JP6064616B2 - 酸素吸収性紙容器 - Google Patents
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本実施形態の酸素吸収性紙容器は、酸素吸収性多層体を製函してなる紙容器である。より具体的には、紙容器を構成する酸素吸収性多層体は、熱可塑性樹脂を含有する隔離層(層F)、少なくとも1種のテトラリン環を有する構成単位を含有する共重合ポリオレフィン化合物(以下、単に「テトラリン環含有共重合ポリオレフィン化合物」ともいう。)と遷移金属触媒とを含有する酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層(層A)、ガスバリア性物質を含有するガスバリア層(層D)、および紙基材層(層E)の少なくとも4層をこの順に積層したものである。また、本実施形態の酸素吸収性多層体は、必要に応じて、これら4層以外の層を任意の位置に層を有していてもよい。
本実施形態において、酸素吸収性多層体の隔離層(層F)は、熱可塑性樹脂を含有するものである。この層Fは、容器内の酸素を酸素吸収層(層A)まで透過させると同時に酸素吸収層(層A)と内容物(被保存物)とを隔離する(層Aと被保存物との物理的な接触を阻害する)役割を有する。また、この層Fは、酸素吸収性多層体を製函して容器を成形する際に、それ同士で熱融着して紙容器を密封するシーラントとしての役割を有することもできる。
本実施形態の酸素吸収性多層体の酸素吸収層(A)は、上記一般式(1)で表わされる構成単位からなる群より選択される少なくとも1種のエチレンまたは置換エチレン構成単位である構成単位(a)、および、上記一般式(2)または(3)で表される構成単位からなる群より選択される少なくとも1種のテトラリン環を有する置換エチレン構成単位である構成単位(b)を含有するテトラリン環含有共重合ポリオレフィン化合物と遷移金属触媒とを含有する酸素吸収性樹脂組成物からなる。
本実施形態のテトラリン環含有共重合ポリオレフィン化合物は、上記一般式(1)で表される構成単位からなる群より選択される少なくとも1種のエチレンまたは置換エチレン構成単位である構成単位(a)、および、上記一般式(2)または(3)で表される構成単位からなる群より選択される少なくとも1種のテトラリン環を有する置換エチレン構成単位である構成単位(b)を含有する。
(式中、R5〜R7は、それぞれ独立して水素原子または第2の一価の置換基を示し、R8〜R11は、それぞれ独立して第3の一価の置換基を示し、第2の一価の置換基および第3の一価の置換基は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基およびイミド基からなる群より選択される少なくとも1種であり、これらはさらに置換基を有していてもよく、R8、R9、R10またはR11が複数存在する場合、複数のR8、R9、R10またはR11は、互いに同一であっても異なっていてもよい。mは0〜3、nは0〜7、pは0〜6、qは0〜4の整数をそれぞれ示し、テトラリン環のベンジル位には少なくとも1つの水素原子が結合している。Xは−(C=O)O−、−(C=O)NH−、−O(C=O)−、−NH(C=O)−および−(CHR)s−からなる群より選択される二価の基を示し、sは0〜12の整数を示す。Yは−(CHR)t−であって、tは0〜12の整数を示す。Rは−H、−CH3、および−C2H5からなる群より選択される一価の化学種を示す。)
(式中、R1〜R4は、それぞれ独立して水素原子または第1の1価の置換基を示し、第1の一価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基およびイミド基からなる群より選択される少なくとも1種であり、これらはさらに置換基を有していてもよい。)
(式中、R5〜R7は、それぞれ独立して水素原子または第2の一価の置換基を示し、R8およびR9は、それぞれ独立して第3の一価の置換基を示し、第2の一価の置換基および第3の一価の置換基は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基およびイミド基からなる群より選択される少なくとも1種であり、これらはさらに置換基を有していてもよく、R8またはR9が複数存在する場合、複数のR8またはR9は、互いに同一であっても異なっていてもよい。mは0〜3、nは0〜4の整数をそれぞれ示し、Xは−(C=O)O−、−(C=O)NH−、−O(C=O)−、−NH(C=O)−および−(CHR)s−からなる群より選択される二価の基を示し、sは0〜12の整数を示す。Yは−(CHR)t−であって、tは0〜12の整数を示す。Rは−H、−CH3、および−C2H5からなる群より選択される一価の化学種を示す。)
本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物において用いられる遷移金属触媒としては、上記のテトラリン環含有共重合ポリオレフィン化合物の酸化反応の触媒として機能し得るものであれば、公知のものから適宜選択して用いることができ、特に限定されない。
また、本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物は、必要に応じて、上記テトラリン環含有共重合ポリオレフィン化合物以外の、他の熱可塑性樹脂をさらに含有していてもよい。他の熱可塑性樹脂を併用することで、成形性や取扱性を高めることができる。
ここで、本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物は、上述した各成分以外に、本実施形態の効果を過度に損なわない範囲で、当業界で公知の各種添加剤を含有していてもよい。かかる任意の添加剤としては、例えば、乾燥剤、酸化チタン等の顔料、染料、酸化防止剤、スリップ剤、帯電防止剤、安定剤等の添加剤、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、シリカ等の充填剤、消臭剤等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
本実施形態の酸素吸収性多層体のガスバリア層(層D)は、ガスバリア性物質を含有するものである。層Dの酸素透過率は、20μmの厚さのフィルムについて、23℃、相対湿度60%の条件下で測定したときに、100mL/(m2・day・atm)以下であることが好ましく、より好ましくは80mL/(m2・day・atm)以下、さらに好ましくは50mL/(m2・day・atm)以下である。
本実施形態において、紙基材層(層E)は、容器を構成する基本素材となることから、賦型性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等に優れることが好ましい。層Eを構成する紙基材としては、例えば、強サイズ性の晒または未晒の紙基材、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙、その他の各種の紙基材を使用することができる。上記の層Eの坪量は、適宜設定することができ、特に限定されないが、約80〜600g/m2の範囲であることが好ましく、より好ましくは100〜450g/m2の範囲である。なお、本実施形態において、紙基材層には、例えば、文字、図形、絵柄、記号、その他等の所望の印刷絵柄が通常の印刷方式にて任意に形成されていてもよい。
なお、本実施形態の酸素吸収性多層体は、層Fと層Aとの間に、層Aと層Dとの間に、層Dと層Eとの間に、または、層Fの外層或いは層Eの外層に、樹脂層、金属箔層或いは接着剤層等の少なくとも1以上の他の層を有していてもよい。例えば、層Dの破損やピンホールを防ぐために、層Dの内側や外側に熱可塑性樹脂からなる保護層を設けることができる。この保護層に用いる樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン等のポリエチレン類、プロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体等のポリプロピレン類、ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド類、さらに、PET等のポリエステル類およびこれらの組み合わせが挙げられる。
本実施形態の酸素吸収性紙容器は、上述した酸素吸収性多層体をその構成材の一部または全部とするものである。なお、酸素吸収性多層体を全部とする紙容器とは、酸素吸収性多層体のみによって構成された紙容器を意味する。また、酸素吸収性多層体をその構成材の一部とする紙容器とは、紙容器の一部が酸素吸収性多層体によって構成され、残りが他の素材より構成された紙容器を意味する。後者の例としては、容器内に収納した物品(被保存物)を外部から確認できるように、透明な素材(例えば、上記酸素吸収性多層体層から紙基材を除いた様態)を一部に用いて構成した紙容器が挙げられる。
(製造例1)
内容積1000mLの4つ口セパラブルフラスコに、メタクリル酸メチル含有量が25質量%のエチレン−メタクリル酸メチル共重合体(製品名;住友化学株式会社製「アクリフトWK402」)100g、6−ヒドロキシルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン81g、デカリン160g、エステル交換触媒としてテトラブチルチタネート0.2gを仕込み、撹拌しながら窒素雰囲気下で反応液温を210℃まで昇温し、メタノールを留去しながら、3時間反応を行った。メタノールが留出しなくなった後、減圧を徐々に行い、未反応の6−ヒドロキシルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、およびデカリンを留去した。その後、常圧に戻し、冷却して固形状の反応粗生成物を得た。次いで、得られた反応粗生成物に、その濃度が3〜4質量%になるようトルエンを加え、80℃に加熱し溶解させた後、この溶液を40℃程度まで冷却しメタノールを加え、再沈殿したテトラリン環含有共重合ポリオレフィン化合物(1)を濾過により回収した。
製造例1の6−ヒドロキシルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンに代えて1,5−ジメチル−8−ヒドロキシルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンを用い、その質量を95.0gとした以外は、製造例1と同様にしてテトラリン環含有共重合ポリオレフィン化合物(2)を合成した。このテトラリン環含有共重合ポリオレフィン化合物(2)の、ポリスチレン換算の重量平均分子量は9.1×104、数平均分子量は3.0×104、融点は71℃であった。
製造例1のメタクリル酸メチル含有量が25質量%のエチレン−メタクリル酸メチル共重合体に代えてメタクリル酸メチル含有量が5質量%のエチレン−メタクリル酸メチル共重合体(製品名;住友化学株式会社製「アクリフトWD203−1」)を用い、6−ヒドロキシルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンの量を81gから16.2gに変更した以外は、製造例1と同様にしてテトラリン環含有共重合ポリオレフィン化合物(3)を合成した。このテトラリン環含有共重合ポリオレフィン化合物(3)の、ポリスチレン換算の重量平均分子量は9.6×104、数平均分子量は3.0×104、融点は98℃であった。
製造例1のメタクリル酸メチル含有量が25質量%のエチレン−メタクリル酸メチル共重合体に代えてメタクリル酸メチル含有量が10質量%のエチレン−メタクリル酸メチル共重合体(製品名;住友化学株式会社製「アクリフトWD201−F」)を用い、6−ヒドロキシルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンの量を81gから32.4gに変更した以外は、製造例1と同様にしてテトラリン環含有共重合ポリオレフィン化合物(4)を合成した。このテトラリン環含有共重合ポリオレフィン化合物(4)の、ポリスチレン換算の重量平均分子量は9.3×104、数平均分子量は3.1×104、融点は92℃であった。
共重合ポリオレフィン化合物(1)100質量部に対し、ステアリン酸コバルト(II)をコバルト量が0.05質量部となるようドライブレンドして得られた混合物を、直径37mmのスクリューを2本有する2軸押出機に15kg/hの速度で供給し、シリンダー温度240℃の条件にて溶融混練を行い、押出機ヘッドからストランドを押し出し、冷却後、ペレタイジングすることで、酸素吸収性樹脂組成物(1)を得た。
次に、得られた酸素吸収性多層フィルムのコロナ処理面側に、LDPEによる押し出しラミネートにて多層紙基材を積層することで、晒クラフト紙(坪量330g/m2)/ウレタン系ドライラミネート用接着剤(製品名;東洋モートン株式会社製「TM−250HV/CAT−RT86L−60」、3μm)/アルミナ蒸着PETフィルム(製品名;凸版印刷株式会社製「GL-AE」、12μm)/ウレタン系アンカーコート剤(製品名;東洋モートン株式会社製「EL−557A/B」、0.5μm)/LDPE(15μm)/LDPE(20μm)/酸素吸収層(30μm)/LDPE(20μm)の酸素吸収性紙基材多層体(酸素吸収性多層体)を得た。そして、この多層体を製函することで、底部7cm角、1000mL用ゲーベルトップ型の酸素吸収性紙容器を得た。このとき、紙容器の成形性および加工性は良好であり、容易に製函することができた。
(実施例2)
コバルト量を0.01質量部とした以外は、実施例1と同様に行って、酸素吸収性樹脂組成物、酸素吸収性多層フィルムおよび紙容器を作製した。その後、実施例1と同様に、ヘッドスペース酸素濃度の測定、日本酒の風味の確認、および紙容器上部の熱融着強度の測定を行なった。これらの結果を表1に示す。
コバルト量を0.1質量部とした以外は、実施例1と同様に行って、酸素吸収性樹脂組成物、酸素吸収性多層フィルムおよび紙容器を作製した。その後、実施例1と同様に、ヘッドスペース酸素濃度の測定、日本酒の風味の確認、および紙容器上部の熱融着強度の測定を行なった。これらの結果を表1に示す。
ステアリン酸コバルト(II)に代えて酢酸コバルト(II)を用いること以外は、実施例1と同様に行って、酸素吸収性樹脂組成物、酸素吸収性多層フィルムおよび紙容器を作製した。その後、実施例1と同様に、ヘッドスペース酸素濃度の測定、日本酒の風味の確認、および紙容器上部の熱融着強度の測定を行なった。これらの結果を表1に示す。
ステアリン酸コバルト(II)に代えてステアリン酸マンガン(II)を用いること以外は、実施例1と同様に行って、酸素吸収性樹脂組成物、酸素吸収性多層フィルムおよび紙容器を作製した。その後、実施例1と同様に、ヘッドスペース酸素濃度の測定、日本酒の風味の確認、および紙容器上部の熱融着強度の測定を行なった。これらの結果を表1に示す。
ステアリン酸コバルト(II)に代えてステアリン酸鉄(II)を用いること以外は、実施例1と同様に行って、酸素吸収性樹脂組成物、酸素吸収性多層フィルムおよび紙容器を作製した。その後、実施例1と同様に、ヘッドスペース酸素濃度の測定、日本酒の風味の確認、および紙容器上部の熱融着強度の測定を行なった。これらの結果を表1に示す。
テトラリン環含有共重合ポリオレフィン化合物(1)に代えてテトラリン環含有共重合ポリオレフィン化合物(2)を用いること以外は、実施例1と同様に行って、酸素吸収性樹脂組成物、酸素吸収性多層フィルムおよび紙容器を作製した。その後、実施例1と同様に、ヘッドスペース酸素濃度の測定、日本酒の風味の確認、および紙容器上部の熱融着強度の測定を行なった。これらの結果を表1に示す。
ステアリン酸コバルト(II)に代えてステアリン酸マンガン(II)を用いること以外は、実施例7と同様に行って、酸素吸収性樹脂組成物、酸素吸収性多層フィルムおよび紙容器を作製した。その後、実施例1と同様に、ヘッドスペース酸素濃度の測定、日本酒の風味の確認、および紙容器上部の熱融着強度の測定を行なった。これらの結果を表1に示す。
ステアリン酸コバルト(II)に代えてステアリン酸鉄(II)を用いること以外は、実施例7と同様に行って、酸素吸収性樹脂組成物、酸素吸収性多層フィルムおよび紙容器を作製した。その後、実施例1と同様に、ヘッドスペース酸素濃度の測定、日本酒の風味の確認、および紙容器上部の熱融着強度の測定を行なった。これらの結果を表1に示す。
テトラリン環含有共重合ポリオレフィン化合物(1)に代えてテトラリン環含有共重合ポリオレフィン化合物(3)を用いること以外は、実施例1と同様に行って、酸素吸収性樹脂組成物、酸素吸収性多層フィルムおよび紙容器を作製した。その後、実施例1と同様に、ヘッドスペース酸素濃度の測定、日本酒の風味の確認、および紙容器上部の熱融着強度の測定を行なった。これらの結果を表1に示す。
テトラリン環含有共重合ポリオレフィン化合物(1)に代えてテトラリン環含有共重合ポリオレフィン化合物(4)を用いること以外は、実施例1と同様に行って、酸素吸収性樹脂組成物、酸素吸収性多層フィルムおよび紙容器を作製した。その後、実施例1と同様に、ヘッドスペース酸素濃度の測定、日本酒の風味の確認、および紙容器上部の熱融着強度の測定を行なった。これらの結果を表1に示す。
テトラリン環含有共重合ポリオレフィン化合物(1)に代えて製造例1で使用したメタクリル酸メチル含有量が25質量%のエチレン−メタクリル酸メチル共重合体を用いたこと以外は、実施例1と同様に行って、多層フィルムおよび紙容器を作製した。その後、実施例1と同様に、ヘッドスペース酸素濃度の測定、日本酒の風味の確認、および紙容器上部の熱融着強度の測定を行なった。これらの結果を表1に示す。
ステアリン酸コバルト(II)を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様に行って、多層フィルムおよび紙容器を作製した。その後、実施例1と同様に、ヘッドスペース酸素濃度の測定、日本酒の風味の確認、および紙容器上部の熱融着強度の測定を行なった。これらの結果を表1に示す。
テトラリン環含有共重合ポリオレフィン化合物(1)に代えてN−MXD6(三菱ガス化学株式会社製、商品名:MXナイロン S6011)とした以外は、実施例1と同様に行って、酸素吸収性樹脂組成物を作製した。次いで、第1〜3押出機、フィードブロック、Tダイ、冷却ロール、コロナ放電処理装置、巻き取り機等を備えた多層フィルム製造装置を用い、各押出機から、第1押出機;LDPE、第2押出機;前記N−MXD6系酸素吸収性樹脂組成物、および第3押出機;ポリエチレン系接着性樹脂(製品名;三菱化学株式会社製「モディック M545」、以下、ADと略する)をそれぞれ押し出し、フィードブロックを介して酸素吸収性多層フィルムを得た。該多層フィルムの構成は、内層より、LDPE層(20μm)/接着層(10μm)/酸素吸収層(30μm)/接着層(10μm)/LDPE層(20μm)であった。次いで、実施例1と同様に行って、紙容器を作製した。その後、実施例1と同様に、ヘッドスペース酸素濃度の測定、日本酒の風味の確認、および紙容器上部の熱融着強度の測定を行なった。これらの結果を表1に示す。
平均粒径30μmの鉄粉と塩化カルシウムを質量比100:1の割合で混合し、この混合物とLDPEとを30:70の質量比で混練して、鉄系酸素吸収性樹脂組成物を得た。酸素吸収性樹脂組成物(1)に代えて鉄系酸素吸収性樹脂組成物を用いること以外は、実施例1と同様に行なって、2種3層フィルムを作製しようとしたが、フィルム表面に鉄粉の凹凸が発生し、以降の検討に耐え得る表面平滑なフィルムが得られなかった。
厚さ50μmのLDPEに、酸素吸収層として比較例4で得た鉄系酸素吸収性樹脂組成物を厚さ30μmで押出ラミネートし、酸素吸収層(30μm)/LDPE(50μm)のラミネートフィルムを作製し、その後、酸素吸収層面をコロナ放電処理した。
2種3層構造の酸素吸収性多層フィルムに代えてこのラミネートフィルムを用いること以外は、実施例1と同様にLDPEによる押し出しラミネートを行なって多層紙基材と積層し、晒クラフト紙(坪量330g/m2)/ウレタン系ドライラミネート用接着剤(3μm)/アルミナ蒸着PETフィルム(12μm)/ウレタン系アンカーコート剤(0.5μm)/LDPE(15μm)/酸素吸収層(30μm)/LDPE(50μm)の酸素吸収性紙基材多層体を作製した。その後、この多層体を用いてゲーベルトップ型紙容器を製函しようとしたが、紙容器の角を作製することが困難であった。そのため、容器作製速度を落として紙容器の作製を試みたところ、多くの不良品を排除することでようやく紙容器を得ることができた。得られた紙容器を用いて、実施例1と同様に、ヘッドスペース酸素濃度の測定、日本酒の風味の確認、および紙容器上部の熱融着強度の測定を行なった。これらの結果を表1に示す。
Claims (2)
- 熱可塑性樹脂を含有する隔離層、共重合ポリオレフィン化合物および遷移金属触媒を含有する酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層、ガスバリア性物質を含有するガスバリア層、並びに紙基材層をこの順に積層した、少なくとも4層からなる酸素吸収性多層体を製函してなる酸素吸収性紙容器であって、
前記共重合ポリオレフィン化合物が、下記式(4)および(5)で表される構成単位;
下記式(6)および(7)で表される構成単位;
前記遷移金属触媒が、マンガン、鉄又はコバルトからなる遷移金属のステアリン酸又は酢酸からなる有機酸塩であり、
前記遷移金属触媒が、前記共重合ポリオレフィン化合物100質量部に対し、遷移金属量として0.01〜0.1質量部含まれる、
酸素吸収性紙容器。 - 前記共重合ポリオレフィン化合物に含まれる、前記構成単位(b)の含有割合に対する前記構成単位(a)の含有割合が、モル比で1/99〜99/1である、請求項1に記載の酸素吸収性紙容器。
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