JP2005014840A - 車両用ドア開閉装置及び車両用ドア自動開閉方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、車両ドアを自動で開閉可能であると共に、乗降者の意思によりドアの開度位置を調整することが可能な利便性の高い車両用ドア開閉装置を提供することにある。
【解決手段】本発明は、ドア開閉駆動手段40と、ドア開閉指令信号を出力する操作手段10と、車両状況信号を出力する車両状況検知手段70と、ドア開閉指令信号及び前記車両状況信号を検出する検出手段20と、ドア開閉駆動手段40を制御する制御手段30とを備えた車両用ドア開閉装置に関する。
操作手段10は、予め決められた開度位置、または車両状況信号に基づいた開度位置までドア52が開扉された後で、ドア52の開度位置を調整するドア開度位置調整手段15を備え、制御手段30は、ドア開度位置調整手段15からのドア開度位置調整信号を受信した場合に、開扉されたドア52をさらに開扉または閉扉させる制御を行う。
【選択図】 図11
【解決手段】本発明は、ドア開閉駆動手段40と、ドア開閉指令信号を出力する操作手段10と、車両状況信号を出力する車両状況検知手段70と、ドア開閉指令信号及び前記車両状況信号を検出する検出手段20と、ドア開閉駆動手段40を制御する制御手段30とを備えた車両用ドア開閉装置に関する。
操作手段10は、予め決められた開度位置、または車両状況信号に基づいた開度位置までドア52が開扉された後で、ドア52の開度位置を調整するドア開度位置調整手段15を備え、制御手段30は、ドア開度位置調整手段15からのドア開度位置調整信号を受信した場合に、開扉されたドア52をさらに開扉または閉扉させる制御を行う。
【選択図】 図11
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用ドア開閉装置に係り、ドアが開扉された後に、搭乗者の意思によりドアの開度位置を調整することが可能な車両用ドア開閉装置及び車両用ドア自動開閉方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、乗用自動車等のドアを自動で開閉する車両用ドア開閉装置が提案されている。従来の車両用ドア開閉装置においては、スイッチ操作等の簡易な操作で、車両用ドアの自動開閉が可能な構成となっている。特許文献1に記載の車両用ドアの開閉装置は、乗員のスイッチ操作によって、車両のドアを自動開閉する装置であり、予め記憶された開放態様に基づいて、ドアの自動開閉を制御する構成となっている。また、ドアにヒンジアームが設けられており、ドア開扉時におけるヒンジアームの回動により、ドアが車両の前方へせり出すようにして開き、ドアの開度が十分でない場合でも乗降りのスペースを確保することが可能となっている。ヒンジアームの車体に対する開放限の角度と、ドアのヒンジアームに対する開放限の角度とがそれぞれメモリーに記憶されるようになっており、スイッチの操作によって予め記憶された角度から、所定の開放角度を選択してドアを開くことができるように構成されている。
【特許文献1】
特許第2768084号公報(第4−7頁)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、予めメモリーに記憶されたドアの開放角度に基づいてドア開扉制御が行われるものであり、ドアが開扉した後に、さらに開度を微調整することができなかった。このため、例えば障害物を考慮してドアを開扉したとき、もう少しドアを開いたとしてもドアが障害物に当たることなく、乗員が乗降をスムーズに行えるような場合であっても、最初に開かれた開放角度の範囲内で乗降しなければならなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、車両ドアを自動で開閉可能であると共に、乗降者の意思によりドアの開度位置を調整することが可能な利便性の高い車両用ドア開閉装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、請求項1に記載の車両用ドア開閉装置によれば、ドアを開閉駆動するドア開閉駆動手段と、ドア開閉指令信号を出力するドア開閉のための操作手段と、車両周辺の状況に関する車両状況信号を出力する車両状況検知手段と、前記ドアの開度位置を設定するドア開度位置設定手段と、前記ドア開閉指令信号及び前記車両状況信号を検出する検出手段と、該検出手段によって検出された信号に基づいて前記ドア開閉駆動手段を制御する制御手段と、を備えた車両用ドア開閉装置であって、前記操作手段は、前記ドア開度位置設定手段により予め決められた開度位置、または前記車両状況信号に基づいた開度位置まで前記ドアが開扉された後で、前記ドアの開度位置を調整するドア開度位置調整手段を備え、
前記制御手段は、前記ドア開度位置調整手段からのドア開度位置調整信号を受信した場合に、前記開扉されたドアをさらに開扉または閉扉させる制御を行う、ことにより解決される。
【0005】
このように、本発明のドア開閉装置は、所定開度位置までドアが開扉されているときに、前記ドア開度位置調整手段が操作された場合には、前記開度位置からさらに開扉または閉扉される構成とされている。このように、ドアが開扉された後に、さらにドア開度位置の調整が可能とされており、体格の異なる搭乗者が乗車する場合であっても、ドア開度の設定値をその都度変えることなく、スムーズに乗降を行うことが可能となる。
【0006】
また、請求項2に記載のように、本発明の車両用ドア開閉装置において、前記制御手段は、該ドア開度位置調整手段からのドア開度位置調整信号を受信した場合に、前記車両状況検知手段からの車両状況信号を無効としても良い。例えば、車両状況として障害物が検出され、ドアの開度が制限されているとき、ドア開度位置調整手段からのドア開度位置調整信号を受信した場合には、前記車両状況検知手段からの車両状況信号を無効とする。このような構成により、例えば、ドア開放が最優先される緊急時において、障害物が検出されていた場合であっても、この障害物の検出を無視してドアを最大限まで開扉することが可能である。したがって、事故が起こった場合の救助等に支障をきたすことを防止することができる。
【0007】
また、請求項3に記載のように、本発明の車両用ドア開閉装置において、前記ドア開度位置調整手段の操作時間が所定時間よりも長い場合に、前記ドア開度位置調整手段が操作されている間中、前記制御手段が前記ドア開閉駆動手段を制御するように構成されていると好適である。すなわち、ドア開度位置調整手段の操作時間が所定時間よりも長い場合にはマニュアル作動となり、ドア開度位置調整手段が操作されている間はドアが作動し、操作手段から手を離すと調整作動が停止する。このように、マニュアル動作時にはドア開扉位置の調整に操作者の意志を反映させやすくなり、微妙な開度の調整が可能となる。
【0008】
また、請求項4に記載のように、本発明の車両用ドア開閉装置において、前記ドア開度位置調整手段の操作時間が所定時間よりも短い場合に、前記ドアが開扉限界位置または閉扉限界位置になるまで、前記制御手段により前記ドア開閉駆動手段が制御される構成とすると好適である。すなわち、操作手段の操作時間が所定時間よりも短い場合にはオート動作となり、ドア開扉後に、オート作動によりさらにドアの開閉を行うことが可能となる。
このように、本発明の車両用ドア開閉装置では、ドア開扉後に、ドア開度位置の調整を行う場合、ドア開度位置調整手段の操作時間を変化させることにより、オート作動とマニュアル作動とが選択可能に構成されている。
【0009】
さらに、請求項5に記載のように、本発明の車両用ドア開閉装置において、前記制御手段は、前記ドアの開度を検出するドア開度検出手段より、前記ドアの開度を示す前記ドア開度検出信号を受信して、前記ドア開度検出信号の検出開度が前記ドア開度位置設定手段により予め設定された開度に達したと判断した場合に、前記ドアの開閉動作を停止するように構成されていると好適である。このように、ドア開度を予め設定することが可能であるため、搭乗者の所望の開度でドア開扉させることができ、乗降者の利便性が向上する。また、ドアを自動開放する場合に、ドアの開動作を停止する必要がなく好適である。
【0010】
前記課題は、本発明の請求項6に係る車両用ドア自動開閉方法によれば、車両用ドアを自動で開閉する車両用ドア自動開閉方法であって、前記ドアを所定の開扉位置まで開扉作動させるステップと、前記ドアが所定の開扉位置まで開扉されたときに、前記ドアの開度位置を調整するドア開度位置調整信号を検知するステップと、前記開度位置調整信号に基づいて前記ドアの開度位置を変更させるステップと、を行うことにより解決される。
このように、所定の開度位置までドアが開扉された場合、乗降者の体格等により乗降をスムーズに行えないような場合に、ドア開度位置の調整を行い、快適な乗降を実現することが可能となる。
【0011】
なお、請求項7に記載のように、本発明の車両用ドア自動開閉方法において、前記ドアを所定の開扉位置まで開扉作動させるステップで、予め設定された開扉位置まで前記ドアが開扉されるようにすると、所望の開度位置でのドア開扉が可能となり好適である。
【0012】
さらに、前記課題は、本発明の請求項8に係る車両用ドア自動開閉方法によれば、車両用ドアを自動で開閉する車両用ドア自動開閉方法であって、前記ドアを所定の開扉位置まで開扉作動させるステップと、該開扉作動中に前記ドアの側方にある障害物を検出するステップと、前記障害物が検出されたときに前記ドアを所定の開扉位置で停止させるステップと、前記ドアが所定の開扉位置で停止されたときに、前記ドアの開度位置を調整するドア開度位置調整信号を検知するステップと、前記開度位置調整信号による前記ドアの調整方向が開方向である場合に、前記障害物の検出信号を無効にするステップと、を行うことにより解決される。
このように、障害物が検出されたことよりも、ドア開度位置の調整の方が優先されるため、ドア開放が必要とされる緊急時にも、支障なく対応することが可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1乃至図11は本発明の一実施形態を示す図で、図1は車両においてドアが半開き状態にある様子を示す説明図、図2は車両用ドア開閉装置によってドアが全開状態にある様子を示す説明図、図3は内側ドアハンドルの構成を示す斜視図、図4は外側ドアハンドルの構成を示す斜視図、図5は車両のドアおよび窓操作スイッチの構成を示す説明図、図6及び図7は開度調整ダイヤルを示す説明図、図8は開度位置設定部を示す説明図、図9はドア開閉駆動部が配設されたドアの一部切欠側面図、図10は変形防止ガイド部材を備えたドア開閉駆動部の構成を示す側面図、図11は車両用ドア開閉装置の全体構成を示すブロック図である。
【0014】
(車両用ドア開閉装置の構成)
はじめに、図1乃至図11を参照しながら、本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の構成について説明する。図11に示す符号Sは、本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置である。
この車両用ドア開閉装置Sは、乗用自動車等の車両50(図1,図2参照)に配設され、この車両50に設けられたドア52を手動開閉可能な状態から自動的に開閉する状態に切り替えて自動式に開閉させるためのものである。
【0015】
本実施形態に係る車両用ドア開閉装置Sは、図11に示す通り、操作部10と、検出部20と、制御部30と、ドア開閉駆動部40と、車両状況検知部70と、ドア開度位置設定部80と、から構成されており、検出部20が検出手段、制御部30が制御手段、ドア開閉駆動部40がドア開閉駆動手段、車両状況検知部70が車両状況検知手段、ドア開度位置設定部80がドア開度位置設定手段に相当する。
操作部10は、ワイヤレスリモコン11と、窓操作スイッチ12と、内側ドアハンドル13と、外側ドアハンドル14と、開度位置調整手段としての開度調整ダイヤル15と、から構成されている。
ワイヤレスリモコン11は、図1、図2に示すように、運転者等が車外からドア52の開閉操作を行えるものであり、例えば、不図示の開操作スイッチおよび閉操作スイッチを有して構成されている。このワイヤレスリモコン11の開操作スイッチを操作すると、後述する受信部21に開操作信号が出力され、ワイヤレスリモコン11の閉操作スイッチを操作すると、後述する受信部21に閉操作信号が出力されるようになっている。
窓操作スイッチ12は、図5に示すように、ドア52の内側に形成されたアームレスト57に設けられている。この窓操作スイッチ12には、運転席、助手席、左後部座席、右後部座席の各座席に対応した操作スイッチが設けられており、この各操作スイッチを操作すると、各座席に対応した窓開操作信号および窓閉操作信号を受信部21に出力することができるようになっている。
【0016】
内側ドアハンドル13は、図2、図3に示すように、ドア52の室内側面に配設されると共に、ハンドルレバー13aを有して構成されている。本実施形態の車両50では、このハンドルレバー13aを室内側(図3に示す矢印Aの方向)に引くと、後述するロック部54とストライカー部材56の係合が解除され、ドア52が開くようになっている。
一方、外側ドアハンドル14は、図1、図4に示すように、ドア52の外側面に配設されると共に、ハンドルレバー14aを有して構成されている。このハンドルレバー14aを車両外側(図4に示す矢印Bの方向)に引くと、後述するロック部54とストライカー部材56の係合が解除され、ドア52が開く構成となっている。
【0017】
開度調整ダイヤル15は、ドア52が開扉された後に、ドア開度位置を調整するためのものである。この開度調整ダイヤル15により、ドアが自動開扉制御されるときのドア52の開度を調整することができる。したがって、搭乗者の体格や、緊急時などに、ドア52を適正な開放位置まで開扉させることが可能となる。
開度調整ダイヤル15は可変抵抗器からなり、図7に示すように、抵抗体15aとダイヤル部15bとばね部材15cとから構成されている。ダイヤル部15bには突出片15dが設けられ、ダイヤル部15bの回動位置を示すように構成されている。
開度調整ダイヤル15は、図6に示すように、センタ位置で抵抗値が0となり、ダイヤルの回動位置により抵抗値が変えられるように構成されており、操作終了後は常にセンター位置に戻るように構成されている。そして、開度調整ダイヤル15の回動に応じて、ドア開閉駆動部40を駆動制御するためのドア開閉駆動信号の電圧値が変化し、ドア52が開閉駆動されるように構成されている。
本例では、ダイヤル部15bが右側に回動されたときに、ダイヤル回動検出部25でダイヤル操作態様が検出され、開度調整操作検出部36からドア開操作信号が出力されて、ドア52を開方向に作動させる駆動処理がなされるものとされる。また、ダイヤル部15bが左側に回動されたときに、ダイヤル回動検出部25でダイヤル操作態様が検出され、開度調整操作検出部36からドア閉操作信号が出力されて、ドア52を閉方向に作動させる駆動処理がなされるものとされる。
【0018】
車両状況検知部70は、車両の状況を検出するためのものであり、車両状況検知手段に相当する。車両状況検知部70は、障害物センサ71を備えて構成されている。障害物センサ71は、物体を検出するセンサであり、公知の超音波センサや赤外線センサ等が使用される。障害物センサ71は、超音波や赤外線の受信に応じた距離情報を制御回路31に出力するように構成されている。障害物センサ71は、ドア52と、ドア52の側方にある障害物との離間距離が停止判定距離L以下になったときに、ドア52の開扉停止制御を開始するように構成されている。
障害物センサ71は、図1に示すように、ドア52の外側に配設され、図1に示すように、ドア52が開閉回動する場合の回動中心軸より最も離れた場所に配設される。なお、障害物センサ71の配設個数や配設箇所は限定されず、複数箇所に適宜個数設けることも可能である。
【0019】
ドア開度位置設定部80は、ドア52が自動で開扉される際のドア開度を設定するものである。ドア開度位置設定部80は、図8に示すように、表示パネル81と設定入力ボタン82とからなり、例えば車両のコントロールパネルやワイヤレスリモコン11或いはカーナビゲーションシステムの画面上に配置されている。
表示パネル81には、半ドア、中間、全開のように、ドア開度を設定する際に目安となる開度が表示されたゲージ83が設けられており、このゲージ83にしたがって、ドア52の開度が設定される。このゲージ83には、現在の設定値を示す矢印84が表示されており、「開」ボタン82aまたは「閉」ボタン82bが押下されることにより、矢印が移動するように構成されている。そして、矢印が所望の位置まできたときに「開」ボタン82aまたは「閉」ボタン82bの押下をやめて、「設定」ボタン82cを押すことにより、指定した開度が設定され、矢印85にて表示されるように構成されている。
このように、本例のドア開度位置設定部80は、デジタル的な表示部を設けた操作盤にて設定可能であるため、搭乗者は自由且つ簡単にドア開度位置を設定することができ、面倒な調整を必要とせず利便性が向上する。
上記のようにして設定された設定値は、設定開度記憶部38に記憶される。設定開度記憶部38は、制御部30の記憶領域に設けられている。設定開度記憶部38では、複数の設定値を記憶できるように構成されている。
【0020】
検出部20は、後述する車両50に設けられたドア52(図1、図2参照)の操作状況に応じて得られる種々の信号を検出するためのものであり、受信部21と、エンコーダ22と、内側ドアハンドルスイッチ23と、外側ドアハンドルスイッチ24と、ダイヤル回動検出部25と、センサ検知信号検出部26と、から構成されている。
受信部21は、ワイヤレスリモコン11から発せられる赤外線や電波などを受信することができるように適宜選択される。そして、受信部21は、ワイヤレスリモコン11による開操作又は閉操作に応じて発せられるリモート信号を受信して、後述する信号処理部33に受信信号を出力するように構成されている。
【0021】
エンコーダ22は、ドア52の回動軸中心(例えば、後述するドアヒンジ46や出力軸144d)に配設され、ドア52の開度に応じた数のパルスを制御部30のカウンタ34に出力することができるように構成されている。また、エンコーダ22には、例えば、複数のスリットが環状に設けられた円板と、光学素子とを備えてなる光学式ロータリエンコーダ等が用いられる。なお、エンコーダ22は、絶対的な回転量に応じたパルスを出力することが可能なアブソリュート型で構成されていることが望ましい。これにより、ドア52の絶対的な開度を正確に検出することが可能となる。また、コスト低減のために、ホールICを用いて位置検出を行っても良い。
【0022】
内側ドアハンドルスイッチ23は、内側ドアハンドル13(図2、図3参照)によるドア操作態様を検出するためのものである。この内側ドアハンドルスイッチ23は、内側ドアハンドル13が閉じている状態にあるときに、制御部30のドアハンドル操作検出部35に内側ハンドル閉操作信号(例えば、LOW信号)を出力すると共に、内側ドアハンドル13が開いている状態にあるときに、ドアハンドル操作検出部35に内側ハンドル開操作信号(例えば、HIGH信号)を出力することができるように構成されている。
外側ドアハンドルスイッチ24は、外側ドアハンドル14(図1、図4参照)によるドア操作態様を検出するためのものである。この外側ドアハンドルスイッチ24は、外側ドアハンドル14が閉じている状態にあるときに、制御部30のドアハンドル操作検出部35に外側ハンドル閉操作信号(例えば、LOW信号)を出力すると共に、外側ドアハンドル14が開いている状態にあるときに、ドアハンドル操作検出部35に外側ハンドル開操作信号(例えば、HIGH信号)を出力することができるように構成されている。
【0023】
ダイヤル回動検出部25は、開度調整ダイヤル15の操作態様を検出するためのものである。このダイヤル回動検出部25からは、ダイヤル部15bの突出片15dがセンタ位置にあるときに、制御部30の開度調整操作検出部36にダイヤル操作停止信号(例えば、LOW信号)が出力されると共に、ダイヤル部15bが回動された状態にあるときに、ドアハンドル操作検出部35にダイヤル操作信号(例えば、HIGH信号)が出力されるように構成されている。
センサ検知信号検出部26は、車両状況検知部70において検知された信号を検出するためのものである。ここで検出された信号は、後述する制御部30に送信され、ドア52を自動開閉することが可能な車両状況であるか否かを判定するために利用される。
【0024】
制御部30は、検出部20から得られる検出信号に基づいてドア開閉駆動部40を駆動制御するためのものであり、制御回路31と、駆動回路32とから構成されている。制御回路31は、図示しないCPUや、このCPUを動作させるためのプログラム及び制御に必要なデータが格納されたROM、RAM等の記憶領域を備えた演算回路で構成され、信号処理部33,カウンタ34,ドアハンドル操作検出部35,開度調整操作検出部36,車両状況保持部37,演算処理部(不図示)を主要構成とするものである。また、制御回路31の記憶領域には、設定開度記憶部38が設けられ、ドア開度位置設定部80で設定されたドア開度設定値が記憶されるように構成されている。
【0025】
信号処理部33は、後述するように、遠隔操作手段から受信部21が受信した信号に基づいて、不図示のランプの点滅、クラッチ42、ドアロック用モータ48、クローザモータとしてのドア駆動モータ41などを含めてドア開閉駆動部40への制御処理を行うものである。
カウンタ34は、エンコーダ22から出力されたパルス数をカウントし、このパルス数をドアの開度に換算することができるように構成されている。
【0026】
ドアハンドル操作検出部35は、内側ドアハンドルスイッチ23、外側ドアハンドルスイッチ24、からそれぞれ出力される信号を検出することにより、内側ドアハンドル13、外側ドアハンドル14の操作の有無を検出することができるように構成されている。
開度調整操作検出部36では、ダイヤル回動検出部25から出力された信号を検出することにより、開度調整ダイヤル15の操作の有無と、開度調整ダイヤル15の回動方向を検出することができるように構成されている。そして、開度調整操作検出部36からドア開閉操作信号が出力され、ドア開閉駆動処理がなされるように構成されている。
車両状況保持部37では、センサ検知信号検出部26から出力された信号に基づいて、車両状況を記憶し、記憶された車両状況情報は、ドア52の自動開閉制御に使用される。車両状況情報は、センサ検知信号検出部26より送信される信号に基づいて、一定周期で最新の情報に更新される。
【0027】
そして、上述の信号処理部33、カウンタ34、ドアハンドル操作検出部35、開度調整操作検出部36、車両状況保持部37、設定開度記憶部38を有して構成された制御回路31は、開信号や閉信号に応じて、モータ制御信号およびクラッチ制御信号を駆動回路32に出力することが可能となっている。なお、制御回路31全体の動作詳細については後述する。
【0028】
駆動回路32は、ランプの点灯、点滅信号を出力制御すると同時に、ドア開閉駆動部40を制御するためのものである。駆動回路32は、不図示のバッテリから電力供給されると共に、制御回路31から出力された各モータ制御信号に応じて、ドア駆動モータ41,ドアロック用モータ48,リリース用モータ49に所定のモータ電圧をそれぞれ印加することができるように構成されている。また、駆動回路32は、制御回路31から出力されたクラッチ制御信号に応じて、クラッチ42に励磁信号を出力することができるように構成されている。
【0029】
ドア開閉駆動部40は、ドア52を自動式に開閉させるための駆動源となるものであり、ドア駆動モータ41と、クラッチ42と、リンク機構部45と、ドアロック用モータ48と、リリース用モータ49と、から構成されている。ドア駆動モータ41は、例えば、ステッピングモータ、ブラシレスモータ、ブラシ付きモータ等で構成され、駆動回路32によって印加されたモータ電圧に基づいて回転軸(不図示)を回転させ、リンク機構部45を駆動させることができるように構成されている。
【0030】
本実施形態の車両用ドア開閉装置Sが装備された車両50の側部には、ドア開口部51が形成されており、ドア開口部51の車両前方側にはピラー53が配設され、ドア開口部51の車両中央側にはピラー57が配設されている。そして、ドア開口部51には、このドア開口部51を塞ぐように、ドア52が車両前方側に設けられたドアヒンジ46により開閉自在に取り付けられている。そして、ドア駆動モータ41は、図9に示すように、ドア52の内部に固設されている。
クラッチ42は、ドア駆動モータ41の上端部に配設され、駆動回路32から出力された励磁信号に応じて、ON/OFF制御される電磁クラッチで構成されている。すなわち、クラッチ42は、ON状態にあるときに、ドア駆動モータ41の回転力を駆動軸43に伝達すると共に、OFF状態にあるときに、ドア駆動モータ41の回転力を駆動軸43に伝達しないように構成されている。
【0031】
リンク機構部45は、上述したように、ドア駆動モータ41の回転力によって駆動し、ドア52を開閉させるためのものである。本実施形態に係るリンク機構部45は、図9に示すように、クランクアーム45aと、リンク45bと、リンク部材45cとから構成されている。クランクアーム45aは、一端が上述した駆動軸43に連結され、他端がリンク45bの一端に連結されている。リンク45bの他端はリンク部材45cの一端に連結され、リンク部材45cの他端は支持軸44aに回動可能に軸支されている。そして、支持軸44aが車体側に設けられた軸受部44bに連結されることにより、ドアと車体とが連係されている。
【0032】
なお、リンク部材45cの長手方向の略中央には、ドア52に設けられたチェック機構部60の内部を貫通し、チェック機構部60のハウジング61に収納されたチェック部材63と係合するための溝部62が形成されている。チェック部材63は、同じくチェック機構部60のハウジング61に収納された弾性体64によって、リンク部材45cを上下から挟持する方向に付勢されている。
【0033】
ドア52の開閉に伴い、リンク部材45cはこのチェック機構部60の内部を摺動する。そして、上述した溝部62の前後に設けられた斜面がチェック部材63に設けられた凸部に当接すると、上述した弾性体64の付勢力により大きな摺動抵抗が生じ、リンク部材45cの動きが減速される。そして、リンク部材45cの溝部62が上記チェック部材63の凸部に係合すると、リンク部材45cは所定のチェック力で保持される。そして、ドア52が半開位置で保持されるようになっている。このようなチェック力を発生するリンク部材は、ドア開閉装置を備えていない手動式のドアに通常設けられる既存のリンク部材をそのまま使用することができる。
なお、リンク部材45cの強度が不足する場合、図10のようにリンク部材45cの上下に変形防止ガイド部材65を設け、リンク部材45cの上下方向の変位を規制するようにしてもよい。
【0034】
リンク45bとクランクアーム45aとの連結部、及びリンク45bとリンク部材45cとの連結部は、いずれもボールジョイントで構成されている。このボールジョイントは、球形面を有する回動部材を備え、該球形面がリンク45bの両端に設けられた軸承部の内面に摺接され、3次元的に回動可能に構成されている。このように構成されていることにより、リンク45bは、直線形状を保持したままでリンク部材45cとクランクアーム45aとを連係し、駆動軸44の出力をリンク部材45cに伝達している。
【0035】
そして、本実施形態のリンク機構部45において、クラッチ42がON制御された状態でモータ41が正逆回転すると、この回転力がクラッチ42を介して駆動軸43に伝達される。そして、駆動軸43の出力により、駆動軸43との連結部を中心としてクランクアーム45aが回動する。
また、図2に示すように、ドア52が設定開度まで開扉してモータ41が停止状態にあるときでも、クラッチ42を介してリンク機構部45およびモータ41のある程度の負荷抵抗がドア52に掛かるようになっており、これにより、ドア52が所定の開度位置で保持されるようになっている。
一方、クラッチ42がOFF制御された状態では、モータ41とリンク機構部45との接続が解除されるため、ドア52を手動で操作することが可能となる。このとき、モータ41やリンク機構部45の負荷がドア52に掛からないので、搭乗者は容易にドア52を開閉させることができる。
【0036】
(車両用ドア開閉装置の動作)
次に、上記構成からなる車両用ドア開閉装置Sの動作について説明する。
図12乃至図18は、一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の制御を示すフローチャートである。図12乃至図18のフローチャートの処理は、制御部30の図示しないCPUで制御されている。以下の説明において、ドア開操作信号とドア閉操作信号を総称して単に「ドア開閉操作信号」と記す。
はじめに、本実施形態の車両用ドア開閉装置Sは、ドア自動開操作が行われたか否かの判断を行う(ステップS11)。ドア自動開操作の有無の判断は、ドアハンドル操作検出部35または受信部21において行われる。すなわち、ドアハンドル操作検出部35において判断される場合は、内側ドアハンドルスイッチ23又は外側ドアハンドルスイッチ24から所定のドアハンドル開操作信号が検出されたか否かによって、ドア自動開操作の有無が判断される。
【0037】
ここで、所定のドアハンドル開操作信号とは、例えば、ドアハンドルのハンドルレバーを引いてドア52を開け、このドアが所定の開度α以下にあるときにハンドルレバーを戻した場合に検出されるものとすることができる。また、アームレストに設けた窓操作スイッチ12に形成された4つのボタンにより、各ボタンに割り当てられたドアの自動開/閉操作を行うように構成するものとしてもよい。
そして、受信部21において判断される場合は、ワイヤレスリモコン11による開操作又は閉操作に応じて発せられるリモート信号を受信したか否かによって判断される。ワイヤレスリモコン11には、5つのスイッチボタンを形成し、それぞれにAL(全席)、FR(運転席)、FL(助手席)、BR(後部右側席)、BL(後部左側席)としても良い。このように構成して、開けたいドアのみを指定して、開閉することが可能となるようにしても良い。スマートキーを操作手段とする場合は、スマートキーを所持した状態で車両に近づき、例えば、上記のような所定のドアハンドル操作を行うことにより、ドア自動開操作の有無が認識されるように構成することができる。
【0038】
スイッチ操作がないと判定された場合(ステップS11:NO)は、スイッチ操作があるまで、ステップS11の処理を繰り返す。スイッチ操作が有ると判定された場合(ステップS11:YES)、ドア開閉操作信号をHIGHに設定する(ステップS12)。このHIGH信号は、スイッチ操作がなされてからドア52の自動開閉処理が終了するまでの間出力されており、ドア52の自動開閉処理が終了すると、LOW設定される。
ドア開閉操作信号をHIGHに設定すると(ステップS12)、車両速度が0であるか否か、すなわち駐停車した状態であるか否かを判定する(ステップS13)。車両速度が0でない場合(ステップS13:NO)、車両は走行中であると判定し、処理はS19に進み、ドア開閉操作信号をLOWに設定する(ステップS19)。その後、処理を終了する。これは、車両走行中にドア52の操作を行うことを防止するため、操作を中止、すなわちスイッチ操作を無効とするものである。車両速度が0である場合には(ステップS13:YES)、操作スイッチの操作方向が開方向であるか否かが判定される(ステップS14)。
操作スイッチの操作方向が開方向ではないと判定された場合(ステップS14:NO)、ドア位置が全閉状態であるか否かを判定する(ステップS15)。
ドア52が全閉状態であることは、図示しないドア開閉状態検出センサで検出可能となっている。ドア52が全閉状態であった場合には(ステップS15:YES)、ドア52をこれ以上閉扉することは不可能であるので、誤操作であるとみなして、処理はS19に進み、ドア開閉操作信号をLOWに設定する。その後処理を終了する。
【0039】
ドア52が全閉でなかった場合(ステップS15:NO)、ドア52を閉扉するための操作は有効であると判定してドア閉処理を実行する(ステップS16)。このドア閉処理は、図14及び図15の処理を行う。次いで、このドア閉処理が終了した後、処理はS19に進み、ドア開閉操作信号をLOW設定して処理を終了する。
ドアスイッチ開閉操作信号の操作方向が開方向であると判定した場合(ステップS14:YES)、ドア位置が設定値より小さいか否かを判定する(ステップS17)。すなわち、ドア位置が予め設定された設定値(例えば開度60度)より小さいか否かを判定することとなる。ドア位置は、ドア開角度で把握される。ドア開角度は検出部20のエンコーダ22からの信号によって、制御回路31のカウンタ34で角度換算され求められる。ドア52をどの角度まで開くかは、ドア開度位置設定部80により、例えば60度などに予め設定することが可能であり、ステップS17では、その時点のドア開角度と設定値とが比較されることとなる。ドア位置が設定値未満でない、すなわち設定値以上であると判定した場合(ステップS17:NO)、これ以上の開扉は不適切であると判定し、処理はS19に進み、ドア開閉操作信号をLOWに設定する(ステップS19)。その後、ドア開度の調整が必要であれば、図16乃至図18に示す処理を行う。
ドア位置が設定値より小さいと判断した場合(ステップS17:YES)、ドア52を開扉するための操作は有効であると判定して、ドア駆動モータ41及びクラッチ42を駆動してドア開処理を実行する(ステップS18)。このドア開処理は、図13の処理を行う。次いで、このドア開処理が終了した後、処理はS19に進みドアスイッチ開閉操作信号をLOW設定する(ステップS19)。その後、ドア開度の調整が必要であれば、図16乃至図18に示す処理を行う。
【0040】
次に、図13を参照し、図12のステップS18のドア開処理の詳細を説明する。まず、ステップS21でドア駆動モータ41とクラッチ42が駆動され、ステップS22で自動ドア開作動が開始される。次いで、車両状況検知部70の障害物センサ71により検知され、センサ検知信号検出部27により検出された障害物信号が車両状況保持部37に入力されているか否かを判定する(ステップS23)。障害物信号が、車両状況保持部37に入力されている場合には(ステップS23:YES)、タイマーT1をスタートして(S24)、タイマーT1が設定値以上か否かを判定する(ステップS25)。タイマーT1が設定値以上の場合は(ステップS25:YES)、障害物は排除されていないと判定し、モータ41を停止してドア開扉動作を停止する(ステップS29)。その後、ドア開度の調整が必要であれば、ドア開度位置調整処理が行われる(ステップS30)。このドア開度位置調整処理では、図16乃至図18の処理が行われる。ステップS30のドア開度位置調整処理が終了すると、ドア開閉操作信号をLOW設定して(ステップS31)処理は終了する。
【0041】
タイマーT1が設定値より小さい場合には(ステップS25:NO)、障害物信号が車両状況保持部37に入力されているか否かを再度判定する(ステップS26)。障害物信号が車両状況保持部37にその時点で入力されていると判定した場合には(ステップS26:YES)、処理はステップS25に戻り、タイマーT1が設定値以上か否かを判定する。
障害物信号が車両状況保持部37にその時点で入力されていないと判定した場合には(ステップS26:NO)、障害物は排除されたと判定されて、処理はHを介してステップS27に進む。ステップS24〜ステップS26では、検知された障害物が排除されるか否かをタイマーT1に設定された時間内(例えば3.0秒)監視していることとなる。車両状況保持部37に入力されるデータは一定周期で最新の情報に更新されるため、タイマーT1設定時間内に障害物センサ71で検知された障害物が排除されて障害物センサ71が障害物を検知しなくなった場合には、車両状況保持部37に入力されていた障害物信号はクリアされ、ステップS26でNOの判定がなされることになる。
【0042】
障害物センサ71からの障害物信号が車両状況保持部37に入力されていないと判定した場合には(ステップS23:NO)、ドアの開扉を続けて行い(ステップS27)、ドア開角度と設定値とが比較される(ステップS28)。ドア開角度が設定値に達していない場合(ステップS28:NO)、ステップS27〜ステップS28の処理を繰り返す。
ドア開角度が設定値に達したと判断された場合(ステップS28:YES)、ドア開扉動作が停止される(ステップS29)。このときドア開度の調整が必要であれば、ドア開度位置調整処理が行われる(ステップS30)。このドア開度位置調整処理では、図16乃至図18の処理が行われる。ステップS30のドア開度位置調整処理が終了すると、ドア開閉操作信号をLOW設定して(ステップS31)処理は終了する。
【0043】
次に、図14を参照し、図12のステップS16のドア閉処理の詳細を説明する。ここでは、図示しない挟み込みセンサを用いて、挟み込みを防止しながらドア閉止を行う構成に基づいて説明する。
まず、挟み込みセンサにより、挟み込みが検出されているか否かが判定される(ステップS41)。挟み込みが検出されている場合には(ステップS41:YES)、タイマーT2をスタートして(ステップS42)、タイマーT2が設定値以上か否かを判定する(ステップS43)。タイマーT2が設定値以上の場合は(ステップS43:YES)、挟み込み物は排除されていないと判定し、処理を終了する。/タイマーT2が設定値より小さい場合には(ステップS43:NO)、挟み込み信号が、制御回路31に入力されているか否かを再度判定する(ステップS44)。挟み込み信号が制御回路31になお入力されていると判定した場合には(ステップS44:YES)、処理はステップS43に戻り、タイマーT2が設定値以上か否かを判定する(ステップS43)。挟み込み信号が車両状況保持部37にその時点で入力されていないと判定した場合には(ステップS44:NO)、Jを介して処理はステップS45に進み、ドア位置が半ドア状態か否かを判定する(ステップS45)。すなわち、ステップS42〜ステップS44では、検知された挟み込み物が排除されるか否かをタイマーT2に設定された時間内(例えば3.0秒間)監視していることとなる。制御回路31に入力される挟み込み信号に関するデータは一定周期で最新の情報に更新されるため、タイマーT2設定時間内に、挟み込みセンサで検知された挟み込み物が排除されて、挟み込みセンサが挟み込み物を検知しなくなった場合には、車両状況保持部37に入力されていた挟み込み信号はクリアされ、ステップS44でNOの判定がなされることになる。
【0044】
挟み込みセンサからの挟み込み信号が制御回路31に入力されていないと判定した場合には(ステップS41:NO)、ドア位置が半ドア状態であるか否かを判定する(ステップS45)。半ドア状態とは、ハーフラッチ状態のことをいう。本実施形態では、ドア52を半ドア状態まで閉扉した後、ドアクローザ機構によりドア52を完全閉扉位置まで引き込んで完全閉扉することにより、閉扉時の衝撃を緩和する。クローザ機構とは、ドア52が半ドア状態であると検知された場合に、図示しないクローザモータを駆動させ、ドア52を自動完全閉扉するための機構であり、公知のクローザ機構が使用されている。このクローザモータは、ドア駆動モータ41と併用してもよい。半ドアすなわちハーフラッチ状態であることは、例えばリミットスイッチのような公知の検出手段で検出してもよいし、図示しないドア開閉状態検出センサで検出されるドア全閉信号が検出されない状態で、エンコーダ22で検出されるドア開度が0である場合に半ドアであると判定してもよい。ドアが半ドア状態であると判定された場合には(ステップS45:NO)、図14のKから図15のKを介して処理はステップS52に進み、クローザモータが駆動される(ステップS52)。ドア52が半ドア状態ではない、すなわち開扉状態であると判定された場合は(ステップS45:YES)、ドア駆動モータ41及びクラッチ42が駆動され、ドア52の自動閉扉を開始する(S46)。
【0045】
ドア駆動モータ41及びクラッチ42が駆動されると、車両状況検知部70の挟み込みセンサ73により再度の検知がなされ、センサ検知信号検出部により検出された挟み込み信号が制御回路31に入力されているか否かを判定する(ステップS47)。挟み込み信号が車両状況保持部37に入力されていると判定された場合には(ステップS47:YES)、処理はステップS50に進みドア駆動モータ及びクラッチを停止する(ステップS50)。次いで、処理を終了する。
【0046】
挟み込みセンサ73からの挟み込み信号が車両状況保持部37に入力されていないと判定した場合には(ステップS47:NO)、ドア位置が半ドアに達したか否かを判定する(ステップS48)。
ドア位置が半ドア状態に達していないと判定した場合には(ステップS48:NO)、ドア閉止のためのスイッチ操作が有るか否かを判定する(ステップS49)。スイッチ操作がないと判断された場合(ステップS49:NO)、処理はステップS47に戻り、挟み込み信号が制御回路31に入力されているか否かを判定する(ステップS47)。ドア位置が半ドア状態に達したと判定した場合には(ステップS48:YES)、ドア駆動モータ41及びクラッチ42の駆動を停止する(ステップS51)。すなわち、ドア駆動モータ41及びクラッチ42が駆動されてドア自動閉扉が開始されてから、ドア52が半ドア状態に達するまでの間、常に挟み込みセンサの挟み込み物検知の有無を監視していることとなる。
ドア閉止のスイッチ操作が有ると判断された場合には、ドア駆動モータ41及びクラッチ42を停止する(ステップS51)。
【0047】
ステップS51でドア駆動モータ41及びクラッチ42の駆動を停止すると、図14のKから図15のKに進み、クローザモータを駆動し(ステップS52)、クローザを作動する(ステップS53)。次いで、ドア位置が全閉状態か否かが判定される(ステップS54)。ドア位置が全閉状態ではないと判定されると(ステップS54:NO)、処理はステップS54に戻り、ドア位置が全閉状態か否かが判定される(ステップS54)。つまり、ドア位置が全閉状態となるまでクローザの作動を続ける。ドア位置が全閉状態であると判定すると(ステップS54:YES)、クローザを停止し(ステップS55)、クローザモータの駆動を停止して(ステップS56)、処理を終了する。
【0048】
次に、図16乃至図18を参照し、図13のステップS30のドア開度位置調整処理の詳細を説明する。
ドア開度位置の調整は、開度調整ダイヤル15の操作により行われる。図16乃至図18は、ドア開度位置調整処理に係る制御の流れを示すフローチャートである。また、図19は、開度調整ダイヤル15に係る信号発生状況を示すタイミングチャートである。
図19のタイミングチャートに示すように、本例では、開度調整ダイヤル15の誤操作による作動を防止するため、開度調整ダイヤル15を2回操作することによって、スイッチとして認識されるようにしている。また、開度調整ダイヤル15の操作時間に応じて、マニュアル作動とオート作動のいずれかを選択できるように構成されている。
【0049】
ステップS61〜ステップS64では、ドア開度位置調整処理が選択されたか否かが判定される。すなわち、ステップS61で、開度調整ダイヤル15が操作され、ダイヤル回動検出部25により検知されたダイヤル操作信号が、開度調整操作検出部36に入力されているか否かが判断される(ステップS61)。ダイヤル操作信号が入力されていないと判定された場合(ステップS61:NO)には、入力されるまでステップS61の処理を繰り返す。
ダイヤル操作信号が入力されたと判定された場合(ステップS61:YES)、次いで、制御回路31では受信信号のカウントが開始される(ステップS62)。受信信号の数はN=N+1で計算処理される(ステップS63)。そして、制御回路31の不図示のCPUで、N>1かどうか判断し(ステップS64)、N>1でない場合(ステップS64:NO)にはスタートへ戻り、ダイヤル操作信号を再度受信するルーチン(ステップS61〜ステップS64)へ戻る。つまり、誤操作という判断をする。
【0050】
一方、N>1の場合(ステップS64:YES)には、2回目のダイヤル操作信号を受信したことになり、ドア開度位置調整処理が開始される(ステップS65)。ドア開度調整が開始されると、ドア開度位置が半ドア状態よりも大きいか否かを判定する(ステップS66)。ドア開度位置が半ドア状態よりも小さいということは、ドア開処理において障害物が検出され、障害物との距離があまりにも近いため、半ドア状態よりも小さいドア開度となっているものである。このため、ドア開度位置が半ドア状態よりも小さいと判定された場合(ステップS66:YES)は、これ以上のドア開扉は不可能であるとして、Kを介して、図15に示すクローザ機構によるドア52の自動完全閉扉がなされる。
ドア位置が半ドア状態ではないと判定された場合(ステップS66:NO)には、ステップS67に進み、開度調整ダイヤル15の回動方向が開方向であるか否かが判定される。
【0051】
開度調整ダイヤル15の操作方向が開方向であると判定された場合(ステップS67:YES)、Lを介して、図17に示すドア開度位置を開方向に調整する処理が行われる。開度調整ダイヤル15の操作方向が開方向ではないと判定された場合(ステップS67:NO)、Mを介して、図18に示すドア開度位置を閉方向に調整する処理が行われる。
図17は、ドア開度位置を開方向に調整する処理の流れを示すフローチャートである。この処理では、まず、障害物センサ71による障害物の検出がなされているか否かが判定される(ステップS71)。障害物センサ71による障害物の検出がなされていないと判定された場合(ステップS71:NO)、ステップS73に進む。障害物センサ71による障害物の検出がなされていると判定された場合(ステップS71:YES)、ステップS72で車両状況保持部37に入力されている障害物信号を取り消す処理が行われ、ステップS73に進む。
【0052】
ステップS73では、開度調整ダイヤル15のトータルの操作時間tがΔt1より長いかどうかが判定される。t>Δt1である場合(ステップS73:YES)、マニュアル作動となり、開度調整ダイヤル15を回している間だけドア駆動モータ41が作動し、ドア52が開く方向に作動される(ステップS74)。
このとき、開度調整ダイヤルの回動幅に応じてドア開駆動信号が出力され、開度調整ダイヤルが大きく回動されている場合には、比較的速い速度でドアの開作動が行われ、開度調整ダイヤルが小さめに回動されている場合には、ドアの開作動が遅い速度で行われる。
次いで、開度調整ダイヤル15の操作が停止されたか否かが判定される。すなわち、ダイヤル回動検出部25により検知されたダイヤル停止操作信号が、開度調整操作検出部36に入力されているか否かが判定される(ステップS75)。
開度調整ダイヤル15の操作が停止されたと判定された場合(ステップS75:YES)、ドア駆動モータ41及びクラッチ42の駆動を停止し(ステップS76)、処理を終了する。開度調整ダイヤルの操作が終了していない場合(ステップS75:NO)には、ステップS74〜ステップS75の処理が繰り返し行われる。
【0053】
ステップS73で、t<Δt1であると判定された場合(ステップS73:NO)、オート作動となり、ドア駆動モータ41およびクラッチ42によりドア52が開く方向に作動される(ステップS77)。
開度調整がオート作動されている場合、ステップS78において、ドアが全開したか否かが判定される。ドアが全開したと判定された場合(ステップS78:YES)には、ドア駆動モータ41及びクラッチ42の駆動を停止し(ステップS76)、処理を終了する。ドアが全開していない場合(ステップS78:NO)には、タイマT3を作動させる(ステップS79)。そして、タイマT3が設定値以上になったときに、ドア52の開度が変化しているか否かが判定される(ステップS80)。ドア52の開度が変化している場合(ステップS80:YES)、ドア52が開扉途中であると判断され、ステップS77〜ステップS80の処理が繰り返し行われる。ドアの開度が変化していない場合(ステップS80:NO)、ドア52が障害物に当たっている等の理由により、これ以上ドア52が開扉しないものと判断され、ドア駆動モータ41及びクラッチ42の駆動を停止する処理がなされ(ステップS76)、処理を終了する。
【0054】
開度調整ダイヤル15の操作方向が開方向ではない(すなわち、閉方向である)と判定された場合(ステップS66:NO)、図18のMを介して、ドア開度位置を閉方向に調整する処理が行われる。図18に示すように、閉方向に調整する処理では、まずトータルの操作時間tがΔt1より長いかどうかが判定される(ステップS91)。t>Δt1である場合(ステップS91:YES)、マニュアル作動となり、開度調整ダイヤルを回している間だけドア駆動モータ41が作動し、ドア52が閉じる方向に作動される(ステップS92)。
このとき、開度調整ダイヤルが大きく回動されている場合には、比較的速い速度でドアの閉作動が行われ、開度調整ダイヤルが小さめに回動されている場合には、ドアの閉作動が遅い速度で行われる。
次いで、開度調整ダイヤル15の操作が停止されたか否かが判定される。すなわち、ダイヤル回動検出部25により検知されたダイヤル停止操作信号が、開度調整操作検出部36に入力されているか否かが判定される(ステップS93)。
開度調整ダイヤル15の操作が停止されたと判定された場合(ステップS93:YES)、ドア駆動モータ41及びクラッチ42の駆動を停止し(ステップS94)、処理を終了する。開度調整ダイヤルの操作が終了していない場合(ステップS93:NO)には、ステップS92〜ステップS93の処理が繰り返し行われる。
t<Δt1である場合(ステップS91:NO)、オート作動となり、ドア駆動モータ41およびクラッチ42によりドア52が閉じる方向に作動される(ステップS95)。開度調整がオート作動される場合は、ステップS96で、図14に示すドア閉処理が行われる。次いで、このドア閉処理が終了した後、処理はS94に進み、ドア開閉操作信号をLOW設定して処理を終了する。
【0055】
以上のように、本例のドア開閉装置によれば、ドア開度を予め設定することができ、さらに、設定開度までドアが開扉されたときに、ドアの開度を微調整することが可能である。そして、ドアに障害物センサが設けられており、車両の側方に障害物があった場合にドアの開扉が制限されている場合であっても、障害物センサの検出を無視してドアを開放することが可能である。
したがって、事故等においてドアの開放が最優先されるような事態において、ドアの開放を確実に行うことが可能となる。また、操作ダイヤルのマニュアル作動で、ドアの開閉位置を調整できるので、操作者の意志を反映させた微調整が可能となる。したがって、障害物センサによって、障害物との間に多少隙間がある状態でドアが開放されているような場合、隙間の範囲内で少しだけドアを開扉させる微調整を行い、障害物にドアを接触させることなく、乗降をスムーズにすることが可能である。
【0056】
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(イ)本実施形態の車両用ドア開閉装置Sは、ドア開度位置設定部80を備え、搭乗者の所望の開度でドア開度位置を予め設定することができる。したがって、搭乗者の体格や、車両が駐車される場所等に応じて、適切なドア開度位置を設定することが可能となる。このように、搭乗者が自由にカスタマイズできるドア開閉装置を提供することができる。
(ロ)本実施形態の車両用ドア開閉装置Sでは、予め設定されたドア開度までドアが開扉された後、または、障害物センサ71の作動によりドア開扉が停止された後に、ドア開度を微調整することができるように構成されている。すなわち、予め設定された開度でドアが開扉されている場合において、もう少しドアを開扉させれば乗降をスムーズにできる場合などに、ドアの開度を微調整することが可能である。
また、本実施形態の車両用ドア開閉装置Sでは、障害物センサ71の作動により、ドア開扉が制限されているような場合であっても、障害物センサ71の検出を無視して、ドアの開放を行うことが可能である。したがって、ドア開扉が最も優先される事態が発生した場合において、障害物センサ71の検出を無視してドア開扉を行うことができ、救助等に支障をきたすことを防止することが可能となる。
また、障害物センサ71の検出により、ドア開扉が制限されているとき、通常は、障害物とドア52との間には、わずかな隙間が存在する。これは、障害物センサ71が障害物との距離を検出するときに、赤外線等を障害物に照射し、障害物からの反射光により障害物との距離を測る仕組みになっているためである。
本実施形態の車両50においては、開扉調整手段が調整ダイヤルから構成されており、マニュアル作動が可能であるため、微調整が可能である。したがって、上記わずかな隙間の範囲内で、ドアをさらに開扉させたい場合、障害物にドア52を接触させることなく、ドアの開度位置を調整することが可能である。
【0057】
(ハ)また、本実施形態の車両用ドア開閉装置Sでは、開度を調整するときに、開度位置調整手段の操作時間を変えることにより、マニュアル作動とオート作動に切り替えることが可能であり、スイッチ操作の操作性を向上させることが可能である。
(ニ)さらに、本実施形態の車両用ドア開閉装置Sによれば、開度を調整しているときに、障害物と接触しそうになったため、もう少し開度を小さくしたい場合等には、ドアを閉じる方向に微調整することが可能である。また、障害物が車両等であって、乗降するときに障害物が車両50の側方から移動していた場合などには、開度調整手段のオート作動により、ドアの開動作を再開させることが可能である。また、オート作動によりドアを閉止することも可能である。
【0058】
なお、本発明の実施の形態は、以下のように改変することができる。
(a)上記実施形態では、車両用ドア開閉装置Sが蝶番式のドア52を有する車両50に備えられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、車両用ドア開閉装置Sは、スライド式のドアを有する車両に用いられていても良い。このときのドア開度はドアのスライド量で求められる。また、車両用ドア開閉装置Sは、跳ね上げ式のドアを有する車両等に用いられていても良い。さらに、自動開扉させるドアは、前席用のドアに限らず、後席用や背面ドア等であっても良い。
(b)ドア開度位置設定部80について、ドア開度位置を設定する際に目安となる開度が表示されたゲージが設けられ、このゲージにしたがって、ドアの開度位置が設定される構成のものを示したが、図20に示すように、表示パネル81に、現状の設定位置84と、変更後のドア開度位置85とが、イメージ表示される構成のものとしても良い。この場合は、選択ボタン82aを押すことに応じて、変更後のドア開度位置85が変化していき、所望のドア開度位置で設定ボタン82cを押すことにより、変更後のドア開度位置が設定される。
【0059】
(c)ドア開度位置設定部80について、デジタル的な表示パネル81を備え、表示パネル81にて設定した値を制御回路31に記憶させる構成としたが、ドア開度位置設定部80を可変抵抗器から構成しても良い。この場合は、ドア開度位置設定部80をダイヤル式とし、ダイヤル回動により変化する抵抗値に対応して、制御回路31にドアの位置を特定するドア位置指令信号が入力され、それに対応してドアを駆動するドア開閉駆動信号が出力される。
(d)ドア52にタッチセンサや負荷センサを設け、ドア52に外部から負荷が掛かった場合に、ドア52の開閉制御が自動的に停止されるような構成であっても良い。すなわち、ドア52の自動開閉中における開度検出と共に、負荷検出および検出負荷判断を行い、この検出負荷判断処理にて、予め設定した負荷を超えたと判断した場合に、ドア52を停止させるようにしても良い。このようにすると、自動開閉中のドア52に搭乗者が触れるだけでドア52の自動開閉を停止させることができる。従って、狭い駐車場に車両50を駐車した際などに有効である。
【0060】
(e)車両50のドア52の付近に音声報知装置や表示報知装置等を設け、車両用ドア開閉装置Sがドア52を自動式に開閉させている最中に、その旨を前記音声報知装置や表示報知装置等によって報知するように構成されていても良い。また、車両用ドア開閉装置Sの作動中に車両50を発進させてしまわないように、運転席等に警告灯を設けても良い。
(f)上記実施形態では、ワイヤレスリモコン11の操作、内側ドアハンドル13または外側ドアハンドル14の操作態様によって、ドア自動開操作の有無が判断される構成、窓操作スイッチ12がドア自動開操作を兼用する構成が示されているが、これに限らず、ドア開閉の専用スイッチを設けた構成としても良い。
また、これらのスイッチの配設場所は特に限定されず、ドア52の外側又は内側、運転席のアームレスト57上、インストルメンタルパネル等に配設してもよいし、カーナビゲーションシステムの画面上に設定してもよい。
【0061】
(g)上記実施形態では、車両用ドア開閉装置Sがドアヒンジ46で回動可能に保持されるドア52を有する車両50のドア52側に備えられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、車両50の車体側にドア駆動モータ41と、クラッチ42と、リンク機構部45とを配設し、リンク部材45cを回動可能に軸支する軸受部44bをドア52側に設ける構成としてもよい。
(h)上記実施形態では、リンク機構部45がクランクアーム45aとリンク45bとリンク部材45cとから構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、クランクアーム45aの下端部に噛合するピ二オンを有し、該ピニオンを介して駆動軸43の出力を伝達する構成であっても良い。また、駆動軸43とクランクアーム45aが複数の歯車からなる減速機構を介して連結される構成であってもよい。
さらに、リンク部材45cは、車体側又はドア側に設けられた支持軸44aに軸支されていたが、リンク部材45cと支持軸44aとの間に別のリンク機構を設ける構成であってもよい。
【0062】
(i)上記実施形態では、ドア駆動モータ41がドア52の内部に固設され、ドア駆動モータ41の回転力によってリンク機構部45が駆動され、ドア52を開閉させるように構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、図21に示すように、ピラー53の内部に固定されたドア駆動モータ41と、モータ41の上端部に配設されたクラッチ42と、駆動機構部144とを備えた構成であってもよい。
【0063】
この駆動機構部144は、図22に示すように、駆動軸144aと、駆動側歯車144bと、従動側歯車144cと、出力軸144dと、支持軸144eと、ヒンジアーム145a,145bと、から構成されている。駆動軸144aは、クラッチ42を介してドア駆動モータ41の回転軸(不図示)に接続されており、駆動軸144aの上端部には、駆動側歯車144bが配設されている。従動側歯車144cは、出力軸144dの下端部に配設されると共に、駆動側歯車144bに歯合されている。また、従動側歯車144cは、駆動側歯車144bよりも大径の歯車で構成されており、これにより、駆動側歯車144bおよび従動側歯車144cによって減速機構が構成され、ドア駆動モータ41の回転が減速されるようになっている。
【0064】
出力軸144dは、ピラー53の上側に固定された軸受部147aに回動可能に軸支されており、支持軸144eは、ピラー53の下側に固定された軸受部47bに回動可能に軸支されている。出力軸144dの中央部には、ヒンジアーム145aが固設されており、支持軸144eの中央部には、ヒンジアーム145bが固設されている。ヒンジアーム145aの自由端は、図9に示すように、ドア52の回動軸側端面の上部に固定され、ヒンジアーム145bの自由端は、ドア52の回動軸側端面の下部に固定されている。
そして、ドア駆動モータ41が回転すると、この回転力がクラッチ42を介して駆動軸144aに伝達され、駆動側歯車144bが回転する。駆動側歯車144bが回転すると、従動側歯車144cが回転し、出力軸144dが回転する。これにより、ヒンジアーム45aが回動し、これに伴って、ドア52が開閉するようになっている。
なお、駆動機構部144は、2つの平歯車からなる減速機構のかわりに、ウォームギアと平歯車とからなる減速機構やベルト機構を備えた構成であっても良い。
【0065】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の車両用ドア開閉装置によれば、予め設定されたドア開度までドアが開扉された後、ドア開度位置を調整することができるように構成されているので、乗降者の体格等に応じてドア開度を調整し、乗降をスムーズに行うことが可能となる。また、障害物が検出されたときに、ドアが所定開度に制限されて開扉されているときにも、障害物センサの検出を無視してさらにドアを開扉させることができるので、例えば、事故が起こった場合の救助等に支障をきたすことを防止することが可能となる。
また、ドア開度位置を予め設定することができるので、搭乗者が自由にカスタマイズできるドア開閉装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両においてドアが半開き状態にある様子を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置によってドアが全開状態にある様子を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る内側ドアハンドルの構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る外側ドアハンドルの構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る車両のドアおよび窓操作スイッチの構成を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る開度調整ダイヤルの構成を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る開度調整ダイヤルの構成を示す分解説明図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る開度位置設定部の構成を示す説明図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るドア開閉駆動部が配設された車両のドアの一部切欠側面図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る変形防止ガイド部材を備えたドア開閉駆動部の構成を示す側面図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の全体構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の制御を示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の制御を示すフローチャートである。
【図14】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の制御を示すフローチャートである。
【図15】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の制御を示すフローチャートである。
【図16】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の制御を示すフローチャートである。
【図17】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の制御を示すフローチャートである。
【図18】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の制御を示すフローチャートである。
【図19】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の制御における信号発生状況を示すタイミングチャートである。
【図20】本発明の一実施形態に係るドア開度位置設定部の改変例を示す説明図である。
【図21】本発明の一実施形態に係るドア開閉駆動部の改変例を示す説明図である。
【図22】本発明の一実施形態に係るドア開閉駆動部の改変例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 操作部、11 ワイヤレスリモコン、12 窓操作スイッチ、13 内側ドアハンドル、13a ハンドルレバー、14 外側ドアハンドル、14a ハンドルレバー、15 開度調整ダイヤル、20 検出部、21 受信部、22 エンコーダ、23 内側ドアハンドルスイッチ、24 外側ドアハンドルスイッチ、25 ダイヤル回動検出部、26 センサ検知信号検出部、30 制御部、31 制御回路、32 駆動回路、33 信号処理部、34 カウンタ、35 ドアハンドル操作検出部、36 開度調整操作検出部、37 車両状況保持部、38 設定開度記憶部、40 ドア開閉駆動部、41 ドア駆動モータ、42 クラッチ、43 駆動軸、44a 支持軸、44b 軸受部、45 リンク機構部、45a クランクアーム、45b リンク、45c リンク部材、46a,46b ドアヒンジ、48 ドアロック用モータ、49 リリース用モータ、50 車両、51 ドア開口部、52 ドア、53 ピラー、54 ロック部、55 ピラー、56 ストライカー部材、57 アームレスト、60 チェック機構部、61 ハウジング、62 溝部、63 チェック部材、64 弾性体、65 変形防止ガイド部材、70 車両状況検出部、71 障害物センサ、80 ドア開度位置設定部、81 表示パネル、82 設定入力ボタン、S 車両用ドア開閉装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用ドア開閉装置に係り、ドアが開扉された後に、搭乗者の意思によりドアの開度位置を調整することが可能な車両用ドア開閉装置及び車両用ドア自動開閉方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、乗用自動車等のドアを自動で開閉する車両用ドア開閉装置が提案されている。従来の車両用ドア開閉装置においては、スイッチ操作等の簡易な操作で、車両用ドアの自動開閉が可能な構成となっている。特許文献1に記載の車両用ドアの開閉装置は、乗員のスイッチ操作によって、車両のドアを自動開閉する装置であり、予め記憶された開放態様に基づいて、ドアの自動開閉を制御する構成となっている。また、ドアにヒンジアームが設けられており、ドア開扉時におけるヒンジアームの回動により、ドアが車両の前方へせり出すようにして開き、ドアの開度が十分でない場合でも乗降りのスペースを確保することが可能となっている。ヒンジアームの車体に対する開放限の角度と、ドアのヒンジアームに対する開放限の角度とがそれぞれメモリーに記憶されるようになっており、スイッチの操作によって予め記憶された角度から、所定の開放角度を選択してドアを開くことができるように構成されている。
【特許文献1】
特許第2768084号公報(第4−7頁)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、予めメモリーに記憶されたドアの開放角度に基づいてドア開扉制御が行われるものであり、ドアが開扉した後に、さらに開度を微調整することができなかった。このため、例えば障害物を考慮してドアを開扉したとき、もう少しドアを開いたとしてもドアが障害物に当たることなく、乗員が乗降をスムーズに行えるような場合であっても、最初に開かれた開放角度の範囲内で乗降しなければならなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、車両ドアを自動で開閉可能であると共に、乗降者の意思によりドアの開度位置を調整することが可能な利便性の高い車両用ドア開閉装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、請求項1に記載の車両用ドア開閉装置によれば、ドアを開閉駆動するドア開閉駆動手段と、ドア開閉指令信号を出力するドア開閉のための操作手段と、車両周辺の状況に関する車両状況信号を出力する車両状況検知手段と、前記ドアの開度位置を設定するドア開度位置設定手段と、前記ドア開閉指令信号及び前記車両状況信号を検出する検出手段と、該検出手段によって検出された信号に基づいて前記ドア開閉駆動手段を制御する制御手段と、を備えた車両用ドア開閉装置であって、前記操作手段は、前記ドア開度位置設定手段により予め決められた開度位置、または前記車両状況信号に基づいた開度位置まで前記ドアが開扉された後で、前記ドアの開度位置を調整するドア開度位置調整手段を備え、
前記制御手段は、前記ドア開度位置調整手段からのドア開度位置調整信号を受信した場合に、前記開扉されたドアをさらに開扉または閉扉させる制御を行う、ことにより解決される。
【0005】
このように、本発明のドア開閉装置は、所定開度位置までドアが開扉されているときに、前記ドア開度位置調整手段が操作された場合には、前記開度位置からさらに開扉または閉扉される構成とされている。このように、ドアが開扉された後に、さらにドア開度位置の調整が可能とされており、体格の異なる搭乗者が乗車する場合であっても、ドア開度の設定値をその都度変えることなく、スムーズに乗降を行うことが可能となる。
【0006】
また、請求項2に記載のように、本発明の車両用ドア開閉装置において、前記制御手段は、該ドア開度位置調整手段からのドア開度位置調整信号を受信した場合に、前記車両状況検知手段からの車両状況信号を無効としても良い。例えば、車両状況として障害物が検出され、ドアの開度が制限されているとき、ドア開度位置調整手段からのドア開度位置調整信号を受信した場合には、前記車両状況検知手段からの車両状況信号を無効とする。このような構成により、例えば、ドア開放が最優先される緊急時において、障害物が検出されていた場合であっても、この障害物の検出を無視してドアを最大限まで開扉することが可能である。したがって、事故が起こった場合の救助等に支障をきたすことを防止することができる。
【0007】
また、請求項3に記載のように、本発明の車両用ドア開閉装置において、前記ドア開度位置調整手段の操作時間が所定時間よりも長い場合に、前記ドア開度位置調整手段が操作されている間中、前記制御手段が前記ドア開閉駆動手段を制御するように構成されていると好適である。すなわち、ドア開度位置調整手段の操作時間が所定時間よりも長い場合にはマニュアル作動となり、ドア開度位置調整手段が操作されている間はドアが作動し、操作手段から手を離すと調整作動が停止する。このように、マニュアル動作時にはドア開扉位置の調整に操作者の意志を反映させやすくなり、微妙な開度の調整が可能となる。
【0008】
また、請求項4に記載のように、本発明の車両用ドア開閉装置において、前記ドア開度位置調整手段の操作時間が所定時間よりも短い場合に、前記ドアが開扉限界位置または閉扉限界位置になるまで、前記制御手段により前記ドア開閉駆動手段が制御される構成とすると好適である。すなわち、操作手段の操作時間が所定時間よりも短い場合にはオート動作となり、ドア開扉後に、オート作動によりさらにドアの開閉を行うことが可能となる。
このように、本発明の車両用ドア開閉装置では、ドア開扉後に、ドア開度位置の調整を行う場合、ドア開度位置調整手段の操作時間を変化させることにより、オート作動とマニュアル作動とが選択可能に構成されている。
【0009】
さらに、請求項5に記載のように、本発明の車両用ドア開閉装置において、前記制御手段は、前記ドアの開度を検出するドア開度検出手段より、前記ドアの開度を示す前記ドア開度検出信号を受信して、前記ドア開度検出信号の検出開度が前記ドア開度位置設定手段により予め設定された開度に達したと判断した場合に、前記ドアの開閉動作を停止するように構成されていると好適である。このように、ドア開度を予め設定することが可能であるため、搭乗者の所望の開度でドア開扉させることができ、乗降者の利便性が向上する。また、ドアを自動開放する場合に、ドアの開動作を停止する必要がなく好適である。
【0010】
前記課題は、本発明の請求項6に係る車両用ドア自動開閉方法によれば、車両用ドアを自動で開閉する車両用ドア自動開閉方法であって、前記ドアを所定の開扉位置まで開扉作動させるステップと、前記ドアが所定の開扉位置まで開扉されたときに、前記ドアの開度位置を調整するドア開度位置調整信号を検知するステップと、前記開度位置調整信号に基づいて前記ドアの開度位置を変更させるステップと、を行うことにより解決される。
このように、所定の開度位置までドアが開扉された場合、乗降者の体格等により乗降をスムーズに行えないような場合に、ドア開度位置の調整を行い、快適な乗降を実現することが可能となる。
【0011】
なお、請求項7に記載のように、本発明の車両用ドア自動開閉方法において、前記ドアを所定の開扉位置まで開扉作動させるステップで、予め設定された開扉位置まで前記ドアが開扉されるようにすると、所望の開度位置でのドア開扉が可能となり好適である。
【0012】
さらに、前記課題は、本発明の請求項8に係る車両用ドア自動開閉方法によれば、車両用ドアを自動で開閉する車両用ドア自動開閉方法であって、前記ドアを所定の開扉位置まで開扉作動させるステップと、該開扉作動中に前記ドアの側方にある障害物を検出するステップと、前記障害物が検出されたときに前記ドアを所定の開扉位置で停止させるステップと、前記ドアが所定の開扉位置で停止されたときに、前記ドアの開度位置を調整するドア開度位置調整信号を検知するステップと、前記開度位置調整信号による前記ドアの調整方向が開方向である場合に、前記障害物の検出信号を無効にするステップと、を行うことにより解決される。
このように、障害物が検出されたことよりも、ドア開度位置の調整の方が優先されるため、ドア開放が必要とされる緊急時にも、支障なく対応することが可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1乃至図11は本発明の一実施形態を示す図で、図1は車両においてドアが半開き状態にある様子を示す説明図、図2は車両用ドア開閉装置によってドアが全開状態にある様子を示す説明図、図3は内側ドアハンドルの構成を示す斜視図、図4は外側ドアハンドルの構成を示す斜視図、図5は車両のドアおよび窓操作スイッチの構成を示す説明図、図6及び図7は開度調整ダイヤルを示す説明図、図8は開度位置設定部を示す説明図、図9はドア開閉駆動部が配設されたドアの一部切欠側面図、図10は変形防止ガイド部材を備えたドア開閉駆動部の構成を示す側面図、図11は車両用ドア開閉装置の全体構成を示すブロック図である。
【0014】
(車両用ドア開閉装置の構成)
はじめに、図1乃至図11を参照しながら、本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の構成について説明する。図11に示す符号Sは、本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置である。
この車両用ドア開閉装置Sは、乗用自動車等の車両50(図1,図2参照)に配設され、この車両50に設けられたドア52を手動開閉可能な状態から自動的に開閉する状態に切り替えて自動式に開閉させるためのものである。
【0015】
本実施形態に係る車両用ドア開閉装置Sは、図11に示す通り、操作部10と、検出部20と、制御部30と、ドア開閉駆動部40と、車両状況検知部70と、ドア開度位置設定部80と、から構成されており、検出部20が検出手段、制御部30が制御手段、ドア開閉駆動部40がドア開閉駆動手段、車両状況検知部70が車両状況検知手段、ドア開度位置設定部80がドア開度位置設定手段に相当する。
操作部10は、ワイヤレスリモコン11と、窓操作スイッチ12と、内側ドアハンドル13と、外側ドアハンドル14と、開度位置調整手段としての開度調整ダイヤル15と、から構成されている。
ワイヤレスリモコン11は、図1、図2に示すように、運転者等が車外からドア52の開閉操作を行えるものであり、例えば、不図示の開操作スイッチおよび閉操作スイッチを有して構成されている。このワイヤレスリモコン11の開操作スイッチを操作すると、後述する受信部21に開操作信号が出力され、ワイヤレスリモコン11の閉操作スイッチを操作すると、後述する受信部21に閉操作信号が出力されるようになっている。
窓操作スイッチ12は、図5に示すように、ドア52の内側に形成されたアームレスト57に設けられている。この窓操作スイッチ12には、運転席、助手席、左後部座席、右後部座席の各座席に対応した操作スイッチが設けられており、この各操作スイッチを操作すると、各座席に対応した窓開操作信号および窓閉操作信号を受信部21に出力することができるようになっている。
【0016】
内側ドアハンドル13は、図2、図3に示すように、ドア52の室内側面に配設されると共に、ハンドルレバー13aを有して構成されている。本実施形態の車両50では、このハンドルレバー13aを室内側(図3に示す矢印Aの方向)に引くと、後述するロック部54とストライカー部材56の係合が解除され、ドア52が開くようになっている。
一方、外側ドアハンドル14は、図1、図4に示すように、ドア52の外側面に配設されると共に、ハンドルレバー14aを有して構成されている。このハンドルレバー14aを車両外側(図4に示す矢印Bの方向)に引くと、後述するロック部54とストライカー部材56の係合が解除され、ドア52が開く構成となっている。
【0017】
開度調整ダイヤル15は、ドア52が開扉された後に、ドア開度位置を調整するためのものである。この開度調整ダイヤル15により、ドアが自動開扉制御されるときのドア52の開度を調整することができる。したがって、搭乗者の体格や、緊急時などに、ドア52を適正な開放位置まで開扉させることが可能となる。
開度調整ダイヤル15は可変抵抗器からなり、図7に示すように、抵抗体15aとダイヤル部15bとばね部材15cとから構成されている。ダイヤル部15bには突出片15dが設けられ、ダイヤル部15bの回動位置を示すように構成されている。
開度調整ダイヤル15は、図6に示すように、センタ位置で抵抗値が0となり、ダイヤルの回動位置により抵抗値が変えられるように構成されており、操作終了後は常にセンター位置に戻るように構成されている。そして、開度調整ダイヤル15の回動に応じて、ドア開閉駆動部40を駆動制御するためのドア開閉駆動信号の電圧値が変化し、ドア52が開閉駆動されるように構成されている。
本例では、ダイヤル部15bが右側に回動されたときに、ダイヤル回動検出部25でダイヤル操作態様が検出され、開度調整操作検出部36からドア開操作信号が出力されて、ドア52を開方向に作動させる駆動処理がなされるものとされる。また、ダイヤル部15bが左側に回動されたときに、ダイヤル回動検出部25でダイヤル操作態様が検出され、開度調整操作検出部36からドア閉操作信号が出力されて、ドア52を閉方向に作動させる駆動処理がなされるものとされる。
【0018】
車両状況検知部70は、車両の状況を検出するためのものであり、車両状況検知手段に相当する。車両状況検知部70は、障害物センサ71を備えて構成されている。障害物センサ71は、物体を検出するセンサであり、公知の超音波センサや赤外線センサ等が使用される。障害物センサ71は、超音波や赤外線の受信に応じた距離情報を制御回路31に出力するように構成されている。障害物センサ71は、ドア52と、ドア52の側方にある障害物との離間距離が停止判定距離L以下になったときに、ドア52の開扉停止制御を開始するように構成されている。
障害物センサ71は、図1に示すように、ドア52の外側に配設され、図1に示すように、ドア52が開閉回動する場合の回動中心軸より最も離れた場所に配設される。なお、障害物センサ71の配設個数や配設箇所は限定されず、複数箇所に適宜個数設けることも可能である。
【0019】
ドア開度位置設定部80は、ドア52が自動で開扉される際のドア開度を設定するものである。ドア開度位置設定部80は、図8に示すように、表示パネル81と設定入力ボタン82とからなり、例えば車両のコントロールパネルやワイヤレスリモコン11或いはカーナビゲーションシステムの画面上に配置されている。
表示パネル81には、半ドア、中間、全開のように、ドア開度を設定する際に目安となる開度が表示されたゲージ83が設けられており、このゲージ83にしたがって、ドア52の開度が設定される。このゲージ83には、現在の設定値を示す矢印84が表示されており、「開」ボタン82aまたは「閉」ボタン82bが押下されることにより、矢印が移動するように構成されている。そして、矢印が所望の位置まできたときに「開」ボタン82aまたは「閉」ボタン82bの押下をやめて、「設定」ボタン82cを押すことにより、指定した開度が設定され、矢印85にて表示されるように構成されている。
このように、本例のドア開度位置設定部80は、デジタル的な表示部を設けた操作盤にて設定可能であるため、搭乗者は自由且つ簡単にドア開度位置を設定することができ、面倒な調整を必要とせず利便性が向上する。
上記のようにして設定された設定値は、設定開度記憶部38に記憶される。設定開度記憶部38は、制御部30の記憶領域に設けられている。設定開度記憶部38では、複数の設定値を記憶できるように構成されている。
【0020】
検出部20は、後述する車両50に設けられたドア52(図1、図2参照)の操作状況に応じて得られる種々の信号を検出するためのものであり、受信部21と、エンコーダ22と、内側ドアハンドルスイッチ23と、外側ドアハンドルスイッチ24と、ダイヤル回動検出部25と、センサ検知信号検出部26と、から構成されている。
受信部21は、ワイヤレスリモコン11から発せられる赤外線や電波などを受信することができるように適宜選択される。そして、受信部21は、ワイヤレスリモコン11による開操作又は閉操作に応じて発せられるリモート信号を受信して、後述する信号処理部33に受信信号を出力するように構成されている。
【0021】
エンコーダ22は、ドア52の回動軸中心(例えば、後述するドアヒンジ46や出力軸144d)に配設され、ドア52の開度に応じた数のパルスを制御部30のカウンタ34に出力することができるように構成されている。また、エンコーダ22には、例えば、複数のスリットが環状に設けられた円板と、光学素子とを備えてなる光学式ロータリエンコーダ等が用いられる。なお、エンコーダ22は、絶対的な回転量に応じたパルスを出力することが可能なアブソリュート型で構成されていることが望ましい。これにより、ドア52の絶対的な開度を正確に検出することが可能となる。また、コスト低減のために、ホールICを用いて位置検出を行っても良い。
【0022】
内側ドアハンドルスイッチ23は、内側ドアハンドル13(図2、図3参照)によるドア操作態様を検出するためのものである。この内側ドアハンドルスイッチ23は、内側ドアハンドル13が閉じている状態にあるときに、制御部30のドアハンドル操作検出部35に内側ハンドル閉操作信号(例えば、LOW信号)を出力すると共に、内側ドアハンドル13が開いている状態にあるときに、ドアハンドル操作検出部35に内側ハンドル開操作信号(例えば、HIGH信号)を出力することができるように構成されている。
外側ドアハンドルスイッチ24は、外側ドアハンドル14(図1、図4参照)によるドア操作態様を検出するためのものである。この外側ドアハンドルスイッチ24は、外側ドアハンドル14が閉じている状態にあるときに、制御部30のドアハンドル操作検出部35に外側ハンドル閉操作信号(例えば、LOW信号)を出力すると共に、外側ドアハンドル14が開いている状態にあるときに、ドアハンドル操作検出部35に外側ハンドル開操作信号(例えば、HIGH信号)を出力することができるように構成されている。
【0023】
ダイヤル回動検出部25は、開度調整ダイヤル15の操作態様を検出するためのものである。このダイヤル回動検出部25からは、ダイヤル部15bの突出片15dがセンタ位置にあるときに、制御部30の開度調整操作検出部36にダイヤル操作停止信号(例えば、LOW信号)が出力されると共に、ダイヤル部15bが回動された状態にあるときに、ドアハンドル操作検出部35にダイヤル操作信号(例えば、HIGH信号)が出力されるように構成されている。
センサ検知信号検出部26は、車両状況検知部70において検知された信号を検出するためのものである。ここで検出された信号は、後述する制御部30に送信され、ドア52を自動開閉することが可能な車両状況であるか否かを判定するために利用される。
【0024】
制御部30は、検出部20から得られる検出信号に基づいてドア開閉駆動部40を駆動制御するためのものであり、制御回路31と、駆動回路32とから構成されている。制御回路31は、図示しないCPUや、このCPUを動作させるためのプログラム及び制御に必要なデータが格納されたROM、RAM等の記憶領域を備えた演算回路で構成され、信号処理部33,カウンタ34,ドアハンドル操作検出部35,開度調整操作検出部36,車両状況保持部37,演算処理部(不図示)を主要構成とするものである。また、制御回路31の記憶領域には、設定開度記憶部38が設けられ、ドア開度位置設定部80で設定されたドア開度設定値が記憶されるように構成されている。
【0025】
信号処理部33は、後述するように、遠隔操作手段から受信部21が受信した信号に基づいて、不図示のランプの点滅、クラッチ42、ドアロック用モータ48、クローザモータとしてのドア駆動モータ41などを含めてドア開閉駆動部40への制御処理を行うものである。
カウンタ34は、エンコーダ22から出力されたパルス数をカウントし、このパルス数をドアの開度に換算することができるように構成されている。
【0026】
ドアハンドル操作検出部35は、内側ドアハンドルスイッチ23、外側ドアハンドルスイッチ24、からそれぞれ出力される信号を検出することにより、内側ドアハンドル13、外側ドアハンドル14の操作の有無を検出することができるように構成されている。
開度調整操作検出部36では、ダイヤル回動検出部25から出力された信号を検出することにより、開度調整ダイヤル15の操作の有無と、開度調整ダイヤル15の回動方向を検出することができるように構成されている。そして、開度調整操作検出部36からドア開閉操作信号が出力され、ドア開閉駆動処理がなされるように構成されている。
車両状況保持部37では、センサ検知信号検出部26から出力された信号に基づいて、車両状況を記憶し、記憶された車両状況情報は、ドア52の自動開閉制御に使用される。車両状況情報は、センサ検知信号検出部26より送信される信号に基づいて、一定周期で最新の情報に更新される。
【0027】
そして、上述の信号処理部33、カウンタ34、ドアハンドル操作検出部35、開度調整操作検出部36、車両状況保持部37、設定開度記憶部38を有して構成された制御回路31は、開信号や閉信号に応じて、モータ制御信号およびクラッチ制御信号を駆動回路32に出力することが可能となっている。なお、制御回路31全体の動作詳細については後述する。
【0028】
駆動回路32は、ランプの点灯、点滅信号を出力制御すると同時に、ドア開閉駆動部40を制御するためのものである。駆動回路32は、不図示のバッテリから電力供給されると共に、制御回路31から出力された各モータ制御信号に応じて、ドア駆動モータ41,ドアロック用モータ48,リリース用モータ49に所定のモータ電圧をそれぞれ印加することができるように構成されている。また、駆動回路32は、制御回路31から出力されたクラッチ制御信号に応じて、クラッチ42に励磁信号を出力することができるように構成されている。
【0029】
ドア開閉駆動部40は、ドア52を自動式に開閉させるための駆動源となるものであり、ドア駆動モータ41と、クラッチ42と、リンク機構部45と、ドアロック用モータ48と、リリース用モータ49と、から構成されている。ドア駆動モータ41は、例えば、ステッピングモータ、ブラシレスモータ、ブラシ付きモータ等で構成され、駆動回路32によって印加されたモータ電圧に基づいて回転軸(不図示)を回転させ、リンク機構部45を駆動させることができるように構成されている。
【0030】
本実施形態の車両用ドア開閉装置Sが装備された車両50の側部には、ドア開口部51が形成されており、ドア開口部51の車両前方側にはピラー53が配設され、ドア開口部51の車両中央側にはピラー57が配設されている。そして、ドア開口部51には、このドア開口部51を塞ぐように、ドア52が車両前方側に設けられたドアヒンジ46により開閉自在に取り付けられている。そして、ドア駆動モータ41は、図9に示すように、ドア52の内部に固設されている。
クラッチ42は、ドア駆動モータ41の上端部に配設され、駆動回路32から出力された励磁信号に応じて、ON/OFF制御される電磁クラッチで構成されている。すなわち、クラッチ42は、ON状態にあるときに、ドア駆動モータ41の回転力を駆動軸43に伝達すると共に、OFF状態にあるときに、ドア駆動モータ41の回転力を駆動軸43に伝達しないように構成されている。
【0031】
リンク機構部45は、上述したように、ドア駆動モータ41の回転力によって駆動し、ドア52を開閉させるためのものである。本実施形態に係るリンク機構部45は、図9に示すように、クランクアーム45aと、リンク45bと、リンク部材45cとから構成されている。クランクアーム45aは、一端が上述した駆動軸43に連結され、他端がリンク45bの一端に連結されている。リンク45bの他端はリンク部材45cの一端に連結され、リンク部材45cの他端は支持軸44aに回動可能に軸支されている。そして、支持軸44aが車体側に設けられた軸受部44bに連結されることにより、ドアと車体とが連係されている。
【0032】
なお、リンク部材45cの長手方向の略中央には、ドア52に設けられたチェック機構部60の内部を貫通し、チェック機構部60のハウジング61に収納されたチェック部材63と係合するための溝部62が形成されている。チェック部材63は、同じくチェック機構部60のハウジング61に収納された弾性体64によって、リンク部材45cを上下から挟持する方向に付勢されている。
【0033】
ドア52の開閉に伴い、リンク部材45cはこのチェック機構部60の内部を摺動する。そして、上述した溝部62の前後に設けられた斜面がチェック部材63に設けられた凸部に当接すると、上述した弾性体64の付勢力により大きな摺動抵抗が生じ、リンク部材45cの動きが減速される。そして、リンク部材45cの溝部62が上記チェック部材63の凸部に係合すると、リンク部材45cは所定のチェック力で保持される。そして、ドア52が半開位置で保持されるようになっている。このようなチェック力を発生するリンク部材は、ドア開閉装置を備えていない手動式のドアに通常設けられる既存のリンク部材をそのまま使用することができる。
なお、リンク部材45cの強度が不足する場合、図10のようにリンク部材45cの上下に変形防止ガイド部材65を設け、リンク部材45cの上下方向の変位を規制するようにしてもよい。
【0034】
リンク45bとクランクアーム45aとの連結部、及びリンク45bとリンク部材45cとの連結部は、いずれもボールジョイントで構成されている。このボールジョイントは、球形面を有する回動部材を備え、該球形面がリンク45bの両端に設けられた軸承部の内面に摺接され、3次元的に回動可能に構成されている。このように構成されていることにより、リンク45bは、直線形状を保持したままでリンク部材45cとクランクアーム45aとを連係し、駆動軸44の出力をリンク部材45cに伝達している。
【0035】
そして、本実施形態のリンク機構部45において、クラッチ42がON制御された状態でモータ41が正逆回転すると、この回転力がクラッチ42を介して駆動軸43に伝達される。そして、駆動軸43の出力により、駆動軸43との連結部を中心としてクランクアーム45aが回動する。
また、図2に示すように、ドア52が設定開度まで開扉してモータ41が停止状態にあるときでも、クラッチ42を介してリンク機構部45およびモータ41のある程度の負荷抵抗がドア52に掛かるようになっており、これにより、ドア52が所定の開度位置で保持されるようになっている。
一方、クラッチ42がOFF制御された状態では、モータ41とリンク機構部45との接続が解除されるため、ドア52を手動で操作することが可能となる。このとき、モータ41やリンク機構部45の負荷がドア52に掛からないので、搭乗者は容易にドア52を開閉させることができる。
【0036】
(車両用ドア開閉装置の動作)
次に、上記構成からなる車両用ドア開閉装置Sの動作について説明する。
図12乃至図18は、一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の制御を示すフローチャートである。図12乃至図18のフローチャートの処理は、制御部30の図示しないCPUで制御されている。以下の説明において、ドア開操作信号とドア閉操作信号を総称して単に「ドア開閉操作信号」と記す。
はじめに、本実施形態の車両用ドア開閉装置Sは、ドア自動開操作が行われたか否かの判断を行う(ステップS11)。ドア自動開操作の有無の判断は、ドアハンドル操作検出部35または受信部21において行われる。すなわち、ドアハンドル操作検出部35において判断される場合は、内側ドアハンドルスイッチ23又は外側ドアハンドルスイッチ24から所定のドアハンドル開操作信号が検出されたか否かによって、ドア自動開操作の有無が判断される。
【0037】
ここで、所定のドアハンドル開操作信号とは、例えば、ドアハンドルのハンドルレバーを引いてドア52を開け、このドアが所定の開度α以下にあるときにハンドルレバーを戻した場合に検出されるものとすることができる。また、アームレストに設けた窓操作スイッチ12に形成された4つのボタンにより、各ボタンに割り当てられたドアの自動開/閉操作を行うように構成するものとしてもよい。
そして、受信部21において判断される場合は、ワイヤレスリモコン11による開操作又は閉操作に応じて発せられるリモート信号を受信したか否かによって判断される。ワイヤレスリモコン11には、5つのスイッチボタンを形成し、それぞれにAL(全席)、FR(運転席)、FL(助手席)、BR(後部右側席)、BL(後部左側席)としても良い。このように構成して、開けたいドアのみを指定して、開閉することが可能となるようにしても良い。スマートキーを操作手段とする場合は、スマートキーを所持した状態で車両に近づき、例えば、上記のような所定のドアハンドル操作を行うことにより、ドア自動開操作の有無が認識されるように構成することができる。
【0038】
スイッチ操作がないと判定された場合(ステップS11:NO)は、スイッチ操作があるまで、ステップS11の処理を繰り返す。スイッチ操作が有ると判定された場合(ステップS11:YES)、ドア開閉操作信号をHIGHに設定する(ステップS12)。このHIGH信号は、スイッチ操作がなされてからドア52の自動開閉処理が終了するまでの間出力されており、ドア52の自動開閉処理が終了すると、LOW設定される。
ドア開閉操作信号をHIGHに設定すると(ステップS12)、車両速度が0であるか否か、すなわち駐停車した状態であるか否かを判定する(ステップS13)。車両速度が0でない場合(ステップS13:NO)、車両は走行中であると判定し、処理はS19に進み、ドア開閉操作信号をLOWに設定する(ステップS19)。その後、処理を終了する。これは、車両走行中にドア52の操作を行うことを防止するため、操作を中止、すなわちスイッチ操作を無効とするものである。車両速度が0である場合には(ステップS13:YES)、操作スイッチの操作方向が開方向であるか否かが判定される(ステップS14)。
操作スイッチの操作方向が開方向ではないと判定された場合(ステップS14:NO)、ドア位置が全閉状態であるか否かを判定する(ステップS15)。
ドア52が全閉状態であることは、図示しないドア開閉状態検出センサで検出可能となっている。ドア52が全閉状態であった場合には(ステップS15:YES)、ドア52をこれ以上閉扉することは不可能であるので、誤操作であるとみなして、処理はS19に進み、ドア開閉操作信号をLOWに設定する。その後処理を終了する。
【0039】
ドア52が全閉でなかった場合(ステップS15:NO)、ドア52を閉扉するための操作は有効であると判定してドア閉処理を実行する(ステップS16)。このドア閉処理は、図14及び図15の処理を行う。次いで、このドア閉処理が終了した後、処理はS19に進み、ドア開閉操作信号をLOW設定して処理を終了する。
ドアスイッチ開閉操作信号の操作方向が開方向であると判定した場合(ステップS14:YES)、ドア位置が設定値より小さいか否かを判定する(ステップS17)。すなわち、ドア位置が予め設定された設定値(例えば開度60度)より小さいか否かを判定することとなる。ドア位置は、ドア開角度で把握される。ドア開角度は検出部20のエンコーダ22からの信号によって、制御回路31のカウンタ34で角度換算され求められる。ドア52をどの角度まで開くかは、ドア開度位置設定部80により、例えば60度などに予め設定することが可能であり、ステップS17では、その時点のドア開角度と設定値とが比較されることとなる。ドア位置が設定値未満でない、すなわち設定値以上であると判定した場合(ステップS17:NO)、これ以上の開扉は不適切であると判定し、処理はS19に進み、ドア開閉操作信号をLOWに設定する(ステップS19)。その後、ドア開度の調整が必要であれば、図16乃至図18に示す処理を行う。
ドア位置が設定値より小さいと判断した場合(ステップS17:YES)、ドア52を開扉するための操作は有効であると判定して、ドア駆動モータ41及びクラッチ42を駆動してドア開処理を実行する(ステップS18)。このドア開処理は、図13の処理を行う。次いで、このドア開処理が終了した後、処理はS19に進みドアスイッチ開閉操作信号をLOW設定する(ステップS19)。その後、ドア開度の調整が必要であれば、図16乃至図18に示す処理を行う。
【0040】
次に、図13を参照し、図12のステップS18のドア開処理の詳細を説明する。まず、ステップS21でドア駆動モータ41とクラッチ42が駆動され、ステップS22で自動ドア開作動が開始される。次いで、車両状況検知部70の障害物センサ71により検知され、センサ検知信号検出部27により検出された障害物信号が車両状況保持部37に入力されているか否かを判定する(ステップS23)。障害物信号が、車両状況保持部37に入力されている場合には(ステップS23:YES)、タイマーT1をスタートして(S24)、タイマーT1が設定値以上か否かを判定する(ステップS25)。タイマーT1が設定値以上の場合は(ステップS25:YES)、障害物は排除されていないと判定し、モータ41を停止してドア開扉動作を停止する(ステップS29)。その後、ドア開度の調整が必要であれば、ドア開度位置調整処理が行われる(ステップS30)。このドア開度位置調整処理では、図16乃至図18の処理が行われる。ステップS30のドア開度位置調整処理が終了すると、ドア開閉操作信号をLOW設定して(ステップS31)処理は終了する。
【0041】
タイマーT1が設定値より小さい場合には(ステップS25:NO)、障害物信号が車両状況保持部37に入力されているか否かを再度判定する(ステップS26)。障害物信号が車両状況保持部37にその時点で入力されていると判定した場合には(ステップS26:YES)、処理はステップS25に戻り、タイマーT1が設定値以上か否かを判定する。
障害物信号が車両状況保持部37にその時点で入力されていないと判定した場合には(ステップS26:NO)、障害物は排除されたと判定されて、処理はHを介してステップS27に進む。ステップS24〜ステップS26では、検知された障害物が排除されるか否かをタイマーT1に設定された時間内(例えば3.0秒)監視していることとなる。車両状況保持部37に入力されるデータは一定周期で最新の情報に更新されるため、タイマーT1設定時間内に障害物センサ71で検知された障害物が排除されて障害物センサ71が障害物を検知しなくなった場合には、車両状況保持部37に入力されていた障害物信号はクリアされ、ステップS26でNOの判定がなされることになる。
【0042】
障害物センサ71からの障害物信号が車両状況保持部37に入力されていないと判定した場合には(ステップS23:NO)、ドアの開扉を続けて行い(ステップS27)、ドア開角度と設定値とが比較される(ステップS28)。ドア開角度が設定値に達していない場合(ステップS28:NO)、ステップS27〜ステップS28の処理を繰り返す。
ドア開角度が設定値に達したと判断された場合(ステップS28:YES)、ドア開扉動作が停止される(ステップS29)。このときドア開度の調整が必要であれば、ドア開度位置調整処理が行われる(ステップS30)。このドア開度位置調整処理では、図16乃至図18の処理が行われる。ステップS30のドア開度位置調整処理が終了すると、ドア開閉操作信号をLOW設定して(ステップS31)処理は終了する。
【0043】
次に、図14を参照し、図12のステップS16のドア閉処理の詳細を説明する。ここでは、図示しない挟み込みセンサを用いて、挟み込みを防止しながらドア閉止を行う構成に基づいて説明する。
まず、挟み込みセンサにより、挟み込みが検出されているか否かが判定される(ステップS41)。挟み込みが検出されている場合には(ステップS41:YES)、タイマーT2をスタートして(ステップS42)、タイマーT2が設定値以上か否かを判定する(ステップS43)。タイマーT2が設定値以上の場合は(ステップS43:YES)、挟み込み物は排除されていないと判定し、処理を終了する。/タイマーT2が設定値より小さい場合には(ステップS43:NO)、挟み込み信号が、制御回路31に入力されているか否かを再度判定する(ステップS44)。挟み込み信号が制御回路31になお入力されていると判定した場合には(ステップS44:YES)、処理はステップS43に戻り、タイマーT2が設定値以上か否かを判定する(ステップS43)。挟み込み信号が車両状況保持部37にその時点で入力されていないと判定した場合には(ステップS44:NO)、Jを介して処理はステップS45に進み、ドア位置が半ドア状態か否かを判定する(ステップS45)。すなわち、ステップS42〜ステップS44では、検知された挟み込み物が排除されるか否かをタイマーT2に設定された時間内(例えば3.0秒間)監視していることとなる。制御回路31に入力される挟み込み信号に関するデータは一定周期で最新の情報に更新されるため、タイマーT2設定時間内に、挟み込みセンサで検知された挟み込み物が排除されて、挟み込みセンサが挟み込み物を検知しなくなった場合には、車両状況保持部37に入力されていた挟み込み信号はクリアされ、ステップS44でNOの判定がなされることになる。
【0044】
挟み込みセンサからの挟み込み信号が制御回路31に入力されていないと判定した場合には(ステップS41:NO)、ドア位置が半ドア状態であるか否かを判定する(ステップS45)。半ドア状態とは、ハーフラッチ状態のことをいう。本実施形態では、ドア52を半ドア状態まで閉扉した後、ドアクローザ機構によりドア52を完全閉扉位置まで引き込んで完全閉扉することにより、閉扉時の衝撃を緩和する。クローザ機構とは、ドア52が半ドア状態であると検知された場合に、図示しないクローザモータを駆動させ、ドア52を自動完全閉扉するための機構であり、公知のクローザ機構が使用されている。このクローザモータは、ドア駆動モータ41と併用してもよい。半ドアすなわちハーフラッチ状態であることは、例えばリミットスイッチのような公知の検出手段で検出してもよいし、図示しないドア開閉状態検出センサで検出されるドア全閉信号が検出されない状態で、エンコーダ22で検出されるドア開度が0である場合に半ドアであると判定してもよい。ドアが半ドア状態であると判定された場合には(ステップS45:NO)、図14のKから図15のKを介して処理はステップS52に進み、クローザモータが駆動される(ステップS52)。ドア52が半ドア状態ではない、すなわち開扉状態であると判定された場合は(ステップS45:YES)、ドア駆動モータ41及びクラッチ42が駆動され、ドア52の自動閉扉を開始する(S46)。
【0045】
ドア駆動モータ41及びクラッチ42が駆動されると、車両状況検知部70の挟み込みセンサ73により再度の検知がなされ、センサ検知信号検出部により検出された挟み込み信号が制御回路31に入力されているか否かを判定する(ステップS47)。挟み込み信号が車両状況保持部37に入力されていると判定された場合には(ステップS47:YES)、処理はステップS50に進みドア駆動モータ及びクラッチを停止する(ステップS50)。次いで、処理を終了する。
【0046】
挟み込みセンサ73からの挟み込み信号が車両状況保持部37に入力されていないと判定した場合には(ステップS47:NO)、ドア位置が半ドアに達したか否かを判定する(ステップS48)。
ドア位置が半ドア状態に達していないと判定した場合には(ステップS48:NO)、ドア閉止のためのスイッチ操作が有るか否かを判定する(ステップS49)。スイッチ操作がないと判断された場合(ステップS49:NO)、処理はステップS47に戻り、挟み込み信号が制御回路31に入力されているか否かを判定する(ステップS47)。ドア位置が半ドア状態に達したと判定した場合には(ステップS48:YES)、ドア駆動モータ41及びクラッチ42の駆動を停止する(ステップS51)。すなわち、ドア駆動モータ41及びクラッチ42が駆動されてドア自動閉扉が開始されてから、ドア52が半ドア状態に達するまでの間、常に挟み込みセンサの挟み込み物検知の有無を監視していることとなる。
ドア閉止のスイッチ操作が有ると判断された場合には、ドア駆動モータ41及びクラッチ42を停止する(ステップS51)。
【0047】
ステップS51でドア駆動モータ41及びクラッチ42の駆動を停止すると、図14のKから図15のKに進み、クローザモータを駆動し(ステップS52)、クローザを作動する(ステップS53)。次いで、ドア位置が全閉状態か否かが判定される(ステップS54)。ドア位置が全閉状態ではないと判定されると(ステップS54:NO)、処理はステップS54に戻り、ドア位置が全閉状態か否かが判定される(ステップS54)。つまり、ドア位置が全閉状態となるまでクローザの作動を続ける。ドア位置が全閉状態であると判定すると(ステップS54:YES)、クローザを停止し(ステップS55)、クローザモータの駆動を停止して(ステップS56)、処理を終了する。
【0048】
次に、図16乃至図18を参照し、図13のステップS30のドア開度位置調整処理の詳細を説明する。
ドア開度位置の調整は、開度調整ダイヤル15の操作により行われる。図16乃至図18は、ドア開度位置調整処理に係る制御の流れを示すフローチャートである。また、図19は、開度調整ダイヤル15に係る信号発生状況を示すタイミングチャートである。
図19のタイミングチャートに示すように、本例では、開度調整ダイヤル15の誤操作による作動を防止するため、開度調整ダイヤル15を2回操作することによって、スイッチとして認識されるようにしている。また、開度調整ダイヤル15の操作時間に応じて、マニュアル作動とオート作動のいずれかを選択できるように構成されている。
【0049】
ステップS61〜ステップS64では、ドア開度位置調整処理が選択されたか否かが判定される。すなわち、ステップS61で、開度調整ダイヤル15が操作され、ダイヤル回動検出部25により検知されたダイヤル操作信号が、開度調整操作検出部36に入力されているか否かが判断される(ステップS61)。ダイヤル操作信号が入力されていないと判定された場合(ステップS61:NO)には、入力されるまでステップS61の処理を繰り返す。
ダイヤル操作信号が入力されたと判定された場合(ステップS61:YES)、次いで、制御回路31では受信信号のカウントが開始される(ステップS62)。受信信号の数はN=N+1で計算処理される(ステップS63)。そして、制御回路31の不図示のCPUで、N>1かどうか判断し(ステップS64)、N>1でない場合(ステップS64:NO)にはスタートへ戻り、ダイヤル操作信号を再度受信するルーチン(ステップS61〜ステップS64)へ戻る。つまり、誤操作という判断をする。
【0050】
一方、N>1の場合(ステップS64:YES)には、2回目のダイヤル操作信号を受信したことになり、ドア開度位置調整処理が開始される(ステップS65)。ドア開度調整が開始されると、ドア開度位置が半ドア状態よりも大きいか否かを判定する(ステップS66)。ドア開度位置が半ドア状態よりも小さいということは、ドア開処理において障害物が検出され、障害物との距離があまりにも近いため、半ドア状態よりも小さいドア開度となっているものである。このため、ドア開度位置が半ドア状態よりも小さいと判定された場合(ステップS66:YES)は、これ以上のドア開扉は不可能であるとして、Kを介して、図15に示すクローザ機構によるドア52の自動完全閉扉がなされる。
ドア位置が半ドア状態ではないと判定された場合(ステップS66:NO)には、ステップS67に進み、開度調整ダイヤル15の回動方向が開方向であるか否かが判定される。
【0051】
開度調整ダイヤル15の操作方向が開方向であると判定された場合(ステップS67:YES)、Lを介して、図17に示すドア開度位置を開方向に調整する処理が行われる。開度調整ダイヤル15の操作方向が開方向ではないと判定された場合(ステップS67:NO)、Mを介して、図18に示すドア開度位置を閉方向に調整する処理が行われる。
図17は、ドア開度位置を開方向に調整する処理の流れを示すフローチャートである。この処理では、まず、障害物センサ71による障害物の検出がなされているか否かが判定される(ステップS71)。障害物センサ71による障害物の検出がなされていないと判定された場合(ステップS71:NO)、ステップS73に進む。障害物センサ71による障害物の検出がなされていると判定された場合(ステップS71:YES)、ステップS72で車両状況保持部37に入力されている障害物信号を取り消す処理が行われ、ステップS73に進む。
【0052】
ステップS73では、開度調整ダイヤル15のトータルの操作時間tがΔt1より長いかどうかが判定される。t>Δt1である場合(ステップS73:YES)、マニュアル作動となり、開度調整ダイヤル15を回している間だけドア駆動モータ41が作動し、ドア52が開く方向に作動される(ステップS74)。
このとき、開度調整ダイヤルの回動幅に応じてドア開駆動信号が出力され、開度調整ダイヤルが大きく回動されている場合には、比較的速い速度でドアの開作動が行われ、開度調整ダイヤルが小さめに回動されている場合には、ドアの開作動が遅い速度で行われる。
次いで、開度調整ダイヤル15の操作が停止されたか否かが判定される。すなわち、ダイヤル回動検出部25により検知されたダイヤル停止操作信号が、開度調整操作検出部36に入力されているか否かが判定される(ステップS75)。
開度調整ダイヤル15の操作が停止されたと判定された場合(ステップS75:YES)、ドア駆動モータ41及びクラッチ42の駆動を停止し(ステップS76)、処理を終了する。開度調整ダイヤルの操作が終了していない場合(ステップS75:NO)には、ステップS74〜ステップS75の処理が繰り返し行われる。
【0053】
ステップS73で、t<Δt1であると判定された場合(ステップS73:NO)、オート作動となり、ドア駆動モータ41およびクラッチ42によりドア52が開く方向に作動される(ステップS77)。
開度調整がオート作動されている場合、ステップS78において、ドアが全開したか否かが判定される。ドアが全開したと判定された場合(ステップS78:YES)には、ドア駆動モータ41及びクラッチ42の駆動を停止し(ステップS76)、処理を終了する。ドアが全開していない場合(ステップS78:NO)には、タイマT3を作動させる(ステップS79)。そして、タイマT3が設定値以上になったときに、ドア52の開度が変化しているか否かが判定される(ステップS80)。ドア52の開度が変化している場合(ステップS80:YES)、ドア52が開扉途中であると判断され、ステップS77〜ステップS80の処理が繰り返し行われる。ドアの開度が変化していない場合(ステップS80:NO)、ドア52が障害物に当たっている等の理由により、これ以上ドア52が開扉しないものと判断され、ドア駆動モータ41及びクラッチ42の駆動を停止する処理がなされ(ステップS76)、処理を終了する。
【0054】
開度調整ダイヤル15の操作方向が開方向ではない(すなわち、閉方向である)と判定された場合(ステップS66:NO)、図18のMを介して、ドア開度位置を閉方向に調整する処理が行われる。図18に示すように、閉方向に調整する処理では、まずトータルの操作時間tがΔt1より長いかどうかが判定される(ステップS91)。t>Δt1である場合(ステップS91:YES)、マニュアル作動となり、開度調整ダイヤルを回している間だけドア駆動モータ41が作動し、ドア52が閉じる方向に作動される(ステップS92)。
このとき、開度調整ダイヤルが大きく回動されている場合には、比較的速い速度でドアの閉作動が行われ、開度調整ダイヤルが小さめに回動されている場合には、ドアの閉作動が遅い速度で行われる。
次いで、開度調整ダイヤル15の操作が停止されたか否かが判定される。すなわち、ダイヤル回動検出部25により検知されたダイヤル停止操作信号が、開度調整操作検出部36に入力されているか否かが判定される(ステップS93)。
開度調整ダイヤル15の操作が停止されたと判定された場合(ステップS93:YES)、ドア駆動モータ41及びクラッチ42の駆動を停止し(ステップS94)、処理を終了する。開度調整ダイヤルの操作が終了していない場合(ステップS93:NO)には、ステップS92〜ステップS93の処理が繰り返し行われる。
t<Δt1である場合(ステップS91:NO)、オート作動となり、ドア駆動モータ41およびクラッチ42によりドア52が閉じる方向に作動される(ステップS95)。開度調整がオート作動される場合は、ステップS96で、図14に示すドア閉処理が行われる。次いで、このドア閉処理が終了した後、処理はS94に進み、ドア開閉操作信号をLOW設定して処理を終了する。
【0055】
以上のように、本例のドア開閉装置によれば、ドア開度を予め設定することができ、さらに、設定開度までドアが開扉されたときに、ドアの開度を微調整することが可能である。そして、ドアに障害物センサが設けられており、車両の側方に障害物があった場合にドアの開扉が制限されている場合であっても、障害物センサの検出を無視してドアを開放することが可能である。
したがって、事故等においてドアの開放が最優先されるような事態において、ドアの開放を確実に行うことが可能となる。また、操作ダイヤルのマニュアル作動で、ドアの開閉位置を調整できるので、操作者の意志を反映させた微調整が可能となる。したがって、障害物センサによって、障害物との間に多少隙間がある状態でドアが開放されているような場合、隙間の範囲内で少しだけドアを開扉させる微調整を行い、障害物にドアを接触させることなく、乗降をスムーズにすることが可能である。
【0056】
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(イ)本実施形態の車両用ドア開閉装置Sは、ドア開度位置設定部80を備え、搭乗者の所望の開度でドア開度位置を予め設定することができる。したがって、搭乗者の体格や、車両が駐車される場所等に応じて、適切なドア開度位置を設定することが可能となる。このように、搭乗者が自由にカスタマイズできるドア開閉装置を提供することができる。
(ロ)本実施形態の車両用ドア開閉装置Sでは、予め設定されたドア開度までドアが開扉された後、または、障害物センサ71の作動によりドア開扉が停止された後に、ドア開度を微調整することができるように構成されている。すなわち、予め設定された開度でドアが開扉されている場合において、もう少しドアを開扉させれば乗降をスムーズにできる場合などに、ドアの開度を微調整することが可能である。
また、本実施形態の車両用ドア開閉装置Sでは、障害物センサ71の作動により、ドア開扉が制限されているような場合であっても、障害物センサ71の検出を無視して、ドアの開放を行うことが可能である。したがって、ドア開扉が最も優先される事態が発生した場合において、障害物センサ71の検出を無視してドア開扉を行うことができ、救助等に支障をきたすことを防止することが可能となる。
また、障害物センサ71の検出により、ドア開扉が制限されているとき、通常は、障害物とドア52との間には、わずかな隙間が存在する。これは、障害物センサ71が障害物との距離を検出するときに、赤外線等を障害物に照射し、障害物からの反射光により障害物との距離を測る仕組みになっているためである。
本実施形態の車両50においては、開扉調整手段が調整ダイヤルから構成されており、マニュアル作動が可能であるため、微調整が可能である。したがって、上記わずかな隙間の範囲内で、ドアをさらに開扉させたい場合、障害物にドア52を接触させることなく、ドアの開度位置を調整することが可能である。
【0057】
(ハ)また、本実施形態の車両用ドア開閉装置Sでは、開度を調整するときに、開度位置調整手段の操作時間を変えることにより、マニュアル作動とオート作動に切り替えることが可能であり、スイッチ操作の操作性を向上させることが可能である。
(ニ)さらに、本実施形態の車両用ドア開閉装置Sによれば、開度を調整しているときに、障害物と接触しそうになったため、もう少し開度を小さくしたい場合等には、ドアを閉じる方向に微調整することが可能である。また、障害物が車両等であって、乗降するときに障害物が車両50の側方から移動していた場合などには、開度調整手段のオート作動により、ドアの開動作を再開させることが可能である。また、オート作動によりドアを閉止することも可能である。
【0058】
なお、本発明の実施の形態は、以下のように改変することができる。
(a)上記実施形態では、車両用ドア開閉装置Sが蝶番式のドア52を有する車両50に備えられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、車両用ドア開閉装置Sは、スライド式のドアを有する車両に用いられていても良い。このときのドア開度はドアのスライド量で求められる。また、車両用ドア開閉装置Sは、跳ね上げ式のドアを有する車両等に用いられていても良い。さらに、自動開扉させるドアは、前席用のドアに限らず、後席用や背面ドア等であっても良い。
(b)ドア開度位置設定部80について、ドア開度位置を設定する際に目安となる開度が表示されたゲージが設けられ、このゲージにしたがって、ドアの開度位置が設定される構成のものを示したが、図20に示すように、表示パネル81に、現状の設定位置84と、変更後のドア開度位置85とが、イメージ表示される構成のものとしても良い。この場合は、選択ボタン82aを押すことに応じて、変更後のドア開度位置85が変化していき、所望のドア開度位置で設定ボタン82cを押すことにより、変更後のドア開度位置が設定される。
【0059】
(c)ドア開度位置設定部80について、デジタル的な表示パネル81を備え、表示パネル81にて設定した値を制御回路31に記憶させる構成としたが、ドア開度位置設定部80を可変抵抗器から構成しても良い。この場合は、ドア開度位置設定部80をダイヤル式とし、ダイヤル回動により変化する抵抗値に対応して、制御回路31にドアの位置を特定するドア位置指令信号が入力され、それに対応してドアを駆動するドア開閉駆動信号が出力される。
(d)ドア52にタッチセンサや負荷センサを設け、ドア52に外部から負荷が掛かった場合に、ドア52の開閉制御が自動的に停止されるような構成であっても良い。すなわち、ドア52の自動開閉中における開度検出と共に、負荷検出および検出負荷判断を行い、この検出負荷判断処理にて、予め設定した負荷を超えたと判断した場合に、ドア52を停止させるようにしても良い。このようにすると、自動開閉中のドア52に搭乗者が触れるだけでドア52の自動開閉を停止させることができる。従って、狭い駐車場に車両50を駐車した際などに有効である。
【0060】
(e)車両50のドア52の付近に音声報知装置や表示報知装置等を設け、車両用ドア開閉装置Sがドア52を自動式に開閉させている最中に、その旨を前記音声報知装置や表示報知装置等によって報知するように構成されていても良い。また、車両用ドア開閉装置Sの作動中に車両50を発進させてしまわないように、運転席等に警告灯を設けても良い。
(f)上記実施形態では、ワイヤレスリモコン11の操作、内側ドアハンドル13または外側ドアハンドル14の操作態様によって、ドア自動開操作の有無が判断される構成、窓操作スイッチ12がドア自動開操作を兼用する構成が示されているが、これに限らず、ドア開閉の専用スイッチを設けた構成としても良い。
また、これらのスイッチの配設場所は特に限定されず、ドア52の外側又は内側、運転席のアームレスト57上、インストルメンタルパネル等に配設してもよいし、カーナビゲーションシステムの画面上に設定してもよい。
【0061】
(g)上記実施形態では、車両用ドア開閉装置Sがドアヒンジ46で回動可能に保持されるドア52を有する車両50のドア52側に備えられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、車両50の車体側にドア駆動モータ41と、クラッチ42と、リンク機構部45とを配設し、リンク部材45cを回動可能に軸支する軸受部44bをドア52側に設ける構成としてもよい。
(h)上記実施形態では、リンク機構部45がクランクアーム45aとリンク45bとリンク部材45cとから構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、クランクアーム45aの下端部に噛合するピ二オンを有し、該ピニオンを介して駆動軸43の出力を伝達する構成であっても良い。また、駆動軸43とクランクアーム45aが複数の歯車からなる減速機構を介して連結される構成であってもよい。
さらに、リンク部材45cは、車体側又はドア側に設けられた支持軸44aに軸支されていたが、リンク部材45cと支持軸44aとの間に別のリンク機構を設ける構成であってもよい。
【0062】
(i)上記実施形態では、ドア駆動モータ41がドア52の内部に固設され、ドア駆動モータ41の回転力によってリンク機構部45が駆動され、ドア52を開閉させるように構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、図21に示すように、ピラー53の内部に固定されたドア駆動モータ41と、モータ41の上端部に配設されたクラッチ42と、駆動機構部144とを備えた構成であってもよい。
【0063】
この駆動機構部144は、図22に示すように、駆動軸144aと、駆動側歯車144bと、従動側歯車144cと、出力軸144dと、支持軸144eと、ヒンジアーム145a,145bと、から構成されている。駆動軸144aは、クラッチ42を介してドア駆動モータ41の回転軸(不図示)に接続されており、駆動軸144aの上端部には、駆動側歯車144bが配設されている。従動側歯車144cは、出力軸144dの下端部に配設されると共に、駆動側歯車144bに歯合されている。また、従動側歯車144cは、駆動側歯車144bよりも大径の歯車で構成されており、これにより、駆動側歯車144bおよび従動側歯車144cによって減速機構が構成され、ドア駆動モータ41の回転が減速されるようになっている。
【0064】
出力軸144dは、ピラー53の上側に固定された軸受部147aに回動可能に軸支されており、支持軸144eは、ピラー53の下側に固定された軸受部47bに回動可能に軸支されている。出力軸144dの中央部には、ヒンジアーム145aが固設されており、支持軸144eの中央部には、ヒンジアーム145bが固設されている。ヒンジアーム145aの自由端は、図9に示すように、ドア52の回動軸側端面の上部に固定され、ヒンジアーム145bの自由端は、ドア52の回動軸側端面の下部に固定されている。
そして、ドア駆動モータ41が回転すると、この回転力がクラッチ42を介して駆動軸144aに伝達され、駆動側歯車144bが回転する。駆動側歯車144bが回転すると、従動側歯車144cが回転し、出力軸144dが回転する。これにより、ヒンジアーム45aが回動し、これに伴って、ドア52が開閉するようになっている。
なお、駆動機構部144は、2つの平歯車からなる減速機構のかわりに、ウォームギアと平歯車とからなる減速機構やベルト機構を備えた構成であっても良い。
【0065】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の車両用ドア開閉装置によれば、予め設定されたドア開度までドアが開扉された後、ドア開度位置を調整することができるように構成されているので、乗降者の体格等に応じてドア開度を調整し、乗降をスムーズに行うことが可能となる。また、障害物が検出されたときに、ドアが所定開度に制限されて開扉されているときにも、障害物センサの検出を無視してさらにドアを開扉させることができるので、例えば、事故が起こった場合の救助等に支障をきたすことを防止することが可能となる。
また、ドア開度位置を予め設定することができるので、搭乗者が自由にカスタマイズできるドア開閉装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両においてドアが半開き状態にある様子を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置によってドアが全開状態にある様子を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る内側ドアハンドルの構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る外側ドアハンドルの構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る車両のドアおよび窓操作スイッチの構成を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る開度調整ダイヤルの構成を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る開度調整ダイヤルの構成を示す分解説明図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る開度位置設定部の構成を示す説明図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るドア開閉駆動部が配設された車両のドアの一部切欠側面図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る変形防止ガイド部材を備えたドア開閉駆動部の構成を示す側面図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の全体構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の制御を示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の制御を示すフローチャートである。
【図14】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の制御を示すフローチャートである。
【図15】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の制御を示すフローチャートである。
【図16】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の制御を示すフローチャートである。
【図17】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の制御を示すフローチャートである。
【図18】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の制御を示すフローチャートである。
【図19】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の制御における信号発生状況を示すタイミングチャートである。
【図20】本発明の一実施形態に係るドア開度位置設定部の改変例を示す説明図である。
【図21】本発明の一実施形態に係るドア開閉駆動部の改変例を示す説明図である。
【図22】本発明の一実施形態に係るドア開閉駆動部の改変例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 操作部、11 ワイヤレスリモコン、12 窓操作スイッチ、13 内側ドアハンドル、13a ハンドルレバー、14 外側ドアハンドル、14a ハンドルレバー、15 開度調整ダイヤル、20 検出部、21 受信部、22 エンコーダ、23 内側ドアハンドルスイッチ、24 外側ドアハンドルスイッチ、25 ダイヤル回動検出部、26 センサ検知信号検出部、30 制御部、31 制御回路、32 駆動回路、33 信号処理部、34 カウンタ、35 ドアハンドル操作検出部、36 開度調整操作検出部、37 車両状況保持部、38 設定開度記憶部、40 ドア開閉駆動部、41 ドア駆動モータ、42 クラッチ、43 駆動軸、44a 支持軸、44b 軸受部、45 リンク機構部、45a クランクアーム、45b リンク、45c リンク部材、46a,46b ドアヒンジ、48 ドアロック用モータ、49 リリース用モータ、50 車両、51 ドア開口部、52 ドア、53 ピラー、54 ロック部、55 ピラー、56 ストライカー部材、57 アームレスト、60 チェック機構部、61 ハウジング、62 溝部、63 チェック部材、64 弾性体、65 変形防止ガイド部材、70 車両状況検出部、71 障害物センサ、80 ドア開度位置設定部、81 表示パネル、82 設定入力ボタン、S 車両用ドア開閉装置
Claims (8)
- ドアを開閉駆動するドア開閉駆動手段と、ドア開閉指令信号を出力するドア開閉のための操作手段と、車両周辺の状況に関する車両状況信号を出力する車両状況検知手段と、前記ドアの開度位置を設定するドア開度位置設定手段と、前記ドア開閉指令信号及び前記車両状況信号を検出する検出手段と、該検出手段によって検出された信号に基づいて前記ドア開閉駆動手段を制御する制御手段と、を備えた車両用ドア開閉装置であって、
前記操作手段は、前記ドア開度位置設定手段により予め決められた開度位置、または前記車両状況信号に基づいた開度位置まで前記ドアが開扉された後で、前記ドアの開度位置を調整するドア開度位置調整手段を備え、
前記制御手段は、前記ドア開度位置調整手段からのドア開度位置調整信号を受信した場合に、前記開扉されたドアをさらに開扉または閉扉させる制御を行うことを特徴とする車両用ドア開閉装置。 - 前記制御手段は、該ドア開度位置調整手段からのドア開度位置調整信号を受信した場合に、前記車両状況検知手段からの車両状況信号を無効とすることを特徴とする請求項1記載の車両用ドア開閉装置。
- 前記ドア開度位置調整手段の操作時間が所定時間よりも長い場合に、前記ドア開度位置調整手段が操作されている間中、前記制御手段が前記ドア開閉駆動手段を制御することを特徴とする請求項1記載の車両用ドア開閉装置。
- 前記ドア開度位置調整手段の操作時間が所定時間よりも短い場合に、前記ドアが開扉限界位置または閉扉限界位置になるまで、前記制御手段が前記ドア開閉駆動手段を制御することを特徴とする請求項1記載の車両用ドア開閉装置。
- 前記制御手段は、前記ドアの開度を検出するドア開度検出手段より、前記ドアの開度を示す前記ドア開度検出信号を受信して、前記ドア開度検出信号の検出開度が前記ドア開度位置設定手段により予め設定された開度に達したと判断した場合に、前記ドアの開閉動作を停止することを特徴とする請求項1記載の車両用ドア開閉装置。
- 車両用ドアを自動で開閉する車両用ドア自動開閉方法であって、
前記ドアを所定の開扉位置まで開扉作動させるステップと、
前記ドアが所定の開扉位置まで開扉されたときに、前記ドアの開度位置を調整するドア開度位置調整信号を検知するステップと、
前記開度位置調整信号に基づいて前記ドアの開度位置を変更させるステップと、を行うことを特徴とする車両用ドア自動開閉方法。 - 前記ドアを所定の開扉位置まで開扉作動させるステップでは、予め設定された開扉位置まで前記ドアが開扉されることを特徴とする請求項6記載の車両用ドア自動開閉方法。
- 車両用ドアを自動で開閉する車両用ドア自動開閉方法であって、
前記ドアを所定の開扉位置まで開扉作動させるステップと、
該開扉作動中に前記ドアの側方にある障害物を検出するステップと、
前記障害物が検出されたときに前記ドアを所定の開扉位置で停止させるステップと、
前記ドアが所定の開扉位置で停止されたときに、前記ドアの開度位置を調整するドア開度位置調整信号を検知するステップと、
前記開度位置調整信号による前記ドアの調整方向が開方向である場合に、前記障害物の検出信号を無効にするステップと、を行うことを特徴とする車両用ドア自動開閉方法。
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