JP5018406B2 - 車体構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車体構造に関する。
前輪のホイールより車体前方側の車体前後方向の長さが短い(車体前部側にエンジン等のユニットを配置していない)、いわゆる超ショートオーバハング車両(例えば、特許文献1参照)では、前面衝突時、特にクラッシュストロークを必要とするオフセット前面衝突時の場合には、そのクラッシュストロークを確保することが困難であった。
すなわち、図8(A)で示すように、前輪42のホイール43の中心より車体前方側の車体前後方向の長さL1が短い超ショートオーバハング車両10の場合、フロントバンパ13からフロントピラー38(ロッカ36)までの車体前後方向の長さ(クラッシュストローク)L2も短く、更にその潰れ難いホイール43の直径R分もクラッシュストロークが失われる。そのため、図8(B)で示すように、オフセット前面衝突において、超ショートオーバハング車両10ではない車両70に比べて、超ショートオーバハング車両10に加わる衝突荷重Gが相対的に大きくなってしまっていた。
特開2002−104247号公報
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、オフセット前面衝突時のクラッシュストロークを確保でき、乗員に対する衝突安全性能を向上できる車体構造を得ることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の車体構造は、車体前後方向に延在し、車幅方向に並設された一対のフロントサイドメンバと、前記一対のフロントサイドメンバの車体下方側で車体前後方向に延在し、車幅方向に並設された一対のサスペンションメンバと、前記一対のサスペンションメンバの車体前方側を車幅方向で連結するクロスメンバと、前記クロスメンバと前記各サスペンションメンバとの間に車体前後方向に対して斜めに架設された一対の連結部材と、前記各連結部材と前記各サスペンションメンバとの連結部の車幅方向外側に車体後方内側の接続部が連結された一対のロアアームと、前記一対のサスペンションメンバ又は前記一対の連結部材上に架設されたステアリングギアボックスと、前記一対のフロントサイドメンバに軸支されたエアコンディショナーユニットと、を備え、前記エアコンディショナーユニットを支持する軸が側面視で前記ステアリングギアボックスから車体後方側へ延設されるステアリングシャフトよりも車体後方側に設けられていることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、車両がオフセット前面衝突した際には、クロスメンバ及びサスペンションメンバの変形により連結部材が車体外方側へ押し出される。すると、その連結部材とサスペンションメンバとの連結部の車幅方向外側に車体後方内側の接続部が連結されたロアアームは、それに取り付けられている前輪を車体外方側へ押し出す。これにより、潰れ難いホイールを有する前輪が、ロッカに干渉するのを回避できるので、オフセット前面衝突時のクラッシュストロークを確保することができ、乗員に対する衝突安全性能を向上させることができる。
また、車両がオフセット前面衝突した際には、フロントサイドメンバの圧縮変形によりエアコンディショナーユニットを支持する軸が車体前方側へ移動する。そして、クロスメンバ及びサスペンションメンバの変形によりステアリングギアボックスが車体下方側へ移動する。
たがって、ステアリングギアボックスに連結されているステアリングシャフトは、エアコンディショナーユニットを支持する軸に巻き掛けられるようにして車体前方側へ引っ張られることになり、それに取り付けられているステアリングホイールを車体前方側へ引き込むことができる(車体前方側へ移動させることができる)。これにより、車室内の空間を広げることができ、乗員に対する衝突安全性能を更に向上させることができる。
以上のように、本発明によれば、オフセット前面衝突時のクラッシュストロークを確保でき、乗員に対する衝突安全性能を向上できる車体構造を提供することができる。
以下、本発明の最良な実施の形態について、図面に示す実施例を基に詳細に説明する。図1は車両10の車体前部側を示す概略斜視図であり、図2は車体構造12の構成を示す概略斜視図である。また、図3は車両10がフルラップ前面衝突したときの車体構造12の状態を示す概略平面図であり、図4は車両10がオフセット前面衝突したときの車体構造12の状態を示す概略平面図である。
なお、本実施例に係る車両10は、図1で示すように、前輪42のホイール43の中心より車体前方側の車体前後方向の長さL1(図8(A)参照)が短い(車体前部側にエンジン等のユニットを配置していない)、いわゆる超ショートオーバハング車両である。また、各図において、車体前方向を矢印FRで示し、車体上方向を矢印UPで示す。
図2で示すように、本実施例に係る車体構造12は、それぞれ車体前後方向が長手方向とされる(車体前後方向に延在する)とともに、車体右方側と車体左方側に(車幅方向に)所定の間隔を隔てて並設された一対のフロントサイドメンバ14を備えている。フロントサイドメンバ14は、一例としてアルミニウムやアルミニウム合金等の金属材料の押し出し成形品で構成されており、単独で閉断面(矩形枠状断面)を構成している。
そして、一対のフロントサイドメンバ14の前端部間には、車幅方向に延在されたフロントバンパリインフォースメント16が配設されている。フロントバンパリインフォースメント16は、例えば車幅方向中央部が両端部よりも車体前後方向前側に位置するように湾曲した長尺状の角パイプで構成されており、左右一対のフロントサイドメンバ14が、このフロントバンパリインフォースメント16によって連結されている。
また、フロントサイドメンバ14は、車体前後方向の中途部に傾斜部(キックアップ部)14Aを有しており、その傾斜部14Aよりも車体後方側が、車体前方側よりも所定高さ低い位置で、車体前後方向に延在している。そして、フロントサイドメンバ14の車体下方側で、傾斜部14Aよりも車体前方側には、サブフレーム(変形井型サブフレーム)18がフロントサイドメンバ14に支持された状態で配設されている。
このサブフレーム18は、車体前後方向に延在し、車体右方側と車体左方側に(車幅方向に)所定の間隔を隔てて一対で並設されるサスペンションメンバ20と、一対のサスペンションメンバ20の車体前方側端部を車幅方向で一体に連結するクロスメンバ22と、クロスメンバ22と各サスペンションメンバ20の間を車体前後方向及び車幅方向に対して斜めに(平面視略「ハ」字状に)連結する一対の連結部材24と、で構成されている。
なお、図示のクロスメンバ22は、車幅方向中央部が車体後方側へ向かって凹状に屈曲形成され、その屈曲形成された車幅方向中央部に連結部材24の車体前方側端部が連結されているが、クロスメンバ22の形状は、図示のものに限定されるものではなく、例えばフロントバンパリインフォースメント16と同様に、車幅方向中央部が両端部よりも車体前後方向前側に位置するように湾曲した形状に形成されてもよい。
また、各連結部材24と各サスペンションメンバ20との結合部(連結部)付近におけるサスペンションメンバ20の外面には、それぞれ所定間隔を隔てて一対のブラケット26が一体に形成されており、その一対のブラケット26には同軸的に貫通孔26Aが形成されている。そして、後述するロアアーム30の車体後方内側の接続部30Aにも貫通孔(図示省略)が形成されており、それら貫通孔にブッシュ32が圧入され、ボルト・ナット(図示省略)でブラケット26に締結されることにより、ロアアーム30の接続部30Aがサスペンションメンバ20に枢支連結されるようになっている。
マクファーソンストラット式サスペンション(図示省略)を支持する一対のロアアーム30は、平面視略「Λ」字型形状に形成されたV型アームとされており、ロアアーム30の車体前方側の接続部30Bも、ブラケット26より車体前方側のサスペンションメンバ20の外面に、所定間隔を隔てて一体に形成された一対のブラケット28に、上記と同様に枢支連結されている。
すなわち、一対のブラケット28に同軸的に形成された貫通孔28Aと、接続部30Bに形成された貫通孔(図示省略)にブッシュ32が圧入され、ボルト・ナット(図示省略)でブラケット28に締結されている。なお、ロアアーム30の車幅方向外端部の上面には、ナックル(図示省略)に接続されるロアボールジョイント(図示省略)が設けられている。
また、ブラケット28が形成された付近のサスペンションメンバ20の上面には、支持部材34の一端部(車体下方側端部)が取り付けられ、支持部材34の他端部(車体上方側端部)が、フロントサイドメンバ14の車体前方側に取り付けられている。そして、サスペンションメンバ20の車体後方側端部は、傾斜部14Aよりも車体後方側のフロントサイドメンバ14に取り付けられている。これにより、サブフレーム18が、フロントサイドメンバ14に支持される構成である。
また、高さの低い車体後方側のフロントサイドメンバ14の車幅方向外側には、キャビンの両サイドに車体前後方向に沿って延在するロッカ36が配設され、そのロッカ36の車体前方側端部には、フロントピラー38が車体上方向に一体に延設されている。また、フロントサイドメンバ14の傾斜部14Aの車体上方側には、略平板状のダッシュパネル40が設けられており、ダッシュパネル40は、車幅方向両外端部において、それぞれロッカ36やフロントピラー38等の車体骨格部材に固定されている。
以上のような構成の車体構造12において、次に車両10の前面衝突時における作用について、図3、図4を基に説明する。まず最初に、図3で示すフルラップ前面衝突について説明する。障壁(バリア)W等に車両10がフルラップ前面衝突すると、フロントバンパリインフォースメント16を介して、一対のフロントサイドメンバ14へ、その衝撃(衝突荷重)が伝達される。すると、各フロントサイドメンバ14が、その軸方向に圧縮変形し、その衝撃(衝突荷重)を吸収する(図6(B)参照)。
また、サブフレーム18のクロスメンバ22及び一対のサスペンションメンバ20の車体前方側端部も、車両10のフルラップ前面衝突によって変形し、その衝撃(衝突荷重)を吸収する。また、この場合、図3(B)で示すように、前輪42がロッカ36に干渉することがあるが、前輪42は潰れ難いホイール43(図1参照)を有しているので、その衝撃(衝突荷重)を、ホイール43を介して車体骨格部材であるロッカ36に伝達することができる。
つまり、超ショートオーバハング車両10がフルラップ前面衝突した場合には、左右一対のフロントサイドメンバ14、サスペンションメンバ20、連結部材24がそれぞれ圧縮変形すること、並びにホイール43をロッカ36に当接させることにより衝突荷重を逃がす作用が得られることから、超ショートオーバハング車両10であっても、必要なクラッシュストロークを確保することができる。したがって、車体前部側の変形が少なくて済み、乗員に対する衝突安全性能を確保することができる。
次に、図4で示すオフセット前面衝突について説明する。障壁(バリア)W等に車両10がオフセット前面衝突すると、フロントバンパリインフォースメント16を介して、一方(図示のものは左方)のフロントサイドメンバ14へ、その衝撃(衝突荷重)が伝達される。すると、左方のフロントサイドメンバ14が、その軸方向に圧縮変形し、その衝撃(衝突荷重)を吸収する(図6(B)参照)。
また、サブフレーム18のクロスメンバ22及び一方(図示のものは左方)のサスペンションメンバ20の車体前方側端部も、車両10のオフセット前面衝突によって変形し、その衝撃(衝突荷重)を吸収する。そして、このとき、図4(B)で示すように、一方(図示のものは左方)の連結部材24も変形し、左方のサスペンションメンバ20を車幅方向外側へ押し出す。
すると、その連結部材24とサスペンションメンバ20との結合部(連結部)付近におけるサスペンションメンバ20の外面には、ブラケット26を介してロアアーム30の車体後方内側の接続部30Aが枢支連結されているので、ロアアーム30の車体後方内側の接続部30Aも、その連結部材24に押されて車幅方向外側へ押し出される。これにより、潰れ難いホイール43を有する前輪42の車体後方側が、ロッカ36の車体前方より車幅方向外側へ押し出され、そのロッカ36との干渉が回避される。
つまり、超ショートオーバハング車両10がオフセット前面衝突した場合には、片側のフロントサイドメンバ14、サスペンションメンバ20、連結部材24のみが圧縮変形するので、潰れ難いホイール43を、その連結部材24により、ロッカ36の延長線上から車幅方向外側へ外すことができ、本構造が適用されていない場合にはクラッシュストロークが不足する傾向にあるが、そのクラッシュストロークを増加させることができる。したがって、超ショートオーバハング車両10であっても、オフセット前面衝突時のクラッシュストロークを確保することが可能となり、乗員に対する衝突安全性能を従来よりも向上させることができる。
次に、フロントサイドメンバ14間にエアコンディショナーユニット44が配置されている変形例について説明する。なお、上記実施例の車体構造12と同等の構成については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。図5は車体構造12の構成を示す概略斜視図であり、図5ではロアアーム30が省略されている。また、図6は車両10がフルラップ前面衝突したときの車体構造12の状態を示す概略側面図であり、図7は車両10がオフセット前面衝突したときの車体構造12の状態を示す概略平面図である。
図5〜図7で示すように、サブフレーム18の連結部材24(サスペンションメンバ20)の上面には、車幅方向が長手方向とされた円筒状のラックハウジング47を備えたステアリングギアボックス46が、ブラケット45及びボルト(図示省略)により取り付けられている。
そして、ステアリングギアボックス46(ラックハウジング47)の車幅方向両端部にはゴム製のブーツ48が設けられており、ステアリングギアボックス46(ラックハウジング47)内から車幅方向外側へ延設されたタイロッド50が、そのブーツ48から車幅方向外側へ突出されている。なお、タイロッド50の車幅方向外端部に設けられたタイロッドエンド52には前輪42が連結される。
また、ステアリングギアボックス46のラックハウジング47の所定位置には、ステアリングシャフト54の下端部に設けられたウォームギア(ピニオンギア)(図示省略)を収容する略円柱状のウォームハウジング(ピニオンハウジング)56が一体に連設されており、ウォームギアは、ラックハウジング47内で車幅方向に移動可能に支持されているラックバー(図示省略)に噛合されるようになっている。なお、このラックバーにはタイロッド50が接続されている。
また、ステアリングシャフト54は、ウォームハウジング56からダッシュパネル40を貫通して車体後方側へ所定傾斜角度で延設されたインターミディエイトシャフト54Aと、インターミディエイトシャフト54Aの上端部にユニバーサルジョイント58を介して連結されたステアリングメインシャフト54Bとを備えており、ステアリングメインシャフト54Bの上端部には、ステアリングホイール60が取り付けられている。
また、フロントサイドメンバ14間には、エアコンディショナーユニット44の駆動軸44Aが軸支されており、ステアリングシャフト54は、エアコンディショナーユニット44の駆動軸44Aの車体前方側を迂回して車体後方側へ延設されている。つまり、エアコンディショナーユニット44の駆動軸44Aは、ステアリングシャフト54よりも車体後方側に配設されている。
以上のような構成の車体構造12において、次に車両10の前面衝突時における作用について、図6、図7を基に説明する。まず最初に、図6で示すフルラップ前面衝突について説明する。障壁(バリア)W等に車両10がフルラップ前面衝突すると、フロントバンパリインフォースメント16を介して、一対のフロントサイドメンバ14へ、その衝撃(衝突荷重)が伝達される。すると、各フロントサイドメンバ14が、その軸方向に圧縮変形し、その衝撃(衝突荷重)を吸収する。
また、サブフレーム18のクロスメンバ22及び一対のサスペンションメンバ20の車体前方側端部も、車両10のフルラップ前面衝突によって変形し、その衝撃(衝突荷重)を吸収する。また、この場合、前輪42がロッカ36に干渉することがあるが、前輪42は潰れ難いホイール43(図1参照)を有しているので、その衝撃(衝突荷重)を、ホイール43を介して車体骨格部材であるロッカ36に伝達することができる。
つまり、超ショートオーバハング車両10がフルラップ前面衝突した場合には、左右一対のフロントサイドメンバ14、サスペンションメンバ20、連結部材24がそれぞれ圧縮変形すること、並びにホイール43をロッカ36に当接させることにより衝突荷重を逃がす作用が得られることから、超ショートオーバハング車両10であっても、必要なクラッシュストロークを確保することができる。したがって、車体前部側の変形が少なくて済み、乗員に対する衝突安全性能を確保することができる。
また、障壁(バリア)W等に車両10がフルラップ前面衝突した際、図6(B)で示すように、サスペンションメンバ20及び連結部材24は、車体下方側へ変形し、これによって、ステアリングギアボックス46が車体下方側へ移動する。すると、ステアリングシャフト54は、駆動軸44Aの車体前方側の周面に接触し、その駆動軸44Aに巻き掛けられるようにして(駆動軸44Aを支点として)車体下方側へ引っ張られるため、ステアリングホイール60が車体前方側へ引き込まれる(車体前方側へ移動する)。これにより、車室内の空間を広く確保することが可能となり、乗員に対する衝突安全性能を向上させることができる。
次に、図7で示すオフセット前面衝突について説明する。障壁(バリア)W等に車両10がオフセット前面衝突すると、フロントバンパリインフォースメント16を介して、一方(図示のものは右方)のフロントサイドメンバ14へ、その衝撃(衝突荷重)が伝達される。すると、右方のフロントサイドメンバ14が、その軸方向に圧縮変形し、その衝撃(衝突荷重)を吸収する(図6(B)参照)。
また、サブフレーム18のクロスメンバ22及び一方(図示のものは右方)のサスペンションメンバ20の車体前方側端部も、車両10のオフセット前面衝突によって変形し、その衝撃(衝突荷重)を吸収する。そして、このとき、図7(B)で示すように、一方(図示のものは右方)の連結部材24も変形し、右方のサスペンションメンバ20を車幅方向外側へ押し出す。
すると、その連結部材24とサスペンションメンバ20との結合部(連結部)付近におけるサスペンションメンバ20の外面には、ブラケット26を介してロアアーム30の車体後方内側の接続部30Aが枢支連結されているので、ロアアーム30の車体後方内側の接続部30Aも車幅方向外側へ押し出される。これにより、潰れ難いホイール43を有する前輪42の車体後方側が、ロッカ36の車体前方より車幅方向外側へ押し出され、そのロッカ36との干渉が回避される。
つまり、超ショートオーバハング車両10がオフセット前面衝突した場合には、片側のフロントサイドメンバ14、サスペンションメンバ20、連結部材24のみが圧縮変形するので、潰れ難いホイール43を、その連結部材24により、ロッカ36の延長線上から車幅方向外側へ外すことができ、本構造が適用されていない場合にはクラッシュストロークが不足する傾向にあるが、そのクラッシュストロークを増加させることができる。
したがって、超ショートオーバハング車両10であっても、オフセット前面衝突時のクラッシュストロークを確保することが可能となり、乗員に対する衝突安全性能を従来よりも向上させることができる。そして、この場合にも、上記と同様にして、ステアリングホイール60が車体前方側へ引き込まれる(車体前方側へ移動する)ので、車室内の空間を広く確保することが可能となり、より一層乗員に対する衝突安全性能を向上させることができる。
以上、説明したように、フルラップ前面衝突だけではなく、オフセット前面衝突のように、クラッシュストロークが必要な衝突形態の場合であっても、サブフレーム18に上記のような連結部材24を設けたことにより、そのオフセット前面衝突時に、潰れ難いホイール43を有する前輪42の位置をコントロールすることができる(車幅方向外側へ押し出すことができる)ので、そのクラッシュストロークを充分に確保することができる。したがって、超ショートオーバハング車両10であっても、乗員に対する保護性能を向上させることができる。
また、フルラップ前面衝突及びオフセット前面衝突時に、フロントサイドメンバ14が変形し、更にサブフレーム18の変形によりステアリングギアボックス46が車体下方側へ移動することにより、ステアリングシャフト54が、エアコンディショナーユニット44の駆動軸44Aに巻き掛けられるようにして車体前方側へ引っ張られるため、ステアリングホイール60を車体前方側へ移動させることができる。このため、超ショートオーバハング車両10であっても、車室内の空間を広げることができ、乗員に対する保護性能をより一層向上させることができる。
なお、連結部材24の形状は、図示の形状に限定されるものではなく、オフセット前面衝突時に、サブフレーム18(クロスメンバ22及びサスペンションメンバ20)の変形により、前輪42を車幅方向外側(ロッカ36の延長線上よりも車幅方向外側)へ押し出すことができるような形状に形成されていればよい。このように、本発明に係る車体構造12は、図示の形状に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能なものである。
車両の車体前部側を示す概略斜視図 車体構造の構成を示す概略斜視図 車両がフルラップ前面衝突したときの車体構造の状態を示す概略平面図 車両がオフセット前面衝突したときの車体構造の状態を示す概略平面図 変形例の車体構造の構成を示す概略斜視図 車両がフルラップ前面衝突したときの変形例の車体構造の状態を示す概略側面図 車両がオフセット前面衝突したときの変形例の車体構造の状態を示す概略平面図 (A)超ショートオーバハング車両の車体前部側を示す概略側面図、(B)超ショートオーバハング車両に加わる衝突荷重とクラッシュストロークの関係を示すグラフ
符号の説明
10 車両
12 車体構造
14 フロントサイドメンバ
16 フロントバンパリインフォースメント
18 サブフレーム
20 サスペンションメンバ
22 クロスメンバ
24 連結部材
30 ロアアーム
34 支持部材
36 ロッカ
38 フロントピラー
40 ダッシュパネル
42 前輪
43 ホイール
44 エアコンディショナーユニット
46 ステアリングギアボックス
47 ラックハウジング
50 タイロッド
54 ステアリングシャフト
56 ウォームハウジング
58 ユニバーサルジョイント
60 ステアリングホイール

Claims (1)

  1. 車体前後方向に延在し、車幅方向に並設された一対のフロントサイドメンバと、
    前記一対のフロントサイドメンバの車体下方側で車体前後方向に延在し、車幅方向に並設された一対のサスペンションメンバと、
    前記一対のサスペンションメンバの車体前方側を車幅方向で連結するクロスメンバと、
    前記クロスメンバと前記各サスペンションメンバとの間に車体前後方向に対して斜めに架設された一対の連結部材と、
    前記各連結部材と前記各サスペンションメンバとの連結部の車幅方向外側に車体後方内側の接続部が連結された一対のロアアームと、
    前記一対のサスペンションメンバ又は前記一対の連結部材上に架設されたステアリングギアボックスと、
    前記一対のフロントサイドメンバに軸支されたエアコンディショナーユニットと、
    を備え
    前記エアコンディショナーユニットを支持する軸が側面視で前記ステアリングギアボックスから車体後方側へ延設されるステアリングシャフトよりも車体後方側に設けられていることを特徴とする車体構造。
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