JP2010247598A - 車体前部構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車室10前端部の隔壁から前方へ突き出して形成されエンジンルームの左右側部にそれぞれ設けられた前半部及び車室の隔壁から床面にかけて沿わせて形成された後半部を有するフレーム20と、フレームの前半部から下方へ突き出して形成されたフレーム下部構造部材30と、車両前後方向に略沿って延び前端部がフレーム下部構造部材に結合され後端部がフレームの後半部に結合されたロワメンバ40と、ロワメンバの上部に搭載されるロワメンバ上部品70とを備える車体前部構造を、ロワメンバの車両前方側から見た断面形状の図心高さが前端部41側よりも後端部42側で高くなる構成とする。
【選択図】図5
Description
このような構造において、左右のフレームを連結するクロスメンバをフレームの下側に結合し、ここにエンジン等のパワーユニット、サスペンション、ステアリングギアボックス等の各種部品を装着することが知られている。
例えば、特許文献1には、中間部に屈曲部を有するフロントサイドメンバ(フレーム)の下側にサブフレームを配設して、その前端をメンバ前半部の下面側に連結し、後端をメンバ後半部の下面側に連結した車両のフロントサイドメンバ構造が記載されている。
ここで、硬質部材を衝突の際に脱落する構造とすることや、取付部が破損する構造にすることも考えられるが、この場合、脱落荷重設定の精度や、通常使用時(非衝突時)の脱落、破損懸念などが問題となる。
本発明の課題は、前面衝突時にフレーム下部構造部材又はこれに取り付けられた部品と他部品との干渉を防止して前面衝突性能を向上した車体前部構造を提供することである。
請求項1の発明は、車室前端部の隔壁から前方へ突き出して形成されエンジンルームの左右側部にそれぞれ設けられた前半部及び前記車室の前記隔壁から床面にかけて沿わせて形成された後半部を有するフレームと、前記フレームの前半部から下方へ突き出して形成されたフレーム下部構造部材と、車両前後方向に略沿って延び前端部が前記フレーム下部構造部材に結合され後端部が前記フレームの後半部に結合されたロワメンバと、前記ロワメンバの上部に搭載されるロワメンバ上部品とを備える車体前部構造であって、前記ロワメンバの車両前方側から見た断面形状の図心高さが前端部側よりも後端部側で高くなることを特徴とする車体前部構造である。
請求項3の発明は、前記ロワメンバは、中間部において下側が凸となるように湾曲して形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車体前部構造である。
請求項4の発明は、前記ロワメンバ上部品はスタビライザ装置であって、前記フレーム下部構造部材の後部に取り付けられるステアリングギアボックスの後方側に配置されることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車体前部構造である。
また、ロワメンバを中間部において下側が凸となるように湾曲して形成したことによって、上述した曲げモーメントを増大して湾曲又は屈曲変形を確実に生じさせることができる。
この車両は、キャビン10、メインフレーム20、クロスメンバ(サスペンションクロスメンバ)30、ロワメンバ40、サスペンションアーム50、ステアリングギアボックス60、スタビライザ装置70等を備えて構成されている。
クロスメンバ30には、後述するようにサスペンションアーム50及びステアリングギアボックス60等が装着され、また図示しないエンジン及びトランスミッション等のパワートレーンが弾性体を有するマウントを介して結合される。
ロワメンバ40の前端部41は、クロスメンバ30の下端部に例えばボルト−ナット等によって結合されている。
ロワメンバ40の後端部42は、キャビン10の床下部においてメインフレーム20の下面部に例えばボルト−ナット等によって結合されている。
ロワメンバ40の前端部41及び後端部42は、それぞれクロスメンバ30及びメインフレーム20の取付部に対して、回転方向の動きが拘束されている。
ロワメンバ40の中間部43は、下側が凸となるように弓なりに湾曲して形成されている。また、この中間部43の上面には、後述するようにスタビライザ装置70が取り付けられる。
サスペンションアーム50は、車体側の端部に前後に離間して配置された一対のゴムブッシュを備えている。後側のゴムブッシュは、クロスメンバ30の下端部にボルト−ナット等によって、ボルトの軸心回りに回転可能に取り付けられている。
ステアリングギアボックス60の左右両端部には、図示しないステアリングラックに連結されたタイロッド61が設けられている。タイロッド61は、上述したハウジングのナックルアームに接続され、これを押し引きすることによって前輪の転舵を行う操舵力伝達部材である。
スタビライザ装置70は、スタビライザバー71、スタビライザブッシュ72、ブラケット73等を備えて構成されている。
スタビライザバー71は、例えばバネ鋼からなる線材を曲げ加工して形成され、図示しないリンクを介して左右前輪サスペンションのストラットシェルケース間を連結するものである。スタビライザバー71は、車幅方向に沿って直線状に配置された中間部分を備え、車両のロール時にこの中間部分がねじられることによってバネ反力を発生する。
スタビライザブッシュ72は、スタビライザバー71の中間部を防振ゴムを介して支持するものである。
ブラケット73は、ロワメンバ40の中間部43の上面に固定され、スタビライザブッシュ72を支持するものである。ブラケット73は、前端部に対して後端部が高くされた斜面部を有し、スタビライザブッシュ72はこの斜面部上に固定される。
なお、スタビライザブッシュ72及びブラケット73は、左右のロワメンバ40にそれぞれ1つずつ設けられている。
図示しないバンパ部から入力された後方側への荷重は、先ずメインフレーム20の前端部に入力され、メインフレーム20の前半部は蛇腹状に圧縮変形しエネルギを吸収する。このとき、実施例の場合には、ロワメンバ40及びクロスメンバ30によってメインフレーム20の中間部分を支持しており支持剛性が高いことから、メインフレーム20がキャビン10側の基部回りに回転して倒れ込むことがなく、メインフレーム20の前半部による衝撃吸収能力を確保できる。
このとき、図5に破線によって示すように、メインフレーム20のクロスメンバ30とキャビン10との間の領域は、上方が凸となるように屈曲する。なお、図5においては、サスペンションアーム50及びスタビライザバー71は図示を省略している。
クロスメンバ30の後退によって、ロワメンバ40は前端部41が車両後方側へ押されるが、このとき、上述したように前端部41と後端部42の図心を上下にずらし、さらに下方が凸となる弓なりに湾曲して形成したことによって、ロワメンバ40を下方が凸となるように曲げようとする曲げモーメントが発生する。この曲げモーメントによって、図5に破線で示すように、ロワメンバ40は下方が凸となるように屈曲し、このときロワメンバ40の中間部43の上部に固定されたスタビライザ装置70は下側に退避する。
クロスメンバ30の後部に取り付けられたステアリングギアボックス60は、スタビライザ装置70が退避して形成された空間部内へ後退する。このため、スタビライザ装置70がステアリングギアボックス60と干渉して車体との間に挟まれ、クロスメンバ30の後退を阻害することがない。
また、ロワメンバ40を中間部43において下側が凸となるように湾曲して形成したことによって、上述した曲げモーメントを増大して湾曲又は屈曲変形を確実に生じさせることができる。
さらに、サスペンションアーム50が取り付けられるクロスメンバ30の下端部にロワメンバ40の前端部41を固定することによって、クロスメンバ30の変位を抑制し、走行時入力によるサスペンションジオメトリの変化を抑制し、操縦安定性等の走行性能を向上できる。
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
例えば、車体前部構造における各部材の形状、材質、構造等は適宜変更することができる。
また、実施例では、ロワメンバに例えばスタビライザ装置を搭載し、クロスメンバの後部にステアリングギアボックスを搭載してこれらの干渉を防止しているが、各部材に搭載される部品はこれらに限定されない。
30 クロスメンバ 40 ロワメンバ
41 前端部 42 後端部
43 中間部 50 サスペンションアーム
60 ステアリングギアボックス 61 タイロッド
70 スタビライザ装置 71 スタビライザバー
72 スタビライザブッシュ 73 ブラケット
Claims (4)
- 車室前端部の隔壁から前方へ突き出して形成されエンジンルームの左右側部にそれぞれ設けられた前半部及び前記車室の前記隔壁から床面にかけて沿わせて形成された後半部を有するフレームと、
前記フレームの前半部から下方へ突き出して形成されたフレーム下部構造部材と、
車両前後方向に略沿って延び前端部が前記フレーム下部構造部材に結合され後端部が前記フレームの後半部に結合されたロワメンバと、
前記ロワメンバの上部に搭載されるロワメンバ上部品と
を備える車体前部構造であって、
前記ロワメンバの車両前方側から見た断面形状の図心高さが前端部側よりも後端部側で高くなること
を特徴とする車体前部構造。 - 前記ロワメンバは、車両の前面衝突によって前記車室に対して前記フレーム下部構造部材が後退する際に下側が凸となる曲げ変形を示すこと
を特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。 - 前記ロワメンバは、中間部において下側が凸となるように湾曲して形成されること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車体前部構造。 - 前記ロワメンバ上部品はスタビライザ装置であって、前記フレーム下部構造部材の後部に取り付けられるステアリングギアボックスの後方側に配置されること
を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車体前部構造。
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