JP5378856B2 - 感光性組成物、感光性フィルム、感光性積層体、永久パターン形成方法、及びプリント基板 - Google Patents
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Description
しかし、これらの光重合開始剤を用いると、感光性組成物の硬化の感応度が低くなって画像形成における像露光に長時間を要してしまうという問題がある。このため、細密な画像の場合には、操作にわずかな振動があると良好な画質の画像が再現できず、更に露光の光源のエネルギー放射量を増大しなければならず、それに伴う多大な発熱の放射を考慮する必要があった。
また、特許文献4には、感光性組成物においてチヨロニウム塩の官能基としてチオクロマノンの記述があるが、これは中性化合物でなく、具体的な化合物についての記述や効果については開示も示唆もされていない。
<1> バインダー、重合性化合物、光重合開始剤、及び下記一般式(I)で表される化合物を含有してなることを特徴とする感光性組成物である。
<2> 熱架橋剤を更に含有する前記<1>に記載の感光性組成物である。
<3> バインダーが、酸性基とエチレン性不飽和結合を側鎖に含む高分子化合物である前記<1>から<2>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<4> 光重合開始剤が、中性の光重合開始剤である前記<1>から<3>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の感光性組成物を含む感光層を支持体上に有してなることを特徴とする感光性フィルムである。
<6> 基体上に、前記<1>から<4>のいずれかに記載の感光性組成物を含む感光層を有することを特徴とする感光性積層体である。
<7> <1>から<4>のいずれかに記載の感光性組成物により形成された感光層に対して露光を行うことを少なくとも含むことを特徴とする永久パターン形成方法である。
<8> 前記<7>に記載の永久パターン形成方法により永久パターンが形成されることを特徴とするプリント基板である。
本発明の感光性組成物は、バインダー、重合性化合物、光重合開始剤、及び下記一般式(I)で表される化合物を含有してなり、熱架橋剤、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
本発明の感光性組成物は、重合開始剤の活性光線照射による分解を促進させるために増感色素を含有するが、その増感色素として、以下に詳述する特定増感色素を必須成分として含有する。
一般に、増感色素は、特定の活性放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感色素は、重合開始剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用を生じ、これにより重合開始剤の化学変化、即ち、分解、ラジカル、酸或いは塩基等の活性種の生成を促進させ、ここで発生した活性種が後述する重合性化合物の重合、硬化反応を生起、促進させるものである。
本発明の感光性組成物は、下記一般式(I)で表される増感色素(特定増感色素)を含有することを要する。
ここで、nが0の場合、(CR7R8)は存在せず、Xと、R5及びR6と結合した炭素原子と、が直接結合して、Xを含む5員のヘテロ環を構成することになる。
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8が1価の置換基を表す場合の、1価の置換基としては、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホリル基、アシル基、カルボキシル基又はスルホ基などが挙げられる。これらの中でも、好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子である。
同様に、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基のような炭素数1〜4個のものが好ましく挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
これらが環を形成する場合の環構造としては、5〜6員環の脂肪族環、芳香族環などが挙げられ、炭素原子以外の元素を含む複素環であってもよく、また、形成された環同士が更に組み合わさって2核環、例えば、縮合環を形成していてもよい。更にこれらの環構造は、前記一般式(I)において、R1乃至R8が1価の置換基を表す場合に例示した置換基を更に有していてもよい。形成された環構造が複素環である場合のヘテロ原子の例としては、N、O、及びSを挙げることができる。
R1C、R2C、R3C、及び、R4Cは、それぞれ隣接する2つが互いに縮合して5〜6員環の脂肪族環、芳香族環を形成していてもよく、これらの環は、炭素原子以外の元素を含む複素環であってもよく、また、形成された環同士が更に組み合わさって2核環、例えば、縮合環を形成していてもよい。更にこれらの環構造は、前記一般式(I)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8が1価の置換基を表す場合に例示した各置換基を更に有していてもよい。環構造が複素環の場合、ヘテロ原子の例としては、N、O、及びSを挙げることができる。R5C又はR6Cと、R7C又はR8Cは互いに連結して脂肪族環を形成してもよいが、芳香族環を形成することはない。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができ、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。
R1C、R2C、R3C、R4C、R5C、R6C、R7C、及びR8Cのいずれかがアルキル基である場合、そのアルキル基としては、炭素数1〜10個のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基のような炭素数が1〜4個のものがより好ましい。
R1C、R2C、R3C、R4C、R5C、R6C、R7C、及びR8Cのいずれかがハロゲン原子である場合、そのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができ、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。
R1C、R2C、R3C、R4C、R5C、R6C、R7C、及びR8Cのいずれかがアルコキシカルボニル基である場合、そのアルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜10個の脂肪族アルコキシカルボニル基が好ましく、炭素数が2〜5個のアルコキシカルボニル基がより好ましい。
なお、この特定増感色素は、可視光領域における吸収が殆どないため、効果を発現しうる量を添加しても光硬化性組成物の色相に影響を与える懸念がないという利点をも有するものである。
前記含有量について、後述する特定重合開始剤との関連において述べれば、特定重合開始剤:特定増感色素の質量比で200:1〜1:200、好ましくは、50:1〜1:50、より好ましくは、50:1〜1:10の量で含まれることが好適である。
本発明においては、前記した特定増感色素に加え、公知の増感色素を本発明の効果を損なわない限りにおいて併用することができる。その他の増感色素は、特定増感色素に対して、特定増感色素:他の増感色素の質量比で1:5〜100:1、好ましくは、1:1〜100:1、より好ましくは、2:1〜100:1の量で添加することが可能である。
併用しうる公知の増感色素の例としては、ベンゾフェノン、チオキサントン、特にまたイソプロピルチオキサントン、アントラキノン及び3−アシルクマリン誘導体、ターフェニル、スチリルケトン及び3−(アロイルメチレン)チアゾリン、ショウノウキノン、エオシン、ローダミン及びエリスロシンなどが挙げられる。
(1)チオキサントン
チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−ドデシルチオキサントン、2,4−ジ−エチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、1−メトキシカルボニルチオキサントン、2−エトキシカルボニルチオキサントン、3−(2−メトキシエトキシカルボニル)チオキサントン、4−ブトキシカルボニルチオキサントン、3−ブトキシカルボニル−7−メチルチオキサントン、1−シアノ−3−クロロチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−クロロチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−エトキシチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−アミノチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−フェニルスルフリルチオキサントン、3,4−ジ−〔2−(2−メトキシエトキシ)エトキシカルボニル〕チオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−(1−メチル−1−モルホリノエチル)チオキサントン、2−メチル−6−ジメトキシメチルチオキサントン、2−メチル−6−(1,1−ジメトキシベンジル)チオキサントン、2−モルホリノメチルチオキサントン、2−メチル−6−モルホリノメチルチオキサントン、n−アリルチオキサントン−3,4−ジカルボキシミド、n−オクチルチオキサントン−3,4−ジカルボキシイミド、N−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)チオキサントン−3,4−ジカルボキシイミド、1−フェノキシチオキサントン、6−エトキシカルボニル−2−メトキシチオキサントン、6−エトキシカルボニル−2−メチルチオキサントン、チオキサントン−2−ポリエチレングリコールエステル、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサントン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロリド;
ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジメチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−(4−メチルチオフェニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、メチル−2−ベンゾイルベンゾアート、4−(2−ヒドロキシエチルチオ)ベンゾフェノン、4−(4−トリルチオ)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N,N−トリメチルベンゼンメタンアミニウムクロリド、2−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロリド一水和物、4−(13−アクリロイル−1,4,7,10,13−ペンタオキサトリデシル)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−〔2−(1−オキソ−2−プロペニル)オキシ〕エチルベンゼンメタンアミニウムクロリド;
3−ベンゾイルクマリン、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジ(プロポキシ)クマリン、3−ベンゾイル−6,8−ジクロロクマリン、3−ベンゾイル−6−クロロクマリン、3,3’−カルボニルビス〔5,7−ジ(プロポキシ)クマリン〕、3,3’−カルボニルビス(7−メトキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−イソブチロイルクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジメトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジエトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジブトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジ(メトキシエトキシ)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジ(アリルオキシ)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−イソブチロイル−7−ジメチルアミノクマリン、5,7−ジメトキシ−3−(1−ナフトイル)クマリン、5,7−ジメトキシ−3−(1−ナフトイル)クマリン、3−ベンゾイルベンゾ〔f〕クマリン、7−ジエチルアミノ−3−チエノイルクマリン、3−(4−シアノベンゾイル)−5,7−ジメトキシクマリン;
3−メチル−2−ベンゾイルメチレン−β−ナフトチアゾリン、3−メチル−2−ベンゾイルメチレンベンゾチアゾリン、3−エチル−2−プロピオニルメチレン−β−ナフトチアゾリン;
9,10−ジメトキシ−アントラセン、9,10−ジエトキシ−アントラセン、9,10−ジメトキシ−2−エチル−アントラセン、
アセトフェノン、3−メトキシアセトフェノン、4−フェニルアセトフェノン、ベンジル、2−アセチルナフタレン、2−ナフトアルデヒド、9,10−ナフトラキノン、9−フルオレノン、ジベンゾスベロン、キサントン、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンジリデン)シクロペンタノン、α−(パラ−ジメチルアミノベンジリデン)ケトン、例えば、2−(4−ジメチルアミノベンジリデン)インダン−1−オン又は3−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−インダン−5−イルプロペノン、3−フェニルチオフタルイミド、N−メチル−3,5−ジ(エチルチオ)フタルイミド。
前記バインダーとしては、感光性基及びアルカリ現像性を付与するための酸基を導入した化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と不飽和(メタ)アクリル酸とを反応させた後、更に多塩基酸無水物を反応させて得られる重合体;(メタ)アクリル酸エステルと不飽和基を含有しかつ少なくとも1個の酸基を有する化合物とから得られた共重合体の一部の酸基にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた変性共重合体;カルボキシル基含有(メタ)アクリル系共重合樹脂と脂環式エポキシ基含有不飽和化合物との反応により得られる重合体などが挙げられる。
前記重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エチレン性不飽和結合を1つ以上有する化合物が好ましい。
前記光重合開始剤としては、前記重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましく、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
また、前記光重合開始剤は、波長約300〜800nmの範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも1種含有していることが好ましい。前記波長は330〜500nmがより好ましい。
前記光重合開始剤としては、中性の光重合開始剤が用いられる。また、必要に応じてその他の光重合開始剤を含んでいてもよい。
前記アセトフェノン系化合物としては、例えばアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−ジフェノキシジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンなどが挙げられる。
前記ベンゾフェノン系化合物としては、例えばベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ジフェノキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
前記ベンゾインエーテル系化合物としては、例えばベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテルなどが挙げられる。
前記ケタール誘導体化合物としては、例えばベンジルジメチルケタールなどが挙げられる。
前記チオキサントン化合物としては、例えば2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、イソプロピルチオキサントンなどが挙げられる。
脂肪族基としては、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ヘキサノイル基、デカノイル基、フェノキシアセチル基、クロロアセチル基、などが挙げられる。芳香族基としては、ベンゾイル基、ナフトイル基、メトキシベンゾイル基、ニトロベンゾイル基、などが挙げられる。複素環基としては、フラノイル基、チオフェノイル基、などが挙げられる。
置換基としては、アルコキシ基、アリールオキシ基、及びハロゲン原子のいずれかが好ましい。アシル基としては、総炭素数2〜30のものが好ましく、総炭素数2〜20のものがより好ましく、総炭素数2〜16のものが特に好ましい。このようなアシル基としては、例えば、アセチル基、プロパノイル基、メチルプロパノイル基、ブタノイル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、ベンジルカルボニル基、フェノキシアセチル基、2−エチルヘキサノイル基、クロロアセチル基、ベンゾイル基、パラメトキシベンゾイル基、2,5−ジブトキシベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、ピリジルカルボニル基、メタクリロイル基、アクリロイル基、などが挙げられる。
また、前記アシル塩化物として、クロロ蟻酸エステル、アルキルスルホニルクロライド、アリールスルホニルクロライドを用いることにより、対応する種々のオキシムエステル化合物が合成可能である。
前記亜硝酸としては、通常、亜硝酸ナトリウムから生成される。
前記亜硝酸アルキルとしては、例えば、亜硝酸メチル、亜硝酸エチル、亜硝酸イソプロピル、亜硝酸ブチル又は亜硝酸イソアミル、が挙げられる。
前記光重合開始剤の前記感光性樹脂組成物における含有量は、0.1質量%〜30質量%が好ましく、0.5質量%〜20質量%がより好ましく、0.5質量%〜15質量%が特に好ましい。
前記熱架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記感光性フィルムを用いて形成される感光層の硬化後の膜強度を改良するために、現像性等に悪影響を与えない範囲で、例えば、エポキシ化合物を含む化合物、(例えば、1分子内に少なくとも2つのオキシラン基を有するエポキシ化合物)、1分子内に少なくとも2つのオキセタニル基を有するオキセタン化合物を用いることができ、特開2007−47729号公報に記載されているようなオキシラン基を有するエポキシ化合物、β位にアルキル基を有するエポキシ化合物、オキセタニル基を有するオキセタン化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート及びその誘導体のイソシアネート基にブロック剤を反応させて得られる化合物などが挙げられる。
前記β位にアルキル基を有するエポキシ基を少なくとも含むエポキシ化合物は、1分子中に含まれる2個以上のエポキシ基のすべてがβ−アルキル置換グリシジル基であってもよく、少なくとも1個のエポキシ基がβ−アルキル置換グリシジル基であってもよい。
具体的には、例えば、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート又はこれらのオリゴマーあるいは共重合体等の多官能オキセタン類の他、オキセタン基を有する化合物と、ノボラック樹脂、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、カルド型ビスフェノール類、カリックスアレーン類、カリックスレゾルシンアレーン類、シルセスキオキサン等の水酸基を有する樹脂など、とのエーテル化合物が挙げられ、この他、オキセタン環を有する不飽和モノマーとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体なども挙げられる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィラー、熱硬化促進剤、熱重合禁止剤、可塑剤、着色剤(着色顔料あるいは染料)などが挙げられ、更に基材表面への密着促進剤及びその他の助剤類(例えば、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、表面張力調整剤、連鎖移動剤など)を併用してもよい。
これらの成分を適宜含有させることにより、目的とする感光性フィルムの安定性、写真性、膜物性などの性質を調整することができる。
前記フィラーについては、例えば特開2008−250074号公報の段落〔0098〕〜〔0099〕に詳細に記載されている。
前記熱重合禁止剤については、例えば特開2008−250074号公報の段落〔0101〕〜〔0102〕に詳細に記載されている。
前記熱硬化促進剤については、例えば特開2008−250074号公報の段落〔0093〕に詳細に記載されている。
前記可塑剤については、例えば特開2008−250074号公報の段落〔0103〕〜〔0104〕に詳細に記載されている。
前記着色剤については、例えば特開2008−250074号公報の段落〔0105〕〜〔0106〕に詳細に記載されている。
前記密着促進剤については、例えば特開2008−250074号公報の段落〔0107〕〜〔0109〕に詳細に記載されている。
本発明の感光性フィルムは、少なくとも、支持体と、該支持体上に本発明の感光性組成物からなる感光層を有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記感光層を剥離可能であり、かつ光の透過性が良好であるものが好ましく、更に表面の平滑性が良好であることがより好ましい。
前記感光層は、感光性組成物からなる層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
また、前記感光層の積層数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1層であってもよく、2層以上であってもよい。
前記乾燥の条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60℃〜110℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、保護フィルム、熱可塑性樹脂層、バリア層、剥離層、接着層、光吸収層、表面保護層等の層が挙げられる。前記感光性フィルムは、これらの層を1種単独で有していてもよく、2種以上を有していてもよい。
前記感光性フィルムは、前記感光層上に保護フィルムを形成してもよい。
前記保護フィルムとしては、例えば、前記支持体に使用されるもの、紙、ポリエチレン、ポリプロピレンがラミネートされた紙、などが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましい。
前記保護フィルムの厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5〜100μmが好ましく、8〜50μmがより好ましく、10〜30μmが特に好ましい。
前記支持体と保護フィルムとの組合せ(支持体/保護フィルム)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリ塩化ビニル/セロフアン、ポリイミド/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。また、支持体及び保護フィルムの少なくともいずれかを表面処理することにより、層間接着力を調整することができる。前記支持体の表面処理は、前記感光層との接着力を高めるために施されてもよく、例えば、下塗層の塗設、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波照射処理、グロー放電照射処理、活性プラズマ照射処理、レーザ光線照射処理などを挙げることができる。
前記静摩擦係数が、0.3以上であれば、滑り過ぎによって、ロール状にした場合に巻ズレが発生することを防止でき、1.4以下であれば、良好なロール状に巻くことができる。
前記感光性積層体は、少なくとも基体と、前記基体上に設けられた感光層と、有してなり、目的に応じて適宜選択されるその他の層を積層してなる。
前記感光層は、上述の製造方法で作製された前記感光性フィルムから転写されたものであり、上述と同様の構成を有する。
前記基体は、感光層が形成される被処理基体、又は本発明の感光性フィルムの少なくとも感光層が転写される被転写体となるもので、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面平滑性の高いものから凸凹のある表面を持つものまで任意に選択できる。板状の基体が好ましく、いわゆる基板が使用される。具体的には、公知のプリント配線板製造用の基板(プリント基板)、ガラス板(ソーダガラス板など)、合成樹脂性のフィルム、紙、金属板などが挙げられる。
前記感光性積層体の製造方法として、本発明の感光性フィルムにおける少なくとも感光層を加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら転写して積層する方法が挙げられる。
前記加熱温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、15〜180℃が好ましく、60〜140℃がより好ましい。
前記加圧の圧力は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1〜1.0MPaが好ましく、0.2〜0.8MPaがより好ましい。
本発明の永久パターン形成方法は、露光工程を少なくとも含み、更に、必要に応じて適宜選択した現像工程等のその他の工程を含む。
前記露光工程は、本発明の感光性積層体における感光層に対し、露光を行う工程である。本発明の感光性積層体については上述の通りである。
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、基材の表面処理工程、現像工程、硬化処理工程、ポスト露光工程などが挙げられる。
前記現像としては、前記感光層の未露光部分を除去することにより行われる。
前記未硬化領域の除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、現像液を用いて除去する方法などが挙げられる。
前記現像液の温度は、前記感光層の現像性に合わせて適宜選択することができるが、例えば、約25〜40℃が好ましい。
前記硬化処理工程は、前記現像工程が行われた後、形成されたパターンにおける感光層に対して硬化処理を行う工程である。
前記硬化処理工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、全面露光処理、全面加熱処理などが好適に挙げられる。
前記全面露光を行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、超高圧水銀灯などのUV露光機が好適に挙げられる。
前記全面加熱における加熱温度は、120〜250℃が好ましく、120〜200℃がより好ましい。該加熱温度が120℃以上であれば、加熱処理によって膜強度が向上し、250℃以下であれば、前記感光性組成物中の樹脂の分解が生じ、膜質が弱く脆くなることを防止できる。
前記全面加熱における加熱時間は、10〜120分が好ましく、15〜60分がより好ましい。
前記全面加熱を行う装置としては、特に制限はなく、公知の装置の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドライオーブン、ホットプレート、IRヒーターなどが挙げられる。
即ち、前記現像により、前記永久パターンである硬化層が形成され、前記プリント配線板の表面に金属層が露出される。該プリント配線板の表面に露出した金属層の部位に対して金メッキを行った後、半田付けを行う。そして、半田付けを行った部位に、半導体や部品などを実装する。このとき、前記硬化層による永久パターンが、保護膜あるいは絶縁膜(層間絶縁膜)、ソルダーレジストとしての機能を発揮し、外部からの衝撃や隣同士の電極の導通が防止される。
本発明のプリント基板は、少なくとも基体と、前記永久パターン形成方法により形成された永久パターンと、を有してなり、更に、必要に応じて適宜選択した、その他の構成を有する。
その他の構成としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、基材と前記永久パターン間に、更に絶縁層が設けられたビルドアップ基板などが挙げられる。
−バインダー(B−1)の合成−
1,000mLの三口フラスコ内に、1−メトキシ−2−プロパノール90.6gを入れ、窒素気流下、90℃まで加熱した。これに、ベンジルメタクリレート105.8g、メタクリル酸120.6gの1−メトキシ−2−プロパノール156g溶液と、V−601(和光純薬株式会社製)7.24gの1−メトキシ−2−プロパノール50g溶液を、それぞれ3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間加熱して反応させた。次いで、V−601(和光純薬株式会社製)2.00gの1−メトキシ−2−プロパノール20g溶液を、1時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間加熱して反応させた後、加熱を止め、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(30/70mol%比)の共重合体を得た。
次に、滴下漏斗にグリシジルメタクリレート105.2g、1−メトキシ−2−プロパノール20gを加え、上記フラスコに、p−メトキシフェノール0.34gを加え、撹拌し溶解させた。溶解後、トリフェニルホスフィン0.82gを加え、100℃に加熱した後、滴下漏斗からグリシジルメタクリレートを1時間かけて滴下し、付加反応を行った。グリシジルメタクリレートが消失したことを、ガスクロマトグラフィーで確認し、加熱を止めた。1−メトキシ−2−プロパノール45.8gを加えた。以上により、下記式で表されるバインダー(B−1)の溶液(固形分45質量%)を合成した。
得られたバインダー(B−1)の酸価は121mgKOH/g、質量平均分子量は3.1万であった。
−上記例示化合物(I−14)の合成−
窒素気流下、クロロベンゼン100mL中、4−クロロベンゼンチオ−ル(東京化成工業株式会社製)100g、クロトン酸(和光純薬工業株式会社製)63gを加え、70℃に過熱した。トリエチルアミン(和光純薬工業株式会社製)32mLを一時間かけて滴下し、3時間後反応し、4−クロロベンゼンチオ−ルの消失をNMRにより確認した。
反応液を2℃まで冷却し、1N塩酸水及び純水にて有機層を充分に洗浄した。硫酸マグネシウムを加え有機相を乾燥した後、固形物を濾別した。
得られた濾液にジメチルアセトアミド(和光純薬工業株式会社製)0.1mLを加え、50℃まで昇温した。チオニルクロリド(和光純薬工業株式会社製)50.2mLを20分かけて滴下した後、50℃で1時間と反応し、反応液Aを得た。
次に、クロロベンゼン200mL、塩化アルミニウム98gを三口フラスコに加え、5℃まで冷却した。ここへ上記反応液Aを反応温度が10℃以下となるように滴下した。滴下後、5時間反応を継続して原料の消失を確認した後、1kgの氷へ反応液をあけ、攪拌した。有機相を分取し、1N塩酸水、純水、飽和食塩水で充分に洗浄し、得られた有機相を減圧濃縮した。これにメタノールを150mLで再結晶し、微黄色固体として、上記例示化合物(I−14)を83g得た。
−上記例示化合物(I−139)の合成−
合成例2において、4−クロロベンゼンチオ−ル100gを2−メルカプトナフタレン111gに変更した以外は、合成法1に従い、微黄色固体として、上記例示化合物(I−139)を90g得た。
−上記例示化合物(I−108)の合成−
窒素気流下、クロロベンゼン200mLを加えたフラスコへ、2−ナフトール(和光純薬工業株式会社製)50g、塩化アルミニウム(和光純薬工業株式会社製)50.9gを加え、攪拌した。ここへクロロアセチルクロリド(和光純薬工業株式会社製)43.1gを1時間かけて滴下した。40度で1時間反応後、140gの氷へ反応物をあけた。攪拌下、濃塩酸65mLを加えた後、酢酸エチル275mLを加えた。攪拌後、静置して有機相を分取し、有機相を4N塩酸水、飽和食塩水で充分に洗浄した。
ここに炭酸カリウム95.7gと純水150mLを加え、40度で一時間加熱反応した。有機相を分取後、飽和食塩水で充分に洗浄した。活性炭3gを有機層に加えて攪拌した後、濾過、濃縮し、析出した固体を濾別した。得られた固体をメタノールで再結晶することで、淡黄色固体の上記例示化合物(I−108)を60g得た。
−感光性フィルムの製造−
支持体としての厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、16FB50)上に、下記の組成からなる感光性組成物溶液を塗布し、乾燥させて、前記支持体上に厚さ30μmの感光層を形成した。前記感光層上に、保護層として、厚さ20μmのポリプロピレンフィルム(王子特殊紙株式会社製、アルファンE−200)を積層し、感光性フィルムを製造した。
・合成例1のバインダー(B−1)の溶液(固形分45質量%)・・・37.2質量部
・重合性化合物(A−DPH、新中村化学工業株式会社製、以下、重合性化合物「J−1」という)・・・11.15質量部
・エポトートYDF−170(東都化成株式会社製、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、以下、熱架橋剤「N−1」という)・・・5.0質量部
・下記式<H−1>で表される光重合開始剤(特開2007−322744号公報に記載の方法で合成)・・・1.0質量部
<H−1>
・増感剤(上記例示化合物(I−1);和光純薬工業株式会社製)・・・1.5質量部
・顔料分散液(以下、「G−1」という)・・・36.1質量部
・メガファックF−780F(大日本インキ化学工業株式会社製)の30質量%メチルエチルケトン溶液・・・0.13質量部
・メチルエチルケトン(溶媒)・・・12.0質量部
なお、前記顔料分散液(G−1)は、シリカ(アドマテックス株式会社製、SO−C2)30質量部と、合成例1のバインダー(B−1)の溶液48.2質量部と、フタロシアニンブルー0.51質量部と、アントラキノン系黄色顔料(PY24)0.14質量部と、酢酸ノルマルプロピル59.0質量部とを予め混合した後、モーターミルM−250(アイガー社製)で、直径1.0mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sにて3時間分散して調製した。
前記基体として、銅張積層板(スルーホールなし、銅厚み12μm)の表面に化学研磨処理を施して調製した。該銅張積層板上に、前記感光性フィルムの感光層が前記銅張積層板に接するようにして前記感光性フィルムにおける保護フィルムを剥がしながら、真空ラミネーター(ニチゴーモートン株式会社製、VP130)を用いて積層させ、前記銅張積層板と、前記感光層と、前記ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)とがこの順に積層された積層体を調製した。
圧着条件は、真空引きの時間40秒、圧着温度70℃、圧着圧力0.2MPa、加圧時間10秒とした。
前記積層体を、室温(23℃、55%RH)にて10分間静置した。得られた前記積層体の感光層表面に、INPREX IP−3000(富士フイルム株式会社製、ピクセルピッチ=1.0μm)を用いて、L/S(ライン/スペース)=50μm/50μmのパターンデータを0.5mJ/cm2から21/2倍間隔で500mJ/cm2までの光エネルギー量の異なる光を照射して露光し、L/S(ライン/スペース)=50μm/50μmのラインパターンを硬化させた。室温にて10分間静置した後、前記感光性積層体から前記支持体を剥がし取り、銅張積層板上の感光層の全面に、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて最短現像時間の2倍〜3倍の時間(又は40秒〜60秒)スプレー現像し、未硬化の領域を溶解除去した。この様にして得られたL=50μmのパターンの線幅をレーザ顕微鏡(VK−9500、キーエンス社製;対物レンズ50倍)を用いて測定し、線幅が50μmとなる露光量を感度(最適露光量)とした。
前記積層体からポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を剥がし取り、銅張積層板上の前記感光層の全面に30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を0.15MPaの圧力にてスプレーし、炭酸ナトリウム水溶液のスプレー開始から銅張積層板上の感光層が溶解除去されるまでに要した時間を測定し、これを最短現像時間とした。この最短現像時間が短い程、現像性に優れる。
前記積層体を室温(23℃、55%RH)で、防湿袋(黒色ポリエチレン製の筒状袋、膜厚:80μm、水蒸気透過率:25g/m2・24hr以下)に密閉してから、40℃で3日間保存した後において、前記最短現像時間の評価におけるのと同様な方法により前記最短現像時間を測定し、前記最短現像時間の評価で得られた値をt0、3日間保存した後における前記最短現像時間の値をt1とし、t1/t0の値を算出した。このt1/t0の値が1に近いほど、生保存性に優れることを意味する。以下の評価基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:t1/t0が1.0≦t1/t0<1.5
〇:t1/t0が1.5≦t1/t0<2.0
△:t1/t0が2.0≦t1/t0<4.0
×:t1/t0が4.0≦t1/t0
基板上に各感光性組成物からなるソルダーレジスト層を形成しロジン系フラックスを塗布した評価基板を、予め260℃に設定したはんだ槽に30秒間浸漬し、変性アルコールでフラックスを洗浄した後、目視によるレジスト層の膨れ、剥れ、及び変色について、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
○:全く変化が認められない
×:塗膜に膨れ、剥れがある
実施例1の感光性組成物溶液における上記式<H−1>で表される光重合開始剤の添加量を1.5質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、感光性フィルム、積層体、及び永久パターンを製造した。
得られた積層体について、実施例1と同様にして、感度、現像性(最短現像時間)、生保存性、及び耐熱性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1の感光性組成物溶液における上記式<H−1>で表される光重合開始剤の添加量を2.5質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、感光性フィルム、積層体、及び永久パターンを製造した。
得られた積層体について、実施例1と同様にして、感度、現像性(最短現像時間)、生保存性、及び耐熱性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1の感光性組成物溶液における上記式<H−1>で表される光重合開始剤を下記式<H−2>で表される光重合開始剤(特開2007−322744号公報に記載の方法で合成)とし、その添加量を1.5質量部に変え、増感剤(上記例示化合物(I−1))を増感剤(上記例示化合物(I−14);合成例2)とし、その添加量を1.4質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、感光性フィルム、積層体、及び永久パターンを製造した。
得られた積層体について、実施例1と同様にして、感度、現像性(最短現像時間)、生保存性、及び耐熱性の評価を行った。結果を表1に示す。
<H−2>
実施例1の感光性組成物溶液における上記式<H−1>で表される光重合開始剤を下記式<H−3>で表される光重合開始剤と(特開2007−322744号公報に記載の方法で合成)し、その添加量を1.5質量部に変え、増感剤(上記例示化合物(I−1))を増感剤(上記例示化合物(I−14);合成例2)とし、その添加量を1.4質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、感光性フィルム、積層体、及び永久パターンを製造した。
得られた積層体について、実施例1と同様にして、感度、現像性(最短現像時間)、生保存性、及び耐熱性の評価を行った。結果を表1に示す。
<H−3>
実施例1の感光性組成物溶液における上記式<H−1>で表される光重合開始剤を下記式<H−4>で表される光重合開始剤(特開2007−322744号公報に記載の方法で合成)とし、その添加量を1.5質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、感光性フィルム、積層体、及び永久パターンを製造した。
得られた積層体について、実施例1と同様にして、感度、現像性(最短現像時間)、生保存性、及び耐熱性の評価を行った。結果を表1に示す。
<H−4>
実施例1の感光性組成物溶液における上記式<H−1>で表される光重合開始剤の添加量を1.5質量部に変え、増感剤(上記例示化合物(I−1))を増感剤(上記例示化合物(I−17);アルドリッチ社製)とし、その添加量を1.6質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、感光性フィルム、積層体、及び永久パターンを製造した。
得られた積層体について、実施例1と同様にして、感度、現像性(最短現像時間)、生保存性、及び耐熱性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1の感光性組成物溶液における上記式<H−1>で表される光重合開始剤の添加量を1.5質量部に変え、バインダー(B−1)をPR300(大日本インキ化学工業株式会社製、以下、バインダー「B−2」という)に代え、重合性化合物J−1をA−TMMT(新中村化学工業株式会社製、以下、重合性化合物「J−2」という)に代え、熱架橋剤N−1を熱架橋剤N−2(TEPIC、日産化学株式会社製)に代え、増感剤(上記例示化合物(I−1))を増感剤(上記例示化合物(I−14);合成例2)とし、その添加量を1.4質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、感光性フィルム、積層体、及び永久パターンを製造した。
得られた積層体について、実施例1と同様にして、感度、現像性(最短現像時間)、生保存性、及び耐熱性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1の感光性組成物溶液における上記式<H−1>で表される光重合開始剤の添加量を1.5質量部に変え、増感剤(上記例示化合物(I−1))を増感剤(上記例示化合物(I−139);合成例3)とし、その添加量を1.5質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、感光性フィルム、積層体、及び永久パターンを製造した。
得られた積層体について、実施例1と同様にして、感度、現像性(最短現像時間)、生保存性、及び耐熱性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1の感光性組成物溶液における上記式<H−1>で表される光重合開始剤を下記式<H−6>で表される光重合開始剤(特開2007−322744号公報に記載の方法で合成)とし、その添加量を2.5質量部に変え、増感剤(上記例示化合物(I−1))を増感剤(上記例示化合物(I−14);合成例2)とし、その添加量を2.0質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、感光性フィルム、積層体、及び永久パターンを製造した。
得られた積層体について、実施例1と同様にして、感度、現像性(最短現像時間)、生保存性、及び耐熱性の評価を行った。結果を表1に示す。
<H−6>
(実施例11)
実施例1の感光性組成物溶液における上記式<H−1>で表される光重合開始剤を下記式<H−7>で表される光重合開始剤(特開2007−322744号公報に記載の方法で合成)とし、その添加量を2.5質量部に変え、増感剤(上記例示化合物(I−1))を増感剤(上記例示化合物(I−14);合成例2)とし、その添加量を2.0質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、感光性フィルム、積層体、及び永久パターンを製造した。
得られた積層体について、実施例1と同様にして、感度、現像性(最短現像時間)、生保存性、及び耐熱性の評価を行った。結果を表1に示す。
<H−7>
実施例1の感光性組成物溶液における上記式<H−1>で表される光重合開始剤を上記式<H−6>で表される光重合開始剤とし、その添加量を2.5質量部に変え、増感剤(上記例示化合物(I−1))を増感剤(上記例示化合物(I−139);合成例3)とし、その添加量を1.6質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、感光性フィルム、積層体、及び永久パターンを製造した。
得られた積層体について、実施例1と同様にして、感度、現像性(最短現像時間)、生保存性、及び耐熱性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1の感光性組成物溶液における上記式<H−1>で表される光重合開始剤を上記式<H−7>で表される光重合開始剤とし、その添加量を2.5質量部に変え、増感剤(上記例示化合物(I−1))を増感剤(上記例示化合物(I−139);合成例3)とし、その添加量を1.6質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、感光性フィルム、積層体、及び永久パターンを製造した。
得られた積層体について、実施例1と同様にして、感度、現像性(最短現像時間)、生保存性、及び耐熱性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1の感光性組成物溶液における上記式<H−1>で表される光重合開始剤を上記式<H−6>で表される光重合開始剤2.5質量部に変え、増感剤(上記例示化合物(I−1))を増感剤(上記例示化合物(I−108);合成例4)とし、その添加量を1.6質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、感光性フィルム、積層体、及び永久パターンを製造した。
得られた積層体について、実施例1と同様にして、感度、現像性(最短現像時間)、生保存性、及び耐熱性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1の感光性組成物溶液における上記式<H−1>で表される光重合開始剤を上記式<H−7>で表される光重合開始剤2.5質量部に変え、増感剤(上記例示化合物(I−1))を増感剤(上記例示化合物(I−108);合成例4)とし、その添加量を1.6質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、感光性フィルム、積層体、及び永久パターンを製造した。
得られた積層体について、実施例1と同様にして、感度、現像性(最短現像時間)、生保存性、及び耐熱性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1の感光性組成物溶液における上記式<H−1>で表される光重合開始剤を下記式<H−5>で表される光重合開始剤1.5質量部に変え、増感剤(上記例示化合物(I−1))を下記式<I−X>で表される増感剤とし、その添加量を1.1質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、感光性フィルム、積層体、及び永久パターンを製造した。
得られた積層体について、実施例1と同様にして、感度、現像性(最短現像時間)、生保存性、及び耐熱性の評価を行った。結果を表1に示す。
<H−5>
実施例1の感光性組成物溶液における上記式<H−1>で表される光重合開始剤の添加量を1.5質量部に変え、増感剤(上記例示化合物(I−1))を下記式<I−Y>で表される増感剤とし、その添加量を1.0質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、感光性フィルム、積層体、及び永久パターンを製造した。
得られた積層体について、実施例1と同様にして、感度、現像性(最短現像時間)、生保存性、及び耐熱性の評価を行った。結果を表1に示す。
<I−Y>
本発明の感光性フィルムは、耐熱性及び保存性が向上し、高精細な永久パターンを効率よく形成可能であるため、保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターン等の永久パターン等の各種パターン形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁などの液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフの製造等に好適に用いることができ、特にプリント基板の永久パターン形成用に好適に用いることができる。
本発明のパターン形成方法は、前記感光性組成物を用いるため、保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターン等の永久パターン等の各種パターン形成用、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等の液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフの製造等に好適に用いることができ、特にプリント基板の永久パターン形成に好適に用いることができる。
Claims (9)
- バインダー、重合性化合物、中性の光重合開始剤、及び下記一般式(I)で表される化合物を含有してなることを特徴とする感光性組成物。
- 熱架橋剤を更に含有する請求項1に記載の感光性組成物。
- バインダーが、酸性基とエチレン性不飽和結合を側鎖に含む高分子化合物である請求項1から2のいずれかに記載の感光性組成物。
- 請求項1から3のいずれかに記載の感光性組成物を含む感光層を支持体上に有してなることを特徴とする感光性フィルム。
- 基体上に、請求項1から3のいずれかに記載の感光性組成物を含む感光層を有することを特徴とする感光性積層体。
- 請求項1から3のいずれかに記載の感光性組成物により形成された感光層に対して露光を行うことを少なくとも含むことを特徴とする永久パターン形成方法。
- 請求項6に記載の永久パターン形成方法により永久パターンが形成されることを特徴とするプリント基板。
- バインダー、重合性化合物、光重合開始剤、熱架橋剤、及び下記一般式(I)で表される化合物を含有してなることを特徴とする感光性組成物。
- バインダー、重合性化合物、光重合開始剤、及び下記一般式(I)で表される化合物を含有してなる感光性組成物を含む感光層を支持体上に有してなることを特徴とする感光性フィルム。
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