JP4064886B2 - 車両用ドア開閉装置及び車両用ドア開閉制御方法 - Google Patents

車両用ドア開閉装置及び車両用ドア開閉制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4064886B2
JP4064886B2 JP2003270775A JP2003270775A JP4064886B2 JP 4064886 B2 JP4064886 B2 JP 4064886B2 JP 2003270775 A JP2003270775 A JP 2003270775A JP 2003270775 A JP2003270775 A JP 2003270775A JP 4064886 B2 JP4064886 B2 JP 4064886B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
door
obstacle
closing
opening
vehicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003270775A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005023754A (ja
Inventor
雄太 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asmo Co Ltd
Original Assignee
Asmo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asmo Co Ltd filed Critical Asmo Co Ltd
Priority to JP2003270775A priority Critical patent/JP4064886B2/ja
Publication of JP2005023754A publication Critical patent/JP2005023754A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4064886B2 publication Critical patent/JP4064886B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Power-Operated Mechanisms For Wings (AREA)
  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)

Description

本発明は、車両用ドア開閉装置及び車両用ドア開閉制御方法に係り、特に、障害物検出手段による検出結果に応じてドアの開閉動作を規制する機能を備えた車両用ドア開閉装置及び車両用ドア開閉制御方法に関する。
従来から、乗用自動車等のドアを自動で開閉させるための車両用ドア開閉装置が種々考案されている。これらの車両用ドア開閉装置のなかには、車両におけるドアの外方にそのドアが開状態とされるように、車体外方へ回動するときに、衝突することになる障害物が在る場合に、ドアの車体外方への回動を阻止して、ドアと障害物と衝突することを防止するものがある。
つまり、ドアの開閉に支障をきたす障害物を検出する距離センサと、イグニッション・キースイッチ部に関連したキーセンサと、ドアロック機構部と、制御ユニットとを備え、制御ユニットが、イグニッション・キースイッチ部からキーが差し込まれている状態が検出されるとともに障害物が検出されるとき、ドアを閉状態に維持させる状態となし、また、イグニッション・キースイッチ部にキーが差し込まれている状態が検出されるとともに障害物が検出されるとき、ドアロック機構部にドアを閉状態に維持する作動状態を解除させる。
実開平5−72533号公報(第1−4頁、図1〜図4)
しかしながら、上記従来技術は、ドアが閉状態にあり、キー状態検出手段によりイグニッション・キースイッチ部からキーが抜かれている状態と、キーが差し込まれている状態を基準とするため、キーを差し込む必要があり、同時に障害物センサとして距離センサを一箇所だけ用いた状態では、障害物検出の範囲が限られてしまうという不都合があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ドアの開閉時に、特にドアの近傍にある障害物について、確実に把握することが可能で、障害物と衝突しないような車両用ドア開閉装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、搭乗者がドア開放範囲外に存在するときに、ドア開放が可能となるような車両用ドア開閉装置を提供することにある。
前記課題は、請求項1に記載の車両用ドア開閉装置によれば、ドアを開閉駆動するドア開閉駆動部と、車両側方の障害物の存在を検出して障害物存在信号を出力する障害物検出手段と、ドア自動開閉信号を出力する操作手段と、該操作手段からのドア自動開閉信号及び前記障害物検出手段からの障害物存在信号を検出する検出部と、該検出部によって検出した信号に基づいて前記ドア開閉駆動部を制御する制御部と、を備えた車両用ドア開閉装置であって、前記操作手段がドアハンドルであって、該ドアハンドルからドア自動開閉信号を受信した場合において、前記ドア自動開閉信号受信後の所定時間の間、前記障害物検出手段が障害物を検知しない場合に、ドア開閉駆動部によりドア開閉動作を行うように制御してなること、により解決される。
このように構成すると、例えば、車外のドアハンドルに障害物検出手段を埋め込んだような場合、ドアハンドル操作時に搭乗者を障害物と誤認識してしまったとしても、ドアハンドル操作後は、一定時間、待機状態を設け、待機時間内に障害物が無くなれば開作動するようにする構成できると共に、意匠性も向上する。
また、本発明の車両用ドア開閉装置では、ドアを開閉駆動するドア開閉駆動部と、車両側方の障害物の存在を検出して障害物存在信号を出力する障害物検出手段と、ドア自動開閉信号を出力する操作手段と、該操作手段からのドア自動開閉信号及び前記障害物検出手段からの障害物存在信号を検出する検出部と、該検出部によって検出した信号に基づいて前記ドア開閉駆動部を制御する制御部と、を備えた車両用ドア開閉装置であって、前記障害物検出手段は、車両が停車する前の障害物の状況を検出して障害物が存在する場合に障害物存在信号を出力し、該障害物存在信号が出力された範囲が開閉されるドアの範囲外であるときに、前記制御部で前記ドア開閉駆動部の駆動を制御する
このように構成すると、例えば障害物検出手段をドア端部に配置したような場合、ドアの回転中心付近(ドア取付位置付近)の障害物を検出することが困難なため、車両が停車する前の段階(例えば速度が10km/h以下のような走行)になると、障害物存在信号を出力し、障害物存在信号が出力された範囲が開閉されるドアの範囲外になるまで、ドアの開放を制限するように構成できる。
このとき、請求項2に記載のように、前記障害物検出手段は、回転するドアの回転軸から最も離れた外側近傍の上段、中段、下段位置でドアに設けられた障害物センサによって構成されていると好適である。
このように、障害物センサがドアの回転軸から最も離れた外側近傍の上段、中段、下段位置でドアに設けられているので、下段の障害物センサにおいて低い箇所にある障害物を検出し、中段の障害物センサにおいてドアの側方で車両の中位にある障害物を検出し、上段の障害物センサにおいて車両の上位にある障害物を検出することができるので、車両の高さに応じて障害物の検出が可能となり、ドア開放時における障害物検出が可能となる。
このとき、請求項に記載のように、上段に設けられた障害物センサを赤外線センサにすると、好適である。この赤外線センサを用いることにより、人の存在を検出することが可能となり、人が開放しようとするドアの前に居る場合には、ドア開閉駆動部を制御して駆動させないなどの対応が可能となる。
また、請求項に記載のように、障害物検出手段が、開閉しようとするドアに設けた障害物センサで障害物を検出せず、開閉しないドアに設けた赤外線センサで人を検出したときに、前記制御部は、ドア開閉駆動部を制御するように構成すると、好適である。このように構成すると、開閉しようとするドアには、障害物がなく、開閉しないドアに人が検出できるので、開放しようとするドアから離れた位置に人が存在することを確認することができ、ドア開閉駆動部を駆動させて制御しても、ドアと人とが接触や衝突することを確実に防止することができる。
前記課題は、請求項に記載の車両用ドア開閉制御方法によれば、車両のドアを自動式に開閉する車両用ドア開閉制御方法であって、開こうとするドアの回転軸から最も離れた外側近傍の上段、中段、下段位置でドアに設けられた障害物センサによって障害物を検出する第1の障害物検出ステップと、開こうとしないドアの障害物センサによって、人を検出する第2の障害物検出ステップと、前記第1の障害物検出ステップで障害物を検出せず、第2の障害物検出ステップで検出した場合に、ドアの開閉駆動を制御するステップと、を備えてなること、により解決される。
このように構成すると、車外からドアの開放を操作する場合、ドアの開放方向に搭乗者がいないという条件で操作したときのみドアが動作するようにすることが可能となる。
なお、本発明の車両用ドア開閉制御方法、車両のドアを自動式に開閉する車両用ドア開閉制御方法であって、車両停車前の状態になったときに、車両が停車する前の障害物の状況を検出して障害物が存在する場合に障害物存在信号を出力する障害物検知ステップと、該障害物存在信号を記憶する記憶ステップと、該記憶された障害物存在信号の出力範囲が、開閉されるドアの範囲外かどうか判断する判断ステップと、該判断ステップで、開閉されるドアの範囲外であると判断された場合に、前記ドア開閉駆動部の駆動を制御するステップと、を備えている。
このように構成すると、例えばバック走行などにおいて、障害物の状況を検出する障害物センサなどの取り付け位置がドア端部などであっても、障害物を検出してドアの開放を規制することが可能となり、障害物センサなどの配設位置の自由度を確保することが可能となる。
以上詳述したように、本発明によれば、ドアの開閉時にドアの近傍にある障害物について、障害物検出手段により確実に把握することが可能で、開閉時において、障害物と衝突するのを回避することが可能となる。また、特に搭乗者が開くドアの開放範囲外に存在することを確認できて、ドア開放が可能となる。さらに停車する直前の障害物の状態を検出して記憶することができるので、ドア開閉について障害物との衝突をより確実に防止することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1乃至図10は本発明の一実施形態を示す図で、図1は車両においてドアが半開き状態にある様子を示す説明図、図2は車両用ドア開閉装置によってドアが全開状態にある様子を示す説明図、図3は内側ドアハンドルの構成を示す斜視図、図4は外側ドアハンドルの構成を示す斜視図、図5は車両のドアおよび運転席操作スイッチの構成を示す説明図、図6はドア開閉駆動部が配設されたドアの一部切欠側面図、図7は変形防止ガイド部材を備えたドア開閉駆動部の構成を示す側面図、図8は車両用ドア開閉装置の全体構成を示すブロック図、図9は外側ドアハンドルに障害物センサとしてのドア近傍状況検出センサを配置する場合の説明図、図10は車両に障害物センサとしてのドア近傍状況検出センサを設けた場合に配置位置を示す説明図である。
(車両用ドア開閉装置の構成)
はじめに、図1乃至図10を参照しながら、本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の構成について説明する。なお、図8に示す符号Sは、本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置である。
この車両用ドア開閉装置Sは、乗用自動車等の車両50(図1,図2参照)に配設され、この車両50に設けられたドア52を手動開閉可能な状態から自動的に開閉する状態に切り替えて自動式に開閉させるためのものである。
本実施形態に係る車両用ドア開閉装置Sは、図8に示す通り、操作部10と、検出部20と、制御部30と、ドア開閉駆動部40と、障害物検出手段70と、から構成されている。
操作部10は、ワイヤレスリモコン11と、運転席操作スイッチ12と、内側ドアハンドル13と、外側ドアハンドル14と、から構成されている。
ワイヤレスリモコン11は、図1,図2に示すように、運転者等が車外からドア52の開閉操作を行えるものであり、例えば、開操作スイッチおよび閉操作スイッチを有して構成されている。このワイヤレスリモコン11の開操作スイッチを操作すると、開操作信号が出力され、ワイヤレスリモコン11の閉操作スイッチを操作すると、閉操作信号が出力され、後述する受信部21で受信するようになっている。
運転席操作スイッチ12は、図5に示すように、ドア52の内側に形成されたアームレスト57に設けられている。この運転席操作スイッチ12には、運転席、助手席、左後部座席、右後部座席の各座席に対応した操作スイッチが設けられており、この各操作スイッチを操作すると、各座席に対応した開操作信号および閉操作信号を受信部21に出力することができるようになっている。なお、運転席操作スイッチは、インパネに形成してもよく、或いはナビゲータの画面に表示して、タッチパネルで操作できるようにしてもよい。
内側ドアハンドル13は、図2,図3に示すように、ドア52の室内側面に配設されると共に、ハンドルレバー13aを有して構成されている。本実施形態の車両50では、このハンドルレバー13aを室内側(図3に示す矢印Aの方向)に引くと、後述するロック部54とストライカー部材56の係合が解除され、ドア52が開くようになっている。一方、外側ドアハンドル14は、図1,図4に示すように、ドア52の外側面に配設されると共に、ハンドルレバー14aを有して構成されている。このハンドルレバー14aを車両外側(図4に示す矢印Bの方向)に引くと、後述するロック部54とストライカー部材56の係合が解除され、ドア52が開く構成となっている。
障害物検出手段70は、車両の状況を検出するためのものであり、図1,図8,図10で示すように、障害物センサ71、ドア近傍状況検出センサ72(72a〜72f)を備えて構成されている。これらの障害物センサ71及びドア近傍状況検出センサ72(72a〜72f)は、人や物体を検出するセンサであり、公知の超音波センサや赤外線センサ等が使用される。障害物センサ71及びドア近傍状況検出センサ72(72a〜72f)は、障害物存在の有無、超音波や赤外線の受信に応じた距離情報を含めて、センサ検出部25で検出し、この検出結果を制御回路31に出力するように構成されている。障害物センサ71は、ドア52と障害物Gとの離間距離が停止判定距離L以下になったときに、ドア52の開扉停止制御を開始するように構成されている。また、ドア近傍状況検出センサ72(72a〜72f)は、ドア52の側方にある障害物Gの存在の有無を検出し、検出状態に応じて、制御回路31で駆動回路32を制御するように構成されている。
本例のドア近傍状況検出センサ72(72a〜72f)は、図1,図10で示すように、回転するドア52の回転軸から最も離れた外側近傍の上段、中段、下段の位置に設けられている。本例では、ドア近傍状況検出センサ72a,72b,72cは超音波センサで構成されている。そして、ドア近傍状況検出センサ72aは、上段の位置として配設され、具体的には、ドアウインドのフレームFの位置に配設されている。
またドア近傍状況検出センサ72bは、中段の位置として配設され、具体的には、外側ドアハンドル14の操作部に埋め込まれるように配設されている。この外側ドアハンドル14に配設される場合は、例えば図9の(A)〜(C)で示すように、意匠性を考慮して、外部から見えにくい位置に配置する。つまり、図9の(A),(B)のように、ハンドルレバー14aに隠れて配置するものであり、図9(A)は、ハンドルレバー14aの操作するときに、手を入れる空間部分から検出できるように、若干突出させて、下方に向けて配置する。或いは図9(B)のように、操作部の手を入れる空間部分のドアパネルを斜めに形成し、この斜めのパネルの位置に配設する。このように構成するとハンドルレバー14aにドア近傍状況検出センサ72bが隠れて意匠性が向上する。或いは図9(C)のように、ハンドルレバー14aに穴などを形成し、この穴に埋め込んで、ハンドルレバー14a自体に配設する。
このとき、上記図9の(A),(B)の場合と図9(C)の場合とでは、検知する範囲が異なるために、他の上段、下段に配置するドア近傍状況検出センサの位置を調整する。
ドア近傍状況検出センサ72cは、下段の位置として配設され、具体的には、上記障害物センサ71と同じ位置に配設するが、障害物センサ71と兼用させてもよい。
また本例では、ドア近傍状況検出センサ72として、図10で示すように、ドア近傍状況検出センサ72d,72eを用いた例を示している。ドア近傍状況検出センサ72dは、中段の位置として配設され、具体的には、後席側ドアの回転軸側で中段位置に配設されている。このドア近傍状況検出センサ72dは赤外線センサで構成されている。
さらにドア近傍状況検出センサ72eは、ドア回転軸近傍の下段の位置に配設され、具体的には、前席側ドアの回転軸の下部に配設されている。また、ドア近傍状況検出センサ72fは、図10で示すように、後席側ドアの中段で、ドア52が開閉回動する場合の回動中心軸より最も離れた位置に配設されている。
本例では、障害物検出手段70として障害物センサ71とドア近傍状況検出センサ72(72a〜72f)と、を分けて説明したが、障害物センサ71とドア近傍状況検出センサ72を兼用させてもよい。
検出部20は、後述する車両50に設けられたドア52(図1,図2参照)の操作状況に応じて得られる種々の信号を検出するためのものであり、受信部21と、エンコーダ22と、内側ドアハンドルスイッチ23と、外側ドアハンドルスイッチ24と、センサ検出部25と、から構成されている。
受信部21は、ワイヤレスリモコン11から発せられる赤外線や電波などを受信することができるように適宜選択される。そして、受信部21は、ワイヤレスリモコン11による開操作又は閉操作に応じて発せられるリモート信号を受信して、後述する信号処理部33に受信信号を出力するように構成されている。
エンコーダ22は、ドア52の回動軸中心(例えば、後述するドアヒンジ46や出力軸144d)に配設され、ドア52の開度に応じた数のパルスを制御部30のカウンタ34に出力することができるように構成されている。また、エンコーダ22には、例えば、複数のスリットが環状に設けられた円板と、光学素子とを備えてなる光学式ロータリエンコーダ等が用いられる。なお、エンコーダ22は、絶対的な回転量に応じたパルスを出力することが可能なアブソリュート型で構成されていることが望ましい。これにより、ドア52の絶対的な開度を正確に検出することが可能となる。また、コスト低減のために、ホールICを用いて位置検出を行っても良い。
内側ドアハンドルスイッチ23は、内側ドアハンドル13(図2,図3参照)によるドア開閉操作態様を検出するためのものである。この内側ドアハンドルスイッチ23は、内側ドアハンドル13が閉じている状態にあるときに、制御部30のドアハンドル操作検出部35にドアハンドル閉操作信号(例えば、LOW信号)を出力すると共に、内側ドアハンドル13が開いている状態にあるときに、ドアハンドル操作検出部35にドアハンドル開操作信号(例えば、HIGH信号)を出力することができるように構成されている。
外側ドアハンドルスイッチ24は、外側ドアハンドル14(図1,図4参照)によるドア開閉操作態様を検出するためのものである。この外側ドアハンドルスイッチ24は、外側ドアハンドル14が閉じている状態にあるときに、制御部30のドアハンドル操作検出部35にドアハンドル閉操作信号(例えば、LOW信号)を出力すると共に、外側ドアハンドル14が開いている状態にあるときに、ドアハンドル操作検出部35にドアハンドル開操作信号(例えば、HIGH信号)を出力することができるように構成されている。
また、センサ検出部25は、障害物検出手段70として障害物センサ71とドア近傍状況検出センサ72(72a〜72f)から出力された信号を受信して、信号処理部33へ送出するものである。
制御部30は、検出部20から得られる検出信号に基づいてドア開閉駆動部40を駆動制御するためのものであり、制御回路31と、駆動回路32とから構成されている。制御回路31は、図示しないCPUや、このCPUを動作させるためのプログラム及び制御に必要なデータが格納されたROM、RAM、HDD等の記憶手段36を備えた演算回路で構成され、信号処理部33,カウンタ34,ドアハンドル操作検出部35,記憶手段36,演算処理部(不図示)を主要構成とするものである。
信号処理部33は、センサ検出部25で検出した信号や、後述するように、遠隔操作手段から受信部21が受信した信号に基づいて、不図示のランプの点滅、クラッチ42、ドアロック用モータ48、クローザモータとしてのドア駆動用モータ41などを含めてドア開閉駆動部40への制御処理を行うものである。
カウンタ34は、エンコーダ22から出力されたパルス数をカウントし、このパルス数をドアの開度に換算することができるように構成されている。また、このパルス周期からドアの移動速度を検出するように構成されている。更に、このパルス幅からモータ負荷を検出し、異常検出手段とすることもできる。すなわち、ドア52が閉じるときに、パルス幅が所定長以上ならば、挟み込みが発生していると判断し、ドアを反転駆動させるようにしてもよい。
ドアハンドル操作検出部35は、内側ドアハンドルスイッチ23および外側ドアハンドルスイッチ24からそれぞれ出力されるドアハンドル開操作信号およびドアハンドル閉操作信号を検出することにより、内側ドアハンドル13及び外側ドアハンドル14の開操作の有無を検出することができるように構成されている。
なお、ドアハンドル操作検出部35は、内側ドアハンドルスイッチ23又は外側ドアハンドルスイッチ24からそれぞれ出力されるドアハンドル開操作信号およびドアハンドル閉操作信号(以下、まとめてドアハンドル操作信号と言う)に基づいて、内側ドアハンドル13又は外側ドアハンドル14のどちらが操作されたかということを判別可能に構成されていても良い。
上記記憶手段36は、CPUを動作させるためのプログラム及び制御に必要なデータが格納されたROMなどのほかに、RAM、HDDなどで構成され、障害物検出手段70としての障害物センサ71及びドア近傍状況検出センサ72などで検出した信号を、センサ検出部25で検出して信号処理部33で処理したものを所定の時間記憶することができるように構成されている。つまり、車両が停車する前の障害物の状況をドア近傍状況検出センサ72(或いは障害物センサ71)で検出して、障害物が存在する場合に、障害物存在信号を出力し信号処理部33で処理された情報を記憶手段36に格納するものである。そして、車両が停止したときに、停止直前の移動距離などから障害物存在信号が出力された範囲が開閉されるドアの範囲外であるかどうか判断するときに、CPUで記憶手段36から情報を呼び出して、演算して、障害物存在信号が出力された範囲が開閉されるドアの範囲外であるときに、ドア開閉駆動部40の駆動を制御するものである。
そして、上述の信号処理部33、カウンタ34、ドアハンドル操作検出部35、記憶手段36を有して構成された制御回路31では、障害物検出手段70で検出した情報、この情報を記憶手段36に記憶した情報、そしてカウンタ34によって得られるドアの開度情報及びドアの速度情報に基づいて、信号処理部33が、受信部21が受信した開信号や閉信号に応じて、モータ制御信号およびクラッチ制御信号を駆動回路32に出力することが可能となっている。また、内側ドアハンドルスイッチ23又は外側ドアハンドルスイッチ24から出力されるドアハンドル操作信号に応じて、モータ制御信号およびクラッチ制御信号を駆動回路32に出力することが可能となっている。
なお、制御回路31全体の動作詳細については後述する。
駆動回路32は、ランプの点灯、点滅信号を出力制御すると同時に、ドア開閉駆動部40を制御するためのものである。駆動回路32は、不図示のバッテリから電力供給されると共に、制御回路31から出力された各モータ制御信号に応じて、ドア駆動用モータ41,ドアロック用モータ48,リリース用モータ49に所定のモータ電圧をそれぞれ印加することができるように構成されている。また、駆動回路32は、制御回路31から出力されたクラッチ制御信号に応じて、クラッチ42に励磁信号を出力することができるように構成されている。
ドア開閉駆動部40は、ドア52を自動式に開閉させるための駆動源となるものであり、ドア駆動用モータ41と、クラッチ42と、リンク機構部45と、ドアロック用モータ48と、リリース用モータ49と、から構成されている。ドア駆動用モータ41は、例えば、ステッピングモータ、ブラシレスモータ、ブラシ付きモータ等で構成され、駆動回路32によって印加されたモータ電圧に基づいて回転軸(不図示)を回転させ、リンク機構部45を駆動させることができるように構成されている。
本実施形態の車両用ドア開閉装置Sが装備された車両50の側部には、ドア開口部51が形成されており、ドア開口部51の車両前方側にはピラー53が配設され、ドア開口部51の車両中央側にはピラー55が配設されている。そして、ドア開口部51には、このドア開口部51を塞ぐように、ドア52が車両前方側に設けられたドアヒンジ46(46a,46b)により開閉自在に取り付けられている。そして、ドア駆動用モータ41は、図6に示すように、ドア52の内部に固設されている。
クラッチ42は、ドア駆動用モータ41の上端部に配設され、駆動回路32から出力された励磁信号に応じて、ON/OFF制御される電磁クラッチで構成されている。すなわち、クラッチ42は、ON状態にあるときに、ドア駆動用モータ41の回転力を駆動軸43に伝達すると共に、OFF状態にあるときに、ドア駆動用モータ41の回転力を駆動軸43に伝達しないように構成されている。
リンク機構部45は、上述したように、ドア駆動用モータ41の回転力によって駆動し、ドア52を開閉させるためのものである。本実施形態に係るリンク機構部45は、図6に示すように、クランクアーム45aと、リンク45bと、リンク部材45cとから構成されている。クランクアーム45aは、一端が上述した駆動軸43に連結され、他端がリンク45bの一端に連結されている。リンク45bの他端はリンク部材45cの一端に連結され、リンク部材45cの他端は支持軸44aに回動可能に軸支されている。そして、支持軸44aが車体側に設けられた軸受部44bに連結されることにより、ドアと車体とが連係されている。
なお、リンク部材45cの長手方向の略中央には、ドア52に設けられたチェック機構部60の内部を貫通し、チェック機構部60のハウジング61に収納されたチェック部材63と係合するための溝部62が形成されている。チェック部材63は、同じくチェック機構部60のハウジング61に収納された弾性体64によって、リンク部材45cを上下から挟持する方向に付勢されている。
ドア52の開閉に伴い、リンク部材45cはこのチェック機構部60の内部を摺動する。そして、上述した溝部62の前後に設けられた斜面がチェック部材63に設けられた凸部に当接すると、上述した弾性体64の付勢力により大きな摺動抵抗が生じ、リンク部材45cの動きが減速される。そして、リンク部材45cの溝部62が上記チェック部材63の凸部に係合すると、リンク部材45cは所定のチェック力で保持される。そして、ドア52が半開位置で保持されるようになっている。このようなチェック力を発生するリンク部材は、ドア開閉装置を備えていない手動式のドアに通常設けられる既存のリンク部材をそのまま使用することができる。
なお、リンク部材45cの強度が不足する場合、図7のようにリンク部材45cの上下に変形防止ガイド部材65を設け、リンク部材45cの上下方向の変位を規制するようにしてもよい。
リンク45bとクランクアーム45aとの連結部、及びリンク45bとリンク部材45cとの連結部は、いずれもボールジョイントで構成されている。このボールジョイントは、球形面を有する回動部材を備え、該球形面がリンク45bの両端に設けられた軸承部の内面に摺接され、3次元的に回動可能に構成されている。このように構成されていることにより、リンク45bは、直線形状を保持したままでリンク部材45cとクランクアーム45aとを連係し、駆動軸43の出力をリンク部材45cに伝達している。
そして、本実施形態のリンク機構部45において、クラッチ42がON制御された状態でモータ41が正逆回転すると、この回転力がクラッチ42を介して駆動軸43に伝達される。そして、駆動軸43の出力により、駆動軸43との連結部を中心としてクランクアーム45aが回動する。
また、図2に示すように、ドア52が設定開度まで開扉してモータ41が停止状態にあるときでも、クラッチ42を介してリンク機構部45およびモータ41のある程度の負荷抵抗がドア52に掛かるようになっており、これにより、ドア52が所定の開度位置で保持されるようになっている。
一方、クラッチ42がOFF制御された状態では、モータ41とリンク機構部45との接続が解除されるため、ドア52を手動で操作することが可能となる。このとき、モータ41の負荷がドア52に掛からないので、搭乗者は容易にドア52を開閉させることができる。
(車両用ドア開閉装置の動作)
次に、上記構成からなる車両用ドア開閉装置Sの動作について説明する。
図11乃至図13は、一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の制御を示すフローチャートである。ここでは、車両に設けられた内側ドア開閉スイッチ15又は、外側ドア開閉スイッチ16による操作でドア52を開閉する場合のドア開閉装置Sの動作を説明するもので、前席側のドアを例にして説明する。
なお、ワイヤレスリモコン11でドア開閉動作を実施する際には、車両外側及び内側にワイヤレスリモコン11からの信号の受信部を各々設け、どちらが感知したかによって、内側操作か外側操作かを区別する構成とする。この場合の制御は、ドア開閉スイッチ15、16による開閉操作と同様である。
(車両用ドア開閉装置の動作)
次に、上記構成からなる車両用ドア開閉装置Sの動作について説明する。
図11乃至図13は、一実施形態に係る車両用ドア開閉装置の制御を示すフローチャートであり、図11はドア開閉処理の制御を示す説明図であり、図12はドア開作動時の制御(ステップS20)の流れを示す説明図、図13は車両用ドア開閉装置における記憶処理(ステップS22)の流れを示す説明図である。なお、図11乃至図13のフローチャートの処理は、制御部30の図示しないCPUで制御されている。また、図14乃至図17は、後述する変更例などを説明するものである。
以下の説明において、ドア開操作信号とドア閉操作信号を総称して単に「ドア開閉操作信号」と記す。
はじめに、本実施形態の車両用ドア開閉装置Sは、ドア自動開操作が行われたか否かの判断を行う(ステップS11)。ドア自動開操作の有無の判断は、ドアハンドル操作検出部35または受信部21において行われる。すなわち、ドアハンドル操作検出部35において判断される場合は、内側ドアハンドルスイッチ23又は外側ドアハンドルスイッチ24から所定のドアハンドル開操作信号が検出されたか否かによって、ドア自動開操作の有無が判断される。
ここで、所定のドアハンドル開操作信号とは、例えば、ドアハンドルのハンドルレバーを引いてドア52を開け、このドアが所定の開度以下にあるときにハンドルレバーを戻した場合に検出されるものとすることができる。また、アームレストに設けた窓操作スイッチ12に形成された4つのボタンにより、各ボタンに割り当てられたドアの自動開/閉操作を行うように構成するものとしてもよい。
そして、受信部21において判断される場合は、ワイヤレスリモコン11による開操作又は閉操作に応じて発せられるリモート信号を受信したか否かによって判断される。ワイヤレスリモコン11には、5つのスイッチボタンを形成し、それぞれにAL(全席)、FR(運転席)、FL(助手席)、BR(後部右側席)、BL(後部左側席)としても良い。このように構成して、開けたいドアのみを指定して、開閉することが可能となるようにしても良い。スマートキーを操作手段とする場合は、スマートキーを所持した状態で車両に近づき、例えば、上記のような所定のドアハンドル操作を行うことにより、ドア自動開操作の有無が認識されるように構成することができる。なお、ここでは、スイッチ操作が外側ドアハンドルによって操作された場合を説明する。
スイッチ操作がないと判定された場合(ステップS11:NO)は、スイッチ操作があるまで、ステップS11の処理を繰り返す。スイッチ操作が有ると判定された場合(ステップS11:YES)、ドア開閉操作信号をHIGHに設定する(ステップS12)。このHIGH信号は、スイッチ操作がなされてからドア52の自動開閉処理が終了するまでの間出力されており、ドア52の自動開閉処理が終了すると、LOW設定される。
ドア開閉操作信号がHIGHに設定される(ステップS12)と、車両速度が0であるか否か、すなわち駐停車した状態であるか否かを判定する(ステップS13)。車両速度が0でない場合(ステップS13:NO)、車両は走行中であると判定し、所定速度か以下かどうか判断し、所定速度以上である場合(ステップ21:NO)、処理はS24に進み、ドア開閉操作信号をLOWに設定する(ステップS23)。その後、処理を終了する。これは、所定以上で車両が走行中にドア52の操作を行うことを防止するため、操作を中止、すなわちスイッチ操作を無効とするものである。
上記ステップ21で、車両速度が所定速度、例えば10Km/h以下である場合(ステップ21:YES)、記憶処理(ステップ22)を行なう。ステップ22の記憶処理は後述する。
車両速度が0である場合には(ステップS13:YES)、操作スイッチの操作方向が開方向であるか否かが判定される(ステップS14)。
操作スイッチの操作方向が開方向ではないと判定された場合(ステップS14:NO)、ドア位置が全閉状態であるか否かを判定する(ステップS15)。
ドア52が全閉状態であることは、図示しないドア開閉状態検出センサで検出可能となっている。ドア52が全閉状態であった場合には(ステップS15:YES)、ドア52をこれ以上閉扉することは不可能であるので、誤操作であるとみなして、処理はステップS23に進み、ドア開閉操作信号をLOWに設定する(S23)。その後処理を終了する。
ドア52が全閉でなかった場合(ステップS15:NO)、ドア52を閉扉するための操作は有効であると判定してドア閉処理を実行する(ステップS16)。次いで、このドア閉処理が終了した後、処理はステップS23に進み、ドア開閉操作信号をLOW設定して(S23)、処理を終了する。
ドアスイッチ開閉操作信号の操作方向が開方向であると判定した場合(ステップS14:YES)、ドアスイッチ開閉操作信号が発生した操作がドアハンドルかどうか判断する(ステップS17)。操作がドアハンドルでない場合、図12のAを介してドア開処理を行なう。
ドアスイッチ開閉操作信号が発生した操作がドアハンドルである場合(ステップS17:YES)、前席側ドアにおいて障害物信号があるかどうか判断する(ステップS18)。すなわち、例えば車両外から前席側ドアを開くために、搭乗者が操作する場合において、前席側にあるドア近傍状況検出センサ72(72a〜72c)で、開こうとする前席側ドアに障害物が存在するかどうか判断し、障害物が存在する場合(ステップS18:YES)、前席側ドアを開くと、搭乗者(障害物)に当たるためドアは開かず、処理はステップS23に進み、ドア開閉操作信号をLOW設定して(S23)、処理を終了する。
前席側ドアに障害物が存在しない場合(ステップS18:NO)、後席側ドアに障害物があるかどうか判断する(ステップS19)。後席側ドアに障害物がない場合(ステップS19:NO)、障害物が無いという状態が所定時間経過しているかどうかを判断する(ステップS19a)。所定時間経過していない場合(ステップS19a:NO)、障害物があると判断されるまで、ステップ18から繰り返し判断を行なう。所定時間経過している場合(ステップS19a:YES)、障害物は除かれたため、ドア52を開扉するための操作は有効であると判定して、ドア駆動モータ41及びクラッチ42を駆動してドア開処理を実行する(ステップS20)。このドア開処理は、図12の処理を行う。
後席側ドアに障害物があると判断された場合(ステップS19:YES)、操作者である搭乗者が、後席側ドアに居ることになり、開く前席側ドアの障害とならないことが確認されるため、ドア52を開扉するための操作は有効であると判定して、ドア駆動モータ41及びクラッチ42を駆動してドア開処理を実行する(ステップS20)。このドア開処理は、図12の処理を行う。次いで、このドア開処理が終了した後、処理はステップS23に進みドアスイッチ開閉操作信号をLOW設定する(ステップS23)。
次に、図12を参照し、図11で示すステップS20のドア開処理の詳細を説明する。
まず、ステップS20−1でドア駆動モータ41とクラッチ42が駆動され、ステップS20−2で自動ドア開作動が開始される。次いで、障害物検出手段70の障害物センサ71により検知され、センサ検出部25により検出された障害物信号が信号処理部33に入力されているか否かを判定する(ステップS20−3)。障害物信号が、信号処理部33に入力されている場合には(ステップS20−3:YES)、タイマーT1をスタートして(S20−4)、タイマーT1が設定値以上か否かを判定する(ステップS20−5)。タイマーT1が設定値以上の場合は(ステップS20−5:YES)、障害物は排除されていないと判定し、モータ41を停止してドア開扉動作を停止する(ステップS20−9)。そして、ドア開閉操作信号をLOW設定して(ステップS20−10)処理は終了する。
タイマーT1が設定値より小さい場合には(ステップS20−5:NO)、障害物信号が車両状況保持部36に入力されているか否かを再度判定する(ステップS26)。障害物信号が信号処理部33にその時点で入力されていると判定した場合には(ステップS20−6:YES)、処理はステップS20−5に戻り、タイマーT1が設定値以上か否かを判定する。
障害物信号が信号処理部33にその時点で入力されていないと判定した場合には(ステップS20−6:NO)、障害物は排除されたと判定されて、処理はHを介してステップS20−7に進む。ステップS20−4〜ステップS20−6では、検知された障害物が排除されるか否かをタイマーT1に設定された時間内(例えば3.0秒)監視していることとなる。信号処理部33に入力されるデータは一定周期で最新の情報に更新されるため、タイマーT1設定時間内に障害物センサ71で検知された障害物が排除されて障害物センサが障害物を検知しなくなった場合には、信号処理部33に入力されていた障害物信号をクリアされ、ステップS20−6でNOの判定がなされることになる。
障害物センサ71からの障害物信号が車両状況保持部36に入力されていないと判定した場合には(ステップS20−3:NO)、ドアの開扉を続けて行い(ステップS20−7)、ドア開角度と設定値とが比較される(ステップS20−8)。ドア開角度が設定値に達していない場合(ステップS20−8:NO)、ステップS20−7〜ステップS20−8の処理を繰り返す。
ドア開角度が設定値に達したと判断された場合(ステップS20−8:YES)、ドア開扉動作が停止される(ステップS20−9)。そして、ドア開閉操作信号をLOW設定して(ステップS20−10)処理は終了する。
次に、図13を参照し、図11で示すステップS22の記憶処理の詳細を説明する。
ステップS21で車両が所定速度以下となったとき、障害物センサ71及びドア近傍状況検出センサ72(72a〜72f)などが作動する(ステップS22−1)。そして、記憶の開始処理が行なわれる(ステップS22−2)。この記憶処理は、障害物センサ71及びドア近傍状況検出センサ72(72a〜72f)などから出された信号をセンサ検出部25で検出し、信号処理部33で処理された信号を記憶手段36で記憶を開始するもので、記憶手段としてはRAM、HDD等に記憶する。記憶時間は任意に設定することが可能であるが、時速10kmの場合1秒で約2.78メートル程度移動するため、車両の長さを考慮して、最少記憶時間を設定することができる。また、時速1km以下では、1秒に約0.278メートル以下で移動することになり、さらに遅い速度で移動する場合があるので、これらを考慮して最大記憶時間を設定する。
次に、車両速度が0かどうか判断する(ステップS22−3)。車両速度が0でない場合(ステップS22−3:NO)、車両速度が0になるまで、判断を続行する。車両速度が0の場合(ステップS22−3:YES)、車両が停止したものと判断し、車両停止前の移動距離の算出処理を行なう(ステップS22−4)。
そして、障害物の位置が、車両停止前の移動距離によって、ドアが開くときに、予め設定された障害となる範囲かどうか対比処理をする(ステップS22−5)。そして、対比処理の結果、障害物の範囲である場合(ステップS22−6:YES)、処理はCを介して、図11のステップS23に進みドアスイッチ開閉操作信号をLOW設定する(ステップS23)。障害物の範囲である場合(ステップS22−6:NO)、処理はBを介して、図11のドア開処理ステップS20の処理を行なう。
また、車庫入れなどにおいて、前進と後退を繰り返して行うような場合についても前述したステップS22−4〜ステップS22−6により、車両停止前の移動距離の算出処理、対比処理及び判断処理を行うことにより、障害物と車両との位置関係を特定するものである。
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(イ)本実施形態の車両用ドア開閉装置Sでは、外側から開こうとするドアに操作者(搭乗者)が存在しないことを確認してドア開放が可能となるため、自動ドア開放をしても、操作者(搭乗者)に衝突することを防止することが可能となる。
(ロ)また、本実施形態の車両用ドア開閉装置Sにより、停車する直前の障害物の状態を検出して記憶しているので、停車後にドアを開く場合、停車位置に障害物が存在するかどうか判別できるため、車両をバックで移動させた場合であって、停車時に障害物検出手段で検出できない障害物の存在も確認することが可能となる。このとき、車両が停止前に、前進及び後退を繰り返した場合においても、前進及び後退の移動距離を演算して、障害物の位置を記憶し、車両の停止位置で開くドアが障害物の範囲かどうか判断することが可能なように構成することができる。
なお、本発明の実施の形態は、以下のように改変することができる。
(a)上記実施形態では、車両用ドア開閉装置Sが蝶番式のドア52を有する車両50に備えられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、車両用ドア開閉装置Sは、跳ね上げ式のドアを有する車両等に用いられていても良い。さらに、自動開扉させるドアは、前席用のドアに限らず、後席用や背面ドア等であっても良い。
(b)センサの位置は、図14で示すように、ドアの端部にデザイン化された切り欠き部分101を形成して、この部分に障害物検出手段としての障害物センサ71或いはドア近傍状況検出センサ72を配設するように構成してもよい。このとき意匠性を考慮して、切り欠き部分101を工夫して、曲線状の切り欠き、直線状の切り欠きなど各種の態様で切り欠き部分101を形成することができる。このようにドアに障害物検出手段を直接形成することにより、障害物検出手段の配置に車体側の変更を加える必要がなくなる。また、障害物センサ71或いはドア近傍状況検出センサ72は、図15で示すように、ドア幅の間に配設して、ドアが開いたときに、検知するように構成することもできる。このように構成すると、運転者がドアを少し開けて、バックするような場合において、障害物の検出を行なうことができて、ドアが若干開いた状態での車両移動においても障害物を検出することが可能となる。
さらに、ドア52にタッチセンサや負荷センサを設け、ドア52に外部から負荷が掛かった場合に、ドア52の開閉制御が自動的に停止されるような構成であっても良い。すなわち、ドア52の自動開閉中における開度検出と共に、負荷検出および検出負荷判断を行い、この検出負荷判断処理にて、予め設定した負荷を超えたと判断した場合に、ドア52を停止させるようにしても良い。このようにすると、自動開閉中のドア52に搭乗者が触れるだけでドア52の自動開閉を停止させることができる。従って、狭い駐車場に車両50を駐車した際などに有効である。
(c)車両50のドア52の付近に音声報知装置や表示報知装置等を設け、車両用ドア開閉装置Sがドア52を自動式に開閉させている最中に、その旨を前記音声報知装置や表示報知装置等によって報知するように構成されていても良い。また、車両用ドア開閉装置Sの作動中に車両50を発進させてしまわないように、運転席等に警告灯を設けても良い。
(d)上記実施形態では、車両用ドア開閉装置Sがドアヒンジ46で回動可能に保持されるドア52を有する車両50のドア52側に備えられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、車両50の車体側にドア駆動用モータ41と、クラッチ42と、リンク機構部45とを配設して、リンク部材45cを回動可能に軸支する軸受部44bをドア52側に設ける構成としてもよい。
(e)上記実施形態では、リンク機構部45がクランクアーム45aとリンク45bとリンク部材45cとから構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、クランクアーム45aの下端部に噛合するピ二オンを有し、該ピニオンを介して駆動軸43の出力を伝達する構成であっても良い。また、駆動軸43とクランクアーム45aが複数の歯車からなる減速機構を介して連結される構成であってもよい。
さらに、リンク部材45cは、車体側又はドア側に設けられた支持軸44aに軸支されていたが、リンク部材45cと支持軸44aとの間に別のリンク機構を設ける構成であってもよい。
(f)上記実施形態では、ドア駆動用モータ41がドア52の内部に固設され、ドア駆動用モータ41の回転力によってリンク機構部45が駆動され、ドア52を開閉させるように構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、図16に示すように、ピラー53の内部に固定されたドア駆動用モータ41と、モータ41の上端部に配設されたクラッチ42と、駆動機構部144とを備えた構成であってもよい。
この駆動機構部144は、図17に示すように、駆動軸144aと、駆動側歯車144bと、従動側歯車144cと、出力軸144dと、支持軸144eと、ヒンジアーム145a,145bと、から構成されている。駆動軸144aは、クラッチ42を介してドア駆動用モータ41の回転軸(不図示)に接続されており、駆動軸144aの上端部には、駆動側歯車144bが配設されている。従動側歯車144cは、出力軸144dの下端部に配設されると共に、駆動側歯車144bに歯合されている。また、従動側歯車144cは、駆動側歯車144bよりも大径の歯車で構成されており、これにより、駆動側歯車144bおよび従動側歯車144cによって減速機構が構成され、ドア駆動用モータ41の回転が減速されるようになっている。
出力軸144dは、ピラー53の上側に固定された軸受部147aに回動可能に軸支されており、支持軸144eは、ピラー53の下側に固定された軸受部147bに回動可能に軸支されている。出力軸144dの中央部には、ヒンジアーム145aが固設されており、支持軸144eの中央部には、ヒンジアーム145bが固設されている。ヒンジアーム145aの自由端は、図17に示すように、ドア52の回動軸側端面の上部に固定され、ヒンジアーム145bの自由端は、ドア52の回動軸側端面の下部に固定されている。
そして、ドア駆動用モータ41が回転すると、この回転力がクラッチ42を介して駆動軸144aに伝達され、駆動側歯車144bが回転する。駆動側歯車144bが回転すると、従動側歯車144cが回転し、出力軸144dが回転する。これにより、ヒンジアーム145aが回動し、これに伴って、ドア52が開閉するようになっている。
なお、駆動機構部144は、2つの平歯車からなる減速機構のかわりに、ウォームギアと平歯車とからなる減速機構やベルト機構を備えた構成であっても良い。
本発明の一実施形態に係る車両においてドアが半開き状態にある様子を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置によってドアが全開状態にある様子を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る内側ドアハンドルの構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る外側ドアハンドルの構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る車両のドアおよび運転席操作スイッチの構成を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係るドア開閉駆動部が配設された車両のドアの一部切欠側面図である。 本発明の一実施形態に係る変形防止ガイド部材を備えたドア開閉駆動部の構成を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る外側ドアハンドルに障害物センサとしてのドア近傍状況検出センサを配置する場合の説明図である。 本発明の一実施形態に係る車両に障害物センサとしてのドア近傍状況検出センサを設けた場合に配置位置を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置におけるドア速度とドア開度との関係を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置におけるドア開閉処理の制御を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置におけるドア開作動時の制御(ステップS20)の流れを示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る車両用ドア開閉装置における記憶処理(ステップS22)の流れを示す説明図である。 本発明の他の例に係る車両用ドア開閉装置の説明図である。 本発明のさらに他の例に係る車両用ドア開閉装置の説明図である。 本発明の改変例の駆動機構部の構成を示す説明図である。 本発明の改変例のドア開閉駆動部を備えた車両を示す説明図である。
符号の説明
10 操作部、11 ワイヤレスリモコン、12 窓操作スイッチ、13 内側ドアハンドル、13a ハンドルレバー、14 外側ドアハンドル、14a ハンドルレバー、20 検出部、21 受信部、22 エンコーダ、23 内側ドアハンドルスイッチ、24 外側ドアハンドルスイッチ、25 センサ検出部、30 制御部、31 制御回路、32 駆動回路、33 信号処理部、34 カウンタ、35 ドアハンドル操作検出部、36 記憶手段、40 ドア開閉駆動部、41 ドア駆動モータ、42 クラッチ、43 駆動軸、44a 支持軸、44b 軸受部、45 リンク機構部、45a クランクアーム、45b リンク、45c リンク部材、46a,46b ドアヒンジ、48 ドアロック用モータ、49 リリース用モータ、50 車両、51 ドア開口部、52 ドア、53 ピラー、54 ロック部、55 ピラー、56 ストライカー部材、57 アームレスト、60 チェック機構部、61 ハウジング、62 溝部、63 チェック部材、64 弾性体、65 変形防止ガイド部材、70 障害物検出手段、71 障害物センサ、72(72a〜72f) ドア近傍状況検出センサ、S 車両用ドア開閉装置

Claims (5)

  1. ドアを開閉駆動するドア開閉駆動部と、車両側方の障害物の存在を検出して障害物存在信号を出力する障害物検出手段と、ドア自動開閉信号を出力する操作手段と、該操作手段からのドア自動開閉信号及び前記障害物検出手段からの障害物存在信号を検出する検出部と、該検出部によって検出した信号に基づいて前記ドア開閉駆動部を制御する制御部と、を備えた車両用ドア開閉装置であって、
    前記操作手段がドアハンドルであって、該ドアハンドルからドア自動開閉信号を受信した場合において、前記ドア自動開閉信号受信後の所定時間の間、前記障害物検出手段が障害物を検知しない場合に、ドア開閉駆動部によりドア開閉動作を行うように制御してなることを特徴とする車両用ドア開閉装置。
  2. 前記障害物検出手段は、回転するドアの回転軸から最も離れた外側近傍の上段、中段、下段位置でドアに設けられた障害物センサによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用ドア開閉装置。
  3. 前記上段に設けられた障害物センサは、赤外線センサであることを特徴とする請求項2に記載の車両用ドア開閉装置。
  4. 前記障害物検出手段が、開閉しようとするドアに設けた障害物センサで障害物を検出せず、開閉しないドアに設けた赤外線センサで人を検出したときに、前記制御部は、ドア開閉駆動部を制御することを特徴とする請求項2又は3に記載の車両用ドア開閉装置。
  5. 車両のドアを自動式に開閉する車両用ドア開閉制御方法であって、
    開こうとするドアの回転軸から最も離れた外側近傍の上段、中段、下段位置でドアに設けられた障害物センサによって障害物を検出する第1の障害物検出ステップと、
    開こうとしないドアの障害物センサによって、人を検出する第2の障害物検出ステップと、
    前記第1の障害物検出ステップで障害物を検出せず、第2の障害物検出ステップで検出した場合に、ドアの開閉駆動を制御するステップと、
    を備えてなることを特徴とする車両用ドア開閉制御方法。
JP2003270775A 2003-07-03 2003-07-03 車両用ドア開閉装置及び車両用ドア開閉制御方法 Expired - Fee Related JP4064886B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003270775A JP4064886B2 (ja) 2003-07-03 2003-07-03 車両用ドア開閉装置及び車両用ドア開閉制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003270775A JP4064886B2 (ja) 2003-07-03 2003-07-03 車両用ドア開閉装置及び車両用ドア開閉制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005023754A JP2005023754A (ja) 2005-01-27
JP4064886B2 true JP4064886B2 (ja) 2008-03-19

Family

ID=34190651

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003270775A Expired - Fee Related JP4064886B2 (ja) 2003-07-03 2003-07-03 車両用ドア開閉装置及び車両用ドア開閉制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4064886B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5381061B2 (ja) * 2008-12-08 2014-01-08 株式会社デンソー 車両ドア開度制御装置
DE102010031573A1 (de) * 2010-07-20 2012-01-26 Robert Bosch Gmbh Fahrzeugverkleidung mit verdeckter Ultraschallsensoranordnung und Verfahren zur Integration von Ultraschallwandlern in Fahrzeugverkleidungen
KR101949816B1 (ko) * 2017-03-30 2019-02-19 김슬기 차량 도어 충돌방지 장치
CN112572112A (zh) * 2020-12-23 2021-03-30 奇瑞汽车股份有限公司 一种汽车车门控制系统和方法、汽车
CN113173121B (zh) * 2021-04-30 2023-05-26 重庆长安汽车股份有限公司 一种汽车隐藏式把手状态提示系统、方法及汽车
CN114150967B (zh) * 2021-12-02 2022-11-25 深圳市兴嘉林电子科技有限公司 车门控制方法、装置及电子设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005023754A (ja) 2005-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4834384B2 (ja) 車両ドア制御方法および車両ドア制御システム
US5039925A (en) Position encoder for sliding door power drive system
US7178854B2 (en) Door apparatus
US6398288B1 (en) Control device of automotive pivoting door
JP4389897B2 (ja) 自動車用ドアの開動作規制装置
US10077002B2 (en) Control device of electric step for vehicle
JPH0747585Y2 (ja) 自動ドア開扉装置
JP4064886B2 (ja) 車両用ドア開閉装置及び車両用ドア開閉制御方法
JP3052491B2 (ja) 自動車用自動ドアの安全装置
JP2007009456A (ja) 車両用ドアの挟み込み防止装置
JP2005014840A (ja) 車両用ドア開閉装置及び車両用ドア自動開閉方法
JP2005171573A (ja) 車両用自動開閉装置
KR102141466B1 (ko) 힌지방식 클러치가 적용된 자동 슬라이딩도어모듈
JP4789571B2 (ja) 窓開閉制御装置
JP2007327240A (ja) 開閉体制御装置、パワーウィンドウ装置
JP3825004B2 (ja) 車両用ドア開扉装置および車両用ドア開扉制御方法
JP3711516B2 (ja) 車両用開閉体の開閉装置
JP4087757B2 (ja) 車両用ドア開閉装置及び車両用ドア自動開閉方法
JP4149858B2 (ja) 車両用ドア開閉装置
JP6940038B2 (ja) ドアラッチシステム
JP2005016250A (ja) 車両用ドア開閉装置及び車両用ドア自動開閉方法
JP4376800B2 (ja) 車両用スライドドアの半開停止装置
JP2005016251A (ja) 車両用ドア開閉装置
JP3565317B2 (ja) 車両用スライドドアの自動開閉装置
JP2005030080A (ja) 車両用ドア開閉装置及び車両用ドア自動開閉方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050719

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070710

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071009

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110111

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees