JP2010230872A - 補給用キャリア、補給用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジおよび画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】補給用トナーおよび補給用キャリアを搬送する搬送部材を備えたトナーカートリッジに収容され、長径の長さが2μm以上15μm以下である凸部を表面に有する補給用キャリア。
【選択図】なし
Description
即ち、請求項1に係る発明は、
補給用トナーおよび補給用キャリアを搬送する搬送部材を備えたトナーカートリッジに収容され、
長径の長さが2μm以上15μm以下である凸部を表面に有する補給用キャリアである。
前記凸部の幅に対する長径の長さの比が1.2倍以上2.5倍以下である請求項1に記載の補給用キャリアである。
前記凸部の高さが1.0μm以上5.0μm以下である請求項1または請求項2に記載の補給用キャリアである。
円形度が0.975以上である請求項1から請求項3の何れか1項に記載の補給用キャリアである。
補給用トナーと、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の補給用キャリアと、を含有し、
前記補給用トナーおよび前記補給用キャリアを搬送する搬送部材を備えたトナーカートリッジに収容される補給用現像剤である。
前記補給用トナーが、少なくとも着色剤、離型剤、および結晶性樹脂を含有してなる請求項5に記載の補給用現像剤である。
静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置を少なくとも備えた画像形成装置に対して着脱可能であり、
前記現像装置に供給するための現像剤として請求項5または請求項6に記載の補給用現像剤を収納し、
且つ前記補給用現像剤を搬送する搬送部材を備えるトナーカートリッジである。
静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記現像装置に対し補給用現像剤を供給する請求項7に記載のトナーカートリッジと、
を少なくとも備えるプロセスカートリッジである。
潜像保持体と、
該潜像保持体表面に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像装置と、
前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写装置と、
前記被転写体表面に転写された前記トナー像を定着する定着装置と、
前記現像装置に対し補給用現像剤を供給する請求項7に記載のトナーカートリッジと、
を備える画像形成装置である。
<第1実施形態:補給用キャリア>
第1実施形態に係る補給用キャリア(以下単に「キャリア」と称することがある)は、画像形成装置の現像装置に対して補給される補給用現像剤を構成するキャリアであり、補給用キャリアを搬送する搬送部材を備えたトナーカートリッジに収容される。また、該補給用キャリアは、長径の長さが2μm以上15μm以下である凸部を表面に有することを特徴とする。
トナーカートリッジ内におけるトナーの凝集の発生は、トナーカートリッジの壁面に付着した補給用トナーに対する搬送部材からの負荷によって発生するものと考えられる。しかし、壁面と搬送部材との間隙にキャリアが存在することで上記トナーの凝集体の発生が抑制される。また、補給用キャリアの表面に上記長さを有する凸部が存在することにより、壁面に付着したトナーが効率的にかき取られ、トナーの凝集体の発生が抑制されるものと推察される。
尚、前記凸部の長径の長さが2μm未満では白抜けの発生が効果的に抑制されず、一方で、前記凸部の長径の長さが15μmを超える場合には、補給用キャリア自体の流動性が低下しトナーへの負荷が増加する。
ここで、上記「凸部」とは、図1(A)〜(C)に示されるように、キャリアを円形として捉えた場合にその円よりも盛り上がっている部分をさす。より具体的には、図1(A)に示す点線のように、円形として捉えたキャリアの該円形部分に線を引き、該線よりも盛り上がっている領域を凸部と定義する。
前述の通り、凸部の長さは2μm以上15μm以下であること必須であり2.0μm以上10.0μm以下であることが特に好ましい。
また、凸部の幅に対する長さの比が1.2倍以上であることが好ましく、1.5倍以上であることがより好ましく、2.0倍以上であることが特に好ましい。また、上限としては2.5以下であることが好ましい。
凸部の幅に対する長さの比が上記の範囲であるということは、即ち凸部の形状が単なる突起ではなく筋状であることを表す。凸部が筋状の形状であることにより、応力の一点への集中が回避されてトナーへのダメージが抑制され、トナーカートリッジの壁面へのトナーの付着が抑制される。
更に、凸部の高さが1.0μm以上5.0μm以下であることが好ましく、1.0μm以上4.0μm以下であることがより好ましく、2.0μm以上4.0μm以下であることが特に好ましい。
凸部の高さが上記の範囲であることにより、キャリアの流動性を損なわず、トナーに対しての負荷を低減し得るとの利点が得られる。
ここで、上記凸部の長さ、幅、高さの測定方法について説明する。
測定装置として超深度カラー3D形状測定顕微鏡(VK−9500:キーエンス社製)を用い、キャリア表面を150倍標準レンズ、光学ズーム3倍、ピッチ0.02μmの視野にて観察することによって、表面の凸部の長さ、幅、高さが測定される。尚、当該測定をキャリア100個について行い、平均値をとることで算出する。本明細書に記載の値は、上記の方法により測定したものである。
本実施形態に用いるキャリアの芯材としては、磁性を有する粒子(磁性粉)が樹脂中に含有され分散されてなる、樹脂分散型のキャリアとすることが好ましい。樹脂分散型キャリアとすることでトナーとの比重差が小さくなり、トナーカートリッジ内でのキャリア偏在が緩和され、トナーカートリッジ内の広範囲にわてってより効果的にトナー凝集体の発生が抑制される。
これら磁性粉は、単種で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
上記磁性粉の体積平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置により測定される。
また、キャリアの芯材には、目的に応じて、更にその他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、帯電制御剤、フッ素含有粒子などが挙げられる。
上記の溶融混練法、懸濁重合法、およびスプレードライ法はいずれも、磁性粉をあらかじめ何らかの手段により調製しておき、この磁性粉と樹脂溶液とを混合し、樹脂溶液中に磁性粉を分散させる工程を含む。
本実施形態におけるキャリアは、前記の芯材を被覆する被覆層として樹脂を含有することが好ましい。
この樹脂被覆層には、キャリア用の樹脂被覆層の材料として用いられているものであれば公知のいかなるマトリックス樹脂も利用され、二種類以上の樹脂をブレンドして用いてもよい。樹脂被覆層を構成するマトリックス樹脂としては、大別すると、トナーに帯電性を付与するための帯電付与樹脂と、トナー成分のキャリアへの移行を防止するために用いられる表面エネルギーの低い樹脂とが挙げられる。
また、トナーに正帯電性を付与するための帯電付与樹脂としては、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。
これらの導電性粒子は体積平均粒径が1μm以下のものが好ましい。更に、必要に応じて、複数の導電性粒子を併用してもよい。
樹脂被覆層における導電性粒子の含有量は、1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、3質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
熱可塑性樹脂の場合、ポリオレフィン系樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン;ポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えば、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテルおよびポリビニルケトン;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂またはその変性品;フッ素樹脂、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン;ポリエステル;ポリカーボネート等が挙げられる。
次に、前記キャリアの製造方法について説明する。本実施形態におけるキャリアの製造方法としては、樹脂被覆層形成用溶液(溶剤中に、樹脂被覆層を形成するマトリックス樹脂の他に、導電性粒子(導電粉)、必要に応じて帯電制御の樹脂粒子等を含む溶液)を調製し、この樹脂被覆層形成用溶液中に芯材を浸漬する浸漬法、ニーダーコータ中で芯材と樹脂被覆層形成用溶液とを混合し、次いで、溶剤を除去するニーダーコータ法等が挙げられるが、特に、溶液を用いたものに限定されるものではない。例えば、キャリアの芯材の種類によっては、芯材と樹脂粉末とを共に加熱混合するパウダーコート法などを採用してもよい。更に、樹脂被覆層を形成した後に、電気炉やキルンなどの装置により加熱処理してもよい。
次いで、本実施形態におけるキャリアの物性について説明する。
本実施形態におけるキャリアは、円形度が0.975以上の範囲であることが好ましく、0.980以上の範囲であることがより好ましく、0.985以上の範囲であることが特に好ましい。
キャリアの円形度を上記範囲とし、即ちキャリアをより球形に近い形状とすることで、トナーカートリッジの壁面に存在するキャリアが搬送部材により自転し、壁面に付着したトナーが効率的にかき取られ、トナー凝集体の発生が抑制されるものと推察される。
測定サンプルとして、キャリア200mgをエチレングリコール水溶液30mlに添加・攪拌し、上澄み水溶液を除去した残渣中のキャリアを用いて、以下の方法で測定した。測定は、FPIA−3000(シスメックス社製)を使用し、撮影された少なくとも5000個以上各々のキャリア粒子に対して画像解析を行い、統計処理することによって、平均円形度を求めた。ここで、個々の円形度は下記式(1)に基づいて求めた。
式(1): 円形度=円相当径周囲長/周囲長=[2×(A×π)1/2]/PM
(上記式(1)において、Aはキャリア粒子の投影面積、PMはキャリア粒子の周囲長を表す。)
なお、測定はHPFモード(高分解能モード)、希釈倍率10倍で行った。また、データの解析に当たっては、測定ノイズ除去の目的で、個数粒径解析範囲を3μm以上80μm以下の範囲、円形度解析範囲を0.850以上1.000以下の範囲で実施した。
本実施形態におけるキャリアは、真比重が3.2g/cm3以上4.5g/cm3以下の範囲であることが好ましく、3.2g/cm3以上4.0g/cm3以下の範囲であることがより好ましく、3.5g/cm3以上4.0g/cm3以下の範囲であることが特に好ましい。
ここで、前記真比重は、下記の方法で測定した値を意味する。
ルシャトリエ比重瓶を用い、JIS−K−0061の5−2−1に準拠して、真比重を下記の作業にて測定した。
(1)ルシャトリエ比重瓶に約250mlのエチルアルコールを入れ、メニスカスが目盛の位置にくるように調整する。
(2)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2℃になったときに、メニスカスの位置を比重瓶の目盛で正確に読み取る(精度0.0025ml)。
(3)試料を約100g量り取る。
(4)量り取った試料を比重瓶に入れ泡を除く。
(5)比重瓶を恒温槽に浸し、液温が20.0±0.2℃になったときに、メニスカスの位置を比重瓶の目盛で正確に読み取る(精度0.0025ml)。
(6)次式(3−1)および式(3−2)により真比重を算出する。
式(3−1): D=W/(L2−L1)
式(3−2): S=D/0.9982
式中、Dは試料の密度(g/cm3、20℃)、Sは試料の真比重(20℃)、Wは試料の見かけの質量(g)、L1は試料を比重瓶に入れる前のメニスカスの読み値(ml、20℃)、L2は試料を比重瓶に入れた後のメニスカスの読み値(ml、20℃)、0.9982は20℃における水の密度(g/cm3)である。
本実施形態におけるキャリアは、1kOe時の磁力が170emu/cm3以上250emu/cm3以下であることが好ましく、185emu/cm3以上235emu/cm3以下であることが好ましい。
ここで、キャリアの磁力は、振動試料型磁力計BHV−525(理研電子(株)製)を用い、VSM用常温サンプルケース粉末用(H−2902−151)に一定量サンプルを採り、正秤した後に1kOeの磁場中にて、測定した。
また、本実施形態におけるキャリアの体積平均粒径は、20μm以上100μm以下の範囲であることが好ましく、20μm以上80μm以下の範囲であることがより好ましく、20μm以上60μm以下の範囲であることが更に好ましい。
ここで、キャリアの体積平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を用いて測定された値をいう。得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、全核体に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとする。
本実施形態における現像剤の密度は、1.0g/cm3以上3.0g/cm3以下の範囲であることが好ましく、1.2g/cm3以上2.5g/cm3以下の範囲であることがより好ましく、1.2g/cm3以上2.0g/cm3以下の範囲であることが更に好ましい。
ここで、現像剤の密度の測定方法は、JIS−2504 金属粉体嵩密度測定法に準ずる方法にて測定される。尚、漏斗より現像剤が流れない場合は、漏斗に軽く衝撃を与え現像剤が流れ落ちるようにする。
さらに、本実施形態におけるキャリアの体積抵抗率は、1×107Ωcm以上1×1014Ωcm以下の範囲に制御されることが好ましく、1×108Ωcm以上1×1013Ωcm以下の範囲であることがより好ましく、1×108Ωcm以上1×1012Ωcm以下の範囲であることが更に好ましい。
ここで、キャリアの体積抵抗率(Ωcm)は以下のように測定する。なお、測定環境は、温度20℃、湿度50%RHとする。
20cm2の電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象となるキャリアを1mm以上3mm以下程度の厚さになるように平坦に載せ、キャリア層を形成する。この上に前記の20cm2の電極板を載せキャリア層を挟み込む。キャリア同士の空隙をなくすため、キャリア層上に載せた電極板の上に4kgの荷重をかけてからキャリア層の厚み(cm)を測定する。キャリア層上下の両電極には、エレクトロメーターおよび高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が6000V/cmとなるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取ることにより、キャリアの体積電気抵抗(Ω・cm)を計算する。キャリアの体積抵抗率(Ω・cm)の計算式は、下記式(4)に示す通りである。
式(4): R=E×20/(I−I0)/L
なお、後述する金属酸化物の体積抵抗率の測定も上記に準じて行われる。
次に、第2実施形態に係る補給用現像剤について詳細に説明する。
第2実施形態に係る補給用現像剤(以下単に「現像剤」と称することがある)は、画像形成装置の現像装置に対して補給される補給用現像剤であり、現像剤を搬送する搬送部材を備えたトナーカートリッジに収容される。また、補給用トナーと、前述の第1実施形態に係る補給用キャリアと、を含有することを特徴とする。
尚、前記補給用トナーと前記第1実施形態に係る補給用キャリアとの混合割合(補給用トナー:補給用現像剤)は、100:1から100:100の範囲であることが好ましく、100:1から100:40であることがより好ましく、100:5から100:25であることが特に好ましい。
トナーとキャリアとの混合割合が上記範囲であることにより、トナーカートリッジの壁面に付着したトナーが効率良く削ぎ落とされる。また、搬送部材のトルクが高くなりすぎて昇温することによるトナーの凝集体の発生が抑制される。更に、トナーカートリッジ内において現像剤が蜜に配列されず、トナーへのダメージが軽減され、この点においても凝集体の発生が抑制される。
本実施形態に係る補給用現像剤(以下単に「現像剤」と称することがある)におけるトナーは、結着樹脂および着色剤を含むことが好ましい。また、前記結着樹脂として結晶性樹脂を含み、更には離型剤やその他の成分を含有することが好ましい。以下、これらの成分についてより詳細に説明する。
結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体および共重合体が例示され、代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等も挙げられる。これらの中では、特にスチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体が好ましい。
ここで、上記結晶性樹脂における「結晶性」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものを指す。また、前記結晶性樹脂の主鎖に対して他成分を共重合したポリマーの場合、他成分が50質量%以下の場合、この共重合体も結晶性樹脂と呼ぶ。
前記酸由来構成成分は、脂肪族ジカルボン酸が望ましく特に直鎖型のカルボン酸が望ましい。直鎖型のカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸、など、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられる。中でも、炭素数6から10のものが結晶融点や帯電性の観点から好ましい。結晶性を高めるためには、これら直鎖型のジカルボン酸を、酸構成成分の95mol%以上用いることが好ましく、98mol%以上用いることがより好ましい。
このようなスルホン基を持つジカルボン酸としては、例えば、2−スルホテレフタル酸ナトリウム塩、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、スルホコハク酸ナトリウム塩等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でも、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩等が好ましい。前記スルホン酸基を持つジカルボン酸の含有量は0.1mol%以上2.0mol%以下であることが好ましく、0.2mol%以上1.0mol%以下であることが好ましい。尚、本実施形態において「構成mol%」とは、ポリエステル樹脂における各構成成分(酸由来構成成分、アルコール由来構成成分)をそれぞれ1単位(mol)としたときの百分率を指す。
アルコール由来構成成分としては脂肪族ジアルコールが望ましく、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ドデカンジオール、1,12−ウンデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、などが挙げられ、中でも炭素数6から10のものが結晶融点や帯電性の観点から好ましい。結晶性を高めるためには、これら直鎖型のジアルコールを、アルコール構成成分の95mol%以上用いることが好ましく、98mol%以上用いることがより好ましい。
尚、本実施形態において、前記結晶性ポリエステル樹脂の融点の測定には、示差走査熱量計(DSC)を用い、室温(20℃)から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時のJIS K−7121に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求められる。尚、結晶性の樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があるが、本実施形態においては、最大のピークをもって融点とみなす。
トナーを構成する着色剤としては、特に制限はなく、染料および顔料のどちらでもかまわないが、特に顔料が好ましい。
好ましい顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロライド、フタロシアンブルー、マラカイトグリーンオキサート、ランプブラック、ローズベンガル、キナクリドン、ベンジジンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド185、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の公知の顔料が使用される。
以上の着色剤は、単独で使用しても、2種類以上組み合わせて使用してもよい。尚、着色剤の種類を選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等の各色トナーが得られる。
また、本実施形態に用いられるトナーには、離型剤を添加してもよい。
離型剤は、一般に離型性を向上させる目的で使用される。離型剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル、カルボン酸エステル等のエステル系ワックスなどが挙げられる。これらの離型剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
帯電制御剤としては、公知のものが使用されるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤が用いられる。湿式製法でトナーを製造する場合、水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。
前記トナーの製造には、公知の湿式法や乾式法が利用され、例えば、結着樹脂、着色剤、および必要に応じて離型剤、帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法;混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法;結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤を分散させた分散液、および、必要に応じて利用される離型剤、帯電制御剤等の分散液と、を混合し、凝集、加熱融着させ、トナーを得る乳化重合凝集法;結着樹脂を得るための重合性単量体と、着色剤、および必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の溶液と、を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法;結着樹脂と、着色剤、および必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の溶液と、を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法;等が使用される。
また、上記方法で得られたトナーをコア粒子にして、更に樹脂粒子を付着させた後、加熱融合してコアシェル構造を有するトナーを製造してもよい。
続いて、このようにして得られたトナーに、外添剤を添加してもよい。
前記添加剤の具体例としては、シリカ、酸化チタン、メタチタン酸、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、アルミナ、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化クロム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム等の金属酸化物粒子が挙げられる。これらの中では、シリカ、酸化チタン、メタチタン酸から選ばれるものを用いることが望ましい。
ここで、前記平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(HORIBA LA−910)で測定した値を意味する。
本実施形態で用いられる潤滑剤は、粉体として用い得るものであれば限定されるものではなく、例えば、オレイン酸鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸銅、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸鉄、ステアリン酸銅、パルミチン酸鉄、パルミチン酸銅、ミリスチン酸亜鉛、などの脂肪酸金属塩や、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等が挙げられる。特にステアリン酸亜鉛が好ましい。
なお、前記のように潤滑剤はトナーに添加してもよいが、現像剤中に含まれていればよく、トナーとキャリアとからなる現像剤を調製後に、現像剤中に添加してもよい。
上記のようにして得られたトナーの体積平均粒径は2μm以上8μm以下の範囲であることが好ましく、更に4μm以上7μm以下の範囲であることがより好ましい。
また、粒度分布の指標である体積平均粒径/個数平均粒径の値としては、1.6以下が好ましく、1.5以下が更に好ましい。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16V)1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84P/D16P)1/2として算出される。
ここで上記形状係数SF1は、下記式(5)により求められる。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(5)
上記式(5)中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
次に、第3実施形態に係るトナーカートリッジ、および第4実施形態に係る画像形成装置について、図を参照しながら詳細に説明する。
図4は、画像形成装置の好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。図4に示す画像形成装置100は、電子写真感光体(潜像保持体)107と、電子写真感光体107を帯電させる帯電装置108と、帯電装置108に接続された電源109と、帯電装置108により帯電される電子写真感光体107を露光して静電潜像を形成する露光装置110と、露光装置110により形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置111と、現像装置111により形成されたトナー像を被転写体500に転写する転写装置112と、転写後に電子写真感光体107に残留しているトナーを除去するクリーニング装置113と、除電器114と、定着装置115と、を備える。
図5において、現像装置111は、電子写真感光体107に隣接して配設され、現像剤を収容する現像剤ハウジング10と、現像剤ハウジング10の内部において、電子写真感光体107に隣接するように軸線の周りに回転可能に配設された現像ロール12と、を備える。現像ハウジング10内には、前述の補給用トナーと前述の第1実施形態に係る補給用キャリアとで構成される補給用現像剤が、現像剤補給装置22から供給されて充填される。該補給用トナーと補給用キャリアは、攪拌パドル14、攪拌スクリュー16が回転駆動されることで攪拌されてトナーがキャリアに静電吸着する。
そして、キャリアにトナーが付着した現像剤は、磁性を有する現像剤搬送ロール18に磁力で吸着されて現像ロール12へ搬送され、マグネットロールである現像ロール12に磁力で吸着される。そして、電子写真感光体107に面した現像ロール12に現像バイアスが印加されて、トナーが、現像ロール12から電子写真感光体107上のレーザーが照射された部分に転移する。
図5および図6に示すように、トナーカートリッジ24は、ハウジング50の内部に、補給用現像剤Tを攪拌しながら搬送する搬送部材としてのオーガー56が配設されている。
具体的には、オーガーの他にも、パドル、マイラー等が用いられる。
図5および図6に示すごとく、現像装置111では、トナーカートリッジ24内の補給用現像剤T(補給用トナーおよび補給用キャリア)がカートリッジ補給流路26を通じて現像剤ハウジング10に供給される。現像剤ハウジング10内の現像剤Dは、前述の通り、攪拌パドル14、攪拌スクリュー16が回転駆動されることで攪拌されて、トナーがキャリアに静電吸着する。そして、キャリアにトナーが付着した現像剤は、磁性を有する現像剤搬送ロール18に磁力で吸着されて現像ロール12へ搬送され、マグネットロールである現像ロール12に磁力で吸着される。そして、電子写真感光体107に面した現像ロール12に現像バイアスが印加されて、トナーが、現像ロール12から電子写真感光体107上のレーザーが照射された部分に転移し現像が行われる。
現像剤ハウジング10の底面における現像ロール12に対向する側には、前記現像剤の透磁率を測定して現像剤トナー濃度を求めるATCセンサー(透過率測定機構)20が配設されている。ATCセンサー20によって、現像剤ハウジング10内に収納された現像剤Dの透磁率を検出することにより、現像剤Dのトナー濃度(=[トナー/(トナー+キャリア)]×100)に対応する検出信号を画像形成装置の制御部(図示省略)へ出力する。
検出された検出値が現像剤トナー基準濃度よりも低いときには、前記現像剤補給装置22によって現像剤ハウジング10に補給用現像剤を補給する。尚、一般的には、現像剤ハウジング10内で循環している現像剤Dは、そのトナー濃度が概ね5質量%以上12質量%以下の範囲内で設定されている。
図8は、第4実施形態に係る画像形成装置の他の態様の基本構成を概略的に示す断面図である。図8に示す画像形成装置200は、中間転写方式のカラー画像を形成する画像形成装置である。
画像形成装置200は、ハウジング400内において4つの電子写真感光体(潜像保持体)401aから401dが中間転写ベルト409に沿って相互に並列に配置されている。電子写真感光体401aから401dは、例えば、電子写真感光体401aがイエロー、電子写真感光体401bがマゼンタ、電子写真感光体401cがシアン、電子写真感光体401dがブラックの色からなる画像がそれぞれ形成される。
中間転写ベルト409は、駆動ロール406、背面ロール408および張力付与ロール407により定められたの張力をもって支持されており、これらのロールの回転によりたわみを生じることなく回転するよう設定されている。また、2次転写ロール413は、中間転写ベルト409を介して背面ロール408と接触するように配置されている。背面ロール408と2次転写ロール413とで挟まれる領域を通った中間転写ベルト409は、例えば駆動ロール406に接触して配置されたクリーニングブレード416により清浄面化された後、次の画像形成プロセスに繰り返し供される。
図9は、現像装置と、該現像装置に対し補給用現像剤を供給するトナーカートリッジと、を少なくとも備える第5実施形態に係るプロセスカートリッジの好適な一例を示す概略構成図である。
プロセスカートリッジ300は、感光体207と、帯電ローラ208と、現像装置211と、感光体クリーニング装置(クリーニング手段)213と、露光のための開口部218と、除電露光のための開口部217と、を取り付けレール216を用いて組み合わせ一体化したものである。このプロセスカートリッジ300は、転写装置212と、定着装置215と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。なお、500は記録紙(被転写体)である。
尚、上記現像装置211は図5に示す現像装置で構成され、現像剤補給装置22から現像剤ハウジング10内に、補給用現像剤が供給される。
≪キャリアの作製≫
(芯材(1)の形成)
ヘンシェルミキサーに、0.3μm(体積平均粒径)の球状マグネタイト粒子粉末500部を投入し、攪拌した後、チタネート系カップリング剤2.0部を添加し、100℃まで昇温し30分間よく混合攪拌することによりチタネート系カップリング剤被覆された0.3μmの球状マグネタイト粒子(キャリア中の分散物)を得た。
次に、1Lの四つ口フラスコに、フェノール57部、40%ホルマリン70部、親油化処理された上記球状マグネタイト粒子500部、30%アンモニア水14部、および水70部を入れ、攪拌混合した。次いで、攪拌しながら60分間で85℃に上昇させ、同温度のまま120分間反応させた。その後、25℃まで冷却し、500部の水を添加した後、上澄み液を除去、沈殿物を水洗した。これを減圧下、160℃で乾燥して粒径36μmの芯材(1)を得た。
下記成分を60分間スターラーにて攪拌/分散し、被覆層形成用原料溶液を調製した。
・トルエン 85部
・スチレン−メタクリレート共重合体(成分比90:10) 15部
・カーボンブラック(キャボット社製、商品名:R330) 4部
上記被覆層形成用原料溶液を8.5部と芯材(1)100部とを真空脱気型ニーダに入れ、装置温度100℃にて、芯材温度が85℃になるまで攪拌した後、95kPaに減圧して15分間脱気、乾燥させた。更に目開き75μmのメッシュを通すことによりキャリアを作製した。
≪キャリアの作製≫
(芯材(2)の形成)
原料としてMnO29部、MgO2部、Fe2O365部を十分混合し、これら原料混合物を湿式ボールミルで10時間混合、粉砕後、ロータリーキルンを用いて原料を微細に粉砕、分散を行い、900℃で1時間保持し、仮焼成を行った。こうして得られた仮焼成物を湿式ボールミルで10時間粉砕し平均粒径0.9μmの酸化物スラリーを得た。得られたスラリーに分散剤およびポリビニルアルコールを適量(酸化物スラリー100%に対して0.3%)添加し、次いでスプレードライヤーにより造粒、乾燥をした後、ロータリー電気炉で温度1100℃、酸素濃度0.3%の条件で6時間保持し本焼成を行った。得られたフェライト粒子を磁力選鉱、混合し、中心粒径36μmの芯材(2)を得た。
下記成分を60分間スターラーにて攪拌/分散し、被覆層形成用原料溶液を調製した。
・トルエン 85部
・スチレン−メタクリレート共重合体(成分比90:10) 15部
・カーボンブラック(キャボット社製、商品名:R330) 6部
上記被覆層形成用原料溶液を16部と芯材(2)100部とを真空脱気型ニーダに入れ、装置温度100℃にて、芯材温度が85℃になるまで攪拌した後、85kPaにて2分、その後95kPaに減圧して15分間脱気、乾燥させた。更に目開き75μmのメッシュを通すことによりキャリアを作製した。
≪キャリアの作製≫
(被覆層形成用原料溶液の調製)
下記成分を60分間スターラーにて攪拌/分散し、被覆層形成用原料溶液を調製した。
・トルエン 85部
・スチレン−メタクリレート共重合体(成分比90:10) 15部
・カーボンブラック(キャボット社製、商品名:R330) 9部
上記被覆層形成用原料溶液を12部と芯材(1)100部とを真空脱気型ニーダに入れ、装置温度100℃にて、芯材温度が85℃になるまで攪拌した後、95kPaに減圧して15分間脱気、乾燥させた。更に目開き75μmのメッシュを通すことによりキャリアを作製した。
≪キャリアの作製≫
(被覆層形成用原料溶液の調製)
下記成分を60分間スターラーにて攪拌/分散し、被覆層形成用原料溶液を調製した。
・トルエン 85部
・スチレン−メタクリレート共重合体(成分比90:10) 15部
・カーボンブラック(キャボット社製、商品名:R330) 4部
上記被覆層形成用原料溶液を8.5部と芯材(2)100部とを真空脱気型ニーダに入れ、装置温度100℃にて、芯材温度が90℃になるまで攪拌した後、95kPaに減圧して15分間脱気、乾燥させた。更に目開き75μmのメッシュを通すことによりキャリアを作製した。
実施例1の(キャリアの製造)における芯材温度を90℃に変更する以外は実施例1に記載の方法によりキャリアを作製した。
実施例2の(キャリアの製造)における被覆層形成用原料溶液の量を18部に変更する以外は実施例2に記載の方法によりキャリアを作製した。
実施例6の(キャリアの製造)における脱気、乾燥の時間を30分間に変更する以外は実施例6に記載の方法によりキャリアを作製した。
実施例1の(キャリアの製造)における芯材温度を80℃に、被覆層形成用原料溶液の量を6部に変更する以外は実施例1に記載の方法によりキャリアを作製した。
実施例8の(キャリアの製造)における脱気、乾燥の時間を30分間に変更する以外は実施例8に記載の方法によりキャリアを作製した。
≪キャリアの作製≫
(被覆層形成用原料溶液の調製)
下記成分を60分間スターラーにて攪拌/分散し、被覆層形成用原料溶液を調製した。
・トルエン 85部
・スチレン−メタクリレート共重合体(成分比90:10) 15部
・カーボンブラック(キャボット社製、商品名:R330) 6部
上記被覆層形成用原料溶液を12部と芯材(1)100部とを真空脱気型ニーダに入れ、装置温度90℃にて、芯材温度が75℃になるまで攪拌した後、95kPaに減圧して15分間脱気、乾燥させた。更に目開き75μmのメッシュを通すことによりキャリアを作製した。
≪キャリアの作製≫
(被覆層形成用原料溶液の調製)
下記成分を60分間スターラーにて攪拌/分散し、被覆層形成用原料溶液を調製した。
・トルエン 85部
・スチレン−メタクリレート共重合体(成分比90:10) 15部
・カーボンブラック(キャボット社製、商品名:R330) 8部
上記被覆層形成用原料溶液を5部と芯材(1)100部とを真空脱気型ニーダに入れ、装置温度90℃にて、芯材温度が75℃になるまで攪拌した後、95kPaに減圧して15分間脱気、乾燥させた。更に目開き75μmのメッシュを通すことによりキャリアを作製した。
≪キャリアの作製≫
(被覆層形成用原料溶液の調製)
下記成分を60分間スターラーにて攪拌/分散し、被覆層形成用原料溶液を調製した。
・トルエン 85部
・スチレン−メタクリレート共重合体(成分比90:10) 15部
・カーボンブラック(キャボット社製、商品名:R330) 4部
上記被覆層形成用原料溶液を10部と芯材(1)100部とを真空脱気型ニーダに入れ、装置温度90℃にて、芯材温度が75℃になるまで攪拌した後、95kPaに減圧して20分間脱気、乾燥させた。更に目開き75μmのメッシュを通すことによりキャリアを作製した。
(トナーの製造)
トナーとしてスチレン−ブチルアクリレート共重合体(重量平均分子量Mw=150,000、共重合比80:20)100部、カーボンブラック(モーガルL:キャボット社製)5部、およびカルナウバワックス6部の混合物をエクストルーダで混練し、ジェットミルで粉砕後、温風による球形化処理をクリプトロン(川崎重工製)にて実施し、風力式分級機で分級して粒子径6.2μmのトナー粒子を得た。このトナー粒子100部に対してコロイダルシリカ(日本アエロジル社製R972)1.2部および粒径0.6μmのコロイダルリシカ0.3部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して外添トナー粒子を得た。
前記実施例および比較例のキャリア100部に対し、該トナーを前記表1に記載の量(部)添加し、容積5LのV型ブレンダーに入れ回転数30rpmで20分間攪拌して、現像剤を得た。
画像形成装置(DocuPrint C3250:富士ゼロックス社製)用のトナーカートリッジに前記現像剤を収容し、前記画像形成装置に装着した。高温(35℃,85%RH)の環境下で、
(1)画像密度50%の10cm×5cmパッチが3個あるプリントサンプル
(2)画像密度5%の10cm×5cmパッチが3個あるプリントサンプル
を交互に形成し、トータルで30000枚のサンプル画像を形成した後、全面が画像濃度50%であるプリントサンプルを20枚形成した。尚、プロセススピードを350mm/secとした。
全面が画像濃度50%である20枚のプリントサンプルを観察し、限度見本を作製して目視で評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎:白抜けが全く見られない状態。
○:良く見ると若干白抜けが確認できるが、実使用上問題ない状態。
△:目視で白抜けが見られるが、実使用上問題ない状態。
×:目視で白抜けが見られる状態。
12 現像ロール
18 現像剤搬送ロール
20 ATCセンサー
22 現像剤補給装置
24 トナーカートリッジ
26 カートリッジ補給流路
50 ハウジング
56 オーガー(搬送部材)
100、200 画像形成装置
107、207、401a、401b、401c、401d 電子写真感光体(像保持体)
108、208、402a、402b、402c、402d 帯電装置
110、403 露光装置
111、211、404a、404b、404c、404d 現像装置
112、212 転写装置
115、215、414 定着装置
216 取り付けレール
217 除電露光のための開口部
218 露光のための開口部
300 プロセスカートリッジ
405a、405b、405c、405d トナーカートリッジ
500 被転写体
Claims (9)
- 補給用トナーおよび補給用キャリアを搬送する搬送部材を備えたトナーカートリッジに収容され、
長径の長さが2μm以上15μm以下である凸部を表面に有する補給用キャリア。 - 前記凸部の幅に対する長径の長さの比が1.2倍以上2.5倍以下である請求項1に記載の補給用キャリア。
- 前記凸部の高さが1.0μm以上5.0μm以下である請求項1または請求項2に記載の補給用キャリア。
- 円形度が0.975以上である請求項1から請求項3の何れか1項に記載の補給用キャリア。
- 補給用トナーと、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の補給用キャリアと、を含有し、
前記補給用トナーおよび前記補給用キャリアを搬送する搬送部材を備えたトナーカートリッジに収容される補給用現像剤。 - 前記補給用トナーが、少なくとも着色剤、離型剤、および結晶性樹脂を含有してなる請求項5に記載の補給用現像剤。
- 静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置を少なくとも備えた画像形成装置に対して着脱可能であり、
前記現像装置に供給するための現像剤として請求項5または請求項6に記載の補給用現像剤を収納し、
且つ前記補給用現像剤を搬送する搬送部材を備えるトナーカートリッジ。 - 静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記現像装置に対し補給用現像剤を供給する請求項7に記載のトナーカートリッジと、
を少なくとも備えるプロセスカートリッジ。 - 潜像保持体と、
該潜像保持体表面に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像装置と、
前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写装置と、
前記被転写体表面に転写された前記トナー像を定着する定着装置と、
前記現像装置に対し補給用現像剤を供給する請求項7に記載のトナーカートリッジと、
を備える画像形成装置。
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