JP2010234981A - 車両用シート駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コストを低く抑え、自席だけでなく他席の姿勢をも調整することができ、どの座席を調整するのかを事前に知ることができる車両用シート駆動装置を提供する。
【解決手段】2以上の座席1の中から自席を含めて姿勢を調整する座席を選択する座席選択処理手段10a,20aと、座席選択処理手段10a,20aによる選択を報知する報知手段31,32と、所定の復帰条件が成立すると、座席選択処理手段10a,20aによって選択された座席1を強制的に自席に復帰させる復帰手段10b,20bとを有し、制御手段10,20は、座席選択処理手段10a,20aによって切り替えられてから復帰手段10b,20bによって復帰するまで、座席選択処理手段10a,20aによって選択された座席について操作ユニット4の操作に従って駆動機構M10,M20による駆動を制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両内に設けられた2以上の座席の姿勢を個別に調整することができる車両用シート駆動装置に関する。
車両用シート駆動装置は、車両内に設けられた座席を前後に移動させるスライド機構や、背もたれ部(シートバック)の傾斜角を調整するリクライニング機構等を有し、操作部材等を操作して座席を希望する姿勢(シートポジション)に調整することができる。
従来では、リモコンの操作で発信された信号を受信して上記スライド機構やリクライニング機構等を作動させて他席の姿勢を調整する技術も、例えば、特許文献1等に記載されている。
特開2007−269134号公報
しかし、特許文献1に記載された技術では、リモコン(即ち、送信機)と受信機が必要となるので、2種類の機器が必要となりコストが高くならざるを得ない。更に、2以上の座席を個別に姿勢を調整しようとする場合には、座席毎に少なくとも受信機が必要となるので、調整の対象となる座席の数が増えるにつれてコストも高くなる。
また、無線による送受信は外来ノイズ等の影響を受け易く、当該外来ノイズ等の影響を受けた場合は誤作動する可能性がある。この誤作動を防ぐには、外来ノイズ等の影響を受けたか否かを判別するプログラムや回路等が必要になるか、或いは信号から外来ノイズ等を除去するプログラムや回路等が必要になり、結局はコストが高くならざるを得ない。
そこで、本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、コストを低く抑えながらも、自席だけでなく他席の姿勢をも調整することができる車両用シート駆動装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するための手段について以下に記載する。なお、理解を容易にするために、図面に表しており後述する実施の形態における対応要素の符号もしくは対応事項の符号を、例示として参考までに括弧内に付記する。
請求項1にかかる発明の車両用シート駆動装置は、車両内に設けられた2以上の座席(1)の座席周囲の側面のうちの少なくとも一つの側面に配設され、座席(1)の姿勢を制御する駆動機構(M10,M20)を駆動操作するための座席姿勢操作部(移動操作部材(5)及び傾斜操作部材(6))と、前記座席姿勢操作部と共に設けられ、前記2以上の座席(1)の中から自席を含めて姿勢制御する対象の座席(1)を選択操作する座席選択操作部(座席選択スイッチ(11,21))と、前記座席選択操作部の操作に基づき姿勢制御する対象の座席(1)を選択設定する座席選択処理手段(10a,20a)と、座席選択操作部の操作に基づいて選択設定された座席(1)を、座席選択操作部と共に設けられた座席姿勢操作部の操作に従って前記駆動機構(M10,M20)により駆動制御する制御手段(運転席シートECU(10),助手席シートECU(20))とを具備するものである。
ここで、上記駆動機構(M10,M20)は、レール、ボールネジ、カム、リンク、ギア等によって形成されるスライド機構やリクライニング機構等を有し、モータ(M11〜M14,M21〜M24)、シリンダ、ソレノイド等の駆動手段によって座席(1)の姿勢を調整する際に駆動する機構が該当する。この座席(1)の姿勢は、スライド機構による座席(1)の前後移動や、リクライニング機構による背もたれ部(2)の傾斜角や膨張縮小量、着座部(3)の傾斜角、座席(1)の高さ、ヘッドレスト(H)の高さ及び傾斜角等のように、座席(1)を構成する要素(パーツ)のうちで可動な要素を変化させて得られる状態を意味する。
上記座席姿勢操作部(移動操作部材(5)及び傾斜操作部材(6))は、座席(1)の姿勢を変化させるにあたって人が操作可能な機器であれば任意であるが、操作内容は有線信号として制御手段(10,20)に伝達することを前提とする。
また、上記座席選択処理手段(10a,20a)は、座席姿勢操作部及び座席選択操作部の操作に基づく制御対象を特定するものとして機能する。座席選択操作部は手で操作可能または手を検知可能であればよく、具体的には、接触型センサ(例えば、押しボタンスイッチ等)や、非接触型センサ(例えば、近接センサ(12,22)、温度センサ、イメージセンサ等)が用いられる。近接センサ(12,22)については後述する。温度センサは、物体(特に、人体の手)の温度(赤外線)を検知することで、手の接近を検知する。イメージセンサ(例えば、CCDセンサや赤外線センサ等)によって物体を撮像し、撮像した画像に手が含まれているか否かを制御手段(10,20)等で判別することによって手の接近を検知する。他に手の動きに伴って生じる気流(気圧)を検知することで、手の接近を検知する流速センサの使用も可能である。
そして、上記制御手段(10,20)は、駆動機構(M10,M20)による駆動制御するものであり、CPUを中心に構成してもよく、電子回路で構成してもよい。また、座席選択処理手段(10a,20a)、報知手段(30,31,32)及び後述する復帰手段(10b,20b)のうちの1以上の手段を内蔵してもよい。
請求項2にかかる発明の車両用シート駆動装置の座席選択操作部として、機械的に行う操作スイッチ(11,21)及び手の接近を検知する近接センサ(12、22)を用い、座席選択処理手段(10a,20a)は、前記操作スイッチ(11,21)及び前記近接センサ(12、22)から入力される操作信号に基づいて選択操作の有無及び選択操作態様を入力する。
この座席選択操作部としての機械的な操作スイッチは、操作を検知する機能を有していればよく、接点型・無接点型・静電容量型等のタイプを問わない。
請求項3にかかる発明の車両用シート駆動装置は、更に、座席選択処理手段(10a,20a)により選択設定された座席(1)を、光及び音の何れか一方または両方で報知する報知手段(30,31,32)を具備するものである。
ここで、表示器31、スピーカ32の何れか一方または両方からなる報知手段は、車両に搭載しているナビゲーション、コントローラ、TV等のディスプレイを表示器31として、また、それらのスピーカまたはブザーを音声の発生源とするスピーカ32と兼用することができる。前記報知手段(30,31,32)は、音及び表示のうちで一方または双方によって報知を行うものである。
この報知手段(30,31,32)は、手の検知や、座席(1)の選択された座席(1)等を知らせることができる手段であればよい。例えば、スピーカ(32)、ブザー等のような音響機器から発する音(音声を含む)や、LCD、LED、EL、プラズマ等のような表示器(31)で行う表示(発光や色表示を含む)、バイブレータ等のような振動機器を用いた振動等が該当する。
請求項4にかかる発明の車両用シート駆動装置は、更に、復帰手段(10b,20b)を具備し、制御手段(10,20)の行った駆動機構(M10,M20)の駆動制御によって、座席(1)の姿勢制御する対象の座席(1)を自席以外の座席(1)に設定した状態にあっては、予め設定された所定の復帰条件が成立した際に、前記姿勢制御する対象の座席(1)を従前の位置に復帰させるものである。
上記復帰手段(10b,20b)は、座席選択処理手段(10a,20a)によって選択された座席(1)から、メモリ等の記憶手段(10c,20c)に格納された座席(1)の状態等、本来設定されたその席の状態に強制的に復帰させるように構成されていればよく、その機能形態(例えば、プログラムや回路等)を問わない。
このときの所定の復帰条件は、座席(1)の選択を行ってから十分の時限が経過する等のように、操作者が座席(1)を選択した後に自席に戻すのを忘れたか否かを判別する条件であれば、任意の条件を設定することができる。例えば、座席選択処理手段(10a,20a)によって座席(1)が選択されてから、所定の時間が経過したことや、座席選択処理手段(10a,20a)によって座席(1)が選択された後であって移動操作部材(5)及び傾斜操作部材(6)からなる座席姿勢操作部及び座席選択スイッチ(11,21)からなる座席選択操作部の操作が行われなくなってから所定の無操作時限を経過すること、車両のイグニッションスイッチが切り替わった(即ち、オフからオンに、オンからオフに)こと等が該当する。
請求項5にかかる発明の車両用シート駆動装置の復帰手段(10b,20b)は、前記所定の復帰条件として、前記座席選択処理手段(10a,20a)によって座席(1)が選択されてから所定の時限が経過したこと、座席選択処理手段(10a,20a)によって座席(1)が選択された後であって、座席姿勢操作部(移動操作部材(5)及び傾斜操作部材(6))及び座席選択操作部(座席選択スイッチ(11,21))の操作が行われなくなってから所定の無操作時限を経過したこと、前記車両のイグニッションスイッチが切り替わったこと、のうちで何れか1以上の条件を満たすものである。
請求項6にかかる発明の車両用シート駆動装置の前記制御手段(運転席シートECU(10),助手席シートECU(20))は、座席選択処理手段(10a,20a)により自席以外の座席(1)が選択設定された状態にあっては、音声によって報知を行う報知手段(30,31,32)により、座席姿勢操作部の操作内容を報知するものである。即ち、自席以外の座席(1)を選択しているとき、座席姿勢操作部(5,6)及び座席選択操作部(11,21)の操作内容を報知手段によって報知するものである。なお、報知手段としては、スピーカ(32)による音声報知を必須とするものの、表示器(31)による視覚報知を併用したものであってもよい。
請求項7にかかる発明の車両用シート駆動装置において、制御手段(10,20)は、自席の姿勢を記憶する記憶手段(10c,20c)を有し、記憶手段(10c,20c)に記憶された2以上の姿勢の中から1つの姿勢に選択可能な姿勢選択操作部(移動操作部材(5)及び傾斜操作部材(6))を有し、姿勢選択操作部で選択操作された前記1つの姿勢となるよう駆動機構(M10,M20)を駆動制御して、目的の座席(1)の姿勢を調整するものである。
請求項8にかかる発明の車両用シート駆動装置の座席姿勢操作部(移動操作部材(5)及び傾斜操作部材(6))及び座席選択操作部(座席選択スイッチ(11,21))は、少なくとも運転席に配設したものである。
請求項1の発明によれば、選択された座席(1)の姿勢を任意に調整することができ、リモコンのように新たな操作方法を付加する必要がなく、装置のコストを低く抑えることができる。
請求項2の発明によれば、操作スイッチ(11,21)及び近接センサ(12,22)の動作状態によって座席選択処理手段(10a,20a)は、座席選択操作部の操作有無を判断することができるため、座席選択処理手段(10a,20a)で処理する信号が信頼性の高いものとなる。
請求項3の発明によれば、報知手段(30,31,32)は音や表示で報知を行うものであるから請求項1または請求項2に記載した効果に加えて、手の検知や、座席(1)の選択、選択された座席(1)、座席姿勢操作部(移動操作部材(5)及び傾斜操作部材(6))及び座席選択操作部(座席選択スイッチ(11,21))の操作内容等について、操作者や着座者等に確実に伝達することができる。特に、例えば、報知手段(30,31,32)によって座席選択処理手段(10a,20a)による選択が報知されるので、どの座席(1)の姿勢が変化するのかを事前に知ることができる。
請求項4の発明によれば、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の効果に加えて、復帰手段(10b,20b)が選択された座席(1)を、メモリ等の記憶手段(10c,20c)に格納された座席(1)の状態等、本来設定されたその席の状態に復帰させるので、選択操作を戻すのを忘れるという意図しない姿勢の変化を防止することができる。
請求項5の発明によれば、請求項4に記載した効果に加えて、座席(1)の選択解除忘れ等によって、座席(1)の意図しない姿勢変化を未然に防止することができる。
請求項6の発明によれば、請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載した効果に加えて、操作する者はその操作しようとする内容をスピーカ(32)による報知に基づいて認識することができ、着座者は操作に伴う姿勢変化を予め知ることができる。しかも、スピーカ(32)によって報知がなされることから、例えば、表示報知等に比べて認識率が高くなる。なお、好ましくはスピーカによる音声報知と表示報知とを併用すると、より認識率を高めることができる。
請求項7の発明によれば、請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載した効果に加えて、記憶手段(10c,20c)に記憶されている姿勢に変化させることができる。特に、近接センサ(12,22)による手の検知によって自席の姿勢を変化させる場合には、手を近接センサ(12,22)に接近させるだけで記憶させた姿勢に調整できるので、操作が簡単になる。
請求項8の発明によれば、請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載した効果に加えて、座席姿勢操作部及び座席選択操作部を、少なくとも車両シ一トのうち最も使用頻度が高い運転席(1a)に配設することにより、運転席(1a)から助手席等、他の座席姿勢を調整することができ、利便性の高いものとすることができる。
図1は本発明の実施の形態1の車両用シート駆動装置における操作ユニットを備えた座席の構成例を示す斜視図である。 図2(a)は本発明の実施の形態1の車両用シート駆動装置における運転席の操作ユニットの構成例を示す正面図で、(b)は助手席の操作ユニットの正面図である。 図3は本発明の実施の形態1の車両用シート駆動装置におけるシステムブロックを示す模式図である。 図4は本発明の実施の形態1の車両用シート駆動装置の運転席処理を示すフローチャートである。 図5は本発明の実施の形態1の車両用シート駆動装置の検知処理を示すフローチャートである。 図6は本発明の実施の形態1の車両用シート駆動装置における手の検知を説明するグラフ図である。 図7は本発明の実施の形態1の車両用シート駆動装置の助手席処理を示すフローチャートである。 図8は本発明の実施の形態1の車両用シート駆動装置の報知処理を示すフローチャートである。 図9は本発明の実施の形態2の車両用シート駆動装置におけるシステムブロックを示す模式図である。 図10は本発明の実施の形態2の車両用シート駆動装置の助手席処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図中、実施の形態の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機構部分であるから、ここでは重複する説明を省略する。
〔実施の形態1〕
実施の形態1は、運転席にのみ移動操作部材5及び傾斜操作部材6からなる座席姿勢操作部及び座席選択スイッチ11,21からなる座席選択操作部を備え、運転席(自席)及び運転席以外の座席の姿勢を変化させる例であって、図1乃至図8を参照しながら説明する。
図1において、座席1は車両内に設置され、レール、ボールネジ、カム、リンク、ギア等によって形成されるスライド機構、リクライニング機構、チルト機構、リフタ機構等を有し、駆動手段によって姿勢を調整可能に構成された駆動機構を備える。これらの各機構は周知のリクライニングアジャスタ機能、シートリフタ機能、ランバサポートアジャスタ機能、サイドサポートアジャスタ機能、ヘッドレストレイント機能の技術で構成することが可能である。
例えば、スライド機構及びリフタ機構は、座席1全体を移動可能にするレールや、座席1(例えば、着座部3)のフレームに固定したボールネジ等で形成し、当該ボールネジと噛み合うギアを回転させるモータM12,M22,M14,M24を駆動手段として用いる。また、リクライニング機構は、背もたれ部2のフレームに備えたギア等で形成し、当該ギアと噛み合うギアを回転させるモータM13,M23を駆動手段として用いる。更に、チルト機構は、着座部3のフレームに固定されたラックや、当該ラックのギアと噛み合うピニオンギア等で形成し、ピニオンギアを回転させるモータM11,M21を駆動手段として用いる。駆動手段には、図示するモータM11,M12,M13,M14,M21,M22,M23,M24等を用いてもよく、他の駆動手段(例えば、シリンダやソレノイド等)を用いてもよい。なお、図示しないが、ヘッドレストHの高さや傾斜角等を調整する機構や、背もたれ部2の傾度を調整する機構等を備えることもできる。
この座席1は、ヘッドレストH、背もたれ部2、着座部3、移動操作部材5及び傾斜操作部材6からなる座席姿勢操作部及び座席選択スイッチ11,21からなる座席選択操作部からなる操作ユニット4等を有する。着座者は、着座部3に腰を下ろし、背もたれ部2に背中をもたれて着座する。この座席1は、ドア側の側面に設置するために位置や配置が異なる操作ユニット4を除けば、運転席1aと助手席1bとで共通する。
なお、後部座席についても駆動機構によって姿勢を調整可能に構成されていれば、同様に取り扱うことができる。
座席1は、全体として上下方向(矢印D2方向)と前後方向(矢印D3方向)とを個別に移動して調整することができる。背もたれ部2は、後傾斜方向(矢印D1方向)に傾斜させることができる。着座部3は、前傾斜方向(矢印D4方向)に傾斜させることができる。こうした移動や傾斜を調整して得られる座席1の姿勢は、座席1のドア側の側面に配設された操作ユニット4を操作することで可能になる。
図2には、各席に備える移動操作部材5及び傾斜操作部材6からなる座席姿勢操作部及び座席選択スイッチ11,21からなる座席選択操作部としての操作ユニット4の構成例を示す。具体的には、運転席1aに備える運転席操作ユニット4aを図2(a)に示す。なお、実施の形態1では運転席1aに運転席操作ユニット4aを備えるのみで発明を実現できるので、図2(b)に示す助手席操作ユニット4bについては後述する実施の形態2において説明する。
図2(a)に示す運転席操作ユニット4aは、後述する運転席シートECU10(図3を参照)を備えるとともに、操作ユニット4を構成する機械的に行う機械的操作スイッチとしての移動操作部材5及び傾斜操作部材6、座席選択スイッチ11及び近接センサ12等を有する一体化ユニットである。
この運転席操作ユニット4aは、座席1の側面(本発明を説明する「側面」とは、座席の左側面、右側面、前方側面のうちの何れか1つを意味し、本実施の形態では右側面とする)に配設されている。
通常、移動操作部材5、傾斜操作部材6、座席選択スイッチ11は突出形状として形成されるが、操作間違いが生じないように、運転席操作ユニット4aのベース4Aの周囲を凸状とし、即ち、ベース4Aの縦または横断面を略凹字状とし、ベース4Aの略凹部の周囲よりも移動操作部材5、傾斜操作部材6、座席選択スイッチ11、近接センサ12等を低く形成することができる。なお、近接センサ12は、座席選択スイッチ11のトップ(先端)に形成してもよい。
移動操作部材5は、運転席1a(座席1)の位置姿勢を調整可能な複合操作部材であって、図2(a)に示す矢印D2、D4方向への傾倒操作により、着座部3の後部上下方向(図1に示す矢印D2方向)、前部上下方向(図1に示す矢印D4方向)の上下方向の移動操作を指示する。また、図2(a)に示す矢印D3方向へのスライド操作により、着座部3の前後方向(図1に示す矢印D3方向)の移動操作を指示する。具体的には、前部上下方向の操作をチルトスイッチ13で検知し、後部上下方向の操作をリフタスイッチ16で検知し、前後方向をスライドスイッチ14で検知する(図3を参照)。
傾斜操作部材6は、運転席1a(座席1)の背もたれ部2の傾斜姿勢を調整可能な操作部材であって、図2(a)に示す矢印D1方向への傾倒操作により、背もたれ部2の下端を軸心とした傾斜(図1に示す矢印D1方向)への傾斜操作を指示する。具体的には、傾斜操作部材6の傾斜方向をリクライニングスイッチ15で検知する(図3を参照)。
座席選択スイッチ11は、自席を含めて姿勢を調整する対象となる座席1を選択するためのスイッチであって、例えば、モーメンタリ動作型のスイッチが用いられる。近接センサ12は、座席選択スイッチ11の周囲を囲むように配置し、人体(特に、手)の接近を検知する。接近を検知する感度(距離)は任意に設定可能であるが、例えば、15〜20[mm]程度に設定するのが望ましい。
次に、本実施の形態の車両用シート駆動装置の制御を行う構成例について、図3に示すブロック図を参照しながら説明する。
図3において、運転席シートECU10、助手席シートECU20及び車内ECU30は、システムバスBUSに対して電気的に接続されており、これらのECU間または他のECUとの間の通信が可能になっている。各ECUは、例えば、CPU、ROM、RAM等を備え、ECU毎の機能を実現するためのプログラムを実行可能に構成される。
なお、以下の説明で「接続」と言う場合には、特に明示しない限り、電気的な接続を意味する。また、上述した要素には同一の符号を付し、構成や機能等の説明を省略する。
運転席シートECU10は、運転席1aの姿勢を制御する機能のほかに、本発明を実現するために座席選択処理回路としての座席選択処理手段10a、復帰手段10b、記憶手段10c等を有する。この運転席シートECU10には、座席選択スイッチ11、近接センサ12、FRチルトスイッチ13、スライドスイッチ14、リクライニングスイッチ15、リフタスイッチ16、モータ群M10等が接続されている。モータ群M10は、FRチルトモータM11、スライドモータM12、リクライニングモータM13、リフタモータM14等である。
座席選択処理手段10aは、座席選択スイッチ11から入力される操作信号の有無に基づいて、運転席1a(自席)を含む2以上の座席の中から姿勢を制御する対象となる座席1を選択するように、ROMに記憶されたプログラム(具体的には、後述する図4に示す運転席処理のステップS15,S16,S18が該当する。)をCPUが実行することにより実現される処理ステップであり、処理回路である。
復帰手段10bは、座席選択処理手段10aによって選択された座席1を強制的に運転席1a(自席)に復帰させるようにするため、ROMに記憶されたプログラム(具体的には、後述する図4に示す運転席処理のステップS12,S16,S19が該当する。)をCPUが実行することにより実現される処理ステップであり、処理回路である。
記憶手段10cは、運転席1a(自席)の姿勢を記憶できれば任意の記憶媒体を用いることができる。例えば、運転席シートECU10内に備えたRAMでもよく、車内に備えられる記録媒体でもよい。記録媒体の例としては、半導体メモリ(フラッシュメモリを含む)、磁気テープ、磁気ディスク、磁気ドラム、MD、光ディスク、MO、ICカード、光カード、メモリカード等のうちの1以上が該当する。
FRチルトモータM11は、FRチルトスイッチ13の操作に従って駆動し、運転席1aの着座部3を前傾斜方向(図1に示す矢印D4方向)に動かす。スライドモータM12は、スライドスイッチ14の操作に従って駆動し、運転席1a全体を前後方向(図1に示す矢印D3方向)に動かす。リクライニングモータM13は、リクライニングスイッチ15の操作に従って駆動し、運転席1aの背もたれ部2を後傾斜方向(図1に示す矢印D1方向)に動かす。リフタモータM14は、前部上下方向の操作をチルトスイッチ13で検知し、後部上下方向の操作をリフタスイッチ16で検知する。そして、同時に、リフタスイッチ16の操作に従って駆動し、運転席1aの全体(着座部3)を上下方向(図1に示す矢印D2、D4方向)に動かすこともできる。
助手席シートECU20は、助手席1bの姿勢を制御する機能を有する。この助手席シートECU20には、FRチルトスイッチ23、スライドスイッチ24、リクライニングスイッチ25、リフタスイッチ26、モータ群M20等が接続されている。モータ群M20は、FRチルトモータM21、スライドモータM22、リクライニングモータM23、リフタモータM24等である。
FRチルトモータM21は、FRチルトスイッチ23の操作に従って駆動し、助手席1bの着座部3を前傾斜方向(図2に示す矢印D4方向)に動かす。スライドモータM22は、スライドスイッチ24の操作に従って駆動し、助手席1b全体を前後方向(図2に示す矢印D3方向)に動かす。リクライニングモータM23は、リクライニングスイッチ25の操作に従って駆動し、助手席1bの背もたれ部2を後傾斜方向(図2に示す矢印D1方向)に動かす。リフタモータM24は、リフタスイッチ26の操作に従って駆動し、助手席1b全体を上下方向(図2に示す矢印D2方向)に動かす。
車内ECU30には、表示器31、スピーカ32等が接続されている。表示器31は、姿勢を調整する対象となる座席1やその他の情報を報知できれば任意の機種を用いることができる。例えば、LCD、LED、EL、プラズマ等のディスプレイが該当する。
なお、表示器31やスピーカ32は、他の目的(例えば、ナビゲーションシステム等)で車内に設置されている表示器やスピーカを共用してもよく、既存の表示器やスピーカとは別個に設置してもよい。
上述した構成において、運転席1aに配設した運転席操作ユニット4aを操作して他席(ここでは助手席1bとする。)の姿勢を調整するための処理例について、図4乃至図8を参照しながら説明する。なお、図4の運転席処理及び図5の検知処理は運転席シートECU10で実現され、図7の助手席処理は助手席シートECU20で実現され、図8の報知処理は車内ECU30で実現される。運転席処理、検知処理、助手席処理及び報知処理は、イグニッションスイッチがオンになっている限り、いずれも繰り返し実行される。
図4に示す運転席処理では、先にステップS10乃至ステップS20を説明し、後でステップS30乃至ステップS35を説明する。
まず、近接センサ12が手を検知したか否かを判別する〔ステップS10〕。具体的な処理内容については、図5を参照して後述する。もし、近接センサ12が手を検知しないときは無効(NO)、検知したときは有効(YES)とする。近接センサ12が手を検知しない無効(NO)のとき、システムバスBUSを通じて車内ECU30に信号(報知指令)を伝達して報知を停止状態とする〔ステップS11〕。姿勢を変化させる対象となる座席1(即ち、運転席1aまたは助手席1b)に対して、現実に何らかの情報を報知しているか否かにかかわらず報知停止信号が伝達されるので、誤作動等に伴う報知があっても確実に停止させることができる。
報知を停止した後、所定の時限を経過したか否かを判別する〔ステップS12〕。所定の時限を何秒、何分に設定するかは任意であるが、例えば、図4のステップS10で前回手を検知したことを起点とすると、所定の無検知時限が経過したか否かを判別する。また、図4のステップS20の実行によって対象を助手席1bに選択したことを起点として、所定の選択経過時限の経過を判別する。更に、図4のステップS30で運転席操作ユニット4aの操作が前回行われたときを起点とし、所定の無操作時限を経過したか否かを判別する。操作ユニット4の選択後の経過時限、即ち、無操作時限にはそれぞれ適切な長さ(時間)を設定することができ、例えば、20秒間、15秒間、30秒間等である。
もし、所定の時限を経過したときは(YES)、対象を運転席1aに設定したうえで〔ステップS16〕、後述するステップS30に進む。これに対して、ステップS12で所定の時限が経過していなければ(NO)、そのまま後述するステップS30に進む。
ステップS10で近接センサ12が手を検知したときは(YES)、姿勢を変えようとする対象が運転席1aに設定されているか否かを判別する〔ステップS13〕。例えば、上述したステップS16の実行のほかに、イグニッションスイッチが切り替わったとき、車速が許容速度(例えば、10[Km/h])を超えたとき等でも、対象は運転席1aに強制的に設定される。
もし、対象が運転席1aに設定されていないときは(NO)、システムバスBUSを通じて車内ECU30に信号(報知指令)を伝達して現在の対象が助手席1bであることを報知し〔ステップS14〕、ステップS10で手を検知した後に座席選択スイッチ11が操作されたか否かを判別する〔ステップS15〕。もし、座席選択スイッチ11が操作されていないときは(NO)、上述したステップS12に進む。これに対して、ステップS15で座席選択スイッチ11が操作されたときは(YES)、対象を運転席1aに設定したうえで〔ステップS16〕、後述するステップS30に進む。
ステップS13で対象が運転席1aに設定されているときは(YES)、システムバスBUSを通じて車内ECU30に信号(報知指令)を伝達して現在の対象が運転席1aであることを報知し〔ステップS17〕、ステップS15と同様にステップS10で手を検知した後に座席選択スイッチ11が操作されたか否かを判別する〔ステップS18〕。
もし、座席選択スイッチ11が操作されていないときは(NO)、ステップS12と同様に所定の時限を経過したか否かを判別する〔ステップS19〕。所定の時限が経過したときは(YES)、対象を運転席1aに設定したうえで〔ステップS16〕、後述するステップS30に進む。これに対して、所定の時限が経過していなければ(NO)、そのまま後述するステップS30に進む。
なお、ステップS12及びステップS19で行う判別は、使用目的や設定等に応じて何れか一方のステップを省略してもよい。一方のステップを省略しても、他方のステップで所定の時限を経過したか否かを判別するので、強制的に対象を運転席1aに設定することが可能である。
一方、ステップS18で座席選択スイッチ11が操作されたときは(YES)、対象を助手席1bに設定するか、あるいは記憶手段10cに記憶された運転席1a(自席)の姿勢のうちの何れかに設定したうえで〔ステップS20〕、後述するステップS30に進む。
なお、ステップS20の姿勢設定は、座席1と記憶姿勢とを切り替えられるのが望ましい。例えば、記憶手段10cに2個の姿勢(第1姿勢と第2姿勢)が記憶されていた場合、助手席1b⇒第1姿勢⇒第2姿勢⇒助手席1b⇒…のように順に切り替えて設定する方法が該当する。或いは、ステップS16と合わせて、運転席1a⇒助手席1b⇒第1姿勢⇒第2姿勢⇒運転席1a⇒助手席1b⇒…のように順に切り替えて設定する方法もある。また、特定のメモリスイッチを準備し、それに対応させても良い。したがって、2以上記憶された姿勢の中から1個の姿勢を選択して設定できる。
ステップS30では、運転席1aの姿勢を調整する操作が行われたか否かを判別する。具体的には、図2(a)に示す移動操作部材5または傾斜操作部材6が操作されたか否かを判別する。もし、操作が行われていなければ(NO)、システムバスBUSを通じて助手席シートECU20に信号(助手席駆動停止指令)を伝達して作動を停止し〔ステップS31〕、必要に応じて運転席1a(自席)の作動を停止したうえで〔ステップS32〕、運転席処理をリターンする。自席や他席の作動を停止させる信号が伝達されるので、誤作動等があっても確実に停止させることができる。
ステップS30で操作が行われたときは(YES)、対象が運転席1aか否かで処理を分岐する〔ステップS33〕。即ち、運転席1aに設定されているときは(YES)、運転席1aの姿勢を変えたうえで〔ステップS34〕、運転席処理をリターンする。運転席1aの姿勢を調整するにあたっては、必要に応じて姿勢の変更内容を車内ECU30に信号(報知指令)で伝達して報知し、自席の駆動機構を制御する。
即ち、FRチルトスイッチ13の操作に従ってFRチルトモータM11を駆動し、スライドスイッチ14の操作に従ってスライドモータM12を駆動し、リクライニングスイッチ15の操作に従ってリクライニングモータM13を駆動し、リフタスイッチ16の操作に従ってリフタモータM14を駆動する。一方、助手席1bに設定されているときは(YES)、システムバスBUSを通じて、必要に応じて姿勢の変更内容を車内ECU30に信号(報知指令)で伝達して報知し、助手席シートECU20に信号(助手席駆動指令)を伝達して助手席1bの姿勢を変えたうえで〔ステップS35〕、運転席処理をリターンする。
次に、上述した図4のステップS10において、近接センサ12が物体(特に、手)を検知したか否かの判別方法について、図5に示した具体的な処理例を参照しながら説明する。
まず、近接センサ12から出力される信号(パルス信号またはアナログ信号)に基づいて最初に手を検知しているか否かを判別する〔ステップS40〕。もし、何も検知していなければ(NO)、そのまま検知処理をリターンする。したがって、図4のステップS10では「手を検知していない」として処理される。
ステップS40で手を検知したときは(YES)、運転席シートECU10に内蔵されているタイマの計時を開始し〔ステップS41〕、近接センサ12から出力されるアナログ信号の特性測定を開始する〔ステップS42〕。
これらの開始とともに、システムバスBUSを通じて車内ECU30に信号(報知指令)を伝達して報知を報知する〔ステップS43〕。具体的には、「手を検知しました」「姿勢を調整する座席を指定して下さい」等のメッセージを表示したり、LED等のランプを点灯(点滅を含む)したり、音声を出したりする。こうした報知は、近接センサ12が手を検知する限り継続される(ステップS46でYES)。
近接センサ12による手の検知が所定の継続時限を経過しても行われるか(ステップS44でYES)、あるいは測定された特性が所定範囲内の特性であれば(ステップS45でYES)、手が誤って近接センサ12に接近したのではなく、座席選択スイッチ11を操作しようとして意図的に接近したと考えられるため、近接センサ12による検知を有効なものとして〔ステップS48〕、検知処理をリターンする。したがって、図4のステップS10では「手を検知した」として処理される。
これに対して、ステップS10で手を検知したにもかかわらず、手の検知が所定の時限を経過する前であり(ステップS44でNO)、測定された特性が所定範囲外の特性であり(ステップS45でNO)、しかも近接センサ12による手の検知を継続しなくなったときは(ステップS46でNO)、誤って近接センサ12に接近したと考えられるので、手の検知を無効なものとして〔ステップS48〕、検知処理をリターンする。したがって、図4のステップS10では「手を検知していない」として処理される。
上述した図5の検知処理では、手の検知を有効とするには、内蔵タイマによる計時を行って所定の時限を経過するか(ステップS44)、あるいは測定した特性が所定範囲内に入っている(ステップS45)ことを条件とした。この処理に代えて、何れか一方の条件が成立したときにのみ有効としてもよく、双方の条件が成立したときにのみ有効としてもよい。例えば、前者の内蔵タイマによる計時を行って所定の時限を経過することを条件とする場合には、特性に関するステップS42,S45の処理が不要となる。逆に、後者の特性が所定範囲内に入ることを条件とする場合には、計時に関するステップS41,S44の処理が不要となる。
上述したステップS45における所定範囲内の特性か否かを判別する方法の一例について、図6を参照しながら説明する。
例えば、落とした物を拾うときは、その物に向かって比較的急に手を移動させることが多い。一方、運転席操作ユニット4aはドア側の側面に設置されており、着座した状態では直接見にくいため、座席選択スイッチ11を操作しようとすると手探りになり、比較的ゆっくり移動させることが多い。前者のような場合は近接センサ12による手の検知を無効とし、後者のような場合は近接センサ12による手の検知を有効とする必要がある。
図6は、縦軸を検知レベル(信号レベル)とし、横軸を時間tの経過として、信号の経時的変化、即ち、特性(波形)として示す。破線で示す特性42から特性44までの範囲内であれば、手探りで近接センサ12に手が接近したと考えられる。実線で示す特性43がこの範囲内に収まるので、図5のステップS45では「所定範囲内の特性」と判別される。
一方、例えば、実線で示す特性41は、始めは急激に検知レベルが上昇した後、急激に検知レベルが降下している。このような変化は、落とした物を拾う等によって一時的に手が近接センサ12に接近したと考えることができる。したがって、特性41のように変化する場合は、図5のステップS45では「所定範囲外の特性」と判別される。
なお、図6では実線で示す特性41及び特性43を例に説明したが、これらの判別法に限らず、手の検知を有効とするか無効とするかに立ち上がり角度、ピーク値、変化率等、または時間−検知レベル特性の波形として、判別するのに適切な判別法に従って判別を行うように制御してもよい。
次に、助手席シートECU20で実行される助手席1bの制御処理について、図7を参照しながら説明する。
まず、助手席1bの助手席操作ユニット4bに備えられた操作部材、即ち、図2(b)に示す移動操作部材5または傾斜操作部材6が操作されたか否かを判別する〔ステップS50〕。具体的には、図3に示すFRチルトスイッチ23、スライドスイッチ24、リクライニングスイッチ25、リフタスイッチ26がオンか、オフかを判別する。操作部材が操作されたときは(YES)、操作された操作部材に対応して助手席1bの姿勢を変えたうえで〔ステップS51〕、助手席処理を終えてリターンする。
一方、ステップS50で何も操作されていないときは(NO)、システムバスBUSを通じて他のECU(特に、運転席シートECU10)から助手席1bの姿勢を調整するための信号(助手席駆動指令)を受信したか否かを判別する〔ステップS52〕。この手順で処理するのは、助手席1bでの操作を他席に優先して姿勢を調整するためである。
もし、駆動指令を受信したときは(YES)、その駆動指令の内容に従って助手席1bの姿勢を変えたうえで〔ステップS53〕、助手席処理を終えてリターンする。これに対して、ステップS52で駆動指令を受信しないときは(NO)、そのまま助手席処理を終えてリターンする。
次に、車内ECU30で実行される報知の制御処理について、図8を参照しながら説明する。
図8に示すフローチャートは、説明を簡単にするために、運転席シートECU10から受信する報知指令を処理するための手続きを示す。具体的には、図4に示すステップS14,S17で姿勢を調整する対象となる座席の報知や、図5に示すステップS43で警告の報知を行う例である。なお、車内ECU30が受信する報知指令は、実際には図8に示した以外の指令内容である場合も多く、それぞれの指令内容に従って報知が行われる。
まず、システムバスBUSを通じて他のECUから報知を行うための信号(報知指令)を受信したか否かを判別する〔ステップS60〕。もし、報知指令を受信しないときは(NO)、報知を停止したうえで〔ステップS61〕、報知処理を終えてリターンする。現実に報知を行っているか否かにかかわらず停止するので、誤作動等に伴う報知があっても確実に停止させることができる。
ステップS60で他のECUから報知指令を受信したときは(YES)、受信した報知指令の内容に従って分岐する〔ステップS64〕。即ち、指令内容が「運転席選択」であればステップS62に進み、指令内容が「助手席選択」であればステップS65に進み、指令内容が「報知」であればステップS67に進む。
指令内容が「運転席選択」のときは、運転席が選択された旨について、スピーカ32から音声を出力し〔ステップS62〕、表示器31に表示を行ったうえで〔ステップS63〕、報知処理を終えてリターンする。この報知を認識した者は、運転席1aに備えられた運転席操作ユニット4aの移動操作部材5や傾斜操作部材6を操作すると、運転席1aの姿勢を変えられることが分かる。
なお、音声出力及び表示出力は、何れか一方のみを行ってもよい。双方を行う場合は同時に行ってもよく、一方を先に行った後に時間をずらして他方を行ってもよい。このことは、後述する「助手席選択」や「報知(警告)」の各報知を行う場合も同様である。
指令内容が「助手席選択」のときは、助手席が選択された旨について、スピーカ32から音声を出力し〔ステップS65〕、表示器31に表示を行ったうえで〔ステップS66〕、報知処理を終えてリターンする。この報知を認識した者は、運転席1aに備えられた運転席操作ユニット4aの移動操作部材5や傾斜操作部材6を操作すると、助手席1bの姿勢を変えられることが分かる。
指令内容が「報知(警告)」のときは、近接センサ12が手等を検知した旨について、スピーカ32から音声を出力し〔ステップS67〕、表示器31に表示を行ったうえで〔ステップS68〕、報知処理を終えてリターンする。この報知を認識した者は、運転席1aに備えられた運転席操作ユニット4aの座席選択スイッチ11に手が接近していることが分かる。
〔実施の形態2〕
実施の形態2は、運転席及び助手席の移動操作部材5及び傾斜操作部材6からなる座席姿勢操作部及び座席選択スイッチ11,21からなる座席選択操作部を有する操作ユニット4の双方で自席以外の座席の姿勢を変化させる例であって、図2(b)、図9及び図10を参照しながら説明する。
図2(b)は本実施の形態2の操作ユニット4の構成例を示し、図9は本実施の形態2のシステムブロックを示す模式図であり、図10は本実施の形態2の車両用シート駆動装置の助手席処理を示すフローチャートである。なお、図示及び説明を簡単にするために、実施の形態2では実施の形態1と異なる点について説明する。よって、実施の形態1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
図2(b)には、助手席1bに備える助手席操作ユニット4bの構成例を示す。この助手席操作ユニット4bは、図2(a)に示す運転席操作ユニット4aと比べると、各席のドア側の側面に備えるため、各操作部材の配置が逆になっている。
図2(b)に示す助手席操作ユニット4bは、後述する助手席シートECU20(図9を参照)を備えるとともに、移動操作部材5、傾斜操作部材6、座席選択スイッチ21、近接センサ22等を有する一体化ユニットである。
移動操作部材5は、助手席1b(座席1)の位置姿勢を調整可能な複合操作部材であって、図2(b)に示す矢印D2、D4方向への傾倒操作により、着座部3の後部上下方向(図1に示す矢印D2方向)、前部上下方向(図1に示す矢印D4方向)の上下方向の移動操作を指示する。また、図2(b)に示す矢印D3方向へのスライド操作により、着座部3の前後方向(図1に示す矢印D3方向)の移動操作を指示する。具体的には、前部上下方向の操作をチルトスイッチ23で検知し、後部上下方向の操作をリフタスイッチ26で検知し、前後方向をスライドスイッチ24で検知する(図9を参照)。
傾斜操作部材6は、助手席1b(座席1)の背もたれ部2の傾斜姿勢を調整可能な操作部材であって、図2(b)に示す矢印D1方向への傾倒操作により、背もたれ部2の下端を軸心とした傾斜(図1に示す矢印D1方向)への傾斜操作を指示する。具体的には、傾斜操作部材6の傾斜方向をリクライニングスイッチ25で検知する(図9を参照)。
座席選択スイッチ21は、自席を含めて姿勢を調整する対象となる座席1を選択するためのスイッチであって、実施の形態1に説明した座席選択スイッチ11と同様のスイッチが用いられる。近接センサ22は、座席選択スイッチ21の周囲を囲むように検知表面を露出させ、物体(特に、手)の接近を検知する。接近を検知する感度(距離)は、実施の形態1に説明した近接センサ12と同様に設定する。
次に、制御を行うための構成例について、図9に示すブロック図を参照しながら説明する。図9は、図3と比べて相違しているのは、大別して二点である。第一点は、助手席シートECU20に、座席選択処理手段20a、復帰手段20b、記憶手段20cを備えたことである。第二点は、助手席シートECU20に座席選択スイッチ21及び近接センサ22を接続したことである。座席選択スイッチ21及び近接センサ22については上述したので、座席選択処理手段20a、復帰手段20b、記憶手段20cについて説明する。
座席選択処理手段20aは、座席選択スイッチ11から入力される操作信号の有無に基づいて、運転席1a(自席)を含む2以上の座席1の中から助手席1b(自席)を含めて姿勢を調整する座席1を選択するようにするため、座席選択スイッチ21と、ROMに記憶されたプログラム(具体的には、後述する図10に示す運転席処理のステップS75,S76,S78,S80が該当する。)をCPUが実行することによって実現される。
復帰手段20bは、座席選択処理手段20aによって選択された座席1をメモリ等の記憶手段20cに格納された座席1の状態等、本来設定された強制的に助手席1b(自席)に復帰させるようにするため、ROMに記憶されたプログラム(具体的には、後述する図10に示す運転席処理のステップS72,S76,S79が該当する。)をCPUが実行することによって実現される。
記憶手段20cは、助手席1b(自席)の姿勢を記憶できれば任意の記憶媒体を用いることができる。例えば、助手席シートECU20内に備えたRAMでもよく、車内に備えられる記録媒体(実施の形態1で説明した記録媒体と共通のもの)でもよい。
上述した構成において、助手席1bに備えた助手席操作ユニット4bを操作して他席(ここでは運転席1aとする。)の姿勢を調整するための処理例について、図10を参照しながら説明する。なお、図10の助手席処理は助手席シートECU20で実現され、イグニッションスイッチがオンになっている限り繰り返し実行される。また、実施の形態1で説明した図5の検知処理も助手席シートECU20で実現される。
図10に示す助手席処理は、図7に代わる手続きである。先にステップS70乃至ステップS80を説明し、後でステップS90乃至ステップS95を説明する。
まず近接センサ22が手を検知したか否かを判別する〔ステップS70〕。具体的な処理内容については、図5を参照して後述する。もし、近接センサ22が手を検知しないときは(NO)、システムバスBUSを通じて車内ECU30に信号(報知指令)を伝達して報知を停止する〔ステップS71〕。姿勢を変化させる対象となる座席1(即ち、助手席1bまたは運転席1a)を現実に報知しているか否かにかかわらず信号が伝達されるので、誤作動等に伴う報知があっても確実に停止させることができる。
報知を停止した後、所定の時限を経過したか否かを判別する〔ステップS72〕。所定の時限をどのように設定するかは任意に設定できる。例えば、図10のステップS70で前回手を検知したことを起点とすると、所定の無検知時限を経過したか否かを判別する。また、図10のステップS80の実行によって対象として運転席1aを選択したことを起点とすると、所定の選択時限を経過したか否かを判別する。更に、図10のステップS90で助手席操作ユニット4bの操作が前回行われたことを起点とすると、所定の無操作時限を経過したか否かを判別する。無検知時限、選択時限、無操作時限にはそれぞれ適切な長さ(時間)を設定することができる。
もし、所定の時限を経過したときは(YES)、対象を助手席1bに設定したうえで〔ステップS76〕、後述するステップS90に進む。これに対して、ステップS72で所定の時限を経過していなければ(NO)、そのまま後述するステップS90に進む。
ステップS70で近接センサ22が手を検知したときは(YES)、姿勢を変えようとする対象が助手席1bに設定されているか否かを判別する〔ステップS73〕。例えば、イグニッションスイッチがオフからオンになったときに初期化処理が実行され、ステップS76が実行されると、対象は助手席1bに設定される。
もし、対象が助手席1bに設定されていないときは(NO)、システムバスBUSを通じて車内ECU30に信号(報知指令)を伝達して現在の対象が運転席1aであることを報知し〔ステップS74〕、ステップS70で手を検知した後に座席選択スイッチ21が操作されたか否かを判別する〔ステップS75〕。もし、座席選択スイッチ21が操作されていないときは(NO)、上述したステップS72に進む。これに対して、ステップS75で座席選択スイッチ21が操作されたときは(YES)、対象を助手席1bに設定したうえで〔ステップS76〕、後述するステップS90に進む。
ステップS73で対象が助手席1bに設定されているときは(YES)、システムバスBUSを通じて車内ECU30に信号(報知指令)を伝達して現在の対象が助手席1bであることを報知し〔ステップS77〕、ステップS75と同様にステップS70で手を検知した後に座席選択スイッチ21が操作されたか否かを判別する〔ステップS78〕。
もし、座席選択スイッチ21が操作されていないときは(NO)、ステップS72と同様に所定の時限を経過したか否かを判別する〔ステップS79〕。所定の時限を経過したときは(YES)、対象を助手席1bに設定したうえで〔ステップS76〕、後述するステップS90に進む。これに対して、所定の時限を経過していなければ(NO)、そのまま後述するステップS90に進む。
一方、ステップS78で座席選択スイッチ21が操作されたときは(YES)、対象を運転席1aに設定するか、あるいは記憶手段20cに記憶された助手席1b(自席)の姿勢のうち何れかに設定したうえで〔ステップS80〕、後述するステップS90に進む。
なお、ステップS80の切り替えは、座席1と記憶姿勢とを切り替えられるのが望ましい。例えば、記憶手段20cに三の姿勢(第1姿勢、第2姿勢、第3姿勢)が記憶されていた場合、運転席1a⇒第1姿勢⇒第2姿勢⇒第3姿勢⇒運転席1a⇒…のように順に切り替えて設定する方法が該当する。或いは、ステップS76と合わせて、助手席1b⇒運転席1a⇒第1姿勢⇒第2姿勢⇒第3姿勢⇒助手席1b⇒運転席1a⇒…のように順に切り替えて設定する方法もある。また、所定のメモリスイッチに割り当てることもできる。したがって、2以上記憶された姿勢の中から1個の姿勢を選択設定できる。
ステップS90では、助手席1bの姿勢を調整する操作が行われたか否かを判別する。具体的には、図2(b)に示す移動操作部材5または傾斜操作部材6が操作されたか否かを判別する。もし、操作が行われていなければ(NO)、システムバスBUSを通じて運転席シートECU10に信号(運転席駆動停止指令)を伝達して作動を停止し〔ステップS91〕、必要に応じて助手席1b(自席)の作動を停止したうえで〔ステップS92〕、助手席処理をリターンする。自席や他席の作動を停止させる信号が伝達されるので、誤作動等があっても確実に停止させることができる。
ステップS90で操作が行われたときは(YES)、対象が助手席1bか否かで処理を分岐する〔ステップS93〕。即ち、助手席1bに設定されているときは(YES)、助手席1bの姿勢を変えたうえで〔ステップS94〕、助手席処理をリターンする。助手席1bの姿勢を調整するにあたっては、必要に応じて姿勢の変更内容を車内ECU30に信号(報知指令)で伝達して報知し、自席の駆動機構を制御する。即ち、FRチルトスイッチ23の操作に従ってFRチルトモータM21を駆動し、スライドスイッチ24の操作に従ってスライドモータM22を駆動し、リクライニングスイッチ25の操作に従ってリクライニングモータM23を駆動し、リフタスイッチ26の操作に従ってリフタモータM24を駆動する。一方、運転席1aに設定されているときは(YES)、システムバスBUSを通じて、必要に応じて姿勢の変更内容を車内ECU30に信号(報知指令)で伝達して報知し、運転席シートECU10に信号(運転席駆動指令)を伝達して運転席1aの姿勢を変化させた上で〔ステップS95〕、助手席処理をリターンする。
したがって、運転席1aについては図4に示す運転席処理が実行され、助手席1bについては上記図10に示す助手席処理が実行されるので、運転席1a及び助手席1bの双方から他席の姿勢を調整することができる。
上記実施の形態1及び実施の形態2の車両用シート駆動装置によれば、自席の姿勢を調整する際に駆動する駆動機構M10,M20と、姿勢を調整するにあたって操作する移動操作部材5及び傾斜操作部材6からなる座席姿勢操作部及び座席選択スイッチ11,21からなる座席選択操作部を具備する操作ユニット4と、操作ユニット4の操作に従って駆動機構M10,M20による駆動を制御する制御手段10,20とを、車両内に設けられた座席1のうちで2以上の座席1にそれぞれ備え、2以上の座席1の中から自席を含めて姿勢を調整する座席1を選択する座席選択処理手段10a,20aと、座席選択処理手段10a,20aによる選択を報知する報知手段30,31,32と、所定の復帰条件が成立すると、座席選択処理手段10a,20aによって選択された座席1を強制的に自席に復帰させる復帰手段10b,20bを有し、制御手段10,20は、座席選択処理手段10a,20aによって選択されてから復帰手段10b,20bによって復帰するまで、座席選択処理手段10a,20aによって選択された座席1について操作ユニット4の操作に従って駆動機構M10,M20による駆動を制御する(図3,図4を参照)ようにした構成とするものである。
しかし、ここで、復帰手段10b,20b及び報知手段30,31,32は、実施の形態1及び実施の形態2の車両用シート駆動装置の信頼性を高めるものであるから、本発明の基本的構成は、車両内に設けられた2以上の座席1の中から自席を含めて姿勢制御する対象の座席1を選択する移動操作部材5及び傾斜操作部材6からなる座席姿勢操作部及び座席選択スイッチ11,21からなる座席選択操作部と、座席1の姿勢を調整する駆動機構M10,M20とを具備し、前記2以上の座席1を選択制御する座席選択処理手段10a,20a及び移動操作部材5及び傾斜操作部材6からなる座席姿勢操作部及び座席選択スイッチ11,21からなる座席選択操作部を具備する操作ユニット4を座席1の側面に配設し、前記座席選択処理手段10a,20aによって選択された座席1を、操作ユニット4の移動操作部材5及び傾斜操作部材6からなる座席姿勢操作部の操作に従って駆動機構M10,M20を駆動制御し、座席1の姿勢を制御する制御手段10,20とする実施の形態とすることができる。
したがって、座席選択処理手段10a,20aによって選択された座席1を、移動操作部材5及び傾斜操作部材6からなる座席姿勢操作部及び座席選択スイッチ11,21からなる座席選択操作部を有する操作ユニット4の操作に従って駆動機構M10,M20で駆動制御するものであり、座席選択スイッチ11,21からなる座席選択操作部によって選択された座席1に対して、制御手段10,20が操作ユニット4の出力に従って制御するので、当該選択された座席1の姿勢を調整することができる。よって、リモコンのように新たな操作方法を付加する必要がなく、コストを低く抑える車両用シート駆動装置が提供できる。
実施の形態1及び実施の形態2によれば、座席1の選択操作を機械的に行う機械的操作スイッチである座席選択スイッチ11,21と共に、手の接近を検知する近接センサ12,22を用いているから、人体の一部が接近すれば報知手段30,31,32による報知が行われて、機械的操作スイッチである座席選択スイッチ11,21の位置を把握し易くなるので、着座した状態では見えにくい機械的操作スイッチである座席選択スイッチ11,21を探す必要がなくなって操作を素早く、かつ、確実に行える。
また、機械的操作スイッチである座席選択スイッチ11,21及び近接センサ12,22の動作状態によって座席選択処理手段10a,20aから制御手段10,20への入力を決定でき、制御手段10,20で処理する信号が信頼性の高いものとなる。
このように、上記実施の形態では、操作ユニット4の座席1の選択操作を機械的に行う機械的操作スイッチである座席選択スイッチ11,21と共に、手の接近を検知する近接センサ12,22を用いているから、人体の一部が接近すれば報知手段30,31,32による報知が行われて、機械的操作スイッチである座席選択スイッチ11,21の位置を把握し易くなるので、着座した状態では見えにくい機械的操作スイッチである座席選択スイッチ11,21を探す必要がなくなって操作を素早く、かつ、確実に行える。
上記実施の形態1及び実施の形態2によれば、制御手段10,20は、所定の検知条件として、近接センサ12,22が手を検知し始めてから所定の無検知時限を経過すること、及び、近接センサ12,22が手を検知する検知特性が所定範囲の特性であること、のうちで一方または双方の条件を適用する(図5を参照)ようにした車両用シート駆動装置の構成とするものである。
上記実施の形態1及び実施の形態2によれば、所定の復帰条件が成立すると、座席選択処理手段10a,20aによって選択された座席1を強制的にメモリ等に格納された座席1の状態等、本来設定された自席に復帰させる復帰手段10b,20bによれば、所定の復帰条件として、座席選択処理手段10a,20aによって座席1が選択されてから所定の選択時限を経過すること、座席選択処理手段10a,20aによって座席1が選択された後であって操作ユニット4の操作が行われなくなってから所定の無操作時限を経過すること、車両のイグニッションスイッチがオフになったこと、のうちで何れか1つの条件を満たす(図5を参照)ようにした車両用シート駆動装置の構成とするものである。
このように、制御手段10,20の行った駆動機構M10,M20の駆動制御によって座席1の姿勢を制御した結果は、所定の復帰条件の成立によって、各々設定されていた登録座席位置に復帰させる復帰手段10b,20bを具備するものであるから、復帰手段10b,20bが選択された座席1を、記憶手段10c,20cに格納された座席1の状態等、本来設定されたその席の状態に復帰させるので、選択操作を戻すのを忘れるという意図しない姿勢の変化を防止することができる。
上記実施の形態1及び実施の形態2によれば、制御手段10,20は、座席選択処理手段10a,20aによって自席以外の座席1を選択しているとき、操作ユニット4の操作内容を報知手段30,31,32によって報知する(図4のステップS34,S35及び図10のステップS94,S95を参照)ようにした車両用シート駆動装置の構成とするものである。このように、報知手段30,31,32は音や表示で報知を行うものは、手の検知や、座席1の選択、選択された座席1、操作ユニット4の操作内容等を、操作者や着座者等に確実に伝達することができる。特に、報知手段30,31,32によって座席選択処理手段10a,20aによる選択が報知されるので、どの座席1の姿勢が変化するのかを事前に知ることができる。
上記実施の形態1及び実施の形態2によれば、制御手段10,20は、自席の姿勢を記憶する記憶手段10c,20cを有し(図3,図9を参照)、座席選択処理手段10a,20aは、更に、記憶手段10c,20cに記憶された2以上の姿勢の中から1つの姿勢を選択することができ、制御手段10,20は、座席選択処理手段10a,20aによって選択された1つの姿勢に基づいて、駆動機構M10,M20による駆動を制御して自席の姿勢を調整する(図4のステップS18,S20及び図10のステップS78,S80を参照)ようにした車両用シート駆動装置の構成とするものである。
このように、座席選択処理手段10a,20aによって座席1が選択されてから所定の時間が経過すること、座席選択処理手段10a,20aによって座席1が選択された後であって操作ユニット4の操作が行われなくなってから所定の無操作時限の経過を経ること、車両のイグニッションスイッチが切り替わったことのうち、何れか1以上の条件を満たせば、復帰手段10b,20bが座席選択処理手段10a,20aによって選択された座席1を強制的に復帰させるか、または復帰を訊ねるものとすることができ、座席1の選択解除忘れ等によって、座席1の意図しない姿勢変化を未然に防止することができる。
上記実施の形態1によれば、座席選択処理手段10aは、少なくとも運転席1aに備える(図1,図2(a),図3を参照)ようにした車両用シート駆動装置の構成とするものである。勿論、各座席1、少なくとも助手席1bを含んで、設定することもできる。このように、座席選択処理手段10a,20aを備えた操作ユニット4を運転席1aに備えるものでは、運転席1aの着座者(多くは運転者)は、自席以外の座席1についても簡単に姿勢を調整でき、特に、子供、老人を乗せたときに、運転席からその調整を行うことができる。
〔他の実施の形態〕
以上、本発明を実施するための形態について実施の形態1及び実施の形態2に従って説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。例えば、次に示す各形態を実現してもよい。
実施の形態1では運転席1aに備えた運転席操作ユニット4aの操作によって助手席1bの姿勢を調整することができるようにし、実施の形態2では運転席1aに備えた運転席操作ユニット4a及び助手席1bに備えた助手席操作ユニット4bのそれぞれについて他席の姿勢を調整することができるようにした。姿勢を調整することができる座席1は、運転席1a及び助手席1bには限らず、後部座席(例えば、後部左席、後部右席等)にも同様に適用できる。
この場合は、姿勢を変えようとする後部座席の1席毎に、運転席シートECU10等のようなECU、座席選択スイッチ11,21のような座席選択スイッチ、近接センサ12,22等のような近接センサ、モータ群M10,M20等のような駆動機構等を備える必要がある。こうすれば、運転席1aや助手席1bから後部座席の姿勢を調整することができ、逆に後部座席から運転席1aや助手席1bの姿勢を調整することができる。
なお、例えば、座席選択スイッチ11を運転席1aのみに設け、運転席1aのみによって他席を選択自在としてもよい。
また、上記実施の形態1及び実施の形態2では、操作ユニット4(即ち、運転席操作ユニット4a、助手席操作ユニット4b)は各座席のドア側の側面に配設した(図1を参照)。この形態に代えて、座席1の前側である中央側の側面に配設してもよく、着座部3の前方の側面に配設する等、直接、座席選択スイッチ11,21を確認できないような場所、即ち、左側または右側または前方側の座席1の周囲側面に配設すればよい。いずれにしても座席選択スイッチ11,21を操作する際に接近すると警告を行うので(図5のステップS43を参照)、座席選択スイッチ11,21の位置を把握し易くなる。
そして、上記実施の形態1及び実施の形態2では、自席以外の他席の姿勢を調整するだけでなく、自席の姿勢についても記憶手段10c,20cに記憶した姿勢の何れかに設定できるようにした(図4のステップS20及び図10のステップS80を参照)。この形態に代えて(あるいは加えて)、他席の姿勢について記憶手段10c,20cに記憶した姿勢の何れかに設定できるようにしてもよい。こうすれば、自席から他席の着座者に最適な姿勢を簡単に設定することができる。また、座席1の姿勢に限らず、エアコンの設定や、他席に近いウィンドウの開閉等も切り替えて設定できるようにしてもよい。
加えて、本発明の実施の形態では、車両内に設けられた2以上の座席1の中から運転席である自席を含めて姿勢制御する対象の座席1を選択する座席選択処理手段10a,20aと、前記2以上の座席1に配設され、座席1の姿勢を調整する駆動機構M10,M20を有する操作ユニット4を具備し、座席選択処理手段10a,20a及び操作ユニット4を座席1の側面に配設し、前記2以上の座席1を集中管理する座席選択制御手段で構成されている。更に、本実施の形態の車両用シート駆動装置の信頼性を上げるには、報知手段としての車内ECU30、表示器31、スピーカ32を1以上使用することにより、良好な実施の形態を構成できる。
また、上記実施の形態では、復帰手段10b,20bを使用しているが、本発明を実施する場合には、必ずしも必要ではなく、手動で復帰させてもよいし、復帰機能を省略してもよい。
そして、上記実施の形態では、座席選択スイッチ11,21には、近接センサ12,22を配設しているが、本発明を実施する場合には、機械的に行う機械的操作スイッチとしての座席選択スイッチ11、21の外に、移動操作部材5、傾斜操作部材6にも近接センサを配設し、近接センサ12,22と同様の判断を行うと、その信号の信頼性を高めることができる。
1 座席
1a 運転席
1b 助手席
2 背もたれ部
3 着座部
4 操作ユニット
4a 運転席操作ユニット
4b 助手席操作ユニット
5 移動操作部材(操作部材)
6 傾斜操作部材(操作部材)
10 運転席シートECU
10a,20a 座席選択処理手段
10b,20b 復帰手段
10c,20c 記憶手段
11、21 座席選択スイッチ
12、22 近接センサ
20 助手席シートECU
30 車内ECU(報知手段)
31 表示器(報知手段)
32 スピーカ(報知手段)

Claims (8)

  1. 車両内に設けられた2以上の座席のうちの少なくとも一つの側面に配設され、前記座席の姿勢を制御する駆動機構を駆動するべく操作するための座席姿勢操作部と、
    前記座席姿勢操作部と共に設けられ、前記2以上の座席の中から自席を含めて姿勢制御する対象の座席を選択するべく操作するための座席選択操作部と、
    前記座席選択操作部の操作に基づき姿勢制御する対象の座席を選択設定する座席選択処理手段と、
    前記座席選択操作部の操作に基づいて選択設定された座席を前記座席選択操作部と共に設けられた前記座席姿勢操作部の操作に従って前記駆動機構により駆動制御する制御手段と
    を具備することを特徴とする車両用シート駆動装置。
  2. 前記座席選択操作部として、前記座席の選択を機械的に行う操作スイッチ及び手の接近を検知する近接センサを用い、前記座席選択処理手段は、前記操作スイッチ及び前記近接センサから入力される操作信号に基づいて選択操作の有無及び選択操作態様を処理することを特徴とする請求項1に記載の車両用シート駆動装置。
  3. 更に、前記座席選択処理手段により選択設定された座席を、光及び音の何れか一方または両方で報知する報知手段を具備することを特徴とする購求項1または請求項2に記載の車両用シート駆動装置。
  4. 前記座席選択処理手段は、姿勢制御する対象の座席を自席以外の座席に設定した状態にあっては、予め設定された所定の復帰条件が成立した際に、前記姿勢制御する対象の座席を従前の位置に復帰させることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の車両用シート駆動装置。
  5. 前記復帰手段の前記所定の復帰条件は、前記座席選択処理手段により座席が選択設定されてから所定時限を経過すること、前記座席選択処理手段により座席が選択設定された後であって前記座席姿勢操作部の操作が行われなくなってから所定時限を経過すること、及び前記車両のイグニッションスイッチの状態が切り替わったことのうちで何れか1以上の条件を満たすことを特徴とする請求項4に記載の車両用シート駆動装置。
  6. 前記制御手段は、前記座席選択処理手段により自席以外の座席が選択設定された状態にあっては、音声によって報知を行う報知手段により、前記座席姿勢操作部の操作内容を報知することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の車両用シート駆動装置。
  7. 前記制御手段は、自席の姿勢を記憶する記憶手段を有し、前記記憶手段に記憶された2以上の姿勢の中から1つの姿勢に選択可能な姿勢選択操作部を有し、前記姿勢選択操作部で選択操作された前記1つの姿勢となるよう前記駆動機構を駆動制御することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載の車両用シート駆動装置。
  8. 前記座席姿勢操作部及び前記座席選択操作部は、少なくとも運転席に配設したことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載の車両用シート駆動装置。
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