JP2008268409A - 静電潜像現像用現像剤、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

静電潜像現像用現像剤、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract


【課題】環境変動に対しても嵩密度変化が少なく、高いトナー濃度制御性を有し階調性に優れた画像が安定して得られる静電潜像現像用現像剤の提供である。
【解決手段】キャリアが磁性粉が樹脂中に分散された芯材と該芯材を被覆し導電粉を含有する樹脂被覆層とを有し、トナーが表面に少なくとも金属酸化物が外添されて構成され、前記樹脂被覆層の層厚が前記磁性粉の体積平均粒径より大きく、キャリア表面の前記金属酸化物中の金属に由来する蛍光X線分析によるNet強度が、一定の関係を満たす静電潜像現像用現像剤である。
【選択図】なし

Description

本発明は、静電潜像現像用現像剤及びそれを用いたプロセスカートリッジ、画像形成装置に関する。
電子写真法では、帯電工程、露光工程により像保持体(感光体)に静電潜像を形成し、現像工程で現像し現像像を形成し、該現像像を転写体上に転写し、定着工程において加熱等により定着し画像を得る。この様な電子写真法で用いられる静電潜像現像用現像剤(以下、「現像剤」という場合がある)は、結着樹脂中に着色剤を分散させたトナーを単独で用いる一成分現像剤とトナーとキャリアからなる二成分現像剤とに大別することができる。該二成分現像剤は、キャリア比較的表面積が大きいことからトナーとの帯電が容易であり、かつ該キャリアに磁性粒子を用いることにより、マグロール等により、比較的搬送が容易である等の理由から、現在広く用いられている。一方で二成分現像剤の帯電量は現像剤中のトナー量にある程度依存するために、該トナーと該キャリアの混合比(以下、「トナー濃度」という場合がある。)をある程度一定の割合に維持する必要がある。そのため、現像工程により消費されたトナーを新たに追加し、トナー濃度を制御する必要がある。
近年、電子写真装置の省スペース化や高速化の要求が高くなり、現像器中のトナー濃度を制御する手段として、小型化、低コストやトナー汚染に影響を受けない等の理由により、透磁率を検知する方式が主流となっている。この方式は、一定体積内の透磁率を検知し、設定値より透磁率が小さい場合はトナー濃度が高くなったと判断しトナー補給を停止し、大きい場合はトナー濃度が低くなったと判断し適切なトナー量を補給してトナー濃度を制御する方式である。
しかし、本方式では、一定体積内の透磁率を検知するため、使用期間や使用環境により現像剤の嵩密度変化が生じた場合、その変化に伴い現像剤の見かけ透磁率が変化してしまう。その結果、現像器内のトナー濃度を正確に制御できず、階調再現性が低下し、特に画像密度の薄い箇所の再現性が低下してしまう問題がある。
現像剤の嵩密度は現像剤の流動性変化により変化するが、現像剤の帯電特性にも影響を受ける。一般に低温低湿下では現像剤抵抗が高くなるため、キャリア間の電荷交換性が低下しトナーとの摩擦帯電で発生したキャリア表面の電荷は緩和しにくくなる。この場合、キャリア表面に電荷が蓄積されつづけ静電的反発によりキャリア間の距離が広がるため、現像剤の嵩密度は小さくなる。一方、高温高湿下では現像剤抵抗が低くなる傾向にあり、キャリア間の電荷交換性が向上するため、キャリアが保持する電荷は緩和しやすくなる。結果として、キャリアの保持する電荷が少なくなり、静電的斥力が弱くなりキャリア間の距離が狭くなるため嵩密度は大きくなる。
また、長期使用においてはキャリア表面の樹脂被覆層が磨耗及び剥離して、樹脂被覆層の層厚或いはコア芯材が露出した場合は、現像剤(キャリア)抵抗が低下するため現像剤嵩密度が小さくなる。また、トナー成分がキャリア表面にスペント(固着)すると現像剤(キャリア)抵抗が高くなる場合や、低くなる場合があり、これが原因となって嵩密度の変化を生じることもある。
上記に関し、透磁率を検知しトナー濃度を制御する方式に用いられる現像剤として、現像器内の現像剤と現像器内のキャリア及び補給用のトナーからなる現像剤と帯電量差がほぼ一定の範囲にある現像剤が検討されている(例えば、特許文献1、2参照)。また、現像剤の流動性確保のために、トナー粒径及びキャリア粒径の比とキャリア流動度との積を適度な範囲とすることも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
さらに、トナー濃度制御方式として嵩密度センサーと樹脂被覆層厚より粒径の大きい粒子を含むキャリアとを組み合わせた技術が開示されている(例えば、特許文献4、5参照)。これは樹脂被覆層内の前記粒子がスペーサーとして作用しキャリアの嵩密度の安定化を行い、トナーの劣化を防止させトナー帯電を安定化させるものであり、またキャリア芯材と前記粒子とが接触しているため該粒子の抵抗によっては、低温低湿環境でのチャージアップが抑制され、現像剤の嵩密度が安定する効果がある。
また、トナーに球形及び非球形の2種の無機酸化物を添加し、磁性粉分散型キャリアに前記無機酸化物のどちらかをキャリアにあらかじめ添加することにより、嵩密度を安定化させる試みもなされている(例えば、特許文献6参照)。
しかし、前記のように現像剤の嵩密度の変化がトナー濃度制御に影響を及ぼすことから、環境が変化した時の階調の再現性の低下という問題は解決されていない。
特開平8−190274号公報 特開2005−196154号公報 特開2002−49237号公報 特開2003−162140号公報 特開2005−346102号公報 特開平11−73005号公報
本発明の目的は、環境変動に対しても嵩密度変化が少なく、高いトナー濃度制御性を有し階調性に優れた画像が安定して得られる静電潜像現像用現像剤及びそれを用いたプロセスカートリッジ、画像形成装置を提供することである。
上記課題は、以下の本発明により達成される。
すなわち本発明の請求項1に係る発明は、
キャリア及びトナーを含み、
前記キャリアが、磁性粉が樹脂中に分散された芯材と該芯材を被覆し導電粉を含有する樹脂被覆層とを有し、前記トナーが、表面に少なくとも金属酸化物が外添されて構成され、
前記樹脂被覆層の層厚が前記磁性粉の体積平均粒径より大きく、キャリア表面の前記金属酸化物中の金属に由来する蛍光X線分析によるNet強度が、下記式(1)の関係を満たす静電潜像現像用現像剤である。
A/B≦0.45 ・・・ 式(1)
上記において、Bは現像剤を界面活性剤溶液で洗浄後のキャリア表面の金属酸化物中の金属に由来するNet強度、Aは前記洗浄後さらに前記界面活性剤溶液中で周波数96kHzの超音波印加により1分処理後のキャリア表面の金属酸化物中の金属に由来するNet強度を各々表す。
請求項2に係る発明は、潤滑剤を含む請求項1に記載の静電潜像現像用現像剤である。
請求項3に係る発明は、前記金属酸化物の体積抵抗率が、前記キャリアの体積抵抗率より高い請求項1または2に記載の静電潜像現像用現像剤である。
請求項4に係る発明は、30℃、85%RHの環境に10時間放置後の現像剤を現像機中で10分攪拌した現像剤の嵩密度Cと、10℃、30%RHの環境に10時間放置後の現像剤を現像機中で10分攪拌した現像剤の嵩密度Dとの差の絶対値(C−D)が、0.045g/cm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の静電潜像現像用現像剤である。
請求項5に係る発明は、現像剤保持体を少なくとも備え、請求項1〜4のいずれか1項に記載の静電潜像現像用現像剤を収めるプロセスカートリッジである。
請求項6に係る発明は、像保持体と、該像保持体上に形成された静電潜像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有し、
前記現像手段が、現像剤中のトナー濃度変化を該現像剤の透磁率変化として検知し前記トナー濃度を制御するトナー濃度制御手段を備え、前記現像剤が請求項1〜4のいずれかに記載の静電潜像現像用現像剤である画像形成装置である。
本発明の請求項1に係る発明によれば、環境変動に対しても嵩密度変化が少なく、高いトナー濃度制御性を有し階調性に優れた画像が安定して得られる静電潜像現像用現像剤を提供することができる。
請求項2に係る発明によれば、キャリアにおける流動性や電荷交換性が向上し、より嵩密度変化の少ない静電潜像現像用現像剤を得ることができる。
請求項3に係る発明によれば、より階調安定性に優れた静電潜像現像用現像剤を有効に得ることができる。
請求項4に係る発明によれば、より階調安定性に優れた静電潜像現像用現像剤を有効に得ることができる。
請求項5に係る発明によれば、環境変動に対しても嵩密度変化が少なく、高いトナー濃度制御性を有し階調性に優れた画像が安定して得られる静電潜像現像用現像剤の取り扱いを容易にし、種々の構成の画像形成装置への適応性を高めることができる。
請求項6に係る発明によれば、環境変動に対しても、階調性に優れた高画質画像を安定して得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<静電潜像現像用現像剤>
本発明の静電潜像現像用現像剤は、キャリア及びトナーを含み、前記キャリアが、磁性粉が樹脂中に分散された芯材と該芯材を被覆し導電粉を含有する樹脂被覆層とを有し、前記トナーが、表面に少なくとも金属酸化物が外添されて構成され、前記樹脂被覆層の層厚が前記磁性粉の体積平均粒径より大きく、キャリア表面の前記金属酸化物中の金属に由来する蛍光X線分析によるNet強度が、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする。
A/B≦0.45 ・・・ 式(1)
上記において、Bは現像剤を界面活性剤溶液で洗浄後のキャリア表面の金属酸化物中の金属に由来するNet強度、Aは前記洗浄後さらに前記界面活性剤溶液中で周波数96kHzの超音波印加により1分処理後のキャリア表面の金属酸化物中の金属に由来するNet強度を各々表す。
現像器中のトナー濃度を制御する手段として、前記のように透磁率を検知する方式が有効であるが、この方式では、使用期間や使用環境により現像剤の嵩密度変化が生じた場合、その変化に伴い現像剤の見かけ透磁率が変化し現像器内のトナー濃度を正確に制御できない場合がある。
上記現像剤の嵩密度変化をもたらす要因としては、(1)現像剤帯電量に影響を及ぼすトナー表面への外添剤埋没などによるトナー表面の状態変化、(2)キャリア保持電荷の減衰スピードに影響を及ぼすキャリア表面の抵抗変化、が考えられる。
(1)のトナー表面の状態変化を抑制するためには、低比重である磁性粉分散型キャリアを用いることが有効である。しかし、磁性粉分散型キャリアでは樹脂マトリックス中に磁性粉を分散しており、従来のフェライトキャリアより内部抵抗が高くなる。このため、摩擦帯電で生じたキャリア表面の電荷はより減衰しにくくなる場合がある。
また、(2)に関しキャリア保持電荷の減衰スピードを大きくするため、予めキャリア表面に強固に非球状シリカを付着させる等の検討も行われているが、シリカ粒子等は一般に抵抗が高いのでキャリア表面の電荷減衰スピードは大きく変化しない。さらに、比較的抵抗の低い無機酸化物を強固に付着させた場合は、キャリア表面の電荷衰退スピードは向上するものの現像剤抵抗の環境差が大きくなり返って階調性が悪化してしまう場合がある。
このように、前記(1)と(2)との両立は、かなり難しいのが現状であった。
上記に対し、本発明者等は特に、キャリア表面の抵抗に影響を及ぼすトナーの表面成分のキャリア表面への付着に着目して検討を行った。
その結果、金属酸化物を外添したトナーに対し、磁性粉を樹脂中に分散させた芯材と該芯材表面に導電粉を含有する樹脂被覆層とを有するキャリアを用いた場合、該樹脂被覆層の層厚を前記磁性粉の体積平均粒径より大きくすることにより、トナーに由来する金属酸化物のキャリア表面と付着強度を低減させることができ、前記問題を解決することができることがわかった。
本発明に用いられるトナーは金属酸化物が外添されて構成されるが、該金属酸化物がキャリア表面へ付着する際は、キャリア表面の凹部に偏在することとなるため強固に固着しやすい。特に前記磁性粉分散型キャリアを使用した場合は、キャリア自体がトナー等に与えるストレスが低いためトナー表面に比較的弱く付着している添加剤、特に凝集した添加剤(外添剤)がキャリア表面に移行しやすく前記固着の偏在が顕著となる。
これに対し、前記のようにキャリアの樹脂被覆層厚を磁性粉の体積平均粒径よりも厚くすることにより、キャリアは芯材表面の凹凸の影響を受けない表面形態をとることができる。よって、キャリア表面に前記金属酸化物を比較的均一に弱く付着させることができる。また、キャリアの樹脂被覆層に導電粉を含有させることにより、金属酸化物が弱く付着していてもトナーに対する帯電については機能的に作用することができる。また、金属酸化物は弱く付着しているため、キャリア表面からの脱離も容易に起こり長期にわたりキャリア特性を損なわず、キャリアの嵩密度の変化を抑制することができる。その結果、トナー濃度も安定化させることができ画像の階調性も安定して再現できることとなる。
上記に関して、より具体的には、キャリア表面の前記金属酸化物中の金属に由来する蛍光X線分析によるNet強度が、前記式(1)の関係を満たすようにキャリアの表面設計を行う。式(1)におけるA、Bは、共にトナーに外添された特定の金属酸化物中の金属に由来する蛍光X線分析によるNet強度であり、Bは現像剤を界面活性剤溶液で洗浄後のキャリア表面の金属酸化物中の金属に由来するNet強度、Aは前記洗浄後さらに前記界面活性剤溶液中で周波数96kHzの超音波印加により1分処理後のキャリア表面の金属酸化物中の金属に由来するNet強度である。
前記洗浄とは、界面活性剤であるトリトン(ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル)を純水で0.1%に薄めたものを界面活性剤溶液とし、これに現像剤を投入して攪拌することにより現像剤中のトナーとキャリアを分離し、その後純水を用い界面活性剤を洗浄し、乾燥させることでキャリアを抽出する方法である。一方、前記超音波印加による処理は、前記洗浄後のキャリア20gを再度前記界面活性剤溶液中に投入し、model us−30TCVP(nissei社製)装置により超音波印加を行う方法である。
尚、超音波印加処理後、純水で界面活性剤を洗浄し、乾燥させ蛍光X線分析を行うことでキャリア表面の金属酸化物量を測定できる。
したがって、前記式(1)におけるA/Bは、簡単な洗浄によりトナーと分離されたキャリア表面に付着(あるいは固着)している特定の金属酸化物量に対する、より厳しい条件で洗浄した後のキャリア表面に付着している金属酸化物量の比を表す。すなわち、A/Bはどの程度強固に金属酸化物がキャリア表面に固着しているかの指標となるものであり、A/Bが大きいほど多くの金属酸化物が強固に固着していることを示す。
本発明においては、A/Bを0.45以下とする必要があり、0.1〜0.35の範囲とすることがより望ましく、0.1〜0.25の範囲とすることがさらに望ましい。
A/Bが0.45を超えると、キャリア表面にはかなりの量の金属酸化物が強固に固着することとなるため、キャリア自体の保持電荷や流動性が変化しやすく前記トナー濃度の変化を抑制することができない。
このように、本発明では、キャリアとして樹脂被覆層を有する磁性粉分散型キャリアを用い、該樹脂被覆層の厚さを下層である芯材中の磁性粉の粒径より大きくし、キャリアによるトナーに対するストレスを低減すると共に、キャリア表面の平滑性を向上させることによりトナーからの金属酸化物の付着性を低減させ、キャリアの表面抵抗を制御し電荷交換性を高めることで、現像剤トナー濃度を安定させいかなる環境下においても階調性の優れた現像剤を実現するものである。
以下、本発明の静電潜像現像用現像剤の構成を実施形態により説明する。
(キャリア)
本実施形態におけるキャリアは、磁性粉が樹脂中に分散された芯材と該芯材を被覆する樹脂被覆層とを含んで構成される。
−芯材−
本実施形態において、キャリアの芯材は、磁性粉が樹脂中に分散されてなる。
前記磁性粉としては、例えば、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、これらとマンガン、クロム、希土類元素等との合金(例えば、ニッケル−鉄合金、コバルト−鉄合金、アルミニウム−鉄合金等)及びフェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が用いられる。これらの中でも、特性が安定しており、かつ毒性が少ない点で有利である点で、酸化鉄が好ましい。
これら磁性粉は、単種で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
磁性粉の体積平均粒径は、0.01〜1μmの範囲であることが好ましく、0.03〜0.5μmの範囲であることがより好ましく、0.05〜0.35μmの範囲であることが更に好ましい。磁性粉の体積平均粒径が0.01μm未満の場合、磁力の低下を招いたり、或いは組成物溶液の粘度が増大し、均一粒径の芯材が得られない場合がある。一方、磁性粉の粒径が1μmを超えると、均質な芯材を得ることができない場合がある。
上記磁性粉の体積平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置により測定することができる。
また、磁性粉の芯材中における含有量としては、30質量%〜98質量%の範囲であることが好ましく、45質量%〜95質量%の範囲であることがより好ましく、60質量%〜95質量%の範囲であることが更に好ましい。含有量が30質量%未満であると、キャリア1個当たりの磁力が低いことから拘束力が得られなくなり、結果として飛散等を招くことがあり、98質量%を越えると、球形化が困難となるだけでなく、強度が低下する恐れがある。また、トナーへのストレスも大きくなる、キャリアの穂が硬くなるなど画質への影響が懸念される。
本実施形態におけるキャリアの芯材を構成する樹脂成分としては、架橋されたスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、フェノール系樹脂等を挙げることができる。
また、キャリアの芯材には、目的に応じて、更にその他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、帯電制御剤、フッ素含有粒子などが挙げられる。
前記キャリアの芯材の製造方法は、例えば、前記磁性粉とスチレンアクリル樹脂等の絶縁性樹脂とを、バンバリーミキサー、ニーダなどを用いて溶融混練し、冷却した後に粉砕し、分級する溶融混練法(特公昭59−24416号公報、特公平8−3679号公報等)や、結着樹脂のモノマー単位と磁性粉とを溶媒中に分散して懸濁液を調製し、この懸濁液を重合させる懸濁重合法(特開平5−100493号公報等)や、樹脂溶液中に磁性粉を混合分散した後、噴霧乾燥するスプレードライ法などが知られている。
上記の溶融混練法、懸濁重合法、及びスプレードライ法はいずれも、磁性粉をあらかじめ何らかの手段により調製しておき、この磁性粉と樹脂溶液とを混合し、樹脂溶液中に磁性粉を分散させる工程を含む。
−樹脂被覆層−
本実施形態におけるキャリアは、前記の芯材を被覆する樹脂被覆層を有する。
この樹脂被覆層には、キャリア用の樹脂被覆層の材料として用いられているものであれば公知のマトリックス樹脂が利用でき、二種類以上の樹脂をブレンドして用いてもよい。樹脂被覆層を構成するマトリックス樹脂としては、大別すると、トナーに帯電性を付与するための帯電付与樹脂と、トナー成分のキャリアへの移行を防止するために用いられる表面エネルギーの低い樹脂とが挙げられる。
ここで、トナーに負帯電性を付与するための帯電付与樹脂としては、アミノ系樹脂、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、及びエポキシ樹脂等が挙げられ、更にポリビニル及びポリビニリデン系樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エチルセルロース樹脂等のセルロース系樹脂等が挙げられる。
また、トナーに正帯電性を付与するための帯電付与樹脂としては、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。
トナー成分のキャリアへの移行を防止するために用いられる表面エネルギーの低い樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、及びシリコーン樹脂等が挙げられる。
また、樹脂被覆層には、抵抗調整を目的として導電性粒子(導電粉)を添加する。導電性粒子としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が挙げられる。これらの導電性粒子は体積平均粒径が1μm以下のものが好ましい。更に、必要に応じて、複数の導電性粒子を併用することができる。
樹脂被覆層における導電性粒子の含有量は、樹脂被覆層の強度を保ち、またキャリアの抵抗を調整する観点から、1〜50質量%であることが好ましく、3〜20質量%であることがより好ましい。
更に、樹脂被覆層には、帯電制御を目的として樹脂粒子を含有してもよい。樹脂粒子を構成する樹脂としては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が利用できる。
熱可塑性樹脂の場合、ポリオレフィン系樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン;ポリビニル及びポリビニリデン系樹脂、例えば、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル及びポリビニルケトン;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂又はその変性品;フッ素樹脂、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン;ポリエステル;ポリカーボネート等が挙げられる。
熱硬化性樹脂の例としては、フェノール樹脂;アミノ樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂;エポキシ樹脂などが挙げられる。
樹脂粒子の体積平均粒径は0.1〜1.5μmが好ましい。粒径が0.1μm未満であると分散性が悪く樹脂被覆層内で凝集し、キャリア芯材表面の露出率が不安定となり帯電特性を安定に保つことが困難となる場合がある。また、樹脂被覆層の膜強度が凝集体界面で低下するため、樹脂被覆層が割れ易くなってしまう場合がある。
一方、樹脂粒子の粒径が1.5μmを超える場合は、樹脂被覆層から樹脂粒子が脱離し易くなり、帯電付与の機能が発揮できない場合がある。また、粒径如何によっては樹脂被覆層の強度を低下させてしまう場合がある。
本実施形態においては、前記樹脂被覆層の層厚を前記磁性粉の体積平均粒径より大きくする必要がある。このため、前記樹脂被覆層の平均膜厚は、0.03〜3.0μmの範囲であることが好ましく、0.05〜2.0μmの範囲であることがより好ましく、0.05〜1.5μmの範囲であることが更に好ましい。樹脂被覆層の平均膜厚が0.03μmよりも薄いと、キャリア芯材表面の凹凸の影響が樹脂被覆層表面にも出てしまい、トナーからの金属酸化物を凹部に埋め込みやすくなってしまう場合がある。また、3.0μmを超えると、被覆層の強度が弱くなり芯材からの剥れが起き易くなったり、キャリア作製時にキャリア粒子同士の被覆層が接着しやすくなり、結果として膜厚が均一な被覆層を得ることができなくなる場合がある。
なお、上記樹脂被覆層の層厚は、走査型電子顕微鏡にて、キャリア1個につきその断面を倍率10万倍で4視野について4箇所の樹脂層厚を測定し、その平均をそのキャリアの膜厚として40個のキャリア粒子の膜厚を測定しその平均値を平均膜厚とした。
次に、前記キャリアの製造方法について説明する。本実施形態におけるキャリアの製造方法は特に限定されず、従来公知のキャリア製造方法が利用できるが、以下の製造方法が好ましい。
即ち、樹脂被覆層形成用溶液(溶剤中に、樹脂被覆層を形成するマトリックス樹脂の他に、導電性粒子(導電粉)、必要に応じて帯電制御の樹脂粒子等を含む溶液)を調製し、この樹脂被覆層形成用溶液中に芯材を浸漬する浸漬法、樹脂被覆層形成用溶液を芯材の表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で樹脂被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中で芯材と樹脂被覆層形成用溶液とを混合し、次いで、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられるが、特に、溶液を用いたものに限定されるものではない。例えば、キャリアの芯材の種類によっては、芯材と樹脂粉末とを共に加熱混合するパウダーコート法などを適宜に採用することもできる。更に、樹脂被覆層を形成した後に、電気炉やキルンなどのような装置により加熱処理することもできる。
また、樹脂被覆層を形成するための樹脂被覆層形成用溶液に使用する溶剤としては、樹脂を溶解するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化物などを使用することができる。
上記のようにして得られるキャリアでは、樹脂被覆層の層厚を大きくしているため表面の平滑性に優れる。具体的に本実施形態では、上記特性をキャリアの算術平均高さ分布の累積90%の値(以下、「滑り度」という場合がある)により評価した。すなわち、前記キャリアの滑り度はキャリア表面の微小な粗さの均一性を表す指標であることから、本実施形態においては、これが実際のキャリア表面とトナーとの付着状態や帯電状態等と密接に関係するものとして着目した。
その結果、滑り度を0.1〜0.5μmの範囲に制御することで、前記式(1)の関係を好適に満たすことができることがわかった。具体的には、キャリアの滑り度を前記範囲とすることにより、トナーとキャリア表面との付着状態を均一化できるため、キャリア表面の位置によらず、キャリアに付着したトナーからの金属酸化物が均一にキャリアから離脱できることとなり、金属酸化物の強固な固着を抑制することができた。
キャリア表面の滑り度が0.5μmを上回る時は、金属酸化物の付着性低減には有効であるが、現像性が低下し、キャリア抵抗を現像最適領域としても濃度低下が発生する場合がある。逆に、キャリア表面の滑り度が0.1μmを下回るときには、トナーとの接触面積が小さくなるためか、キャリア表面単位面積当りの外添剤汚染量が増大し、金属酸化物の固着により前記式(1)の関係を満たすことができなくなる場合がある。
前記滑り度は0.1〜0.45μmの範囲とすることがより望ましく、0.1〜0.35μmの範囲とすることがさらに好適である。
ここで、上記算術平均高さ分布の累積90%の値(滑り度)とは、倍率が3000倍のレーザ顕微鏡で、高さ方向(Z軸方向)のレーザースキャンピッチが0.01μmのスキャン条件で、キャリア1個の表面を縦横(XY軸平面内)5μm四方にわたって3次元測定し、キャリア1個のトナーの算術平均高さ(Ra)分布の累積90%の値を求めたものであり、キャリア50個について上記測定を行い、その平均値を滑り度とした。
本実施形態におけるキャリアは、1kOe時の磁力が170〜250emu/cmの範囲であることを要し、185〜235emu/cmの範囲であることが好ましい。
キャリアの磁力が170emu/cm未満の場合、現像剤保持体上での磁気的ストレスは低減し画像白抜けのような画質欠陥には効果が見られるが、現像剤保持体との磁気的拘束力が弱くなるために、現像剤保持体からのトナーやキャリアの飛散が生じ他の部材を汚染することに起因する画質欠陥や感光体上へのキャリア付着に起因する画質欠陥を招く恐れがある。また、キャリアの磁力が250emu/cmを超える場合、現像剤保持体との磁気的束縛力が大きくなるため、トナーに対するストレスが大きくなりトナー表面に外添剤が埋没し外添剤の緩衝的機能を発現できなくなり、画像白抜けのような画質欠陥を招く場合がある。
ここで、キャリアの磁力は、振動試料型磁力計BHV−525(理研電子(株)製)を用い、VSM用常温サンプルケース粉末用(H−2902−151)に一定量サンプルを採り、正秤した後に1kOeの磁場中にて、測定した。
また、本実施形態におけるキャリアは、球形度が0.980〜1.000の範囲であることを要し、0.985〜1.000の範囲であることが好ましい。
キャリアの球形度が0.980未満の場合、キャリアとしての流動性が悪くなり、現像剤としての流動性が不足することで、結果的に、磁気ブラシの均一性を得ることができない。
ここで、前記キャリアの球形度は、下記の方法で測定した平均円形度を意味する。
測定サンプルとして、キャリア200mgをエチレングリコール水溶液30mlに添加・攪拌し、上澄み水溶液を除去した残渣中のキャリアを用いて、以下の方法で測定した。測定は、FPIA−3000(シスメックス社製)を使用し、撮影された少なくとも5000個以上各々のキャリア粒子に対して画像解析を行い、統計処理することによって、平均円形度を求めた。ここで、個々の円形度は下記式(2)に基づいて求めた。
式(2): 円形度=円相当径周囲長/周囲長=[2×(A×π)1/2]/PM
(上記式(2)において、Aはキャリア粒子の投影面積、PMはキャリア粒子の周囲長を表す。)
なお、測定はHPFモード(高分解能モード)、希釈倍率10倍で行った。また、データの解析に当たっては、測定ノイズ除去の目的で、個数粒径解析範囲を3〜80μmの範囲、円形度解析範囲を0.850〜1.000の範囲で実施した。
また、本実施形態におけるキャリアの体積平均粒径は、25〜100μmの範囲であることが好ましく、25〜80μmの範囲であることがより好ましく、25〜60μmの範囲であることが更に好ましい。
キャリアの体積平均粒径が25μm未満の場合、キャリア粒子1個当たりの磁力が弱まり、現像剤保持体への磁気的拘束力が弱まり、感光体へのキャリアの付着が生じる。また、キャリアの体積平均粒径が100μmを超える場合、粒子形状が球状から歪み、細線再現性が悪くなる。
ここで、キャリアの体積平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を用いて測定された値をいう。得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、全核体に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとする。
本実施形態における現像剤の密度は、1.0〜3.0g/cmの範囲であることが好ましく、1.2〜2.5g/cmの範囲であることがより好ましく、1.2〜2.0g/cmの範囲であることが更に好ましい。
密度が1.0g/cmよりも小さい場合には、トナーと嵩密度が近い状態であるため、追加トナーなどの帯電付与能力が減少し、密度が3.0g/cmよりも大きい場合には、キャリアの重量が大きいことを意味し、トナーへのストレスが大きくなり、帯電低下及びトナースペントを悪化させるため好ましくない。
ここで、現像剤の密度の測定方法は、JIS−2504 金属粉体嵩密度測定法に準ずる方法にて測定した。尚、漏斗より現像剤が流れない場合は、漏斗に軽く衝撃を与え現像剤が流れ落ちるようにした。
さらに、本実施形態におけるキャリアの体積抵抗率は、1×10〜1×1014Ωcmの範囲に制御されることが好ましく、1×10〜1×1013Ωcmの範囲であることがより好ましく、1×10〜1×1012Ωcmの範囲であることが更に好ましい。
キャリアの体積抵抗率が1×1014Ωcmを超える場合、高抵抗になり、現像時に現像電極として働きにくくなるため、特にベタ画像部でエッジ効果が出るなど、ソリッド再現性が低下する。一方、1×10Ωcm未満の場合、低抵抗になるため、現像剤中のトナー濃度が低下した時に現像ロールからキャリアへ電荷が注入し、キャリア自体が現像されてしまう不具合が発生しやすい。
上記キャリアの体積抵抗率(Ωcm)は以下のように測定する。なお、測定環境は、温度20℃、湿度50%RHとする。
20cmの電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象となるキャリアを1〜3mm程度の厚さになるように平坦に載せ、キャリア層を形成する。この上に前記同様の20cmの電極板を載せキャリア層を挟み込む。キャリア間の空隙をなくすため、キャリア層上に載せた電極板の上に4kgの荷重をかけてからキャリア層の厚み(cm)を測定する。キャリア層上下の両電極には、エレクトロメーター及び高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が6000V/cmとなるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取ることにより、キャリアの体積電気抵抗(Ω・cm)を計算する。キャリアの体積抵抗率(Ω・cm)の計算式は、下記式(3)に示す通りである。
式(3): R=E×20/(I−I)/L
上記式(3)中、Rはキャリアの体積抵抗率(Ω・cm)、Eは印加電圧(V)、Iは電流値(A)、Iは印加電圧0Vにおける電流値(A)、Lはキャリア層の厚み(cm)をそれぞれ表す。また、20の係数は、電極板の面積(cm)を表す。
なお、後述する金属酸化物の体積抵抗率の測定も上記に準じて行った。
(トナー)
次に、本発明におけるトナーについて、同じく実施形態により説明する。
本実施形態におけるトナーは、結着樹脂及び着色剤を含み、必要に応じて、離型剤やその他の成分を含有するトナー母粒子に、前述の金属酸化物等の外添剤が外添されてなる。
以下、これらの成分についてより詳細に説明する。
−結着樹脂−
トナー(トナー母粒子)に用いられる結着樹脂としては、公知のものを使用できる。
結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体及び共重合体を例示することができる。
代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。更に、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。
これらの中では、特に、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体が好ましい。
−着色剤−
トナー(トナー母粒子)を構成する着色剤としては、特に制限はなく、染料及び顔料のどちらでもかまわないが、耐光性や耐水性の観点から顔料が好ましい。
好ましい顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロライド、フタロシアンブルー、マラカイトグリーンオキサート、ランプブラック、ローズベンガル、キナクリドン、ベンジジンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド185、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の公知の顔料が使用できる。
また、着色剤として磁性粉を使用することもできる。磁性粉としては、コバルト、鉄、ニッケルなどの強磁性金属、コバルト、鉄、ニッケル、アルミニウム、鉛、マグネシウム、亜鉛、マンガンなどの金属の合金や酸化物などの公知の磁性体が使用できる。
以上の着色剤は、単独で使用可能な他、2種類以上組み合わせて使用してもよい。なお、着色剤の種類を適宜選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等の各色トナーが得られる。
本実施形態におけるトナー中に含まれる着色剤の含有量としては、トナー(トナー母粒子)100質量部に対して、0.1〜40質量部の範囲が好ましく、1〜30質量部の範囲が更に好ましい。
−その他の成分−
本実施形態におけるトナーには、必要に応じて、離型剤や帯電制御剤などのその他の成分が内添されてもよい。
離型剤は、一般に離型性を向上させる目的で使用される。離型剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル、カルボン酸エステル等のエステル系ワックスなどが挙げられる。本発明において、これらの離型剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
離型剤の含有量としては、トナー(トナー母粒子)100質量部に対し、1〜20質量部の範囲が好ましく、2〜15質量部の範囲がより好ましい。1質量部未満であると離型剤添加の効果がなく、20質量部を超えると、帯電性への悪影響が現れやすくなり、また、現像機内部においてトナーが破壊されやすくなるため離型剤やトナー樹脂のキャリアへのスペント化が生じ、帯電が低下しやすくなる等の影響が現れるばかりでなく、例えば、カラートナーを用いた場合、定着時の画像表面への染み出しが不十分になり易く、画像中に離型剤が在留しやすくなってしまうため、透明性が悪化し好ましくない場合がある。
離型剤の融点としては50〜120℃が好ましく、60〜100℃がより好ましい。離型剤の融点が60℃未満では離型剤の変化温度が低すぎ、耐ブロッキング性が劣ったり、複写機内温度が高まった時に現像性が悪化したりする場合がある。
また、トナー(トナー母粒子)には、必要に応じて、帯電制御剤が添加されてもよい。帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。
湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。
前記トナー母粒子の製造には、公知の湿式法や乾式法を利用することができ、例えば、結着樹脂、着色剤、及び必要に応じて離型剤、帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法;混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力又は熱エネルギーにて形状を変化させる方法;結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤を分散させた分散液、及び、必要に応じて利用される離型剤、帯電制御剤等の分散液と、を混合し、凝集、加熱融着させ、トナーを得る乳化重合凝集法;結着樹脂を得るための重合性単量体と、着色剤、及び必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の溶液と、を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法;結着樹脂と、着色剤、及び必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の溶液と、を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法;等が使用できる。
また、上記方法で得られたトナー母粒子をコア粒子にして、更に樹脂粒子を付着させた後、加熱融合してコアシェル構造を有するトナーを製造することもできる。
続いて、このようにして得られたトナー(トナー母粒子)に、外添剤を添加し、混合することにより、本実施形態におけるトナーを得ることができる。なお、本実施形態においては、前記外添剤として必ず1種以上の金属酸化物粒子を含む。
前記金属酸化物粒子の具体例としては、シリカ、酸化チタン、メタチタン酸、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、アルミナ、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化クロム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム等の微粒子が挙げられる。これらの中では、トナーの精密な帯電制御を行う観点から、シリカ、酸化チタン、メタチタン酸から選ばれるものを用いること望ましい。
これらの金属酸化物粒子の表面は、予め疎水化処理されていることが望ましい。この疎水化処理によりトナーの粉体流動性が改善されるほか、帯電の環境依存性、及び耐キャリア汚染性に対しても有効である。疎水化処理は疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行うことができる。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でもシラン系カップリング剤が好適である。
上記金属酸化物粒子の体積平均粒径は、1次粒子径で1〜40nmの範囲であることが好ましく、5〜20nmの範囲であることがより好ましい。また、例えば50〜500nmの金属酸化物粒子を加えてもより結晶化を阻害しやすくなるため好ましい。
また、前記金属酸化物の体積抵抗率は、前記キャリアの体積抵抗率より高いことが望ましい。トナーに添加する金属酸化物の体積抵抗率を前記キャリアの体積抵抗率より高いものとすることで、キャリアの帯電機能を損なわず長期にわたり階調性のある高画質を得ることができる。より好適には、金属酸化物の体積抵抗率はキャリアの体積抵抗率の1.0〜1.5倍程度である。
これらの金属酸化物粒子は単独で用いても、また複数種を混合して用いても良い。また、これらのトナーに対する添加量は特に制限はないが、0.1〜10質量%の範囲で好ましく用いられる。より具体的には、0.2〜6質量%程度の範囲である。
添加量が0.1質量%未満であると、添加する金属酸化物等の効果が得られにくく、高い流動性や定着画像表面の離型剤の結晶化を阻害できない場合があり、また、10質量%を超えると、必要な高光沢度が得られなかったり、トナーからの離脱が多くなったりする場合がある。
また、トナー母粒子への外添剤としては、必要により、ポリスチレン粒子、ポリメチルメタクリレート粒子、ポリフッ化ビニリデン粒子、小径不定形樹脂粒子、酸化セリウム、ステアリン酸亜鉛等のクリーニング助剤又は転写助剤等も使用することが可能である。
トナー母粒子と外添剤との混合は、公知の方法、例えば、Vブレンダーやヘンシュルミキサー、レディーゲミキサーミキサーなどによって行うことができる。
更に、必要に応じて、振動篩分機、風力篩分機などを使って、得られたトナー中の粗大粒子を取り除いてもよい。
さらに、本実施形態では、トナーに潤滑剤を添加すると前記金属酸化物のキャリアへの付着をより低減することができるため望ましい。潤滑剤をするとキャリア表面にスペントするが、本実施形態におけるキャリアは、前述のように芯材表面の凹凸の影響を受けないため必要以上に潤滑剤がスペントすることはない。このため、キャリア表面に潤滑剤が存在することで、キャリア表面での金属酸化物の付着性を弱めることができ、より効果的に機能を発現させることができる。また、前記磁性粉分散型のキャリアは残留磁化が高く現像剤保持体の磁力の影響を受け凝集しやすいが、潤滑剤の存在によりキャリア自体のすべり性も向上するため、キャリア間での電荷交換性も向上する。
本実施形態で用いられる潤滑剤は、粉体として用いることができるものであれば限定されるものではなく、例えば、オレイン酸鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸銅、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸鉄、ステアリン酸銅、パルミチン酸鉄、パルミチン酸銅、ミリスチン酸亜鉛、などの脂肪酸金属塩や、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンのようなフッ素系樹脂等が挙げられるが、特にステアリン酸亜鉛は潤滑性だけではなく、塗布性に優れており好ましい。
潤滑剤のトナーへの添加量は、トナー100質量部に対して0.1〜5.0質量部の範囲とすることが望ましく、0.3〜0.7質量部の範囲とすることがより望ましい。
なお、前記のように潤滑剤はトナーに添加してもよいが、現像剤中に含まれていればよく、トナーとキャリアとからなる現像剤を調製後に、現像剤中に添加してもよい。
上記のようにして得られたトナーの粒径は、小径であることが画質を向上させる目的で好ましい。ただし、あまり小径となると帯電、流動性の観点から、従来のシステムでは現像が困難となる。このような観点から、トナーの体積平均粒径は2〜8μmの範囲であることが好ましく、更に4〜7μmの範囲であることがより好ましい。
トナーの体積平均粒径が8μmを超えると、細線の再現性、ハーフトーンの粒状性等の画質が悪化し、写真画質等を出力した際、良好な画質を得ることが難しくなる場合がある。また、トナーの体積平均粒径が2μm未満の場合、粉体特性及び帯電特性が非常に悪化し、従来の画像形成装置による高速での出力は困難となる場合がある。
また、粒度分布の指標である体積平均粒径/個数平均粒径の値としては、1.6以下が好ましく、1.5以下が更に好ましい。この値が1.6より大きいと粒度分布の広がりが大きくなるため、帯電量の分布も広くなってしまい、逆極性トナーや低帯電トナーが発生しやすくなる。
なお、前記トナーの体積平均粒径(累積体積平均粒径D50v)、個数平均粒径(累積数平均粒径D50P)や各種の粒度分布指標は、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用して測定することができる。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5〜50mg加える。これを電解液100〜150ml中に添加する。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2〜60μmの範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
このようにして測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を累積体積平均粒径D16v、累積数平均粒径D16P、累積50%となる粒径を累積体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50P、累積84%となる粒径を累積体積平均粒径D84v、累積数平均粒径D84Pと定義する。
これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16V1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84P/D16P1/2として算出される。
さらに、本実施形態におけるトナーの形状係数SF1は120〜140の範囲にあることが好ましい。
形状係数SF1が120未満であると、感光体上の転写残トナーのブレードクリ-ニング性を損ない、140を超えるとトナーの流動性が低下し、初期から転写性に悪影響を及ぼすことがある。
ここで上記形状係数SF1は、下記式(4)により求められる。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(4)
上記式(4)中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
前記SF1は、主に顕微鏡画像または走査電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、例えば、以下のようにして算出することができる。すなわち、スライドガラス表面に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個以上のトナー粒子の最大長と投影面積を求め、上記式(4)によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
本実施形態において、静電潜像現像用現像剤における前記本実施形態におけるトナーとキャリアとの混合比としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
以上のようにして得られた現像剤は、高温高湿環境下での使用及び低温低湿環境下での使用における現像剤の嵩密度の変化を低減させることができる。具体的には、30℃、85%RHの環境に10時間放置後の現像剤を現像機中で10分攪拌した現像剤の嵩密度Cと、10℃、30%RHの環境に10時間放置後の現像剤を現像機中で10分攪拌した現像剤の嵩密度Dとの差の絶対値(C−D)は、0.045g/cm以下であることが望ましく、0.025g/cm以下であることがより望ましい。
嵩密度の差が上記範囲にあることにより、環境変化による現像剤嵩密度の変化を最小限とすることができ、透磁率を検知する方式でのトナー濃度制御を安定化させることができる。
なお、上記嵩密度は各環境に10時間放置した後、同環境にて現像剤を現像機中で10分攪拌した現像剤を用いることにより測定することができる。
以上のように、本発明の現像剤は、キャリアの樹脂被覆層にトナーからの金属酸化物が固着しにくい二成分系現像剤であり、このような現像剤を用いることで、透磁率センサーを有する現像装置においても、透磁率センサーによって正確なトナー濃度を測定することができ、実状に即したトナー制御を行うことができる。このため、現像器内のトナー濃度は安定し、安定した出力画像を得ることができる。
<画像形成装置>
次に、本発明の画像形成装置について説明する。
本発明の画像形成装置は、少なくとも、像保持体と、該像保持体上に形成された静電潜像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、該トナー像を前記像保持体から被転写体に転写する転写手段と、被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段とを有する画像形成装置であり、更に前記現像手段が現像剤の透磁率変化を検知してトナー濃度を制御するトナー濃度制御手段を備える。
これらの各構成部材、すなわち、像保持体、現像手段、転写手段、トナー濃度制御手段、更に、定着手段については、本発明において、特に制限されるものではなく、従来公知の構成を適宜適用することができる。但し、現像手段内には上記本発明の現像剤を内在させる。
以下に、図を参照しながら本発明の画像形成装置について詳細に説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。図1に示す画像形成装置100は、電子写真感光体(像保持体)107と、電子写真感光体107を帯電させる帯電装置108と、帯電装置108に接続された電源109と、帯電装置108により帯電される電子写真感光体107を露光して静電潜像を形成する露光装置110と、露光装置110により形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置(現像手段)111と、現像装置111により形成されたトナー像を被転写体500に転写する転写装置(転写手段)112と、転写後に電子写真感光体107に残留しているトナーを除去するクリーニング装置113と、除電器114と、定着装置(定着手段)115とを備える。
本発明においては、除電器114が設けられていない画像形成装置であってもよい。また、図1の画像形成装置100では、帯電装置108が接触型の帯電器となっているが、非接触型の帯電器であってもよい。
次に、図2を用いて、現像装置111の構成について説明する。
図2において、現像装置111は、電子写真感光体107に隣接して配設され、現像剤を収容する現像剤ハウジング10と、現像剤ハウジング10の内部において、電子写真感光体107に隣接するように軸線の周りに回転可能に配設された現像ロール12とを備える。現像ハウジング10内には、本発明に係る前記トナーと磁性キャリアとで構成される二成分系現像剤Dが充填されており、攪拌パドル14、攪拌スクリュー16が回転駆動されることで、トナーと磁性キャリアとが攪拌されてトナーが磁性キャリアに静電吸着する。そして、磁性キャリアにトナーが付着した現像剤は、磁性を有する現像剤搬送ロール18に磁力で吸着されて現像ロール12へ搬送され、マグネットロールである現像ロール12に磁力で吸着される。そして、電子写真感光体107に面した現像ロール12に現像バイアスが印加されて、トナーが、現像ロール12から電子写真感光体107上のレーザーが照射された部分に転移する。
現像剤ハウジング10の図面上方には、トナー補給装置22が配設される。トナー補給装置22は、補給用トナーTを収容するトナーカートリッジ24と、トナーカートリッジ24と現像剤ハウジング10とを接続するとともに開閉可能に形成されたカートリッジ補給流路26とを備える。トナーカートリッジ24に収容されたトナーは、カートリッジ補給流路26を通って現像剤ハウジング10に補給される。
本発明におけるトナー濃度制御手段は以下のように作用する。
現像剤ハウジング10の底面近傍における現像ロール12に対向する側には、前記現像剤の透磁率を測定して現像剤トナー濃度を求めるATCセンサー(透過率測定機構)20が配設されている。ATCセンサー20によって、現像剤ハウジング10内に収納された現像剤Dの透磁率を検出することにより、現像剤Dのトナー濃度(=[トナー/(トナー+キャリア)]×100)に対応する検出信号を画像形成装置の制御部(図示省略)へ出力する。
検出された検出値が現像剤トナー基準濃度よりも低いときには、前記トナー補給手段によって現像器にトナーを補給する。なお、一般的には、現像剤ハウジング10内で循環している現像剤Dは、そのトナー濃度が概ね5〜10質量%の範囲内で設定されている。
本発明の画像形成装置では、現像剤ハウジング10内に本発明の現像剤が収容されるので、現像剤ハウジング10内で環境変化等に伴う現像剤の嵩密度が大きく変化することがないため、ATCセンサー20が正しい透磁率、すなわち正確なトナー濃度を測定することができ、実状に即したトナー制御を行うことができる。このため、現像器内のトナー濃度は安定し、安定した出力画像を得ることができる。
図3は本発明の画像形成装置の他の実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。図3に示す画像形成装置200は、中間転写方式のカラー画像を形成する画像形成装置である。
画像形成装置200は、ハウジング400内において4つの電子写真感光体(像保持体)401a〜401dが中間転写ベルト409に沿って相互に並列に配置されている。電子写真感光体401a〜401dは、例えば、電子写真感光体401aがイエロー、電子写真感光体401bがマゼンタ、電子写真感光体401cがシアン、電子写真感光体401dがブラックの色からなる画像をそれぞれ形成することが可能である。
電子写真感光体401a〜401dのそれぞれは所定の方向(紙面上は反時計回り)に回転可能であり、その回転方向に沿って帯電ロール402a〜402d、現像装置404a〜404d、1次転写ロール410a〜410d、クリーニングブレード415a〜415dが配置されている。現像装置(現像手段)404a〜404dのそれぞれにはトナーカートリッジ405a〜405dに収容されたブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーが供給可能であり、また、1次転写ロール(転写手段)410a〜410dはそれぞれ中間転写ベルト409を介して電子写真感光体401a〜401dに当接している。
さらに、ハウジング400内の所定の位置には露光装置403が配置されており、露光装置403から出射された光ビームを帯電後の電子写真感光体401a〜401dの表面に照射することが可能となっている。これにより、電子写真感光体401a〜401dの回転工程において帯電、露光、現像、1次転写、クリーニングの各工程が順次行われ、各色のトナー像が中間転写ベルト409上に重ねて転写される。
中間転写ベルト409は、駆動ロール406、バックアップロール408及びテンションロール407により所定の張力をもって支持されており、これらのロールの回転によりたわみを生じることなく回転可能となっている。また、2次転写ロール413は、中間転写ベルト409を介してバックアップロール408と当接するように配置されている。バックアップロール408と2次転写ロール413との間を通った中間転写ベルト409は、例えば駆動ロール406の近傍に配置されたクリーニングブレード416により清浄面化された後、次の画像形成プロセスに繰り返し供される。
また、ハウジング400内の所定の位置にはトレイ(被転写体トレイ)411が設けられており、トレイ411内の紙などの被転写体500が移送ロール412により中間転写ベルト409と2次転写ロール413との間、さらには相互に当接する2個の定着ロール414の間に順次移送された後、ハウジング400の外部に排紙される。
図3に示す画像形成装置200においても、現像装置404a〜404dは図2に示す現像装置で構成され、現像剤ハウジング10内に、樹脂被覆層を有する磁性粉分散型キャリアを含む本発明の二成分系現像剤を収容する。
したがって、本発明の画像形成装置は、現像剤ハウジング10内で環境変化等に伴う現像剤の嵩密度が大きく変化することがないため、ATCセンサー20が正しい透磁率、すなわち正確なトナー濃度を測定することができ、実状に即したトナー制御を行うことができる。このため、現像器内のトナー濃度は安定し、安定した出力画像を得ることができる。
<プロセスカートリッジ>
図4は、本発明の静電潜像現像用現像剤を収容するプロセスカートリッジの好適な一例を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ300は、感光体207とともに、帯電ローラ208、現像装置211、感光体クリーニング装置(クリーニング手段)213、露光のための開口部218、及び、除電露光のための開口部217を取り付けレール216を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。
そして、このプロセスカートリッジ300は、転写装置212と、定着装置215と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。なお、500は記録紙(被転写体)である。
図4で示すプロセスカートリッジでは、帯電装置208、現像装置211、クリーニング装置(クリーニング手段)213、露光のための開口部218、及び、除電露光のための開口部217を備えているが、これら装置は選択的に組み合わせることが可能である。本発明のプロセスカートリッジでは、感光体207のほかには、帯電装置208、現像装置211、クリーニング装置(クリーニング手段)213、露光のための開口部218、及び、除電露光のための開口部217から構成される群から選択される少なくとも1種を備える。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中において「部」及び「%」は、特に断りのない限り「質量部」及び「質量%」を意味する。
<各種特性の測定方法>
まず、実施例、比較例で用いたトナー等の物性測定方法について説明する。
(樹脂の分子量)
樹脂の分子量分布は以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
(樹脂粒子、着色剤粒子等の体積平均粒径)
樹脂粒子、着色剤粒子等の体積平均粒子径は、レーザー回折粒度測定器(島津製作所製、SALD2000A)で測定した。
(樹脂の融点、ガラス転移温度)
トナー、結晶性ポリエステル樹脂の融点、トナー及び非晶性樹脂のガラス転移温度は、ASTMD3418−8に準拠して測定された各極大ピークより求めた。なお、ガラス転移点は吸熱部におけるベースラインと立ち上がりラインとの延長線の交点の温度とし、融点は吸熱ピークの頂点の温度とした。
なお、測定には示差走査熱量計(DSC−7、パーキンエルマー社製)を用い、サンプルはアルミニウム製パンを、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行った。
(被覆量)
被覆量は、樹脂被覆層形成を行ったキャリアについて、その重量Aを測定した後、樹脂被覆層を溶解する溶剤中で樹脂被覆層を完全に除き、乾燥した後の重量Bを測定して以下の式により求めた。
被覆量(%)=[(A−B)/A]×100
(蛍光X線分析によるNet強度)
蛍光X線解析装置(島津製作所社製、XRF−1500)を用いて、キャリア0.6gにセルロースを混合しディスクを成型し、X線出力40V−70mA、測定面積10mm(直径)、測定時間15分の条件で、定性定量全元素分析法にて測定し、このデータの特定しようとする金属のKα強度をNet強度とした。なお、このピークに他の元素のピークが重なる場合には、ICP発光分光法や、原子吸光法にて解析したうえで、前記特定金属分の強度を求めることができる。
<トナーの作製>
(トナー(1))
−樹脂粒子分散液の調製−
・スチレン(和光純薬製):320部
・n−ブチルアクリレート(和光純薬製):80部
・βカルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製):9部
・1,10−デカンジオールジアクリレート(新中村化学工業製):1.5部
・ドデカンチオール(和光純薬製):2.7部
上記の各成分を混合溶解し、これをアニオン性界面活性剤ダウファックス(ダウ・ケミカル日本製)4部を含有するイオン交換水550部に溶解し、更に攪拌槽中で分散、乳化し10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム6部を溶解したイオン交換水50部を投入した。次いで、系内の窒素置換を十分に行った後、攪拌槽内を攪拌しながら攪拌槽ジャケットを槽内温度が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。これにより体積平均粒径240nm、固形分量42.9%、オンセットガラス転移点50.6℃、Mw33900、Mn10200の樹脂粒子分散液を得た。
−着色剤粒子分散液の調製−
・Magenta顔料(C.I.Pigment Red 122):90部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンR):10部
・イオン交換水:240部
上記の各成分を攪拌槽で混合し、これを分散圧力245MPaに設定したアルティマイザーHJP−25008(株式会社スギノマシン製)を用いて分散処理し、着色剤粒子分散液を調製した。着色剤分散液における着色剤の平均粒径は125nmであった。
−離型剤分散液の調製−
・パラフィンワックス(PolyWax850、東洋ペトロライト社製):30部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンR):2.5部
・イオン交換水:67.5部
上記の成分を95℃に加熱して、ホモジナイザーを用いて分散した後、ダイノーミルで分散処理してワックス分散液(離型剤分散液)を得た。分散ワックスの平均粒径は240nmであった。
なお、これらの樹脂粒子分散液、着色剤分散液、離型剤分散液の粒径測定には、マイクロトラック(日機装(株)製、マイクロトラックUPA9340)を用いた。
−トナー母粒子の作製−
(凝集工程)
・イオン交換水:400部
・樹脂粒子分散液:240部
・着色剤分散液:64部
・離型剤分散液:56部
・無機粒子分散液(日産化学社製、スノーテックスOL):12部
・無機粒子分散液(日産化学社製、スノーテックスOS):10部
以上の混合成分を攪拌槽中に投入し、ホモジナイザーで十分に混合・分散した後、凝集剤〔浅田化学社製、ポリ塩化アルミニウム〕0.5質量部と、イオン交換水100部との混合液を、攪拌槽を攪拌しながら10分間かけて添加し、添加終了後そのまま40℃まで緩やかに加熱して30分間保持した後49℃まで加熱した。49℃で40分保持した後、コールター−マルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)で粒径を測定すると体積平均粒径4.8μmの凝集粒子が生成していることが確認された。更に、加熱用ジャケットの温度を上げて52℃で40分間保持した。
(付着工程)
上記のように調製した凝集粒子を含む分散液に、更に、前記樹脂粒子分散液65部を緩やかに添加し、更に加熱用ジャケットの温度を上げて53℃で1時間保持した。得られた付着粒子について、体積平均粒径を測定すると5.7μmであった。
(融合工程)
次に、pHが6.0になるように1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加した後、撹拌を継続しながら85℃まで緩やかに加熱し60分間保持した。その後96℃まで加熱し、1mol/リットルの硝酸水溶液をpH5.0になるまで加え、5時間保持した。
その後、得られたトナースラリーを40℃まで冷却し、更にこのスラリーを目開き15μm網で篩分処理した後、フィルタープレス(東京エンジニアリング社製)でろ過した。
得られたトナースラリー100部に対して、500部のイオン交換水(導電率2μS以下)をフィルタープレス装置内のトナーに通過させ、続けて300部のイオン交換水に1mol/リットルの硝酸水溶液をpH3.0になるまで加えた酸洗浄水を通過させ、更に400質量部のイオン交換水を通過させ、圧搾、脱水した後、水分率33.2%のトナーケーキを得た。水分率は、湿量基準であり、ザルトリウス製MA30を用い、150℃20分の測定を行った。
このトナーケーキをランデルミルRM−1(徳寿工作所製)にて解砕し、乾燥原料としての湿潤トナーを得て、これを気流式乾燥機として、フラッシュジェットドライヤ(セイシン企業製)を用い、乾燥を実施し、体積平均粒径6.0μmのマゼンタトナー母粒子を得た。
このマゼンタトナー母粒子に対し、外添剤として酸化チタン(体積平均粒径:15nm、体積抵抗率:1014Ωcm)を0.8%と、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を0.3%となるように加え、5リットルヘンシェルミキサーを用い、周速33m/sで15分間ブレンドを行った後、目開き45μmの篩で粗大粉を除去し、外添剤を有するトナー(1)を得た。
(トナー(2))
トナー(1)の作製において、外添剤である酸化チタンの代わりにメタチタン酸(体積平均粒径:25nm、体積抵抗率:1012Ωcm)を用いた以外は、トナー(1)の作製に準じてトナー(2)を作製した。
(トナー(3))
トナー(1)の作製において、外添剤である酸化チタンの代わりにシリカ(体積平均粒径:42nm、体積抵抗率:1016Ωcm)を用いた以外は、トナー(1)の作製に準じてトナー(3)を作製した。
(トナー(4))
トナー(1)の作製において、潤滑剤であるステアリン酸亜鉛を用いなかったこと以外は、トナー(1)の作製に準じてトナー(4)を作製した。
<キャリアの作製>
(芯材粒子の作製)
−芯材粒子(1)−
ヘンシェルミキサーに、体積平均粒径0.25μmの球状マグネタイト粒子粉末500部を投入し、十分に攪拌した後、チタネート系カップリング剤3.0部を添加し、約100℃まで昇温し30分間良く混合攪拌することによりチタネート系カップリング剤被覆された球状マグネタイト粒子を得た。次に、1Lの四つ口フラスコに、フェノール65部、35%ホルマリン98部、親油化処理された上記マグネタイト粒子500質量部、25%アンモニア水15部、及び水65部を投入し攪拌混合した。次に、攪拌しながら60分間で85℃に上昇させ、同温度で120分間反応させた。その後、25℃まで冷却し、500mlの水を添加した後、上澄み液を除去、沈殿物を水洗した。
更にフェノール3.00部、35%ホルマリン5.00部、25%アンモニア水6.25部、及び水428部を加え攪拌混合した。その後、攪拌しながら60分間で90℃に上昇させ、3時間反応させた。次いで、これを減圧下、150〜180℃で乾燥して、体積平均粒径35μmの芯材粒子を得た。
−芯材粒子(2)−
芯材粒子(1)の作製において、体積平均粒径0.25μmの球状マグネタイト粒子粉末の代わりに体積平均粒径0.5μmの球状マグネタイト粒子粉末を用いた以外は、芯材粒子(1)の作製に準じて、体積平均粒径35μmの芯材粒子(2)を得た。
(樹脂被覆層形成用溶液の調製)
−樹脂被覆層形成用溶液(1)−
下記組成の成分を60分間スターラーにて撹拌/分散し、樹脂被覆層形成用原料溶液(1)を調製した。
・トルエン:85部
・スチレン−メタクリレート共重合体(共重合比:25/75):15部
・カーボンブラック(Regal330、キャボット社製):4部
−樹脂被覆層形成用溶液(2)−
下記組成の成分を60分間スターラーにて撹拌/分散し、樹脂被覆層形成用原料溶液(2)を調製した。
・トルエン:85部
・スチレン−メタクリレート共重合体(共重合比:25/75):15部
(キャリア(1))
芯材粒子(1)100質量部と樹脂被覆層形成用溶液(1)8.5部とを真空脱気型ニーダに入れ、90℃で30分撹拌した後、−65kPaで5分、−70kPaで3分攪拌した後更に減圧して脱気、乾燥させた。
さらに、温度を85℃とし40分間攪拌した。これを冷却した後に目開き75μmの篩にて凝集による粗大粉を除去し、体積平均粒径が36μm、樹脂被覆層厚が0.32μm(被覆量:1.5%)、体積抵抗率が1.3×10Ωcm、表面の滑り度が0.3μmのキャリア(1)を得た。
(キャリア(2))
キャリア(1)の作製において、芯材粒子を芯材粒子(2)100部とし、樹脂被覆層形成用溶液として樹脂被覆層形成用溶液(1)20部を用いた以外は、キャリア(1)の作製に準じてキャリア(2)を作製した。
このキャリア(2)の体積平均粒径は38μm、樹脂被覆層厚は0.6μm(被覆量:3.0%)、体積抵抗率は5.4×1012Ωcm、表面の滑り度は0.46μmであった。
(キャリア(3))
キャリア(1)の作製において、芯材粒子を芯材粒子(2)100部とし、樹脂被覆層形成用溶液として樹脂被覆層形成用溶液(2)20部を用いた以外は、キャリア(1)の作製に準じてキャリア(3)を作製した。
このキャリア(3)の体積平均粒径は37μm、樹脂被覆層厚は0.46μm(被覆量:3.0%)、体積抵抗率は8.2×1012Ωcm、表面の滑り度は0.53μmであった。
(キャリア(4))
キャリア(1)の作製において、樹脂被覆層形成用溶液として樹脂被覆層形成用溶液(2)10部を用い、脱気、乾燥後の85℃、40分間の攪拌を行わなかった以外はキャリア(1)の作製に準じてキャリアを作製した。そして、更にこのキャリアにさらに酸化チタン0.02部を添加し攪拌混合することでキャリア(4)とした。
このキャリア(4)の体積平均粒径は36μm、樹脂被覆層厚は0.35μm(被覆量:1.5%)、体積抵抗率は5.3×1012Ωcm、表面の滑り度は0.55μmであった。
(キャリア(5))
キャリア(1)の作製において、芯材粒子を芯材粒子(2)100部とし、脱気、乾燥後の85℃、40分間の攪拌を行わなかった以外はキャリア(1)の作製に準じてキャリア(5)を作製した。
このキャリア(5)の体積平均粒径は36μm、樹脂被覆層厚は0.29μm(被覆量:1.5%)、体積抵抗率は3.4×10Ωcm、表面の滑り度は0.66μmであった。
(キャリア(6))
芯材粒子(1)100部に対し、フェノール0.25部、35%ホルマリン0.40部、25%アンモニア水0.50部、及び水34部を加え攪拌混合した。その後、攪拌しながら60分間で90℃に上昇させ、3時間反応させた。次いで、これを減圧下、150〜180℃で乾燥してフェノール樹脂による被覆を行った(被覆量:0.2%)。次いで、この芯材粒子100部と樹脂被覆層形成用溶液(1)12部とを真空脱気型ニーダに入れ、90℃で30分撹拌した後、−65kPaで5分、−70kPaで3分攪拌した後更に減圧して脱気、乾燥させた。
これを冷却した後に目開き75μmの篩にて凝集による粗大粉を除去し、体積平均粒径が37μm、樹脂被覆層厚が0.34μm(被覆量:1.5%)、体積抵抗率が1.3×1011Ωcm、表面の滑り度が0.21μmのキャリア(6)を得た。
<実施例1>
キャリア(1)92部と、トナー(1)8部とをVブレンダーを用い40rpmで20分間攪拌し、200μmの網目を有するシーブで篩うことによりMagentaの現像剤(1)を作製した。
(蛍光X線分析)
この現像剤(1)について、前述の方法により洗浄後、超音波処理後の蛍光X線分析を行い、TiについてNet強度A、Bを求めたところ、A/Bは0.21であった。
(現像剤嵩密度)
現像剤(1)について、前述の方法により30℃、85%RH及び10℃、30%RHの各環境での嵩密度を測定してその差を求めたところ、0.02g/cmであった。
(実機特性)
評価機としてDocu Centre Color 400(富士ゼロックス社製)改造機を使用した。但し、プロセススピードを350mm/secとし、現像器中のトナー濃度センサーは透磁率センサーのみで制御できるように設定した。
上記評価機に現像剤(1)を投入し、画像密度が100%、75%、50%及び25%の5cm×5cmのパッチのあるプリントサンプルを用い、(1)高温高湿(30℃、85%RH)の環境下で5000枚の画像出力を行った。さらに、(2)低温低湿(10℃、30%RH)の環境下で5000枚の画像出力を行った。その後、(3)再度、前記高温高湿の環境下で5000枚の画像出力を行った。
−画質(階調性)−
前記(1)〜(3)の各環境下での画像出力において、1000枚毎にプリントサンプルを採取し、画像密度50%のパッチ内で5箇所の濃度を画像濃度計(X−Rite404A、X−Rite社製)を用いて測定し、以下の基準により階調性を評価した。
◎:画像濃度の最大値と最小値との差が0.3未満。
○:上記差が0.3以上0.5未満。
△:上記差が0.5以上0.8未満。
×:上記差が0.8以上。
−トナー濃度−
前記(1)〜(3)の各環境下での5000枚の画像出力後、現像器より現像剤を採取し、前記界面活性剤溶液を用いた洗浄前後の質量差よりトナー濃度(%)を求めた。
以上の結果を表1にまとめて示す。
<実施例2〜3、比較例1〜5)
実施例1において、キャリア及びトナーを各々表1に示すように組み合わせた以外は、実施例1に準じて現像剤を作製し、これを用いて同様の評価を行った。なお、各実施例におけるA/Bは、比較例4において特定金属をSiとした以外はすべてTiについてNet強度を求めた。
結果をまとめて表1に示す。
Figure 2008268409
表1に示すように、樹脂被覆層が導電粉を含み層厚が磁性粉粒径より大きく、A/Bが前記式(1)の範囲にある実施例では、環境変化による現像剤の嵩密度変化が小さく、トナー濃度も安定しているため、階調性に優れた画像を安定して得ることができる。一方、前記条件の少なくとも1つが満たされない比較例では、環境変化と共に階調性が悪化する傾向が見られた。
本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明における現像器の断面図である。 本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
符号の説明
10 現像剤ハウジング
12 現像ロール
14 攪拌パドル
16 攪拌スクリュー
18 現像剤搬送ロール
20 ATCセンサー
100、200 画像形成装置
107、401a、401b、401c、401d 電子写真感光体(像保持体)
108、402a、402b、402c、402d 帯電装置
110、403 露光装置
111、404a、404b、404c、404d 現像装置(現像手段)
112、212 転写装置(転写手段)
115、414 定着装置(定着手段)
216 取り付けレール
217 除電露光のための開口部
218 露光のための開口部
300 プロセスカートリッジ
500 被転写体

Claims (6)

  1. キャリア及びトナーを含み、
    前記キャリアが、磁性粉が樹脂中に分散された芯材と該芯材を被覆し導電粉を含有する樹脂被覆層とを有し、前記トナーが、表面に少なくとも金属酸化物が外添されて構成され、
    前記樹脂被覆層の層厚が前記磁性粉の体積平均粒径より大きく、キャリア表面の前記金属酸化物中の金属に由来する蛍光X線分析によるNet強度が、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする静電潜像現像用現像剤。
    A/B≦0.45 ・・・ 式(1)
    (上記において、Bは現像剤を界面活性剤溶液で洗浄後のキャリア表面の金属酸化物中の金属に由来するNet強度、Aは前記洗浄後さらに前記界面活性剤溶液中で周波数96kHzの超音波印加により1分処理後のキャリア表面の金属酸化物中の金属に由来するNet強度を各々表す。)
  2. 潤滑剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用現像剤。
  3. 前記金属酸化物の体積抵抗率が、前記キャリアの体積抵抗率より高いことを特徴とする請求項1または2に記載の静電潜像現像用現像剤。
  4. 30℃、85%RHの環境に10時間放置後の現像剤を現像機中で10分攪拌した現像剤の嵩密度Cと、10℃、30%RHの環境に10時間放置後の現像剤を現像機中で10分攪拌した現像剤の嵩密度Dとの差の絶対値(C−D)が、0.045g/cm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電潜像現像用現像剤。
  5. 現像剤保持体を少なくとも備え、請求項1〜4のいずれか1項に記載の静電潜像現像用現像剤を収めることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  6. 像保持体と、該像保持体上に形成された静電潜像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有し、
    前記現像手段が、現像剤中のトナー濃度変化を該現像剤の透磁率変化として検知し前記トナー濃度を制御するトナー濃度制御手段を備え、前記現像剤が請求項1〜4のいずれか1項に記載の静電潜像現像用現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016062040A (ja) * 2014-09-19 2016-04-25 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法

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JP2016062040A (ja) * 2014-09-19 2016-04-25 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法

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