JP2010236182A - 梁用配筋工法及びこの工法に用いる架台 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】架台10の上端開放箇所10aを介して上方から投入した長尺の左右の上主筋25a,25aを、各架台10の左右の支柱11の対応する上主筋用引掛け具17に掛け渡し、下主筋配筋工程において、各架台10及び各スターラップ26の上端開放箇所10a,26aを介して上方から投入した長尺の下主筋27をスターラップ26上に直接配置し、中間の上主筋配筋工程において、各架台10及び各スターラップ26の上端開放箇所10a,26aを介して上方から投入した長尺の中間の上主筋25bをかんざし筋32上に直接配置する。スターラップ配筋工程において、必要本数のスターラップ26を一度に配置する。
【選択図】図8
Description
(1)架台2に載置した上主筋3aにスターラップ4を巻き掛けた後に、スターラップ4の内側に位置するカンザシ6の部分に下主筋3bを載置するためには、下主筋3bを隣接するスターラップ4,4の間を介して梁長手方向に向かって移動させつつスターラップ4の内側に差し込む必要がある。しかし、下主筋3bを梁長手方向に向かって移動させつつ差し込めるように下主筋3bを短尺にする必要があり、下主筋3bの差込み本数が増大すると共に梁長手方向に隣接する下主筋3bどうしの接合箇所が増加することになり、作業工数の増大を招くことになる。
図1乃至図9は、本発明の第1の実施の形態を示すものである。本発明架台10は、図1に示す如く、左右の支柱11,11と、左右の支柱11,11の下端寄りどうしを溶接等で連結するアングル材等からなる連結部材12と、各支柱11の連結部材12より上方箇所に下方から上方へ向かって順に設けられた幅止め筋用引掛け具14、下段のかんざし筋用引掛け具15、上段のかんざし筋用引掛け具16及び上主筋用引掛け具17と、各支柱11の下端に設けた脚部19とを備え、上端を開放10aしたものである。本発明架台10は、左右の脚部19,19を前後方向に長く形成することで、自立できるようにしてある。
本工程では、図2に示す如く、予め設けられている下側枠板22上に、上端を開放した複数個の架台10を、配筋設計に従う前後間隔L(例えば、L=1,000〜1,500mm)を開けて起立状態で配置する。各架台10は、図1の図(A)及び(B)に示す如く、連結部材12より上方箇所に下方から上方へ向かって順に、幅止め筋用引掛け具14、下段のかんざし筋用引掛け具15、並びに、一体化された上段のかんざし筋用引掛け具16及び上主筋用引掛け具17を一体化したものを、配筋設計に従って所定高さ位置に備えると共に、各支柱11の下端に脚部19を介して高さ調整具20を備えるようにする。各架台10は、配筋設計に従った左右幅寸法W(例えば、W=350〜1,800mm)と高さ寸法H(例えば、H=1,000〜3,000mm)に形成される。各架台10については、必要に応じて、各高さ調節具20を調整して、高さ位置と鉛直度の調整を行なう。
本工程では、図2及び図8に示す如く、各架台10の上端開放箇所10aを介して上方から投入した左右の上主筋25a,25aを、各架台10の対応する支柱11の上主筋用引掛け具17の引掛け部17bに掛け渡し(すなわち、左の上主筋25aは、左の上主筋用引掛け具17,17…に前後方向へ延びるように掛け渡し、右の上主筋25aは、右の上主筋用引掛け具17,17…に前後方向へ延びるように掛け渡しする)、各架台10と各上主筋25aを番線で結束(図示略)する。各架台10は、各上主筋25aと結束することで左右の上主筋25aと一体化し、後工程での位置ズレや転倒の防止を図ることができる。
本工程では、図2及び図8に示す如く、左右の上主筋25a,25aに、上端開放三辺型スターラップ26(肋筋)の複数本を吊り下げ、配筋設計に従う前後間隔N(例えば、N=100〜200mm)を開けて配置する。スターラップ26は、配筋設計に従う大きさに鉄筋で形成され、下辺部26bの左右両端から側辺部26cを起立させると共に側辺部26cの上端側に係止部26dを曲成し、各係止部26dを対応する上主筋25aに係止して上端開放箇所26aを形成してある。
本工程では、図2及び図8に示す如く、各スターラップ26の下辺部26a上に、各架台10及び各スターラップ26の上端開放箇所10a,26aを介して上方から投入した複数本の下主筋27を、左右間隔を開けて配置すると共に、各スターラップ26の係止部26dと下主筋27を番線で結束(図示略)する。
本工程では、図3及び図8に示す如く、各架台10の左右の幅止め筋用引掛け具14,14の引掛け部14b,14bに幅止め筋28を掛け渡す。幅止め筋28は、鉄筋から形成され、水平部28aの左右両端側に係止部28bを曲成し、各係止部28bを対応する幅止め筋用引掛け具14の筒状の引掛け部14bに上方から挿着して係止状態となる。
本工程では、図3及び図8に示す如く、複数本の幅止め筋28上の左右各々に、各架台10及び各スターラップ26の上端開放箇所10a,26aを介して上方から投入した左右の腹筋29,29を配置する。各腹筋29とスターラップ26の番線による結束は、本工程で行なうか、後述する第1の被せ筋配筋工程における各被せ筋34と対応する上主筋25a,25bを番線で結束(図示略)した後で行なう。
本工程では、図4及び図8に示す如く、各架台10の左右の下段のかんざし筋用引掛け具15,15に下段のかんざし筋30を掛け渡すと共に、下段のかんざし筋30上に、各架台10及び各スターラップ26の上端開放箇所10a,26aを介して上方から投入した複数本の下段の上主筋31を左右間隔を開けて配置すると共に、必要に応じて下段の上主筋31と下段のかんざし筋30を番線で結束(図示略)する。下段のかんざし筋30は、鉄筋からなり、両端寄りを対応する下段のかんざし筋用引掛け具15の引掛け部15bに引っ掛けられるようにして配置される。
本工程では、図5及び図8に示す如く、各架台10の左右の上段のかんざし筋用引掛け具161,6に上段のかんざし筋32を掛け渡すと共に、かんざし筋32上に、各架台10及び各スターラップ26の上端開放箇所10a,26aを介して上方から投入した複数本の中間の上主筋25bを左右間隔を開けて配置する。複数本の中間の上主筋25bは、前記左右の上主筋配筋工程で配置した左右の上主筋25a,25aと共に、上段の上配筋25を形成することになる。
本工程では、図5及び図8に示す如く、左右の上主筋25a,25a及び複数本の中間の上主筋25bからなる上段の上配筋25上に、各スターラップ26に接近させて各スターラップ26毎に第1の被せ筋34を配置すると共に、各被せ筋34と対応する上主筋25a,25bを番線で結束(図示略)する。各被せ筋34は、配筋設計に従う大きさに鉄筋で形成され、上辺部34aの左右両端から側辺部34bを垂れ下げると共に側辺部34bの下端側に係止部34cを曲成し、各係止部34cを対応する前記腹筋29に係止してある。なお、被せ筋34は、係止部34cを省略することもある。
本工程では、図6、図7及び図8に示す如く、各架台10の左右の支柱11,11に増打用支持具35を掛け渡して、前記第1の被せ筋34より上方に増打用支持具35を配置する。増打用支持具35は、左右の各支柱挿通用筒部35aに支柱11を挿通させ、支柱11に螺着した雌螺子18で所定高さ位置に配置してある。
本工程では、前記増打用支持具35の連結部35a上に、複数本の増打筋36を左右間隔を開けて配置する。
本工程では、複数本の増打筋36上に第2の被せ筋37を配置し、第2の被せ筋37と各増打筋36を番線で結束(図示略)する。第2の被せ筋37は、配筋設計に従う大きさに鉄筋で形成され、上辺部37aの左右両端から側辺部37bを垂れ下げてある。なお、第2の被せ筋37は、図示は省略したが、前記第1の被せ筋34と同様に、側辺部37bの下端側に係止部を曲成し、各係止部を対応する前記腹筋29に係止させることもある。
第1の実施の形態に係る本発明工法は、上述した架台配置工程、上段の左右の上主筋配筋工程、スターラップ配筋工程、下主筋配筋工程、幅止め筋配筋工程、腹筋配筋工程、下段の上主筋配筋工程、上段の中間の上主筋配筋工程、第1の被せ筋配筋工程、増打用支持具配置工程、増打筋配筋工程及び第2の被せ筋配筋工程の各工程をこの順番で行ない、図7に示す梁配筋構造を得る。図7の図(A)に示す如く、左右の枠板23,23の配置は、第2の被せ筋配筋工程の後で行なう場合と、架台配置工程の前(図示略)に行なう場合とがある。
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る梁用配筋工法で得た梁配筋構造を示すものである。本実施の形態に係る梁用配筋工法は、前記第1の実施の形態に係る梁用配筋工法(図2〜図8参照)における増打筋36を省略するものである。本実施の形態に係る梁用配筋工法は、前記第1の実施の形態の増打用支持具配置工程、増打筋配筋工程及び第2の被せ筋配筋工程を省略し、上述した架台配置工程、上段の左右の上主筋配筋工程、スターラップ配筋工程、下主筋配筋工程、幅止め筋配筋工程、腹筋配筋工程、下段の上主筋配筋工程、上段の中間の上主筋配筋工程及び第1の被せ筋配筋工程の各工程をこの順番で行ない、図10に示す梁配筋構造を得るものである。左右の枠板23,23の配置は、第1の被せ筋配筋工程の後で行なう場合と、架台配置工程の前(図示略)に行なう場合とがある。
図11は、本発明の第3の実施の形態に係る梁用配筋工法で得た梁配筋構造を示すものである。本実施の形態に係る梁用配筋工法は、前記第1の実施の形態に係る梁用配筋工法(図2〜図8参照)における下段の上主筋31を省略するものである。本実施の形態に係る梁用配筋工法は、前記第1の実施の形態の下段の上主筋配筋工程を省略し、上述した架台配置工程、上段の左右の上主筋配筋工程、スターラップ配筋工程、下主筋配筋工程、幅止め筋配筋工程、腹筋配筋工程、上段の中間の上主筋配筋工程、第1の被せ筋配筋工程、増打用支持具配置工程、増打筋配筋工程及び第2の被せ筋配筋工程の各工程をこの順番で行ない、図11に示す梁配筋構造を得ものである。左右の枠板23,23の配置は、第2の被せ筋配筋工程の後で行なう場合と、架台配置工程の前(図示略)に行なう場合とがある。
図12は、本発明の第4の実施の形態に係る梁用配筋工法で得た梁配筋構造を示すものである。本実施の形態に係る梁用配筋工法は、前記第1の実施の形態に係る梁用配筋工法(図2〜図8参照)における下段の上主筋31及び増打筋36を省略するものである。本実施の形態に係る梁用配筋工法は、前記第1の実施の形態の下段の上主筋配筋工程、増打用支持具配置工程、増打筋配筋工程及び第2の被せ筋配筋工程を省略し、上述した架台配置工程、上段の左右の上主筋配筋工程、スターラップ配筋工程、下主筋配筋工程、幅止め筋配筋工程、腹筋配筋工程、上段の中間の上主筋配筋工程及び第1の被せ筋配筋工程の各工程をこの順番で行ない、図12に示す梁配筋構造を得るものである。左右の枠板23,23の配置は、第1の被せ筋配筋工程の後で行なう場合と、架台配置工程の前(図示略)に行なう場合とがある。
前記第2乃至4の実施の形態に係る梁用配筋工法は、架台として図1に示す架台10を用いているが、図9に示す架台40を用いて作業することも可能である。更に、架台10,40としては、現場の状況に応じて、高さ調整具20を省略したものを用いることもある。
Claims (5)
- 主筋とスターラップを用いて梁用配筋を行なう工法において、
下側枠板上に、下端寄りどうしを連結部材で連結した左右の支柱における連結部材より上方箇所に下方から上方へ向かって順に幅止め筋用引掛け具、かんざし筋用引掛け具及び上主筋用引掛け具を備えてなる上端を開放した複数個の架台を、前後間隔を開けて起立状態で配置する架台配置工程と、
各架台の上端開放箇所を介して上方から投入した左右の上主筋を、各架台の対応する支柱の上主筋用引掛け具に掛け渡し、各架台と各上主筋を結束する左右の上主筋配筋工程と、
左右の上主筋に、上端開放三辺型スターラップの複数本を、吊り下げた状態で前後間隔を開けて配置するスターラップ配筋工程と、
スターラップ上に、各架台及び各スターラップの上端開放箇所を介して上方から投入した複数本の下主筋を、左右間隔を開けて配置すると共に、スターラップと下主筋を結束する下主筋配筋工程と、
各架台の左右の幅止め筋用引掛け具に幅止め筋を掛け渡す幅止め筋配筋工程と、
複数本の幅止め筋上に、各架台及び各スターラップの上端開放箇所を介して上方から投入した左右の腹筋を配置する腹筋配筋工程と、
各架台の左右のかんざし筋用引掛け具にかんざし筋を掛け渡すと共に、かんざし筋上に、各架台及び各スターラップの上端開放箇所を介して上方から投入した複数本の中間の上主筋を左右間隔を開けて配置する中間の上主筋配筋工程と、
左右及び中間の上主筋上に、各スターラップに接近させて被せ筋を配置すると共に、各被せ筋と対応する上主筋を結束する被せ筋配筋工程とをこの順番で行うことを特徴とする梁用配筋工法。 - 前記被せ筋配筋工程の後に、
架台の左右の支柱に掛け渡して被せ筋より上方に増打用支持具を配置する増打用支持具配置工程と、
増打用支持具上に、複数本の増打筋を左右間隔を開けて配置する増打筋配筋工程と、
増打筋上に第2の被せ筋を配置し、第2の被せ筋と各増打筋を結束する第2の被せ筋配筋工程とをこの順番で行う請求項1記載の梁用配筋工法。 - 前記架台配置工程において、前記複数個の架台の各々ついて、左右の支柱に上下二段のかんざし筋用引掛け具を備えたものを用い、
前記腹筋配筋工程と前記中間の上主筋配筋工程の中間で、各架台の左右の下段のかんざし筋用引掛け具に下段のかんざし筋を掛け渡すと共に、下段のかんざし筋上に、各架台及び各スターラップの上端開放箇所を介して上方から投入した複数本の下段の上主筋を左右間隔を開けて配置する下段の上主筋配筋工程を行ない、
前記中間の上主筋配筋工程において、前記かんざし筋用引掛け具として上段のかんざし筋用引掛け具を用いて前記中間の上主筋を上段の上主筋とした
請求項1又は2記載の梁用配筋工法。 - 梁用配筋工法に用いる架台において、
下端寄りどうしを連結部材で連結した左右の支柱と、左右の各支柱の連結部材より上方箇所に下方から上方へ向かって順に設けられた幅止め筋用引掛け具、かんざし筋用引掛け具及び上主筋用引掛け具とを備え、上端を開放したことを特徴とする梁用配筋工法に用いる架台。 - 前記左右の支柱は、表面を雄螺子とした鉄筋で形成され、
前記筋用引掛け具、前記かんざし筋用引掛け具及び前記上主筋用引掛け具の各々は、前記支柱を挿通させた筒部を備え、支柱の雄螺子に螺合した雌螺子で筒部を支持する請求項4記載の梁用配筋工法に用いる架台。
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