、液体の長期保存容器、プラスチックバイアル等)、その他各種容器(インク容器、化粧品容器、シャンプー容器、洗剤容器等)、医療用器具(ディスポーザブルシリンジおよびその部品、血液回路などのディスポーザブル器具、人工肺、人工肛門などの人工臓器類の部品、ダイアライザー、試験管、歯科用材料の部品、整形外科用材料の部品、コンタクトレンズのケース等)、日用品(衣装ケース、バケツ、洗面器、筆記用具、コンテナ、玩具、調理器具、その他各種ケース等)、電気・電子部品(各種電気機器の部材・筐体、半導体搬送容器、光学部品、各種情報メディアケース、太陽電池封止材等)などが挙げられる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの記載により何ら限定されるものではない。なお、各実施例および比較例において、用いた物性測定は以下の方法で行い、プロピレン系(共)重合体、透明化核剤および他の添加剤(酸化防止剤、中和剤など)としては以下のものを使用した。
1.試験方法
(1)メルトフローレート(MFR)
JIS K7120:1999、230℃ 2.16kg荷重に準拠して測定した。
(2)融解熱
JIS K7122:1987に準拠して示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ社製DSC6200)を用いて、昇温速度10℃/分にて融解熱を求めた。この指標は結晶化の度合いを示す指標であり、ポリプロピレンの完全結晶の融解熱である209J/gと比較することにより、結晶化度を見積もることができる。
(3)エチレン含量
13C−NMRにより、エチレン含有量、およびブテン−1含有量を測定した。その測定条件は以下の通りである。
機種:日本電子(株)製GSX−400
溶媒:o−ジクロルベンゼン:重ベンゼン=4:1(体積比)
濃度:100mg/ml
温度:130℃
パルス角:90°
パルス間隔:15秒
積算回数:5,000回以上
(4)ヘーズ
東芝機械製EC100射出成形機により、成形温度220℃、金型温度40℃で厚さ1mmのシート状試験片を作成し、JIS K7105:1981に準拠して測定した。この値が小さいほど透明であることを意味し、一般には高透明・高光沢な成形品としての外観意匠性が高いことになる。
(5)芳香族アルデヒド発生量
ペレット20mgを200℃に加熱し10分間熱抽出した後、ガスクロマトグラフ(GC)注入口で冷却捕集した成分を気化させてGCカラムに導入し、GC−MS測定により発生した芳香族アルデヒドの定量を行った。芳香族アルデヒドは透明化核剤から発生する代表的な臭気物質であり、この量が少ないほど臭気は良好である。
(6)臭気
ペレット80gを容量300mlの清潔な共栓付三角フラスコに封入し、80℃に昇温・保持された熱風循環乾燥機内で2時間加熱した後、パネラーによる官能評価を行った。パネラーは事前テストにより選定された5名とした。臭気の判定基準は下記の6段階とし、5人の平均値で表した。
0級 無臭
1級 やっと感じられる
2級 感じられる(臭いの質が分かる)
3級 かなり臭う(楽に感じる)
4級 強く臭う
5級 激しく臭う(耐えられないほど強烈)
(7)成形収縮率
外寸が120mm×120mm×1mmであり、樹脂の流れ方向(MD方向)とそれに垂直方向(TD方向)とに、それぞれ100mm間隔の罫書き線が引かれた金型を用いて、シート状の試験片を成形した。成形機は東芝IS100GN射出成形機を用い、成形温度は220℃、金型温度は40℃とした。得られた試験片を、室温23℃、相対湿度50%の恒温室内で88時間状態調節した後、罫書き線間の長さを、MD方向、TD方向のそれぞれについて測定し、100mmからの減少率をパーセントで表示して成形収縮率とした。さらに、収縮率の異方性の指標として、MD方向の収縮率とTD方向の収縮率の比を算出した。
成形収縮率は、金型寸法に対して、成形品がどの程度収縮したかを示す指標である。この数値が小さいほど、成形品の収縮が少なく、成形後の変形が少ない傾向がある。また、MD方向の収縮率とTD方向への収縮率の比が1に近いほど収縮率の異方性がないことを意味し、全ての方向に同じように相似的に収縮する結果、成形品の反り変形が小さくなることを示す。
(8)反り
東芝IS100GN射出成形機を用いて、成形温度220℃、金型温度40℃にて、外寸が110×70×45mm、肉厚が1mmの箱状試験片を成形した。この試験片を、室温23℃、相対湿度50%の恒温室内で88時間状態調節した後、形状を観察し、反り変形が全く観察されなかった場合には「◎」、わずかに観察された場合は「○」、顕著に観察された場合は「×」と表記した。
2.プロピレン系(共)重合体、透明化核剤および他の添加剤
(1)プロピレン系(共)重合体
(i)プロピレン単独重合体1(HPP−1):ノバテックMA4UQ(日本ポリプロ社製)。チーグラー・ナッタ触媒、エチレン濃度0重量%、MFR4g/10分
(ii)プロピレン単独重合体2(HPP−2):ノバテックMA3Q(日本ポリプロ社製)。チーグラー・ナッタ触媒、エチレン濃度0重量%、MFR9g/10分
(iii)プロピレン単独重合体3(HPP−3):ノバテックMA04AQ(日本ポリプロ社製)。チーグラー・ナッタ触媒、エチレン濃度0重量%、MFR45g/10分
(iv)プロピレン単独重合体4(HPP−4):ノバテックX1780(日本ポリプロ社製)。チーグラー・ナッタ触媒、エチレン濃度0重量%、MFR175g/10分
(v)プロピレン単独重合体5(HPP−5):ノバテックX3011Q(日本ポリプロ社製)。チーグラー・ナッタ触媒、エチレン濃度0重量%、MFR1.9g/10分
(vi)エチレン・プロピレンランダム共重合体1(RPP−1):ノバテックMX03Q(日本ポリプロ社製)。チーグラー・ナッタ触媒、エチレン濃度3.8重量%、MFR30g/10分
(vii)エチレン・プロピレンランダム共重合体2(RPP−2):ウィンテックWSX02P(日本ポリプロ社製)。メタロセン触媒、エチレン濃度3.2重量%、MFR25g/10分
(2)透明化核剤
(i)ミラッドNX8000J(ミリケン・アンド・カンパニー社製):透明化核剤(A)相当品で、下記化学構造式(2)で表される化合物
(ii)ゲルオールMD(新日本理化(株)社製):ジメチルベンジリデンソルビトール系透明化核剤:透明化核剤(A)に相当しない透明化核剤
(iii)アデカスタブNA21((株)ADEKA社製):有機リン酸金属塩化合物系透明化核剤:透明化核剤(A)に相当しない透明化核剤
(3)酸化防止剤
(i)ヒンダードフェノール系酸化防止剤:イルガノックス1010(IR1010;チバ社製);テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシルフェニル)プロピオネート]メタン
(ii)リン系酸化防止剤:イルガフォス168(IF168;チバ社製);トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェノール)フォスファイト
(4)中和剤
(i)ステアリン酸カルシウム(CAST;日本油脂(株)社製)
(実施例1〜5、比較例1〜11)
プロピレン系(共)重合体、透明化核剤および他の添加剤(酸化防止剤、中和剤)を表1に記載の配合割合(重量部)で準備し、スーパーミキサーでドライブレンドした後、35ミリ径の2軸押出機を用いて溶融混練した。ダイ出口部温度200℃でダイから押し出しペレット化し、得られたペレットを用いて物性を測定した。その結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜3は、本発明に規定のMFR範囲内にあるプロピレン単独重合体の100重量部に対して、当該透明化核剤(A)を0.3重量部配合したものである。透明性が良好である上、芳香族アルデヒドの発生量も少なく、臭気も良好であることがわかる。また、本発明のMFR範囲に該当しないプロピレン単独重合体に当該透明化核剤(A)を添加した比較例1および2に比べて、成形収縮率のMD方向とTD方向の比が1に近く、反り変形も少ないことがわかる。
実施例4は、プロピレン系(共)重合体として、融解熱が100J/g以下のランダム共重合体を用いた場合である。実施例1〜3に比べて、成形収縮率の絶対値が小さくなった上、MD方向とTD方向の比もさらに1に近づき、反り変形も全く見られなくなったことがわかる。また、透明性、臭気も、実施例1〜3よりもさらに良好となっている。
実施例5は、プロピレン系(共)重合体として、実施例1〜4よりもさらに融解熱が小さいランダム共重合体を用いた場合である。この重合体はメタロセン触媒を用いて重合されたものであり、従来のチーグラー・ナッタ触媒では重合が難しかった、きわめて低い融解熱の重合体を製造することが可能になっている。このようなプロピレン系(共)重合体を用いることにより、成形収縮率の絶対値はさらに小さくなった上、MD方向とTD方向との比もさらに1に近づいている。また、透明性もきわめて良好であり、薄肉透明成形品として非常に優れていることがわかる。
一方、実施例2、4、5と同じプロピレン系(共)重合体を用いているが、透明化核剤を含まない組成物を成形したものが、比較例3、6、9である。成形収縮率の絶対値は小さく、MD方向とTD方向の比も比較的1に近いが、実施例に比べるとヘーズが非常に大きいことから、透明性が大幅に劣ることがわかる。
また、実施例2、4、5と同じプロピレン系(共)重合体を用いているが、透明化核剤として、ゲルオールMDという本発明外の公知の透明化核剤を使用した組成物を成形したものが、比較例4、7、10である。成形収縮率の絶対値、MD方向とTD方向との比は実施例に近く、反り変形も良好であるが、臭気物質である芳香族アルデヒドの発生量が実施例に比べて著しく多く、臭気がきわめて悪いことがわかる。また、透明性も、実施例には及ばない。
さらに、実施例2、4、5と同じプロピレン系(共)重合体を用いているが、透明化核剤として、アデカスタブNA21という本発明外の公知の透明化核剤を使用した組成物を成形したものが、比較例5、8、11である。これらは、芳香族アルデヒドの発生は検出されず、臭気も良好であるが、成形収縮率のMD方向とTD方向との比が1よりもかなり小さくなり、その結果、大きな反り変形が発生することがわかる。また、透明性も実施例には及ばない。
本発明のプロピレン系成形品は、従来の組成物では達成できなかった優れた透明性と収縮率の等方性という特徴を有したプロピレン系樹脂組成物を成形することにより、公知の射出成形方法によって、反り変形が少なく透明性にきわめて優れた薄肉成形品を提供することができる。また、本発明のプロピレン系成形品は、芳香族アルデヒド発生量が少なく臭気にも優れており、これらの特徴から、食品・飲料・医薬品・化粧品等の容器やキャップ、医療用器具、日用品に代表される幅広い用途にきわめて有用である。
特開平5−17642号公報 特開昭53−117044号公報 特開平5−140466号公報

Claims (4)

  1. メルトフローレートが3以上100以下であるプロピレン系(共)重合体100重量部に対し、下記化学構造式(1)で示される透明化核剤(A)を0.01〜2.0重量部配合することを特徴とするプロピレン系樹脂組成物を射出成形してなる、肉厚1mm以下の透明薄肉成形品。
    [但し、nは、0〜2の整数であり、R〜Rは、同一または異なって、それぞれ水素原子もしくは炭素数が1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボニル基、ハロゲン基およびフェニル基であり、Rは、炭素数が1〜20のアルキル基である。]
  2. 透明化核剤(A)が下記化学構造式(2)で示されることを特徴とする請求項1記載の透明薄肉成形品。
  3. プロピレン系(共)重合体の融解熱が100以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の透明薄肉成形品。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の成形品の製造方法。


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