JP2010231027A - 電子音楽装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 汎用の操作子を用いて擬似的にスクラッチ効果を実現した楽音を発生することができる電子音楽装置の提供。
【解決手段】 所定の可動範囲内を移動する部材を有する操作子を操作すると、対応付け情報に基づき前記部材が該操作子の可動範囲を区切った複数の範囲のいずれの範囲内に位置づけられたかを特定すると共に、該特定された範囲に対応付けられた再生速度に従って波形記憶手段から波形データを順次に読み出す。このようにして、所定の可動範囲内を移動する部材が位置づけられた操作子位置に応じて再生速度を変更するようにしたことによって、特殊な操作態様で操作することが必要な専用操作子ではなく、所定の可動範囲内を移動する部材を有してなり、この部材を可動範囲内で移動させることにより操作が行われる、汎用の操作子を用いてスクラッチ効果を実現することができるようになる。
【選択図】 図3

Description

この発明は、波形メモリに格納された波形データを読み出して再生することにより任意の楽音を発生する電子音楽装置に関する。特に、既存の電子音楽装置に通常具備されている汎用の操作子を用いて、擬似的にスクラッチ効果を実現した楽音を発生することができるようにした技術に関する。
従来から、波形メモリに任意の楽音に対応した波形データを格納しておき、これを読み出して再生することにより楽音を発生する電子音楽装置において、例えば本体パネル上に配置されている専用操作子を用いて、該操作子の操作に応じて擬似的にスクラッチ効果を実現した楽音を発生するものが知られている。スクラッチとはアナログレコードをターンテーブル上で再生中に、そのレコードを手で強制的に動かして再生速度を極端に変化させることで特殊な効果音を生み出す技法のことである。従来の装置ではアナログレコードにおいて上記スクラッチ技法を用いることにより発生される特殊な効果音とほぼ同様の楽音を、アナログレコードを用いるのではなく例えばハードディスクに記憶されたWaveファイルなどの波形データ(つまりはハードディスクレコーダに録音した楽音信号など)を用いて擬似的に発生させている。こうした装置の一例を挙げると、下記に示す特許文献1又は非特許文献1に記載の装置がある。
特開平9−90958号公報 "DJXII 取扱説明書",2000年,ヤマハ株式会社,インターネット〈http://www2.yamaha.co.jp/manual/pdf/emi/japan/port/DJXIIJ.pdf〉
上記した特許文献1及び非特許文献1に記載された従来の装置においては、汎用の操作子の他にスクラッチ効果を実現するための専用操作子(例えばリボンコントローラなど)を具備しており、ユーザが該専用操作子において所定箇所を指で触れさせたままなぞるようにして動かすなどの特殊な操作態様で操作することに応じて、具体的には指の動かし方(向きや移動速度)に応じて波形メモリから波形データを読み出す再生速度(読み出しレートとも呼ぶ)を変更してスクラッチ効果を実現した楽音を発生するようになっている。なお、本明細書において、楽音という場合、音楽的な音に限るものではなく音声あるいはその他任意の音を含んでいてもよい意味あいで用いるものとする。
ところで、最近では上述したようなスクラッチ効果を既存の電子音楽装置、例えば持ち運びし易い携帯型の電子楽器(所謂ポータブルキーボード)などでも実現したいという要望がある。しかし、既存の電子音楽装置は小型/安価であるなどの点からもともとスクラッチ効果を実現できるようにはなっていない。すなわち、上述したリボンコントローラのような特殊な操作態様で操作する専用操作子がコストや設置場所等の観点から具備されておらず、汎用の操作子しか具備されていない。こうした汎用の操作子しか具備されていない既存の電子音楽装置に対し、専用の操作子が具備されていることを前提とした従来知られた技術をそのまま適用してスクラッチ効果を実現できるようにするのは非常に困難である、という問題点があった。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、特殊な操作態様により操作される専用の操作子を用いることなく汎用の操作子を用いてスクラッチ効果を実現することができるようにした電子音楽装置を提供することを目的とする。
本発明に係る電子音楽装置は、音に関する波形データを所定の順で記憶する波形記憶手段と、所定の可動範囲内を移動する部材を有する操作子と、前記操作子の可動範囲内を複数の範囲に区切り、該区切られた複数の範囲毎に前記波形記憶手段から波形データを読み出す再生速度を対応付けた対応付け情報を記憶する記憶手段と、操作に応じて可動範囲内を移動する前記部材が位置づけられた操作子位置を特定する位置特定手段と、前記対応付け情報に基づき、前記区切られた複数の範囲のうち前記特定した操作子位置が含まれる範囲を特定し、該特定された範囲に対応付けられた再生速度に従って前記波形記憶手段から波形データを順次に読み出す波形読み出し手段とを具える。
本発明によると、所定の可動範囲内を移動する部材を有する操作子を操作すると、対応付け情報に基づき前記部材が該操作子の可動範囲を区切った複数の範囲のいずれの範囲内に位置づけられたかを特定すると共に、該特定された範囲に対応付けられた再生速度に従って前記波形記憶手段から波形データを順次に読み出す。前記対応付け情報は、操作子の可動範囲内を複数の範囲に区切り、該区切られた複数の範囲毎に前記波形記憶手段から波形データを読み出す再生速度を対応付けて記憶したものである。このようにして、所定の可動範囲内を移動する部材が位置づけられた操作子位置に応じて再生速度を変更するようにしたことによって、特殊な操作態様で操作することが必要な専用操作子ではなく、所定の可動範囲内を移動する部材を有してなり、この部材を可動範囲内で移動させることにより操作が行われる既存の電子音楽装置などにおいて通常よく見られる汎用の操作子を用いて、スクラッチ効果を実現することができるようになる。
この発明によれば、所定の可動範囲内を移動する部材が位置づけられた操作子位置に応じて再生速度を変更するようにしたことから、特殊な操作態様により操作される専用の操作子を用いることなく汎用の操作子を用いてスクラッチ効果を実現することが容易にできる、という効果を得る。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に従って詳細に説明する。
図1は、この発明に係る電子音楽装置の全体構成を示したハード構成ブロック図である。本実施例に示す電子音楽装置は例えば電子楽器やミキシング装置(ミキサ)あるいはシーケンサなどであって、マイクロプロセッサユニット(CPU)1、リードオンリメモリ(ROM)2、ランダムアクセスメモリ(RAM)3からなるマイクロコンピュータによって制御される。CPU1は、この電子音楽装置全体の動作を制御するものである。このCPU1に対して、通信バス(データ及びアドレスバス)1Dを介してROM2、RAM3、検出回路4、表示回路5、音源回路6、通信インタフェース(I/F)7、音声インタフェース(I/F)8、記憶装置9がそれぞれ接続されている。
ROM2は、CPU1により実行される各種プログラムや各種データを格納する。RAM3は、CPU1が所定のプログラムを実行する際に発生する各種データを一時的に記憶するワーキングメモリとして、あるいは現在実行中のプログラムやそれに関連するデータを記憶するメモリ等として使用される。RAM3の所定のアドレス領域がそれぞれの機能に割り当てられ、レジスタやフラグ、テーブル、メモリなどとして利用される。例えば、ROM2には予め用意された任意の楽音に対応した波形データを記憶した波形メモリが、RAM3には外部から入力された波形データを一時的に格納する波形メモリなどが用意される。波形メモリは、例えば数小節分の演奏音や外部から入力した(録音した)音声などを所定周期ごとにサンプリングして得られた波形データを、アドレスで特定できる記憶領域に順次に並べて記憶する。
操作子4Aは、表示器5Aの周囲の本体パネル上に設置されている汎用の物理的操作子(所謂パネル操作子)である。パネル操作子のいくつかあるいは全てはアサイナブル操作子、つまりユーザが任意に該操作子の操作に応じて制御する機能を割り当てられる(アサイン可能な)操作子である。例えば後述する図2では、表示器5Aの画面下側にスライダ(フェーダとも呼ぶ)からなる6個のパネル操作子Dを、表示器5Aの画面右側にプッシュ式のスイッチからなる4個のパネル操作子Cを配置しており、これらの全てがアサイナブル操作子となっている。アサイナブル操作子に割り当てできる機能の1つにスクラッチ効果を実現する機能(以下、単にスクラッチ機能と呼ぶ)があり、その他の機能としては公知のように例えばボリュームなどの楽音制御パラメータやミキシングパラメータなどの各種パラメータを設定する機能等がある。
勿論、操作子4Aは上記したパネル操作子以外にも、例えば表示器5Aに表示する画面の切り替えを行うよう指示する画面表示切り替えスイッチなどのスイッチ類、音高、音色、効果等を選択・設定・制御するために用いる数値データ入力用のテンキーや文字データ入力用のキーボードなどの各種操作子を含んでいてよい。また、ユーザ操作に応じて演奏情報を発生する例えば鍵盤等の演奏操作子を含んでいてもよい。さらに、アサイナブルでない特定の汎用操作子にスクラッチ機能を予め割り当てておくことで、他の汎用操作子と同じ操作態様で操作できるスクラッチ機能を実現する専用のスクラッチ操作子(ただし、特殊な操作が必要な専用操作子(リボンコントローラなど)とは意味が異なる)として利用することができることは勿論である。検出回路4は、上記操作子4Aの操作状態を検出し、その操作状態に応じたスイッチ情報をデータ及びアドレスバス1Dを介してCPU1に出力する。この際に、スクラッチ効果を実現する機能を割り当てられたアサイナブル操作子が操作された場合には、楽音制御パラメータ設定機能が割り当てられた場合と同様にして操作に応じたスイッチ位置を検出するようになっている。そして、アサイナブル操作子に楽音制御パラメータ設定機能が割り当てられている場合には該スイッチ位置に応じたパラメータ値の設定を行うが、スクラッチ効果を実現する機能が割り当てられている場合には後述するように該スイッチ位置に応じて決定された再生速度に従って波形メモリから波形データを読み出して楽音を発生するようになっている(後述する図4及び図5参照)。
表示回路5は例えば液晶表示パネル(LCD)等から構成された表示器5Aに、各パネル操作子にアサインされた機能に関する情報や、スクラッチ効果による楽音を発生させる元となる波形データを選択するためのデータ選択画面(後述する図2参照)、さらには波形データの一覧やCPU1の制御状態などの各種情報を表示する。ユーザは該表示器5Aに表示される各種情報を参照しながら、パネル操作子を操作することによって適宜にパラメータの設定を行うことができるようになっている。
音源回路6は複数のチャンネルで楽音信号の同時発生が可能であり、通信バス1Dを経由して与えられる波形メモリから読み出した波形データに基づいて楽音を発生する。音源回路6から発生された楽音は、アンプやスピーカなどを含むサウンドシステム6Aから発音される。この音源回路6から発生された楽音に対して、効果回路など(図示せず)を用いてスクラッチ以外の効果を付与するようにしてよい。なお、音源回路6とサウンドシステム6Aの構成には、従来のいかなる構成を用いてもよい。例えば、音源回路6はFM、PCM、物理モデル、フォルマント合成等の各種楽音合成方式のいずれを採用してもよく、専用のハードウェアで構成してもよいし、CPU1によるソフトウェア処理で構成してもよい。
通信インタフェース(I/F)7は、当該装置と外部機器7A(例えば、他の電子楽器やミキサあるいはシーケンサなど)との間で波形データや制御プログラムなどを送受信するためのインタフェースである。音声インタフェース(I/F)8は、当該装置と外部機器8A(例えば、マイクやオーディオ機器など)との間で音声信号を送受信するためのインタフェースである。受信した音声信号は、波形データとして波形メモリに格納される。この通信インタフェース7や音声インタフェース(I/F)8は、例えばMIDIインタフェース,LAN,インターネット,電話回線等であってよく、また有線あるいは無線のものいずれかでなく双方を具えていてよい。
記憶装置9は、各種データやCPU1が実行する各種制御プログラム等を記憶する。具体的には、波形データや個々のアサイナブル操作子にアサインされている機能に関する情報、現在設定されているパラメータ値などを記憶する。なお、上述したROM2に制御プログラムが記憶されていない場合、この記憶装置9(例えばハードディスク)に制御プログラムを記憶させておき、それをRAM3に読み込むことにより、ROM2に制御プログラムを記憶している場合と同様の動作をCPU1にさせることができる。このようにすると、制御プログラムの追加やバージョンアップ等が容易に行える。なお、記憶装置9はハードディスク(HD)に限られず、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD‐ROM・CD‐RAM)、光磁気ディスク(MO)、あるいはDVD(Digital Versatile Disk)等の様々な形態の記憶媒体を利用する記憶装置であればどのようなものであってもよい。あるいは、フラッシュメモリなどの半導体メモリであってもよい。
なお、上述した電子音楽装置において、操作子4や表示器5Aあるいは音源回路6などを1つの装置本体に内蔵したものに限らず、それぞれが別々に構成され、MIDIインタフェースや各種ネットワーク等の通信インタフェースを用いて各装置を接続するように構成されたものであってよいことは言うまでもない。さらに、本発明に係る電子音楽装置は電子楽器やミキサさらにはシーケンサに限らず、パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯型通信端末、あるいはカラオケ装置やゲーム装置など、どのような形態の装置・機器に適用してもよい。
上述したように、ユーザは表示器5Aの周囲に配置されているパネル操作子4Aのうち、任意のパネル操作子4A(アサイナブル操作子)に対してスクラッチ機能を割り当てることができる。このユーザによるスクラッチ機能割り当ての際に、スクラッチ機能を割り当てたパネル操作子4Aの操作に従って波形メモリから読み出す波形データ、つまりスクラッチ効果を実現した楽音を発生する際に用いられる制御対象の波形データをユーザに選択させるために、表示器5A上には図2に示すような「データ選択画面」が表示される。図2は、データ選択画面の一実施例を示す概略図である。なお、説明の都合上、図2では複数のパネル操作子C,Dにたいしてそれぞれ個別に1〜6及びa〜dまでの記号を便宜的に付して区別できるようにしてある。
図2に示すように、データ選択画面は曲情報表示領域Aと操作子表示領域Bとに分けられる。曲情報表示領域Aは、スクラッチ機能を割り当てられた当該画面下側に配置されているパネル操作子Dの名称と(この例ではslider1とslider2)、該スクラッチ機能を割り当てられたスライダ1とスライダ2それぞれの操作に従って制御される波形データを波形メモリに格納された中から特定できる、例えばファイル名や曲名などの各波形データ固有の情報を表示する領域である。ここに示した例において、スクラッチ機能を割り当てたスライダ1はファイル名「Rosanna.wav」の波形データを、スライダ2はファイル名「Africa.wav」の波形データをそれぞれ制御することになる。このように、曲情報表示領域Aには、スクラッチ機能を割り当てた個々のアサイナブル操作子に対応して、それぞれが制御する波形データの固有情報を表示する。
他方、操作子表示領域Bは、当該画面右側に配置されているパネル操作子C(アサイナブル操作子)に割り当てられた機能を、各操作子に近い所定位置(この例では、画面外周沿いの各操作子の近傍)に表示するための領域である。ここでは、1組のプッシュ式のパネル操作子(aとb、cとdの組)のうち上段側のスイッチa,cに対応する操作子表示領域Bに表示されている機能表示は「データ送り」機能に関する表示であるので(図中では便宜的に不等号記号で表示)、スイッチa,cを1回押下するごとに曲情報表示領域Aの表示を変えることができるようになっている。一方、1組のパネル操作子のうち下段側のスイッチb,dに対応する操作子表示領域Bに表示されている機能表示は「データ決定」機能に関する表示であるので(図中では便宜的に四角形記号で表示)、スイッチa,cを押下することで曲情報表示領域Aに表示されている波形データを対象とする元データに決定することができるようになっている。このように、スクラッチ機能が割り当てられたスライダ1と2それぞれで制御する波形データは、当該画面右側に配置されている1組のパネル操作子Cを操作することで適宜に変更することができる。
上述したように、ユーザは表示器5Aの周囲に配置されているパネル操作子D(アサイナブル操作子)のうち、任意のパネル操作子Dにスクラッチ機能を割り当てる(アサインする)ことができるが、そうした場合には当該操作子の操作位置(範囲)とスクラッチ効果を実現するための制御内容とをユーザによりあるいは予め用意されたデフォルトに従って対応付けられてRAM3や記憶手段9等に対応関係テーブルデータとして記憶される。図3は、対応関係テーブルで定義されるスライダの操作位置(制御範囲)とスクラッチ効果を実現する制御内容との対応付け関係を説明するための概念図である。
図3に示すように、対応関係テーブルは、スライダ(アサイナブル操作子)の可動範囲を複数の制御範囲(ここでは範囲1〜範囲9までの9つの制御範囲)に分け、該制御範囲1〜9毎に波形データの再生速度(波形メモリから波形データを読み出す際のアドレス読み出し速度:読み出しレートとも呼ぶ)を異ならせて対応付ける。この実施例では、スライダDの中央部を基準位置としてつまみ(図中において塗りつぶした部分)を上方に移動すると前記再生速度が上がる(速くなる)ように、反対につまみを下方に移動すると前記再生速度が下がる(遅くなる)ように異なる再生速度を対応付けている。すなわち、ユーザにより操作されたつまみが前記各制御範囲1〜9のいずれかに位置づけられると、それぞれの制御範囲1〜9に対応付けられた異なる再生速度(最初のスライダ操作前に設定済みの初期設定値である通常速度の2倍、4倍、8倍、16倍、通常速度(初期設定値)、通常速度の1/2倍、1/4倍、1/8倍、1/16倍など)に従って波形メモリから波形データを読み出す制御(読み出しレートの変更制御)を行うようにしている。言い換えれば、基準位置からつまみが操作された向き(上方または下方)と、基準位置からつまみが位置づけられた位置までの距離(ただし、幅があってよい)とに応じて、再生速度を変化させている。したがって、再生速度はユーザによりスライダが操作されてつまみが他の制御範囲内に位置づけられるまで同じ速度で保持される。このように、スライダにおいて稼動する部分であるつまみが位置づけられた位置に応じて再生速度を変化させることによって、異なるスクラッチ効果を実現できるようにしている。
上記した対応関係テーブルにおいて、再生速度を対応付けるスライダDの可動範囲を分割して形成する個々の制御範囲は全て同じ大きさとするのではなく異ならせるとよい。特に通常速度を対応付ける制御範囲を他の制御範囲よりも大きくとるようにすると、ユーザは通常速度に戻す操作をおおざっぱに行うことができるので、スクラッチ効果を実現する操作子としてアナログレコードを扱う場合のようにして操作しやすくなって有利である。勿論、スライダの操作位置(制御範囲の大きさ)や該制御範囲毎に対応付けるスクラッチ効果を実現するための制御内容は、ユーザが適宜に設定可能であってよい。
次に、スクラッチ機能が割り当てられたスライダ(アサイナブル操作子)の操作に従って、選択済みの波形データに基づく楽音の発生処理について図4を用いて説明する。図4は、楽音発生処理の一実施例を示したフローチャートである。当該処理はCPU1において所定の時間間隔毎に起動する所謂割り込み処理であって、ユーザにより操作されたスライダがアサイナブル操作子であってかつスクラッチ機能が割り当てられている場合に処理される。
ステップS1は、ユーザにより操作されたスライダに関して前回操作時におけるスライダの操作位置(具体的にはスライダの可動範囲内においてつまみが位置づけられていた位置)に応じたスライダ値をバッファから取得する。ステップS2は、該取得したスライダ値に基づき前回操作時におけるスライダの操作位置を特定する。ステップS3は、前記特定した前回操作時におけるスライダの操作位置と現時点におけるスライダの操作位置とが同じ制御範囲内であるか否かを判定する。前回操作時におけるスライダの操作位置と現時点におけるスライダの操作位置とが同じ制御範囲内であると判定した場合には(ステップS3のYES)、現時点におけるスライダの操作位置を前回操作時におけるスライダの操作位置としてバッファにセット(上書き)する(ステップS4)。すなわち、この場合には前回操作した状態のままスライダが操作されていない、又は操作されたが同じ制御範囲内だけで操作されていることから、既に所望のスクラッチ効果を実現した楽音が発生されており、再生速度を変えることによる新たなスクラッチ効果を実現しなくてよい。
一方、前回操作時におけるスライダの操作位置と現時点におけるスライダの操作位置とが同じ制御範囲内でないと判定した場合には(ステップS3のNO)、再生速度変更処理を実行する(ステップS5)。すなわち、この場合には前回操作した際の制御範囲から異なる制御範囲へとスライダが操作されていることから、該操作にあわせて再生速度を変えて新たなスクラッチ効果を実現する。
図5は、再生速度変更処理(図4のステップS5参照)の一実施例を示したフローチャートである。ステップS11は、現時点におけるスライダの操作位置が通常速度を対応付けた制御範囲「通常」内、又は現時点におけるスライダの操作位置が指定速度を対応付けた前記「通常」以外の個々の制御範囲「通常以外」内のいずれに位置するかを、前記特定したスライダの操作位置と上述した対応関係テーブルとに基づき判定する。「通常」内に位置すると判定した場合には(ステップS11の「通常」)、通常速度に基づき選択済みの波形データを読み出すことによって楽音を発生する(ステップS12)。
一方、「通常以外」内に位置すると判定した場合には(ステップS11の「通常以外」)、位置している個々の制御範囲に対応付けられている再生速度に基づき選択済みの波形データを読み出すことによってスクラッチ効果を実現した楽音を発生する(ステップS13)。この楽音発生の際には、複数のスライダDに対してスクラッチ機能を割り当ててある場合、それぞれのスライダDで制御する波形データに基づき発生される楽音をそれぞれ単独で発生させることもできるし、個々の楽音を任意にミキシングしてミキシング音として楽音を発生することもできる。
以上のようにして、所定の可動範囲内を移動する部材を有する操作子(上記例ではつまみを有するスライダ)を操作すると、対応付けテーブルに基づき前記つまみが該スライダの可動範囲を区切った複数の制御範囲のいずれの制御範囲内に位置づけられたかを特定し、該特定された制御範囲に対応付けられた波形データの再生速度に従って波形メモリから波形データを順次に読み出すようにした。このようにすると、特殊な操作態様で操作することが必要な専用操作子ではなく、所定の可動範囲内を移動する部材(つまみ)を有してなり、この部材を可動範囲内で移動させることによって操作が行われる、既存の電子音楽装置などにおいて通常よく見られる汎用の操作子(スライダ)を用いて、スクラッチ効果を実現することができる。
上述した実施例においてはアサイナブル操作子の具体例としてスライダD(つまみが所定の可動範囲内において上下/左右に往復変位するタイプ)を示したがこれに限らず、例えばノブダイヤル(つまみが所定の可動範囲内において回転変位するタイプ)などの他の汎用操作子であってよい。こうした汎用操作子をスクラッチ機能をアサイン可能なアサイナブル操作子として利用する場合には、上述したスライダにスクラッチ機能をアサインした場合と実質的に同様であることからここでは説明を省略する。
なお、スライダやノブダイヤルの動作機構として、例えばスライダのつまみを上下に移動(ノブダイヤルのつまみを左右に回転)させてからユーザが力をぬいた場合に(手を離すなど)、移動したつまみがスライダやノブダイヤルの移動位置を決める基準位置である例えば中央部に自動的に戻るように構成してもよい。ただし、この場合には、つまみが中央部に自動的に戻っても、ユーザが手を離した時点(戻りを開始する時点)におけるスライダの操作位置に応じて決定された再生速度を保持したまま(通常速度に戻さずに)楽音の発生が続けられる。
また、上記した実施例のようにスライダやノブダイヤルだけを操作することだけによらずに、他の汎用操作子例えば図2に示すようなスライダDの下方にさらに配置されたプッシュ式のオン/オフスイッチEの操作を組み合わせてスクラッチ効果を実現した楽音を発生するようにしてもよい。例えば、1実施例として、オン/オフスイッチEをオンすると対応するスライダDが予め決められた所定のシーケンスパターンに従って自動的に上下動するように構成する。この場合、ワンタッチでスクラッチ効果を実現した楽音を発生することが可能となる。また、この場合にはオン/オフスイッチEのオン操作時間(スイッチを押し下げている時間)に応じて、上記シーケンスパターンを異なったものに自動変更できるようにするとよい。
さらに、他の実施例としては、個々のオン/オフスイッチE毎に異なる再生速度を割り当てておき、オン操作されたオン/オフスイッチEに割り当てられている再生速度に従って波形データを読み出して再生するように構成する。すなわち、オン/オフスイッチEを利用する場合、オン/オフスイッチEはプッシュ式スイッチであってスライダやノブダイヤルなどとは異なり操作子の可動範囲といった概念は生じえないことから、この場合には個々のオン/オフスイッチE毎に異なる再生速度を割り当てるのがよい。
この発明に係る電子音楽装置の全体構成を示したハード構成ブロック図である。 データ選択画面の一実施例を示す概略図である。 対応関係テーブルで定義されるスライダの操作位置(制御範囲)とスクラッチ効果を実現する制御内容との対応付け関係を説明するための概念図である。 楽音発生処理の一実施例を示したフローチャートである。 再生速度変更処理の一実施例を示したフローチャートである。
1…CPU、2…ROM、3…RAM、4…検出回路、4A…操作子、5…表示回路、5A…表示器、6…音源回路、6A…サウンドシステム、7…通信インタフェース、8…音声インタフェース、7A(8A)…外部機器、9…記憶装置、1D…通信バス(データ及びアドレスバス)、A…曲情報表示領域、B…操作子表示領域、C…パネル操作子(プッシュ式スイッチ)、D…パネル操作子(スライダ)、E…パネル操作子(オン/オフスイッチ)

Claims (4)

  1. 音に関する波形データを所定の順で記憶する波形記憶手段と、
    所定の可動範囲内を移動する部材を有する操作子と、
    前記操作子の可動範囲内を複数の範囲に区切り、該区切られた複数の範囲毎に前記波形記憶手段から波形データを読み出す再生速度を対応付けた対応付け情報を記憶する記憶手段と、
    操作に応じて可動範囲内を移動する前記部材が位置づけられた操作子位置を特定する位置特定手段と、
    前記対応付け情報に基づき、前記区切られた複数の範囲のうち前記特定した操作子位置が含まれる範囲を特定し、該特定された範囲に対応付けられた再生速度に従って前記波形記憶手段から波形データを順次に読み出す波形読み出し手段と
    を具えた電子音楽装置。
  2. 前記操作子は予め決められた複数の機能の中から任意の機能を対応付け可能なアサイナブル操作子であって、該アサイナブル操作子に対して、操作に応じて変位する当該操作子が有する前記部材の操作子位置に従い前記波形記憶手段から波形データを読み出す再生速度を変更するスクラッチ機能を割り当てできることを特徴とする請求項1に記載の電子音楽装置。
  3. 前記対応付け情報は、前記区切られた複数の範囲のうち前記操作子の可動範囲の中央部を含む範囲を他の範囲よりも大きく定義したことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子音楽装置。
  4. 所定の可動範囲内を移動することなく同一箇所でのみ動作する部材を有した前記操作子とは異なる押下操作子をさらに具えてなり、該押下操作子の操作に応じて前記操作子の部材を所定範囲内において自動的に移動させることにより前記波形記憶手段から波形データを読み出す再生速度を自動変更することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子音楽装置。
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