JP5935659B2 - 酸素吸収性多層体及び酸素吸収性多層容器 - Google Patents

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Description

本発明は、低湿度から高湿度までの広範な湿度条件下で、酸素吸収性能、樹脂強度、樹脂加工性に優れ、臭気発生のない酸素吸収性多層体と該多層体を熱成形してなる酸素吸収性多層容器に関する。
食品、飲料、医薬品、化粧品に代表される、酸素の影響を受けて変質あるいは劣化しやすい各種物品の酸素酸化を防止し、長期に保存する目的で、これらを収納した包装体内の酸素除去を行う酸素吸収剤が使用されている。
酸素吸収剤としては、酸素吸収能力、取り扱い易さ、安全性の点から、鉄粉を反応主剤とする酸素吸収剤が一般的に用いられている。しかし、この鉄系酸素吸収剤は、金属探知機に感応するために、異物検査に金属探知機を使用することが困難であった。また、鉄系酸素吸収剤を同封した包装体は、発火の恐れがある為に電子レンジによる加熱ができない。さらに、鉄粉の酸化反応には水が必要であるため、被保存物が高水分系であるものでしか、酸素吸収の効果を発現することができなかった。
また、熱可塑性樹脂に鉄系酸素吸収剤を配合した酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層を配した多層材料で容器を構成することにより、容器のガスバリア性の向上を図るとともに容器自体に酸素吸収機能を付与した包装容器の開発が行われている(特許文献1参照)。しかし、これも同様に金属探知機に使用できない、電子レンジによる加熱ができない、被保存物が高水分系のものしか効果を発現しない、といった課題を有している。さらに、不透明性の問題により内部視認性が不足するといった課題を有している。
上記のような事情から、有機系の物質を反応主剤とする酸素吸収剤が望まれている。有機系の物質を反応主剤とする酸素吸収剤としては、アスコルビン酸を主剤とする酸素吸収剤が知られている(特許文献2参照)。
一方で、樹脂と遷移金属触媒からなり、酸素捕捉特性を有する酸素吸収性樹脂組成物が知られている。例えば、酸化可能有機成分としてポリアミド、特にキシリレン基含有ポリアミドと遷移金属触媒からなる樹脂組成物が知られており、さらに酸素捕捉機能を有する樹脂組成物やその樹脂組成物を成形して得られる酸素吸収剤、包装材料、包装用多層積層フィルムの例示もある(特許文献3参照)。
また、酸素吸収に水分を必要としない酸素吸収樹脂組成物として、炭素−炭素不飽和結合を有する樹脂と遷移金属触媒からなる酸素吸収樹脂組成物が知られている(特許文献4参照)。
さらに、酸素を捕集する組成物として、置換されたシクロヘキセン官能基を含むポリマーまたは該シクロヘキセン環が結合した低分子量物質と遷移金属とからなる組成物が知られている(特許文献5参照)。
特開平9−234832号公報 特開昭51−136845号公報 特開2001−252560号公報 特開平05−115776号公報 特表2003−521552号公報
しかしながら、特許文献2の酸素吸収剤組成物は、そもそも酸素吸収性能が低く、また、被保存物が高水分系のものしか効果を発現しない、比較的に高価である、といった課題を有している。
また、特許文献3の樹脂組成物は、遷移金属触媒を含有させキシリレン基含有ポリアミド樹脂を酸化させることで酸素吸収機能を発現させるものであるため、樹脂の酸化劣化による強度低下が発生し、包装容器そのものの強度が低下するという問題を有している。さらに、この樹脂組成物は、未だ酸素吸収性能が不十分であり、被保存物が高水分系のものしか効果を発現しない、といった課題を有している。
さらに、特許文献4の酸素吸収樹脂組成物は、樹脂の酸化にともなう高分子鎖の切断により臭気成分となる低分子量の有機化合物が生成し、酸素吸収後に臭気の強度が増大するという問題がある。
一方、特許文献5の組成物は、シクロヘキセン官能基を含む特殊な材料を用いる必要があり、また、この材料は比較的に臭気が発生しやすい、という問題がある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、金属探知機に感応せず、酸素吸収後の臭気発生が抑制され、優れた酸素吸収性能を有する、新規な酸素吸収性多層体及び該多層体を含む酸素吸収性多層容器を提供することにある。また、本発明の他の目的は、低湿度から高湿度までの広範な湿度条件下で優れた酸素吸収性能を有する、酸素吸収性多層体及び該多層体を含む酸素吸収性多層容器を提供することにある。
本発明者らは、酸素吸収性多層体について検討を進めた結果、テトラリン環を有するポリエステル化合物と遷移金属触媒を用いることにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下<1>〜<6>を提供する。
<1> 熱可塑性樹脂を含有するシーラント層(層C)、ポリエステル化合物、遷移金属触媒及びポリオレフィン樹脂を含有する酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層(層A)、並びにガスバリア性物質からなるガスバリア層(層D)をこの順に積層した、少なくとも3層を含有する酸素吸収性多層体であって、
前記ポリエステル化合物が、下記一般式(1)〜(4)
Figure 0005935659

(式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子または一価の置換基を示し、一価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基及びイミド基からなる群より選択される少なくとも1種であり、これらはさらに置換基を有していてもよい。mは0〜3、nは0〜7の整数を表し、テトラリン環のベンジル位に少なくとも1つ以上の水素原子が結合している。Xは芳香族炭化水素基、飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状または分岐状の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基及び複素環基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を含有する2価の基を表す。)
からなる群より選択される少なくとも1つのテトラリン環を有する構成単位を含有する、酸素吸収性多層体。
<2> 前記遷移金属触媒が、マンガン、鉄、コバルト、ニッケルおよび銅からなる群より選択される少なくとも1種以上の遷移金属を含むものである、上記<1>記載の酸素吸収性多層体。
<3> 前記遷移金属触媒が、前記ポリエステル化合物100質量部に対し、遷移金属量として0.001〜10質量部含まれる、上記<1>または<2>に記載の酸素吸収性多層体。
<4> 前記一般式(1)で表される構成単位が、下記式(5)〜(7)からなる群より選択される少なくとも1つである、上記<1>〜<3>のいずれかに記載の酸素吸収性多層体。
Figure 0005935659

<5> 前記ポリエステル化合物が、前記ポリエステル化合物と前記ポリオレフィン樹脂の合計量100質量部に対し、10〜80質量部含まれる、上記<1>〜<4>のいずれかに記載の酸素吸収性多層体。
<6> 上記<1>〜<5>のいずれかに記載の酸素吸収性多層体を含む酸素吸収性多層容器。
本発明によれば、低湿度から高湿度までの広範な湿度条件下で優れた酸素吸収性能を有する酸素吸収性多層体及び該多層体を含む酸素吸収性多層容器を実現することができる。そして、この酸素吸収性多層体及び該多層体を含む酸素吸収性多層容器は、被保存物の水分の有無によらず酸素吸収することができ、しかも酸素吸収後の臭気発生が抑制されているので、例えば、食品、調理食品、飲料、医薬品、健康食品等、対象物を問わず幅広い用途で使用することができる。また、金属探知機に感応しない酸素吸収性多層体及び該多層体を含む酸素吸収性多層容器を実現することもできる。さらに、酸素吸収後も酸化によるポリエステル化合物の強度低下が極めて小さく、長期の利用においても酸素吸収性樹脂層の強度が維持されるため、層間剥離が生じにくい酸素吸収性多層体及び該多層体を含む酸素吸収性多層容器を実現することもできる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施の形態のみに限定されない。
[シーラント層(層C)]
本実施形態の層Cは熱可塑性樹脂を含有するシーラント層である。層Cは、シーラントとしての役割に加え、酸素吸収層(層A)と内容物とを隔離する役割を有する。また、層Cの酸素透過度は、20μmの厚さのフィルムについて、23℃、相対湿度60%の条件下で測定したときに、300mL/(m・day・atm)以上であることが好ましく、400mL/(m・day・atm)以上がより好ましく、500mL/(m・day・atm)以上が特に好ましい。酸素透過度が上記範囲の場合、300mL/(m・day・atm)未満の場合に比べ、層Aでの酸素吸収速度をより高めることが出来る。層Cに用いる熱可塑性樹脂には、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、メタロセン触媒によるポリエチレン等の各種ポリエチレン類、ポリスチレン、ポリメチルペンテン、プロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体等のポリプロピレン類、ヒートシール性を有するPET、A−PET、PETG、PBT等のポリエステルやアモルファスナイロン等を、単独で、または組み合わせて使用することができる。これら熱可塑性樹脂には、必要に応じて、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、熱可塑性エラストマーを添加してもよい。熱可塑性樹脂のメルトフローレート(以下、MFRと表記する)は、多層体の加工性を考慮すると、200℃で、1〜35g/10分、240℃で、2〜45g/10分のものが好ましく用いられる。なお、本明細書でいうMFRは、特に断りがない限り、JIS K7210に準拠した装置を用いて、特定の温度において、荷重2160gの条件下で測定した当該樹脂のMFRであり、「g/10分」の単位で測定温度と共に表記される。
また、本実施形態の層Cに用いる熱可塑性樹脂には、酸化チタン等の着色顔料、酸化防止剤、スリップ剤、帯電防止剤、安定剤、滑剤等の添加剤、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、シリカ等の充填剤、消臭剤等を添加しても良い。特に、製造中に発生した端材をリサイクルし、再加工するためには、酸化防止剤を添加することが好ましい。
層Cにおける熱可塑性樹脂の含有率は特に限定されないが、層Cの総量に対する熱可塑性樹脂の含有率が、70〜100質量%であることが好ましく、80〜100質量%がより好ましく、90〜100質量%が特に好ましい。また、前記熱可塑性樹脂においては、本発明の前記ポリエステル化合物以外の熱可塑性樹脂の含有量が、50〜100質量%であることが好ましく、70〜100質量%がより好ましく、90〜100質量%が特に好ましい。
[酸素吸収層(層A)]
本実施形態の酸素吸収層(層A)は、上記一般式(1)〜(4)からなる群より選択される少なくとも1種のテトラリン環を有する構成単位を含有するポリエステル化合物、遷移金属触媒、及びポリオレフィン樹脂を含有する酸素吸収性樹脂組成物からなる。
層A中の前記ポリエステル化合物の含有量は、前記ポリエステル化合物と前記ポリオレフィン樹脂の合計量100質量部に対し、10〜90質量部が好ましく、20〜80質量部がより好ましく、30〜70質量部が特に好ましい。前記範囲の場合、10質量部未満の場合に比べ、酸素吸収性能をより高めることが出来る。また、90質量部を超過する場合に比べ、成形性を高めることが出来る。
[ポリエステル化合物]
本実施形態のポリエステル化合物は、上記一般式(1)〜(4)からなる群より選択される少なくとも1種のテトラリン環を有する構成単位を含有する。
本願の一般式(1)〜(4)及び(8)〜(15)においてRで表される一価の置換基としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数が1〜15、より好ましくは炭素数が1〜6個の直鎖状、分岐状又は環状アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数が2〜10、より好ましくは炭素数が2〜6の直鎖状、分岐状又は環状アルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基)、アルキニル基(好ましくは炭素数が2〜10、より好ましくは炭素数が2〜6のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基)、アリール基(好ましくは炭素数が6〜16、より好ましくは炭素数が6〜10のアリール基、例えば、フェニル基、ナフチル基)、複素環基(好ましくは炭素数が1〜12、より好ましくは炭素数が2〜6の5員環或いは6員環の芳香族又は非芳香族の複素環化合物から1個の水素原子を取り除くことによって得られる一価の基、例えば、1−ピラゾリル基、1−イミダゾリル基、2−フリル基)、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数が1〜10、より好ましくは炭素数が1〜6の直鎖状、分岐状又は環状アルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数が6〜12、より好ましくは炭素数が6〜8のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基)、アシル基(ホルミル基を含む。好ましくは炭素数が2〜10、より好ましくは炭素数が2〜6のアルキルカルボニル基、好ましくは炭素数が7〜12個、より好ましくは炭素数が7〜9のアリールカルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基)、アミノ基(好ましくは炭素数が1〜10、より好ましくは炭素数が1〜6のアルキルアミノ基、好ましくは炭素数が6〜12、より好ましくは炭素数が6〜8のアニリノ基、好ましくは炭素数が1〜12、より好ましくは炭素数が2〜6の複素環アミノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、アニリノ基)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは炭素数が1〜10、より好ましくは炭素数が1〜6のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数が6〜12、より好ましくは炭素数が6〜8のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基)、複素環チオ基(好ましくは炭素数が2〜10、より好ましくは炭素数が1〜6の複素環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基)、イミド基(好ましくは炭素数が2〜10、より好ましくは炭素数が4〜8のイミド基、例えば、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)等が例示されるが、これらに特に限定されない。
なお、上記の一価の置換基Rが水素原子を有する場合、その水素原子が置換基T(ここで、置換基Tは、上記の一価の置換基Rで説明したものと同義である。)でさらに置換されていてもよい。その具体例としては、例えば、ヒドロキシ基で置換されたアルキル基(例えば、ヒドロキシエチル基)、アルコキシ基で置換されたアルキル基(例えば、メトキシエチル基)、アリール基で置換されたアルキル基(例えば、ベンジル基)、第1級或いは第2級アミノ基で置換されたアルキル基(例えば、アミノエチル基)、アルキル基で置換されたアリール基(例えば、p−トリル基)、アルキル基で置換されたアリールオキシ基(例えば、2−メチルフェノキシ基)等が挙げられるが、これらに特に限定されない。なお、上記の一価の置換基Rが一価の置換基Tを有する場合、上述した炭素数には、置換基Tの炭素数は含まれないものとする。例えば、ベンジル基は、フェニル基で置換された炭素数1のアルキル基と看做し、フェニル基で置換された炭素数7のアルキル基とは看做さない。また、上記の一価の置換基Rが置換基Tを有する場合、その置換基Tは複数あってもよい。
Xは、芳香族炭化水素基、飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状または分岐状の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基及び複素環基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を含有する2価の基を表す。芳香族炭化水素基、飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状または分岐状の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基及び複素環基は、置換されていても無置換でもよい。Xは、ヘテロ原子を含有していてもよく、エーテル基、スルフィド基、カルボニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルホキシド基、スルホン基等を含有していてもよい。ここで、芳香族炭化水素基としては、例えば、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、メチルフェニレン基、o−キシリレン基、m−キシリレン基、p−キシリレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基、フェナントリレン基、ビフェニレン基、フルオニレン基等が挙げられるが、これらに特に限定されない。脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、メチルシクロへキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基等のシクロアルキレン基や、シクロヘキセニレン基等のシクロアルケニレン基が挙げられるが、これらに特に限定されない。脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、イソプロピリデン基、テトラメチレン基、イソブチリデン基、sec‐ブチリデン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等の直鎖状又は分枝鎖状アルキレン基や、ビニレン基、プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、1,3−ブタジエニレン基、1−ペンテニレン基、2−ペンテニレン基、1−ヘキセニレン基、2−ヘキセニレン基、3−ヘキセニレン基等のアルケニレン基等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらは、さらに置換基を有していてもよく、その具体例としては、例えば、ハロゲン、アルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、カルボアルコキシ基、アミノ基、アシル基、チオ基(例えばアルキルチオ基、フェニルチオ基、トリルチオ基、ピリジルチオ基等)、アミノ基(例えば非置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、フェニルアミノ基等)、シアノ基、ニトロ基等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
上記一般式(1)で表される構成単位を含有するポリエステル化合物は、テトラリン環を有するジカルボン酸またはその誘導体(I)、及びジオールまたはその誘導体(II)、を重縮合することで得られる。
本実施形態で用いるテトラリン環を有するジカルボン酸またはその誘導体(I)は、下記一般式(8)で表される。これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることが出来る。
Figure 0005935659

(式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子または一価の置換基を示し、一価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基及びイミド基からなる群より選択される少なくとも1種であり、これらはさらに置換基を有していてもよい。mは0〜3、nは0〜7の整数を表し、テトラリン環のベンジル位に少なくとも1つ以上の水素原子が結合している。Yは水素原子又はアルキル基を表す。)
上記一般式(8)で表される化合物は、下記一般式(9)で表されるナフタレン環を有するジカルボン酸またはその誘導体を水素と反応させて得ることが出来る。
Figure 0005935659

(式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子または一価の置換基を示し、一価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基及びイミド基からなる群より選択される少なくとも1種であり、これらはさらに置換基を有していてもよい。mはそれぞれ独立して0〜3の整数を表す。Yは水素原子又はアルキル基を表す。)
本実施形態で用いるジオールまたはその誘導体(II)としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−フェニルプロパンジオール、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアルコール、α,α−ジヒドロキシ−1,3−ジイソプロピルベンゼン、α,α−ジヒドロキシ−1,4−ジイソプロピルベンゼン、o-キシレングリコール、m-キシレングリコール、p-キシレングリコール、ヒドロキノン、4,4−ジヒドロキシフェニル、ナフタレンジオール、またはこれらの誘導体が挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることが出来る。
また、上記一般式(2)で表される構成単位を含有するポリエステル化合物は、テトラリン環を有するジオールまたはその誘導体(III)、及び、ジカルボン酸またはその誘導体(IV)を重縮合することによって得られる。
本実施形態で用いるテトラリン環を有するジオールまたはその誘導体(III)は、下記一般式(10)で表される。これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることが出来る。
Figure 0005935659

(式中、それぞれ独立して、水素原子または一価の置換基を示し、一価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基及びイミド基からなる群より選択される少なくとも1種であり、これらはさらに置換基を有していてもよい。mは0〜3、nは0〜7の整数を表し、テトラリン環のベンジル位に少なくとも1つ以上の水素原子が結合している。)
上記一般式(10)で表される化合物は、下記一般式(11)で表されるナフタレン環を有するジオールまたはその誘導体を水素と反応させて得ることが出来る。
Figure 0005935659

(式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子または一価の置換基を示し、一価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基及びイミド基からなる群より選択される少なくとも1種であり、これらはさらに置換基を有していてもよい。mはそれぞれ独立して0〜3の整数を表す。)
本実施形態で用いるジカルボン酸またはその誘導体(IV)としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、3,3−ジメチルペンタン二酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のベンゼンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェニルマロン酸、フェニレンジ酢酸、フェニレンジ酪酸、4,4−ジフェニルエーテルジカルボン酸、p-フェニレンジカルボン酸、またはこれらの誘導体等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることが出来る。
上記一般式(3)又は(4)で表される構成単位を含有するポリエステル化合物は、テトラリン環を有するヒドロキシカルボン酸またはその誘導体(V)を重縮合することで得られる。
本実施形態で用いるテトラリン環を有するヒドロキシカルボン酸またはその誘導体(V)は、下記一般式(12)又は(13)で表される。これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることが出来る。
Figure 0005935659

(式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子または一価の置換基を示し、一価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基及びイミド基からなる群より選択される少なくとも1種であり、これらはさらに置換基を有していてもよい。mは0〜3、nは0〜7の整数を表し、テトラリン環のベンジル位に少なくとも1つ以上の水素原子が結合している。Yは水素原子又はアルキル基を表す。)
上記一般式(1)または(2)で表される構成単位を含有するポリエステル化合物は、下記一般式(14)または(15)で表される構成単位を含有するポリエステル化合物の水添反応によって得ることも出来る。
Figure 0005935659

(式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子または一価の置換基を示し、一価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基及びイミド基からなる群より選択される少なくとも1種であり、これらはさらに置換基を有していてもよい。mはそれぞれ独立して0〜3の整数を表す。Xは芳香族炭化水素基、飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状または分岐状の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基及び複素環基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を含有する2価の基を表す。)
Figure 0005935659

(式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子または一価の置換基を示し、一価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基及びイミド基からなる群より選択される少なくとも1種であり、これらはさらに置換基を有していてもよい。mはそれぞれ独立して0〜3の整数を表す。Xは芳香族炭化水素基、飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状または分岐状の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基及び複素環基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を含有する2価の基を表す。)
本実施形態のポリエステル化合物には、性能に影響しない程度で、テトラリン環を有さない構成単位を共重合成分として組み込んでもよい。具体的には、前記ジオールまたはその誘導体(II)や、前記ジカルボン酸またはその誘導体(IV)に示した化合物を共重合成分として用いることが出来る。
前記一般式(1)で表される構成単位を含有するポリエステル化合物の好ましい具体例としては、上記式(5)〜(7)及び、下記式(16)〜(18)が挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 0005935659
本実施形態に用いるポリエステル化合物を製造する方法は特に制限はなく、従来公知のポリエステルの製造方法をいずれも適用することができる。例えばエステル交換法、直接エステル化法等の溶融重合法、又は溶液重合法等を挙げる事ができる。上記したポリエステル化合物の製造方法の中で、原料入手の容易さの点から、エステル交換法が好適に使用される。
ポリエステル化合物の製造時に用いるエステル交換触媒、エステル化触媒、重縮合触媒等の各種触媒、エーテル化防止剤、熱安定剤、光安定剤等の各種安定剤、重合調整剤等も従来公知のものをいずれも用いることができ、これらは反応速度やポリエステル化合物の色調、安全性、熱安定性、耐候性、自身の溶出性などに応じて適宜選択される。例えば上記各種触媒としては、亜鉛、鉛、セリウム、カドミウム、マンガン、コバルト、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、ニッケル、マグネシウム、バナジウム、アルミニウム、チタン、アンチモン、スズ等の金属の化合物(例えば、脂肪酸塩、炭酸塩、リン酸塩、水酸化物、塩化物、酸化物、アルコキシド)や金属マグネシウムなどが挙げられ、これらは単独で用いることもできるし、複数のものを組み合わせて用いることもできる。
上述したポリエステル化合物は、いずれも、テトラリン環のベンジル位に水素を有するものであり、上述した遷移金属触媒と併用することでベンジル位の水素が引き抜かれ、これにより優れた酸素吸収能を発現する。
また、本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物は、酸素吸収後の臭気発生が抑制されたものである。その理由は明らかではないが、例えば以下の酸化反応機構が推測される。すなわち、ポリエステル化合物においては、まずテトラリン環のベンジル位にある水素が引き抜かれてラジカルが生成し、その後、ラジカルと酸素との反応によりベンジル位の炭素が酸化され、ヒドロキシ基又はケトン基が生成すると考えられる。そのため、本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物においては、上記従来技術のような酸化反応による酸素吸収主剤の分子鎖の切断がなく、ポリエステル化合物の構造が維持されるため、臭気の原因となる低分子量の有機化合物が酸素吸収後に生成し難く、その結果、酸素吸収後の臭気強度の増大が抑制されているものと推測される。
本実施形態のポリエステル化合物の極限粘度(フェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンとの質量比6:4の混合溶媒を用いた25℃での測定値)は特に限定されないが、ポリエステル化合物の成形性の面から、0.1〜2.0dL/gが好ましく、0.5〜1.5dL/gがより好ましい。
[遷移金属触媒]
本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物において使用される遷移金属触媒としては、上記ポリエステル化合物の酸化反応の触媒として機能し得るものであれば、公知のものから適宜選択して用いることができ、特に限定されない。
かかる遷移金属触媒の具体例としては、例えば、遷移金属の有機酸塩、ハロゲン化物、燐酸塩、亜燐酸塩、次亜燐酸塩、硝酸塩、硫酸塩、酸化物、水酸化物等が挙げられる。ここで、遷移金属触媒に含まれる遷移金属としては、例えば、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルテニウム、ロジウム等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの中でも、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅が好ましい。また、有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、オクタノイック酸、ラウリン酸、ステアリン酸、アセチルアセトン、ジメチルジチオカルバミン酸、パルミチン酸、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、リノール酸、トール酸、オレイン酸、カプリン酸、ナフテン酸が挙げられるが、これらに限定されない。遷移金属触媒は、これらの遷移金属と有機酸とを組み合わせたものが好ましく、遷移金属がマンガン、鉄、コバルト、ニッケル又は銅であり、有機酸が酢酸、ステアリン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸又はナフテン酸である組み合わせがより好ましい。なお、遷移金属触媒は、1種を単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
遷移金属触媒の配合量は、使用する前記ポリエステル化合物や遷移金属触媒の種類及び所望の性能に応じて適宜設定でき、特に限定されない。酸素吸収性樹脂組成物の酸素吸収量の観点から、遷移金属触媒の配合量は、前記ポリエステル化合物100質量部に対し、遷移金属量として0.001〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.002〜2質量部、さらに好ましくは0.005〜1質量部である。
[ポリオレフィン樹脂]
本実施形態の酸素吸収層に使用されるポリオレフィン樹脂とは、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、メタロセン触媒によるポリエチレン等の各種ポリエチレン類、ポリスチレン、ポリメチルペンテン、プロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体等のポリプロピレン類、環状オレフィンを使用したシクロオレフィンポリマー及びシクロオレフィンコポリマー等の環状ポリオレフィン類を、単独で、または組み合わせて使用することができる。これらポリオレフィン樹脂には、必要に応じて、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、熱可塑性エラストマーを添加してもよい。酸素吸収層のポリオレフィン樹脂は、樹脂の加工性、シーラント層との密着性を考慮すると、シーラント層のポリオレフィン樹脂と同種のものが、好ましく用いられる。ポリオレフィン樹脂のMFRは、フィルムの加工性を考慮すると、200℃で、1〜35g/10分、240℃で、2〜45g/10分のものが好ましく用いられる。酸素吸収性能の観点では、酸素透過係数が50〜200cc・mm/(m・日・atm)(23℃・60%RH)が好ましく、この範囲の酸素透過係数を有するポリオレフィン樹脂を使用すると、良好な酸素吸収性能が得られる。
また、ポリエステル化合物との混合性を考慮すると、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂を添加することができる。無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂の添加量は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、1〜30質量部が好ましく、3〜15質量部が特に好ましい。
また、本実施形態のポリオレフィン樹脂には、酸化チタン等の着色顔料、酸化防止剤、スリップ剤、帯電防止剤、安定剤等の添加剤、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、シリカ等の充填剤、消臭剤等を添加しても良い。特に、製造中に発生した端材をリサイクルし、再加工するためには、酸化防止剤を添加することが好ましい。
ポリエステル化合物、遷移金属触媒及びポリオレフィン樹脂は、公知の方法で混合する事が出来るが、好ましくは押出機により混練することにより、分散性の良い酸素吸収性樹脂組成物として使用することができる。また、酸素吸収性樹脂組成物には、本実施形態の効果を損なわない範囲で、乾燥剤、顔料、染料、酸化防止剤、スリップ剤、帯電防止剤、安定剤等の添加剤、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、シリカ等の充填剤、消臭剤等を添加しても良いが、以上に示したものに限定されることなく、種々の材料を混合することができる。
なお、本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物は、酸素吸収反応を促進させるために、必要に応じて、さらにラジカル発生剤や光開始剤を含有していてもよい。ラジカル発生剤の具体例としては、各種のN−ヒドロキシイミド化合物が挙げられ、例えば、N−ヒドロキシコハクイミド、N−ヒドロキシマレイミド、N,N’−ジヒドロキシシクロヘキサンテトラカルボン酸ジイミド、N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシテトラクロロフタルイミド、N−ヒドロキシテトラブロモフタルイミド、N−ヒドロキシヘキサヒドロフタルイミド、3−スルホニル−N−ヒドロキシフタルイミド、3−メトキシカルボニル−N−ヒドロキシフタルイミド、3−メチル−N−ヒドロキシフタルイミド、3−ヒドロキシ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−ニトロ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−クロロ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−メトキシ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−ジメチルアミノ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−カルボキシ−N−ヒドロキシヘキサヒドロフタルイミド、4−メチル−N−ヒドロキシヘキサヒドロフタルイミド、N−ヒドロキシヘット酸イミド、N−ヒドロキシハイミック酸イミド、N−ヒドロキシトリメリット酸イミド、N,N−ジヒドロキシピロメリット酸ジイミド等が挙げられるが、これらに特に限定されない。また、光開始剤の具体例としては、ベンゾフェノンとその誘導体、チアジン染料、金属ポルフィリン誘導体、アントラキノン誘導体等が挙げられるが、これらに特に限定されない。なお、これらのラジカル発生剤及び光開始剤は、1種を単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物は、本実施形態の目的を阻害しない範囲で他の熱可塑性樹脂と押出機で混練することも出来る。混練に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体やそのイオン架橋物(アイオノマー)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等のエチレン−ビニル化合物共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、α−メチルスチレン−スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のポリビニル化合物、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG)、ポリエチレンサクシネート(PES)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレンオキサイド等のポリエーテル等あるいはこれらの混合物等が挙げられる。
[ガスバリア層(層D)]
本実施形態の層Dは、ガスバリア性物質を含有するガスバリア層である。層Dの酸素透過率は、20μmの厚さのフィルムについて、23℃、相対湿度60%の条件下で測定したときに、100mL/(m・day・atm)以下が好ましく、80mL/(m・day・atm)以下がより好ましく、50mL/(m・day・atm)以下が特に好ましい。層Dに用いるガスバリア性物質としては、ガスバリア性熱可塑性樹脂や、ガスバリア性熱硬化性樹脂、シリカ、アルミナ、アルミ等の各種蒸着フィルム、アルミ箔等の金属箔を用いることが出来る。ガスバリア性熱可塑性樹脂としては、例えばエチレン−ビニルアルコール共重合体、MXD6、ポリ塩化ビニリデン等が例示できる。また、ガスバリア性熱硬化性樹脂としては、ガスバリア性エポキシ樹脂、例えば、三菱ガス化学株式会社製「マクシーブ」等が例示できる。
[酸素吸収性多層体]
本実施形態の酸素吸収性多層体は、熱可塑性樹脂を含有するシーラント層(層C)、ポリエステル化合物、遷移金属触媒及びポリオレフィン樹脂を含有する酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層(層A)、並びにガスバリア性物質を含有するガスバリア層(層D)をこの順に積層した、少なくとも3層を含む。また、前記多層体は、必要に応じて前記3層以外の層を任意の位置に設けることが出来る。
例えば、層Dの破損やピンホールを防ぐために、層Dの内側や外側に熱可塑性樹脂からなる保護層を設けることが出来る。保護層に用いる樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン等のポリエチレン類、プロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体等のポリプロピレン類、ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド類、さらに、PET等のポリエステル類及びこれらの組合せが挙げられる。
また、加工性を考慮すると、層Dと層Aとの層間に、ポリオレフィン樹脂からなる中間層を介在させることが好ましい。この中間層の厚みは、加工性から、層Cの厚みとほぼ同一とすることが好ましい。この場合、加工によるバラツキを考慮すると、厚み比が±10%以内であれば、同一とする。
本実施形態の酸素吸収性多層体の酸素吸収層(層A)の厚みは、特に制限はないが、5〜200μmが好ましく、10〜100μmが特に好ましい。この場合、厚みが上記範囲を外れる場合に比べて、層Aが酸素を吸収する性能をより高めることができるとともに加工性や経済性が損なわれることを防止することができる。また、熱可塑性樹脂からなるシーラント層(層C)の厚みは、5〜200μmが好ましく、10〜80μmが特に好ましい。この場合、厚みが上記範囲を外れる場合に比べて、層Aの酸素吸収速度をより高めることができるとともに加工性が損なわれることを防止することができる。さらに、酸素吸収性多層体の加工性を考慮すると、層Cと層Aの厚み比が、1:0.5〜1:3にあることが好ましく、1:1.5〜1:2.5が特に好ましい。
ガスバリア性物質として熱可塑性樹脂を用いる場合、ガスバリア層(層D)の厚みは、5〜200μmが好ましく、10〜100μmが特に好ましい。また、ガスバリア性物質として、アミン−エポキシ硬化剤のような熱硬化性樹脂をガスバリア性接着剤層に使用する場合は、層Dの厚みは0.1〜100μmが好ましく、0.5〜20μmが特に好ましい。厚みが上記範囲内である場合、これを外れる場合に比べて、ガスバリア性をより高めることができるとともに加工性や経済性が損なわれることを防止することができる。
酸素吸収性多層体の製造方法については、各種材料の性状、加工目的、加工工程等に応じて、共押出法、各種ラミネート法、各種コーティング法などの公知の方法を利用することができる。例えば、フィルムやシートの成形については、Tダイ、サーキュラーダイ等を通して溶融させた樹脂組成物を付属した押出機から押し出して製造する方法や、酸素吸収性フィルムもしくはシートに接着剤を塗布し、他のフィルムやシートと貼り合わせることで製造する方法がある。また、射出機を用い、溶融した樹脂を、多層多重ダイスを通して射出金型中に共射出または逐次射出することによって所定の形状の多層容器に一挙に成形することができる。
本実施形態の酸素吸収性多層体は、フィルムとして作製し、袋状、蓋材に加工して用いることができる。また、層Dの外層に紙基材を積層して、酸素吸収性紙容器として用いることもできる。紙基材と積層して紙容器とした時の加工性を考慮すると、層Dの内側部が100μm以下とすることが好ましく、80μm以下が特に好ましい。層Dより内部の厚みが大きくなると、紙基材を積層し、容器形状に成形する際、容器への加工性に問題が生じる。
また、本実施形態の酸素吸収性多層体は、シートとして作製し、真空成形、圧空成形、プラグアシスト成形等の成形方法によりトレイ、カップ、ボトル、チューブ、PTP(プレス・スルー・パック)等の所定の形状の酸素吸収性多層容器に熱成形することができる。また、袋状容器に食品等の内容物を充填し、開封口を設け、電子レンジ加熱調理時にその開封口から蒸気を放出する、電子レンジ調理対応の易通蒸口付パウチに好ましく用いることができる。
本実施形態の酸素吸収性多層体を使用するにあたり、エネルギー線を照射して、酸素吸収反応の開始を促進したり、酸素吸収速度を高めたりすることができる。エネルギー線としては、例えば、可視光線、紫外線、X線、電子線、γ線等を利用可能である。照射エネルギー量は、用いるエネルギー線の種類に応じて、適宜選択することができる。
本実施形態の酸素吸収性多層体を、層Cを内側として密封用包装容器の一部または全部に使用することにより、容器外からわずかに侵入する酸素の他、容器内の酸素を吸収して、酸素による容器内収納物の変質等を防止することができる。
本実施形態の酸素吸収性多層体及び該多層体を含む容器は、酸素吸収に水分を必要としないので、低湿度から高湿度までの広範な湿度条件下(相対湿度0%〜100%)での酸素吸収性能に優れ、かつ内容物の風味保持性に優れるため、種々の物品の包装に適している。
被保存物の具体例としては、牛乳、ジュース、コーヒー、茶類、アルコール飲料等の飲料;ソース、醤油、ドレッシング等の液体調味料、スープ、シチュー、カレー等の調理食品;ジャム、マヨネーズ等のペースト状食品;ツナ、魚貝等の水産製品;チーズ、バター等の乳加工品;肉、サラミ、ソーセージ、ハム等の畜肉加工品;にんじん、じゃがいも等の野菜類;卵;麺類;調理前の米類、調理された炊飯米、米粥等の加工米製品;粉末調味料、粉末コーヒー、乳幼児用粉末ミルク、乳幼児用調理食品、粉末ダイエット食品、介護調理食品、乾燥野菜、せんべい等の乾燥食品(水分活性の低い食品);農薬、殺虫剤等の化学品;医薬品;ペットフード;洗剤等、種々の物品を挙げることができるが、これらに特に限定されない。特に、酸素存在下で劣化を起こしやすい内容品、例えば、飲料ではビール、ワイン、フルーツジュース、炭酸ソフトドリンク等、食品では果物、ナッツ、野菜、肉製品、幼児食品、コーヒー、ジャム、マヨネーズ、ケチャップ、食用油、ドレッシング、ソース類、佃煮類、乳製品類等、その他では医薬品、化粧品等の包装材に好適である。なお、水分活性とは物品中の自由水含有量を示す尺度で、0〜1の数字で示され、水分のない物品は0、純水は1となる。すなわち、ある物品の水分活性Awは、その物品を密封し平衡状態に到達した後の空間内の水蒸気圧をP、純水の水蒸気圧をP、同空間内の相対湿度をRH(%)、とした場合、
Aw=P/P=RH/100
と定義される。
また、これらの被保存物の充填前後に、被保存物に適した形で、本実施形態の酸素吸収性多層体及び該多層体を含む容器や被保存物の殺菌を施すことができる。殺菌方法としては、100℃以下での熱水処理、100℃以上の加圧熱水処理、130℃以上の超高温加熱処理等の加熱殺菌、紫外線、マイクロ波、ガンマ線等の電磁波殺菌、エチレンオキサイド等のガス処理、過酸化水素や次亜塩素酸等の薬剤殺菌等が挙げられる。
以下に実施例と比較例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、特に記載が無い限り、NMR測定は室温で行った。
[モノマー合成例]
内容積18Lのオートクレーブに、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメチル2.20kg、2−プロパノール11.0kg、5%パラジウムを活性炭に担持させた触媒350g(50wt%含水品)を仕込んだ。次いで、オートクレーブ内の空気を窒素と置換し、さらに窒素を水素と置換した後、オートクレーブ内の圧力が0.8MPaとなるまで水素を供給した。次に、撹拌機を起動し、回転速度を500rpmに調整し、30分かけて内温を100℃まで上げた後、さらに水素を供給し圧力を1MPaとした。その後、反応の進行による圧力低下に応じ、1MPaを維持するよう水素の供給を続けた。7時間後に圧力低下が無くなったので、オートクレーブを冷却し、未反応の残存水素を放出した後、オートクレーブから反応液を取り出した。反応液を濾過し、触媒を除去した後、分離濾液から2−プロパノールをエバポレーターで蒸発させた。得られた粗生成物に、2−プロパノールを4.40kg加え、再結晶により精製し、テトラリン−2,6−ジカルボン酸ジメチルを80%の収率で得た。尚、NMRの分析結果は下記の通りである。1H‐NMR(400MHz CDCl3)δ7.76-7.96(2H m)、7.15(1H d)、3.89(3H s)、3.70(3H s)、2.70-3.09(5H m)、1.80-1.95(1H m)。
[ポリマー製造例]
(製造例1)
充填塔式精留等、分縮器、全縮器、コールドトラップ、撹拌機、加熱装置および窒素導入管を備えたポリエステル樹脂製造装置に、モノマー合成例で得たテトラリン−2,6−ジカルボン酸ジメチル543g、1,4−ブタンジオール315g、テトラブチルチタネート0.050gを仕込み、窒素雰囲気下で230℃まで昇温してエステル交換反応を行った。ジカルボン酸成分の反応転化率を85%以上とした後、テトラブチルチタネート0.050gを添加し、昇温と減圧を徐々に行い、250℃、133Pa以下で重縮合を行い、ポリエステル化合物(1)を得た。
得られたポリエステル化合物(1)の重量平均分子量と数平均分子量をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定を行った結果、ポリスチレン換算の重量平均分子量は8.7×10、数平均分子量は3.1×10であった。ガラス転移温度と融点をDSCにより測定を行った結果、ガラス転移温度は36℃、融点は145℃であった。
(製造例2)
製造例1と同様にテトラリン−2,6−ジカルボン酸ジメチル543g、エチレングリコール217g、酢酸マグネシウム4水和物0.268g、酢酸カルシウム1水和物0.085gを仕込み、窒素雰囲気下で230℃まで昇温してエステル交換反応を行った。ジカルボン酸成分の反応転化率を90%以上とした後、リン酸トリエチル0.080g、三酸化アンチモン0.108gを添加し、昇温と減圧を徐々に行い、250℃、133Pa以下で重縮合を行い、ポリエステル化合物(2)を得た。ポリエステル化合物(2)のポリスチレン換算の重量平均分子量は8.5×10、数平均分子量は3.0×10、ガラス転移温度は68℃、融点は非晶性のため認められなかった。
(製造例3)
製造例1の1,4−ブタンジオールを1,6−ヘキサンジオールとし、その重量を413gとした以外は、製造例1と同様にしてポリエステル化合物(3)を合成した。ポリエステル化合物(3)の重量平均分子量は8.9×10、数平均分子量は3.3×10、ガラス転移温度は16℃、融点は137℃であった。
(製造例4)
製造例1と同様にテトラリン−2,6−ジカルボン酸ジメチル554g、エチレングリコール52g、1,4−ブタンジオール227g、テトラブチルチタネート0.050gを仕込み、窒素雰囲気下で220℃まで昇温してエステル交換反応を行った。ジカルボン酸成分の反応転化率を85%以上とした後、テトラブチルチタネート0.050gを添加し、昇温と減圧を徐々に行い、250℃、133Pa以下で重縮合を行い、エチレングリコールと1,4−ブタンジオールのモル比が10:90であるポリエステル化合物(4)を得た。ポリエステル化合物(4)のポリスチレン換算の重量平均分子量は1.1×10、数平均分子量は4.0×10、ガラス転移温度は38℃、融点は135℃であった。
(実施例1)
ポリエステル化合物(1)30質量部、ステアリン酸コバルト(II)をコバルト量として0.02質量部、ポリオレフィン樹脂(製品名;宇部丸善ポリエチレン株式会社製「ユメリット4040F」、MFR4.0g/10分(JIS K7210に準拠して測定)、240℃のMFR7.9g/10分、250℃のMFR8.7g/10分、以下LLDPE1と表記する)70重量部をドライブレンドし酸素吸収性樹脂組成物を得た。次いで、得られた酸素吸収性樹脂組成物を酸素吸収層とし、直鎖状低密度ポリエチレン(製品名;日本ポリエチレン株式会社製「ノバテックLL UF641」、MFR2.1g/10分(JIS K7210に準拠して測定)、240℃のMFR4.4g/10分、250℃のMFR5.2g/10分、以下LLDPE2と表記する)をシーラント層とした、幅800mmの2種2層フィルム(厚さ;酸素吸収層20μm/シーラント層20μm)を、100m/分で酸素吸収層面をコロナ放電処理しながら、フィルムロールを作製した。
フィルムロールにコブ等の偏肉はなく、得られたフィルムの外観は良好で、HAZEは20%であった。コロナ処理面側にウレタン系ドライラミネート用接着剤(製品名;東洋モートン株式会社製「TM−320/CAT−13B」)を用いて、ナイロンフィルムA(製品名;東洋紡績株式会社製「N1202」)、アルミ箔及びPETフィルム(製品名;東洋紡績株式会社製「E5102」)を積層し、PETフィルム(12)/接着剤(3)/アルミ箔(9)/接着剤(3)/ナイロンフィルムA(15)/接着剤(3)/酸素吸収性樹脂組成物(20)/LLDPE2(20)の酸素吸収性多層体からなる酸素吸収性多層フィルムを得た。尚、括弧内の数字は各層の厚さ(単位:μm)を意味する。また、以下の実施例でも特別な断りがない限り、同様の表記をする。
次いで、LLDPE2層側を内面にして15cm×20cmの三方シール袋を作製し、水分活性0.35の粉末調味料「だしの素」を200g充填して密封した。前記密封袋を23℃下にて保存し、7日後及び1ヶ月後に袋内酸素濃度測定を行った。また、1ヶ月後に前記密封袋を開封し、粉末調味料の風味を調査した。これらの結果を表1に示した。
(実施例2)
ポリエステル化合物(1)を20質量部、ポリオレフィン樹脂を80質量部とした以外は実施例1と同様に酸素吸収性多層フィルムを得た後、三方シール袋を作製して、実施例1と同様の保存試験を実施した。これらの結果を表1に示した。
(実施例3)
ポリエステル化合物(1)を50質量部、ポリオレフィン樹脂を50質量部とした以外は実施例1と同様に酸素吸収性多層フィルムを得た後、三方シール袋を作製して、実施例1と同様の保存試験を実施した。これらの結果を表1に示した。
(実施例4)
ポリエステル化合物(1)をポリエステル化合物(2)としたこと以外は実施例1と同様に酸素吸収性多層フィルムを得た後、三方シール袋を作製して、実施例1と同様の保存試験を実施した。これらの結果を表1に示した。
(実施例5)
ポリエステル化合物(1)をポリエステル化合物(3)としたこと以外は実施例1と同様に酸素吸収性多層フィルムを得た後、三方シール袋を作製して、実施例1と同様の保存試験を実施した。これらの結果を表1に示した。
(実施例6)
ポリエステル化合物(1)をポリエステル化合物(4)としたこと以外は実施例1と同様に酸素吸収性多層フィルムを得た後、三方シール袋を作製して、実施例1と同様の保存試験を実施した。これらの結果を表1に示した。
(実施例7)
ポリエステル化合物(1)を80質量部、ポリオレフィン樹脂を20質量部とした以外は実施例1と同様に酸素吸収性多層フィルムを得た後、三方シール袋を作製して、実施例1と同様の保存試験を実施した。これらの結果を表1に示した。
Figure 0005935659
実施例1〜7から明らかなように、本発明の酸素吸収性多層体は、低湿度下において良好な酸素吸収性能を示した。
(実施例8)
実施例1で用いた酸素吸収層をコア層とし、スキン層をLLDPE2とした、幅800mmの2種3層フィルム(厚み;10μm/20μm/10μm)を、120m/分で片面をコロナ放電処理しながら作製した。
得られたフィルムの外観は良好で、HAZEは25%であった。コロナ処理面側にウレタン系ドライラミネート用接着剤(製品名;東洋モートン株式会社製「AD817/CAT−RT86L−60」)を用いて、PET(製品名;東洋紡績株式会社製「E5100」、12)/接着剤(3)/アルミ箔(9)/接着剤(3)/ナイロン(製品名;東洋紡績株式会社製「N1202」、15)/接着剤(3)/LLDPE2(10)/酸素吸収樹脂(20)/LLDPE2(10)の酸素吸収性多層フィルムを得た。
このフィルムを、LLDPE2層側を内面にして側面フィルム2枚と底面フィルム1枚の自立性袋(130mm×175mm×35mm)に加工したところ、袋加工性は良好であった。前記自立性袋に、40袋/分の速度で、きゅうり150gと酢酸水溶液(酢酸濃度10質量%)150gを充填し、ヒートシールして密封した。前記自立性袋の開口性は良好であり、ヒートシールも問題なく行なえた。前記密封袋100個に90℃・30分のボイル処理を行い、23℃下にて保存した。保存1ヶ月後に、きゅうりの色調及び自立袋の外観を観察し、前記密封袋を開封してきゅうりの風味を調査した。前記密封袋は透明であり開封することなくきゅうりは袋外部から視認できた。きゅうりの色調は良好に保持されており、袋の外観に異常はなかった。また、きゅうりの風味も良好であった。
(比較例1)
平均粒径20μmの鉄粉と塩化カルシウムを質量比100:1の割合で混合し、前記混合物とLLDPE1を質量比30:70で混練して、鉄系酸素吸収性樹脂組成物Aを得た。鉄系酸素吸収性樹脂組成物Aをコア層とし、実施例8と同様に2種3層フィルムを作製しようとしたが、フィルム表面に鉄粉の凹凸が発生し、フィルムが得られなかった。
(比較例2)
厚さ40μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(製品名;東セロ株式会社製「トーセロT.U.X HC」、以下LLDPE3と表記する)に、酸素吸収層として、鉄系酸素吸収樹脂組成物Aを厚さ20μmで押出ラミネートし、酸素吸収層面をコロナ放電処理したラミネートフィルムを得た。
そのラミネートフィルムを実施例8と同様にラミネートし、アルミナ蒸着PETフィルム(12)/ラミネート用接着剤(3)/ナイロンフィルムA(15)/ウレタン系アンカーコート剤(0.5)/LLDPE3(15)/鉄系酸素吸収樹脂(20)/LLDPE3(40)の鉄系酸素吸収性多層フィルムを作製し、実施例8と同様にして、自立性袋に加工した。
実施例8と同様に、きゅうり150gと酢酸水溶液(酢酸濃度10質量%)150gを充填しようと試みたところ、袋開口性が悪い為、内容物がこぼれ出し充填することができない不良品が30%にのぼった。充填できた自立性袋を用い実施例8と同様に、ボイル処理後、保存試験と評価を実施した。前期自立性袋は不透明である為、きゅうりは袋外部から視認できなかった。袋を開封し評価を行ったところ、きゅうりの風味、色調は良好に保持されていたものの、袋の外観には凹凸が生じ、一部デラミネーションが発生していた。
(実施例9)
実施例8と同様にして2種3層フィルムを作製し、これを用いて低密度ポリエチレン(製品名;三井化学株式会社製「ミラソン18SP」)による押し出しラミネートにて、晒クラフト紙(坪量340g/m)/ウレタン系ドライラミネート用接着剤(製品名;東洋モートン株式会社製「AD817/CAT−RT86L−60」、3)/アルミナ蒸着PETフィルム(製品名;凸版印刷株式会社製「GL-AEH」、12)/ウレタン系アンカーコート剤(東洋モートン株式会社製「EL−557A/B」、0.5)/低密度ポリエチレン(20)/LLDPE(10)/酸素吸収性樹脂組成物(20)/LLDPE(10)の酸素吸収性多層紙基材を得た。この基材を、1リットル用のゲーベルトップ型の紙容器に成形した。容器の成形性は良好であった。この紙容器に日本酒を充填し、密封後23℃下にて保存した。1ヶ月後に評価を行ったところ、紙容器内の酸素濃度は0.1vol%以下であり、日本酒の風味は良好に保持されていた。
(実施例10)
LLDPE1に代えてエチレン−プロピレンランダム共重合体(製品名;日本ポリプロ株式会社製「ノバテックPP FW4BT」、230℃のMFR6.5g/10分、240℃のMFR8.3g/10分、以下PP1と表記する)を使用した以外は実施例1と同様にして酸素吸収層を得た。酸素吸収層30μmとオレフィン系ポリマーアロイ(製品名;三菱化学株式会社製「VMX X270F」、190℃のMFR6.5g/10分)からなるシーラント層30μmを積層して、2種2層フィルムを作製した。続いて、ラミネート用接着剤を用いて、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム(製品名;株式会社クラレ製「エバールF104B」)15μmとナイロンフィルムB(製品名;東洋紡株式会社製「N1202」)層15μmを積層し、ナイロンフィルムB(15)/ラミネート用接着剤(3)/エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム(15)/ラミネート用接着剤(3)/酸素吸収樹脂(30)/オレフィン系ポリマーアロイ(30)の酸素吸収性多層フィルムを得た。フィルムの外観は良好であった。
次に、エチレン−プロピレンランダム共重合体(製品名;日本ポリプロ株式会社製「ノバテックPP EG7F」、MFR1.3g/10分(JIS K7210に準拠して測定)、240℃のMFR8.2g/10分、250℃のMFR9.8g/10分、以下PP2と表記する)を用いて、PP2(400)/無水マレイン酸変性ポリプロピレン(製品名;三井化学株式会社製「アドマーQF500」、15)/エチレン−ビニルアルコール共重合体A(製品名;株式会社クラレ製「エバールL104B」、40)/無水マレイン酸変性ポリプロピレン(製品名;同上、15)/PP2(400)のシートを作製し、これを絞り比2.5で70ccカップに成形した。該カップにオレンジゼリーを満杯充填し、作製した酸素吸収性多層フィルムを、ナイロンフィルムB層側を外面とする蓋材として使用して密封した。内容物の色調は、蓋材から視認することができた。密封容器を85℃、30分間の加熱処理し、23℃、1ヶ月保存した。1ヶ月後、開封した所、二重蓋になることなく、開封性は良好で、内容物の風味、色調は、良好に保持されていた。
(実施例11)
実施例10と同様にして得た酸素吸収性多層フィルムと70ccカップを用い、それぞれ浸漬による過酸化水素殺菌を行った。殺菌時に酸素吸収性多層フィルムに異常はなかった。カップに80℃に保温されたオレンジジャムをホット充填し、酸素吸収性多層フィルムを、ナイロンフィルムB層側を外側とする蓋材として、密封した。密封容器を23℃、1ヶ月保存した。1ヶ月後、蓋材から内容物を視認したところ、色調は、良好に保たれていた。蓋材を開封した所、二重蓋になることなく、開封性は良好で、内容物の風味は、良好に保持されていた。
(比較例3)
比較例1と同様にして得た鉄系酸素吸収層を有する鉄系酸素吸収性多層フィルムを、実施例11と同様の方法で過酸化水素殺菌したところ、過酸化水素に気泡が発生し、殺菌を継続することができなかった。
実施例8〜11から明らかなように、本発明の酸素吸収性多層体は、酸素吸収性能、加工性、強度に優れ、さらに、加熱処理が可能で、鉄系酸素吸収剤を使用した酸素吸収性多層体では保存できない食品等に適用でき、過酸化水素殺菌が可能な保存容器となる。また、内部視認性も有しており、内容物の色調等を確認することができ、容器蓋材にも使用できる。
(実施例12)
第1〜第4押出機、フィードブロック、Tダイ、冷却ロール、シート引取機からなる4種6層多層シート成形装置を用い、各押出機から、第1押出機;PP2、第2押出機;実施例1で用いた酸素吸収層、第3押出機;エチレン−ビニルアルコール共重合体B(製品名;クラレ製「エバールL171B」)、及び第4押出機;ポリプロピレン系接着性樹脂(製品名;三菱化学株式会社製「モディックAP P604V」)を押し出し、酸素吸収性多層シートを得た。該多層シートの構成は、内層より、PP2(80)/酸素吸収樹脂(100)/接着層(15)/エチレン−ビニルアルコール共重合体B(30)/接着層(15)/PP2(250)であった。また、共押出による多層シートは厚みムラ等のない外観良好な多層シートであった。
次いで、得られた多層シートについて、真空成形機を用いて、内層を内側にし、トレイ状容器(内容積350cc、表面積200cm)に熱成形加工した。得られた酸素吸収性多層容器は厚みムラなく外観良好であった。この容器を紫外線殺菌により殺菌し、その容器に炊飯直後の無菌米飯200gを入れ、容器内酸素を窒素ガスにて置換して酸素濃度を0.5vol%とした。次いで、PETフィルム、MXD6系多層共押出ナイロンフィルム(製品名;三菱樹脂株式会社製「スーパーニールSP−R」)、無延伸ポリプロピレンフィルム(製品名;株式会社オカモト製「アロマーUT21」)をラミネート用接着剤でドライラミネートしたガスバリア性フィルム(PETフィルム(12)/ラミネート用接着剤(3)/MXD6系多層共押出ナイロンフィルム(15)/ラミネート用接着剤(3)/無延伸ポリプロピレンフィルム(60))をトップフィルムとして用い、容器同様紫外線殺菌した後、前記容器を密封し、23℃・50%RHの条件下に保存した。保存開始から3ヶ月後の容器内酸素濃度を測定後に開封し、炊飯米の風味及び酸素吸収容器の強度を確認した。この結果を表2に示した。
(実施例13)
ポリエステル化合物(1)を20質量部、ポリオレフィン樹脂を80質量部とした以外は、実施例12と同様にトレイ状容器を作製して、保存試験を実施した。これらの結果を表1に示した。
(実施例14)
ポリエステル化合物(1)を50質量部、ポリオレフィン樹脂を50質量部とした以外は、実施例12と同様にトレイ状容器を作製して、保存試験を実施した。これらの結果を表1に示した。
(実施例15)
ポリエステル化合物(1)をポリエステル化合物(2)としたこと以外は実施例12と同様にトレイ状容器を作製して、保存試験を実施した。これらの結果を表1に示した。
(実施例16)
ポリエステル化合物(1)をポリエステル化合物(3)としたこと以外は実施例12と同様にトレイ状容器を作製して、保存試験を実施した。これらの結果を表1に示した。
(実施例17)
ポリエステル化合物(1)をポリエステル化合物(4)としたこと以外は実施例12と同様にトレイ状容器を作製して、保存試験を実施した。これらの結果を表1に示した。
(比較例4)
平均粒径20μmの鉄粉と塩化カルシウムを質量比100:1の割合で混合し、前記混合物とLLDPE1を質量比30:70で混練して、鉄系酸素吸収樹脂組成物Bを得た。続いて、酸素吸収層に鉄系酸素吸収樹脂組成物Bを使用した以外は、実施例12と同様にして鉄系酸素吸収性多層シートを作製した。該多層シートの構成は、内層より、PP2(80)/鉄系酸素吸収樹脂組成物B(100)/接着層(15)/エチレン−ビニルアルコール共重合体B(30)/接着層(15)/PP2(250)であった。得られた鉄系酸素吸収性多層シートを熱成形し、トレイ状容器を作製しようとしたが、ドローダウンが発生したため加工が困難であった。また作製した容器は鉄粉を使用しているため不透明であり、鉄粉に起因する凹凸のため外観が悪かった。しかし、外観の及第する容器が得られたため、実施例12と同様の保存試験を実施した。この結果を表2に示した。
Figure 0005935659
実施例12〜17から明らかなように、本発明の酸素吸収性多層容器は、良好な成形性及び酸素吸収性能を示し、透明であり、かつ酸素吸収後も容器の強度を保持することが可能である。

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂を含有するシーラント層(層C)、ポリエステル化合物、遷移金属触媒及びポリオレフィン樹脂を含有する酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層(層A)、並びにガスバリア性物質からなるガスバリア層(層D)をこの順に積層した、少なくとも3層を含有する酸素吸収性多層体であって、
    前記ポリエステル化合物が、下記一般式(1)〜(4)
    Figure 0005935659

    (式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子または一価の置換基を示し、一価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基及びイミド基からなる群より選択される少なくとも1種であり、これらはさらに置換基を有していてもよい。mは0〜3、nは0〜7の整数を表し、テトラリン環のベンジル位に少なくとも1つ以上の水素原子が結合している。Xは芳香族炭化水素基、飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状または分岐状の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基及び複素環基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を含有する2価の基を表す。)
    からなる群より選択される少なくとも1つのテトラリン環を有する構成単位を含有する、酸素吸収性多層体。
  2. 前記遷移金属触媒が、マンガン、鉄、コバルト、ニッケルおよび銅からなる群より選択される少なくとも1種以上の遷移金属を含むものである、請求項1記載の酸素吸収性多層体。
  3. 前記遷移金属触媒が、前記ポリエステル化合物100質量部に対し、遷移金属量として0.001〜10質量部含まれる、請求項1または2に記載の酸素吸収性多層体。
  4. 前記一般式(1)で表される構成単位が、下記式(5)〜(7)からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項1〜3のいずれかに記載の酸素吸収性多層体。
    Figure 0005935659
  5. 前記ポリエステル化合物が、前記ポリエステル化合物と前記ポリオレフィン樹脂の合計量100質量部に対し、10〜80質量部含まれる、請求項1〜4のいずれかに記載の酸素吸収性多層体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の酸素吸収性多層体を含む酸素吸収性多層容器。
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