JP2010235579A - 芳香族スルホニウム塩化合物 - Google Patents

芳香族スルホニウム塩化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】吸収したエネルギーに対して効率的に酸を発生することができ、現像性に優れ、微細なパターンを形成できる光酸発生剤、および、硬化性に優れたカチオン重合開始剤として用いることができる芳香族スルホニウム塩化合物を提供する。
【解決手段】具体例をあげる。
Figure 2010235579

で表されることを特徴とする芳香族スルホニウム塩化合物。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な芳香族スルホニウム塩化合物(以下、単に「スルホニウム塩化合物」とも称する)に関し、詳しくは、芳香族スルホニウム塩化合物、これを用いた光酸発生剤およびカチオン重合開始剤、並びに、これらを含有するレジスト組成物およびカチオン重合性組成物に関する。
スルホニウム塩化合物は、光等のエネルギー線照射を受けることで酸を発生する物質であり、半導体などの電子回路形成に用いるフォトリソグラフィー用レジスト組成物における光酸発生剤や、光造形用樹脂組成物、塗料、コーティング、接着剤等の光重合性組成物におけるカチオン重合開始剤などに使用されている。
例えば、特許文献1〜4には、光酸発生剤として有用なスルホニウム塩化合物が記載されており、この光酸発生剤を使用したエポキシ樹脂のカチオン重合用光開始剤、および、これを使用した光重合性組成物についても開示されている。
特開平7−126313号公報 特開2004−217551号公報 特開2007−91628号公報 国際公開WO2009/020089号パンフレット
しかしながら、上記特許文献に記載されている芳香族スルホニウム塩化合物では、用途によっては求められる性能を必ずしも十分に満足できない場合もあった。特に、エネルギー源の短波長化が進み、微細なパターニングを要求される昨今においては、酸発生効率が良好で、現像性に優れる光酸発生剤、および、硬化性に優れたカチオン重合開始剤が望まれており、これら用途に有効な化合物が求められていた。
そこで本発明の目的は、吸収したエネルギーに対して効率的に酸を発生することができ、現像性に優れ、微細なパターンを形成できる光酸発生剤、および、硬化性に優れたカチオン重合開始剤として用いることができる芳香族スルホニウム塩化合物を提供することにあり、また、これらを用いたレジスト組成物およびカチオン重合組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、所定の構造を有する新規な芳香族スルホニウム塩化合物を見出し、これを光酸発生剤およびカチオン重合開始剤として用いた場合に優れた性能が得られることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の芳香族スルホニウム塩化合物は、下記一般式(I)、
Figure 2010235579
(式中、R及びRは、それぞれ独立に、水酸基、メルカプト基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は−OSiR212223であり、R21、R22及びR23は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、または炭素原子数7〜20のアリールアルキル基であり、eは、0〜3の整数であり、fは、0〜4の整数であり、e、fがそれぞれ2以上の数であるとき、R、Rで表されるそれぞれの複数の置換基は同一であっても異なっていてもよく、Rは、水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基または炭素原子数7〜20のアリールアルキル基を表し、Rは、隣接するどちらかのベンゼン環と一緒になって環を形成していてもよく、R、R、R、R21、R22およびR23がとりうるアルキル基およびアリールアルキル基の炭素―炭素結合は−O−、−C(=O)−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−S−、−SO−、−SO−および−SO−からなる群から選ばれる1つ以上の基で中断されていてもよく、R、R、R、R21、R22およびR23がとりうるアルキル基、アリール基およびアリールアルキル基の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、Anq−はq価(qは1または2である)のアニオンを表し、pは1または2の電荷を中性に保つ係数を表し、E及びEは、それぞれ独立に、下記一般式(II)又は下記一般式(III)、
Figure 2010235579
(式中、a及びbは0〜5の整数であり、c及びdは0〜4の整数であり、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、R及びRと同様の基であり、Xは、直接結合、酸素原子、硫黄原子、−CR10−、−NR11−またはカルボニル基を表し、R、R10及びR11は、水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基または炭素原子数7〜20のアリールアルキル基であり、a〜dがそれぞれ2以上の数であるとき、R〜Rで表されるそれぞれの複数の置換基は同一であっても異なっていてもよい。)で表される置換基であり、nは、0または1である。)で表されることを特徴とするものである。
また、本発明の芳香族スルホニウム塩化合物は、前記一般式(I)中、nが0であることが好ましく、Anで表される1価のアニオンが、ハロゲン化物イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロヒ酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサクロロアンチモン酸イオン、過塩素酸イオン、ジフルオロリン酸イオン、テトラアリールホウ酸イオン、アルキルスルホン酸イオン、有機スルホニルメチドイオンおよび有機フルオロスルホンイミドイオンからなる群から選ばれるいずれかの基であることが好ましい。
また、本発明の芳香族スルホニウム塩化合物は、Anで表される1価のアニオンが、アルキルスルホン酸イオンであることが好ましい。
また、本発明の芳香族スルホニウム塩化合物は、上記一般式(I)中、Eで表される置換基が上記一般式(II)で表される基であることが好ましい。
本発明の光酸発生剤は、前記芳香族スルホニウム塩化合物からなることを特徴とするものであり、本発明のレジスト組成物は、前記光酸発生剤を含有してなることを特徴とするものである。
さらにまた、本発明のカチオン重合開始剤は、前記芳香族スルホニウム塩化合物からなることを特徴とするものであり、本発明のカチオン重合性組成物は、前記カチオン重合開始剤を含有してなることを特徴とするものである。
本発明の芳香族スルホニウム塩化合物は、効率よくエネルギー線を吸収して活性化され、優れた光酸発生剤として作用する。よって、これを含有する光重合性組成物のフォトレジストは、高感度、高解像度を有する。また、本発明の芳香族スルホニウム化合物は、結晶体として取り出せるため、使用する際にハンドリングが容易で、かつ、再結晶精製による高純度化が可能であるため、フォトリソグラフィーなどの微細加工や電子部品の製造など、不純物の混在により性能を著しく低下させる用途に対し、不純物を含まない高純度で高感度な光酸発生剤を提供することができる。
さらに、本発明のスルホニウム塩化合物は、カチオン重合開始剤としても有用であり、これを用いることで、硬化性に優れたカチオン重合性組成物が得られるものである。
以下、本発明の好適実施形態について、詳細に説明する。
上記一般式中、R〜Rがとりうるハロゲン原子、並びに、R〜Rがとりうるアルキル基、アリール基およびアリールアルキル基の水素原子を置換してもよいハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
また、R〜Rがとりうるアルキル基およびアリールアルキル基の炭素−炭素結合は−O−、−C(=O)−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−S−、−SO−、−SO−および−SO−からなる群から選ばれる1つ以上の基で中断されていてもよく、この中断は2カ所以上であってもよい。また、これらアルキル基およびアリールアルキル基の炭素−炭素結合は二重結合や三重結合で中断していてもよい。
上記のR〜Rがとりうるアルキル基は、直鎖状でも、分岐または置換基を有するアルキル基でもよく、また、環状アルキル基であってもよい。具体的な例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、t−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、シクロプロピル、シクロヘキシル、1−アダマンチル、2−アダマンチル、2−メチル−1−アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル、2−エチル−1−アダマンチル、2−エチル−2−アダマンチル、2−ノルボルニル、2−ノルボルニルメチル、カンファー−10−イル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、ジフルオロエチル、トリクロロエチル、ジクロロジフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ノナフルオロブチル、デカフルオロペンチル、トリデカフルオロヘキシル、ペンタデカフルオロヘプチル、ヘプタデカフルオロオクチル、メトキシメチル、メトキシエトキシメチル、メチルチオメチル、エトキシエチル、ブトキシメチル、t−ブチルチオメチル、4−ペンテニルオキシメチル、トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、メトキシシクロヘキシル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、メトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル、エチルジチオエチル、トリメチルシリルエチル、t−ブチルジメチルシリルオキシメチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、t−ブトキシカルボニルメチル、エチルオキシカルボニルメチル、エチルカルボニルメチル、t−ブトキシカルボニルメチル、アクリロイルオキシエチル、メタクリロイルオキシエチル、2−メチル−2−アダマンチルオキシカルボニルメチル、アセチルエチル等が挙げられる。
上記のR〜Rがとりうるアリール基は、置換基を有してもよく、具体的な例としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アントラセン−1−イル、フェナントレン−1−イル、o−トリル、m−トリル、p−トリル、4−ビニルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、3−イソプロピルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−イソブチルフェニル、4−t−ブチルフェニル、4−ヘキシルフェニル、4−シクロヘキシルフェニル、4−オクチルフェニル、4−(2−エチルヘキシル)フェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,4−ジ−t−ブチルフェニル、2,5−ジ−t−ブチルフェニル、2,6−ジ−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−ペンチルフェニル、2,5−ジ−t−アミルフェニル、シクロヘキシルフェニル、ビフェニリル、2,4,5−トリメチルフェニル、9−フルオレニル、4−クロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、4−トリクロロフェニル、4−トリフルオロフェニル、4−トリクロロメチルフェニル、4−フルオロフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、ペンタフルオロフェニル、ヘプタフルオロ−p−トリル、4−ホルミルフェニル、4−ニトロフェニル、エトキシナフチル、4−フルオロメチルフェニル、4−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、2−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ヒドロキシフェニル等が挙げられる。
上記のR〜Rがとりうるアリールアルキル基の具体的な例としては、ベンジル、メチルベンジル、ジメチルベンジル、トリメチルベンジル、フェニルベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、2−フェニルエチル、2−フェニルプロピル、スチリル、シンナミル、フルオロベンジル、クロロベンジル、ブロモベンジル、シアノベンジル、ジクロロベンジル、メトキシベンジル、ジメトキシベンジル、ベンジルオキシメチル、メトキシベンジルオキシメチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル、グアイアコールメチル、フェノキシメチル、フェニルチオメチル、ニトロベンジル、ジニトロベンズヒドリル、ジベンゾスベリル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル、フェニルスルホニルエチル、トリフェニルホスホニオエチル、トリフェニルメトキシメチル、フェナシル、ブロモフェナシル等が挙げられる。
上記のR〜Rがとりうるその他の基としては、Rとして上記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基や、テトラヒドロピラニル、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、メトキシテトラヒドロピラニル、メトキシテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラン−S,S−ジオキシド−4−イル、1−〔(2−クロロ−4−メチル)フェニル〕−4−メトキシピペリジン−4−イル、1,4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル、2−ピリジルメチル、4−ピリジルメチル、3−ピコリン−N−オキシド−2−イルメチル、1,3−ベンゾジチオラニル、ベンズイソチアゾリン−S,S−ジオキシド−3−イル、テトラフルオロ−4−ピリジル等の複素環基が含まれる、RO−で表されるアルコキシ基;RCO−で表されるアシル基;RCOO−やROCO−で表されるエステル基;ROCOO−で表されるカーボネート基;RS−で表されるスルファニル基;RSO−で表されるスルフィニル基;RSO−で表されるスルホニル基;RSO−で表されるスルホン酸エステル基;ホルミル基;カルボキシル基;ホルミルオキシ基;スルホ基;トリメチルシリルオキシ、トリエチルシリルオキシ、トリプロピルシリルオキシ、ジメチルプロピルシリルオキシ、ジエチルプロピルシリルオキシ、ジメチル(1,1,2,2−テトラメチル)エチルシリルオキシ、ブチルジメチルシリルオキシ、ブチルジフェニルシリルオキシ、トリベンジルシリルオキシ、トリキシリルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシ、ジフェニルメチルシリルオキシ、ブチルメトキシフェニルシリルオキシ等のシリルオキシ基;リン酸エステル基;ベンジルチオカーボネート;メチルジチオカーボネート;水酸基、ビニル、アリル、イソプロペニル、1−プロペニル、2−メトキシ−1−プロペニル等が挙げられる。
本発明の芳香族スルホニウム塩化合物は、上記一般式(I)中、nが0であるものが、製造が容易であるので好ましく、また、上記一般式(I)中、Eで表される基が上記一般式(II)で表される基であるものが溶解性の面や構造を容易に変化させられるという点で好ましい。
また、上記一般式(I)中、Anq−はq価(qは1または2である)のアニオンであり、その具体的な例としては、1価のものとして、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、フッ化物イオン等のハロゲン化物イオン;過塩素酸イオン、塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン等の無機系アニオン;アルキルスルホン酸イオン;フルオロスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、ジフェニルアミン−4−スルホン酸イオンなどのスルホン酸イオン;オクチルリン酸イオン、ドデシルリン酸イオン、オクタデシルリン酸イオン、フェニルリン酸イオン、ノニルフェニルリン酸イオン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスホン酸イオン等の有機リン酸イオン;テトラアリールホウ酸イオン;トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、トリス(メタンスルホニル)メチド等の有機スルホニルメチドイオン;ビス(トリフルオロメタンスルホン)イミドイオン、ビス(ペンタフルオロエタンスルホン)イミドイオン、ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホン)イミドイオン、ビス(ノナフルオロブタンスルホン)イミドイオン、ビス(ウンデカフルオロペンタンスルホン)イミドイオン、ビス(ペンタデカフルオロヘプタンスルホン)イミドイオン、ビス(トリデカフルオロヘキサンスルホン)イミドイオン、ビス(ヘプタデカフルオロオクタンスルホンイミド)イオン、(トリフルオロメタンスルホン)(ノナフルオロブタンスルホン)イミドイオン、(メタンスルホン)(トリフルオロメタンスルホン)イミドイオン等の有機フルオロスルホンイミドイオン等が挙げられ、二価のものとしては、例えば、ベンゼンジスルホン酸イオン、ナフタレンジスルホン酸イオン等が挙げられる。
上記アルキルスルホン酸イオンの具体例としては、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、カンファースルホン酸イオン、ノナフルオロブタンスルホン酸イオン、ヘキサデカフルオロオクタンスルホン酸イオン、2−アミノ−4−メチル−5−クロロベンゼンスルホン酸イオン、2−アミノ−5−ニトロベンゼンスルホン酸イオン、パーフルオロ−4−エチルシクロヘキサンスルホン酸イオン、N−アルキル(またはアリール)ジフェニルアミン−4−スルホン酸イオン等が挙げられ、さらに、アルキルスルホン酸イオンやフルオロ置換アルキルスルホン酸イオンが、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基で置換されたものや、ノルボルニル基、アダマンチル基等の脂肪族環状アルキル基で置換されたものが挙げられる。
テトラアリールホウ酸イオンの具体例としては、例えば、テトラフェニルホウ酸イオン、およびこれのフェニル基上の少なくとも1つの水素原子がアルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシル基、フェニル基、アルコキシカルボニル基で置換された化合物等を挙げることができ、好ましいものとしてはテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸イオン、テトラキス(4−フルオロフェニル)ホウ酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオン等が挙げられる。
これらの中でもハロゲン化物イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロヒ酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサクロロアンチモン酸イオン、過塩素酸イオン、ジフルオロリン酸イオン、テトラアリールホウ酸イオン、アルキルスルホン酸イオン、フルオロスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、ジフェニルアミン−4−スルホン酸イオンなどのスルホン酸イオン、有機スルホンメチドイオンおよび有機フルオロスルホンイミドイオン等が、製造面で好ましく、さらに、アルキルスルホン酸イオンであるものが、コストおよび安全衛生性の面でより好ましい。
本発明の芳香族スルホニウム塩化合物のカチオンの具体的な例としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2010235579
Figure 2010235579
Figure 2010235579
Figure 2010235579
Figure 2010235579
Figure 2010235579
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本発明の芳香族スルホニウム塩化合物の製造方法としては、特に制限されることなく、周知の有機合成反応を応用した方法を用いることができる。例えば、ジアリールスルホキシド化合物と、N−アルキルカルバゾール化合物とのスルホニオ化反応によりスルホニウム塩化合物を得て、必要に応じてアニオン成分pAnq−を導入するための塩化合物を用いて塩交換反応を行うことにより得ることができる。
本発明の芳香族スルホニウム塩化合物は、EUV(Extreme Ultra−Violet)、X線、F、ArF、KrF、I線、H線、G線等の遠紫外線、電子線、放射線、高周波などの活性エネルギー線の照射によりルイス酸を放出する特性を有し、酸反応性有機物質に作用して分解や重合をすることが可能である。従って、本発明のスルホニウム塩化合物は、ポジ型、およびネガ型フォトレジストの光酸発生剤としてや、カチオン重合開始剤として有用である。
上記スルホニウム塩化合物からなる本発明の光酸発生剤を使用する場合の使用量は、特に制限されるものではないが、好ましくは酸反応性有機物質100質量部に対して0.05〜100質量部、更に好ましくは0.05〜20質量部の割合で用いることが好ましい。但し、酸反応性有機物質の性質、光の照射強度、反応に要する時間、物性、コストなどの要因により、配合量を上述の範囲より増減させて用いることも可能である。
本発明の光酸発生剤は、これを構成する成分以外の不純物金属元素分、不純物塩素等の不純物ハロゲン、不純物有機分を極力含まないようにする。不純物金属元素分は元素毎では、好適には100ppb以下、より好適には10ppb以下であって、総量では、好適には1ppm以下、より好適には100ppb以下である。また、不純物ハロゲン分は、100ppm以下が好ましく、10ppm以下がより好ましく、1ppm以下が更に好ましい。さらに、不純物有機分は、総量で500ppm以下が好ましく、50ppm以下が好ましく、10ppm以下がより好ましい。
なお、本発明のスルホニウム塩化合物が固体であって、再結晶により、求められる純度にまで精製が可能であることも、本発明の化合物が上記のフォトレジスト用光酸発生剤として好ましい理由の1つとして挙げられる。
次に、本発明のレジスト組成物は、酸の作用で現像液に対する溶解性が変化する樹脂(以下、「レジストベース樹脂」とも称する)とともに、本発明の芳香族スルホニウム塩化合物を必須の光酸発生剤として含有するレジスト組成物である。
本発明のレジスト組成物に用いるレジストベース樹脂は、特に制限されるものではないが、活性エネルギー線の波長の吸光係数が小さく、かつ、高いエッチング耐性を有する構造のものが好ましい。
かかるレジストベース樹脂としては、ポリヒドロキシスチレンおよびその誘導体、ポリアクリル酸およびその誘導体、ポリメタクリル酸およびその誘導体、ヒドロキシスチレンとアクリル酸とメタクリル酸とそれらの誘導体から選ばれ形成される共重合体、シクロオレフィンおよびその誘導体と無水マレイン酸とアクリル酸およびその誘導体から選ばれる3以上の共重合体、シクロオレフィンおよびその誘導体とマレイミドとアクリル酸およびその誘導体から選ばれる3以上の共重合体、ポリノルボルネン、およびメタセシス開環重合体からなる一群から選択される1種以上の高分子重合体に、アルカリ溶解制御能を有する酸不安定基を部分的に置換した高分子重合体等が挙げられる。
レジストベース樹脂の詳細な具体例は、例えば、特開2003−192665号公報の請求項8〜11、特開2004−323704の請求項3等に開示されている。
かかるレジストベース樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、通常3,000〜300,000、好ましくは4,000〜200,000、さらに好ましくは5,000〜100,000である。この場合、ベース樹脂のMwが3,000未満では、レジストとしての耐熱性が低下する傾向があり、一方300,000を越えると、レジストとしての現像性が低下する傾向がある。
本発明のレジスト組成物中の光酸発生剤は、本発明の芳香族スルホニウム塩化合物を必須成分として含有するものであれば、これ以外の光酸発生剤を任意成分として使用してもよい。光酸発生剤の使用量は、レジストとしての感度および現像性を確保する観点から、レジストベース樹脂100質量部に対して、通常、0.05〜10質量部、好ましくは0.5〜7質量部である。この場合、光酸発生剤の使用量が0.05質量部未満では、感度および現像性が低下する場合があり、一方、10質量部を越えると、放射線に対する透明性が低下して、矩形のレジストパターンが得られにくくなる場合がある。
レジスト組成物は、通常、その使用に際して、全固形分濃度が、通常5〜50重量%、好ましくは10〜25重量%となるように溶剤に溶解した後、例えば、孔径0.2μm程度のフィルターで濾過することによって調製される。
本発明のレジスト組成物は、特に、化学増幅型レジストとして有用である。化学増幅型レジストとは、露光により光酸発生剤から発生した酸の作用によって、ベース樹脂中の酸解離性基が解離して、酸性官能基、好ましくはカルボキシル基を生じ、その結果、レジストの露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が高くなり、この露光部がアルカリ現像液によって溶解、除去されて、ポジ型のレジストパターンが得られるものを指す。
レジスト組成物の露光で使用される光源としては、使用する光酸発生剤の種類に応じて、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等から適宜選定して使用されるが、本発明のレジスト組成物に対しては、KrFエキシマーレーザー(波長248nm)またはArFエキシマーレーザー(波長193nm)等の遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線、電子線、EUV等の荷電粒子線など、各種の放射線を好適に使用することが可能である。
次に、本発明のカチオン重合性組成物は、上記芳香族スルホニウム塩化合物からなる本発明のカチオン重合開始剤と、カチオン重合性化合物とを含有する組成物であり、平板、凸版用印刷板の作成、プリント基板やIC、LSI作製のためのフォトレジスト、レリーフ像や画像複製等の画像形成、光硬化性のインキ、塗料、接着剤等、広範囲の応用分野において有用である。
本発明のカチオン重合性組成物に用いるカチオン重合性化合物は、カチオン重合による重合物を得られるように、1種類にて、または2種類以上混合して使用される。
カチオン重合性化合物として代表的なものは、エポキシ化合物およびオキセタン化合物である。これらは入手が容易であり、取り扱いが便利である点で好ましい化合物である
このうちエポキシ化合物としては、脂環族エポキシ化合物、芳香族エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物などが適している。
脂環族エポキシ化合物の具体例としては、少なくとも1個の脂環族環を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテルまたはシクロヘキセンやシクロペンテン環含有化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキセンオキサイドやシクロペンテンオキサイド含有化合物が挙げられる。例えば、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等が挙げられる。
上記脂環族エポキシ樹脂として好適に使用できる市販品としては、UVR−6100、UVR−6105、UVR−6110、UVR−6128、UVR−6200(以上、ユニオンカーバイド社製)、セロキサイド2021、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、セロキサイド2000、セロキサイド3000、サイクロマーA200、サイクロマーM100、サイクロマーM101、エポリードGT−301、エポリードGT−302、エポリード401、エポリード403、ETHB、エポリードHD300(以上、ダイセル化学工業(株)製)、KRM−2110、KRM−2199(以上、ADEKA(株)製)などを挙げることができる。
上記脂環族エポキシ樹脂の中でも、シクロヘキセンオキシド構造を有するエポキシ樹脂が、硬化性(硬化速度)の点で好ましい。
また、芳香族エポキシ樹脂の具体例としては、少なくとも1個の芳香族環を有する多価フェノールまたは、そのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、またはこれらに更にアルキレンオキサイドを付加した化合物のグリシジルエーテルやエポキシノボラック樹脂などが挙げられる。
さらに、脂肪族エポキシ樹脂の具体例としては、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステル、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートのビニル重合により合成したホモポリマー、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートとその他のビニルモノマーとのビニル重合により合成したコポリマー等が挙げられる。代表的な化合物として、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ソルビトールのテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールのヘキサグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテルなどの多価アルコールのグリシジルエーテル、またプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステルが挙げられる。さらに、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルやフェノール、クレゾール、ブチルフェノール、また、これらにアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル、高級脂肪酸のグリシジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられる。
上記芳香族および脂肪族エポキシ樹脂として好適に使用できる市販品としては、エピコート801、エピコート828(以上、油化シェルエポキシ社製)、PY−306、0163、DY−022(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、KRM−2720、EP−4100、EP−4000、EP−4080、EP−4900、ED−505、ED−506(以上、ADEKA(株)製)、エポライトM−1230、エポライトEHDG−L、エポライト40E、エポライト100E、エポライト200E、エポライト400E、エポライト70P、エポライト200P、エポライト400P、エポライト1500NP、エポライト1600、エポライト80MF、エポライト100MF、エポライト4000、エポライト3002、エポライトFR−1500(以上、共栄社化学(株)製)、サントートST0000、YD−716、YH−300、PG−202、PG−207、YD−172、YDPN638(以上、東都化成(株)製)などを挙げることができる。
また、オキセタン化合物の具体例としては、例えば、以下の化合物を挙げることができる。3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、4−メトキシ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル]フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、3,3’−(1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス−(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルなどを例示することができる。
これらオキセタン化合物は、特に可撓性を必要とする場合に使用すると効果的であり、好ましい。
カチオン重合性化合物のその他の化合物の具体例としては、テトラヒドロフラン、2,3−ジメチルテトラヒドロフランなどのオキソラン化合物、トリオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキサンシクロオクタンなどの環状アセタール化合物、β−プロピオラクトン、ε−カプロラクトンなどの環状ラクトン化合物、エチレンスルフィド、チオエピクロルヒドリンなどのチイラン化合物、1,3−プロピンスルフィド、3,3−ジメチルチエタンなどのチエタン化合物、テトラヒドロチオフェン誘導体などの環状チオエーテル化合物、エチレングリコールジビニルエーテル、アルキルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、プロピレングリコールのプロペニルエーテルなどのビニルエーテル化合物、エポキシ化合物とラクトンの反応によって得られるスピロオルトエステル化合物、スチレン、ビニルシクロヘキセン、イソブチレン、ポリブタジエンなどのエチレン性不飽和化合物、シリコーン類等周知の化合物が挙げられる。
本発明の芳香族スルホニウム塩化合物からなるカチオン重合開始剤の使用量は、上記のカチオン重合性化合物100質量部に対して、0.01質量部〜10質量部が好ましく、0.1質量部〜5質量部がより好ましい。この使用量が0.01質量部より少ないと、硬化が不充分となる場合があり、一方、10質量部を超えても使用効果の増加が得られないばかりでなく、硬化物の物性に悪影響を与える場合がある。
また、本発明の芳香族スルホニウム塩化合物からなるカチオン重合開始剤は、上記カチオン重合性化合物と共に各種添加剤を配合して、カチオン重合性組成物に用いてもよい。各種添加剤としては、有機溶剤、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾエート系の紫外線吸収剤;フェノール系、リン系、硫黄系酸化防止剤;カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤等からなる帯電防止剤;ハロゲン系化合物、リン酸エステル系化合物、リン酸アミド系化合物、メラミン系化合物、フッ素樹脂または金属酸化物、(ポリ)リン酸メラミン、(ポリ)リン酸ピペラジン等の難燃剤;炭化水素系、脂肪酸系、脂肪族アルコール系、脂肪族エステル系、脂肪族アマイド系または金属石けん系の滑剤;染料、顔料、カーボンブラック等の着色剤;フュームドシリカ、微粒子シリカ、けい石、珪藻土類、クレー、カオリン、珪藻土、シリカゲル、珪酸カルシウム、セリサイト、カオリナイト、フリント、長石粉、蛭石、アタパルジャイト、タルク、マイカ、ミネソタイト、パイロフィライト、シリカ等の珪酸系無機添加剤;ガラス繊維、炭酸カルシウム等の充填剤;造核剤、結晶促進剤等の結晶化剤、シランカップリング剤等が挙げられる。
本発明のカチオン重合開始剤の用途としては、インキ、保護膜(保護層)、塗料、接着剤、絶縁材、構造材、光学的立体造形、光学フィルム、カラーフィルタ、FRP、半導体用レジスト等が挙げられる。
以下、実施例および比較例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。
下記実施例1−1〜1−12は、芳香族スルホニウム塩化合物No.1〜No.13の製造例を示す。また、下記実施例2−1および比較例1−1、1−2は、実施例1−7で得られた芳香族スルホニウム塩No.8および比較化合物No.1および比較化合物No.2を用いて、それぞれの酸発生効率の測定を行うことによる評価例を示す。さらに、下記実施例3は、実施例1−6で得られた芳香族スルホニウム塩No.6を用いたカチオン重合性組成物の製造および硬化性の評価を示す。さらに、下記実施例4−1、4−2及び比較例2−1、2−2は、実施例1−11で得られた芳香族スルホニウム塩No.12および実施例1−12で得られた芳香族スルホニウム塩No.13と以下に示す比較化合物No.3および比較化合物No.4について、ネガレジスト組成物の調製およびレジスト硬化感度の評価を示す。
[実施例1−1]
トリフルオロメタンスルホン酸(9−ブチル−9H−カルバゾール−3−イル)ビス(4−フルオロフェニル)スルホニウム(化合物No.1)の合成
化合物No.1
Figure 2010235579
500mLの四口フラスコにメタンスルホン酸270.29gと五酸化リン26.51gを仕込み窒素置換し、加熱溶解した。冷却した後、N−ブチルカルバゾール41.80gを加え、さらにビス(4−フルオロフェニル)スルホキシド44.67gを加え、45℃で2時間反応を行った。次いで、イオン交換水300mL、メタノール100mLの混合液を氷冷し、ここに反応液を攪拌しながら投入した。更にジイソプロピルエーテル700mLとアセトン100mLを加えて攪拌した後、しばらく静置した。下層を取り出し、これにジクロロエタン400mLとイオン交換水100mLに溶解したトリフルオロメタンスルホン酸リチウム80.00gを加えて攪拌し、塩交換を行った。有機相をイオン交換水100mLで4回洗浄した後、溶媒留去して化合物No.1を102.39g(収率92%)得た。
[実施例1−2]
トリフルオロメタンスルホン酸(9−ブチル−9H−カルバゾール−3−イル)ビス(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム(化合物No.2)の合成
化合物No.2
Figure 2010235579
30mLの二口フラスコに上記化合物No.1の1.7808gとN,N−ジメチルホルムアミド2.70gを加えて溶解させ、これに水酸化ナトリウム0.3300g、テトラブチルアンモニウムハイドロスルフェート(TBAHS)0.2397gを加えて攪拌し、窒素置換した。水冷しながらベンゼンチオール0.8264gを滴下し、室温で5時間反応を行なった。反応液をジクロロエタン40mlとイオン交換水40mlで洗浄し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒留去し、化合物No.2を1.838g(収率79%)を得た。
[実施例1−3]
トリフルオロメタンスルホン酸(9−ブチル−9H−カルバゾール−3−イル)ビス(4−フェニルスルホニルフェニル)スルホニウム(化合物No.3)の合成
化合物No.3
Figure 2010235579
30mLの四口フラスコに、上記化合物No.2の1.727gとジクロロエタン5.0gを加えて溶解し、更にエタノール5.0gを加えて、タングステン酸ナトリウム二水和物0.0480gを添加し、攪拌して窒素置換した。これを水冷しながら、30%過酸化水素水2.64gを滴下し、室温で終夜攪拌し、更に50℃で2.5時間攪拌した。反応液をジクロロエタン50mLで抽出し、イオン交換水40mLで洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。これをジクロロエタン6.0gに溶解させ、攪拌しながら2−プロパノール9.0gを滴下した。上澄みを取り除き、沈殿した粘ちょう体をジクロロエタン12.0gに溶解させ、攪拌しながら2−プロパノール16.0gを滴下した。上澄みを取り除き、沈殿した粘ちょう体を溶媒留去し、化合物No.3を1.05g(収率56%)得た。
[実施例1−4]
トリフルオロメタンスルホン酸(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)ビス(4−フルオロフェニル)スルホニウム(化合物No.4)の合成
化合物No.4
Figure 2010235579
500mLの四つ口フラスコに、メタンスルホン酸270.29g、五酸化リン26.51gを仕込み窒素置換した後、加熱することにより溶解した。放冷後、N−エチルカルバゾール36.62gを加え、更にクロロベンゼン83.0gに溶解したビス(4−フルオロフェニル)スルホキシド44.67gを室温で滴下し、46℃で1時間攪拌した。次いで、イオン交換水300mL、メタノール100mLの混合液を氷冷し、ここに反応液を攪拌しながら投入した。更にジイソプロピルエーテル700mLとアセトン100mLを加えて攪拌した後、しばらく静置した。下層を取り出し、これにジクロロエタン400mLとイオン交換水100mLに溶解したトリフルオロメタンスルホン酸リチウム80.00gを加えて攪拌し、塩交換を行った。有機相をイオン交換水100mLで4回洗浄した後、溶媒留去して析出した結晶を酢酸エチル40gで洗浄し、濾別した。得られた結晶を減圧乾燥して、化合物No.4を50.03g(収率47%)得た。
[実施例1−5]
トリフルオロメタンスルホン酸(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)ビス(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム(化合物No.5)の合成
化合物No.5
Figure 2010235579
200mLの五口フラスコに上記化合物No.4の32.00gとN,N−ジメチルホルムアミド50.00gを加えて溶解させ、これに水酸化ナトリウム6.22g、テトラブチルアンモニウムハイドロスルフェート(TBAHS)4.52gを加えて攪拌し、窒素置換した。水冷しながらベンゼンチオール15.59gを滴下し、室温で5時間反応を行なった。反応液をメチルイソブチルケトンとイオン交換水の混合溶媒で洗浄し、次いで水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、更にイオン交換水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒留去した。得られた固体をメチルイソブチルケトン70gに溶解し、攪拌しながら2−プロパノール250gを徐々に加え、沈殿した粘ちょう体を取り出した。これを乾燥し、化合物No.5を40.57g(収率96%)を得た。
[実施例1−6]
トリフルオロメタンスルホン酸(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)ビス(4−フェニルスルホニルフェニル)スルホニウム(化合物No.6)の合成
化合物No.6
Figure 2010235579
300mLの四口フラスコに、上記化合物No.5の39.42gとジクロロエタン80.0gを加えて溶解し、更にエタノール44.0g及びメタノール30.0gを加えて、タングステン酸ナトリウム二水和物0.87gを添加し、攪拌して窒素置換した。43℃にて、30%過酸化水素水47.94gを3.5時間かけて滴下し、43〜48℃で1時間攪拌した。反応液をイオン交換水100mLで洗浄し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=9/1)で2回精製し、化合物No.6を22.09g(収率52%)得た。また、シリカゲルカラムクロマトグラフィーの別のフラクションより、以下に示す化合物No.7を0.51g(収率1.2%)得た。
化合物No.7
Figure 2010235579
[実施例1−7]
トリフルオロメタンスルホン酸(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)ジフェニルスルホニウム(化合物No.8)の合成
化合物No.8
Figure 2010235579
100mLの四つ口フラスコに、メタンスルホン酸36.04g、五酸化リン3.55gを仕込み窒素置換した後、加熱することにより溶解した。放冷後、N−エチルカルバゾール4.88gを加え、更にクロロベンゼン9.6gに溶解したジフェニルスルホキシド4.80gを室温で滴下し、53℃で3時間攪拌した。次いで、イオン交換水100mL、ジイソプロピルエーテル200mL及びアセトン200mLの混合液を氷冷し、ここに反応液を攪拌しながら投入して攪拌した後、しばらく静置した。下層を取り出し、これにジクロロエタン100mLとイオン交換水20mLに溶解したトリフルオロメタンスルホン酸リチウム11.70gを加えて攪拌し、塩交換を行った。有機相をイオン交換水200mLで4回洗浄した後、溶媒留去してシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=9/1)で精製し、化合物No.8を4.25g(収率55%)得た。
[実施例1−8]
トリフルオロメタンスルホン酸〔9−(4−ニトロフェニル)−9H−カルバゾール−3−イル)ビス(4−フルオロフェニル)スルホニウム(化合物No.9)の合成
化合物No.9
Figure 2010235579
100mLの四つ口フラスコにカルバゾール6.69gと4−フルオロニトロベンゼン6.77gとDMSO30.0gを入れ攪拌、溶解した。これに炭酸カリウム16.59gとテトラブチルアンモニウムヒドロキシド1.36gを加え窒素置換し、55℃で5時間反応を行なった。反応液を塩化メチレン250mlとイオン交換水100mlで抽出し、イオン交換水100mlで水洗した。有機層を濃縮し、メタノール20mlを加え、析出した結晶を濾別、乾燥することにより、9−(4−ニトロフェニル)カルバゾール10.28g(収率89.2%)を得た。100ml四つ口フラスコにメタンスルホン酸24.51gと五酸化リン2.413gを仕込み窒素置換し、加熱溶解した。クロロベンゼン10.5gに9−(4−ニトロフェニル)カルバゾール4.90gを入れ攪拌しスラリー状とし、放冷したメタンスルホン酸溶液に流し込んだ。内温40℃とし、クロロベンゼン4.05gに溶解したビス(4−フルオロフェニル)スルホキシド4.05gを滴下し45℃で2時間、五酸化リン1.36gとクロロベンゼン2.30gに溶解したビス(4−フルオロフェニル)スルホキシド2.30gを追加して1時間反応を行った。トルエン300mlとイオン交換水200mL、メタノール300mLの混合液を氷冷し、ここに反応液を攪拌しながら投入した。攪拌した後分離するまで静置し、下層と沈殿物を取り出し、これに塩化メチレン100mLとトリフルオロメタンスルホン酸リチウム3.18gを加えて攪拌し、塩交換を行った。有機相をイオン交換水150mLで4回洗浄した後、有機層を溶媒留去し、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/アセトン=7/3)で精製した。更にこれを塩化メチレン7.0gに溶解し、トルエン7.0gを加え、析出した結晶を濾別、乾燥することにより、化合物No.9を1.11g(収率10%)得た。
[実施例1−9]
化合物No.10の合成
化合物No.10
Figure 2010235579
100ml四つ口フラスコにメタンスルホン酸24.51gと五酸化リン2.41gを仕込み窒素置換し、加熱溶解した。これにクロロベンゼン4.05gに溶解したビス(4−フルオロフェニル)スルホキシド4.05gを滴下し、更に実施例1−8で得た9−(4−ニトロフェニル)カルバゾール2.45gを仕込み45℃で2.5時間反応を行った。トルエン200mlとイオン交換水200mL、メタノール200mLの混合液を氷冷し、ここに反応液を攪拌しながら投入した。攪拌した後分離するまで静置し、下層と沈殿物を取り出し、これに塩化メチレン50mLとトリフルオロメタンスルホン酸リチウム3.18gを加えて攪拌し、塩交換を行った。有機相をイオン交換水150mLで4回洗浄した後有機層を溶媒留去し、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/アセトン=7/3および塩化メチレン/メタノール=9/1)で精製し、得たれたフラクションを溶媒留去することにより、化合物No.10を0.43g(収率4.9%)得た。
[実施例1−10]
化合物No.11の合成
化合物No.11
Figure 2010235579
500mLの四つ口フラスコに、メタンスルホン酸270.2g、五酸化リン26.5gを仕込み窒素置換した後、加熱することにより溶解した。放冷後、N−エチルカルバゾール36.6gを加え、更にクロロベンゼン83.0gに溶解したビス(4−フルオロフェニル)スルホキシド44.7gを室温で滴下し、46℃で1時間攪拌した。次いで、イオン交換水300mL、メタノール100mLの混合液を氷冷し、ここに反応液を攪拌しながら投入した。更にジイソプロピルエーテル700mLとアセトン100mLを加えて攪拌した後、分離するまで静置した。下層を取り出し、これにジクロロエタン400mLとイオン交換水100mLに溶解したビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム107.6gを加えて攪拌し、塩交換を行った。有機相をイオン交換水100mLで4回洗浄した後、溶媒留去することにより化合物No.11を97.18g(収率74%)得た。
[実施例1−11]
化合物No.12の合成(化合物No.4のSbF塩の合成)
実施例1−4の合成法のうち、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム80.00gを六フッ化アンチモン酸カリウム103.0gとし、塩交換を行った。有機相をイオン交換水100mLで4回洗浄した後、エバポレータにて130gまで濃縮し、メタノール200gを加えると結晶が析出したのでこれを濾別した。得られた結晶を減圧乾燥して、化合物No.12を26.90g(収率22%)得た。
[実施例1−12]
化合物No.13の合成(化合物No.8のSbF塩の合成)
実施例1−7の合成法のうち、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム11.70gを六フッ化アンチモン酸カリウム20.61gとし、塩交換を行った。有機相をイオン交換水100mLで4回洗浄した後、溶媒留去してシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=9/1)で精製し、化合物No.13を4.86g(収率32%)得た。
上記により得られた化合物No.1〜13の、純度および性状を表1に、同定結果を表2に示す。なお、各化合物の付加位置については、表2に示す溶媒を用いたNMRのCOSY、HMQC、HMBCの各種測定により決定した。
Figure 2010235579
※注1:化合物No.7からジフェニルスルホンがとれたm/zに相当する値。
※注2:化合物No.10からフルオロフェニル基がとれたM/zに相当する値。
*HPLC測定条件
カラム:「Inertsil ODS−2」(ジーエルサイエンス(株)製)、粒子径:5μm、カラム内径および長さ:4.6×250mm、温度:40℃
溶離液:アセトニトリル/水=9/1(1−オクタンスルホン酸ナトリウム4.38g/水1L)、流量:1.00mL/min
検出器:UV230nm
Figure 2010235579
[実施例2−1及び比較例1−1、1−2]光照射による分解および酸発生量の評価
上記化合物No.8及び以下に示す比較化合物No.1及びNo.2について、それぞれ0.02mmol/gのアセトニトリル溶液を調製した。内径93mmのシャーレに調製したアセトニトリル溶液を5.00g入れ、TOSHIBA製蛍光ランプ(FL10BL、330mm)の下、365nmの光を0.8mW/cmで5分間露光した。露光後の溶液について、BTBを指示薬とし、0.05Nの水酸化カリウムエタノール溶液で滴定を行った。得られた測定滴定値について、光照射前の溶液について同様に滴定をした値をブランクとして差し引く補正を行った滴定値から、下記式により、酸発生率を求めた。その結果を、下記の〔表3〕に示す。
酸発生率(%)=酸滴定値(mol)÷各化合物理論モル数(mol)×100
Figure 2010235579
Figure 2010235579
上記表3の結果から、本発明の芳香族スルホニウム塩化合物は、比較化合物と比べて光による酸発生率が高く、光酸発生剤として有用であることが確認された。
[実施例3]カチオン重合性組成物の製造および評価
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート80g、および、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル20gを混合したものに、上記化合物No.6を4mmol添加し、よく攪拌し均一にした。これをアルミコート紙上に#3のバーコーターで塗布した。これに、ベルトコンベア付き光照射装置を使用して80W/cmの高圧水銀灯の光を照射した。ランプからベルトコンベアまでの距離は10cm、ベルトコンベアのラインスピードは8m/分とした。
硬化後24時間室温に放置後、メチルエチルケトンを付けた綿棒で塗膜を擦った結果200往復しても塗膜は侵されず、硬化が十分に進行していることが確認された。
[実施例4−1、4−2及び比較例2−1、2−2]ネガレジスト組成物の調製および評価
日本化薬製EPPN−201 100gをMEK100gに溶解させ樹脂溶液を調製し、化合物No.12及び化合物No.13と以下に示す比較化合物No.3及びNo.4について、それぞれ0.1mmolをこの樹脂溶液10gに溶解させレジスト液を調製した。これをアルミ板上に#9のバーコーターで塗布し、80℃で10分乾燥した後、分光照射器(日本分光(株)製 CT−25CP、光源:超高圧水銀ランプ(ウシオ電機(株)製 USH−500D))を用いて露光した。80℃で10分間ベークし、MEKに30秒間浸漬することにより現像し、キシレンで洗浄した。波長365nmにおける硬化に必要な露光量を比較した。
Figure 2010235579
Figure 2010235579
上記表4の結果から、本発明の芳香族スルホニウム塩化合物は、比較化合物と比べて低露光量で硬化することが出来、光酸発生剤として優位であることが確認された。
以上の結果より、本発明の上記一般式(I)で表される芳香族スルホニウム塩化合物は光の照射時に酸発生率が高く、レジスト組成物においても高い感度を有する光酸発生剤であることが明確である。

Claims (9)

  1. 下記一般式(I)、
    Figure 2010235579
    (式中、R及びRは、それぞれ独立に、水酸基、メルカプト基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は−OSiR212223であり、R21、R22及びR23は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、または炭素原子数7〜20のアリールアルキル基であり、eは、0〜3の整数であり、fは、0〜4の整数であり、e、fがそれぞれ2以上の数であるとき、R、Rで表されるそれぞれの複数の置換基は同一であっても異なっていてもよく、Rは、水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基または炭素原子数7〜20のアリールアルキル基を表し、Rは、隣接するどちらかのベンゼン環と一緒になって環を形成していてもよく、R、R、R、R21、R22およびR23がとりうるアルキル基およびアリールアルキル基の炭素―炭素結合は−O−、−C(=O)−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−S−、−SO−、−SO−および−SO−からなる群から選ばれる1つ以上の基で中断されていてもよく、R、R、R、R21、R22およびR23がとりうるアルキル基、アリール基およびアリールアルキル基の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、Anq−はq価(qは1または2である)のアニオンを表し、pは1または2の電荷を中性に保つ係数を表し、E及びEは、それぞれ独立に、下記一般式(II)又は下記一般式(III)、
    Figure 2010235579
    (式中、a及びbは0〜5の整数であり、c及びdは0〜4の整数であり、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、R及びRと同様の基であり、Xは、直接結合、酸素原子、硫黄原子、−CR10−、−NR11−またはカルボニル基を表し、R、R10及びR11は、水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基または炭素原子数7〜20のアリールアルキル基であり、a〜dがそれぞれ2以上の数であるとき、R〜Rで表されるそれぞれの複数の置換基は同一であっても異なっていてもよい。)で表される置換基であり、nは、0または1である。)で表されることを特徴とする芳香族スルホニウム塩化合物。
  2. 前記一般式(I)中、nが0である請求項1に記載の芳香族スルホニウム塩化合物。
  3. Anで表される1価のアニオンが、ハロゲン化物イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロヒ酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサクロロアンチモン酸イオン、過塩素酸イオン、ジフルオロリン酸イオン、テトラアリールホウ酸イオン、アルキルスルホン酸イオン、有機スルホニルメチドイオンおよび有機フルオロスルホンイミドイオンからなる群から選ばれるいずれかの基である請求項1又は2に記載の芳香族スルホニウム塩化合物。
  4. Anで表される1価のアニオンが、アルキルスルホン酸イオンである請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の芳香族スルホニウム塩化合物。
  5. 上記一般式(I)中、Eで表される置換基が上記一般式(II)で表される基である請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の芳香族スルホニウム塩化合物。
  6. 請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の芳香族スルホニウム塩化合物からなることを特徴とする光酸発生剤。
  7. 請求項6に記載の光酸発生剤を含有してなることを特徴とするレジスト組成物。
  8. 請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の芳香族スルホニウム塩化合物からなることを特徴とするカチオン重合開始剤。
  9. 請求項8に記載のカチオン重合開始剤を含有してなることを特徴とするカチオン重合性樹脂組成物。
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