JP6225913B2 - 酸素吸収性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、酸素吸収性樹脂組成物に関する。
食品、飲料、医薬品、化粧品に代表される、酸素の影響を受けて変質あるいは劣化しやすい各種物品の酸素酸化を防止し、長期に保存する目的で、これらを収納する包装体内の酸素を除去する酸素吸収剤が使用されている。
酸素吸収剤としては、酸素吸収能力、取り扱い易さ、安全性の点から、鉄粉を反応主剤とする酸素吸収剤が一般的に用いられている。しかし、この鉄系酸素吸収剤は、金属探知機に感応するために、異物検査に金属探知機を使用することが困難であった。また、鉄系酸素吸収剤を同封した包装体は、発火の恐れがある為に電子レンジによる加熱ができない。さらに、鉄粉の酸化反応には水が必要であるため、被保存物が高水分系であるものでしか、酸素吸収の効果を発現することができなかった。
また、熱可塑性樹脂に鉄系酸素吸収剤を配合した酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層を配した多層材料で容器を構成することにより、容器のガスバリア性の向上を図るとともに容器自体に酸素吸収機能を付与した包装容器の開発が行われている(特許文献1参照)。しかし、これも同様に金属探知機に使用できない、電子レンジによる加熱ができない、被保存物が高水分系のものしか効果を発現しない、といった課題を有している。さらに、不透明性の問題により内部視認性が不足するといった課題を有している。
上記のような事情から、有機系の物質を反応主剤とする酸素吸収剤が望まれている。有機系の物質を反応主剤とする酸素吸収剤としては、アスコルビン酸を主剤とする酸素吸収剤が知られている(特許文献2参照)。
一方で、樹脂と遷移金属触媒からなり、酸素捕捉特性を有する酸素吸収性樹脂組成物が知られている。例えば、酸化可能有機成分としてポリアミド、特にキシリレン基含有ポリアミドと遷移金属触媒からなる樹脂組成物が知られており、さらに酸素捕捉機能を有する樹脂組成物やその樹脂組成物を成形して得られる酸素吸収剤、包装材料、包装用多層積層フィルムの例示もある(特許文献3参照)。
また、酸素吸収に水分を必要としない酸素吸収樹脂組成物として、炭素−炭素不飽和結合を有する樹脂と遷移金属触媒からなる酸素吸収樹脂組成物が知られている(特許文献4参照)。
さらに、酸素を捕集する組成物として、置換されたシクロヘキセン官能基を含むポリマー又は該シクロヘキセン環が結合した低分子量物質と遷移金属とからなる組成物が知られている(特許文献5参照)。
特開平09−234832号公報 特開昭51−136845号公報 特開2001−252560号公報 特開平05−115776号公報 特表2003−521552号公報
しかしながら、特許文献2の酸素吸収剤組成物は、そもそも酸素吸収性能が低く、また、被保存物が高水分系のものしか効果を発現しない、比較的に高価である、といった問題を有している。
また、特許文献3の樹脂組成物は、遷移金属触媒を含有させキシリレン基含有ポリアミド樹脂を酸化させることで酸素吸収機能を発現させるものであるため、樹脂の酸化劣化による強度低下が発生し、包装容器そのものの強度が低下するという問題を有している。さらに、この樹脂組成物は、未だ酸素吸収性能が不十分であり、被保存物が高水分系のものしか効果を発現しない、といった問題を有している。
さらに、特許文献4の酸素吸収樹脂組成物は、樹脂の酸化に伴う高分子鎖の切断により臭気成分となる低分子量の有機化合物が生成し、酸素吸収後に臭気の強度が増大するという問題がある。
一方、特許文献5の組成物は、シクロヘキセン官能基を含む特殊な材料を用いる必要があり、また、この材料は比較的に臭気が発生しやすく、さらには、比較的に高価であるという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、低湿度から高湿度までの広範な湿度条件下で優れた酸素吸収性能を有し、酸素吸収後においても成形体の形状が保持される、酸素吸収性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、酸素吸収性樹脂組成物について検討を進めた結果、特定の構造を有するポリエステル化合物を用いることにより上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
下記一般式(1)〜(4)からなる群より選ばれる少なくとも1種のテトラリン環を有する構成単位(a)と、下記一般式(5)及び/又は一般式(6)で表される構成単位(b)と、を有するポリエステル化合物を含有する、酸素吸収性樹脂組成物。
(式中、Rは、それぞれ独立して、1価の置換基を表し、前記1価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、及びイミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記1価の置換基は、さらに置換基を有していてもよい。テトラリン環のベンジル位に少なくとも1つ以上の水素原子が結合している。Xは、芳香族炭化水素基、飽和又は不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基、及び複素環基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を含有する2価の基を表し、mは、それぞれ独立して、0〜3の整数を表し、nは、それぞれ独立して、0〜6の整数を表す。)
(式中、Rは、それぞれ独立して、1価の置換基を表し、前記1価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、及びイミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記1価の置換基は、さらに置換基を有していてもよい。pは、それぞれ独立して、1〜5の整数を表す。)
〔2〕
前記ポリエステル化合物が、前記一般式(1)で表される前記構成単位(a)と、前記構成単位(b)とを、99:1〜50:50のモル比で含有する、〔1〕に記載の酸素吸収性樹脂組成物。
〔3〕
前記構成単位(a)が、下記式(7)、式(8)、及び式(9)からなる群より選ばれる少なくとも1つである、〔1〕又は〔2〕に記載の酸素吸収性樹脂組成物。
〔4〕
前記構成単位(b)が、少なくとも下記式(10)及び/又は下記式(11)であり、
前記構成単位(b)中における前記式(10)と下記式(11)の総量が、50mol%以上である、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の酸素吸収性樹脂組成物。
本発明によれば、低湿度から高湿度までの広範な湿度条件下で優れた酸素吸収性能を有し、酸素吸収後においても成形体の形状が保持される、酸素吸収性樹脂組成物を実現することができる。そして、この酸素吸収性樹脂組成物は、被保存物の水分の有無によらず酸素を吸収することができ、しかも酸素吸収後の臭気発生の抑制も期待されるので、例えば、食品、調理食品、飲料、医薬品、健康食品等、対象物を問わず幅広い用途で使用することができる。また、金属探知機に感応しない酸素吸収性樹脂組成物とすることもできる。さらに、酸素吸収後も酸化によるポリエステル化合物の分子鎖が切断されず、その構造を維持することもできるため、外観も良好に保持され、強度低下を抑制することも期待される。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物は、下記一般式(1)〜(4)からなる群より選ばれる少なくとも1種のテトラリン環を有する構成単位(a)と、下記一般式(5)及び/又は一般式(6)で表される構成単位(b)と、を有するポリエステル化合物を含有する、酸素吸収性樹脂組成物である。本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物は、高湿度下であっても、低湿度下であっても、優れた酸素吸収能を発揮することができる。そして、臭気を抑制することもできる。さらには、本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物は、酸素吸収のための鉄を必ずしも用いる必要がないため、非鉄系酸素吸収性樹脂組成物(鉄を実質的に含まない。)とすることができる。


(式中、Rは、それぞれ独立して、1価の置換基を表し、前記1価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、及びイミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記1価の置換基は、さらに置換基を有していてもよい。テトラリン環のベンジル位に少なくとも1つ以上の水素原子が結合している。Xは、芳香族炭化水素基、飽和又は不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基、及び複素環基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を含有する2価の基を表し、mは、それぞれ独立して、0〜3の整数を表し、nは、それぞれ独立して、0〜6の整数を表す。)
(式中、Rは、それぞれ独立して、1価の置換基を表し、前記1価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、及びイミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記1価の置換基は、さらに置換基を有していてもよい。pは、それぞれ独立して、1〜5の整数を表す。)
構成単位(a)は、下記式(7)、式(8)、及び式(9)からなる群より選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。これらを用いることで、原料の入手が容易であり、コストを低減することができる。構成単位(a)としては、これらの構造のいずれか1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
構成単位(b)は、下記式(10)、式(11)であることが好ましい。これらを用いることで、原料の入手が容易であり、コストを低減することができる。構成単位(b)としては、これらの構造いずれか一方であってもよいし、両方であってもよい。さらには、構成単位(b)として、式(10)及び式(11)以外の構成単位も併用していてもよい。
さらに、構成単位(b)としては、少なくとも式(10)及び/又は式(11)であり、かつ、構成単位(b)中における式(10)と式(11)の総量が、50mol%以上であることが好ましく、55mol%以上であることがより好ましく、60mol%以上であることが更に好ましく、90mol%以上であることがより更に好ましく、100mol%であることが一層好ましい。ここでいう「式(10)と式(11)の総量」については、特に断りがない限り、必ずしも式(10)と式(11)の両方が存在している場合に限定されるものではなく、例えば、式(10)又は式(11)のいずれか一方のみ存在している場合も包含される。
一般式(1)〜(6)及び(12)〜(23)においてRで表される1価の置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、アルキル基(好ましくは炭素数が1〜15であり、より好ましくは炭素数が1〜6である、直鎖状、分岐状又は環状アルキル基;例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基等)、アルケニル基(好ましくは炭素数が2〜10であり、より好ましくは炭素数が2〜6である直鎖状、分岐状、又は環状アルケニル基;例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(好ましくは炭素数が2〜10であり、より好ましくは炭素数が2〜6であるアルキニル基;例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、アリール基(好ましくは炭素数が6〜16であり、より好ましくは炭素数が6〜10であるアリール基;例えば、フェニル基、ナフチル基等)、複素環基(好ましくは炭素数が1〜12であり、より好ましくは炭素数が2〜6である5員環あるいは6員環の芳香族又は非芳香族の複素環化合物から1個の水素原子を取り除いた1価の基;例えば、1−ピラゾリル基、1−イミダゾリル基、2−フリル基)、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数が1〜10であり、より好ましくは炭素数が1〜6である直鎖状、分岐状、又は環状アルコキシ基;例えば、メトキシ基、エトキシ基等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数が6〜12であり、より好ましくは炭素数が6〜8であるアリールオキシ基;例えば、フェノキシ基等)、アシル基(ホルミル基を含む。好ましくは炭素数が2〜10であり、より好ましくは炭素数が2〜6であるアルキルカルボニル基、好ましくは炭素数が7〜12であり、より好ましくは炭素数が7〜9であるアリールカルボニル基;例えば、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等)、アミノ基(好ましくは炭素数が1〜10であり、より好ましくは炭素数が1〜6であるアルキルアミノ基、好ましくは炭素数が6〜12であり、より好ましくは炭素数が6〜8であるアニリノ基、好ましくは炭素数が1〜12であり、より好ましくは炭素数が2〜6である複素環アミノ基;例えば、アミノ基、メチルアミノ基、アニリノ基等)、チオール基、アルキルチオ基(好ましくは炭素数が1〜10であり、より好ましくは炭素数が1〜6であるアルキルチオ基;例えば、メチルチオ基、エチルチオ基等)、アリールチオ基(好ましくは炭素数が6〜12であり、より好ましくは炭素数が6〜8であるアリールチオ基;例えば、フェニルチオ基等)、複素環チオ基(好ましくは炭素数が2〜10であり、より好ましくは炭素数が1〜6である複素環チオ基;例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基等)、イミド基(好ましくは炭素数が2〜10であり、より好ましくは炭素数が4〜8であるイミド基;例えば、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基等)等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
なお、上記の1価の置換基Rが水素原子を有する場合、その水素原子が置換基T(ここで、置換基Tは、上記の1価の置換基Rで説明したものと同義である。)でさらに置換されていてもよい。その具体例としては、例えば、ヒドロキシ基で置換されたアルキル基(例えば、ヒドロキシエチル基等)、アルコキシ基で置換されたアルキル基(例えば、メトキシエチル基等)、アリール基で置換されたアルキル基(例えば、ベンジル基等)、第1級アミノ基又は第2級アミノ基で置換されたアルキル基(例えば、アミノエチル基等)、アルキル基で置換されたアリール基(例えば、p−トリル基等)、アルキル基で置換されたアリールオキシ基(例えば、2−メチルフェノキシ基等)等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
なお、上記の1価の置換基Rが置換基Tを有する場合、上述した炭素数には、置換基Tの炭素数は含まれないものとする。例えば、Rがベンジル基である場合、上記した炭素数に関しては、フェニル基で置換された炭素数1のアルキル基と看做し、フェニル基で置換された炭素数7のアルキル基とは看做さない。また、上記の1価の置換基Rが置換基Tを有する場合、その置換基Tは複数であってもよい。
Xで表される置換基としては、芳香族炭化水素基、飽和又は不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基及び複素環基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を含有する2価の基である。芳香族炭化水素基、飽和又は不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基及び複素環基は、置換されていてもよいし、無置換でもよい。
Xは、ヘテロ原子を含有していてもよく、例えば、エーテル基、スルフィド基、カルボニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルホキシド基、スルホン基等を含有していてもよい。
ここで、芳香族炭化水素基としては、例えば、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、メチルフェニレン基、o−キシリレン基、m−キシリレン基、p−キシリレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基、フェナントリレン基、ビフェニレン基、フルオニレン基等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、メチルシクロへキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基等のシクロアルキレン基や、シクロヘキセニレン基等のシクロアルケニレン基等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、イソプロピリデン基、テトラメチレン基、イソブチレン基、tert‐ブチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等の直鎖状又は分枝鎖状アルキレン基、ビニレン基、プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、1,3−ブタジエニレン基、1−ペンテニレン基、2−ペンテニレン基、1−ヘキセニレン基、2−ヘキセニレン基、3−ヘキセニレン基等のアルケニレン基等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
Xとしては、上記した置換基がさらに置換基を有していてもよく、その具体例としては、例えば、ハロゲン、アルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、カルボアルコキシ基、アミノ基、アシル基、チオ基(例えば、アルキルチオ基、フェニルチオ基、トリルチオ基、ピリジルチオ基等)、アミノ基(例えば、非置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、フェニルアミノ基等)、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
上記一般式(1)で表される構成単位(a)、並びに上記一般式(5)及び/又は一般式(6)で表される構成単位(b)を含有するポリエステル化合物は、例えば、テトラリン環を有するジカルボン酸又はその誘導体(I)と;ジオール又はその誘導体(II)と;テトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸又はそれらの誘導体(III)と、を重縮合することで得られる。
本実施形態で用いるテトラリン環を有するジカルボン酸又はその誘導体(I)としては、下記一般式(12)で表される。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(式中、Rは、それぞれ独立して、1価の置換基を表し、前記1価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、及びイミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記1価の置換基は、さらに置換基を有していてもよい。テトラリン環のベンジル位には少なくとも1つ以上の水素原子が結合している。Yは水素原子又はアルキル基を表し、mは0〜3の整数を表し、nは0〜6の整数を表す。)
一般式(12)で表される化合物は、下記一般式(13)で表されるナフタレン環を有するジカルボン酸又はその誘導体を、水素と反応させて得ることができる。
(式中、Rは、それぞれ独立して、1価の置換基を表し、前記1価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、及びイミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記1価の置換基は、さらに置換基を有していてもよい。Yは水素原子又はアルキル基を表し、mはそれぞれ独立して0〜3の整数を表す。)
本実施形態で用いるジオール又はその誘導体(II)としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−フェニルプロパンジオール、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアルコール、α,α−ジヒドロキシ−1,3−ジイソプロピルベンゼン、α,α−ジヒドロキシ−1,4−ジイソプロピルベンゼン、o−キシレングリコール、m−キシレングリコール、p−キシレングリコール、ヒドロキノン、4,4−ジヒドロキシフェニル、ナフタレンジオール、又はこれらの誘導体等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態で用いるテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、又はそれらの誘導体(III)の具体例としては、例えば、下記一般式(14)〜(17)で表される化合物等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(式中、Rは、それぞれ独立して、1価の置換基を表し、前記1価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、及びイミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記1価の置換基は、さらに置換基を有していてもよい。Yは水素原子又はアルキル基を表し、pは1〜5の整数を表す。)
上記した各式のRとしては、例えば、式(1)〜(6)のRと同様のものを例示することができる。また、上記した各式のYとしては、重合性等の観点から、水素原子又はアルキル基であればよく、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
一般式(14)〜(17)で表されるテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、及びそれらの誘導体としては、多くの化合物を例として挙げることができるが、その中でも酸素吸収性能と反応速度の観点から、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸が好ましく、これらの中でも3−メチルテトラヒドロフタル酸、3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸がより好ましく、3−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、4−メチル−1,2,5,6−テトラヒドロ無水フタル酸、4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸が更に好ましい。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、上記一般式(2)で表される構成単位(a)、並びに上記一般式(5)及び/又は一般式(6)で表される構成単位(b)を含有するポリエステル化合物は、例えば、テトラリン環を有するジオール又はその誘導体(IV)と;ジカルボン酸又はその誘導体(V)と;テトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸又はそれらの誘導体(III)と、を重縮合することによって得られる。テトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、又はそれらの誘導体(III)については、上記で述べた通りである。
本実施形態で用いるテトラリン環を有するジオール又はその誘導体(IV)としては、下記一般式(18)で表される化合物等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(式中、Rは、それぞれ独立して、1価の置換基を表し、前記1価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、及びイミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記1価の置換基は、さらに置換基を有していてもよい。テトラリン環のベンジル位に少なくとも1つ以上の水素原子が結合している。mは0〜3の整数を表し、nは0〜6の整数を表す。)
一般式(18)で表される化合物は、例えば、下記一般式(19)で表されるナフタレン環を有するジオール又はその誘導体を、水素と反応させることで得ることができる。
(式中、Rは、それぞれ独立して、1価の置換基を表し、前記1価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、及びイミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記1価の置換基は、さらに置換基を有していてもよい。mは、それぞれ独立して、0〜3の整数を表す。
上記した各式のRとしては、例えば、式(1)〜(6)のRと同様のものを例示することができる。
本実施形態で用いるジカルボン酸又はその誘導体(V)としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、3,3−ジメチルペンタン二酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のベンゼンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェニルマロン酸、フェニレンジ酢酸、フェニレンジ酪酸、4,4−ジフェニルエーテルジカルボン酸、p−フェニレンジカルボン酸、又はこれらの誘導体等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記一般式(3)又は一般式(4)で表される構成単位(a)、並びに上記一般式(5)及び/又は一般式(6)で表される構成単位(b)を含有するポリエステル化合物は、例えば、テトラリン環を有するヒドロキシカルボン酸又はその誘導体(VI)と;ジオール又はその誘導体(II)と;テトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸又はそれらの誘導体(III)と、を重縮合することで得ることができる。
本実施形態で用いるテトラリン環を有するヒドロキシカルボン酸又はその誘導体(VI)としては、例えば、下記一般式(20)又は一般式(21)で表される化合物等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(式中、Rは、それぞれ独立して、1価の置換基を表し、前記1価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、及びイミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記1価の置換基は、さらに置換基を有していてもよい。テトラリン環のベンジル位に少なくとも1つ以上の水素原子が結合している。Yは水素原子又はアルキル基を表し、mは0〜3の整数を表し、nは0〜6の整数を表す。)
上記した各式のRとしては、例えば、式(1)〜(6)のRと同様のものを例示することができる。また、上記した各式のYとしては、重合性等の観点から、水素原子又はアルキル基であればよく、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
上記一般式(1)又は一般式(2)で表される構成単位を含有するポリエステル化合物は、例えば、下記一般式(22)又は一般式(23)で表される構成単位を含有するポリエステル化合物の水添反応によって得ることもできる。
(式中、Rは、それぞれ独立して、1価の置換基を表し、前記1価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、及びイミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記1価の置換基は、さらに置換基を有していてもよい。Xは芳香族炭化水素基、飽和又は不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基及び複素環基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を含有する2価の基を表す。mは、それぞれ独立して、0〜3の整数を表す。)
(式中、Rは、それぞれ独立して、1価の置換基を表し、前記1価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、及びイミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記1価の置換基は、さらに置換基を有していてもよい。Xは芳香族炭化水素基、飽和又は不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基及び複素環基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を含有する2価の基を表す。mは、それぞれ独立して、0〜3の整数を表す。)
上記した各式のRとしては、例えば、式(1)〜(6)と同様のものを例示することができる。また、上記した各式のYとしては、重合性等の観点から、水素原子又はアルキル基であればよく、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
本実施形態のポリエステル化合物には、性能に影響しない程度で、テトラリン環を有さない構成単位を共重合成分として組み込んでもよい。具体的には、前記ジオール又はその誘導体(II)として例示した化合物や、前記ジカルボン酸又はその誘導体(V)として例示した化合物等を、共重合成分として用いることができる。
構成単位(a)の好ましい具体例としては、上記式(7)〜(9)等が挙げられるが、これらに限定されない。
上述したポリエステル化合物は、いずれも、テトラリン環のベンジル位に水素を有し、かつ、テトラヒドロ無水フタル酸のアリル位、テトラヒドロフタル酸のアリル位、又はそれらの誘導体のアリル位に水素を有するものである。そして、ベンジル位の水素とアリル位の水素の両方が引き抜かれることで、より優れた酸素吸収能を発現する(但し、本実施形態の作用効果はこれらに限定されない。)。
また、本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物は、酸素吸収後の臭気発生を抑制することもできる。その理由は明らかではないが、例えば、以下の酸化反応機構が寄与しているのではないかと推測される。すなわち、ポリエステル化合物においては、まずテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸又はそれらの誘導体のアリル位にある水素が引き抜かれてラジカルが生成した後、そのラジカルがテトラリン環のベンジル位の水素を引き抜き、ラジカルが更に生成する。その後、ラジカルと酸素との反応によりベンジル位の炭素が酸化され、ヒドロキシ基又はケトン基が生成すると考えられる。そのため、本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物においては、上記従来技術のような酸化反応による酸素吸収主剤の分子鎖の切断が抑制されるため、ポリエステル化合物の構造が維持される。そのため、本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物が酸素吸収した後であっても、臭気の原因となる低分子量の有機化合物の生成を抑制でき、その結果、酸素吸収後の臭気強度の増大が抑制されるものと推測される(但し、本実施形態の作用効果はこれらに限定されない。)。
本実施形態のポリエステル化合物において、一般式(1)で表される構成単位(a)を含む場合、一般式(1)で表される構成単位(a)と構成単位(b)とのモル比は、酸素吸収性能と、樹脂組成物としての物性や成形性とのバランスの観点から、99:1〜50:50(構成単位(a):構成単位(b))であることが好ましく、97:3〜60:40であることがより好ましく、95:5〜70:30であることが更に好ましい。
本実施形態のポリエステル化合物の極限粘度(フェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンとの質量比が6:4(フェノール:1,1,2,2−テトラクロロエタン)である混合溶媒を用いた25℃での測定値)は、特に限定されないが、ポリエステル化合物の成形性の観点から、0.1〜2.0dL/gであることが好ましく、0.5〜1.5dL/gであることがより好ましい。極限粘度は、JIS K 7367に準拠する方法によって、測定することができる。
また、本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物には、酸素吸収反応を促進させるために、必要に応じて、遷移金属触媒、ラジカル発生剤、光開始剤等を更に添加することができる。
遷移金属触媒としては、上記ポリエステル化合物の酸化反応の触媒として機能し得るものであれば、公知のものから適宜選択して用いることができ、特に限定されない。かかる遷移金属触媒の具体例としては、例えば、遷移金属の有機酸塩、ハロゲン化物、燐酸塩、亜燐酸塩、次亜燐酸塩、硝酸塩、硫酸塩、酸化物、水酸化物等が挙げられる。
ここで、遷移金属触媒に含まれる遷移金属としては、例えば、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルテニウム、ロジウム等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの中でも、酸素吸収速度の観点から、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅が好ましい。
また、有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、オクタノイック酸、ラウリン酸、ステアリン酸、アセチルアセトン、ジメチルジチオカルバミン酸、パルミチン酸、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、リノール酸、トール酸、オレイン酸、カプリン酸、ナフテン酸等が挙げられるが、これらに限定されない。
遷移金属触媒は、これらの遷移金属と有機酸とを組み合わせたものが好ましく、遷移金属がマンガン、鉄、コバルト、ニッケル又は銅のいずれかであり、有機酸が酢酸、ステアリン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸又はナフテン酸のいずれかである組み合わせがより好ましい。なお、遷移金属触媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ラジカル発生剤としては、例えば、各種のN−ヒドロキシイミド化合物等が挙げられる。具体的には、例えば、N−ヒドロキシコハクイミド、N−ヒドロキシマレイミド、N,N’−ジヒドロキシシクロヘキサンテトラカルボン酸ジイミド、N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシテトラクロロフタルイミド、N−ヒドロキシテトラブロモフタルイミド、N−ヒドロキシヘキサヒドロフタルイミド、3−スルホニル−N−ヒドロキシフタルイミド、3−メトキシカルボニル−N−ヒドロキシフタルイミド、3−メチル−N−ヒドロキシフタルイミド、3−ヒドロキシ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−ニトロ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−クロロ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−メトキシ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−ジメチルアミノ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−カルボキシ−N−ヒドロキシヘキサヒドロフタルイミド、4−メチル−N−ヒドロキシヘキサヒドロフタルイミド、N−ヒドロキシヘット酸イミド、N−ヒドロキシハイミック酸イミド、N−ヒドロキシトリメリット酸イミド、N,N−ジヒドロキシピロメリット酸ジイミド等が挙げられる。
光開始剤としては、例えば、ベンゾフェノンとその誘導体、チアジン染料、金属ポルフィリン誘導体、アントラキノン誘導体等が挙げられる。
ポリエステル化合物及び酸素吸収反応を促進させるための添加剤は、公知の方法で混合することができるが、押出機により混練する方法が好ましい。これにより、分散性に一層優れる酸素吸収性樹脂組成物とすることができる。また、酸素吸収性樹脂組成物には、本実施形態の効果を損なわない範囲で、乾燥剤、顔料、染料、酸化防止剤、スリップ剤、帯電防止剤、安定剤等の添加剤;炭酸カルシウム、クレー、マイカ、シリカ等の充填剤;消臭剤等をさらに添加してもよいが、以上に示したものに限定されることなく、種々の材料を混合することができる。
また、本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物は、他の熱可塑性樹脂と押出機で混練することもできる。混練に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、あるいはエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同士のランダム又はブロック共重合体等のポリオレフィン;無水マレイン酸グラフトポリエチレンや無水マレイン酸グラフトポリプロピレン等の酸変性ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体やそのイオン架橋物(アイオノマー)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等のエチレン−ビニル化合物共重合体;ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、α−メチルスチレン−スチレン共重合体等のスチレン系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のポリビニル化合物;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等のポリアミド;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG)、ポリエチレンサクシネート(PES)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート等のポリエステル;ポリカーボネート;ポリエチレンオキサイド等のポリエーテル等あるいはこれらの混合物等が挙げられる。
本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物の使用形態は、特に限定されず、例えば、粉体状、顆粒状、ペレット状、フィルム状又はその他の小片状に加工し、通気性包装材料に充填し、小袋状の酸素吸収剤包装体として使用することができる。また、フィルム状に成形して、ラベル、カード、パッキング等の形態の酸素吸収体として用いることができる。
本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物は、単層の包装材料や包装容器として使用できるのは勿論のこと、酸素吸収性樹脂組成物からなる少なくとも1層と、他の樹脂からなる少なくとも1層以上との多層構造の酸素吸収性多層包装材料や酸素吸収性多層包装容器として使用することもできる。一般に、本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物は、容器等の外表面に露出しないように容器等の外表面よりも内側に設けるのが好ましく、また、内容物との直接的な接触を避ける目的で、容器等の内表面より外側に設けるのが好ましい。このように、多層構造である酸素吸収性多層包装材料や酸素吸収性多層包装容器を構成する少なくとも1つの中間層が、本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物を含む層であることが好ましい。
また、本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物は、フィルム状又はシート状として、少なくとも、ポリオレフィン樹脂を含有するシーラント層、酸素吸収性樹脂組成物を含有する酸素吸収層、及びガスバリア性物質を含有するガスバリア層の3層を有する酸素吸収性多層体として用いることができる。さらに、得られた酸素吸収性多層体は、ガスバリア層の外層に紙基材を積層して、酸素吸収性紙容器として用いることができる。なお、特に断りがない限り、厚みが0.1〜500μmであるものを「フィルム(状)」といい、厚みが500μmを超えるものを「シート(状)」という。
本実施形態のガスバリア層に用いるガスバリア性物質としては、ガスバリア性を有する熱可塑性樹脂、ガスバリア性を有する熱硬化性樹脂、シリカ、アルミナ、アルミ等の各種蒸着フィルム、アルミ箔等の金属箔等を用いることができる。ガスバリア性を有する熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体、MXD6、ポリ塩化ビニリデン等が挙げられる。また、ガスバリア性を有する硬化性樹脂としては、例えば、ガスバリア性を有するエポキシ樹脂(例えば、三菱瓦斯化学株式会社製、商品名「マクシーブ」等)が挙げられる。
酸素吸収性多層体の製造方法については、各種材料の性状、加工目的、加工工程等に応じて、共押出法、各種ラミネート法、各種コーティング法等の公知の方法を利用することができる。例えば、フィルムやシートの成形については、Tダイ、サーキュラーダイ等を通して溶融させた樹脂組成物を付属した押出機から押し出して製造する方法や、酸素吸収フィルム又はシートに接着剤を塗布し、他のフィルムやシートと貼り合わせることで製造する方法がある。また、射出機を用い、溶融した樹脂を、多層多重ダイスを通して射出金型中に共射出又は逐次射出することによって所定の形状の多層容器又は容器製造用のプリフォームに成形することができる。プリフォームは、延伸温度に加熱し、軸方向に延伸するとともに、流体圧によって周方向にブロー延伸することにより、延伸ブローボトルが得られる。
得られた酸素吸収性多層体は、例えば、フィルムとして作製し、袋状や蓋材等に加工して用いることができる。また、本実施形態の酸素吸収多層体は、シートとして作製し、真空成形、圧空成形、プラグアシスト成形等の成形方法により、トレー、カップ、ボトル、チューブ等の所定の形状の酸素吸収性容器に熱成形することができる。また、得られた袋状容器やカップ状容器は、80〜100℃のボイル殺菌処理、100〜135℃のセミレトルト殺菌処理、レトルト殺菌処理、ハイレトルト殺菌処理を行うことができる。また、袋状容器に食品等の内容物を充填し、開封口を設け、電子レンジ加熱調理時にその開封口から蒸気を放出する、電子レンジ調理対応の易通蒸口付パウチに好ましく用いることができる。
以上、詳述したように、上記の酸素吸収性樹脂組成物及びこれを用いた各種物品は、低湿度から高湿度までの広範な湿度条件下で優れた酸素吸収性能を有し、被保存物の水分の有無によらず酸素吸収することができるので、被保存物の種類を問わず幅広い用途で使用することができる。とりわけ、酸素吸収後の臭気の発生が抑制されているので、例えば、食品、調理食品、飲料、健康食品、医薬品等に対して特に好適に用いることができる。
その他、被保存物の具体例としては、粉末調味料、粉末コーヒー、コーヒー豆、米、茶、豆、おかき、せんべい等の乾燥食品や医薬品、ビタミン剤等の健康食品、精米、米飯、赤飯、もち等の米加工類、スープ、シチュー、カレー等の調理食品、フルーツ、羊羹、プリン、ケーキ、饅頭等の菓子類、ツナ、魚貝等の水産製品、チーズ、バター、卵等の乳加工品、肉、サラミ、ソーセージ、ハム等の畜肉加工品、にんじん、じゃがいも、アスパラ、しいたけ等の野菜類等が挙げられる。また、飲料としては、ビール、ワイン、フルーツジュース、炭酸ソフトドリンク等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
以下に実施例と比較例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、特に記載が無い限り、NMR測定は室温で行った。
[モノマー合成例]
内容積18Lのオートクレーブに、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメチル2.20kg、2−プロパノール1.10kg、5質量%パラジウムを活性炭に担持させた触媒350g(50質量%含水品)を仕込んだ。次いで、オートクレーブ内の空気を窒素に置換し、さらに窒素を水素に置換した後、オートクレーブを水素で0.8MPaに加圧した。次に、撹拌機を起動し、回転速度を500rpmに調整し、30分かけて内温を100℃まで上げた後、内圧を水素で1MPaまで上げ、その状態で7時間保持した。そこで水素の吸収が無くなったので、オートクレーブを冷却し、水素を放出した後、オートクレーブから反応液を取り出した。反応液をろ過し、触媒を除去した後、分離ろ液から2−イソプロパノールをエバポレーターで蒸発させた。得られた粗生成物に、2−プロパノールを4.40kg加え、再結晶により精製し、テトラリン−2,6−ジカルボン酸ジメチルを80%の収率で得た。なお、NMRの分析結果は下記の通りであった。H‐NMR(400MHz CDCl)δ7.76−7.96(2H m)、7.15(1H d)、3.89(3H s)、3.70(3H s)、2.70−3.09(5H m)、1.80−1.95(1H m)。
[ポリマー製造例]
(製造例1)
充填塔式精留塔、分縮器、全縮器、コールドトラップ、撹拌機、加熱装置、及び窒素導入管を備えた製造装置に、テトラリン−2,6−ジカルボン酸ジメチル524g、1,4−ブタンジオール320g、3−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸(式(10))と4−メチル−1,2,5,6−テトラヒドロ無水フタル酸(式(11))を総量で65mol%含有するテトラヒドロ無水フタル酸異性体混合物(日立化成工業株式会社製、商品名「HN−2200」)18.5g、及びテトラブチルチタネート0.174gを仕込み、窒素雰囲気下で210℃まで昇温して、エステル交換反応を行った。ジカルボン酸成分の反応転化率を85%以上とした後、テトラブチルチタネート0.174gを添加し、昇温と減圧を徐々に行い、温度を245℃に保持し、圧力を133Pa以下で重縮合反応を行い、ポリエステル化合物Aを得た。ポリエステル化合物Aは、構成単位(a)として式(8)で表される構成単位を有し、かつ、構成単位(b)として少なくとも式(10)で表される構成単位と式(11)で表される構成単位を有するものであった。ポリエステル化合物Aにおける構成単位(a):構成単位(b)のモル比は、94.5:5.5であった。構成単位(b)における、式(10)で表される構成単位と式(11)で表される構成単位の総量は65mol%であった。
得られたポリエステル化合物Aの重量平均分子量と数平均分子量をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した結果、ポリスチレン換算の重量平均分子量は8.4×10であり、数平均分子量は2.8×10であった。ガラス転移温度と融点をDSCにより測定を行った結果、ガラス転移温度は35℃であり、融点は非晶性のため認められなかった。各種測定条件は以下のとおりであった。
・GPC:JIS K 7252に準拠。クロロホルムを溶媒とし、標準ポリスチレン換算にて分子量を求めた。
・ガラス転移温度:JIS K 7121に準拠
・融点:JIS K 7121に準拠
(製造例2)
製造例1で用いた1,4−ブタンジオールに替えてエチレングリコールを用い、その質量を246gとし、テトラリン−2,6−ジカルボン酸ジメチルを584gとし、前記テトラヒドロ無水フタル酸異性体混合物(日立化成工業株式会社製、商品名「HN−2200」)を20.6gとし、テトラブチルチタネートを0.194gとした以外は、製造例1と同様にして、ポリエステル化合物Bを得た。ポリエステル化合物Bは、構成単位(a)として式(7)で表される構成単位を有し、かつ、構成単位(b)として少なくとも式(10)で表される構成単位と式(11)で表される構成単位を有するものであった。ポリエステル化合物Bにおける構成単位(a):構成単位(b)のモル比は、95:5であった。構成単位(b)における、式(10)で表される構成単位と式(11)で表される構成単位の総量は、65mol%であった。このポリエステル化合物Bは、ポリスチレン換算の重量平均分子量が8.1×10であり、数平均分子量が2.4×10であり、ガラス転移温度が66℃であり、融点は非晶性のため認められなかった。
(製造例3)
テトラリン−2,6−ジカルボン酸ジメチルを495gとし、エチレングリコールを264gとし、前記テトラヒドロ無水フタル酸異性体混合物(日立化成工業株式会社製、商品名「HN−2200」)を110gとし、テトラブチルチタネートを0.154gとした以外は、製造例2と同様にして、ポリエステル化合物Cを得た。ポリエステル化合物Cは、構成単位(a)として式(7)で表される構成単位を有し、かつ、構成単位(b)として少なくとも式(10)で表される構成単位と式(11)で表される構成単位を有するものであった。ポリエステル化合物Cにおける構成単位(a):構成単位(b)のモル比は、74:26であった。構成単位(b)における、式(10)で表される構成単位と式(11)で表される構成単位の総量は、65mol%であった。このポリエステル化合物Cは、ポリスチレン換算の重量平均分子量が1.1×10であり、数平均分子量が1.6×10であり、ガラス転移温度が60℃であり、融点は非晶性のため認められなかった。
(製造例4)
製造例1で用いた1,4−ブタンジオールに替えて1,6−ヘキサンジオールを用い、その質量を380gとし、テトラリン−2,6−ジカルボン酸ジメチルを474gとし、前記テトラヒドロ無水フタル酸異性体混合物(日立化成工業株式会社製、商品名「HN−2200」)を16.71gとし、テトラブチルチタネートを0.157gとした以外は、製造例1と同様にして、ポリエステル化合物Dを得た。ポリエステル化合物Dは、構成単位(a)として式(9)で表される構成単位を有し、かつ、構成単位(b)として少なくとも式(10)で表される構成単位と式(11)で表される構成単位とを有するものであった。ポリエステル化合物Dにおける構成単位(a):構成単位(b)のモル比は、95:5であった。構成単位(b)における、式(10)で表される構成単位と式(11)で表される構成単位の総量は、65mol%であった。このポリエステル化合物Dは、ポリスチレン換算の重量平均分子量が7.8×10であり、数平均分子量が2.3×10であり、ガラス転移温度が17℃であり、融点が132℃であった。
(製造例5)
製造例1で用いたテトラヒドロ無水フタル酸異性体混合物(日立化成工業株式会社製、商品名「HN−2200」)を使用せず、テトラリン−2,6−ジカルボン酸ジメチル543g、1,4−ブタンジオール315g、テトラブチルチタネート0.171gとした以外は、製造例1と同様にして、ポリエステル化合物Eを得た。ポリエステル化合物Eは、構成単位(a)として式(8)で表される構成単位を有し、かつ、構成単位(b)を有しないものであった。このポリエステル化合物Eは、ポリスチレン換算の重量平均分子量が8.5×10であり、数平均分子量が3.3×10であり、ガラス転移温度が36℃であり、融点が145℃であった。
(実施例1)
ポリエステル化合物A100質量部を直径20mmのスクリューを2本有する2軸押出機により、押出温度220℃、スクリュー回転数60rpm、フィードスクリュー回転数16rpm、引き取り速度1.3m/minの条件で製膜し、幅130mm、厚み95〜105μmのフィルムとし、これを100mm×100mmの1枚のフィルムにカットして、酸素吸収性フィルムとした。
次に、アルミ箔積層フィルムからなるガスバリア袋(明和産商株式会社製、商品名「ALH−2430」)を2つ用意した。そして、それぞれのガスバリア袋に、酸素吸収性フィルム(100m×100mm)1枚と空気500ccを入れた。そして、一方のガスバリア袋内の相対湿度を100%に調整し、他方のガスバリア袋内の相対湿度を30%に調整した後、それぞれ密封し、2つの密封体(相対湿度100%、30%)を準備した。この2つの密封体を、それぞれ40℃下で14日間保管して、その間に吸収された酸素の総量をそれぞれ測定した。
相対湿度100%に調整した密封体については、40℃下、相対湿度100%で1ヶ月間保管した後のフィルムの形状も確認した。そして、以下の基準に基づき、フィルム形状が維持されたか、崩壊したのかを判断した。その結果を表1に示した。

維持:保存前のフィルムから、亀裂やひびが発生しなかった。
崩壊:保存前のフィルムから、亀裂やひびが発生した。
(実施例2)
ポリエステル化合物Aをポリエステル化合物Bに替えた以外は、実施例1と同様にしてフィルムを作製し、酸素吸収量の測定と、形状の確認を行った。その結果を表1に示した。
(実施例3)
ポリエステル化合物Aをポリエステル化合物Cに替えた以外は、実施例1と同様にしてフィルムを作製し、酸素吸収量の測定と、形状の確認を行った。その結果を表1に示した。
(実施例4)
ポリエステル化合物Aをポリエステル化合物Dに替えた以外は、実施例1と同様にしてフィルムを作製し、酸素吸収量の測定と、形状の確認を行った。その結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1のポリエステル化合物AをN−MXD6(メタキシレンジアミンとアジピン酸からなるポリアミド樹脂;三菱瓦斯化学株式会社製、商品名「MXナイロン S6011」)に替え、さらに、N−MXD6の100質量部に対して、ステアリン酸コバルト(II)をコバルト量が0.025質量部となるようタンブラーミキサーによってドライブレンドした以外は、実施例1と同様にしてフィルムを作製し、酸素吸収量の測定と、形状の確認を行った。その結果を表1に示した。
(比較例2)
ポリエステル化合物Aをポリエステル化合物Eに替えた以外は、実施例1と同様にしてフィルムを作製し、酸素吸収量の測定と、形状の確認を行った。その結果を表1に示した。

1)試験開始から14日間に吸収した酸素の総量
2)40℃下、湿度100%で1ヶ月間保管後に評価
表から明らかなように、各実施例の酸素吸収性樹脂組成物は、高湿度下、低湿度下いずれにおいても良好な酸素吸収性能を示し、かつ酸素吸収後もフィルムの形状が維持されていることが確認された。
本出願は、2012年10月10日に日本国特許庁へ出願された日本特許出願(特願2012−224915)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明の酸素吸収性樹脂組成物は、少なくとも低湿度から高湿度までの広範な湿度条件下で優れた酸素吸収性能を発揮できるので、酸素の吸収が要求される技術分野一般において、広くかつ有効に利用可能であり、例えば、食品、調理食品、飲料、健康食品、医薬品等を被保存物する包装や容器等の原料として、利用することができる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)〜(4)からなる群より選ばれる少なくとも1種のテトラリン環を有する構成単位(a)と、下記一般式(5)及び/又は一般式(6)で表される構成単位(b)と、を有するポリエステル化合物を含有する、酸素吸収性樹脂組成物。
    (式中、Rは、それぞれ独立して、1価の置換基を表し、前記1価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、及び複素環チオ基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記1価の置換基は、さらに置換基を有していてもよい。テトラリン環のベンジル位に少なくとも1つ以上の水素原子が結合している。Xは、芳香族炭化水素基、飽和又は不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基、及び複素環基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を含有する2価の基を表し、mは、それぞれ独立して、0〜3の整数を表し、nは、それぞれ独立して、0〜6の整数を表す。)
    (式中、Rは、それぞれ独立して、1価の置換基を表し、前記1価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、及びイミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記1価の置換基は、さらに置換基を有していてもよい。pは、それぞれ独立して、1〜5の整数を表す。)
  2. 前記ポリエステル化合物が、前記一般式(1)で表される前記構成単位(a)と、前記構成単位(b)とを、99:1〜50:50のモル比で含有する、請求項1に記載の酸素吸収性樹脂組成物。
  3. 前記構成単位(a)が、下記式(7)、式(8)、及び式(9)からなる群より選ばれる少なくとも1つである、請求項1又は2に記載の酸素吸収性樹脂組成物。
  4. 前記構成単位(b)が、少なくとも下記式(10)及び/又は下記式(11)を含み
    前記構成単位(b)中における前記式(10)と下記式(11)の総量が、50mol%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の酸素吸収性樹脂組成物。
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