本発明は、感光体表面の温度を検出するための専用のセンサを設けずに、カウンタの値を用いて感光体の状態を判断し、印刷が可能か否かを決定することで、1回の印刷動作の中断時間を短縮させつつ画像不良の発生を防止する。
(第一の実施形態)
以下に図面を参照して本発明の第一の実施形態について説明する。図3は、第一の実施形態の画像形成装置100を説明するための図である。
本実施形態の画像形成装置100は、転写ベルト110に沿って各色のAIO(All-in-One)カートリッジ(120Bk、120M、120C、120Y)が並べられた構成を備えるものであり、所謂タンデムタイプといわれるものである。
転写ベルト110は、紙面上反時計回りに回転し、回転方向の上流側から順に複数のAIOカートリッジ(以下、画像形成部)120Bk、120M、120C、120Yが配列されている。複数の画像形成部120Bk、120M、120C、120Yは、形成するトナー画像の色が異なるだけで内部構成は共通である。画像形成部120Bkはブラックの画像を、画像形成部120Mはマゼンタの画像を、画像形成部120Cはシアンの画像を、画像形成部120Yはイエローの画像をそれぞれ形成する。
以下の説明では、画像形成部120Bkについて具体的に説明するが、他の画像形成部120M、120C、120Yは画像形成部120Bkと同様であるので、その画像形成部120M、120C、6Yについては、画像形成部120Bkの各構成要素に付したBkに替えて、M、C、Yによって区別した符号を図に表示し、説明を省略する。
転写ベルト110は、回転駆動される2次転写駆動ローラ111と転写ベルトテンションローラ112とに巻回されたエンドレスのベルトである。この2次転写駆動ローラ111は、駆動モータ(図示せず)により回転駆動させられ、駆動モータと2次転写駆動ローラ111と、転写ベルトテンションローラ112とが、転写ベルト110を移動させる駆動手段として機能する。
画像形成部120Bkは、感光体としての感光体121Bk、感光体121Bkの周囲に配置された帯電器122Bk、露光器123、現像器124Bk、クリーナーブレード125Bk等から構成されている。露光器123は、各画像形成部120Bk、120M、120C、120Yが形成する画像色に対応する露光光であるレーザ光126Bk、126M、126C、126Yを照射するように構成されている。
本実施形態では、画像形成において、感光体121Bkの外周面は、暗中にて帯電器122Bkにより一様に帯電された後、露光器123からのブラック画像に対応したレーザ光126Bkにより露光され、静電潜像が形成される。現像器124Bkは、感光体121Bkの外周面に形成された静電潜像をブラックトナーにより可視像化し、感光体121Bkの外周面上にブラックのトナー画像を形成する。
感光体121Bkの外周面上に形成されたトナー画像は、感光体121Bkと転写ベルト110とが接する位置(一次転写位置)で、一次転写ローラ127Bkの働きにより転写ベルト110上に転写される。この転写により、転写ベルト110上にブラックのトナーによる画像が形成される。トナー画像の転写が終了した感光体121Bkは、外周面に残留した不要なトナーをクリーナーブレード125Bkにより払拭された後、次の画像形成のために待機する。
以上のようにして、転写ベルト110に転写されたブラックのトナー画像は、次の画像形成部120Mに搬送される。画像形成部120Mでは、画像形成部120Bkでの画像形成プロセスと同様のプロセスにより感光体121Mの外周面上にマゼンタのトナー画像が形成され、形成されたトナー画像が転写ベルト110上に形成されたブラックの画像に重畳されて転写される。
次の画像形成部120C、120Yにおいても、同様の動作により、感光体121Cの外周面上に形成されたシアンのトナー画像と、感光体121Yの外周面上に形成されたイエローのトナー画像とが、転写ベルト110上に重畳されて転写される。こうして転写ベルト110上にフルカラーの画像が形成される。フルカラーの画像は、転写ベルト110により二次転写ローラ130の位置まで搬送される。
なお画像形成に際して、ブラックのみの印刷の場合は一次転写ローラ127M、一次転写ローラ127C、一次転写ローラ127Yは、それぞれ感光体121M、感光体121C、感光体121Yから離間された位置に退避し、前述の画像形成プロセスをブラックの場合のみ行なう。
画像形成時の用紙搬送動作に際して、給紙トレイ140に収納された用紙142は、最も上のものから給紙ローラ150を反時計回りに回転駆動させることにより順に送り出され、レジストローラ151の位置にて待機する。レジストローラ151の駆動開始は、転写ベルト110により搬送されたトナー画像と二次転写ローラ130上で、トナー画像と用紙142の位置が重なり合うようなタイミングで行なわれる。この時レジストローラ151は反時計方向に回転駆動することで用紙142を送り出す。
レジストローラ151にて送り出された用紙142は、二次転写ローラ130にて転写ベルト110上のトナー画像が転写される。その後用紙142に転写されたトナー画像は、定着器160にて熱および圧力にて用紙142に定着される。そして用紙142は、用紙142が排出される方向(以下、排出方向)に回転駆動された排紙ローラ170にて画像形成装置100の外部に排紙される。
また両面印刷を行なう場合は、用紙142が排紙ローラ170を通過する手前で、排紙ローラ170を排出方向と逆方向に回転駆動させて用紙142を両面搬送経路に搬送する。両面搬送経路に搬送された用紙142は両面ローラ180を経由し、再びレジストローラ151まで搬送される。レジストローラ151に到達した用紙142は、再びレジストローラ151から再給紙され、二次転写ローラ130にて先ほどと逆側の用紙面にトナー画像が転写される。転写されたトナー画像は、定着器160にてト熱および圧力にて用紙142に定着され、排出方向に回転駆動された排紙ローラ170にて画像形成装置100の外部に排紙される。
次に図4を参照して本実施形態の画像形成装置100の機能構成を説明する。図4は、第一の実施形態の画像形成装置100の機能構成を説明するための図である。
画像形成装置100は、制御機構(エンジンボード)200、コントローラ210、感光体駆動モータ220、温度低下部230、定着温度検出部240、機外温度測定部250を有する。
制御機構200は、画像形成装置100の動作を制御する為のものであり、演算処理部260、ROM(Read-Only Memory)261、RAM(Random Access Memory)262、A/D(Analog/Digital)変換機263、不揮発メモリ270、ドライバ271を有する。
演算処理部260は、画像形成装置100を機能させるためのCPU(Central Processing Unit)である。ROM261は、プログラムなどを格納した固定記憶装置である。RAM262は、演算処理部260の主記憶装置であり、カウント部264を含む。
本実施形態の演算処理部260は、ROM261に格納された印刷動作制御プログラムを実行させることにより、以下のフローチャートで説明する処理を実現する。尚印刷動作制御プログラムは、記憶媒体272に記憶されていても良い。印刷動作制御プログラムは、ドライバ271により記憶媒体272からドライブされてRAM262へ格納され、演算処理部260により実行されても良い。
尚、記憶媒体272は、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)等のコンピュータが読み取り可能な媒体であればよい。画像形成装置100が外部とのネットワーク通信を行う通信ユニットを有する場合には、印刷動作制御プログラムを通信ユニットによってネットワークを介してダウンロードし、RAM264にインストールするようにしても良い。また、画像形成装置100が外部記憶装置との接続を行うUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを有する場合には、USB接続によって外部記憶媒体から印刷動作制御プログラムを読み込んでもよい。
A/D変換機263は、演算処理部260に内蔵されており、定着温度測定部240及び機外温度測定部250で測定した温度をデジタルに変換する装置である。
カウント部264は、RAM262の一部であり、演算処理部260が感光体駆動モータ220の駆動状態に応じて加減算した結果のカウント値Cが格納される。具体的には本実施形態の演算処理部260は、感光体駆動モータ220が駆動している場合にカウント値Cの加算を行い、感光体駆動モータ220が停止しているときカウント値Cの減算を行う。
本実施形態の演算処理部260は、画像形成装置100の状態に合わせてカウント値の加算又は減算を行う。例えば本実施形態の演算処理部260は、両面印刷を行っている場合にはカウント値を2カウント加算し、片面印刷やウォームアップ動作を行っている場合にはカウント値を1カウント加算する。ウォームアップ動作とは、画像形成装置100の電源の投入後又はスリープモード等の省エネルギーモードからの復帰後、画像形成装置100による印刷動作を可能とするための準備動作である。
また本実施形態の演算処理部260は、感光体駆動モータ220が停止している場合は、例えば画像形成装置100の機内温度に合わせたカウント値Cの減算を行う。
RAM262には、後述するカウント値計算用バッファCbuffと、定着温度格納バッファTfusとが設けられている。カウント値計算用バッファCbuffには、カウント値Cを計算する際の初期値となる値が格納されている。定着温度格納バッファTfusには、画像形成装置100の電源投入時及びスリープ等の省エネモードから復帰する時に定着温度検出部240により検出された定着器160の温度が格納される。
またRAM262のカウント部264には、印刷動作を中断するか否かを判断するために用いる閾値が予め記憶されている。演算処理部260は、この閾値と、加減算されたカウント値Cとを比較して、印刷動作を中断するか否かを判断する。
尚本実施形態における印刷動作の中断とは、1ページの印刷が完了してから次のページの印刷が開始されるまでの間に発生するものである。よって、印刷動作が中断されたとき、用紙は画像形成装置100の内部を通過して排紙ローラ170により画像形成装置100の機外へ排出されている。尚以下の本実施形態では、用紙が画像形成装置100内を通過することを通紙と呼ぶ。
不揮発メモリ270は、不揮発性の記憶手段である。
以下に本実施形態のカウント部264に格納されたカウント値Cと閾値について説明する。
本実施形態のカウント値Cは感光体表面温度と対応した値である。RAM262のカウント部264には、カウント上限値Cmax、印刷禁止閾値C1、印刷許可閾値C2が予め設定されている。尚RAM262は、揮発性の領域とNVRAM(Non Volatile RAM)等の不揮発の領域とを有し、加減算されるカウント値Cは揮発性の領域、閾値は不揮発性の領域にそれぞれ格納されている。
カウント上限値Cmaxは、感光体表面温度が上限に達し、感光体表面温度が飽和した状態におけるカウント部264のカウント値Cを示している。したがってカウント部264のカウント値Cがカウント上限値Cmaxである場合には、感光体表面温度が上限に達していることがわかる。
印刷禁止閾値C1は、感光体表面温度の上昇を抑制するための値である。本実施形態のカウント部264のカウント値Cが、印刷禁止閾値C1以上であった場合には、感光体表面温度が所望以上の割合で上昇していることがわかる。
印刷許可閾値C2は、印刷動作を再開するか否かを判断するための閾値である。
よって本実施形態の演算処理部260は、例えばカウント部264のカウント値Cがカウント上限値Cmaxであった場合、感光体表面温度が飽和した状態であると判断する。また演算処理部260は、カウント部264のカウント値Cが印刷禁止閾値C1以上であった場合には画像不良が発生する状態と判断する。また演算処理部260は、カウント部264のカウント値Cが印刷許可閾値C2未満であった場合には画像不良が発生しない状態と判断する。
カウント上限値Cmax、印刷禁止閾値C1、印刷許可閾値C2は、例えば図5に示す曲線51に示される感光体表面温度と時間との関係に基づき設定され、RAM262のカウント部264へ記憶されても良い。図5は、第一の実施形態における印刷中感光体表面温度の温度上昇を示す図である。曲線51、52の原点は、感光体表面温度が28℃の状態である。曲線51は、感光体表面の温度上昇に対する対策を講じていない場合の温度上昇の状態を示している。曲線52は、後述するカウント値Cの制御により感光体表面の温度上昇に対する対策を講じた場合の温度上昇の状態を示している。尚図5に示す曲線51、52は、感光体表面温度が28℃の状態から感光体駆動モータ220をオンする実験を行った結果として得られた実験値である。
図5によれば、感光体表面温度の上昇にかかる時間等が予測できる。よって本実施形態では、感光体温度の上昇のカーブに合わせて、カウント上限値Cmax、印刷禁止閾値C1、印刷許可閾値C2を設定することができる。本実施形態では、カウント上限値Cmax=2500、印刷禁止閾値C1=2400、印刷許可閾値C2=2040とした。
以下に、カウント上限値Cmax、印刷禁止閾値C1、印刷許可閾値C2の根拠について説明する。
図5の曲線51によれば、感光体表面温度が28℃の状態で感光体駆動モータ220をオンとしてから40分経過すると、感光体表面温度は約15℃上昇して43℃となる。例えば本実施形態の演算処理部260が1秒毎に加算をする場合には、感光体駆動モータ220がオンされてから2400回加算を実行したとき感光体表面温度は43℃に達することになる。本実施形態では、感光体表面温度が44℃に到達すると画像不良が発生するため、画像不良を起こさずに印刷できる感光体表面温度の最高温度を43℃とし、感光体表面温度が43℃に到達したら印刷を禁止するものとした。印刷禁止閾値C1=2400は、例えば演算処理部260が秒毎にカウント値1を加算するものとしたときの感光体表面温度が28℃から43℃へ達するまでの時間と対応した値である。
カウント上限値Cmax=2500は、例えば演算処理部260が1秒毎に2以上のカウント値Cを加算する場合等に対応しており、感光体表面温度が43℃以上であることを示す。印刷許可閾値C2=2040の根拠については後述する。
図4に戻って、コントローラ210は、演算処理部260に対する印刷指示や画像処理を行う為の装置である。コントローラ210は、印刷を指示する信号である印刷要求信号211を演算処理部260に対して送信する。印刷要求信号211は、印刷1枚あたり必ず1回オンオフされる。
またコントローラ210は、演算処理部260との間で、コントローラ210と演算処理部260とが通信を行う為の信号である通信信号212の送受信を行う。尚本実施形態のコントローラ210は、印刷要求信号211をオンする前に必ず片面印刷もしくは両面印刷のどちらを行うかを通信信号212によって演算処理部260に伝える。
またコントローラ210は、画像形成装置100が印刷可能状態であるか否かを示す印刷許可信号213を演算処理部260から受信する。本実施形態の演算処理部260は、画像形成装置100が印刷可能状態である場合、ハイレベル(以下、Hレベル)の信号をコントローラ210へ送信する。また本実施形態の演算処理部260は、画像形成装置100が印刷不可能状態である場合、ローレベル(以下、Lレベル)の信号をコントローラ210へ送信する。すなわち本実施形態では、印刷許可信号213がオンの場合に印刷動作が可能となり、印刷許可信号213がオフの場合に印刷動作が不可能となる。本実施形態では、演算処理部260は、画像形成装置100が印刷要求を受けて印刷要求信号211がオンとされ、且つ印刷許可信号213がオンの場合に、印刷動作を実行する。また本実施形態の演算処理部260は、印刷要求信号211がオンとされている間に印刷許可信号213がオフとなったとき、印刷動作を中断させる。また本実施形態では、上記印刷動作の上記中断中に印刷許可信号213がオンとなると、演算処理部260は上記印刷動作を再開させる。
感光体駆動モータ220は、演算処理部260からオン及びオフの動作指示を受けて回転及び停止するモータである。感光体駆動モータ220は、ROM261に格納されたプログラムを演算処理部260が実行することにより、印刷やウォーミングアップ動作において、必要なタイミングでオン/オフが制御される。
感光体駆動モータ220は、演算処理部260からオン指示を受けると駆動する。感光体駆動モータ220が駆動すると、メカ機構にて感光体121及び現像器124へ駆動力が伝達される。感光体駆動モータ220は、演算処理部260からオフ指示を受けると、駆動を停止する。感光体駆動モータ220が駆動を停止すると、感光体120及び現像器124の駆動も停止する。尚本実施形態では、感光体駆動モータ220が駆動している間は感光体121と現像器124に摩擦熱が発生し、感光体表面温度が上昇する。
温度低下部230は、例えば画像形成装置100内部の熱を下げる為のファンモータである。温度低下部230は、演算処理部260から動作指示によりオン/オフが制御される。温度低下部230は、演算処理部260からオン指示を受けると回転を開始し、画像形成装置100内にこもった熱を循環または機外へ排出させて画像形成装置100内の温度を低下させる。
定着温度検出部240は、例えば定着器160の温度(図示しない定着ローラ表面温度)を検出する為のサーミスタである。定着温度検出部240は、演算処理部260の動作中は常に温度検出を行っている。機外温度測定部250は、画像形成装置100の外装部に取り付けられ、画像形成装置100の外の温度を測定する温度センサである。
次に、図6を参照して本実施形態の画像形成装置100におけるカウント値の加減算について説明する。図6は、第一の実施形態におけるカウント値の加減算を説明するための第一のフローチャートである。尚図6に示す動作は、画像形成装置100がオンされてから1秒毎に実行されるループである。
本実施形態の画像形成装置100において、制御機構200の演算処理部260は、感光体駆動モータ220がオンしているか否かを判断する(ステップS601)。ステップS601において、感光体駆動モータ220がオンの場合、ステップS602へ進む。ステップS601において感光体モータ220がオフの場合、後述するステップS615へ進む。
感光体駆動モータ220がオンの場合、演算処理部260は、カウント部264のカウント値Cがカウント上限値Cmax以上になっている否かを確認する(ステップS602)。ステップS602においてカウント部264のカウント値Cがカウント上限値Cmax未満である場合、演算処理部260は、画像形成装置100が印刷動作中か否かを判断する(ステップS603)。
ステップS602において、カウント部264のカウント値Cがカウント上限値Cmax以上であった場合、演算処理部260は、カウント部264のカウント値Cをカウント上限値Cmaxに書き換え(ステップS604)、後述するステップS609へ進む。
ステップS603において印刷動作中である場合、演算処理部260は印刷動作が両面印刷動作であるかどうかを判断する(ステップS605)。ステップS603において印刷動作中でない場合、演算処理部260はカウント値Cに1を加算した値をカウント部264へ記憶し(ステップS606)、後述するステップS609へ進む。
ステップS605において印刷動作が両面印刷であった場合、カウント値Cに2を加算した値をカウント部264へ記憶する(ステップS607)。ステップS605において印刷動作が両面印刷でない場合、即ち片面印刷である場合、演算処理部260はカウント値Cに1を加算した値をカウント部264へ記憶し(ステップS608)、後述するステップS609へ進む。
ここで、感光体表面の温度を上昇させる要因は様々である。例えばウォームアップ動作など転写材を通紙しない場合と、転写材を通紙させる印刷動作の場合とでも温度の上昇の度合いが異なる。さらに印刷動作を行う場合、片面印刷、両面印刷等の処理において、毛(ブラシ)等の機内構造上、風の流れ等により温度の上昇度合いが異なる。よって画像不良の発生するタイミングが一律ではない。
感光体表面温度の上がり方は、両面印刷>片面印刷>ウォームアップ動作の順で早く、下がり方はこの逆順になる。これは、印刷中の用紙が機内風の吹き出し口を塞ぎ機内に熱が篭もる為である。両面印刷では、出力速度を向上させるために用紙が2枚機内に存在する場合があり、特に機内に熱がこもりやすく感光体表面温度の上がり方も早い。尚図6に示すフローチャートでは、カウンタ値を整数としなければならない都合上、片面印刷中及びウォームアップ動作中の場合には、同じ1カウントずつ加算させる構成としている。
したがって、画像形成装置100の動作状況に応じてカウント値が可変となり、より適切にカウント値をカウントすることができる。
演算処理部260は、カウント部264に記憶されたカウント値Cが印刷禁止閾値C1以上であるか否かを判断する(ステップS609)。
ステップS609においてカウント値Cが印刷禁止閾値C1未満である場合、演算処理部260は印刷許可信号213をオフせずに処理を終了する。
ステップS609においてカウント値Cが印刷禁止閾値C1以上であった場合、演算処理部260は、機外温度測定部250により画像形成装置100外の温度を測定し、機外温度が27℃以上か否かを判断する(ステップS610)。
ステップS610において機外温度が27℃以上である場合、演算処理部260は、再度画像形成装置が印刷動作中か否かを判断する(ステップS611)。ステップS610において、機外温度が27℃未満の場合は、演算処理部260は印刷動作の中断の制御を行わない。本実施形態では、図5に示すように感光体表面温度が28℃の状態から所定時間が経過すると画像不良を生じる状態に陥る。したがって感光体表面温度が27℃未満の場合には、画像不良を生じる可能性は低くなる。通常感光体表面温度は、画像形成装置100内の各装置の発熱により画像形成装置100の機外温度に比べて高くなる。
以上を考慮して、本実施形態では、機外温度が27℃未満の場合には感光体表面温度は43℃まで到達する可能性は低いものとして制御を行わない。
ステップS611において印刷動作中の場合、演算処理部260は、印刷動作が両面印刷か片面印刷かを判断する(ステップS612)。ステップS611において印刷動作中でない場合、演算処理部260は、印刷許可信号213をオフにし、印刷動作を禁止させる(ステップS613)。
ステップS612において、演算処理部260は、両面印刷と判断した場合、画像形成装置100内に用紙が残っているか否かを判断する(ステップS614)。ステップS612において両面印刷ではなく片面印刷であった場合、ステップS613へ進み、印刷許可信号213をオフにして印刷動作を中断する。
ステップS614において通紙していない場合、演算処理部260は、ステップS613において印刷許可信号213をオフにして印刷動作を中断する。ステップS614において画像形成装置100内に用紙が残っている場合、演算処理部260は印刷許可信号213をオフせずに処理を終了する。
ステップS601において感光体モータ220がオフの場合、演算処理部260は、カウント値Cが印刷許可閾値C2以上であるか否かを判断する(ステップS615)。ステップS615において、カウント値Cが印刷許可閾値C2以上であった場合、感光体表面温度と機外温度との差が大きく、感光体表面温度の下降速度が速くなる。よって演算処理部260は、カウント値Cから6を減算し(ステップS616)、印刷許可信号213をオフせずに処理を終了する。
尚本実施形態において印刷許可閾値C2=2040とした理由は、感光体表面温度の下降速度が速い状態で1分間経過したときの値(2400−6×60[秒])を印刷許可閾値C2とすれば、感光体表面温度の下降速度が通常の場合でも感光体表面温度が43℃以下となると推測されるためである。
ステップS615においてカウント値Cが印刷許可閾値C2未満であった場合、演算処理部260は、印刷許可信号213がオフか否かを判断する(ステップS617)。
ステップS617において、印刷許可信号213がオフだった場合、演算処理部260は印刷許可信号213をオンとする(ステップS618)。ステップS617において印刷許可信号213がオンだった場合、後述するステップS619へ進む。
印刷許可信号213がオンのとき、演算処理部260はカウント値Cから1を減算する(ステップS619)。次に演算処理部260は、カウント値Cが0より小さいか否かを判断する(ステップS620)。カウント値が0より小さい場合、演算処理部260は、カウント値Cを0とし(ステップS621)、処理を終了する。ステップS620においてカウント値Cが0より大きい場合、演算処理部260は処理を終了する。
本実施形態では、以上のようにカウント部264のカウント値Cを制御することで、図5に示す曲線52のように、感光体表面温度の上昇を緩やかにさせることができる。また図5に示すように、感光体表面温度は43℃で平衡状態となり、連続印刷を行っても画像不良が発生する温度である44℃には到達しない。
これは、ステップS606からステップS608でカウント値Cに加算される値が、実際の感光体表面温度の上昇の勾配よりも急勾配になるように設定されているためである。本実施形態のカウント値Cの加減算においてカウント値Cに加算される値は、例えば一秒間に上昇する感光体表面温度と対応する値よりも大きい値としている。よってカウント値Cに従って印刷動作の中断の制御を行えば、実際の感光体表面温度の上昇の勾配よりも急勾配な温度上昇に基づき制御することとなる。
また本実施形態では、印刷動作を中断してからカウント値Cが印刷許可閾値C2となるまでカウント値Cをカウントダウンし、このカウントダウンの間に感光体表面温度を降下させる。よって本実施形態では、感光体表面温度を常に画像不良が起こらない温度に保つことができる。
尚本実施形態の画像形成装置100は、図6のステップS613において印刷許可信号213がオフとされ、印刷動作が中断された場合でも、図示しない原稿読み取り機器へコントローラ210から原稿読み取り指示を送り、原稿読み取り動作を継続させても良い。本実施形態では、原稿読み取り機器は、画像形成装置100とは別に単独で制御可能な構成になっており、コントローラ210からの原稿読み取り指示によって原稿読み取り動作を実施する。そのため画像形成装置100の動作に関わらず原稿の読み取りのみ先行して行うことができる。
次に、図7を参照して本実施形態の画像形成装置100におけるカウント値Cの加減算の別の動作を説明する。図7は、第一の実施形態におけるカウント値の加減算を説明するための第二のフローチャートである。図7で説明する処理は、画像形成装置100の電源投入時及びスリープ等の省エネモードから復帰する時に1回行われる。本実施形態では、図7の処理が終了すると、図6に示す1秒間毎にループする処理へ移行する。
図7に示す処理では、画像形成装置100が電源オフされてから又は省エネモードとなってから経過した時間を定着器160の温度変化により推定し、推定された時間をカウント値Cへ反映させる。
演算処理部260は、RAM262に設けられたカウンタ初期値格納バッファCiniに、不揮発メモリ270に保存したカウント値Cを保存する(ステップS701)。不揮発メモリ270に保存したカウント値Cとは、画像形成装置100が電源オフされたとき又は省エネモードになったときのカウント値である。次に演算処理部260は、定着温度検出部240により検出された定着温度をRAM262に設けられた定着温度格納バッファTfusに保存する(ステップS702)。
演算処理部260は、ステップS703〜ステップS710において、定着温度格納バッファTfusの温度に対応したカウント値をカウント値計算用バッファCbuffへ格納していく。例えば演算処理部260は、定着温度格納バッファTfusの温度が50℃より大きいか確認する(ステップS703)。ステップS703において定着温度格納バッファTfusの温度が50℃より大きい場合、ステップS704へ進む。ステップS703において定着温度格納バッファTfusの温度が演算処理部260は、RAM262に設けられたカウント値計算用バッファCbuffに2400を入れ(ステップS705)、後述するステップS712へ進む。
演算処理部260は、ステップS704〜ステップS710についても同様の処理を行う。
ステップS708において定着温度格納バッファTfusの温度が120℃より大きい場合、演算処理部260は、電源オフされてから又は省エネモードとなってからの経過時間がごく僅かのため考慮しないものと、カウント値Cに、カウンタ初期値格納バッファCiniの値を反映させる(ステップS711)。
演算処理部260は、カウンタ初期値格納バッファCiniとカウント値計算用バッファCbuffの大小関係を確認する(ステップS712)。
ステップS712においてカウンタ初期値格納バッファCiniの値がカウント値計算用バッファCbuff以下の場合、カウント値Cに0を入れ(ステップS713)、ステップS715へ進む。ステップS712においてカウンタ初期値格納バッファCiniの方が大きい場合、演算処理部260は、カウント値Cにカウンタ初期値格納バッファCiniとカウント値計算用バッファCbuffの差分を入れ(ステップS714)、ステップS715へ進む。
演算処理部260は、カウント値Cが印刷許可閾値C2以上か否かを確認する(ステップS715)。ステップS715においてカウント値Cが印刷許可閾値C2以上である場合、演算処理部260は印刷許可信号213をオフにして、コントローラ210に対して印刷動作を禁止し、印刷動作を中断させる(ステップS716)。ステップS715においてカウント値Cが印刷許可閾値C2より小さい場合、演算処理部260は、印刷許可信号213をオンにしてコントローラ210に対して印刷動作を許可する(ステップS717)。ステップS716又はステップS717の処理が完了すると、演算処理部260は図6の(A)へ戻り、図6の処理を実行する。
図8は、電源オフ後の定着温度推移を示す図である。例えば本実施形態の定着器160の定着温度を200℃とした場合、図8に示すように、電源投入時の定着温度が120℃なら電源オフからおよそ5分後、90℃ならおよそ10分後であることを示している。本実施形態では、電源オフされてから又は省エネモードとなってから経過した時間に対応した減算値を電源オフ前に保存したカウント値Cに反映するよう処理している。
すなわち、定着温度が50℃の場合は、電源オフ又は省エネモードとなってから経過した時間は40分である。よってカウント値Cは、電源オフ又は省エネモードとなったときのカウント値Cから40×60[秒]=2400を減算した値となる。その他の定着温度についても同様である。
感光体表面温度は、定着時に発生する熱に依存する。よって本実施形態では、定着温度の状態をカウント値Cに反映させることにより、画像形成装置100の電源がオン/オフされても、感光体表面温度の状態を再現させることができる。
次に図9を参照して本実施形態の画像形成装置100における温度低下部230の制御について説明する。図9は、第一の実施形態における温度低下部230の制御を説明するフローチャートである。
本実施形態の温度低下部230は、例えば画像形成装置100内部の熱を下げる為のファンモータ等であり、図9で説明する制御は5ms毎に実行される。
本実施形態の画像形成装置100において、演算処理部260は、感光体駆動モータ220がオンしているか否かを確認する(ステップS901)。ステップS901において感光体駆動モータ220がオンしていた場合、演算処理部260は、温度低下部230(以下、ファンモータ230)をオンさせる(ステップS902)。
ステップS901において感光体駆動モータ220がオフしていた場合、演算処理部260は、印刷許可信号213がオフか否かを判断する(ステップS903)。ステップS903において印刷許可信号213がオフの場合、演算処理部260はステップS902へ進み、ファンモータ230をオンさせる。感光体駆動モータ220がオフであり且つ印刷許可信号213がオフの場合、画像形成装置100の機内温度が上昇している可能性がある。よって本実施形態の演算処理部260は、ファンモータ230をオンさせて画像形成装置100の機内温度を下げる。
ステップS903において印刷許可信号213がオンの場合、演算処理部260はファンモータ230をオフさせる(ステップS904)。
このように本実施形態では、印刷許可信号213のオン/オフに基づきファンモータ230のオン/オフを制御することで、感光体駆動モータ220がオフのときの画像形成装置100の状態に応じてファンモータ230を制御できる。すなわち本実施形態では、感光体駆動モータ220がオフであり且つ印刷許可信号213がオフの場合、画像形成装置100の機内温度の上昇により感光体駆動モータ220がオフされていることがわかる。よって演算処理部260はファンモータ230をオンとする。
また感光体駆動モータ220がオフであり且つ印刷許可信号213がオンの場合、印刷要求がないために感光体駆動モータ220がオフされていることがわかる。よって演算処理部260はファンモータ230をオフとする。尚本実施形態の画像形成装置100では、正常状態における待機時の印刷許可信号213はオンであるものとした。
上記制御により、印刷許可信号213がオフである場合にのみファンモータ230を駆動させて画像形成装置100内部の熱を下げ、感光体表面温度を低下させることができる。
次に図10を参照して本実施形態における画像調整処理の制御について説明する。図10は、第一の実施形態における画像調整処理を説明するフローチャートである。
以下に画像調整処理について説明する。本実施形態の画像調整処理とは、温湿度の変化による作像プロセス条件の変化を検知し、プロセス条件を最適化し安定した画像を提供する為の処理である。画像調整処理は、例えば画像形成装置100内部の温湿度の変化を検知すると、コントローラ210から制御機構200に対して画像調整処理実行要求が出される。
通常、感光体表面温度が高い場合に画像調整処理を実行すると、画像が乱れる。その結果、画像調整が正しく行われない可能性がある。そこで本実施形態の画像形成装置100では、感光体表面温度が高い場合は画像調整処理を実行しないようにした。尚図10に示す処理は、5ms毎に起動されて実行される。
本実施形態の画像形成装置100において、演算処理部260は、画像調整処理の実行要求があるか否かを確認する(ステップS1001)。ステップS1001において画像調整処理の実行要求がない場合、演算処理部260は処理を終了する。
ステップS1001において画像調整処理の実行要求がある場合、演算処理部260は印刷許可信号213がオンか否かを判断する(ステップS1002)。ステップS1002において印刷許可信号213がオンの場合、演算処理部260は画像調整処理を実行する(ステップS1003)。ステップS1002において印刷許可信号213がオフの場合、演算処理部260は処理を終了する。
本実施形態では、感光体表面温度が閾値よりも高く場合ならないように印刷許可信号213をオフさせる。そこで本実施形態では、画像調整処理の実行要求があった場合、印刷許可信号213がオンのときのみ画像調整処理を実行することで、感光体表面温度が高い場合に画像調整処理を実行しないようにすることができる。
次に図11を参照して本実施形態におけるカウント部264のカウント値Cを不揮発メモリ270へ保存する処理を説明する。図11は、第一の実施形態においてカウント値Cを不揮発メモリ270へ保存する処理を説明するフローチャートである。以下に説明する図11の処理は、1秒毎に起動されて実行される。
本実施形態の画像形成装置100において、演算処理部260は、コントローラ210からの印刷要求信号211がオンしているか否かを判断する(ステップS1101)。ステップS1101において印刷要求信号211がオンしている場合、演算処理部260はカウント値Cの値を不揮発メモリ270へ保存する(ステップS1102)。ステップS1101において印刷要求信号211がオフの場合、演算処理部260は、感光体駆動モータ220がオンしているか否かを判断する(ステップS1103)。
ステップS1103において感光体駆動モータ220がオンしていた場合、演算処理部260は感光体駆動モータオンフラグFmotをセット(1)する(ステップS1104)。ステップS1103において感光体駆動モータ220がオフしていた場合え、演算処理部260は、感光体駆動モータオンフラグFmotがセットされているか否かを判断する(ステップS1105)。
ステップS1105において感光体駆動モータオンフラグFmotがセットされている場合、演算処理部260は、感光体駆動モータオンフラグFmotをリセット(0)する(ステップS1106)。そして演算処理部260は、カウント値Cを不揮発メモリ270へ保存する(ステップS1107)。
ステップS1105において感光体駆動モータオンフラグFmotがセットされていない場合、演算処理部260は、画像形成装置100が現在印刷動作中であるか又はその他の動作中であるかを判断する(ステップS1108)。尚その他の動作とは、例えばウォームアップ動作やエラー処理動作、待機モードでの動作等である。
ステップS1108において画像形成装置100がその他の動作中の場合、演算処理部260は、カウント値Cの値が300であるか否かを判断する(ステップS1109)。ステップS1109においてカウント値Cが300であった場合、演算処理部260はカウント値Cを不揮発メモリ270に保存する(ステップS1110)。ステップS1108において画像形成装置100が印刷動作中である場合、演算処理部260はカウント値Cの保存処理を終了する。
ステップS1109においてカウント値Cが300でない場合、演算処理部260はカウント値Cが600であるか否かを判断する(ステップS1111)。ステップS1111においてカウント値Cが600であった場合、演算処理部260はステップS1110へ進む。
ステップS1111においてカウント値Cが600でない場合、演算処理部260はカウント値Cが1200であるか否かを判断する(ステップS1112)。ステップS11112においてカウント値Cが1200であった場合、演算処理部260はステップS1110へ進む。
ステップS1112においてカウント値Cが1200でない場合、演算処理部260はカウント値Cが2400であるか否かを判断する(ステップS1113)。ステップS11113においてカウント値Cが2400であった場合、演算処理部260はステップS1110へ進む。ステップS1113においてカウント値Cが2400でない場合、演算処理部260はカウント値Cの保存処理を終了する。
本実施形態では、以上の処理により、カウント部264のカウント値Cを不揮発メモリ270へ保存し、保持することができる。
また本実施形態の画像形成装置100では、カウント部264によるカウント値Cを用いて制御される印刷動作の中断を無効とすることもできる。本実施形態の画像形成装置100では、コントローラ210から受ける通信信号212により、印刷動作の中断の有効又は無効が設定される。以下に図12を参照して印刷動作の中断の設定を有効又は無効にする設定について説明する。図12は、第一の実施形態において印刷動作の中断の設定を説明するフローチャートである。図12で説明する処理は、コントローラ210から通信信号212により印刷動作の中断を有効又は無効とする通知を受けたとき、起動されて実行される。尚印刷動作の中断を有効又は無効にする設定は、例えばユーザにより行われても良い。
本実施形態の画像形成装置100において、演算処理部260は、コントローラ210からの通信信号212により通知された設定内容が印刷動作の中断を有効とする設定か否かを判断する(ステップS1201)。ステップS1201において印刷動作の中断を有効とする設定である場合、演算処理部260は、RAM262に確保した記憶領域であるPRN_STOPに1を代入する(ステップS1202)。ステップS1201において印刷動作の中断を無効とする設定である場合、演算処理部260は、RAM262に確保したPRN_STOPに0を代入する(ステップS1203)。演算処理部260は、RAM262に確保したPRN_STOPの値を不揮発メモリ270に保存する(ステップS1204)。
次に、図13を参照して印刷動作の中断の有効又は無効の設定を読み出す処理を説明する。図13は、第一の実施形態において印刷動作の中断の設定を読み出す処理を説明するフローチャートである。尚図13で説明する処理は、画像形成装置100の電源投入時もしくはスリープ復帰時の直後に一度だけ実行される。
画像形成装置100において演算処理部260は、不揮発メモリ270から印刷動作の中断の設定の内容を読み込む(ステップS1301)。演算処理部260は、読み込んだ印刷動作の中断の設定が有効(1)か否かを判断する(ステップS1302)。
ステップS1302において設定が有効である場合、演算処理部260は、RAM262に確保したPRN_STOPに1を代入する(ステップS1303)。ステップS1302において設定が無効である場合、演算処理部260は、RAM262に確保したPRN_STOPに0を代入する(ステップS1304)。
以上に説明したように本実施形態の画像形成装置100では、演算処理部260は、カウント部264のカウント値Cに基づき印刷動作を中断するか否かを判断する制御を行う。このため本実施形態の画像形成装置100では、温度センサを用いずに感光体表面温度の状態に合わせて印刷動作を中断することができ、低コストで且つ感光体表面温度の上昇による画像不良の発生を防止することができる。また本実施形態によれば、1回当たりの中断動作(ダウンタイム)の時間を短縮することができ、長時間の中断動作により生じる生産性の低下を軽減することができる。この効果は、特に1回当たりの印刷枚数の少ないローエンドユーザに対して有用である。
(第二の実施形態)
以下に図面を参照して本発明の第二の実施形態について説明する。本発明の第二の実施形態では、画像形成装置100の機種を考慮した制御を行う点が第一の実施形態と相違する。よって以下の第二の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点についてのみ説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
本実施形態では、画像形成装置100の機種を判別する。本実施形態の画像形成装置100では、画像形成装置100の機種を示す機種情報が工場出荷時に不揮発メモリ270に書き込まれている。本実施形態の機種情報とは、画像形成装置100が印刷動作以外の機能も実現できる複合機であるか、又は印刷動作のみを行うプリンタであるかを示す情報である。
図14は、第二の実施形態において画像形成装置100の機種を判別する処理を説明するフローチャートである。図14に示す処理は、画像形成装置100の電源投入時もしくはスリープ復帰時の直後に一度だけ実行される。
本実施形態において演算処理部260は、不揮発メモリ270から機種情報を読み込む(ステップS1401)。演算処理部260は、読み出した機種情報に基づき、画像形成装置100がプリンタかどうかを判断する(ステップS1402)。
ステップS1402において画像形成装置100がプリンタであった場合、演算処理部260は、RAM262に確保した記憶領域であるKISYUに0を代入する(ステップS1403)。本実施形態では、KISYUに代入された値を機種情報とする。ステップS1402において画像形成装置100が複合機である場合、演算処理部260は、RAM262に確保したKISYUに1を代入する(ステップS1404)。
次に、本実施形態の印刷動作の中断について説明する。本実施形態では、印刷動作の中断の制御においてカウント値Cの加減算を行う際に、画像形成装置100の機種に応じた値を用いる。
本実施形態の画像形成装置100では、機種情報とカウント値Cに加算される加算値とが対応付けられた加算値テーブル15と、機種情報とカウント値Cから減算される減算値とが対応付けられた減算値テーブル16とが不揮発メモリ270に記憶されている。以下に図15を参照して加算値テーブル15と減算値テーブル16について説明する。
図15は、加算値テーブル15及び減算値テーブル16の一例を示す図である。加算値テーブル15では、機種情報と、両面印刷時に加算する加算値、片面印刷時に加算する加算値、印刷動作以外の時に加算する加算値がそれぞれ対応付けられている。減算値テーブル16では、機種情報と、カウント値Cが印刷許可閾値C2以上の場合の減算値、カウント値Cが印刷許可閾値C2未満の場合の減算値とが対応付けられている。
本実施形態では、図15に示す加算値テーブル15と減算値テーブル16とを参照して印刷動作の中断を制御する。
以下に図16を参照して本実施形態における印刷動作の中断の制御について説明する。図16は、第二の実施形態におけるカウント値の加減算を説明するための第一のフローチャートである。
図16のステップS1601からステップS1604までの処理は図6のステップS601からステップS604までの処理と同様であるから説明を省略する。
ステップS1603において印刷動作中でない場合、演算処理部260は、加算値テーブル15を参照し、カウント値CにNOT_PRN[KISYU]に対応する値を加算する(ステップS1606)。例えば本実施形態の画像形成装置100の機種が複合機の場合、KISYUに代入される値は1である。よって演算処理部260は、図15に示す加算値テーブル15のKISYU=1のNOT_PRN[KISYU]に対応する値である2をカウント値Cに加算する。
ステップS1605において両面印刷であった場合、演算処理部260は、加算値テーブル15を参照し、カウント値CにDUP[KISYU]に対応する値を加算する(ステップS1607)。ステップS1605において両面印刷でなく片面印刷であった場合、演算処理部260は、カウント値CにSIMP[KISYU]に対応する値を加算する(ステップS1608)。
ステップS1609からステップS1614までの処理は、ステップS1609、1610、1614、1615における判定結果がNoの場合を除き、図6のステップS609からステップS614までの処理と同様であるから説明を省略する。
ステップS1614において通紙した場合、演算処理部260は、RAM262のPRN_STOPの内容が1(印刷動作中断の設定が有効)であるか否かを判断する(ステップS1615)。ステップS1615で印刷動作の中断の設定が有効であった場合、演算処理部260はステップS1613へ進む。
またステップS1609においてカウント値Cが印刷禁止閾値C1未満の場合、ステップS1610において機外温度が27℃未満の場合、ステップS1614において通紙していない場合、ステップS1615において印刷動作の中断の設定が無効であった場合の何れの場合においても、演算処理部260は印刷許可信号213をオンとしたまま処理を終了する(ステップS1616)。
ステップS1601において感光体駆動モータ220がオフだった場合、演算処理部260はカウント値Cが印刷許可閾値C2以上であるか否かを判断する(ステップS1617)。
ステップS1617においてカウント値Cが印刷許可閾値C2以上であった場合、演算処理部260は減算値テーブル16を参照し、カウント値CからC2_OVER[KISYU]に対応する値を減算する(ステップS1618)。そして演算処理部260は、処理を終了する。
ステップS1617においてカウント値Cが印刷許可閾値C2未満であった場合、演算処理部260は、印刷許可信号213がオフか否かを判断する(ステップS1619)。ステップS1619において、印刷許可信号213がオフだった場合、演算処理部260は印刷許可信号213をオンとする(ステップS1620)。ステップS1619において印刷許可信号213がオンだった場合、後述するステップS1621へ進む。
印刷許可信号213がオンにされると、演算処理部260は減算値テーブル16を参照し、カウント値CからC2_UNDER[KISYU]に対応する値を減算する(ステップS1621)。ステップS1622とステップS1623の処理は、図6のステップS620とステップS621と同様であるから説明を省略する。
次に図17を参照して本実施形態の画像形成装置100におけるカウント値Cの加減算の別の動作を説明する。図17は、第二の実施形態におけるカウント値の加減算を説明するための第二のフローチャートである。図17で説明する処理は、画像形成装置100の電源投入時及びスリープ等の省エネモードから復帰する時に1回行われる。
図17のステップS1701からステップS1714までの処理は、図7のステップS701からステップS714までの処理と同様であるから説明を省略する。ステップS1711又はステップS1713又はステップS1714の処理を終了すると、演算処理部260は、図16の(B)へ戻り図16の処理を実行する。
次に図18を参照して本実施形態の画像調整処理について説明する。図18は、第二の実施形態における画像調整処理を説明するフローチャートである。図18で説明する処理は、画像形成装置100の電源投入時及びスリープ等の省エネモード復帰時に実行される。図18で説明する処理は、5ms毎に起動されて実行される。
本実施形態では、感光体表面温度が高い場合は、感光体表面温度が下がるのを待って画像調整処理を実行する。
演算処理部260は、カウント値Cが印刷許可閾値C2(=2040)未満か否かを判断する(ステップS1801)。ステップS1801においてカウント値Cが印刷許可閾値C2以上である場合、再度ステップS1801の処理を繰り返し、カウント値Cが印刷許可閾値C2未満になるまで待つ。本実施形態では、このとき感光体駆動モータ220等のデバイスは停止している。
ステップS1801において、カウント値Cが印刷許可閾値C2未満である場合、演算処理部260は画像調整制御を実行する(ステップS1802)。
このように本実施形態では、カウント値Cが印刷許可閾値C2となるまで待つことにより、感光体表面温度が高い間は画像調整処理を実行しないようにすることができる。
以上に説明したように、本実施形態では、画像形成装置100が印刷動作のみを行うプリンタであっても、FAX機能やスキャン機能等の複数機能を実現する複合機であっても、温度センサを用いずに感光体表面温度に合わせて印刷動作を中断させることができる。よって本実施形態では、低コストで且つ感光体表面温度の上昇による画像不良の発生を防止することができる。また本実施形態によれば、1回当たりの中断動作(ダウンタイム)の時間を短縮することができ、長時間の中断動作により生じる生産性の低下を軽減することができる。この効果は、特に1回当たりの印刷枚数の少ないローエンドユーザに対して有用である。
(第三の実施形態)
以下に図面を参照して図面を参照して本発明の第三の実施形態について説明する。本発明の第三の実施形態では、画像形成装置内に2つのファンを設けた点が第一の実施形態と相違する。よって以下の第三の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点についてのみ説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
本実施形態の画像形成装置100Aは、画像形成装置100Aの機外の温度を考慮して印刷動作の中断の制御を行う。
画像形成装置100Aの機内の温度は、画像形成装置100Aの機外の温度に影響を受ける。図19は、印刷動作中の機内温度の変化を示す図であり、図20は、印刷動作終了後の機内温度の変化を示す図である。
図19、図20から、画像形成装置100Aの機内温度は、印刷動作中も印刷動作終了後も、画像形成装置100Aの機外の温度に影響されることがわかる。機外の温度が高い程、機内の温度の上昇速度は速くなり、機外の温度が低い程機内の温度の下降速度は速くなる。
本実施形態では、画像形成装置100Aの機外の温度による影響を低減させるものである。図21は、第三の実施形態の画像形成装置100Aを説明するための図である。本実施形態の画像形成装置100Aは、定着冷却ファン161、機内冷却ファン162を有する。定着冷却ファン161は、定着器160の近傍に設けられており、定着器160を冷却する。機内冷却ファン162は、複数の画像形成部120Bk、120M、120C、120Yの近傍に設けられており、画像形成装置100Aの機内を冷却する。
本実施形態の画像形成装置100Aにおいて、定着冷却ファン161及び機内冷却ファン162は感光体121が駆動している間は高速に回転し、感光体121が停止するとカウント値Cを参照して高速な回転を継続する時間を決定する。そして定着冷却ファン161及び機内冷却ファン162は、決定した時間だけ高速回転した後に低速回転へ移行する。
尚本実施形態では、定着冷却ファン161及び機内冷却ファン162の回転速度に対して予め段階が設けられている。本実施形態では、回転速度の段階として高速回転と、高速回転と比べて回転速度の遅い低速回転とが設定されている。本実施形態の定着冷却ファン161及び機内冷却ファン162は、例えば演算処理部260からの指示に基づき高速回転又は低速回転で回転するものとした。
また本実施形態の画像形成装置100Aは、定着冷却ファン161及び機内冷却ファン162の状態によってカウント値Cに対する加減算値を変更する。本実施形態では、この処理により、画像形成装置100Aの機内温度の下降速度が、画像形成装置100Aの機外の温度に影響されることを防止できる。
図22は、第三の実施形態におけるカウント値Cに対する加減算値を変更する処理を説明する第一のフローチャートである。図22で説明する処理は、1秒毎に起動されて実行される。
本実施形態の画像形成装置100Aにおいて、演算処理部260は、感光体駆動モータ220がオンしているか否かを判断する(ステップS2201)。ステップS2201において感光体駆動モータ220がオンであった場合、演算処理部260は、定着冷却ファン161及び機内冷却ファン162の回転速度を高速回転とする(ステップS2202)。
ステップS2203からステップS2209までの処理は、図16のステップS1602からステップS1608までの処理と同様であるから説明を省略する。
ステップS2201において感光体駆動モータ220がオフであった場合、演算処理部260は、定着冷却ファン161及び機内冷却ファン162の回転速度が高速回転か否かを判断する(ステップS2210)。
ステップS2210において回転速度が高速回転である場合、演算処理部260は、減算値テーブル16を参照してカウント値CからC2_OVER[KISYU]に対応する値を減算する(ステップS2211)。ステップS2210において回転速度が高速回転でない場合(低速回転の場合)、演算処理部260は、減算値テーブル16を参照してカウント値CからC2_UNDER[KISYU]に対応する値を減算する(ステップS2212)。
ステップS2213とステップS2214の処理は、図16のステップS1622とステップS1623の処理と同様であるから説明を省略する。
本実施形態では、定着冷却ファン161及び機内冷却ファン162が高速回転している場合には、感光体表面温度の下降速度が速い。よって高速回転の場合には、カウント値Cから減算する値として、低速回転の場合にカウント値Cから減算する値よりも大きい値が選択され(図15参照)、短時間でカウント値Cをカウントダウンさせる。このように本実施形態では、定着冷却ファン161及び機内冷却ファン162の回転速度に合わせてカウント値Cを変更することができる。
次に、図23を参照して、画像形成装置100Aの電源投入時及びスリープ等の省エネモードからの復帰時の機外の温度によってカウント値Cに対する加減算値を変更する処理を説明する。
図23は、第三の実施形態におけるカウント値Cに対する加減算値を変更する処理を説明する第二のフローチャートである。図23で説明する処理は、画像形成装置100Aの電源投入時及びスリープ等の省エネモードからの復帰時に1回のみ起動されて実行される。
画像形成装置100Aにおいて、演算処理部260は、機外温度測定部250により測定された機外温度が、TB1(=15度)未満か否かを判断する(ステップS2301)。
ステップS2301において機外温度がTB1未満の場合、演算処理部260は、加算値テーブル15のSIMP[KISYU]値から0.2を減算、DUP[KISYU]の値から0.3を減算、NOT_PRN[KISYU]の値から0.2を減算する。また演算処理部260は、減算値テーブル16のC2_OVERの値に0.2を加算、C2_UNDER[KISYU]の値に0.1を加算する(ステップS2302)。
ステップS2301において機外温度がTB1以上のとき、演算処理部260は機外温度がTB1(=15度)以上TB2(=25度)未満であるか否かを判断する(ステップS2303)。ステップS2303において機外温度がTB1以上TB2未満の場合、演算処理部260は、処理を終了する。ステップS2303において機外温度がTB1以上TB2未満でないとき、演算処理部260は、加算値テーブル15のSIMP[KISYU]の値に0.2を加算、DUP[KISYU]の値に0.3を加算、NOT_PRN[KISYU]の値に0.2を加算する。また演算処理部260は、減算値テーブル16のC2_OVERの値から0.2減算、C2_UNDER[KISYU]の値から0.1減算する(ステップS2304)。
すなわち本実施形態では、機外温度に基づき、印刷動作の中断の制御を行う際に用いる加算値テーブル15と減算値テーブル16とを更新する。本実施形態では、以上の処理により、印刷動作の中断に用いるカウント値Cを、機外温度を考慮した値とすることができ、機外温度の影響を低減させることができる。
次に図24を参照して本実施形態における定着冷却ファン161及び機内冷却ファン162の回転速度の制御について説明する。図24は、第三の実施形態における定着冷却ファン161及び機内冷却ファン162の回転速度の制御を説明するフローチャートである。
本実施形態の画像形成装置100Aにおいて、演算処理部260は、感光体駆動モータ220がオンしているか否かを判断する(ステップS2401)。ステップS2401において感光体駆動モータ220がオンしている場合、演算処理部260は、定着冷却ファン161及び機内冷却ファン162を高速回転させる(ステップS2402)。
ステップS2401において感光体駆動モータ2401がオフであった場合、演算処理部260は、画像形成装置100Aのウォームアップ動作が未終了であるか、又は最終排紙が未終了であるか否かを判断する(ステップS2403)。
ステップS2403において、ウォームアップ動作又は最終排紙が未終了の場合、ステップS2402へ進む。尚最終排紙とは、一連の印刷動作における最後の用紙が排紙されることを示す。例えば用紙3枚分の印刷を行う場合、3枚目の用紙が排紙されることを最終排紙と呼ぶ。
ステップS2403においてウォームアップ動作及び最終排紙が終了している場合、演算処理部260は、カウント値CがTA1(=100)未満か否かを確認する(ステップS2404)。ステップS2404においてカウント値CがTA1未満である場合、演算処理部260は、定着冷却ファン161及び機内冷却ファン162の高速回転時間HTを10秒とする(ステップS2405)。ステップS2404においてカウント値CがTA1以上である場合、演算処理部260は、定着冷却ファン161及び機内冷却ファン162の高速回転時間HTを60秒とする(ステップS2406)。
演算処理部260は、ステップS2405又はステップS2406で設定した高速回転時間HTの間定着冷却ファン161及び機内冷却ファン162の高速回転させる(ステップS2407)。定着冷却ファン161及び機内冷却ファン162の高速回転が終了すると、演算処理部260は、定着冷却ファン161及び機内冷却ファン162の回転速度を低速回転とする(ステップS2408)。
尚TA1の値と高速回転時間HTの値とは、実験値等から得られる値である。本実施形態の画像形成装置100Aは、カウント値Cが100以上となった場合に高速回転時間HTを60秒として定着冷却ファン161及び機内冷却ファン162を高速回転させれば機内温度が十分低下する。また実施形態の画像形成装置100Aは、カウント値Cが100以下の場合に高速回転時間HTを10秒として定着冷却ファン161及び機内冷却ファン162を高速回転させれば、機内温度が十分低下する。
この高速回転時間HTは、定着冷却ファン161及び機内冷却ファン162を高速回転する時間を短縮して騒音を少なくすること、画像形成装置100Aの機内温度を画像不良を起こさない程度に十分に低下させることを考慮して決定された値である。
このように本実施形態では、カウント値Cが所定の値TA1と比べて小さい場合には画像形成装置100Aの機内温度が高くない判断し、定着冷却ファン161及び機内冷却ファン162の高速回転時間HTを短く設定する。またカウント値Cが所定の値TA1と比べて大きいとき、画像形成装置100Aの機内温度が高いと判断し、定着冷却ファン161及び機内冷却ファン162の高速回転時間HTを長く設定する。
よって本実施形態では、温度センサ等を設けずに機外温度に影響されないように画像形成装置100Aの機内温度を調整できる。このため本実施形態では、機外温度の影響を受けず、感光体表面温度に合わせて印刷動作を中断することができる。
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。