JP2007186607A - 発泡性接着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】発泡性、保存性、安全性に優れた発泡性接着剤組成物を提供することにある。
【解決手段】下記一般式(1)で表される光酸発生剤、下記式(A)で表されるt−ブチルオキシカルボニル構造を持つ発泡性成分及び接着剤成分を含有することを特徴とする発泡性接着剤組成物。
【化1】
Figure 2007186607

(式中、R1〜R17は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、フェノキシ基、エステル基、アリール基、チオエーテル基、チオカルボニル基、スルフィニル基、スルホニル基、アミノ基、アミド基、イミド基、ニトリル基、ホスフィノ基、ホスホニオ基、ホスホリル基、炭素数1〜8のフルオロアルキル基からなる群から選ばれる基であり、Xは1価のアニオンになりうる原子団である。)
【化2】
Figure 2007186607

【選択図】なし

Description

本発明は、発泡性、保存安定性に優れ、安全性の高い発泡性接着剤組成物に関する。
接着剤組成物またはそれを含んだ接着剤フィルム及び接着シートは、被着体にできるだけ強固に接着できるほか、使用後はその被着体から容易に剥離することが求められる場合がある。そのような接着剤組成物の一例は発泡性接着剤組成物であり、特公昭51−24534号公報、特開昭56−61468号公報、同56−61469号公報、同60−252681号公報、同63−186791号公報及び特開平2−305878号公報に開示されている。
特開昭63−30581号公報には、感圧接着剤と発泡剤を組み合わせた接着力消失型粘着剤が開示されている。発泡剤としては、特開昭56−61467号公報に記載されているような熱分解性化合物が用いられている。このような粘着剤は、使用後に加熱されて、発泡剤を分解し発泡させ、粘着剤の接着力を消失させることで、容易に剥離するように設計されている。しかしながら、使用時に熱にさらされた場合にも、意図せずに接着力を失ってしまうことがある。このため、このような接着剤は使用温度が制限され、耐熱性に欠けるといった問題がある。従って、加熱処理前の耐熱性を有する発泡性接着剤組成物が求められている。
また、特許文献1には、特定構造の発泡剤と光酸発生剤を組合わせることで、耐熱性に優れた発泡性接着剤組成物について記載されているが、光酸発生剤を作用させるのに365nmが主波長の光源に対する感度が、十分とはいえなかった。
特開2005−97557号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、発泡性、保存性、安全性に優れた発泡性接着剤組成物を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成された。
1.下記一般式(1)で表される光酸発生剤、下記式(A)で表されるt−ブチルオキシカルボニル構造を持つ発泡性成分及び接着剤成分を含有することを特徴とする発泡性接着剤組成物。
Figure 2007186607
(式中、R1〜R17は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、フェノキシ基、エステル基、アリール基、チオエーテル基、チオカルボニル基、スルフィニル基、スルホニル基、アミノ基、アミド基、イミド基、ニトリル基、ホスフィノ基、ホスホニオ基、ホスホリル基、炭素数1〜8のフルオロアルキル基からなる群から選ばれる基であって、同一でも異なっていてもよく、これらの基の官能基以外の部分は炭素数1〜12の飽和脂肪炭化水素基、不飽和脂肪炭化水素基、脂環式炭化水素基、炭素環式芳香族炭化水素基、複素環式芳香族炭化水素基であってもよく、また、R5及びR6は互いに縮合して共有結合となってもよい。Xは1価のアニオンになりうる原子団である。)
Figure 2007186607
2.前記t−ブチルオキシカルボニル構造が、下記式(B)で表されるブチルカーボネート構造であることを特徴とする1に記載の発泡性接着剤組成物。
Figure 2007186607
3.前記接着剤成分が感圧接着剤であることを特徴とする1または2に記載の発泡性接着剤組成物。
4.前記接着剤成分がエポキシ基を含有する化合物であることを特徴とする1〜3のいずれか1項に記載の発泡性接着剤組成物。
本発明によれば、発泡性、保存性、安全性に優れた発泡性接着剤組成物を提供することができる。
本発明者は鋭意検討の結果、前記一般式(1)で表される光酸発生剤、前記式(A)で表されるt−ブチルオキシカルボニル構造を持つ発泡剤及び接着剤成分を含有するする発泡性接着剤組成物により、発泡性、保存性、安全性に優れた発泡性接着剤組成物が得られることを見出した。
従来の発泡性接着剤に用いられる光酸発生剤は、分解によりベンゼンを発生したり、またセーフライト性が不十分で屋外使用には不適であった。本発明に用いられる前記一般式(1)で表される光酸発生剤は、安全で、安定性の高い化合物である。
以下、本発明を詳細に説明する。
〔接着剤成分〕
本発明の発泡性接着剤組成物は、接着剤成分を含み、その使用時に被着体と強固に接着することができるようになっている。この接着剤成分は、本発明の目的と効果を失わない限り特に限定されず、典型的な接着剤成分には、アクリル系ポリマー、天然ゴム及び合成ゴム、シリコーン、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリオレフィンが挙げられる。特に、アクリル系ポリマーは、使用目的に応じて原料モノマー、組成及び分子量を比較的自由に変えることができ、好ましい。
〔発泡性成分〕
本発明の発泡性接着剤組成物は、上記の接着剤成分とともに、発泡性成分を含むが、この発泡性成分は接着剤成分中に存在しても、または、別個の化合物中に存在してもよい。発泡性成分は発泡により使用後の発泡性接着剤組成物と被着体との接触面積を減少させて、発泡性接着剤組成物を被着体から容易に剥離するために用いられる。本発明では、この発泡性成分は、前記式(A)で表されるt−ブチルオキシカルボニル構造を持つ。
発泡性成分は、t−ブチルオキシカルボニル構造を分子内に複数持つことが好ましい。
このt−ブチルオキシカルボニル構造は以下の反応式によって示される通り、酸によって分解してカルボキシル基またはカルボン酸と低沸点化合物であるイソブテンとを生成することができる。
Figure 2007186607
また、t−ブチルオキシカルボニル構造には、前記式(B)で表されるt−ブチルカーボネート構造も含むこともできる。
このt−ブチルカーボネート構造は、上述したt−ブチルオキシカルボニル構造と同様、酸によって分解して低沸点化合物であるイソブテンを生成することができる。しかし、上述したt−ブチルオキシカルボニル構造と異なり、t−ブチルカーボネート構造は下記反応式の通り、分解によりヒドロキシル基と低沸点化合物である二酸化炭素も生成する。
Figure 2007186607
このt−ブチルカーボネート構造は、前記t−ブチルオキシカルボニル構造と同様に、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、配位重合、縮重合、あるいは、高分子量成分の化学修飾等によりポリマー中に導入することができる。
本発明では、発泡性成分は接着性成分に組み込まれる代わりに、接着性成分から分離して発泡性接着剤組成物に含まれてもよい。そのような発泡性成分は、上述のように酸触媒作用により脱離するt−ブチルオキシカルボニル構造を有するものであれば低分子化合物でも高分子化合物でもよい。これらは使用目的に応じて適宜選択可能であり、2種以上混合して用いてもよい。分子中のt−ブチルオキシカルボニル構造の数は2つ以上有する化合物が好ましい。
低分子化合物の例としては、特開平9−62006号公報、同9−278699号公報、同9−50127号公報、同9−166873号公報、同10−97075号公報等に記載された、いわゆる、レジスト技術における溶解抑制剤と呼ばれる化合物が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
高分子化合物の例としては、t−ブチルオキシカルボニル構造をもったアクリル系非接着性成分及びスチレン系非接着性成分を挙げることができる。アクリル系非接着性成分は、例えば、t−ブチル(メタ)アクリレートからなる単独重合体または共重合体であり、スチレン系非接着性成分は、例えばp−(t−ブトキシカルボニルオキシ)スチレンの単独重合体または共重合体である。
本発明によれば、上記のように発泡性成分が接着性成分に組み込まれる代わりに、接着性成分から分離した化合物の形で発泡性接着剤組成物に含まれてもよい。そのような発泡性成分は、上述のように、t−ブチルオキシカルボニル構造を少なくとも1つ、好適には2つ以上有しているt−ブチルエステル化合物またはt−ブチルカーボネート化合物である。これら使用目的に応じて適宜選択可能である。
例えば、t−ブチルエステル化合物は、下記式
Figure 2007186607
により示されるデカヒドロナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジ(1,1−ジメチルエチルエステル)(Decahydro naphtharene−2,6−dicarboxylic acid di(1,1−dimethylethyl ester))(本州化学工業、B−HNDC)が挙げられる。この化合物は分解温度が205℃と比較的に高温であるから、UV等の放射線を照射する前の発泡性接着剤組成物が耐熱性に優れる。また、t−ブチルカーボネート構造を有する発泡性成分は、例えば、下記式
Figure 2007186607
により示され、本州化学工業からBis Rs−Ft−Bocとして入手可能である。これは多官能性であるため、分解時に低沸点化合物を効率よく発生させることができ、また、同時に二酸化炭素をも発生するので、少量でも有効な発泡を行うことができる。
また、発泡性成分としてt−ブチルオキシカルボニル構造をもったアクリル系非接着性成分を使用してもよい。アクリル系非接着性成分は、例えば、t−ブチル(メタ)アクリレートを含む単独重合体または共重合体である。
本発明では、t−ブチルオキシカルボニル構造の分解に必要な酸は光酸発生剤によって供給される。
〔光酸発生剤〕
本発明に係る光酸発生剤(発泡開始剤)としては、前記一般式(1)で表されるスルホニウム塩を含む。
一般式(1)において、R1〜R17は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、フェノキシ基、エステル基、アリール基、チオエーテル基、チオカルボニル基、スルフィニル基、スルホニル基、アミノ基、アミド基、イミド基、ニトリル基、ホスフィノ基、ホスホニオ基、ホスホリル基、炭素数1〜8のフルオロアルキル基からなる群から選ばれる基であって、同一でも異なっていてもよく、これらの基の官能基以外の部分は炭素数1〜12の飽和脂肪炭化水素基、不飽和脂肪炭化水素基、脂環式炭化水素基、炭素環式芳香族炭化水素基、複素環式芳香族炭化水素基であってもよく、また、R5及びR6は互いに縮合して共有結合となってもよい。Xは1価のアニオンになりうる原子団である。
1〜R17で表されるアシル基としては、R−CO−、またはAr−CO−であって、Rは直鎖または分岐鎖のアルキル基または脂環式単価水素基であり、Arは、
Figure 2007186607
であって、R18〜R63は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基またはアルコキシ基であり、同一でも異なっていてもよい。
Xで表される1価のアニオンになりうる原子団としては、SbF6 -、PF6 -、AsF6 -、BF4 -、SbCl6 -、ClO4 -、CF3SO3 -、CH3SO3 -、FSO3 -、F2PO2 -、p−トルエンスルホネート、カンファースルホネート、ノナフロロブタンスルホネート、ヘキサデカフロロオクタンスルホネート、テトラアリ−ルボレートからなる群から選ばれるいずれかの基である。
テトラアリ−ルボレートの具体例としては、例えばテトラフェニルボレート、及びフェニル基の少なくとも1つの水素原子がアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシアルキル基、アルコキシル基、フェニル基、アルコキシカルボニル基で置換された化合物を挙げることができ、好ましいものとしてはテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(4−フルオロフェニル)ボレート、テトラフェニルボレート等を挙げることができる。
また、一般式(1)に、他の光酸発生剤を併用することも、接着性成分との相溶性を上げる等の点で好ましい。併用する光酸発生剤としては、特開2004−359946号公報、同2005−139425号公報に記載されるものを用いることができる。例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウム等の芳香族オニウム化合物のB(C654 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、CF3SO3 -塩を挙げることができる。第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができる。第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができる。第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
本発明の発泡性接着剤組成物の好ましい態様において、発泡開始剤は光の作用により酸を発生する化合物であり、発泡性成分中のt−ブチルオキシカルボニル構造は、光により発生した酸によって分解することにより発泡して前記発泡性接着剤組成物に剥離性を付与するものである。従って、発泡開始剤は、発泡性成分中のt−ブチルオキシカルボニル構造を分解して発泡させるために十分な量の酸を発生するかぎり、その量は限定されないが、通常は、発泡性接着剤組成物の合計質量を基準として、0.01〜10質量%である。また、発泡性成分も、発泡性接着剤組成物に剥離性を付与するために十分な量の分解ガスを発生するかぎり、その量は限定されない。例えば、接着剤成分がアクリル系ポリマーであり、発泡性成分がt−ブチル(メタ)アクリレートを含むアクリル系ポリマーである場合、または、接着剤成分がt−ブチル(メタ)アクリレートを発泡性成分として分子中に含むアクリル系ポリマーである場合を例にとると、アクリル系ポリマーの質量を基準として、t−ブチル(メタ)アクリレートに由来する部分の質量が15質量%を超えることが好ましい。
以上、本発明の好適な実施形態について記載してきたが、本発明の発泡性接着剤組成物は上記に限定されない。
例えば、発泡性接着剤組成物にはエポキシ基を有する化合物を含有してもよい。このようなエポキシ基はエポキシ樹脂の形で別個の化合物として含有されても、あるいは、接着剤成分中に含まれてもよい。この場合、以下の反応式によって示されるように、発泡性接着剤組成物が熱硬化性をさらに備えるようになる。
Figure 2007186607
本発明では、この熱硬化はエポキシ基のカチオン重合により可能となる。上述の発泡開始剤が光の照射により酸を供給してくれるからである。発泡性接着剤組成物はその硬化により三次元架橋を形成して接着力を低下させる。従って、発泡性接着剤組成物は発泡に加え硬化により被着体から効果的に剥離できるようになる。特に、発泡性成分がt−ブチルオキシカルボニル構造の分解によってカルボン酸を生成する場合は、発泡性接着剤組成物の剥離はより顕著になる。エポキシ基がカルボン酸とも熱硬化反応して三次元架橋を形成することができるからである。
また、この発泡性接着剤組成物は、上記のエポキシ基及び/またはt−ブチルオキシカルボニル構造と別個にまたは組み合せて、ラジカル重合性のモノマー及び/またはオリゴマーと光ラジカル重合開始剤とを含んでもよい。発泡性接着剤組成物は、発泡のためにUVを照射されるときに光硬化も可能になり、熱硬化の場合と同様に被着体から剥離しやすくなる。
さらに、この発泡性接着剤組成物には、非発泡の接着剤成分のような他のポリマーや可塑剤や架橋剤等の添加剤がさらに含まれてもよい。
本発明の発泡性接着剤組成物は、接着剤成分、発泡性成分、発泡開始剤、並びに、所望により、他の添加剤等の構成成分を、酢酸エチルやアセトン等の適切な溶剤とともに混合して溶液を形成し、その後、溶剤を乾燥により除去することで製造できる。このような発泡性接着剤組成物は、溶液をポリエステルフィルム等の適切な基材上に塗布し、その後、加熱により溶剤を除去することにより、テープまたはフィルムの形態に加工することができる。
得られたテープまたはフィルムは、紫外線(UV)のような光の照射により活性化して発泡し、さらに加熱により発泡が促進されうる接着剤となる。このようなテープまたはフィルムは、自動車等の塗装用マスキングシートまたはテープ用、電子部品等の組み立て工程で使用される仮固定用接着シートまたはテープ用、及び保護フィルム用接着剤等に応用できる。この接着シートまたはテープは、不要時には、光照射及び必要に応じて加熱により簡単に剥離除去することができるため、作業簡便化を促進する等の利点を有する。例えば、半導体ウエハの製造工程時の固定用接着シート用途では、半導体ウエハは、大径の状態で製造され、素子小片に切断分離(ダイシング)された後に次工程であるマウント工程に移されるが、この際、半導体ウエハはあらかじめ接着シートに貼着された状態でグラインディング、ダイシングの各工程が加えられる。各工程において、固定用接着シートとしての接着性能を備え、ダイシング工程後、光照射及び加熱により簡単に素子小片を回収することが可能となる。また、例えば、プリント配線板等の製造工程での保護フィルム用接着剤用途では、エッチング、メッキ、洗浄、プリプレグ硬化等の工程においては、保護フィルムとしての接着性能を備え、工程後、光照射及び必要に応じて若干の加熱により簡単に保護フィルムを除去することが可能となる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例
(発泡性接着剤組成物1の調製)
アセトン溶媒中で、接着剤成分を100質量部及び光酸発生剤(UVI6992、ダウケミカル製、トリアリールスルホニウム塩、プロピオンカーボネート50%液)を2.5質量部混合して発泡性接着剤組成物1(溶液)を調製した。ここで、100質量部の接着剤成分には、90質量%のn−ブチルアクリレートと10質量%の2−ヒドロキシエチルアクリレートの共重合体Aを70質量部と、95質量%のt−ブチルアクリレートと5質量%のアクリル酸の共重合体からなって発泡性成分を含有する共重合体Bを30質量部使用した。
(発泡性接着剤組成物2〜8の調製)
発泡性接着剤組成物1の調製において、接着剤成分及び光酸発生剤の種類と添加量を表1のように変えて、発泡性接着剤組成物2〜8を調製した。なお、一部の発泡性接着剤組成物には、さらに発泡剤と可塑剤を表1のように添加した。
用いた材料の詳細を以下に示す。
共重合体A:n−ブチルアクリレート/2−ヒドロキシエチルアクリレート(90/10)、発泡性成分を含まない接着剤成分
共重合体B:t−ブチルアクリレート/アクリル酸(95/5)、発泡性成分を含む接着剤成分
共重合体C:n−ブチルアクリレート/t−ブチルアクリレート/2−ヒドロキシエチルアクリレート(48/48/4)、発泡性成分を含む接着剤成分
発泡剤:Bis RS−Ft−BOC(本州化学工業製)、t−ブチルオキシカルボニル構造を持つ発泡剤
可塑剤:リン酸2−エチルヘキシルジフェニル
Figure 2007186607
(発泡性接着剤組成物の評価)
〈感度〉
調製した発泡性接着剤組成物を未処理PETフィルム(60μm)上に乾燥膜厚が25μmになるよう塗布し、乾燥後、未処理PETフィルム(60μm)を重ねて接着させ、接着試験片を得た。重ねたPETフィルム側から、光源に高圧水銀ランプVZero085(Integration社製)を用いて、0.3秒間光照射した。
接着力の測定は、接着試験片から300mm/分の剥離速度で無処理PETフィルムを剥離して180°接着力を測定した。
光照射した接着試験片と光照射していない接着試験片の接着力の測定から下記基準で感度の評価を行った。
◎:光照射接着試験片の接着力が未光照射接着試験片の接着力の20%未満
○:光照射接着試験片の接着力が未光照射接着試験片の接着力の20%以上、60%未満
△:光照射接着試験片の接着力が未光照射接着試験片の接着力の60%以上、80%未満
×:光照射接着試験片の接着力が未光照射接着試験片の接着力の80%以上
評価の結果を表1に示す。
Figure 2007186607
全ての発泡性接着剤組成物が、光照射することにより、発泡性接着剤組成物中のt−ブチルオキシカルボニル構造が分解・発泡し、剥離性が得られるが、一般式(1)で表される光酸発生剤を用いた本発明の発泡性接着剤組成物5〜8は光照射エネルギーに対して高感度であるとが分かる。
また、本発明の発泡性接着剤組成物5〜8は、接着後、剥離するまでの接着力が保存により低下せず、光の照射によりベンゼンを発生したりせず安全性の高い化合物であった。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表される光酸発生剤、下記式(A)で表されるt−ブチルオキシカルボニル構造を持つ発泡性成分及び接着剤成分を含有することを特徴とする発泡性接着剤組成物。
    Figure 2007186607
    (式中、R1〜R17は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、フェノキシ基、エステル基、アリール基、チオエーテル基、チオカルボニル基、スルフィニル基、スルホニル基、アミノ基、アミド基、イミド基、ニトリル基、ホスフィノ基、ホスホニオ基、ホスホリル基、炭素数1〜8のフルオロアルキル基からなる群から選ばれる基であって、同一でも異なっていてもよく、これらの基の官能基以外の部分は炭素数1〜12の飽和脂肪炭化水素基、不飽和脂肪炭化水素基、脂環式炭化水素基、炭素環式芳香族炭化水素基、複素環式芳香族炭化水素基であってもよく、また、R5及びR6は互いに縮合して共有結合となってもよい。Xは1価のアニオンになりうる原子団である。)
    Figure 2007186607
  2. 前記t−ブチルオキシカルボニル構造が、下記式(B)で表されるブチルカーボネート構造であることを特徴とする請求項1に記載の発泡性接着剤組成物。
    Figure 2007186607
  3. 前記接着剤成分が感圧接着剤であることを特徴とする請求項1または2に記載の発泡性接着剤組成物。
  4. 前記接着剤成分がエポキシ基を含有する化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡性接着剤組成物。
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