JP2010230721A - 感光性組成物、感光性フィルム、及び、永久パターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光の利用効率を向上させ、i線及びh線の感度が高く、パターン形状が良好で、生保存性も良好な感光性組成物、該感光性組成物を含む感光性フィルム、及び、該感光性組成物を用いたプリント基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の感光性組成物は、光重合開始剤と、365nmの波長の光に対するモル吸光係数をε365nmとし、405nmの波長の光に対するモル吸光係数をε405nmとしたとき、次式、ε365nm/ε405nm>7の関係式を満たす第1の増感剤と、次式、ε405nm/ε365nm>7の関係式を満たす第2の増感剤と、をそれぞれ少なくとも1種含有することを特徴とするである。
【選択図】 なし
【解決手段】本発明の感光性組成物は、光重合開始剤と、365nmの波長の光に対するモル吸光係数をε365nmとし、405nmの波長の光に対するモル吸光係数をε405nmとしたとき、次式、ε365nm/ε405nm>7の関係式を満たす第1の増感剤と、次式、ε405nm/ε365nm>7の関係式を満たす第2の増感剤と、をそれぞれ少なくとも1種含有することを特徴とするである。
【選択図】 なし
Description
本発明は、少なくとも2種の増感剤を用いた感光性組成物、感光性フィルム、及び、永久パターン形成方法に関する。
電子機器の小型化、多機能化に伴って、現在プリント配線板は、より高密度化の方向に進んでいる。例えば、導体回路の細線化、高多層化、ブラインドホ−ル、バリードホール等のインタースティシャルバイアホールを含むスルーホールの小径化、小型チップ部品の表面実装による高密度実装等が挙げられる。
こうしたプリント配線板に用いられるソルダーレジストとしては、高感度化が求められ、種々の露光関連技術及び高感度ソルダーレジストが提案されている。
例えば、出願人は、405nm半導体レーザーに高い感度を有する光重合開始剤を含む感光性組成物を提案している(特許文献1参照)。
また、露光前の乾燥塗膜の厚さ25μmあたり、355〜405nmの波長範囲における吸光度の最大値と最小値の差が0.3以内である感光性組成物が提案されている(特許文献2参照)。
また、露光前の乾燥塗膜が、厚さ25μmあたり、355〜375nmの波長範囲において0.6〜1.2の吸光度を示し、且つ405nmの波長において0.3〜0.6の吸光度を示す感光性組成物が提案されている(特許文献3参照)。
また、乾燥塗膜に第1のレーザー光と、該第1のレーザー光と波長の異なる第2のレーザー光とを照射するソルダーレジスト膜の形成方法も提案されている(特許文献4参照)。
例えば、出願人は、405nm半導体レーザーに高い感度を有する光重合開始剤を含む感光性組成物を提案している(特許文献1参照)。
また、露光前の乾燥塗膜の厚さ25μmあたり、355〜405nmの波長範囲における吸光度の最大値と最小値の差が0.3以内である感光性組成物が提案されている(特許文献2参照)。
また、露光前の乾燥塗膜が、厚さ25μmあたり、355〜375nmの波長範囲において0.6〜1.2の吸光度を示し、且つ405nmの波長において0.3〜0.6の吸光度を示す感光性組成物が提案されている(特許文献3参照)。
また、乾燥塗膜に第1のレーザー光と、該第1のレーザー光と波長の異なる第2のレーザー光とを照射するソルダーレジスト膜の形成方法も提案されている(特許文献4参照)。
しかしながら、i線(365nm)及びh線(405nm)に輝線を有する混合光源を用いて、露光を行う場合、これら従来の感光性組成物においては、光の利用効率が十分でなく、また、感度が低く、所望のパターン形状が得られにくいという問題がある。
即ち、感光性組成物に含まれる光重合開始剤においては、重合開始能力を有する光の波長領域が一定の範囲に限られるため、i線(365nm)及びh線(405nm)の輝線を有する光源を用いた露光を行うと、それぞれの輝線の光を十分に利用することができず、感度が低く、所望のパターンが得られにくいという問題がある。
また、光重合開始剤によっては、自身が重合開始能力を有する波長の光以外の光を吸収することにより、該光重合開始剤を含む重合開始系全体の感度を低下させることがあり、この場合、前記吸収された光の感度を向上させる必要があるという問題がある。
また、感光性組成物から形成される感光性フィルムにおいては、高い保存性が必要である。
即ち、感光性組成物に含まれる光重合開始剤においては、重合開始能力を有する光の波長領域が一定の範囲に限られるため、i線(365nm)及びh線(405nm)の輝線を有する光源を用いた露光を行うと、それぞれの輝線の光を十分に利用することができず、感度が低く、所望のパターンが得られにくいという問題がある。
また、光重合開始剤によっては、自身が重合開始能力を有する波長の光以外の光を吸収することにより、該光重合開始剤を含む重合開始系全体の感度を低下させることがあり、この場合、前記吸収された光の感度を向上させる必要があるという問題がある。
また、感光性組成物から形成される感光性フィルムにおいては、高い保存性が必要である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、光の利用効率を向上させ、i線及びh線の感度が高く、パターン形状が良好で、保存性も良好な感光性組成物、該感光性組成物を含む感光性フィルム、及び、該感光性組成物を用いた永久パターン形成方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> 光重合開始剤と、365nmの波長の光に対するモル吸光係数をε365nmとし、405nmの波長の光に対するモル吸光係数をε405nmとしたとき、次式、ε365nm/ε405nm>7の関係式を満たす第1の増感剤と、次式、ε405nm/ε365nm>7の関係式を満たす第2の増感剤と、をそれぞれ少なくとも1種含有することを特徴とする感光性組成物である。
<2> 光重合開始剤が、365nm〜405nmの波長領域の光に対するモル吸光係数が400より小さいオキシムエステル化合物を含む前記<1>に記載の感光性組成物である。
<3> 第1の増感剤が下記一般式(I)で示される化合物である前記<1>から<2>のいずれかに記載の感光性組成物である。
ただし、前記一般式(I)中、Xは、O、S、又はNR(ただし、Rは水素原子、アルキル基、及びアシル基のいずれかを表す)を表す。nは、0、又は1の整数を表す。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及びR8は、それぞれ独立に水素原子、又は中性の一価の置換基を表す。なお、R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ隣接する2つが互いに連結して環を形成していてもよい。R5又はR6と、R7又はR8とは、互いに連結して脂肪族環を形成してもよいが、芳香族環を形成することはない。
<4> エポキシ化合物、オキセタン化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物にブロック剤を反応させて得られる化合物、及びメラミン誘導体から選択される少なくとも1種のいずれかを含む熱架橋剤を含有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の感光性組成物からなる感光層を支持体上に有することを特徴とする感光性フィルムである。
<6> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の感光性組成物からなる感光層に対して露光を行う露光工程と、前記露光された感光層に対して現像を行う現像工程と、前記現像された感光層に対して硬化処理を行う硬化処理工程と、を少なくとも含むことを特徴とする永久パターン形成方法である。
<1> 光重合開始剤と、365nmの波長の光に対するモル吸光係数をε365nmとし、405nmの波長の光に対するモル吸光係数をε405nmとしたとき、次式、ε365nm/ε405nm>7の関係式を満たす第1の増感剤と、次式、ε405nm/ε365nm>7の関係式を満たす第2の増感剤と、をそれぞれ少なくとも1種含有することを特徴とする感光性組成物である。
<2> 光重合開始剤が、365nm〜405nmの波長領域の光に対するモル吸光係数が400より小さいオキシムエステル化合物を含む前記<1>に記載の感光性組成物である。
<3> 第1の増感剤が下記一般式(I)で示される化合物である前記<1>から<2>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<4> エポキシ化合物、オキセタン化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物にブロック剤を反応させて得られる化合物、及びメラミン誘導体から選択される少なくとも1種のいずれかを含む熱架橋剤を含有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の感光性組成物からなる感光層を支持体上に有することを特徴とする感光性フィルムである。
<6> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の感光性組成物からなる感光層に対して露光を行う露光工程と、前記露光された感光層に対して現像を行う現像工程と、前記現像された感光層に対して硬化処理を行う硬化処理工程と、を少なくとも含むことを特徴とする永久パターン形成方法である。
本発明によれば、従来の前記諸問題を解決することができ、前記目的を達成することができ、本発明は、光の利用効率を向上させ、i線及びh線の感度が高く、パターン形状が良好で、保存性も良好な感光性組成物、該感光性組成物を含む感光性フィルム、及び、該感光性組成物を用いた永久パターン形成方法を提供することができる。
(感光性組成物)
本発明の感光性組成物は、第1の増感剤と、第2の増感剤と、これらの増感剤により増感される光重合開始剤とを含み、バインダー、重合性化合物、熱架橋剤、更に必要に応じて、その他の成分を含んでなる。
一般に、増感剤は、特定の活性放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、重合開始剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用を生じ、これにより重合開始剤の化学変化、即ち、分解、ラジカル、酸或いは塩基等の活性種の生成を促進させ、ここで発生した活性種が後述する重合性化合物の重合、硬化反応を生起、促進させるものである。
本発明の感光性組成物は、第1の増感剤と、第2の増感剤と、これらの増感剤により増感される光重合開始剤とを含み、バインダー、重合性化合物、熱架橋剤、更に必要に応じて、その他の成分を含んでなる。
一般に、増感剤は、特定の活性放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、重合開始剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用を生じ、これにより重合開始剤の化学変化、即ち、分解、ラジカル、酸或いは塩基等の活性種の生成を促進させ、ここで発生した活性種が後述する重合性化合物の重合、硬化反応を生起、促進させるものである。
−第1の増感剤−
前記第1の増感剤は、365nmの波長の光に対するモル吸光係数をε365nmとし、405nmの波長の光に対するモル吸光係数をε405nmとしたとき、次式、ε365nm/ε405nm>7の関係式を満たすものとしてなる。
即ち、前記第1の増感剤は、混合光源におけるi線(365nm)近傍の波長領域に感光性のピークを有し、h線(405nm)近傍の波長領域に吸光度が小さいものが好ましい。
前記第1の増感剤は、365nmの波長の光に対するモル吸光係数をε365nmとし、405nmの波長の光に対するモル吸光係数をε405nmとしたとき、次式、ε365nm/ε405nm>7の関係式を満たすものとしてなる。
即ち、前記第1の増感剤は、混合光源におけるi線(365nm)近傍の波長領域に感光性のピークを有し、h線(405nm)近傍の波長領域に吸光度が小さいものが好ましい。
前記第1の増感剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記一般式(I)で表される増感剤が好ましい。
前記一般式(I)中、Xは、O、S、又はNR(ただし、Rは水素原子、アルキル基、及びアシル基のいずれかを表す)を表す。nは、0、又は1の整数を表す。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及びR8は、それぞれ独立に水素原子、又は中性の一価の置換基を表す。なお、R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ隣接する2つが互いに連結して環を形成していてもよい。R5又はR6と、R7又はR8とは、互いに連結して脂肪族環を形成してもよいが、芳香族環を形成することはない。
前記一般式(I)において、Xとしては、O、又はSであることが好ましく、Sであることがより好ましい。
ここで、nが0の場合、(CR7R8)は存在せず、Xと、R5及びR6と結合した炭素原子と、が直接結合して、Xを含む5員のヘテロ環を構成することになる。
ここで、nが0の場合、(CR7R8)は存在せず、Xと、R5及びR6と結合した炭素原子と、が直接結合して、Xを含む5員のヘテロ環を構成することになる。
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及びR8は、それぞれ独立に水素原子、又は中性の一価の置換基を表す。
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8が1価の置換基を表す場合の、1価の置換基としては、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホリル基、アシル基、カルボキシル基又はスルホ基などが挙げられる。これらの中でも、好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子である。
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8が1価の置換基を表す場合の、1価の置換基としては、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホリル基、アシル基、カルボキシル基又はスルホ基などが挙げられる。これらの中でも、好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子である。
なお、前記一般式(I)におけるR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8が1価の置換基を表す場合のアルキル基としては、炭素数1〜10個のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基のような炭素数1〜4個のものがより好ましい。
同様に、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基のような炭素数1〜4個のものが好ましく挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
同様に、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基のような炭素数1〜4個のものが好ましく挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
R1、R2、R3、及び、R4は、それぞれ隣接する2つが互いに連結、例えば、縮合して環を形成していてもよい。
これらが環を形成する場合の環構造としては、5〜6員環の脂肪族環、芳香族環などが挙げられ、炭素原子以外の元素を含む複素環であってもよく、また、形成された環同士が更に組み合わさって2核環、例えば、縮合環を形成していてもよい。更にこれらの環構造は、前記一般式(I)において、R1乃至R8が1価の置換基を表す場合に例示した置換基を更に有していてもよい。形成された環構造が複素環である場合のヘテロ原子の例としては、N、O、及びSを挙げることができる。
これらが環を形成する場合の環構造としては、5〜6員環の脂肪族環、芳香族環などが挙げられ、炭素原子以外の元素を含む複素環であってもよく、また、形成された環同士が更に組み合わさって2核環、例えば、縮合環を形成していてもよい。更にこれらの環構造は、前記一般式(I)において、R1乃至R8が1価の置換基を表す場合に例示した置換基を更に有していてもよい。形成された環構造が複素環である場合のヘテロ原子の例としては、N、O、及びSを挙げることができる。
n=1の場合、R5又はR6と、R7又はR8は互いに連結して脂肪族環を形成してもよいが、芳香族環を形成することはない。脂肪族環の環員数は、3〜6員環が好ましく、更に好ましくは5員環、もしくは6員環が好ましい。
より好適に用いることのできる増感剤としては、下記一般式(I−A)で示される増感剤が挙げられる。
前記式(I−A)において、Xは、O又はSを表す。nは、0又は1を表す。R1A、R2A、R3A、R4A、R5A、R6A、R7A及びR8Aは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシル基又はスルホ基を表す。R1A、R2A、R3A、及び、R4Aは、それぞれ隣接する2つが互いに連結(縮合)して環を形成していてもよい。R5A又はR6Aと、R7A又はR8Aとは、互いに連結して脂肪族環を形成してもよいが、芳香族環を形成することはない。
更に好適に用いることのできる増感剤としては、下記一般式(I−B)で示される増感剤が挙げられる。
前記式(I−B)において、XはO又はSを表す。R1B、R2B、R3B、R4B、R5B、R6B、R7B及びR8Bはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシル基又はスルホ基を表す。また、R1B、R2B、R3B、及び、R4Bは、それぞれ隣接する2つが互いに連結(縮合)して環を形成していてもよい。R5B又はR6Bと、R7B又はR8Bは互いに連結して脂肪族環を形成してもよいが、芳香族環を形成することはない。
更に好適に用いることのできる増感剤としては、下記一般式(I−C)で示される増感剤が挙げられる。
前記式(I−C)において、R1C、R2C、R3C、R4C、R5C、R6C、R7C及びR8Cはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシル基又はスルホ基を表す。
R1C、R2C、R3C、及び、R4Cは、それぞれ隣接する2つが互いに縮合して5〜6員環の脂肪族環、芳香族環を形成していてもよく、これらの環は、炭素原子以外の元素を含む複素環であってもよく、また、形成された環同士が更に組み合わさって2核環、例えば、縮合環を形成していてもよい。更にこれらの環構造は、前記一般式(I)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8が1価の置換基を表す場合に例示した各置換基を更に有していてもよい。環構造が複素環の場合、ヘテロ原子の例としては、N、O、及びSを挙げることができる。R5C又はR6Cと、R7C又はR8Cは互いに連結して脂肪族環を形成してもよいが、芳香族環を形成することはない。
R1C、R2C、R3C、及び、R4Cは、それぞれ隣接する2つが互いに縮合して5〜6員環の脂肪族環、芳香族環を形成していてもよく、これらの環は、炭素原子以外の元素を含む複素環であってもよく、また、形成された環同士が更に組み合わさって2核環、例えば、縮合環を形成していてもよい。更にこれらの環構造は、前記一般式(I)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8が1価の置換基を表す場合に例示した各置換基を更に有していてもよい。環構造が複素環の場合、ヘテロ原子の例としては、N、O、及びSを挙げることができる。R5C又はR6Cと、R7C又はR8Cは互いに連結して脂肪族環を形成してもよいが、芳香族環を形成することはない。
また、R1C、R2C、R3C、R4C、R5C、R6C、R7C、及びR8Cの少なくとも一つはハロゲン原子であることが好ましい。ハロゲン原子の好ましい置換位置としては、R1C、R2C、R3C、R4Cが挙げられ、R2Cが最も好ましい。好ましいハロゲン原子の数としては好ましくは一つ、又は二つ、更に好ましくは一つである。
更に、R2Cは水素以外の置換基であることが好ましく、中でも、アルキル基、ハロゲン原子、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基が好ましく、特に、アルキル基、ハロゲン原子が好ましく、その場合、光源とのマッチングがよく高感度である。
R7C及びR8Cのいずれかは水素以外の置換基であるほうが好ましく、両方とも水素以外の置換基であることが更に好ましい。好ましい置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基があげられ、中でもアルキル基、アルコキシカルボニル基が好ましく、アルキル基が最も好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができ、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。
R1C、R2C、R3C、R4C、R5C、R6C、R7C、及びR8Cのいずれかがアルキル基である場合、そのアルキル基としては、炭素数1〜10個のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基のような炭素数が1〜4個のものがより好ましい。
R1C、R2C、R3C、R4C、R5C、R6C、R7C、及びR8Cのいずれかがハロゲン原子である場合、そのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができ、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができ、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。
R1C、R2C、R3C、R4C、R5C、R6C、R7C、及びR8Cのいずれかがアルキル基である場合、そのアルキル基としては、炭素数1〜10個のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基のような炭素数が1〜4個のものがより好ましい。
R1C、R2C、R3C、R4C、R5C、R6C、R7C、及びR8Cのいずれかがハロゲン原子である場合、そのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができ、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。
R1C、R2C、R3C、R4C、R5C、R6C、R7C、及びR8Cのいずれかがアシルオキシ基である場合、そのアシルオキシ基としては炭素数2〜10個の脂肪族アシルオキシ基が好ましく、炭素数が2〜5個の脂肪族アシルオキシ基がより好ましい。
R1C、R2C、R3C、R4C、R5C、R6C、R7C、及びR8Cのいずれかがアルコキシカルボニル基である場合、そのアルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜10個の脂肪族アルコキシカルボニル基が好ましく、炭素数が2〜5個のアルコキシカルボニル基がより好ましい。
R1C、R2C、R3C、R4C、R5C、R6C、R7C、及びR8Cのいずれかがアルコキシカルボニル基である場合、そのアルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜10個の脂肪族アルコキシカルボニル基が好ましく、炭素数が2〜5個のアルコキシカルボニル基がより好ましい。
前記第1の増感剤として好適に用いることのできる増感剤の具体例〔例示化合物(I−1)〜(I−133)〕を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
これらの中でも、保存性と365nmの露光波長に対する高感度化を達成できる点から、下記式で表されるチオクロマノン系増感剤が特に好ましい。
なお、前記増感剤は、例えば、特開2004−189695公報、「Tetrahedron」第49巻,p939(1993年)、「Journal of Organic Chemistry」 p893(1945年)、及び、「Journal of Organic Chemistry」 p4939(1965年)などに記載の公知の方法によって合成することができる。
前記感光性組成物における前記第1の増感剤の含有量は、感光性組成物に対して固形分で、0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.1質量%〜5質量%がより好ましく、0.3質量%〜2質量%が更に好ましい。
なお、この特定増感剤は、可視光領域における吸収が殆どないため、効果を発現しうる量を添加しても光硬化性組成物(重合性化合物等)の色相に影響を与える懸念がないという利点をも有するものである。
前記含有量について、後述する光重合開始剤との関連において述べれば、光重合開始剤:第1の増感剤の質量比で200:1〜1:200、好ましくは、50:1〜1:50、より好ましくは、50:1〜1:10の量で含まれることが好適である。
なお、この特定増感剤は、可視光領域における吸収が殆どないため、効果を発現しうる量を添加しても光硬化性組成物(重合性化合物等)の色相に影響を与える懸念がないという利点をも有するものである。
前記含有量について、後述する光重合開始剤との関連において述べれば、光重合開始剤:第1の増感剤の質量比で200:1〜1:200、好ましくは、50:1〜1:50、より好ましくは、50:1〜1:10の量で含まれることが好適である。
−第2の増感剤−
前記第2の増感剤前記第1の増感剤は、365nmの波長の光に対するモル吸光係数をε365nmとし、405nmの波長の光に対するモル吸光係数をε405nmとしたとき、次式、ε405nm/ε365nm>7の関係式を満たすものとしてなる。
即ち、前記第1の増感剤は、混合光源におけるh線(405nm)近傍の波長領域に感光性のピークを有し、i線(365nm)近傍の波長領域に吸光度が小さいものが好ましい。
前記第2の増感剤前記第1の増感剤は、365nmの波長の光に対するモル吸光係数をε365nmとし、405nmの波長の光に対するモル吸光係数をε405nmとしたとき、次式、ε405nm/ε365nm>7の関係式を満たすものとしてなる。
即ち、前記第1の増感剤は、混合光源におけるh線(405nm)近傍の波長領域に感光性のピークを有し、i線(365nm)近傍の波長領域に吸光度が小さいものが好ましい。
前記第2の増感剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記一般式(B−1)で表される増感剤が好ましい。
ただし、前記一般式(B−1)中、R6及びR7は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基のいずれかを表す。
前記アルキル基としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、メチル基、エチル基、等の炭素数1〜10のアルキル基などが好ましい。
前記アルキル基は、置換基で更に置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、シアノ基、アルキルオキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、等)、ハロゲン原子(例えば、クロロ基、ブロモ基、等)、カルボキシル基、カルボアルキルオキシ基、スルホニル基、フェニル基、アリール基(例えば、p−ニトロフェニル基等)、ビニル基、メチルビニル基、シンナミル基、などが挙げられる。
前記アルキル基としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、メチル基、エチル基、等の炭素数1〜10のアルキル基などが好ましい。
前記アルキル基は、置換基で更に置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、シアノ基、アルキルオキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、等)、ハロゲン原子(例えば、クロロ基、ブロモ基、等)、カルボキシル基、カルボアルキルオキシ基、スルホニル基、フェニル基、アリール基(例えば、p−ニトロフェニル基等)、ビニル基、メチルビニル基、シンナミル基、などが挙げられる。
前記アリール基としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、フェニル基、ナフチル基、などが好ましい。
前記アリール基は、置換基で置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、炭素数1〜10のアルキル基、ヒドロキシ基、シアノ基、炭素数1〜10のアルキルオキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、等)、ハロゲン原子(例えば、クロロ基、ブロモ基、等)、カルボキシル基、カルボアルキルオキシ基、スルホニル基、などが挙げられる。
前記アリール基は、置換基で置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、炭素数1〜10のアルキル基、ヒドロキシ基、シアノ基、炭素数1〜10のアルキルオキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、等)、ハロゲン原子(例えば、クロロ基、ブロモ基、等)、カルボキシル基、カルボアルキルオキシ基、スルホニル基、などが挙げられる。
前記アルケニル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ビニル基などが好ましい。
前記アルケニル基は、置換基で更に置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、などが挙げられ、該置換基も更にメチル基等の炭素数1〜10のアルキル基などで置換されていてもよい。
前記アルケニル基は、置換基で更に置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、などが挙げられ、該置換基も更にメチル基等の炭素数1〜10のアルキル基などで置換されていてもよい。
また、前記R6と前記R7とは、それぞれが結合している硫黄原子と共に非金属元素からなる環を形成していてもよい。該環としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5員環、6員環、芳香族環が縮環した5員環、芳香族環が縮環した6員環、などが挙げられる。
前記環は、置換基で更に置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、置換アルキル基、置換アリール基、ヒドロキシ基、シアノ基、アルキルオキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、カルボアルキルオキシ基、スルホニル基、などが挙げられる。
前記環は、置換基で更に置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、置換アルキル基、置換アリール基、ヒドロキシ基、シアノ基、アルキルオキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、カルボアルキルオキシ基、スルホニル基、などが挙げられる。
前記一般式(B−1)中、pは、0〜2のいずれかの整数を表す。
前記一般式(B−1)中、G1及びG2は、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、カルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、及びフルロオアルキルスルホニル基のいずれかを表す。ただし、該G1及び該G2のいずれかは、カルボニル基、シアノ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、及びフルオロアルキルスルホニル基のいずれかを表す。
前記アルキルオキシカルボニル基、前記アルキルチオ基、前記アルキルスルホニル基、及び前記フルオロアルキルスルホニル基におけるアルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、炭素数1〜10のアルキル基などが好ましい。
前記アリールオキシカルボニル基、前記アリールチオ基、及び前記アリールスルホニル基におけるアリール基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、フェニル基、ナフチル基、などが好ましい。
前記アシル基(−COR)としては、例えば、該Rが、アルキル基、アリール基及びアルキルアリール基のいずれかであるものなどが挙げられる。該アリール基及び該アルキルアリール基における、アルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、炭素数1〜10のアルキル基などが好ましい。アリール基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、フェニル基、ナフチル基、などが好ましい。
前記アルキル基及びアリール基としては、置換基で更に置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、炭素数1〜10のアルキル基、ヒドロキシ基、シアノ基、炭素数1〜10のアルキルオキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、カルボアルキルオキシ基、スルホニル基、スルホアルキルオキシ基、炭素数6〜18のアリール基、アシル基、ビニル基、シンナミル基、などが挙げられる。
前記アルキルオキシカルボニル基、前記アルキルチオ基、前記アルキルスルホニル基、及び前記フルオロアルキルスルホニル基におけるアルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、炭素数1〜10のアルキル基などが好ましい。
前記アリールオキシカルボニル基、前記アリールチオ基、及び前記アリールスルホニル基におけるアリール基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、フェニル基、ナフチル基、などが好ましい。
前記アシル基(−COR)としては、例えば、該Rが、アルキル基、アリール基及びアルキルアリール基のいずれかであるものなどが挙げられる。該アリール基及び該アルキルアリール基における、アルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、炭素数1〜10のアルキル基などが好ましい。アリール基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、フェニル基、ナフチル基、などが好ましい。
前記アルキル基及びアリール基としては、置換基で更に置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、炭素数1〜10のアルキル基、ヒドロキシ基、シアノ基、炭素数1〜10のアルキルオキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、カルボアルキルオキシ基、スルホニル基、スルホアルキルオキシ基、炭素数6〜18のアリール基、アシル基、ビニル基、シンナミル基、などが挙げられる。
また、前記G1と前記G2とは、それぞれが結合している炭素原子と共に、非金属原子からなるメロシアニン色素で酸性核として用いられる環を形成していてもよい。該メロシアニン色素で酸性核として用いられる環としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下の(a)〜(t)などが挙げられる。
(a)1,3−ジカルボニル核(例えば1,3−インダンジオン、1,3−シクロヘキサンジオン、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、など)
(b)ピラゾリノン核[例えば、3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−(2−ベンゾチアゾリル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン、など]
(c)イソオキサゾリノン核(例えば、3−フェニル−2−イソオキサゾリン−5−オン、3−メチル−2−イソオキサゾリン−5−オン、など)
(d)オキシインドール核(例えば、1−アルキル−2,3−ジヒドロ−2−オキシインドール)
(e)2,4,6−トリケトヘキサヒドロピリミジン核[例えば、バルビツル酸、2−チオバルビツル酸、及びその誘導体、など。該誘導体としては、例えば、1−メチル、1−エチル等の1−アルキル体;1,3−ジエチル、1,3−ジブチル等の1,3−ジアルキル体;1,3−ジフェニル、1,3−ジ(p−クロロフェニル)、1,3−ジ(p−エトキシカルボニルフェニル)等の1,3−ジアリール体;1−エチル−3−フェニル等の1−アルキル−3−アリール体、などが挙げられる]
(f)2−チオ−2,4−チアゾリジンジオン核(例えば、ローダニン及びその誘導体など。該誘導体としては、例えば、3−エチルローダニン、3−アリルローダニン等の3−アルキルローダニン;3−フェニルスーダニン等の3−アリールローダニン、などが挙げられる)
(g)2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン(2−チオ−2,4−(3H,5H)−オキサゾールジオン)核(例えば、2−エチル−2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン等)
(h)チアナフテノン核[例えば、3(2H)−チアナフテノン、3(2H)−チアナフテノン−1,1−ジオキサイド等]
(i)2−チオ−2,5−チアゾリジンジオン核(例えば、3−エチル−2−チオ−2,5−チアゾリジンジオン等)
(j)2,4−チアゾリジンジオン核(例えば、2,4−チアゾリジンジオン、3−エチル−2,4−チアゾリジンジオン、3−フェニル−2,4−チアゾリジンジオン等)
(k)チアゾリジノン核(例えば、4−チアゾリジノン、3−エチル−4−チアゾリジノン等)
(l)4−チアゾリノン核(例えば、2−エチルメルカプト−5−チアゾリン−4−オン、2−アルキルフェニルアミノ−5−チアゾリン−4−オン等)
(m)2−イミノ−2−オキソゾリン−4−オン(凝ヒダントイン)核
(n)2,4−イミダゾリジンジオン(ヒダントイン)核(例えば、2,4−イミダゾリジンジオン、3−エチル−2,4−イミダゾリジンジオン等)
(o)2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン(2−チオヒダントイン)核(例えば、2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン、3−エチル−2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン等)
(p)2−イミダゾリン−5−オン核(例えば、2−n−プロピル−メルカプト−2−イミダゾリン−5−オン等)
(q)フラン−5−オン核
(r)4−ヒドロキシ−2(1H)−キノリノン核又は4−ヒドロキシ−2(1H)−ピリジノン核[例えばN−メチル−4−ヒドロキシ−2(1H)−キノリノン、N−n−ブチル−4−ヒドロキシ−2(1H)−キノリノン、N−メチル−4−ヒドロキシ−2(1H)−ピリジノン等]
(s)置換基で置換されていてもよい4−ヒドロキシ−2H−ピラン−2−オン核又は4−ヒドロキシクマリン核
(t)置換基で置換されていてもよいチオインドキシル核(例えば、5−メチルチオインドキシル等)
(a)1,3−ジカルボニル核(例えば1,3−インダンジオン、1,3−シクロヘキサンジオン、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、など)
(b)ピラゾリノン核[例えば、3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−(2−ベンゾチアゾリル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン、など]
(c)イソオキサゾリノン核(例えば、3−フェニル−2−イソオキサゾリン−5−オン、3−メチル−2−イソオキサゾリン−5−オン、など)
(d)オキシインドール核(例えば、1−アルキル−2,3−ジヒドロ−2−オキシインドール)
(e)2,4,6−トリケトヘキサヒドロピリミジン核[例えば、バルビツル酸、2−チオバルビツル酸、及びその誘導体、など。該誘導体としては、例えば、1−メチル、1−エチル等の1−アルキル体;1,3−ジエチル、1,3−ジブチル等の1,3−ジアルキル体;1,3−ジフェニル、1,3−ジ(p−クロロフェニル)、1,3−ジ(p−エトキシカルボニルフェニル)等の1,3−ジアリール体;1−エチル−3−フェニル等の1−アルキル−3−アリール体、などが挙げられる]
(f)2−チオ−2,4−チアゾリジンジオン核(例えば、ローダニン及びその誘導体など。該誘導体としては、例えば、3−エチルローダニン、3−アリルローダニン等の3−アルキルローダニン;3−フェニルスーダニン等の3−アリールローダニン、などが挙げられる)
(g)2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン(2−チオ−2,4−(3H,5H)−オキサゾールジオン)核(例えば、2−エチル−2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン等)
(h)チアナフテノン核[例えば、3(2H)−チアナフテノン、3(2H)−チアナフテノン−1,1−ジオキサイド等]
(i)2−チオ−2,5−チアゾリジンジオン核(例えば、3−エチル−2−チオ−2,5−チアゾリジンジオン等)
(j)2,4−チアゾリジンジオン核(例えば、2,4−チアゾリジンジオン、3−エチル−2,4−チアゾリジンジオン、3−フェニル−2,4−チアゾリジンジオン等)
(k)チアゾリジノン核(例えば、4−チアゾリジノン、3−エチル−4−チアゾリジノン等)
(l)4−チアゾリノン核(例えば、2−エチルメルカプト−5−チアゾリン−4−オン、2−アルキルフェニルアミノ−5−チアゾリン−4−オン等)
(m)2−イミノ−2−オキソゾリン−4−オン(凝ヒダントイン)核
(n)2,4−イミダゾリジンジオン(ヒダントイン)核(例えば、2,4−イミダゾリジンジオン、3−エチル−2,4−イミダゾリジンジオン等)
(o)2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン(2−チオヒダントイン)核(例えば、2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン、3−エチル−2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン等)
(p)2−イミダゾリン−5−オン核(例えば、2−n−プロピル−メルカプト−2−イミダゾリン−5−オン等)
(q)フラン−5−オン核
(r)4−ヒドロキシ−2(1H)−キノリノン核又は4−ヒドロキシ−2(1H)−ピリジノン核[例えばN−メチル−4−ヒドロキシ−2(1H)−キノリノン、N−n−ブチル−4−ヒドロキシ−2(1H)−キノリノン、N−メチル−4−ヒドロキシ−2(1H)−ピリジノン等]
(s)置換基で置換されていてもよい4−ヒドロキシ−2H−ピラン−2−オン核又は4−ヒドロキシクマリン核
(t)置換基で置換されていてもよいチオインドキシル核(例えば、5−メチルチオインドキシル等)
前記一般式(B−1)で表される増感剤の中でも、硬化感度の点で、下記一般式(B−2)で表される化合物が好ましい。
ただし、前記一般式(B−2)中、R8及びR9は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アシル基、及びハロゲン原子のいずれかを表す。該R8及び該R9は、互いに連結し芳香族環を形成していてもよく、更に該芳香族環上にアルキル基、アルキルオキシ基、及びハロゲン原子の少なくともいずれかを有していてもよい。
前記一般式(B−2)中、R10及びR11は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、及びアリール基のいずれかを表す。Yは、酸素原子、硫黄原子を表す。
前記アルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エチル基、ブチル基、などが好ましい。
前記アリール基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、フェニル基、などが好ましい。
前記アルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エチル基、ブチル基、などが好ましい。
前記アリール基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、フェニル基、などが好ましい。
前記一般式(B−1)、及び(B−2)の少なくともいずれかで表される増感剤の具体例としては、下記例示化合物No.1〜No.36が挙げられるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
ただし、前記構造式中、t−Buは、tert−ブチル基を表す。Phは、フェニル基を表す。Etは、エチル基を表す。
前記第2の増感剤の感光性組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記重合性化合物に対して、通常0.001質量%〜10質量%が好ましく、0.05質量%〜2質量%がより好ましい。
−光重合開始剤−
前記光重合開始剤としては、重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましく、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
また、前記光重合開始剤は、波長約300nm〜800nmの範囲内に少なくとも約50のモル吸光係数を有する成分を少なくとも1種含有していることが好ましい。前記波長は330nm〜500nmがより好ましい。
前記光重合開始剤としては、重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましく、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
また、前記光重合開始剤は、波長約300nm〜800nmの範囲内に少なくとも約50のモル吸光係数を有する成分を少なくとも1種含有していることが好ましい。前記波長は330nm〜500nmがより好ましい。
前記光重合開始剤としては、特に制限がなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するもの等)、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、メタロセン類などのほか、公知の光重合開始剤のすべてを挙げることができる。中でも、感光層の感度、保存性、及び感光層とプリント配線板形成用基板との密着性等の観点から、トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素、オキシムエステル化合物、ケトン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物が好ましく、オキシムエステル化合物が特に好ましい。
前記オキシムエステル化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、365nm〜405nmの波長領域の光に対するモル吸光係数が、400より小さいオキシムエステル化合物が好ましい。
本発明で好適に用いられるオキシム誘導体としては、例えば、下記一般式(1)で表される。
ただし、上記一般式(1)中、R1は、水素原子、置換基を有してもよいアシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、及びアリールスルホニル基のいずれかを表し、R2は、それぞれ独立に置換基を表す。mは、0〜4の整数を表し、2以上の場合は、互いに連結し環を形成してもよい。Aは、4、5、6、及び7員環のいずれかを表す。また、Aは、5及び6員環のいずれかであるのが好ましい。
また、本発明で用いられるオキシム誘導体(オキシム化合物)としては、下記一般式(2)で表されるものがより好ましい。
このようなオキシムエステル化合物としては、下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
このようなオキシムエステル化合物としては、下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
ただし、上記一般式(2)中、R1は、水素原子、置換基を有してもよいアシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、及びアリールスルホニル基のいずれかを表し、R2は、それぞれ独立に置換基を表す。mは、0〜4の整数を表し、2以上の場合は、互いに連結し環を形成してもよい。Xは、CH2、O、及びSのいずれかを表す。Aは、5及び6員環のいずれかを表す。
前記一般式(1)及び(2)中、R1で表されるアシル基としては、脂肪族、芳香族、及び複素環のいずれでもよく、更に置換基を有してもよい。
脂肪族基としては、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ヘキサノイル基、デカノイル基、フェノキシアセチル基、クロロアセチル基、などが挙げられる。芳香族基としては、ベンゾイル基、ナフトイル基、メトキシベンゾイル基、ニトロベンゾイル基、などが挙げられる。複素環基としては、フラノイル基、チオフェノイル基、などが挙げられる。
置換基としては、アルコキシ基、アリールオキシ基、及びハロゲン原子のいずれかが好ましい。アシル基としては、総炭素数2〜30のものが好ましく、総炭素数2〜20のものがより好ましく、総炭素数2〜16のものが特に好ましい。このようなアシル基としては、例えば、アセチル基、プロパノイル基、メチルプロパノイル基、ブタノイル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、ベンジルカルボニル基、フェノキシアセチル基、2−エチルヘキサノイル基、クロロアセチル基、ベンゾイル基、パラメトキシベンゾイル基、2,5−ジブトキシベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、ピリジルカルボニル基、メタクリロイル基、アクリロイル基、などが挙げられる。
脂肪族基としては、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ヘキサノイル基、デカノイル基、フェノキシアセチル基、クロロアセチル基、などが挙げられる。芳香族基としては、ベンゾイル基、ナフトイル基、メトキシベンゾイル基、ニトロベンゾイル基、などが挙げられる。複素環基としては、フラノイル基、チオフェノイル基、などが挙げられる。
置換基としては、アルコキシ基、アリールオキシ基、及びハロゲン原子のいずれかが好ましい。アシル基としては、総炭素数2〜30のものが好ましく、総炭素数2〜20のものがより好ましく、総炭素数2〜16のものが特に好ましい。このようなアシル基としては、例えば、アセチル基、プロパノイル基、メチルプロパノイル基、ブタノイル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、ベンジルカルボニル基、フェノキシアセチル基、2−エチルヘキサノイル基、クロロアセチル基、ベンゾイル基、パラメトキシベンゾイル基、2,5−ジブトキシベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、ピリジルカルボニル基、メタクリロイル基、アクリロイル基、などが挙げられる。
アルキルオキシカルボニル基としては、置換基を有していてもよく、総炭素数が2〜30のアルコキシカルボニル基が好ましく、総炭素数2〜20のものがより好ましく、総炭素数2〜16のものが特に好ましい。このようなアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニルブトキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、エトキシエトキシカルボニル基、が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、置換基を有していてもよく、総炭素数7〜30のアルコキシカルボニル基が好ましく、総炭素数7〜20のものがより好ましく、総炭素数7〜16のものが特に好ましい。この様なアリールオキシカルボニル基としては、例えば、フェノキシカルボニル基、2−ナフトキシカルボニル基、パラメトキシフェノキシカルボニル基、2,5−ジエトキシフェノキシカルボニル基、パラクロロフェノキシカルボニル基、パラニトロフェノキシカルボニル基、パラシアノフェノキシカルボニル基、が挙げられる。
アルキルスルホニル基としては、更に、置換基を有してもよい。該置換基としては、例えば、フェニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、カルバモイル基、シアノ基、カルボン酸基、スルホン酸基、ヘテロ環基、が好ましく挙げられる。アルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、オクチルスルホニル基、デシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基、ベンジルスルホニル基、トリフルオロメチルスルホニル基、が特に好ましく挙げられる。
アリールスルホニル基としては、更に、置換基を有してもよい。該置換基としては、例えば、フェニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、カルバモイル基、シアノ基、カルボン酸基、スルホン酸基、ヘテロ環基、が好ましく挙げられる。アリールスルホニル基としては、ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基、クロロベンゼンスルホニル基、ブトキシベンゼンスルホニル基、2,5−ジブトキシベンゼンスルホニル基、パラニトロベンゼンスルホニル基、パーフルオロベンゼンスルホニル基、が特に好ましく挙げられる。
前記一般式(1)及び(2)中、R2で示される置換基としては、脂肪族、芳香族、複素芳香族、ハロゲン原子、−OR3、−SR3、−NR3R4、が挙げられる。R3、及びR4は、互いに連結して環を形成してもよい。また、R3、及びR4は、それぞれ独立に水素原子若しくは脂肪族基、芳香族基、複素芳香族基のいずれかを表す。mが2以上であり、互いに連結して環を形成する場合は、それぞれ独立したR2どうしで環を形成してもよく、R3及びR4の少なくともいずれかを介して環を形成してもよい。
前記置換基R2を介して環を形成する場合は下記構造(I)〜(VII)等が挙げられる。なお、前記一般式(1)及び(2)において、下記構造(I)、(II)のようにナフタレン環を含む場合には、Aにヘテロ原子を含まないことが好ましい。
前記構造式中、Y及びZは、CH2、−O−、−S−、及び−NR−のいずれかを表す。
R2、R3、及びR4の脂肪族基、芳香族基、及び複素芳香族基の具体例としては、前記R1と同様のものが挙げられる。
前記一般式(1)で表されるオキシムエステル化合物の具体例としては、下記構造式(1)〜(51)で表される化合物が挙げられるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
なお、本発明で用いられるオキシムエステル化合物は、1H−NMRスペクトル、UV−vis吸収スペクトルを測定して同定することができる。
前記オキシムエステル化合物の製造方法としては、対応するオキシムエステル化合物とアシル塩化物又は無水物との、塩基(例えば、トリエチルアミン、ピリジン)存在下で、THF、DMF、アセトニトリル等の不活性溶媒中か、ピリジンのような塩基性溶媒中で反応させることにより容易に合成できる。前記反応温度としては、−10〜60℃が好ましい。
また、前記アシル塩化物として、クロロ蟻酸エステル、アルキルスルホニルクロライド、アリールスルホニルクロライドを用いることにより、対応する種々のオキシムエステル化合物が合成可能である。
また、前記アシル塩化物として、クロロ蟻酸エステル、アルキルスルホニルクロライド、アリールスルホニルクロライドを用いることにより、対応する種々のオキシムエステル化合物が合成可能である。
前記オキシムエステル化合物製造時の出発材料として用いられるオキシム化合物の合成方法としては、標準的な化学の教科書(例えばJ.March,Advanced Organic Chemistry,4th Edition,Wiley Interscience,1992)、又は専門的なモノグラフ、例えば、S.R. Sandler & W. Karo, Organic functional group preparations,Vol.3,Academic Pressに記載された、様々な方法によって得ることができる。
前記オキシムエステル化合物の特に好ましい合成方法としては、例えば、アルデヒド又はケトンと、ヒドロキシルアミン、又はその塩とを、エタノール若しくはエタノール水のような極性溶媒中で反応させる方法が挙げられる。この場合、酢酸ナトリウム又はピリジンのような塩基を加えて、反応混合物のpHを制御する。反応速度がpH依存性であり、塩基は、開始時にか、又は反応の間連続的に加え得ることは周知である。ピリジンのような塩基性溶媒を、塩基及び/又は溶媒若しくは助溶剤として用いることもできる。前記反応温度としては、一般的には、混合物の還流温度、即ち、約60〜120℃が好ましい。
前記オキシムエステル化合物の他の異なる好ましい合成方法としては、亜硝酸又は亜硝酸アルキルによる「活性」メチレン基のニトロソ化による方法が挙げられる。例えば、Organic Syntheses coll.Vol.VI(J.Wiley&Sons,New York,1988),pp.199 and 840に記載されたような、アルカリ性条件と、例えば、Organic Synthesis coll.Vol.V,pp.32 and 373,coll.Vol.III,pp.191 and 513,coll.Vol.II,pp.202,204 and 363に記載されたような、酸性条件との双方が、前記出発材料として用いられるオキシム化合物の合成に好適である。
前記亜硝酸としては、通常、亜硝酸ナトリウムから生成される。
前記亜硝酸アルキルとしては、例えば、亜硝酸メチル、亜硝酸エチル、亜硝酸イソプロピル、亜硝酸ブチル又は亜硝酸イソアミル、が挙げられる。
前記亜硝酸としては、通常、亜硝酸ナトリウムから生成される。
前記亜硝酸アルキルとしては、例えば、亜硝酸メチル、亜硝酸エチル、亜硝酸イソプロピル、亜硝酸ブチル又は亜硝酸イソアミル、が挙げられる。
前記オキシムエステルの基としては、2種類の立体配置(Z)又は(E)で存在するものであってもよい。慣用の方法によって、異性体を分離してもよいし、異性体混合物を光開始用の種として、そのままで用いてもよい。従って、本発明のオキシム化合物は、前記構造式(1)〜(37)の化合物の立体配置上の異性体の混合物であってもよい。
オキシムエステル化合物は、保存安定性に優れ、高感度であることにより、重合性組成物に添加することで、保存時は重合を生じることなく保存安定性に優れ、エネルギー線、特に光の照射により活性ラジカルを発生して効率的に重合を開始し、該重合性化合物が短時間で効率的に重合し得る高感度な重合性組成物を得ることができる。
なお、前記光重合開始剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記光重合開始剤の前記感光性組成物における含有量は、0.1質量%〜30質量%が好ましく、0.5質量%〜20質量%がより好ましく、0.5質量%〜15質量%が特に好ましい。
また、前記光重合開始剤の前記感光性組成物における含有量は、0.1質量%〜30質量%が好ましく、0.5質量%〜20質量%がより好ましく、0.5質量%〜15質量%が特に好ましい。
−バインダー−
前記バインダーとしては、感光性基およびアルカリ現像性を付与するための酸基を導入した化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と不飽和(メタ)アクリル酸とを反応させた後、さらに多塩基酸無水物を反応させて得られる重合体;(メタ)アクリル酸エステルと不飽和基を含有し且つ少なくとも1個の酸基を有する化合物とから得られた共重合体の一部の酸基にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた変性共重合体;カルボキシル基含有(メタ)アクリル系共重合樹脂と脂環式エポキシ基含有不飽和化合物との反応により得られる重合体などが挙げられる。
前記バインダーとしては、感光性基およびアルカリ現像性を付与するための酸基を導入した化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と不飽和(メタ)アクリル酸とを反応させた後、さらに多塩基酸無水物を反応させて得られる重合体;(メタ)アクリル酸エステルと不飽和基を含有し且つ少なくとも1個の酸基を有する化合物とから得られた共重合体の一部の酸基にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた変性共重合体;カルボキシル基含有(メタ)アクリル系共重合樹脂と脂環式エポキシ基含有不飽和化合物との反応により得られる重合体などが挙げられる。
これらの中でも、感光性組成物をドライフィルム化して感光層とした際に、タック性が低いことから、(メタ)アクリル酸エステルと不飽和基を含有し且つ少なくとも1個の酸基を有する化合物とから得られた共重合体の一部の酸基にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた変性共重合体が好ましい。
前記バインダーの前記感光性組成物固形分中の固形分含有量は、5質量%〜80質量%が好ましく、30質量%〜60質量%がより好ましい。
該固形分含有量が5質量%以上であれば、現像性を付与でき、感光層の粘着性が強くなりすぎることを防止できる。一方、80質量%以下であれば、他の機能を持った成分を20重量%以上含有できるので、感度、絶縁信頼性を付与できる。
該固形分含有量が5質量%以上であれば、現像性を付与でき、感光層の粘着性が強くなりすぎることを防止できる。一方、80質量%以下であれば、他の機能を持った成分を20重量%以上含有できるので、感度、絶縁信頼性を付与できる。
−重合性化合物−
前記重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エチレン性不飽和結合を1つ以上有する化合物が好ましい。
前記重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エチレン性不飽和結合を1つ以上有する化合物が好ましい。
前記エチレン性不飽和結合としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、スチリル基、ビニルエステルやビニルエーテル等のビニル基、アリルエーテルやアリルエステル等のアリル基、などが挙げられる。
前記エチレン性不飽和結合を1つ以上有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、(メタ)アクリル基を有するモノマーから選択される少なくとも1種が好適に挙げられる。
前記(メタ)アクリル基を有するモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンやグリセリン、ビスフェノール等の多官能アルコールに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加反応した後で(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号等の各公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号等の各公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレートやメタクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
前記重合性化合物の前記感光性組成物固形分中の固形分含有量は、5質量%〜50質量%が好ましく、10質量%〜40質量%がより好ましい。該固形分含有量が5質量%以上であれば、現像性、露光感度が良好となり、50質量%以下であれば、感光層の粘着性が強くなりすぎることを防止できる。
−熱架橋剤−
熱架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記感光性フィルムを用いて形成される感光層の硬化後の膜強度を改良するために、現像性等に悪影響を与えない範囲で、例えば、エポキシ化合物を含む化合物、(例えば、1分子内に少なくとも2つのオキシラン基を有するエポキシ化合物)、1分子内に少なくとも2つのオキセタニル基を有するオキセタン化合物を用いることができ、特開2007−47729号公報に記載されているようなオキシラン基を有するエポキシ化合物、β位にアルキル基を有するエポキシ化合物、オキセタニル基を有するオキセタン化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート及びその誘導体のイソシアネート基にブロック剤を反応させて得られる化合物などが挙げられる。
熱架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記感光性フィルムを用いて形成される感光層の硬化後の膜強度を改良するために、現像性等に悪影響を与えない範囲で、例えば、エポキシ化合物を含む化合物、(例えば、1分子内に少なくとも2つのオキシラン基を有するエポキシ化合物)、1分子内に少なくとも2つのオキセタニル基を有するオキセタン化合物を用いることができ、特開2007−47729号公報に記載されているようなオキシラン基を有するエポキシ化合物、β位にアルキル基を有するエポキシ化合物、オキセタニル基を有するオキセタン化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート及びその誘導体のイソシアネート基にブロック剤を反応させて得られる化合物などが挙げられる。
また、前記熱架橋剤として、メラミン誘導体を用いることができる。該メラミン誘導体としては、例えば、メチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン(メチロール基を、メチル、エチル、ブチル等でエーテル化した化合物)等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、保存安定性が良好で、感光層の表面硬度あるいは硬化膜の膜強度自体の向上に有効である点で、アルキル化メチロールメラミンが好ましく、ヘキサメチル化メチロールメラミンが特に好ましい。
これらの熱架橋剤の中でも、エポキシ化合物、オキタセン化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物にブロック剤を反応させて得られる化合物、及びメラミン誘導体が好ましい。
前記熱架橋剤の前記感光性組成物固形分中の固形分含有量は、1質量%〜50質量%が好ましく、3質量%〜30質量%がより好ましい。該固形分含有量が1質量%以上であれば、硬化膜の膜強度が向上され、50質量%以下であれば、現像性、露光感度が良好となる。
前記エポキシ化合物としては、例えば、1分子中に少なくとも2つのオキシラン基を有するエポキシ化合物、β位にアルキル基を有するエポキシ基を少なくとも1分子中に2つ含むエポキシ化合物などが挙げられる。
前記1分子中に少なくとも2つのオキシラン基を有するエポキシ化合物としては、例えば、ビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂(「YX4000ジャパンエポキシレジン社製」等)又はこれらの混合物、イソシアヌレート骨格等を有する複素環式エポキシ樹脂(「TEPIC;日産化学工業(株)製」、「アラルダイトPT810;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製」等)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾ−ルノボラック型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂(例えば低臭素化エポキシ樹脂、高ハロゲン化エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂など)、アリル基含有ビスフェノールA型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジフェニルジメタノール型エポキシ樹脂、フェノールビフェニレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(「HP−7200,HP−7200H;大日本インキ化学工業(株)製」等)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジグリシジルアニリン、トリグリシジルアミノフェノール等)、グリジジルエステル型エポキシ樹脂(フタル酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル等)ヒダントイン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジエポキシド、「GT−300、GT−400、ZEHPE3150;ダイセル化学工業製」等、)、イミド型脂環式エポキシ樹脂、トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、グリシジルフタレート樹脂、テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂、ナフタレン基含有エポキシ樹脂(ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂、市販品としては「ESN−190,ESN−360;新日鉄化学(株)製」、「HP−4032,EXA−4750,EXA−4700;大日本インキ化学工業(株)製」等)、フェノール化合物とジビニルベンゼンやジシクロペンタジエン等のジオレフィン化合物との付加反応によって得られるポリフェノール化合物と、エピクロルヒドリンとの反応物、4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイドの開環重合物を過酢酸等でエポキシ化したもの、線状含リン構造を有するエポキシ樹脂、環状含リン構造を有するエポキシ樹脂、α−メチルスチルベン型液晶エポキシ樹脂、ジベンゾイルオキシベンゼン型液晶エポキシ樹脂、アゾフェニル型液晶エポキシ樹脂、アゾメチンフェニル型液晶エポキシ樹脂、ビナフチル型液晶エポキシ樹脂、アジン型エポキシ樹脂、グリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂(「CP−50S,CP−50M;日本油脂(株)製」等)、シクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートとの共重合エポキシ樹脂、ビス(グリシジルオキシフェニル)フルオレン型エポキシ樹脂、ビス(グリシジルオキシフェニル)アダマンタン型エポキシ樹脂などが挙げられるが、これらに限られるものではない。これらのエポキシ樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、1分子中に少なくとも2つのオキシラン基を有する前記エポキシ化合物以外に、β位にアルキル基を有するエポキシ基を少なくとも1分子中に2つ含むエポキシ化合物を用いることができ、β位がアルキル基で置換されたエポキシ基(より具体的には、β−アルキル置換グリシジル基など)を含む化合物が特に好ましい。
前記β位にアルキル基を有するエポキシ基を少なくとも含むエポキシ化合物は、1分子中に含まれる2個以上のエポキシ基のすべてがβ−アルキル置換グリシジル基であってもよく、少なくとも1個のエポキシ基がβ−アルキル置換グリシジル基であってもよい。
前記β位にアルキル基を有するエポキシ基を少なくとも含むエポキシ化合物は、1分子中に含まれる2個以上のエポキシ基のすべてがβ−アルキル置換グリシジル基であってもよく、少なくとも1個のエポキシ基がβ−アルキル置換グリシジル基であってもよい。
前記オキセタン化合物としては、例えば、1分子内に少なくとも2つのオキセタニル基を有するオキセタン化合物が挙げられる。
具体的には、例えば、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート又はこれらのオリゴマーあるいは共重合体等の多官能オキセタン類の他、オキセタン基を有する化合物と、ノボラック樹脂、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、カルド型ビスフェノール類、カリックスアレーン類、カリックスレゾルシンアレーン類、シルセスキオキサン等の水酸基を有する樹脂など、とのエーテル化合物が挙げられ、この他、オキセタン環を有する不飽和モノマーとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体なども挙げられる。
具体的には、例えば、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート又はこれらのオリゴマーあるいは共重合体等の多官能オキセタン類の他、オキセタン基を有する化合物と、ノボラック樹脂、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、カルド型ビスフェノール類、カリックスアレーン類、カリックスレゾルシンアレーン類、シルセスキオキサン等の水酸基を有する樹脂など、とのエーテル化合物が挙げられ、この他、オキセタン環を有する不飽和モノマーとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体なども挙げられる。
また、前記ポリイソシアネート化合物としては、特開平5−9407号公報記載のポリイソシアネート化合物を用いることができ、該ポリイソシアネート化合物は、少なくとも2つのイソシアネート基を含む脂肪族、環式脂肪族又は芳香族基置換脂肪族化合物から誘導されていてもよい。具体的には、2官能イソシアネート(例えば、1,3−フェニレンジイソシアネートと1,4−フェニレンジイソシアネートとの混合物、2,4−及び2,6−トルエンジイソシアネート、1,3−及び1,4−キシリレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアネート−フェニル)メタン、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン、イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等)、該2官能イソシアネートと、トリメチロールプロパン、ペンタリスルトール、グリセリン等との多官能アルコール;該多官能アルコールのアルキレンオキサイド付加体と、前記2官能イソシアネートとの付加体;ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート及びその誘導体等の環式三量体;などが挙げられる。
前記ポリイソシアネート化合物にブロック剤を反応させて得られる化合物、すなわちポリイソシアネート及びその誘導体のイソシアネート基にブロック剤を反応させて得られる化合物における、イソシアネート基ブロック剤としては、アルコール類(例えば、イソプロパノール、tert−ブタノール等)、ラクタム類(例えば、ε−カプロラクタム等)、フェノール類(例えば、フェノール、クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−sec−ブチルフェノール、p−sec−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール等)、複素環式ヒドロキシル化合物(例えば、3−ヒドロキシピリジン、8−ヒドロキシキノリン等)、活性メチレン化合物(例えば、ジアルキルマロネート、メチルエチルケトキシム、アセチルアセトン、アルキルアセトアセテートオキシム、アセトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等)などが挙げられる。これらの他、特開平6−295060号公報記載の分子内に少なくとも1つの重合可能な二重結合及び少なくとも1つのブロックイソシアネート基のいずれかを有する化合物などを用いることができる。
前記メラミン誘導体としては、例えば、メチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン(メチロール基を、メチル、エチル、ブチルなどでエーテル化した化合物)などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、保存安定性が良好で、感光層の表面硬度あるいは硬化膜の膜強度自体の向上に有効である点で、アルキル化メチロールメラミンが好ましく、ヘキサメチル化メチロールメラミンが特に好ましい。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィラー、熱硬化促進剤、熱重合禁止剤、可塑剤、着色剤(着色顔料あるいは染料)などが挙げられ、更に基材表面への密着促進剤及びその他の助剤類(例えば、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、表面張力調整剤、連鎖移動剤など)を併用してもよい。
これらの成分を適宜含有させることにより、目的とする感光性フィルムの安定性、写真性、膜物性などの性質を調整することができる。
前記フィラーについては、例えば特開2008−250074号公報の段落〔0098〕〜〔0099〕に詳細に記載されている。
前記熱重合禁止剤については、例えば特開2008−250074号公報の段落〔0101〕〜〔0102〕に詳細に記載されている。
前記熱硬化促進剤については、例えば特開2008−250074号公報の段落〔0093〕に詳細に記載されている。
前記可塑剤については、例えば特開2008−250074号公報の段落〔0103〕〜〔0104〕に詳細に記載されている。
前記着色剤については、例えば特開2008−250074号公報の段落〔0105〕〜〔0106〕に詳細に記載されている。
前記密着促進剤については、例えば特開2008−250074号公報の段落〔0107〕〜〔0109〕に詳細に記載されている。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィラー、熱硬化促進剤、熱重合禁止剤、可塑剤、着色剤(着色顔料あるいは染料)などが挙げられ、更に基材表面への密着促進剤及びその他の助剤類(例えば、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、表面張力調整剤、連鎖移動剤など)を併用してもよい。
これらの成分を適宜含有させることにより、目的とする感光性フィルムの安定性、写真性、膜物性などの性質を調整することができる。
前記フィラーについては、例えば特開2008−250074号公報の段落〔0098〕〜〔0099〕に詳細に記載されている。
前記熱重合禁止剤については、例えば特開2008−250074号公報の段落〔0101〕〜〔0102〕に詳細に記載されている。
前記熱硬化促進剤については、例えば特開2008−250074号公報の段落〔0093〕に詳細に記載されている。
前記可塑剤については、例えば特開2008−250074号公報の段落〔0103〕〜〔0104〕に詳細に記載されている。
前記着色剤については、例えば特開2008−250074号公報の段落〔0105〕〜〔0106〕に詳細に記載されている。
前記密着促進剤については、例えば特開2008−250074号公報の段落〔0107〕〜〔0109〕に詳細に記載されている。
(感光性フィルム)
本発明の感光性フィルムは、本発明の前記感光性組成物からなる感光層を支持体上に有し、必要に応じて、その他の層を有してなる。
本発明の感光性フィルムは、本発明の前記感光性組成物からなる感光層を支持体上に有し、必要に応じて、その他の層を有してなる。
−感光層−
前記感光層は、前記感光性組成物からなる層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記感光性組成物を前記支持体上に塗布した後、乾燥させて形成することができる。
また、前記感光層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、1μm〜100μmが好ましく、2μm〜50μmがより好ましく、4μm〜30μmが特に好ましい。
また、前記感光層の積層数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1層であってもよく、2層以上であってもよい。
前記感光層は、前記感光性組成物からなる層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記感光性組成物を前記支持体上に塗布した後、乾燥させて形成することができる。
また、前記感光層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、1μm〜100μmが好ましく、2μm〜50μmがより好ましく、4μm〜30μmが特に好ましい。
また、前記感光層の積層数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1層であってもよく、2層以上であってもよい。
−支持体−
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記感光層を剥離可能であり、かつ光の透過性が良好であるものが好ましく、更に表面の平滑性が良好であることがより好ましい。
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記感光層を剥離可能であり、かつ光の透過性が良好であるものが好ましく、更に表面の平滑性が良好であることがより好ましい。
前記支持体は、合成樹脂製で、かつ透明であるものが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、セロファン、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリテトラフロロエチレン、ポリトリフロロエチレン、セルロース系フィルム、ナイロンフィルム等の各種のプラスチックフィルムが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記支持体の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、2μm〜150μmが好ましく、5μm〜100μmがより好ましく、8μm〜50μmが特に好ましい。
前記支持体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、長尺状が好ましい。前記長尺状の支持体の長さは、特に制限はなく、例えば、10〜20,000mの長さのものが挙げられる。
−−塗布−−
前記塗布の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、スリットコート法、エクストルージョンコート法、カーテンコート法、ダイコート法、グラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ナイフコート法等の各種の塗布方法が挙げられる。
前記塗布の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、スリットコート法、エクストルージョンコート法、カーテンコート法、ダイコート法、グラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ナイフコート法等の各種の塗布方法が挙げられる。
−−乾燥−−
前記乾燥としては、前記感光性組成物を乾燥させて前記支持体上に感光層を形成するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記乾燥の条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60℃〜110℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
前記乾燥としては、前記感光性組成物を乾燥させて前記支持体上に感光層を形成するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記乾燥の条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60℃〜110℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
−その他の層−
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、保護フィルム、熱可塑性樹脂層、バリア層、剥離層、接着層、光吸収層、表面保護層等の層が挙げられる。前記感光性フィルムは、これらの層を1種単独で有していてもよく、2種以上を有していてもよい。
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、保護フィルム、熱可塑性樹脂層、バリア層、剥離層、接着層、光吸収層、表面保護層等の層が挙げられる。前記感光性フィルムは、これらの層を1種単独で有していてもよく、2種以上を有していてもよい。
−−保護フィルム−−
前記感光性フィルムは、前記感光層上に保護フィルムを形成してもよい。
前記保護フィルムとしては、例えば、前記支持体に使用されるもの、紙、ポリエチレン、ポリプロピレンがラミネートされた紙、などが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましい。
前記保護フィルムの厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5μm〜100μmが好ましく、8μm〜50μmがより好ましく、10μm〜30μmが特に好ましい。
前記支持体と保護フィルムとの組合せ(支持体/保護フィルム)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリ塩化ビニル/セロフアン、ポリイミド/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。また、支持体及び保護フィルムの少なくともいずれかを表面処理することにより、層間接着力を調整することができる。前記支持体の表面処理は、前記感光層との接着力を高めるために施されてもよく、例えば、下塗層の塗設、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波照射処理、グロー放電照射処理、活性プラズマ照射処理、レーザ光線照射処理などを挙げることができる。
前記感光性フィルムは、前記感光層上に保護フィルムを形成してもよい。
前記保護フィルムとしては、例えば、前記支持体に使用されるもの、紙、ポリエチレン、ポリプロピレンがラミネートされた紙、などが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましい。
前記保護フィルムの厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5μm〜100μmが好ましく、8μm〜50μmがより好ましく、10μm〜30μmが特に好ましい。
前記支持体と保護フィルムとの組合せ(支持体/保護フィルム)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリ塩化ビニル/セロフアン、ポリイミド/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。また、支持体及び保護フィルムの少なくともいずれかを表面処理することにより、層間接着力を調整することができる。前記支持体の表面処理は、前記感光層との接着力を高めるために施されてもよく、例えば、下塗層の塗設、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波照射処理、グロー放電照射処理、活性プラズマ照射処理、レーザ光線照射処理などを挙げることができる。
また、前記支持体と前記保護フィルムとの静摩擦係数は、0.3〜1.4が好ましく、0.5〜1.2がより好ましい。
前記静摩擦係数が、0.3以上であれば、滑り過ぎによって、ロール状にした場合に巻ズレが発生することを防止でき、1.4以下であれば、良好なロール状に巻くことができる。
前記静摩擦係数が、0.3以上であれば、滑り過ぎによって、ロール状にした場合に巻ズレが発生することを防止でき、1.4以下であれば、良好なロール状に巻くことができる。
前記感光性フィルムは、例えば、円筒状の巻芯に巻き取って、長尺状でロール状に巻かれて保管されることが好ましい。前記長尺状の感光性フィルムの長さは、特に制限はなく、例えば、10m〜20,000mの範囲から適宜選択することができる。また、ユーザーが使いやすいようにスリット加工し、100m〜1,000mの範囲の長尺体をロール状にしてもよい。なお、この場合には、前記支持体が一番外側になるように巻き取られることが好ましい。また、前記ロール状の感光性フィルムをシート状にスリットしてもよい。保管の際、端面の保護、エッジフュージョンを防止する観点から、端面にはセパレーター(特に防湿性のもの、乾燥剤入りのもの)を設置することが好ましく、また梱包も透湿性の低い素材を用いる事が好ましい。
前記保護フィルムは、前記保護フィルムと前記感光層との接着性を調整するために表面処理してもよい。前記表面処理は、例えば、前記保護フィルムの表面に、ポリオルガノシロキサン、弗素化ポリオレフィン、ポリフルオロエチレン、ポリビニルアルコール等のポリマーからなる下塗層を形成させる。該下塗層の形成は、前記ポリマーの塗布液を前記保護フィルムの表面に塗布した後、30℃〜150℃で1〜30分間乾燥させることにより形成させることができる。前記乾燥の際の温度は50℃〜120℃が特に好ましい。
(永久パターンの形成方法)
本発明の永久パターンの形成方法は、少なくとも、露光工程と、現像工程と、硬化処理工程と、を含み、目的に応じて、その他の工程を含んでなる。
本発明の永久パターンの形成方法は、少なくとも、露光工程と、現像工程と、硬化処理工程と、を含み、目的に応じて、その他の工程を含んでなる。
−露光工程−
前記露光工程は、本発明の前記感光性組成物からなる感光層に対して露光を行う工程である。なお、感光層については、本発明の前記感光フィルムにおいて説明した事項のすべてを適用することができる。
前記露光工程は、本発明の前記感光性組成物からなる感光層に対して露光を行う工程である。なお、感光層については、本発明の前記感光フィルムにおいて説明した事項のすべてを適用することができる。
前記露光の対象としては、前記感光性フィルムのほか、前記感光性フィルムにおける感光層を基体上に転写した感光性積層体が挙げられる。
前記基体は、感光層が形成される被処理基体、又は本発明の感光性フィルムの少なくとも感光層が転写される被転写体となるもので、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面平滑性の高いものから凸凹のある表面を持つものまで任意に選択できる。板状の基体が好ましく、いわゆる基板が使用される。具体的には、公知のプリント配線板製造用の基板(プリント基板)、ガラス板(ソーダガラス板など)、合成樹脂性のフィルム、紙、金属板などが挙げられる。
前記感光性積層体の製造方法としては、特に制限はなく、前記基体の表面に本発明の前記感光性フィルムを、加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら積層する方法が挙げられる。なお、前記感光性フィルムが前記保護フィルムを有する場合には、該保護フィルムを剥離し、前記基体に前記感光層が重なるようにして積層するのが好ましい。
前記加熱温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、15℃〜180℃が好ましく、60℃〜140℃がより好ましい。
前記加圧の圧力は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1MPa〜1.0MPaが好ましく、0.2MPa〜0.8MPaがより好ましい。
前記加熱温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、15℃〜180℃が好ましく、60℃〜140℃がより好ましい。
前記加圧の圧力は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1MPa〜1.0MPaが好ましく、0.2MPa〜0.8MPaがより好ましい。
前記加熱の少なくともいずれかを行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラミネーター(例えば、大成ラミネータ社製 VP−II、ニチゴーモートン(株)製 VP130)などが好適に挙げられる。
前記露光を行うための露光装置における光源としては、i線(365nm)、h線(405nm)に輝線を有するものであれば、特に制限はなく、例えば、これらの輝線を有するレーザー照射器、UV光照射器(高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ等)が挙げられる。
−現像工程−
前記現像としては、前記感光層の未露光部分を除去することにより行われる。
前記未硬化領域の除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、現像液を用いて除去する方法などが挙げられる。
前記現像としては、前記感光層の未露光部分を除去することにより行われる。
前記未硬化領域の除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、現像液を用いて除去する方法などが挙げられる。
前記現像液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤などが挙げられ、これらの中でも、弱アルカリ性の水溶液が好ましい。該弱アルカリ水溶液の塩基成分としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、硼砂などが挙げられる。
前記弱アルカリ性の水溶液のpHは、例えば、約8〜12が好ましく、約9〜11がより好ましい。前記弱アルカリ性の水溶液としては、例えば、0.1〜5質量%の炭酸ナトリウム水溶液又は炭酸カリウム水溶液などが挙げられる。
前記現像液の温度は、前記感光層の現像性に合わせて適宜選択することができるが、例えば、約25℃〜40℃が好ましい。
前記現像液の温度は、前記感光層の現像性に合わせて適宜選択することができるが、例えば、約25℃〜40℃が好ましい。
前記現像液は、界面活性剤、消泡剤、有機塩基(例えば、エチレンジアミン、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、ジエチレントリアミン、トリエチレンペンタミン、モルホリン、トリエタノールアミン等)や、現像を促進させるため有機溶剤(例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、ラクトン類等)などと併用してもよい。また、前記現像液は、水又はアルカリ水溶液と有機溶剤を混合した水系現像液であってもよく、有機溶剤単独であってもよい。
−硬化処理工程−
前記硬化処理工程は、前記現像工程が行われた後、形成されたパターンにおける感光層に対して硬化処理を行う工程である。
前記硬化処理工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、全面露光処理、全面加熱処理などが好適に挙げられる。
前記硬化処理工程は、前記現像工程が行われた後、形成されたパターンにおける感光層に対して硬化処理を行う工程である。
前記硬化処理工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、全面露光処理、全面加熱処理などが好適に挙げられる。
前記全面露光処理の方法としては、例えば、前記現像後に、前記永久パターンが形成された前記積層体上の全面を露光する方法が挙げられる。該全面露光により、前記感光層を形成する感光性組成物中の樹脂の硬化が促進され、前記永久パターンの表面が硬化される。
前記全面露光を行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、超高圧水銀灯などのUV露光機が好適に挙げられる。
前記全面露光を行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、超高圧水銀灯などのUV露光機が好適に挙げられる。
前記全面加熱処理の方法としては、前記現像の後に、前記永久パターンが形成された前記積層体上の全面を加熱する方法が挙げられる。該全面加熱により、前記永久パターンの表面の膜強度が高められる。
前記全面加熱における加熱温度は、120℃〜250℃が好ましく、120℃〜200℃がより好ましい。該加熱温度が120℃以上であれば、加熱処理によって膜強度が向上し、250℃以下であれば、前記感光性組成物中の樹脂の分解が生じ、膜質が弱く脆くなることを防止できる。
前記全面加熱における加熱時間は、10分〜120分が好ましく、15分〜60分がより好ましい。
前記全面加熱を行う装置としては、特に制限はなく、公知の装置の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドライオーブン、ホットプレート、IRヒーターなどが挙げられる。
前記全面加熱における加熱温度は、120℃〜250℃が好ましく、120℃〜200℃がより好ましい。該加熱温度が120℃以上であれば、加熱処理によって膜強度が向上し、250℃以下であれば、前記感光性組成物中の樹脂の分解が生じ、膜質が弱く脆くなることを防止できる。
前記全面加熱における加熱時間は、10分〜120分が好ましく、15分〜60分がより好ましい。
前記全面加熱を行う装置としては、特に制限はなく、公知の装置の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドライオーブン、ホットプレート、IRヒーターなどが挙げられる。
前記永久パターンの形成方法が、保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターンの少なくともいずれかを形成する永久パターン形成方法である場合には、プリント配線板上に前記永久パターン形成方法により、永久パターンを形成し、更に、以下のように半田付けを行うことができる。
即ち、前記現像により、前記永久パターンである硬化層が形成され、前記プリント配線板の表面に金属層が露出される。該プリント配線板の表面に露出した金属層の部位に対して金メッキを行った後、半田付けを行う。そして、半田付けを行った部位に、半導体や部品などを実装する。このとき、前記硬化層による永久パターンが、保護膜あるいは絶縁膜(層間絶縁膜)、ソルダーレジストとしての機能を発揮し、外部からの衝撃や隣同士の電極の導通が防止される。
即ち、前記現像により、前記永久パターンである硬化層が形成され、前記プリント配線板の表面に金属層が露出される。該プリント配線板の表面に露出した金属層の部位に対して金メッキを行った後、半田付けを行う。そして、半田付けを行った部位に、半導体や部品などを実装する。このとき、前記硬化層による永久パターンが、保護膜あるいは絶縁膜(層間絶縁膜)、ソルダーレジストとしての機能を発揮し、外部からの衝撃や隣同士の電極の導通が防止される。
−その他の工程−
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、基材の表面処理工程、ポスト露光工程等が挙げられる。
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、基材の表面処理工程、ポスト露光工程等が挙げられる。
本発明の永久パターン形成方法は、前記基体上に永久パターンを形成することに適しており、基体上に永久パターンを形成するプリント基板の製造方法として、利用することができる。
なお、前記プリント基板としては、例えば、前記基体と前記永久パターン間に、さらに絶縁層が設けられたビルドアップ基板とすることもできる。
なお、前記プリント基板としては、例えば、前記基体と前記永久パターン間に、さらに絶縁層が設けられたビルドアップ基板とすることもできる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
(実施例1)
−バインダー溶液の調製−
1,000mL三口フラスコに1−メトキシ−2−プロパノール159gを入れ、窒素気流下、85℃まで加熱した。これに、ベンジルメタクリレート63.4g、メタクリル酸72.3g、V−601(和光純薬製)4.15gの1−メトキシ−2−プロパノール159g溶液を、2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に5時間加熱して反応させた。
次いで、加熱を止め、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(30/70mol%比)の共重合体を得た。
次に、前記共重合体溶液の内、120.0gを300mL三口フラスコに移し、グリシジルメタクリレート16.6g、p−メトキシフェノール0.16gを加え、撹拌し溶解させた。溶解後、トリフェニルホスフィン3.0gを加え、100℃に加熱し、付加反応を行った。グリシジルメタクリレートが消失したことを、ガスクロマトグラフィーで確認し、加熱を止めた。1−メトキシ−2−プロパノール38gを加え、酸価112mgKOH/g、質量平均分子量24,000、固形分46質量%のバインダー溶液を調製した。
−バインダー溶液の調製−
1,000mL三口フラスコに1−メトキシ−2−プロパノール159gを入れ、窒素気流下、85℃まで加熱した。これに、ベンジルメタクリレート63.4g、メタクリル酸72.3g、V−601(和光純薬製)4.15gの1−メトキシ−2−プロパノール159g溶液を、2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に5時間加熱して反応させた。
次いで、加熱を止め、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(30/70mol%比)の共重合体を得た。
次に、前記共重合体溶液の内、120.0gを300mL三口フラスコに移し、グリシジルメタクリレート16.6g、p−メトキシフェノール0.16gを加え、撹拌し溶解させた。溶解後、トリフェニルホスフィン3.0gを加え、100℃に加熱し、付加反応を行った。グリシジルメタクリレートが消失したことを、ガスクロマトグラフィーで確認し、加熱を止めた。1−メトキシ−2−プロパノール38gを加え、酸価112mgKOH/g、質量平均分子量24,000、固形分46質量%のバインダー溶液を調製した。
−感光性フィルムの製造−
支持体としての厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、16FB50)上に、下記の組成からなる感光性組成物溶液を塗布し乾燥させて、前記支持体上に厚さ30μmの感光層を形成した。前記感光層上に、保護層として、厚さ20μmのポリプロピレンフィルム(王子特殊紙株式会社製、アルファンE−200)を積層し、感光性フィルムを製造した。
支持体としての厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、16FB50)上に、下記の組成からなる感光性組成物溶液を塗布し乾燥させて、前記支持体上に厚さ30μmの感光層を形成した。前記感光層上に、保護層として、厚さ20μmのポリプロピレンフィルム(王子特殊紙株式会社製、アルファンE−200)を積層し、感光性フィルムを製造した。
<感光性組成物溶液の組成>
・ 上記バインダー溶液・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27.9質量部
・ ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:KAYARAD DPHA、製造元:日本化薬(株)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14.02質量部
・ 下記構造式A−1で表される光重合開始剤・・・・・・・・・・・・1.50質量部
・ 下記構造式B−1で表される増感剤(ε365nm/ε405nm=7.8)0.47質量部
・ 下記構造式C−1で表される増感剤(ε405nm/ε365nm=10) 0.06質量部
・ エポトートYDF−170(東都化成株式会社製、ビスフェノールF型エポキシ樹脂)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.00質量部
・ 顔料分散液・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35.7質量部
・ メガファックF−780F(大日本インキ株式会社製)の30質量%メチルエチルケトン溶液・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.13質量部
・メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12.0質量部
なお、前記顔料分散液は、シリカ(アドマテックス(株)製、SO−C2)30質量部と、前記バインダー1の溶液48.2質量部と、フタロシアニンブルー0.51質量部と、アントラキノン系黄色顔料(PY24)0.14質量部と、ジシアンジアミド0.37質量部、酢酸ノルマルプロピル59.0質量部とを予め混合した後、モーターミルM−250(アイガー社製)で、直径1.0mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sにて3時間分散して調製したものを用いた。
・ 上記バインダー溶液・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27.9質量部
・ ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:KAYARAD DPHA、製造元:日本化薬(株)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14.02質量部
・ 下記構造式A−1で表される光重合開始剤・・・・・・・・・・・・1.50質量部
・ 下記構造式B−1で表される増感剤(ε365nm/ε405nm=7.8)0.47質量部
・ 下記構造式C−1で表される増感剤(ε405nm/ε365nm=10) 0.06質量部
・ エポトートYDF−170(東都化成株式会社製、ビスフェノールF型エポキシ樹脂)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.00質量部
・ 顔料分散液・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35.7質量部
・ メガファックF−780F(大日本インキ株式会社製)の30質量%メチルエチルケトン溶液・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.13質量部
・メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12.0質量部
なお、前記顔料分散液は、シリカ(アドマテックス(株)製、SO−C2)30質量部と、前記バインダー1の溶液48.2質量部と、フタロシアニンブルー0.51質量部と、アントラキノン系黄色顔料(PY24)0.14質量部と、ジシアンジアミド0.37質量部、酢酸ノルマルプロピル59.0質量部とを予め混合した後、モーターミルM−250(アイガー社製)で、直径1.0mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sにて3時間分散して調製したものを用いた。
(実施例2)
実施例1の感光性組成物溶液の組成における、上記構造式B−1で表される増感剤(ε365nm/ε405nm=7.8)に代えて、下記構造式B−2で表される増感剤(ε365nm/ε405nm=100)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2における感光性フィルムを製造した。
実施例1の感光性組成物溶液の組成における、上記構造式B−1で表される増感剤(ε365nm/ε405nm=7.8)に代えて、下記構造式B−2で表される増感剤(ε365nm/ε405nm=100)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2における感光性フィルムを製造した。
(実施例3)
実施例1の感光性組成物溶液の組成における、上記構造式A−1で表される光重合開始剤に代えて、下記構造式A−2で表される光重合開始剤を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3における感光性フィルムを製造した。
実施例1の感光性組成物溶液の組成における、上記構造式A−1で表される光重合開始剤に代えて、下記構造式A−2で表される光重合開始剤を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3における感光性フィルムを製造した。
(実施例4)
実施例1の感光性組成物溶液の組成における、上記構造式C−1で表される増感剤(ε405nm/ε365nm=10)に代えて、下記構造式C−2で表される増感剤(ε405nm/ε365nm=32)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4における感光性フィルムを製造した。
実施例1の感光性組成物溶液の組成における、上記構造式C−1で表される増感剤(ε405nm/ε365nm=10)に代えて、下記構造式C−2で表される増感剤(ε405nm/ε365nm=32)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4における感光性フィルムを製造した。
(実施例5)
実施例4の感光性組成物溶液の組成における、上記構造式B−1で表される増感剤(ε365nm/ε405nm=7.8)に代えて、上記構造式B−2で表される増感剤(ε365nm/ε405nm=100)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして、実施例5における感光性フィルムを製造した。
実施例4の感光性組成物溶液の組成における、上記構造式B−1で表される増感剤(ε365nm/ε405nm=7.8)に代えて、上記構造式B−2で表される増感剤(ε365nm/ε405nm=100)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして、実施例5における感光性フィルムを製造した。
(比較例1)
実施例1の感光性組成物溶液の組成における、上記構造式B−1で表される増感剤(ε365nm/ε405nm=7.8)及び上記構造式C−1で表される増感剤(ε405nm/ε365nm=10)に代えて、kayacure DETX−S(増感剤;日本化薬社製;ε405nm/ε365nm=0.75)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1における感光性フィルムを製造した。
実施例1の感光性組成物溶液の組成における、上記構造式B−1で表される増感剤(ε365nm/ε405nm=7.8)及び上記構造式C−1で表される増感剤(ε405nm/ε365nm=10)に代えて、kayacure DETX−S(増感剤;日本化薬社製;ε405nm/ε365nm=0.75)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1における感光性フィルムを製造した。
(比較例2)
比較例1の感光性組成物溶液の組成における、上記構造式A−1で表される光重合開始剤を上記構造式A−2で表される光重合開始剤に代えたこと以外は、比較例1と同様にして、比較例2における感光性フィルムを製造した。
比較例1の感光性組成物溶液の組成における、上記構造式A−1で表される光重合開始剤を上記構造式A−2で表される光重合開始剤に代えたこと以外は、比較例1と同様にして、比較例2における感光性フィルムを製造した。
(比較例3)
実施例1の感光性組成物溶液の組成における、上記構造式A−1で表される光重合開始剤1.50質量部に代えて、下記構造式A−3で表される光重合開始剤0.47質量部を用いたこと、及び、上記構造式B−1で表される増感剤(ε365nm/ε405nm=7.8)と上記構造式C−1で表される増感剤(ε405nm/ε365nm=10)とを用いないこと以外は、実施例1と同様にして比較例3における感光性フィルムを製造した。
実施例1の感光性組成物溶液の組成における、上記構造式A−1で表される光重合開始剤1.50質量部に代えて、下記構造式A−3で表される光重合開始剤0.47質量部を用いたこと、及び、上記構造式B−1で表される増感剤(ε365nm/ε405nm=7.8)と上記構造式C−1で表される増感剤(ε405nm/ε365nm=10)とを用いないこと以外は、実施例1と同様にして比較例3における感光性フィルムを製造した。
(比較例4)
実施例1の感光性組成物溶液の組成における、上記構造式A−1で表される光重合開始剤1.50質量部に代えて、下記構造式A−3で表される光重合開始剤0.16質量部及びIRGACURE 907(光重合開始剤;チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1.0質量部、IRGACURE OXE−02(増感剤;チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製;0.04質量部、Lucirin TPO0.16質量部を用いたこと、及び、上記構造式B−1で表される増感剤(ε365nm/ε405nm=7.8)と上記構造式C−1で表される増感剤(ε405nm/ε365nm=10)とを用いないこと以外は、実施例1と同様にして、比較例4における感光性フィルムを製造した。
実施例1の感光性組成物溶液の組成における、上記構造式A−1で表される光重合開始剤1.50質量部に代えて、下記構造式A−3で表される光重合開始剤0.16質量部及びIRGACURE 907(光重合開始剤;チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1.0質量部、IRGACURE OXE−02(増感剤;チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製;0.04質量部、Lucirin TPO0.16質量部を用いたこと、及び、上記構造式B−1で表される増感剤(ε365nm/ε405nm=7.8)と上記構造式C−1で表される増感剤(ε405nm/ε365nm=10)とを用いないこと以外は、実施例1と同様にして、比較例4における感光性フィルムを製造した。
(比較例5)
実施例1の感光性組成物溶液の組成における、上記構造式A−1の光重合開始剤1.50質量部に代えて、Irgacure369(光重合開始剤;チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)2.0質量部を用いたこと、及び、上記構造式B−1で表される増感剤(ε365nm/ε405nm=7.8)と上記構造式C−1で表される増感剤(ε405nm/ε365nm=10)とを用いないこと以外は、実施例1と同様にして、比較例5における感光性フィルムを製造した。
実施例1の感光性組成物溶液の組成における、上記構造式A−1の光重合開始剤1.50質量部に代えて、Irgacure369(光重合開始剤;チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)2.0質量部を用いたこと、及び、上記構造式B−1で表される増感剤(ε365nm/ε405nm=7.8)と上記構造式C−1で表される増感剤(ε405nm/ε365nm=10)とを用いないこと以外は、実施例1と同様にして、比較例5における感光性フィルムを製造した。
(測定方法及び評価)
−モル吸光係数εの測定方法−
実施例1〜5及び比較例1〜5における増感剤のε365nm/ε405nm及びε405nm/ε365nmは、以下のように測定方法した。
上記各増感剤のメタノール溶液を、300nm−450nmの最大吸光度が0.5−1.0の間になる濃度の溶液を調製した。この溶液について、紫外可視分光光度計(島津製作所株式会社製 UV-2400PC)を用いて吸光度を測定した。
また、調製に用いたメタノールと、同一のメタノールについて200nm−500nmの波長範囲における吸光度ベースラインを測定した。調製した溶液の吸光度からベースラインを差し引くことで上記各増感剤溶液の吸光度を測定した。
この吸光度から、405nm、365nmの値(abs405、abs365)を読み取り、abs405/abs365、abs365/abs405を算出した。実施例1〜5及び比較例1〜5における各増感剤のε365nm/ε405nm及びε405nm/ε365nmは、ε365nm/ε405nm=abs365/abs405、ε405nm/ε365nm=abs405/abs365で求められる。
−モル吸光係数εの測定方法−
実施例1〜5及び比較例1〜5における増感剤のε365nm/ε405nm及びε405nm/ε365nmは、以下のように測定方法した。
上記各増感剤のメタノール溶液を、300nm−450nmの最大吸光度が0.5−1.0の間になる濃度の溶液を調製した。この溶液について、紫外可視分光光度計(島津製作所株式会社製 UV-2400PC)を用いて吸光度を測定した。
また、調製に用いたメタノールと、同一のメタノールについて200nm−500nmの波長範囲における吸光度ベースラインを測定した。調製した溶液の吸光度からベースラインを差し引くことで上記各増感剤溶液の吸光度を測定した。
この吸光度から、405nm、365nmの値(abs405、abs365)を読み取り、abs405/abs365、abs365/abs405を算出した。実施例1〜5及び比較例1〜5における各増感剤のε365nm/ε405nm及びε405nm/ε365nmは、ε365nm/ε405nm=abs365/abs405、ε405nm/ε365nm=abs405/abs365で求められる。
−h線感度の測定方法−
基体として、銅張積層板(スルーホールなし、銅厚み12μm)の銅を塩化第二鉄40%溶液でエッチングして除去して調製したものを用い、該基体上に、前記感光性フィルムの感光層が前記銅張積層板に接するようにして前記感光性フィルムにおける保護フィルムを剥がしながら、真空ラミネーター(ニチゴーモートン(株)製、VP130)を用いて積層させ、前記銅張積層板と、前記感光層と、前記ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)とがこの順に積層された感光性積層体を調製した。
圧着条件は、真空引きの時間40秒、圧着温度70℃、圧着圧力0.2MPa、加圧時間10秒とした。
作成された感光性積層体の感光層表面に、INPREX IP−3000(富士フイルム社製、ピクセルピッチ=1.0μm)を用いて、最適露光量にて30μm〜1,000μmまでの独立細線パターンを形成し、室温にて10分間静置した後、前記感光性積層体から前記支持体を剥がし取り、銅張積層板上の感光層の全面に、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて前記最短現像時間の2倍〜3倍の時間(または40秒〜60秒)スプレー現像し、未硬化の領域を溶解除去した。その後、超高圧水銀灯により200mJ/cm2で全面露光を行い、更に150℃で1時間加熱処理(ポストベーク)をしてソルダーレジストパターン(永久パターン)を、形成した。
なお、最適露光量は、以下のようにして、決定した。
前記感光性積層体を、室温(23℃、55%RH)にて10分間静置した。得られた前記積層体の感光層表面に、INPREX IP−3000(富士フイルム社製、ピクセルピッチ=1.0μm)を用いて、L/S(ライン/スペース)=20μm/20μm〜5μm刻みで50μm/50μmまでのパターンデータを5mJ/cm2から21/2倍間隔で200mJ/cm2までの光エネルギー量の異なる光を照射して露光し硬化させた。室温にて10分間静置した後、前記感光性積層体から前記支持体を剥がし取り、銅張積層板上の感光層の全面に、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて40秒スプレー現像し、未硬化の領域を溶解除去した。この様にして得られたパターンの線幅を顕微鏡で観察し、30μm/30μmのパターンが密着している最小エネルギーを感度と定義した。
測定される感度の値は、小さいほどh線感度が高いことを示す。結果を下記表1に示す。
基体として、銅張積層板(スルーホールなし、銅厚み12μm)の銅を塩化第二鉄40%溶液でエッチングして除去して調製したものを用い、該基体上に、前記感光性フィルムの感光層が前記銅張積層板に接するようにして前記感光性フィルムにおける保護フィルムを剥がしながら、真空ラミネーター(ニチゴーモートン(株)製、VP130)を用いて積層させ、前記銅張積層板と、前記感光層と、前記ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)とがこの順に積層された感光性積層体を調製した。
圧着条件は、真空引きの時間40秒、圧着温度70℃、圧着圧力0.2MPa、加圧時間10秒とした。
作成された感光性積層体の感光層表面に、INPREX IP−3000(富士フイルム社製、ピクセルピッチ=1.0μm)を用いて、最適露光量にて30μm〜1,000μmまでの独立細線パターンを形成し、室温にて10分間静置した後、前記感光性積層体から前記支持体を剥がし取り、銅張積層板上の感光層の全面に、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて前記最短現像時間の2倍〜3倍の時間(または40秒〜60秒)スプレー現像し、未硬化の領域を溶解除去した。その後、超高圧水銀灯により200mJ/cm2で全面露光を行い、更に150℃で1時間加熱処理(ポストベーク)をしてソルダーレジストパターン(永久パターン)を、形成した。
なお、最適露光量は、以下のようにして、決定した。
前記感光性積層体を、室温(23℃、55%RH)にて10分間静置した。得られた前記積層体の感光層表面に、INPREX IP−3000(富士フイルム社製、ピクセルピッチ=1.0μm)を用いて、L/S(ライン/スペース)=20μm/20μm〜5μm刻みで50μm/50μmまでのパターンデータを5mJ/cm2から21/2倍間隔で200mJ/cm2までの光エネルギー量の異なる光を照射して露光し硬化させた。室温にて10分間静置した後、前記感光性積層体から前記支持体を剥がし取り、銅張積層板上の感光層の全面に、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて40秒スプレー現像し、未硬化の領域を溶解除去した。この様にして得られたパターンの線幅を顕微鏡で観察し、30μm/30μmのパターンが密着している最小エネルギーを感度と定義した。
測定される感度の値は、小さいほどh線感度が高いことを示す。結果を下記表1に示す。
−i線感度の測定方法−
INPREX IP−3000(富士フイルム社製)の代わりにPARAGON8800(オルボテック製)を使用した以外は同様に実施した。
測定される感度の値は、小さいほどi線感度が高いことを示す。結果を下記表1に示す。
INPREX IP−3000(富士フイルム社製)の代わりにPARAGON8800(オルボテック製)を使用した以外は同様に実施した。
測定される感度の値は、小さいほどi線感度が高いことを示す。結果を下記表1に示す。
−パターン形状の測定方法及び評価−
基体上にライン状に形成されたパターンを電子顕微鏡で観察し、ラインの下部(基体との界面)と、その上部(基体と逆側)の幅をそれぞれ計測し、上部の線幅/下部の線幅の値Aを求めた。
上記パターン形状(i線)の測定方法により測定した結果を以下の基準により評価した。
○: 0.9≦A<1.1
△: 0.8≦A<0.9
×: A<0.8
結果を下記表1に示す。
基体上にライン状に形成されたパターンを電子顕微鏡で観察し、ラインの下部(基体との界面)と、その上部(基体と逆側)の幅をそれぞれ計測し、上部の線幅/下部の線幅の値Aを求めた。
上記パターン形状(i線)の測定方法により測定した結果を以下の基準により評価した。
○: 0.9≦A<1.1
△: 0.8≦A<0.9
×: A<0.8
結果を下記表1に示す。
<生保存性の評価>
基体として、銅張積層板(スルーホールなし、銅厚み12μm)の表面に化学研磨処理を施して調製したものを用い、該銅張積層板上に、前記感光性フィルムの感光層が前記銅張積層板に接するようにして前記感光性フィルムにおける保護フィルムを剥がしながら、真空ラミネーター(ニチゴーモートン(株)製、VP130)を用いて積層させ、前記銅張積層板と、前記感光層と、前記ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)とがこの順に積層された感光性積層体を調製した。
真空ラミネータにおける圧着条件は、真空引きの時間40秒、圧着温度70℃、圧着圧力0.2MPa、加圧時間10秒とした。
前記感光性積層体を室温(23℃、55%RH)で、防湿袋(黒色ポリエチレン製の筒状袋、膜厚:80μm、水蒸気透過率:25g/m2・24hr以下)に密閉してから、40℃で4日間の各期間保存した後において、後述する最短現像時間を測定し、保存前の最短現像時間の値をt0、保存した後の最短現像時間の値をt1とし、t1/t0の値を算出した。4日間保存した後、t1/t0が2.0未満の場合を生保存性が良好であるとして「○」と評価し、t1/t0が2以上の場合を生保存性が不充分であるとして「×」と評価した。結果を下記表1に示す。
前記最短現像時間は、銅張積層板上の前記感光層の全面に30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を0.15MPaの圧力にてスプレーし、炭酸ナトリウム水溶液のスプレー開始から銅張積層板上の前記感光層が溶解除去されるまでに要した時間を測定したものである。
基体として、銅張積層板(スルーホールなし、銅厚み12μm)の表面に化学研磨処理を施して調製したものを用い、該銅張積層板上に、前記感光性フィルムの感光層が前記銅張積層板に接するようにして前記感光性フィルムにおける保護フィルムを剥がしながら、真空ラミネーター(ニチゴーモートン(株)製、VP130)を用いて積層させ、前記銅張積層板と、前記感光層と、前記ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)とがこの順に積層された感光性積層体を調製した。
真空ラミネータにおける圧着条件は、真空引きの時間40秒、圧着温度70℃、圧着圧力0.2MPa、加圧時間10秒とした。
前記感光性積層体を室温(23℃、55%RH)で、防湿袋(黒色ポリエチレン製の筒状袋、膜厚:80μm、水蒸気透過率:25g/m2・24hr以下)に密閉してから、40℃で4日間の各期間保存した後において、後述する最短現像時間を測定し、保存前の最短現像時間の値をt0、保存した後の最短現像時間の値をt1とし、t1/t0の値を算出した。4日間保存した後、t1/t0が2.0未満の場合を生保存性が良好であるとして「○」と評価し、t1/t0が2以上の場合を生保存性が不充分であるとして「×」と評価した。結果を下記表1に示す。
前記最短現像時間は、銅張積層板上の前記感光層の全面に30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を0.15MPaの圧力にてスプレーし、炭酸ナトリウム水溶液のスプレー開始から銅張積層板上の前記感光層が溶解除去されるまでに要した時間を測定したものである。
本発明の感光性組成物は、i線感度及びh線感度がいずれ良好で、i線及びh線に基づくパターン形成性も良好であり、生保存性にも優れることから、保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターン等の永久パターン、等の各種パターン形成用、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等の液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフなどの製造に好適に使用することができ、特に、プリント基板の永久パターン形成に好適に使用することができる。
Claims (6)
- 光重合開始剤と、365nmの波長の光に対するモル吸光係数をε365nmとし、405nmの波長の光に対するモル吸光係数をε405nmとしたとき、次式、ε365nm/ε405nm>7の関係式を満たす第1の増感剤と、次式、ε405nm/ε365nm>7の関係式を満たす第2の増感剤と、をそれぞれ少なくとも1種含有することを特徴とする感光性組成物。
- 光重合開始剤が、365nm〜405nmの波長領域の光に対するモル吸光係数が400より小さいオキシムエステル化合物を含む請求項1に記載の感光性組成物。
- 第1の増感剤が下記一般式(I)で示される化合物である請求項1から2のいずれかに記載の感光性組成物。
- エポキシ化合物、オキセタン化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物にブロック剤を反応させて得られる化合物、及びメラミン誘導体から選択される少なくとも1種のいずれかを含む熱架橋剤を含有する請求項1から3のいずれかに記載の感光性組成物。
- 請求項1から4のいずれかに記載の感光性組成物からなる感光層を支持体上に有することを特徴とする感光性フィルム。
- 請求項1から4のいずれかに記載の感光性組成物を塗布して形成された感光層に対して露光を行う露光工程と、
前記露光された感光層に対して現像を行う現像工程と、
前記現像された感光層に対して硬化処理を行う硬化処理工程と、
を少なくとも含むことを特徴とする永久パターン形成方法。
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