JP2010241124A - 積層体、それを用いた発泡加工紙並びに断熱容器 - Google Patents

積層体、それを用いた発泡加工紙並びに断熱容器 Download PDF

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Abstract

【課題】発泡性に優れ、アンカ−コ−ト剤等を使用しないので、安全で衛生的な積層体、外観が良好な発泡加工紙、さらに、店頭において、芳香剤、化粧品等の匂いや香気を有する製品の近傍に置かれても、外部から内容物への移り香や内容物の変質がなく、安全性や衛生的な面に優れ、長期の保存が可能で、かつ、発泡の過程において、紙基材層とバリア層間に設けた中間層の発泡がなく、十分な発泡セルの高さと均一な発泡層が得られ、良好な断熱性を有する断熱容器等を提供する。
【解決手段】紙を主体とする基材(I)と、その紙を主体とする基材の一方の面に、加熱によって紙を主体とする基材から放出される気体によって発泡され得るポリオレフィン系樹脂材料層(II)を有し、紙を主体とする基材のもう一方の面に、官能基を含有するポリオレフィン系樹脂を含み、紙を主体とする基材から放出される気体を保持する樹脂層(III)を介して、基材層(IV)を少なくとも有してなる積層体などによって提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、積層体、それを用いた発泡加工紙並びに断熱容器に関し、特に、加熱によって紙基材から放出される水蒸気等の気体によって発泡され得るポリオレフィン系樹脂材料層を有し、製造時に溶剤が含まれる接着剤やアンカ−コ−ト剤などを使用しないので、作業環境の悪化や最終製品への汚染(溶剤の残留など)もないばかりでなく、バリア性を有するので、内容物の変質や内容物への外部からの強い芳香性物質などの香気成分の移行がないので、安全性や衛生的な面に優れ、長期の保存が可能であり、かつ、発泡の過程において、紙基材層とバリア層間に設けた中間層の発泡がなく、十分な発泡セルの高さと均一な発泡層が得られ、良好な断熱性を有する断熱容器、およびその原材料として好適な積層体、発泡加工紙に関する。
従来、カップ麺容器、カップス−プ容器等の断熱容器としては、主に発泡ポリスチレン樹脂等を原料とする合成樹脂製の発泡容器が使用されていた。これらの断熱容器は、断熱効果が高いというメリットがあるものの、焼却や廃棄、回収等に難点があって、環境汚染を惹起するなどの問題を有している。
昨今では、このような環境問題を配慮して、廃棄し易く印刷適性の良い容器として、紙を複数枚使用した断熱紙容器、紙基材の両面をポリエチレン樹脂層で積層した材料を使用し、表面のポリエチレン樹脂層を発泡させて断熱性を付与した紙容器等が使用されている。
このような紙基材を使用した断熱容器を提供し得る発泡性の積層体、あるいは発泡加工紙を製造する技術としては、紙の少なくとも一面にポリエチレンを押出ラミネ−トし、他面には蒸気圧保持層を形成させ、加熱により、紙基材から放出される水蒸気等の気体によって表面に不規則な凹凸模様を有する加工紙を製造する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
また、エチレン−α−オレフィン共重合体と高圧法ポリエチレンとからなるポリエチレン樹脂を用いて、断熱容器に供する発泡用押出ラミネ−ト積層体が提案されている(特許文献2)。
さらに、少なくとも外面側から熱可塑性樹脂の発泡層、紙を主体とする基材層、熱可塑性樹脂層とを備えた積層体からなり、該熱可塑性樹脂発泡層がシングルサイト触媒を用いて重合したエチレン−α−オレフィン共重合体である発泡加工紙およびそれを用いた紙容器も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、紙基材を使用した断熱容器としては、胴部材の片側壁面に熱可塑性樹脂フィルムがラミネ−トまたはコ−ティングされ、加熱によりフィルムを発泡させて発泡断熱層を形成させる技術が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
さらに、容器胴部材及び底部材からなる紙製容器において、容器胴部材の外壁面の一部に有機溶剤含有インキによる印刷を施し、胴部材の外壁面全体を熱可塑性合成樹脂フィルムで被覆されている紙容器を加熱することにより、印刷部分に比較的厚い発泡層を存在させる技術も提案されている(例えば、特許文献5参照)。
しかしながら、従来のこのような断熱容器等は、酸素等の気体や、臭気、香気等を透過する性質があるために、容器に食品等の内容物を充填して封かん後、保管している時に、内容物が変質したり、強い芳香性物質、例えばパラジクロロベンゼンやナフタレンなどの防虫剤や、殺虫剤・防臭剤・芳香剤・洗剤・化粧品などが近くにあると、これらの香気や臭気成分が内容物に移り、内容物の変質や異臭がしたり、飲食すると健康を害する惧れが生じるという問題があった。
一方、バリア層を設けた紙容器として、板紙層とポリエチレン層とエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体層とポリエチレン層を有する積層体からなるガスバリア性を備えた容器が提案されている(例えば特許文献6参照)。
また、低密度ポリエチレン/紙/中密度または高密度ポリエチレン/バリアフィルム/シ−ラント層が順次積層され、中間樹脂層に高融点のポリエチレン樹脂を使用したカップ状容器用積層材料が提案されている(例えば特許文献7参照)。
しかし、特許文献6、7においては、積層体を構成する材料として加熱によって発泡させる断熱層をもっておらず、飲食品などの内容物を加熱・保温・冷却して使用する容器として使い難いものである。
さらに、バリア層を設けた断熱容器として、断熱層/基材層/バリア層/ポリエチレンテレフタレ−トフィルム(PET)層/シ−ラント層からなるバリア性断熱紙カップが開示されている(例えば特許文献8参照)。該特許文献8は、基材(紙)層とバリア層との接着(中間層)に、低密度ポリエチレンが使用されているため、発泡の過程において、その中間層が発泡してしまうという問題点を有している。
また、上記これら特許文献6、7及び特許文献8のようなバリア層を設けた紙容器の製造においてはバリア性基材とポリオレフィン系樹脂とは接着性に乏しいため、バリア性基材とポリオレフィン系樹脂層間にイソシアネ−ト系の接着剤、二液反応型のポリエステル樹脂系接着剤等やアンカ−コ−ト剤を塗布、またはコ−ティングをして積層体とする必要があった。
しかしながら、上記接着剤やアンカ−コ−ト剤には、有機溶剤が含まれているため、作業環境の悪化や最終製品への汚染(溶剤の残留など)等の懸念が生じ、安全性や衛生的な面でも問題があった。また、従来では、十分な発泡セルの高さと均一で良好な発泡層を得るための後発泡の過程において、紙基材層とバリア層間に設けた中間層が発泡してしまうという問題点も有しており、これらの問題を同時に解消できる技術が求められている。
特公昭48−032283号公報 特開2007−168178号公報 特開平10−128928号公報 特開昭57−110439号公報 特開平07−232774号公報 特開2003−063520号公報 特開2003−221024号公報 特開2003−200980号公報
本発明の目的は、従来の断熱容器としての性能を保持し、バリア性を有し、積層体の製造時において、溶剤が含まれる接着剤やアンカ−コ−ト剤などを使用せずに、作業環境の悪化や最終製品への汚染などがなく、かつ、保管時においても、内容物の変質や内容物への外部からの強い芳香性物質の移り香等を遮断し、安全性や衛生的な面に優れ、長期の保存が可能であり、かつ、発泡の過程において、紙基材層とバリア層間に設けた中間層の発泡がなく、十分な発泡セルの高さと均一な発泡層が得られ、良好な断熱性を有する断熱容器、その原材料としての好適な積層体、発泡加工紙を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、紙を主体とする基材(I)と、その紙を主体とする基材の一方の面に、加熱によって紙を主体とする基材から放出される水蒸気等の気体によって発泡され得るポリオレフィン系樹脂材料層(II)を有し、また、紙を主体とする基材のもう一方の面に、官能基を含有するポリオレフィン系樹脂を含み、紙を主体とする基材から放出される気体を保持する樹脂層(III)を介して、熱可塑性樹脂を含む基材層(IV)を有する積層体とし、特に、ポリオレフィン系樹脂材料層(II)として、食品に添加し得る特定の官能基を含有するポリオレフィン系樹脂を採用し、さらに基材層(IV)としてガスバリア性基材を設けるようにした。これにより、発泡性に優れ、また、アンカ−コ−ト剤等を使用しないので、環境汚染がなく、安全で衛生的な断熱容器の原材料としての積層体や外観が良好な発泡加工紙に活用されることを見出した。
さらに、樹脂層(III)の材料として、水蒸気等を保持し、かつ食品容器等に使用可能で、バリア性基材と良好な接着性に優れる官能基を含有するポリオレフィン系樹脂を使用することで、十分な発泡セルの高さと均一で良好な発泡層が得られ、良好な断熱性、安全性や衛生的で異臭防止に優れるようになり、また、これを用いて断熱容器を製造する際に、発泡時の加熱によっても、紙基材とバリア性基材との中間層が発泡せず、かつシ−ラント層の溶融が起こらないため優れた外観を有し、内面層の溶融がない効率的な発泡が可能となることを見出した。これにより、店頭において、芳香剤や化粧品等の匂いや香気を有する製品の近傍に置かれても、外部から内容物への移香や内容物の変質がなく、安全性や衛生的な面に優れる断熱容器を提供し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、紙を主体とする基材(I)と、その紙を主体とする基材の一方の面に、加熱によって紙を主体とする基材から放出される気体によって発泡され得るポリオレフィン系樹脂材料層(II)を有し、紙を主体とする基材のもう一方の面に、官能基を含有するポリオレフィン系樹脂を含み、紙を主体とする基材から放出される気体を保持する樹脂層(III)を介して、基材層(IV)を少なくとも有してなる積層体が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、ポリオレフィン系樹脂材料層(II)が、高圧ラジカル重合法ポリエチレン樹脂(A)および/またはイオン重合法ポリエチレン系樹脂(B)であることを特徴とする積層体が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1または第2の発明において、ポリオレフィン系樹脂材料層(II)の樹脂材料が、下記(式1)のメルトフロ−レ−ト(MFR)とメモリ−エフェクト(ME)との関係を満たすことを特徴とする積層体が提供される。
−0.467×Ln(MFR) +2.75 ≦ ME (式1)
(式中、Lnは自然対数である。)
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜第3のいずれかの発明において、樹脂層(III)の官能基を含有するポリオレフィン系樹脂が、エポキシ基含有化合物(a)、カルボン酸基または酸無水基含有化合物(b)、エステル基含有化合物(c)、ヒドロキシル基含有化合物(d)、アミノ基含有化合物(e)、又はシラン基含有化合物(f)から選択される少なくとも1種の化合物であることを特徴とする積層体が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第4の発明において、エポキシ基含有化合物(a)が、分子内にエポキシ基を2個以上有し、分子量が3000以下であるエポキシ化合物であることを特徴とする積層体が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜第5のいずれかの発明において、樹脂層(III)の官能基を含有するポリオレフィン系樹脂が、密度0.930〜0.970g/cmであることを特徴とする積層体が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第1〜第6のいずれかの発明において、樹脂層(III)および基材層(IV)のいずれかが、少なくとも2層以上から構成されていることを特徴とする積層体が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第7の発明において、基材層(IV)が、少なくともバリア性基材層(IVa)とポリオレフィン系樹脂層(IVb)を含む積層構造であることを特徴とする積層体が提供される。
また、本発明の第9の発明によれば、第8の発明において、ポリオレフィン系樹脂層(IVb)のポリオレフィン系樹脂が、密度0.930〜0.970g/cmであることを特徴とする積層体が提供される。
さらに、本発明の第10の発明によれば、第1〜9のいずれかの発明において、樹脂層(III)と基材層(IV)との層間に、接着剤、又はアンカ−コ−ト剤が含まれないことを特徴とする積層体が提供される。
一方、本発明の第11の発明によれば、第1〜10のいずれかの発明に記載の積層体を加熱し、ポリオレフィン系樹脂材料層(I)を発泡させて得られた発泡加工紙が提供される。
また、本発明の第12の発明によれば、第1〜10のいずれかの発明に係る積層体を用いて容器を形成した後、該容器を加熱し、ポリオレフィン系樹脂材料層(II)を発泡させて得られた断熱容器が提供される。
さらに、本発明の第13の発明によれば、第12の発明において、ポリオレフィン系樹脂材料層(II)/紙を主体とする基材(I)/ 樹脂層(III)/バリア性基材層(IVa)/樹脂層(III)/ポリオレフィン系樹脂層(IVb)の6層構造からなる断熱容器であって、各構成材料は、ポリオレフィン系樹脂材料層(II)が、高圧ラジカル重合法ポリエチレン樹脂および/またはイオン重合法ポリエチレン系樹脂;樹脂層(III)がエポキシ基含有の密度0.930〜0.970g/cmのポリエチレン樹脂;バリア性基材層(IVa)が、熱可塑性樹脂、金属等の蒸着フィルム、又は金属箔から選ばれるバリア性基材;及びポリオレフィン系樹脂層(IVb)が、密度0.930〜0.970g/cmのポリエチレン樹脂から主として構成されていることを特徴とする断熱容器が提供される。
本発明の積層体は、紙を主体とする基材(I)と、その紙を主体とする基材の一方の面に、加熱によって紙を主体とする基材から放出される気体によって発泡され得るポリオレフィン系樹脂材料層(II)を有し、紙を主体とする基材(I)のもう一方の面に、官能基を含有するポリオレフィン系樹脂を含み、紙を主体とする基材から放出される気体を保持する樹脂層(III)を介して、基材層(IV)を少なくとも有しており、積層体の製造時において、溶剤が含まれる接着剤やアンカ−コ−ト剤等を使用しないので、作業環境の悪化や最終製品への臭いの残留などがない。また、樹脂層(III)によって水蒸気等の気体を保持し、かつ食品容器等に使用可能で、バリア性樹脂と良好な接着性に優れる官能基を含有するポリオレフィン系樹脂を使用しているため、十分な発泡セルの高さと均一で良好な発泡層が得られ、良好な断熱性、安全性や衛生的で異臭防止などに優れている。
また、断熱容器を製造する際に、発泡時の加熱によっても、紙基材とバリア性樹脂との中間層が発泡せず、シ−ラント層の溶融が起こらないため優れた外観を有し、内面層の溶融がなく、効率的な発泡が可能である。
以下、本発明の積層体、及びそれを用いた発泡加工紙並びに断熱容器について、項目毎に詳細に説明する。
本発明の積層体は、紙を主体とする基材(I)と、その紙を主体とする基材(I)の一方の面に、加熱によって紙基材から放出される気体、すなわち水蒸気や揮発成分等によって発泡され得るポリオレフィン系樹脂材料層(II)を有し、紙基材のもう一方の面に、官能基を含有するポリオレフィン系樹脂を含み、紙基材(I)から放出される気体を保持する樹脂層(III)を介して、基材層(IV)を少なくとも有するようにした積層体である。
1 [紙を主体とする基材(I)]
本発明において紙を主体とする基材(I)とは、その表面のポリオレフィン系樹脂材料層が形成される材料である。その材質は、加熱によって、基材中に含まれた水分や、揮発成分が、水蒸気等となって放出され、基材表面に形成されたポリオレフィン系樹脂材料層(II)を発泡させることができるものであれば特に限定されず、例えば、上質紙、クラフト紙、ア−ト紙、カップ原紙等が挙げられる。
また、紙を主体とする基材には、加熱により揮発性ガスを発生する物質をコ−ティングしたり、紙基材中へ加熱により揮発性ガスを発生する物質を配合したりすることもできる。
紙を主体とする基材には、パルプ紙や合成紙等の紙にインクなどで絵や文字、模様などを印刷することができる。基材に使用する紙は、坪量が100〜400g/m、特に150〜350g/mが好ましい。紙の含水率は4〜12%、好ましくは5〜10%程度のものが例示される。
2 [ポリオレフィン系樹脂材料層(II)]
本発明の積層体において、ポリオレフィン系樹脂材料層(II)は、紙を主体とする基材(I)の一方の表面に形成される発泡性の材料である。ポリオレフィン系樹脂材料としては、高圧ラジカル重合法ポリエチレン樹脂(A)、イオン重合法ポリエチレン系樹脂(B)、ポリプロピレン系樹脂、およびそれらの組成物等が挙げられ、さらに、上記高圧ラジカル重合法ポリエチレン樹脂(A)および/またはイオン重合法ポリエチレン系樹脂(B)の少なくとも1種をラジカル発生剤の存在下で変性した変性樹脂(C)及びその組成物も包含される。
これらの中では、高圧ラジカル重合法ポリエチレン樹脂(A)および/またはイオン重合法ポリエチレン系樹脂(B)が好ましい。また、特に下記(式1)のメルトフロ−レ−ト(MFR)とメモリ−エフェクト(ME)との関係を満たすことが望ましい。
−0.467×Ln(MFR) +2.75 ≦ ME (式1)
(式中、Lnは自然対数である。)
(1)高圧ラジカル重合法ポリエチレン樹脂(A)
高圧ラジカル重合法ポリエチレン樹脂(A)とは、高圧ラジカル重合法によって製造されるポリエチレン樹脂であり、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン樹脂(A1)(以下、低密度ポリエチレンとも称する)、エチレンとビニルエステルとの共重合体(A2)、エチレンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体(A3)であり、それらの混合物を包含する。
具体的には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)のほか、2種の低密度ポリエチレン樹脂の組成物、低密度ポリエチレン樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)との組成物、低密度ポリエチレン樹脂とエチレン−アクリル酸共重合体;エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)等のエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体との組成物、低密度ポリエチレンとエチレン−無水マレイン酸−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸グリシジル−酢酸ビニル共重合体等との組成物が挙げられる。ラミネ−ト成形時の成形加工性等がよいことから、特に低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)を主体とした組成物が好ましい。
(1−1)低密度ポリエチレン樹脂(A1)
本発明において、低密度ポリエチレン樹脂(A1)とは、JIS K7210に準拠(190℃、21.18N荷重)して測定したメルトフロ−レ−ト(MFR)が1〜50g/10分であり、好ましくは1.5〜40g/10分、より好ましくは2〜30g/10分の範囲で選択される。
上記メルトフロ−レ−ト(MFR)が1g/10分以上であれば、押出負荷が高くならず、高速加工性が悪化しない。一方、メルトフロ−レ−ト(MFR)が50g/10分以下であれば、押出ラミネ−ト成形加工時の加工安定性が悪化することがない。
また、試験温度23℃、JIS K7112に準拠した密度は、0.905〜0.940g/cmであり、好ましくは0.910〜0.937g/cm、0.913〜0.935g/cmの範囲で選択される。密度が0.905g/cm以上であれば、ラミネ−ト成形時のすべり、積層体のハンドリングが悪くなることがない。また、密度が0.940g/cm以下であれば、低温ヒ−トシ−ル性が悪化することがない。
本発明では、高圧ラジカル重合法ポリエチレン系樹脂である低密度ポリエチレン樹脂(A1a)、低密度ポリエチレン樹脂(A1b)の2種を混合した低密度ポリエチレン樹脂組成物を用いるのが好ましい。
(A1a) 低密度ポリエチレン樹脂
低密度ポリエチレン樹脂(A1a)は、(a1)JIS K7210に準拠(190℃、21.18N荷重)して測定したMFRが0.1〜100g/10分であり、(a2)試験温度23℃、JIS K7112に準拠した密度が0.905〜0.940g/cm以下を満足する低密度ポリエチレン樹脂である。
低密度ポリエチレン樹脂(A1a)のMFRは、(a1)JIS K7210に準拠(190℃、21.18N荷重)して測定したMFR(a)が0.1〜100g/10分であり、好ましくは0.5〜80g/10分、より好ましくは1〜70g/10分の範囲である。
上記MFRが0.1g/10分以上であれば、押出ラミネ−ト加工時の高速加工性等が悪化せず、また、MFRが100g/10分以下であれば、押出ラミネ−ト加工性が不安定となることはない。
また、低密度ポリエチレン樹脂(A1a)は、(a2)試験温度23℃、JIS K7112に準拠した密度が0.905〜0.940g/cmであり、好ましくは0.907〜0.937g/cm、より好ましくは0.910〜0.935g/cmの範囲である。密度がこの範囲内であれば、工業的に製造しやすく、ラミネ−ト成形時のすべり、積層体のハンドリングが悪くなることはない。
(A1b) 低密度ポリエチレン樹脂
また、低密度ポリエチレン樹脂(A1b)は、(a3)JIS K7210に準拠(190℃、21.18N荷重)して測定したMFR(b)が0.1〜100g/10分であり、(a4)試験温度23℃、JIS K7112に準拠した密度が0.905〜0.940g/cm、(a5)JIS K7210で規定されるメルトインデクサ−を使用し、測定条件をシリンダ−温度240℃、定速押出量3g/分の条件で測定したメモリ−エフェクト(ME)が1.5以上を満足する低密度ポリエチレン樹脂である。
低密度ポリエチレン樹脂(A1b)は、(a3)JIS K7210に準拠(190℃、21.18N荷重)して測定したMFR(c)が0.1〜100g/10分であり、好ましくは0.5〜80g/10分、より好ましくは1〜70g/10分の範囲である。
MFR(b)が0.1g/10分以上であれば、押出ラミネ−ト加工時の高速加工性が悪化せず、また、MFRが100g/10分以下であれば、押出ラミネ−ト加工時の加工安定性が悪化する懸念が生じない。
また、低密度ポリエチレン樹脂(A1b)は、(a4)試験温度23℃、JIS K7112に準拠した密度が0.905〜0.940g/cmであり、好ましくは密度0.907〜0.937g/cm、より好ましくは0.910〜0.935g/cmの範囲である。密度がこの範囲であれば、工業的に製造しやすく、ラミネ−ト成形時のすべり、積層体のハンドリングが悪くなる懸念が生じることはない。
さらに、低密度ポリエチレン樹脂(A1b)のメモリ−エフェクト(ME)は、(a5)JIS K7210に規定されるメルトインデクサ−を使用し、測定条件をシリンダ−温度240℃、定速押出量3g/分の条件で測定したとき1.5以上であり、好ましくは1.7以上、より好ましくは1.9以上の範囲である。メモリ−エフェクトが1.5未満では、後述のポリオレフィン系樹脂材料のMFRとメルトエフェクト(ME)の関係式を調整する際の調製範囲が限定され、押出ラミネ−トなど加工時にネックインの過多の原因となり、加工性の不安定要因となるばかりでなく、発泡倍率の向上や、均一な発泡セルが得られないものとなる懸念が生じるので、好ましくない。
本発明においてメモリ−エフェクト(ME)は、特に断りがない限りJIS K7210で使用されるメルトインデクサ−(三鈴エリ−(株)製半自動ME計)を使用し、測定条件をシリンダ−温度240℃、定速押出量3g/分として、以下のように測定される。
装置に2.095mmΦのMFR測定用ノズルをセットし、樹脂を炉へ充填する。ピストンを乗せ、0.09g/分の定速押出で5分間保持し、その後、3g/分の定速押出とし6分30秒までエア−抜きを行う。6分30秒経過後、3g/分を維持したままストランドをカットし、オリフィス下端からのストランド長さが20mmとなった時点でのストランドの径を、オリフィス下端から15mmの位置でKEYENCE製レ−ザ−寸法測定器(LS−3033)を用いて測定する。測定したストランドの直径をD、ダイスのオリフィス径をD(2.095mm)として、次式によりMEを求める。
ME=D/D
また、本発明の低密度ポリエチレン樹脂組成物は、低密度ポリエチレン樹脂(A1a)のMFR(a)と低密度ポリエチレン樹脂(A1b)のMFR(b)との関係が、下記式(2)、好ましくは式(2−1)を満足することが望ましい。
MFR(a)/MFR(b)>1 −−−−−(2)
MFR(a)/MFR(b)>2 −−−−−(2−1)
上記の式(2)を満足することにより、ラミネ−ト成形時の成形性がより円滑となりネックインによるロスも大幅に改良される。また、発泡加工紙や断熱容器を製造する際の発泡性が良好となる。
本発明において低密度ポリエチレン樹脂組成物は、前記の通り、高圧ラジカル重合法ポリエチレン系樹脂(A1a)及び(A1b)の2種以上を混合した低密度ポリエチレン樹脂組成物であり、特定の高MFRの低密度ポリエチレン樹脂(A1a)と特定の低MFRと高メモリ−エフェクト(ME)を有する低密度ポリエチレン樹脂(A1b)との組成物が好ましい。
高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン樹脂(A1a)と高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン樹脂(A1b)の配合割合は、樹脂(A1a)5〜95重量%と樹脂(A1b)95〜5重量%であり、好ましくは樹脂(A1a)10〜90重量%と樹脂(A1b)90〜10重量%、より好ましくは樹脂(A1a)15〜85重量%と樹脂(A1b)85〜15重量%の範囲である。
(1−2)エチレンとビニルエステルとの共重合体(A2)
エチレンとビニルエステル共重合体は、エチレンを主成分とし、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニルなどのビニルエステル単量体との共重合体である。これらの中でも、特に好ましいものとして、酢酸ビニルを挙げることができる。
また、エチレン50〜99.5重量%、ビニルエステル0.5〜50重量%、他の共重
合可能な不飽和単量体0〜49.5重量%からなる共重合体が好ましい。さらに、ビニルエステル含有量は3〜20重量%、特に好ましくは5〜15重量%の範囲で選択される。
(1−3)エチレンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体(A3)
また、エチレンとα,β−不飽和カルボン酸、その誘導体との共重合体としては、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸ブチル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・メタクリル酸エチル共重合体等のエチレン・(メタ)アクリル酸のアルキルエステル共重合体;エチレン・無水マレイン酸・酢酸ビニル共重合体、エチレン・無水マレイン酸・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・無水マレイン酸・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸グリシジル・酢酸ビニル等の二元共重合体又は多元共重合体等が挙げられる。
上記のコモノマ−としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−n−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸グリシジル等を挙げることができる。
この中でも特に好ましいものとして、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等のアルキルエステルを挙げることができる。また(メタ)アクリル酸エステル含有量は3〜30重量%、好ましくは5〜20重量%の範囲である。
(1−4)高圧ラジカル重合法
(i)重合条件
本発明に係る高圧ラジカル重合法ポリエチレン樹脂(A)は、酸素、有機過酸化物などのラジカル開始剤の存在下において、超高圧下、塊状または溶液重合によって製造される。
重合温度は、100〜300℃、好ましくは120〜280℃、より好ましくは150〜250℃の範囲で行われる。重合温度がこの範囲内であれば、反応が安定して、収率の低下がなく、分子量が十分に大きい重合体(製品)を安定して製造することができる。
また、重合圧力は、50〜400MPa、好ましくは70〜350MPa、より好ましくは100〜300MPaの条件下である。重合圧力がこの範囲内であれば、安定的な製造運転が行えて、充分な分子量のものが得られ、加工性や物性の低下が生じることがない。
(ii)重合操作
製造に際しては、基本的には、通常の高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレンの製造設備及び技術を利用することができる。反応器の形式としては、攪拌翼付のオ−トクレ−ブ型、又はチュ−ブラ−型のものを使用することができ、必要に応じて、複数個の反応器を直列又は並列に接続して多段重合をすることもできる。更に、オ−トクレ−ブ型反応器の場合には、反応器内部を複数ゾ−ンに仕切ることにより、温度分布を設けること、より厳密な温度制御をすることも可能である。このような操作によって、メモリ−エフェクト等を制御することが可能である。
(iii)ラジカル開始剤
ラジカル開始剤としては、ジクミルパ−オキサイド、ベンゾイルパ−オキサイド、ジ−
t−ブチルパ−オキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ−オキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ−オキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ−オキシ)ヘキサン、ラウロイルパ−オキサイド、t−ブチルパ−オキシベンゾエ−ト、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパ−オキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパ−オキサイド、t−ブチルクミルパ−オキサイド、α,α´−ビス(t−ブチルパ−オキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルジパ−オキシイソフタレ−ト、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパ−オキシ)バレレ−ト、t−ブチルパ−オキシベンゾエ−ト、t−ブチルパ−オキシアセテ−ト、シクロヘキサノンパ−オキサイド、t−ブチルパ−オキシラウレ−ト、アセチルパ−オキサイド、i−ブチルパ−オキサイド、オクタノイルパ−オキサイド、t−ブチルパ−オキシピバレ−ト、t−ブチルハイドロパ−オキサイド、クメンハイドロパ−オキサイド、メチルエチルケトンパ−オキサイド、ジイソプロピルパ−オキシジカ−ボネ−ト、ジ2−エチルヘキシルパ−オキシジカ−ボネ−ト、1,1−ビスt−ブチルパ−キシシクロヘキサン、2,2−ビスt−ブチルパ−オキシオクタン、2,2−アゾビスイソブチロニトリル等の有機過酸化物が挙げられる。これらの中でも、半減期1分を得るための分解温度が、160〜200℃のものが好ましい。
上記ラジカル開始剤の配合量は、特に限定されないが、ポリエチレン100重量部に対し、0.1〜5重量部であり、好ましくは0.3〜3重量部、より好ましくは0.5〜2重量部の範囲である。また必要ならば、連鎖移動剤等を用いて、分子量調節などを行ってもよい。
(iv) 連鎖移動剤
連鎖移動剤としては、水素、プロピレン、ブテン−1、C〜C20若しくはそれ以上の飽和脂肪族炭化水素又はハロゲン置換炭化水素、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロパラフィン類、クロロホルム、四塩化炭素、C〜C20若しくはそれ以上の飽和脂肪族アルコ−ル、例えばメタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル及びイソプロパノ−ル、C〜C20若しくはそれ以上の飽和脂肪族カルボニル化合物、例えばアセトン及びメチルエチルケトン、並びに芳香族化合物、例えばトルエン、ジエチルベンゼン及びキシレンのような化合物が挙げられる。
(2)イオン重合法ポリエチレン系樹脂(B)
本発明においてイオン重合法ポリエチレン系樹脂(B)とは、イオン重合法によって製造されるポリエチレン系樹脂であって、(b1)JIS K7210に準拠(190℃、21.18N荷重)して測定したメルトフロ−レ−ト(MFR)が0.1〜100g/10min、(b2)試験温度23℃、JIS−K7112に準拠した密度が0.860〜0.970g/cmを満足するエチレン単独重合体、またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体を包含する。
イオン重合法ポリエチレン系樹脂(B)は、一般的には、(i)密度が0.860〜0.910g/cm未満、MFRが0.1〜100g/10分のエチレン・α−オレフィン共重合体(超低密度ポリエチレン樹脂(B1)とも称する)、(ii)密度0.910〜0.940g/cm未満、MFRが0.01〜100g/10分のエチレン・α−オレフィン共重合体(直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(B2)とも称する)、(iii)密度が0.940〜0.970g/cm、MFRが0.1〜100g/10分の範囲のエチレン・α−オレフィン共重合体またはエチレン単独重合体(高密度ポリエチレン樹脂(B3)とも称する)に大別される。
イオン重合法ポリエチレン系樹脂(B)の(b1)JIS K7210に準拠して測定(190℃、21.18N荷重)したメルトフロ−レ−ト(MFR)は、0.1〜100g/10minであり、好ましくは0.3〜80g/10分、より好ましくは0.5〜70g/cm3の範囲で選択される。
MFRが、0.1g/10分以上であれば、押出ラミネ−ト加工時の高速加工性が悪化せず、また、MFRが100g/10分以下であれば、押出ラミネ−トの加工性が不安定となることがない。
イオン重合法ポリエチレン系樹脂(B)の(b2)試験温度23℃、JIS−K7112に準拠した密度は、0.860〜0.970g/cmであり、好ましくは0.880〜0.960g/cm、より好ましくは0.890〜0.950g/cmである。該密度がこの範囲内であれば、工業的に製造しやすく、ラミネ−ト成形時のすべり、積層体のハンドリングが悪くなることがない。
上記α−オレフィンとしては、直鎖または分岐鎖状の炭素数3〜20のオレフィンが好ましく、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等を挙げることができる。また、それらを2種類以上組み合わせて使用しても良い。これら共重合体の中でも、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体等の二元共重合体、エチレン・プロピレン−1−ヘキセン共重合体等の三元共重合体等が経済性の観点から好適である。
イオン重合法ポリエチレン系樹脂(B)は、低、中、高圧で、チ−グラ−系触媒、フィリップス系触媒、シングルサイト系触媒等のイオン重合触媒を用い、スラリ−重合法、溶液重合法、気相重合法等で製造され、重合温度、圧力等の重合条件、助触媒等をコントロ−ルすることにより好適に製造可能である。
上記イオン重合法ポリエチレン系樹脂(B)の中でもシングルサイト系触媒で製造されるポリエチレン系樹脂が好ましく、特に密度0.860〜0.910g/cm未満の超低密度ポリエチレン樹脂や0.910〜0.940g/cmの直鎖状低密度ポリエチレン樹脂が好ましい。
これらシングルサイト系触媒で製造される超低密度ポリエチレン樹脂や直鎖状低密度ポリエチレン樹脂は、従来のチ−グラ−触媒やフィリップス触媒で製造されるそれらより低分子量成分が少なく、透明性、耐ブロッキング性がよく、融点も低く、高速シ−ル性もよく、押出ラミネ−ト成形やシ−ラントフィルム等に好適に使用されている。
昨今開発の著しいシングルサイト系触媒で製造される、長鎖分岐を有する直鎖状低密度ポリエチレン樹脂や超低密度ポリエチレン樹脂も好ましいものである。これらシングルサイト系触媒で製造される直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンの具体例としては、カ−ネル(登録商標、日本ポリエチレン株式会社製)、ハ−モレックス(登録商標、日本ポリエチレン株式会社製)、エボリュ−(登録商標、三井化学株式会社製)、EXACT(登録商標、エクソンモ−ビル社製)、アフィニティ(登録商標、ダウ・ケミカル社製)等が挙げられる。
上記の超低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂は、一般的にはシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物と必要により助触媒、有機アルミニウム化合物、担体とを含む触媒の存在下にエチレンおよび炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合させることにより得ることができる。具体的には、特開昭60−35006号公報、特開昭60−35007号公報、特開昭60−35008号公報、特開平3−163088号公報、特開昭61−296008号公報、特開昭63−22804号公報、特開昭58−19309号公報、特開昭63−61010号公報、特開昭63−152608号公報、特開昭63−264606号公報、特開昭63−280703号公報等に開示されるメタロセン系触媒を用いて製造することができる。
本発明において、イオン重合法ポリエチレン系樹脂(B)は、前記触媒の存在下、実質的に溶媒の存在しない気相重合法、スラリ−重合法、溶液重合法等で製造され、実質的に酸素、水等を断った状態で、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素等に例示される不活性炭化水素溶媒の存在下または不存在下で製造される。重合条件は、特に限定されないが、重合温度は通常15〜350℃、好ましくは20〜200℃、さらに好ましくは50〜110℃であり、重合圧力は、低中圧法の場合、通常、常圧〜70kg/cmG、好ましくは常圧〜20kg/cmGであり、高圧法の場合、通常1500kg/cmG以下が望ましい。重合時間は、低中圧法の場合、通常3分〜10時間、好ましくは5分〜5時間程度が望ましい。高圧法の場合、通常1分〜30分、好ましくは2分〜20分程度が望ましい。また、重合は、一段重合法はもちろん、水素濃度、モノマ−濃度、重合圧力、重合温度、触媒等の重合条件が互いに異なる2段階以上の多段重合法など特に限定されるものではない。
イオン重合法ポリエチレン系樹脂(B)は、特に製造触媒、プロセス等に限定されるものではなく、成書『ポリエチレン技術読本』(松浦一雄・三上尚孝編著、工業調査会刊行、2001年)のp.123〜160、p.163〜196等に記載されている方法により製造することが可能である。
(3)高圧ラジカル重合法ポリエチレン樹脂(A)とイオン重合法ポリエチレン系樹脂(B)との配合組成物
この配合組成物としては、上記高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン樹脂(A1)、または低密度ポリエチレン樹脂組成物、エチレンとビニルエステルとの共重合体(A2)、エチレンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体(A3)の少なくとも1種と、超低密度ポリエチレン樹脂(B1)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(B2)、高密度ポリエチレン樹脂(B3)の少なくとも1種との配合組成物を包含する。
この好ましい具体例としては、(i)高圧ラジカル法低密度ポリエチレン樹脂(A1)と超低密度ポリエチレン樹脂(B1)との組成物、(ii)高圧ラジカル法低密度ポリエチレン樹脂(A1)と直鎖状低密度ポリエチレン(B2)との組成物、(iii) 高圧ラジカル法低密度ポリエチレン樹脂(A1)と高密度ポリエチレン樹脂(B3)との組成物、(vi)高圧ラジカル法低密度ポリエチレン樹脂(A1)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A2)と超低密度ポリエチレン樹脂(B1)との組成物、(v)高圧ラジカル法低密度ポリエチレン樹脂(A1)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A2)と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(B2)との組成物等が挙げられる。
これらの配合割合は、通例は高圧ラジカル法ポリエチレン樹脂(A)5〜95重量%/イオン重合法ポリエチレン系樹脂(B)95〜5重量%であり、好ましくは(A)10〜90重量%/(B)90〜10重量%、より好ましくは(A)15〜85重量%/(B)85〜15重量%の範囲で選択される。
(4)変性樹脂(C)
本発明において、変性樹脂(C)は、ポリオレフィン系樹脂材料層(II)に使用され、上記ポリオレフィン系樹脂の少なくとも1種を、ラジカル発生剤の存在下で変性した材料である。
変性方法は、特に限定されるものではないが、通常の変性方法として、押出機内で樹脂とラジカル発生剤を同時に溶融混練して反応させる溶融反応法、または有機溶媒に樹脂とラジカル発生剤を溶解し、加温混合攪拌しながら反応させる溶液反応法等が好適に用いられる。
上記変性を好適に行うためには、ラジカル反応前に、樹脂とラジカル発生剤とを定量ブレンドし、均一に分散することが必要である。これは、ラジカル反応設備に定量供給装置により計量しながら樹脂とラジカル発生剤を供給する方法、樹脂とラジカル発生剤とをタンブラ−ミキサ−、ヘンシェルミキサ−などの混合装置を用いてドライブレンドしてからラジカル反応設備に供給する方法、ドライブレンドした後、押出機で溶融ブレンドした後にラジカル反応設備に供給する方法、押出機に樹脂とラジカル発生剤をそれぞれ定量供給しながら溶融ブレンドしてからラジカル反応設備に供給する方法などが用いられる。
上記ラジカル発生剤の存在下で変性反応を行う場合においては、ラジカル反応を抑制した温度で十分に樹脂中にラジカル発生剤を分散させることが好ましく、そのためには、ラジカル反応を抑制できる混練温度の選定が重要となる。
変性時のラジカル反応温度[T(1)](℃)は、下記の式(3)を満たすことが望ましく、さらに式(3−1)を満たすことが好ましい。
60+30<T(1)<T60+120 ・・・・・ 式(3)
60+40<T(1)<T60+110 ・・・・・ 式(3−1)
(式中、T60は、ラジカル発生剤(C)の1時間半減期温度[℃]を表す。)
また、溶融ブレンド法では、ラジカル反応に必要な樹脂とラジカル発生剤の全量を溶融ブレンドする方法、ラジカル発生剤の全量と樹脂の一部だけを溶融ブレンドしておき、ラジカル反応時に希釈ブレンドする方法等を用いることができるが、ラジカル反応に必要な樹脂とラジカル発生剤の全量を溶融ブレンドする方法が好適である。
溶融ブレンドでは、ラジカル反応を抑制した温度で、十分に樹脂中にラジカル発生剤を分散させることが目的である。そのためには、ラジカル反応を抑制できる混練温度の選定が重要となる。本発明では、この混練温度[T(2)](℃)は下記式(4)を満たすことが好ましい。
Tm<T(2)<T60+5 ・・・・・ (4)
溶融混練であるため、樹脂の融点(Tm)以下での混練は、実質的に不可能である。また、混練温度が上記式(3)の上限を超えると、無視し得ない量のラジカル発生剤が分解するので好ましくない。さらに、ラジカル発生剤の分解速度は、高温ほど速くなるため、ラジカル反応をさせない溶融ブレンドをするためには、できるだけ低温で混練することが望ましく、下記の式(4−1)で行うことがより好ましい。
Tm<T(2)<T60−3 ・・・・・ (4−1)
本発明に係る変性ポリオレフィン系樹脂を製造する好ましい方法として、ポリエチレンとラジカル発生剤とを、上記の式(3)又は(3−1)を満たす温度T(1)で溶融混練する工程を含む方法でも良いし、また、別の方法として、ポリオレフィン系樹脂とラジカル発生剤とを、上記の式(3)又は(3−1)を満たす温度T(1)で溶融混練する第一工程と、次いで、前記第一工程の生成物を前記の式(4)又は(4−1)を満たす温度T(2)で溶融混練する第二工程を含む方法でも良い。
上記ラジカル発生剤としては、有機過酸化物、ジヒドロ芳香族、ジクミル化合物等が挙げられる。その有機過酸化物としては、例えば、(i)t−ブチルハイドロパ−オサキイド、クメンハイドロパ−オキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパ−オキサイド等のハイドロパ−オキサイド類、(ii)メチルエチルケトンパ−オキサイド、メチルイソブチルケトンパ−オキサイド、アセチルアセトンパ−オキサイド、シクロヘキサノンパ−オキサイド等のケトンパ−オキサイド類、(iii)イソブチリルパ−オキサイド、ラウロイルパ−オキサイド、ベンゾイルパ−オキサイド等のジアシルパ−オキサイド類、(iv)ジクミルパ−オキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ−オキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパ−オキサイド、ジ−t−ブチルパ−オキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルヘキシン)−3、ジ−t−アミルパ−オキサイド等のジアルキルパ−オキサイド類、(v)2,2−ジ−(t−ブチルパ−オキシ)ブタン等のパ−オキシケタ−ル、(vi)t−ヘキシルパ−オキシピバレ−ト、t−ブチルパ−オキシピバレ−ト、t−アミルパ−オキシ2−エチルヘキサノエ−ト、t−ブチルパ−オキシ2−エチルヘキサノエ−ト、t−ブチルパ−オキシイソブチレ−ト、t−ブチルパ−オキシベンゾエ−ト等のアルキルパ−エステル類、(vii)ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パ−オキシジカルボネ−ト、ジ−イソプロピルパ−オキシジカルボネ−ト、t−アミルパ−オキシイソプロピルカ−ボネ−ト等のパ−カ−ボネ−ト類、(viii)3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−1,4,7−トリパ−オキソナン等の環状有機過酸化物類などが挙げられる。中でも好ましいのは、環状有機過酸化物類である。
ラジカル発生剤の配合量は、変性用原料樹脂100重量部に対し、0.001〜1.0重量部、好ましくは0.005〜0.5重量部、より好ましくは特0.01〜0.3重量部であることが好ましい。ラジカル発生剤の配合量がこの範囲内であれば、十分に効果が発揮され、流動性の悪化や、成形後のフィルム中のゲルやフィッシュアイの発生原因となる惧れがない。
また、本発明において、ポリオレフィン系樹脂材料層(II)を形成するポリオレフィン系樹脂材料は、さらにメルトフロ−レ−ト(MFR(c))とメモリ−エフェクト(ME)とが下記の式(1)を満足し、好ましくは式(1−1)、より好ましくは式(1−2)を満足することが望ましい。
−0.467×Ln(MFR(c))+2.75≦ME −−−式(1)
(式中Lnは自然対数である)
好ましくは、
−0.467×Ln(MFR(c))+2.77≦ME −−−式(1−1)
より好ましくは、
−0.467×Ln(MFR(c))+2.79≦ME −−−式(1−2)
上記MFRとメモリ−エフェクト(ME)との式を満足することにより、発泡層の発泡セル高さが高く、押出ラミネ−トなど加工時のネックインや成形加工性も良好となる。
ポリオレフィン系樹脂材料層(II)の厚みは、特に限定されないが、20〜100μmであり、発泡層厚みを高くするという点で、30〜100μmが好ましい。ポリオレフィン系樹脂材料層(II)の厚みが、この範囲内であれば発泡時に破裂する惧れがなく、発泡セルの高さを十分に高くすることができる。
特に、発泡倍率が高く、均一な発泡セルを形成させるためには、ポリオレフィン系樹脂材料層(II)の融点が80〜120℃の範囲、好ましくは、90〜110℃程度の融点範囲内で選択することが望ましい。
また、本発明に用いるポリオレフィン系樹脂材料層(II)には、必要に応じて印刷等を施しても良い。印刷は、部分的に着色インキで印刷しても、全面的に印刷してもよい。印刷の位置、印刷面積の大小、印刷の方法、使用されるインキなどは、従来公知の技術を適宜選択して用いることができる。
3 [樹脂層(III)]
本発明において、樹脂層(III)とは、紙基材から放出される水蒸気等の気体を遮断、もしくはバリアして、ポリオレフィン系樹脂材料層(II)側へ優先的に気体を放出させる機能を有し、かつ基材(IV)層と接着性を有する層であり、官能基を含有するポリオレフィン系樹脂からなる。
官能基を含有するポリオレフィン系樹脂は、具体的には、エポキシ基含有化合物(a)、カルボン酸基または酸無水基含有化合物(b)、エステル基含有化合物(c)、ヒドロキシル基含有化合物(d)、アミノ基含有化合物(e)、及びシラン基含有化合物(f)の群から選択される少なくとも1種の化合物を含有したポリオレフィン系樹脂を主体とする樹脂である。
本発明の官能基を含有するポリオレフィン系樹脂には、ポリオレフィン系樹脂と官能基含有化合物との配合物、その反応物、積層体等が包含され、オレフィンと該化合物との共重合体またはその組成物、該化合物をグラフト変性したポリオレフィン系樹脂またはその組成物、官能基含有化合物を配合した組成物、官能基含有化合物を含むカプセル、官能基含有化合物を含浸した無機充填剤等を配合した組成物も包含される。また、官能基を含有するポリオレフィン系樹脂又はその組成物をフィルム化して他の基材と積層してなる積層体等を包含するものである。
上記官能基を含有するポリオレフィン系樹脂の製造に供されるポリオレフィン系樹脂は、前記ポリオレフィン系樹脂材料層(II)で用いられる樹脂と同種であって、具体的には、低密度ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体等のエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等の前記高圧ラジカル法ポリエチレン系樹脂、密度0.860〜0.970g/cmのエチレン単独重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体からなるイオン重合法ポリエチレン系樹脂、例えば超低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂等のポリエチレン樹脂が挙げられる。また、プロピレン単独重合体、プロピレンとエチレンとのランダムまたはブロック共重合体、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。
これらポリオレフィン系樹脂は、紙基材から放出される気体を保持する樹脂層(III)として使用されるため、ポリオレフィン系樹脂材料層(II)と同種であっても、耐熱性もしくは融点がポリオレフィン系樹脂材料層(II)より高いものでなければならない。
したがって、これらの中でも、上記ポリオレフィン系樹脂材料層(II)で使用される樹脂よりも高い融点を有する樹脂が好ましく、例えば密度0.930〜0.970g/cm、好ましくは0.932〜0.968g/cm、より好ましくは0.935〜0.965g/cmの範囲のポリエチレン樹脂が好ましい。
以下、本発明の官能基を含有するポリオレフィン系樹脂に使用される官能基を有する化合物は、エポキシ基含有化合物(a)、カルボン酸基または酸無水基含有化合物(b)、エステル基含有化合物(c)、ヒドロキシル基含有化合物(d)、アミノ基含有化合物(e)、及びシラン基含有化合物(f)の群から選択される少なくとも1種の化合物である。
(a) エポキシ基含有化合物
エポキシ基含有化合物としては、例えば(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、トリメチロ−ルプロパントリグリシジルエ−テル、ポリグリセロ−ルポリグリシジルエ−テル、ペンタエリスリト−ルポリグリシジルエ−テル、ブタンジオ−ルジグリシジルエ−テル、水素添加ビスフェノ−ルAジグリシジルエ−テル、フェノ−ルノボラックポリグリシジルエ−テル、エポキシ化植物油などが挙げられる。
このエポキシ基含有化合物の中でも好ましくは、分子内に少なくとも2個以上のエポキシ基(オキシラン基)を含む多価エポキシ化合物である。このエポキシ化合物は、分子内に2個以上のエポキシ基を含んでいることにより、分子内のエポキシ基が1個のエポキシ化合物に比べて接着強度が向上する。また、エポキシ化合物の分子量は3000以下であることが好ましく、特に1500以下が好ましい。分子量が3000以下であれば、組成物化した際に、十分な接着強度を得ることができる。
このエポキシ基含有化合物の中でも、特に扱い易さと食品包装材料に用いた場合の安全性の観点からエポキシ化植物油が好適である。エポキシ化植物油とは、天然植物油の不飽和二重結合を過酸などでエポキシ化したものであり、例えばエポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化オリ−ブ油、エポキシ化サフラワ−油、エポキシ化コ−ン油などを挙げることができる。これらのエポキシ化植物油は、例えば旭電化工業(株)製、O−130P(エポキシ化大豆油)、O−180A(エポキシ化亜麻仁油)等として市販されている。
なお、植物油をエポキシ化する際に若干副生するエポキシ化されていない、またはエポキシ化が不十分な油分は、それが存在しても本発明における作用効果を何ら妨げるものではない。
本発明においてエポキシ基含有化合物の添加量は、ポリオレフィン系樹脂成分100重量部に対して0.01〜5重量部であり、0.01〜0.9重量部が好ましい。エポキシ化合物の添加量が0.01重量部未満では、基材との接着強度が不十分であり、5重量部を超えると接着強度は向上するものの、積層体がベタツキによるブロッキングを起こし、あるいは臭いを発する等の問題があるので好ましくない。
(b) カルボン酸基または酸無水基含有化合物
カルボン酸基または酸無水基含有化合物としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸またはこれらの無水物、アクリル酸、メタクリル酸、フラン酸、クロトン酸、ビニル酢酸、ペンテン酸等の不飽和モノカルボン酸等が挙げられる。
(c) エステル基含有化合物
エステル基含有化合物としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチルなどが例示できるが、特に好ましいものとしてはアクリル酸メチルを挙げることができる。
(d) ヒドロキシル基含有化合物
ヒドロキシル基含有化合物としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト等が挙げられる。
(e) アミノ基含有化合物
アミノ基含有化合物としては、アミノエチル(メタ)アクリレ−ト、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、シクロヘキシルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト等が挙げられる。
(f) シラン基含有化合物
シラン基含有化合物としては、ビニルトリメトキシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセチルシラン、ビニルトリクロロシラン等の不飽和シラン化合物、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルエトシキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、エポキシ基およびアルコキシ基を有するシランオリゴマ−等のエポキシ変性シラン化合物が挙げられる。
これらシラン基含有化合物の中でも、エポキシ変性シラン化合物が好ましい。エポキシ変性シラン化合物は、分子内のエポキシ基が1個のものでも、前記(a)エポキシ基含有化合物と同等の接着強度を有している。
上記官能基含有化合物においては、特にエポキシ化植物油などのエポキシ基含有化合物、無水マレイン酸などのカルボン酸基または酸無水基含有化合物、エポキシ変性シラン化合物が好ましい。
上記エポキシ基含有化合物以外の官能基含有化合物の添加量は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.01〜20重量部であり、好ましくは0.05〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部の範囲で選択される。
本発明において、官能基を含有するポリオレフィン系樹脂、オレフィンと官能基を含有する化合物との共重合体またはその組成物、官能基を含有する化合物をグラフト変性したポリオレフィン系樹脂などは、従来の常法で製造することができるが、最も経済的で、効果的な方法であるグラフト変性方法が好ましい。
また、上記特定のエポキシ基含有化合物およびエポキシ変性シラン化合物においては、単にポリオレフィン系樹脂に配合するのみであってもよい。この方法は、ラミネ−ト成形時にあって基材との強固な接着強度が得られる。しかも上記特定のエポキシ基含有化合物を用いた場合は、食品包装材料に用いた場合に安全であることから最も好ましい。
ポリオレフィン系樹脂に官能基含有化合物をグラフト変性する方法には、重合された樹脂成分をラジカル開始剤の存在下に上記化合物を押出機内で反応させる溶融法、あるいは溶液中で反応させる溶液法等がある。
このラジカル開始剤としては、有機過酸化物、ジヒドロ芳香族、ジクミル化合物等が挙げられる。また、有機過酸化物としては、例えば、ヒドロパ−オキサイド、ジクミルパ−オキサイド、t−ブチルクミルパ−オキサイド、ジアルキル(アリル)パ−オキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパ−オキサイド、ジプロピオニルパ−オキサイド、ジオクタノイルパ−オキサイド、ベンゾイルパ−オキサイド、パ−オキシ琥珀酸、パ−オキシケタ−ル、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ−オキシ)ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ−オキシ)ヘキサン、t−ブチルオキシアセテ−ト、t−ブチルパ−オキシイソブチレ−ト等が好適に用いられる。
上記変性ポリオレフィン系樹脂またはその組成物の具体例としては、無水マレイン酸変性低密度ポリエチレン樹脂、無水マレイン酸変性超低密度ポリエチレン樹脂、無水マレイン酸変性直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、無水マレイン酸変性高密度ポリエチレン樹脂等が挙げられる。
また、オレフィンと官能基含有化合物との共重合体(極性基含有共重合体とも称す)としては、エチレンと(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・無水マレイン酸共重合体、エチレン・アクリル酸グリシジル共重合体、エチレン・アクリル酸グリシジル・酢酸ビニル等の二元共重合体又は多元共重合体等が挙げられる。
これら変性グラフト共重合体または極性基含有共重合体は、単独で使用してもよいが、好ましくは未変性ポリオレフィン系樹脂との組成物として使用されることが好ましい。これら樹脂および組成物は、上述のように、密度0.930〜0.970g/cmの範囲、特に0.930〜0.950g/cmの範囲であることが望ましい。
上記官能基を含有するポリオレフィン系樹脂層(III)は、接着層、耐熱層、あるいは水蒸気等のバリア層、容器の耐座屈層等として機能するものであり、その目的によって、要求される厚みが異なるものの、一般的には5〜300μm、より好ましくは5〜200μmの範囲で選択される。特に接着層としては5〜100μmの範囲でも十分に効果を上げることができる。
また、官能基を含有するポリオレフィン系樹脂層を用いた樹脂層(III)は、単層で、もしくは他の基材と多層化して使用することもできる。
4 [基材層(IV)]
本発明において、基材層(IV)とは、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマ−、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン等のオレフィン系重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアクリレ−ト、ポリアクリロニトリル等のビニル系重合体;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ポリメタキシリレンアジパミド等のポリアミド;ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンテレフタレ−ト/イソフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト等のポリエステル;ポリビニルアルコ−ル;エチレン・ビニルアルコ−ル共重合体;ポリカ−ボネ−ト;延伸ポリプロピレン(OPP)、延伸ポリエステル(OPET)、延伸ポリアミドなどの熱可塑性樹脂からなる層のほか、アルミナ蒸着フィルム、シリカ蒸着フィルム等の金属、無機酸化物の蒸着フィルム、アルミ蒸着等の金属蒸着フィルム、アルミニウム等の金属箔等も使用できる。
また、被包装物が腐敗しやすい食品である場合には、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エチレン・ビニルアルコ−ル共重合体、ポリビニルアルコ−ル樹脂、ポリエステル系樹脂のように、透明性、剛性、ガス透過抵抗性の優れた樹脂を用いることができる。
また、透明性、剛性、水透過抵抗性等が要求される場合には、ポリプロピレン樹脂などを用いることが好ましく、耐熱性、耐水蒸気バリア性等が要求される場合には、中、高密度ポリエチレン樹脂などを用いることが好ましい。
また、バリア性樹脂としては、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、延伸ポリプロピレン(OPP)、延伸ポリエステル(OPET)、延伸ポリアミド、アルミナ蒸着フィルム、シリカ蒸着フィルム等の金属、無機酸化物の蒸着フィルム、アルミ蒸着等の金属蒸着フィルム、アルミニウム等の金属箔等が好ましい例示として挙げられる。
これらの基材層(IV)は、単層もしくは他の基材と多層化して使用することもでき、用途、被包装物の種類により適宜選択することができる。
基材層(IV)の多層化は、少なくともバリア性基材層(IVa)とポリオレフィン系樹脂層(IVb)を含む積層構造からなることが好ましく、かつ、ポリオレフィン系樹脂層(IVb)がポリエチレン系樹脂の場合は、密度0.930〜0.970g/cmであることが望ましい。
ポリオレフィン系樹脂層(IVb)の厚みは、5〜300μm、好ましくは5〜250μm、より好ましくは5〜200μmの範囲程度で選択される。
本発明における多層化した基材層(IV)の一例を以下に例示する
(1)IVa/III、(2)IVa/III/IVb、(3)IVa/接着剤/IVb、(4)IVa/接着剤/III/IVb、(5)IVb/III/IVa/III/IVb、(6)III/IVa/III/IVb等の組み合わせが挙げられる。ここで、III:官能基含有ポリオレフィン系樹脂層、IVa:バリア性基材層、IVb:ポリオレフィン系樹脂層を表す。
5 [積層体の製造方法]
本発明において、積層体を製造するには、紙を主体とする基材(I)の片面に低密度ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂材料層(II)を配し、紙の他面に上記官能基を含有する中密度ポリエチレンまたは高密度ポリエチレンなどの紙を主体とする基材から放出される気体を保持する樹脂層(III)と、ポリオレフィン系樹脂材料層(II)の樹脂よりも耐熱性の高い基材層(IV)、すなわちポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等のバリア性樹脂もしくは、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン樹脂等の単独層あるいはポリアミド樹脂/接着/高密度ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂/接着/高密度ポリエチレン樹脂などの積層フィルムなどを配して押出しする押出ラミネ−ト加工、事前にフィルムとしたものを積層するサンドラミネ−ト加工、ドライラミネ−ト加工する方法、またはこれらの樹脂を共押出ラミネ−ト加工して積層する方法等、一般的な積層方法が採用される。
上記積層体の製造方法においては、予め低密度ポリエチレン樹脂などのポリオレフィン系樹脂材料層(II)等と紙基材(I)とを押出ラミネ−トした積層体1と、別途、官能基を含有するポリオレフィン系樹脂などの樹脂層(III)/バリア性基材層(IVa)/官能基を含有するポリオレフィン系樹脂などの樹脂層(III)/高密度ポリエチレン樹脂などの熱可塑性樹脂層(IVb)の積層体2とを用意しておき、これら積層体1の紙面あるいは積層体2の溶融フィルムに、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、フレ−ム処理、アンカ−処理等を施して、積層体1の紙面と積層体2の官能基を含有するポリオレフィン系樹脂などの樹脂層(III)側と融着させてもよい。
特に、積層体を製造後、エ−ジングを行うことにより接着強度を大幅に向上させることができる。エ−ジングは、積層体を熱風、マイクロ波、高周波、赤外線、遠赤外線等の加熱手段で温度35〜100℃、好ましくは40〜80℃の範囲で、30分〜48時間、好ましくは1時間〜48時間位の範囲で熟成させることが好ましい。
上記押出ラミネ−ト加工は、Tダイより押出した溶融樹脂膜を、基材上に連続的に被覆・圧着する方法で、被覆と接着を同時に行う成形加工法である。また、サンドラミネ−ト加工は、紙と積層するフィルムの間に溶融した樹脂を流し込んで、この溶融した樹脂が接着剤のような働きをして接着・積層する方法であり、ドライラミネ−ト加工は、基材と積層するフィルムの貼合に溶融樹脂を用いず、基材または積層するフィルムに接着剤を塗布し、溶剤を乾燥させた後、基材と積層するフィルムを、熱ロ−ルを介して圧着し、必要に応じてエ−ジング処理を施して接着・積層する方法である。 サンドラミネ−ト加工、ドライラミネ−ト加工は、基材と基材層との間に、バリア性を向上させるため、アルミ箔、ポリエステル系フィルム、各種バリア性フィルム等を積層させることができる。
6 [発泡加工紙]
本発明の発泡加工紙は、上記の紙を主体とする基材(I)と、その紙を主体とする基材(I)の一方の面に、加熱によって紙を主体とする基材から放出される気体によって発泡され得るポリオレフィン系樹脂材料層(II)とを有し、紙を主体とする基材(I)のもう一方の面に、官能基を含有するポリオレフィン系樹脂を含み、紙を主体とする基材から放出される気体を保持する樹脂層(III)を介して、基材層(IV)とを少なくとも有してなる積層体を加熱し、ポリオレフィン系樹脂材料層(II)を発泡させて得られるものである。
なお、本明細書中において、発泡性がよいとは、主に高い発泡倍率を得ることができる状態を指し、紙基材からの水蒸気等の気体により積層体の厚さ方向に発泡セルが生長する際の発泡セルの高さが尺度になる。また、発泡セル高さの均一性も尺度となる。
該発泡加工紙の発泡セルの高さは、370μm以上、好ましくは400μm以上とすることが望ましい。
加熱方法としては特に制限はないが、熱風、マイクロ波、高周波、赤外線、遠赤外線等が挙げられる。加熱温度には特に制約はないが、紙中の水分を蒸発させ、発泡性樹脂が溶融する温度でなければならず、例えば、100〜200℃、好ましくは100〜160℃、より好ましくは100〜140℃が好ましい。加熱時間は10秒間〜15分間が好ましい。加熱温度が100℃以上、加熱時間が10秒以上であれば、十分な発泡セル高さが得られ、加熱温度が200℃以下、あるいは加熱時間が15分間以下であれば、加熱過多による発泡セルのへたりや均一性が損なわれる虞が生じない。
上記発泡加工紙は、下記のカップ等断熱容器用の断熱・保温材料としてはもちろんのこと、緩衝材料、遮音材料、発泡紙等としても用いられ、スリ−ブ材、紙皿、トレ−、滑り止め材、果物の包装材、発泡紙等の農業用、産業用、生活用資材等として活用される。
7 [断熱容器]
本発明の断熱容器は、上記紙を主体とする基材(I)と、その紙を主体とする基材の一方の面に、加熱によって紙を主体とする基材から放出される気体によって発泡され得るポリオレフィン系樹脂材料層(II)とを有し、紙を主体とする基材(I)のもう一方の面に、官能基を含有するポリオレフィン系樹脂を含み、紙を主体とする基材から放出される気体を保持する樹脂層(III)を介して、熱可塑性樹脂を含む基材層(IV)とを少なくとも有してなる積層体を用いて容器を形成した後、該容器を加熱し、ポリオレフィン系樹脂材料層(II)を発泡させて得られたものである。
本発明の断熱容器の好例は、ポリオレフィン系樹脂材料層(II)/紙を主体とする基材(I)/ 樹脂層(III)/バリア性基材層(IVa)/樹脂層(III)/ポリオレフィン系樹脂層(IVb)の6層構造からなる断熱容器であって、各構成材料は、ポリオレフィン系樹脂材料層(II)が、高圧ラジカル重合法ポリエチレン樹脂および/またはイオン重合法ポリエチレン系樹脂;樹脂層(III)がエポキシ基含有の密度0.930〜0.970g/cmのポリエチレン樹脂;バリア性基材層(IVa)が、熱可塑性樹脂、金属等の蒸着フィルム、又は金属箔から選ばれるバリア性基材;及びポリオレフィン系樹脂層(IVb)が、密度0.930〜0.970g/cmのポリエチレン樹脂から主として構成されていることが好ましい。
断熱容器でも、上記発泡加工紙と同様に、発泡セルの高さは、370μm以上、好ましくは400μm以上とすることが望ましい。
これにより得られた断熱容器は、トレ−及びカップなどとして使用される。用途としては、ホット飲料容器、カップス−プ容器、カップ味噌汁容器、カップ麺容器、納豆容器、弁当容器、コ−ヒ−カップ容器、電子レンジ対応容器等が例示できる。
上記断熱容器、特にカップを製造するには、例えば、少なくとも、紙を主体とする基材(I)と、その紙を主体とする基材(I)の一方の面に、低密度ポリエチレン樹脂を用いて、加熱によって基材から放出される水蒸気等によって発泡され得る厚さ20〜100μmの低密度ポリエチレン樹脂からなるポリオレフィン系樹脂材料層(II)を形成し、紙基材(I)の他面に、基材から放出される水蒸気等を保持する、厚さ5〜100μmの官能基を含有する中密度〜高密度ポリエチレン樹脂からなる樹脂層(III)と5〜100μmのポリエステル樹脂あるいはアルミニウム箔などのバリア性基材層(IVa)および樹脂層(III)を介して5〜100μmのポリオレフィン系樹脂層(IVb)からなる基材層(IV)で形成された積層体を製造し、ついで容器に成形後、加熱温度100〜200℃で加熱して、紙基材(I)から放出される水蒸気等によって低密度ポリエチレン樹脂からなるポリオレフィン系樹脂材料層(II)を発泡させる。
断熱容器の製造方法においても、上記発泡加工紙の製造方法と基本的には同様であり、通例のラミネ−ト方法が適用される。押出ラミネ−トにおいては、ダイス直下の樹脂温度200〜350℃、好ましくは260〜350℃、より好ましくは270〜350℃の範囲で行われる。また、成形速度は、10〜400m/分、好ましくは10〜350m/分位で行われ、必要に応じて、紙基材とポリエチレン樹脂との接着性を向上させるためにコロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、フレ−ム処理、アンカ−コ−ト処理等を行っても良い。
このようにして製造された積層体を、ロ−ル巻き原反もしくは連続的に繰り出して、該積層体から胴部材用ブランクと底板部材用ブランクを打ち抜きし、常用のカップ成型機で胴部材と底板部材を接合させてカップ状等に成型した後、回分式あるいは転送するベルトコンベヤ−上に容器を逆さに伏せて載置し、輸送して、熱風、マイクロ波、高周波、赤外線、遠赤外線等が具備する加熱炉、オ−ブントンネル等で容器外部から、加熱発泡されて断熱容器が成形される。
特に連続的に製造するためには、好ましくは、加熱によって紙基材から放出される水蒸気等によって発泡されるポリオレフィン系樹脂材料層(II)と、基材から放出される水蒸気等を保持するポリオレフィン系樹脂の樹脂層(III)および基材層(IV)との融点差が、次の式(5)の関係を満足することが好ましい。
Tm(III、IV)−Tm(II)≧10 −−−−−式(5)
(ただし、Tm(II):層(II)のポリオレフィン系樹脂の融点Tm(℃)、Tm(III、IV):基材中の蒸気等を保持する樹脂層(III)および基材層(IV)を構成するポリオレフィン系樹脂の融点Tm(℃)である)
これにより、押出ラミネ−ト等の高速成形性がよく、連続的に、発泡倍率が高く、均一な発泡セルを有する発泡層を形成することが可能になり、外観性が良く、印刷性、生産性が向上する。また、加熱時間は10秒間〜15分間が好ましい。加熱温度が100℃以上、加熱時間が10秒以上であれば、十分な発泡セル高さが得られ、また、加熱温度が200℃以下、加熱時間が15分間以下であれば、生成した発泡セルが加熱過多にならないので発泡セルに、へたり等が生じることがなく、製品のばらつきの原因となる虞は生じない。
このように本発明においては、特にポリオレフィン系樹脂層(II)の樹脂として特定のMFRとメルトエフェクト(ME)との関係式(1)を満足する材料を使用し、特定の官能基を含有するポリオレフィン系樹脂からなる樹脂層(III)とバリア性基材を含む基材層(IV)を用いることにより、押出ラミネ−ト加工時の作業環境の汚染や、容器の内容物に変質をきたさず、かつ、発泡倍率が高く、均一な発泡セルが形成された発泡層となり、断熱性、外観の良好性等に優れ、安全で、衛生的な断熱容器を容易に得ることができる。
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、本発明の積層体を構成する(I)、(II)、(III)及び(IV)各層に用いる原材料その物性、得られた積層体等や試験方法は、以下の通りである。
1.試験方法
(1) MFR:JIS K7210に準拠(190℃、21.18N荷重)して測定した。
(2) 密度(測定法1):ポリオレフィン系樹脂材料層(II)の測定に使用。
ペレットを熱プレスして2mm厚のプレスシ−トを作成し、該シ−トを1000ml容量のビ−カ−に入れ蒸留水を満たし、時計皿で蓋をしてマントルヒ−タ−で加熱した。蒸留水が沸騰してから60分間煮沸後、ビ−カ−を木製台の上に置き放冷した。この時60分煮沸後の沸騰蒸留水は500mlとし室温になるまでの時間は60分以下にならないように調整した。また、試験シ−トは、ビ−カ−及び水面に接しないように水中のほぼ中央部に浸漬した。シ−トを23℃、湿度50%の条件において16時間以上24時間以内でアニ−リングを行った後、タテ×ヨコ2mmになるように打ち抜き、試験温度23℃でJIS−K7112に準拠して測定した。
(3) 密度(測定法2):基材から放出される水蒸気等を保持するポリオレフィン系樹脂の樹脂層(III)および基材層(IV)のポリオレフィン系樹脂層の測定に使用。
ペレットを165℃の温度にて10MPa圧力を3分間かけて熱プレスし、25℃/分の速度で40℃まで冷却して1mm厚のプレスシ−トを作成した。該シ−トを23℃、湿度50%の条件において12時間以上24時間以内でアニ−リングを行った後、タテ×ヨコ2mmになるように打ち抜き、試験温度23℃でJIS−K7112に準拠して測定した。
(4) メモリ−エフェクト(ME):三鈴エリ−(株)製半自動ME計を用いて測定した。
JIS K7210で使用されるメルトインデクサ−を使用し、測定条件をシリンダ−温度240℃、定速押出量3g/分の条件にて、次のように実施した。
装置に2.095mmΦのMFR測定用ノズルをセットし、樹脂を炉へ充填する。ピストンを乗せ、0.09g/分の定速押出で5分間保持し、その後3g/分の定速押出とし6分30秒までエア−抜きを行う。6分30秒経過後、3g/分を維持したままストランドをカットし、オリフィス下端からのストランド長さが20mmとなった時点でのストランドの径を、オリフィス下端から15mmの位置でKEYENCE製レ−ザ−寸法測定器(LS−3033)を用いて測定する。測定したストランドの直径をD、ダイスのオリフィス径をD(2.095mm)として次式によりMEを求めた。
ME=D/D
(5) 融点:ペレットを熱プレスでシ−トとし、パンチで打ち抜いてサンプルとした。測定は、下記の条件で、第一昇温、降温、第二昇温の手順で実施し、第二昇温の最高ピ−ク高さの温度を融点とした。
装置:セイコ−インスツルメンツ製DSC220
昇降温条件 :第一昇温 30℃から200℃までを40℃/分
降温 200℃から20℃までを10℃/分
第二昇温 20℃から200℃までを10℃/分
温度保持時間:第一昇温後 5分間、降温後 5分
サンプル量:5mg
リファレンス:アルミニウム
(6) 接着強度:発泡前の積層体を押出ラミネ−トの流れ方向に平行に15mm幅でサンプリングし、(III)層と(IV)層の間を剥離し、紙層を伴う(III)層側を引張試験機の下部チャック、(IV)層を伴う(III)層を上部チャックに固定し、引張速度300mm/minの速度で180°の角度で剥離し、接着強度(N/15mm)及び接着強度測定時の剥離あるいは基材切れ状況を評価した。
(7) (III)層の発泡有無:積層体を125℃オ−ブン中で6分間放置後、オ−ブンから取り出し、常温にて放冷して発泡加工紙を作成した。得られた発泡加工紙の(III)層の状態を顕微鏡にて観察し、(III)層の発泡の有無を評価した。
(8) 発泡性:発泡積層体の断面を顕微鏡で50倍に拡大観察し、発泡層の厚さを測定し、発泡セル高さとした。
(9) 発泡セルの均一性:発泡積層体表面を目視にて観察し、部分的な過剰発泡の有無と均一性を評価した。
○:良好、△:セル高さが不均一、×:セルの破裂が発生。
[原材料樹脂]
1.紙基材:坪量157g/m、含水率7%の紙基材を用いた。
2.ポリオレフィン系樹脂材料
a−1:高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン樹脂
(MFR14g/10分、密度0.918g/cm、ME1.9 融点105℃)
a−2:高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン樹脂(1)と高圧ラジカル重合法低密
度ポリエチレン樹脂(2)との組成物
高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン樹脂(1)(MFR8g/10分、密度0.918g/cm、ME2.1)70重量%と高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン樹脂(2)(MFR22g/10分、密度0.918g/cm、ME1.3)30重量%とを溶融混合し、MFR10g/10分、密度0.918g/cm、ME1.9、融点106℃の高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン樹脂材料(a−2)を得た。
a−3:高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレンと直鎖状低密度ポリエチレンとの組成物
高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン(MFR8g/10分、密度0.918g/cm、ME2.1、融点106℃)60重量%とメタロセン触媒によるエチレン−α−オレフィン共重合体(MFR17g/10分、密度0.898g/cm、ME1.1、融点85℃)40重量%を混合し、MFR10g/10分、密度0.910g/cm、ME1.8、融点104℃のポリエチレン樹脂材料(a−3)を得た。
a−4:変性低密度ポリエチレン樹脂
高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン樹脂(MFR50g/10分、密度0.918g/cm、ME1.2、融点102℃)100重量部に対し、ラジカル発生剤である3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−1,4,7−トリパ−オキソナンが0.03重量部となるよう、化薬アクゾ(株)製トリゴノックス301(純度41%、一時間半減期温度が146℃)を計量し、ヘンシェルミキサ−にて2分間混合し、混合物を40mmφ単軸押出機にて窒素シ−ルの下、ラジカル反応温度(T2)240℃、押出機滞留時間90秒の条件にてラジカル反応させ、ポリオレフィン系樹脂材料層(I)を構成するポリエチレン樹脂材料a−4(MFR19g/10分、密度0.916g/cm、ME2.3、融点102℃)を得た。
3.官能基を有するポリオレフィン系樹脂
c−1:エポキシ基含有ポリエチレン樹脂
中密度ポリエチレン樹脂(MFR10g/10分、密度0.936g/cm、融点129℃ 日本ポリエチレン(株)製)100重量部に対して、エポキシ化合物としてエポキシ化大豆油(旭電化工業(株)製O−130P)を0.2重量部添加した中密度ポリエチレン樹脂(ESO−MDPEと称す)
c−2:官能基を含有していない中密度ポリエチレン樹脂
MFR:10g/10分、密度:0.936g/cm 融点129℃ 日本ポリエチレン(株)製
c−3:官能基を含有していない低密度ポリエチレン樹脂、
MFR14g/10分、密度0.918g/cm、 融点105℃ 日本ポリエチレン(株)製
c−4:エポキシ変性シラン化合物含有ポリエチレン樹脂
中密度ポリエチレン樹脂(MFR10g/10分、密度0.936g/cm、融点129℃ 日本ポリエチレン(株)製)100重量部に対して、エポキシ変性シラン化合物として、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製 信越シリコ−ンKBM−403)を0.1重量部添加した中密度ポリエチレン樹脂(ESi−MDPEと称す)
c−5:エポキシ変性シラン化合物含有ポリエチレン樹脂
中密度ポリエチレン樹脂(MFR10g/10分、密度0.936g/cm、融点129℃ 日本ポリエチレン(株)製)100重量部に対して、エポキシ変性シラン化合物として、エポキシ変性アルコキシシランオリゴマ−(信越化学工業(株)製 信越シリコ−ンX−41−1053)を0.2重量部添加した中密度ポリエチレン樹脂(ESiO−MDPEと称す)
4.基材(IV)
IVa:バリア性基材
IVa−1:ポリエステル樹脂(PETと称する)
東洋紡(株)製 E5102 厚さ:12μm
IVa−2:無機酸化物層被覆ポリエステル樹脂(Si−PETと称する)
三菱樹脂(株)製 テックバリアU 厚さ:12μm
IVb−1:中密度ポリエチレン樹脂(MDPEと称する)
MFR:10g/10分、密度:0.936g/cm 日本ポリエチレン(株)製
(実施例1)
坪量157g/m、含水率7%の紙基材の片面にコロナ処理(30W・min/m)を施し、40φ押出機、ダイス有効幅360mmの押出ラミネ−タ−を用い、ポリオレフィン系樹脂材料層(II)を構成する材料として(a−1)を、樹脂温度320℃、加工速度20m/min、40μm厚にて押出ラミネ−ト加工し、ポリオレフィン系樹脂材料層(II)と紙基材(I)との積層体を得た。
上記積層体のポリオレフィン系樹脂材料層(II)と反対面の紙基材(I)面に、コロナ処理(30W・min/m)を施し、40φ押出機、ダイス有効幅360mmの押出ラミネ−タ−を用い、樹脂温度330℃、加工速度20m/min、15μm厚にて、樹脂層(III)を構成する材料として(c−1)を押出し、あらかじめコロナ処理を施したバリア性基材層(IVa−1)のコロナ処理面とのサンドラミネ−ト加工を実施し、ポリオレフィン系樹脂材料層(II)/紙基材(I)/ポリオレフィン系樹脂層(III)/基材層(IVa−1)の積層体を得た。
上記積層体のポリオレフィン樹脂層(III)と反対面の基材(IVa−1)にコロナ処理(30W・min/m)を施し、40φ押出機、ダイス有効幅360mmの押出ラミネ−タ−を用い樹脂温度330℃、加工速度20m/min、15μm厚にてポリオレフィン系樹脂(c−1)を介して、中密度ポリエチレン樹脂層(IVb)を15μm厚で押出ラミネ−ト加工し、ポリオレフィン系樹脂材料(a−1)層(II)/紙基材(I)/樹脂(c−1)層(III)/PET基材(IVa−1)層/ポリオレフィン樹脂(c−1)層/中密度ポリエチレン樹脂層(IVb−1)からなる発泡性積層体を得た。
得られた発泡性積層体を125℃のオ−ブン中に6分間放置後、オ−ブンから取り出し、常温にて放冷して発泡加工紙を作成した。結果を表1に示す。この発泡加工紙の発泡セルは、均一で、高さは380μmであった。その結果を表1に示した。
(実施例2〜4)
実施例1のポリオレフィン系樹脂材料層(II)の低密度ポリエチレン樹脂(a−1)を(a−2)、(a−3)、(a−4)に代えた以外は、実施例1と同様にして積層体を作成した。性能を評価し、結果を表1に示した。
(実施例5)
実施例1のバリア性樹脂基材(IVa−1)のポリエチレンテレフタレ−ト樹脂(PET)をシリカ蒸着ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂(Si−PET)に代え、あらかじめシリカ蒸着面と反対面にコロナ処理を施し、ポリオレフィン系樹脂材料層(II)とのサンドラミネ−ト加工を実施した。得られたバリア性樹脂基材(IVa−2)を有する積層体のシリカ蒸着面にアンカ−コ−ト剤を塗布したのち、アンカ−コ−ト層へポリオレフィン系樹脂(c−2)を押出ラミネ−ト加工した以外は、実施例1と同様にして積層体を作成した。性能を評価し、結果を表1に示した。
(実施例6)
実施例1において、紙基材(I)とバリア性基材層(IVa)のポリエチレンテレフタレ−ト樹脂(PET)間の樹脂層(III)および接着層を構成する材料として、(c−1)を(c−4)のESi−MDPEに代えた以外は、実施例1と同様にして積層体を作成した。性能を評価し、結果を表1に示した。
(実施例7)
実施例1において、紙基材(I)とバリア性基材層(IVa)のポリエチレンテレフタレ−ト樹脂(PET)間の樹脂層(III)および接着層を構成する材料として、(c−1)を(c−5)のESiO−MDPEに代えた以外は、実施例1と同様にして積層体を作成した。性能を評価し、結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1において、紙基材(I)とバリア性基材層(IVa)のポリエチレンテレフタレ−ト樹脂(PET)間に、官能基を含有していない中密度ポリエチレン(c−2)(日本ポリエチレン製LC680 MFR10g/10min、密度0.936g/cm3)を用いて積層体を製造した以外は、実施例1と同様にして積層体を作成した。性能を評価し、結果を表1に示した。
(比較例2)
実施例1において、紙基材(I)とバリア性基材層(IVa)のポリエチレンテレフタレ−ト樹脂(PET)間に官能基を含有していない低密度ポリエチレン樹脂(c−3)を用いて積層体を作成した。接着強度は低く、かつ後発泡工程において、該低密度ポリエチレン樹脂層(c−3)も発泡してしまった。結果を表1に示した。
Figure 2010241124
本発明の積層体は、発泡性に優れ、発泡加工紙や断熱材、断熱容器等の材料として有用であり、上記発泡加工紙は、下記のカップ等断熱容器用の断熱・保温材料としてはもちろんのこと、緩衝材料、遮音材料、発泡紙等としても用いられ、スリ−ブ材、紙皿、トレ−、滑り止め材、果物の包装材、発泡紙等の農業用、産業用、生活用資材等として活用される。
また、断熱容器は、ホット飲料容器、カップス−プ容器、カップ味噌汁容器、カップ麺容器、納豆容器、弁当容器、コ−ヒ−カップ容器、電子レンジ対応容器等のカップ及びトレ−などとして使用され、バリア性能にも優れているため、酸素等の気体や、臭気、香気等を遮断し、内容物が酸化により変質も起こりにくくなり、保存期間が大幅に延びる。また、アンカ−コ−ト剤等を使用しないので、安全で衛生的である。

Claims (13)

  1. 紙を主体とする基材(I)と、その紙を主体とする基材の一方の面に、加熱によって紙を主体とする基材から放出される気体によって発泡され得るポリオレフィン系樹脂材料層(II)を有し、紙を主体とする基材のもう一方の面に、官能基を含有するポリオレフィン系樹脂を含み、紙を主体とする基材から放出される気体を保持する樹脂層(III)を介して、基材層(IV)を少なくとも有してなる積層体。
  2. ポリオレフィン系樹脂材料層(II)が、高圧ラジカル重合法ポリエチレン樹脂(A)および/またはイオン重合法ポリエチレン系樹脂(B)であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. ポリオレフィン系樹脂材料層(II)の樹脂材料が、下記(式1)のメルトフロ−レ−ト(MFR)とメモリ−エフェクト(ME)との関係を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
    −0.467×Ln(MFR) +2.75 ≦ ME (式1)
    (式中、Lnは自然対数である。)
  4. 樹脂層(III)の官能基を含有するポリオレフィン系樹脂が、エポキシ基含有化合物(a)、カルボン酸基または酸無水基含有化合物(b)、エステル基含有化合物(c)、ヒドロキシル基含有化合物(d)、アミノ基含有化合物(e)、シラン基含有化合物、又は(f)から選択される少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
  5. エポキシ基含有化合物(a)が、分子内にエポキシ基を2個以上有し、分子量が3000以下であるエポキシ化合物であることを特徴とする請求項4に記載の積層体。
  6. 樹脂層(III)の官能基を含有するポリオレフィン系樹脂が、密度0.930〜0.970g/cmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体。
  7. 樹脂層(III)および基材層(IV)のいずれかが、少なくとも2層以上から構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層体。
  8. 基材層(IV)が、少なくともバリア性基材層(IVa)とポリオレフィン系樹脂層(IVb)を含む積層構造であることを特徴とする請求項7に記載の積層体。
  9. ポリオレフィン系樹脂層(IVb)の材料樹脂が、密度0.930〜0.970g/cmであることを特徴とする請求項8に記載の積層体。
  10. 樹脂層(III)と基材層(IV)との層間に、接着剤、又はアンカ−コ−ト剤が含まれないことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の積層体。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の積層体を加熱し、ポリオレフィン系樹脂材料層(II)を発泡させて得られた発泡加工紙。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載の積層体を用いて容器を形成した後、該容器を加熱し、ポリオレフィン系樹脂材料層(II)を発泡させて得られた断熱容器。
  13. ポリオレフィン系樹脂材料層(II)/紙を主体とする基材(I)/ 樹脂層(III)/バリア性基材層(IVa)/樹脂層(III)/ポリオレフィン系樹脂層(IVb)の6層構造からなる断熱容器であって、各構成材料は、ポリオレフィン系樹脂材料層(II)が、高圧ラジカル重合法ポリエチレン樹脂および/またはイオン重合法ポリエチレン系樹脂; 樹脂層(III)がエポキシ基含有の密度0.930〜0.970g/cmのポリエチレン樹脂; バリア性基材層(IVa)が、熱可塑性樹脂、金属等の蒸着フィルム、又は金属箔から選ばれるバリア性基材; ポリオレフィン系樹脂層(IVb)が、密度0.930〜0.970g/cmのポリエチレン樹脂から主として構成されていることを特徴とする請求項12に記載の断熱容器。
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