JP2010229352A - 超強酸基を有する芳香族高分子電解質及びその利用 - Google Patents
超強酸基を有する芳香族高分子電解質及びその利用 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010229352A JP2010229352A JP2009080159A JP2009080159A JP2010229352A JP 2010229352 A JP2010229352 A JP 2010229352A JP 2009080159 A JP2009080159 A JP 2009080159A JP 2009080159 A JP2009080159 A JP 2009080159A JP 2010229352 A JP2010229352 A JP 2010229352A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polymer electrolyte
- group
- aromatic
- fuel cell
- strong acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- YWFPGFJLYRKYJZ-UHFFFAOYSA-N Oc1ccc(C2(c3ccccc3-c3c2cccc3)c(cc2)ccc2O)cc1 Chemical compound Oc1ccc(C2(c3ccccc3-c3c2cccc3)c(cc2)ccc2O)cc1 YWFPGFJLYRKYJZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Fuel Cell (AREA)
- Polyethers (AREA)
- Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
- Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)
- Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
- Inert Electrodes (AREA)
Abstract
【解決手段】 主鎖及び側鎖に芳香環を有する構造を含む繰り返し単位を有し、超強酸基が前記繰り返し単位あたり1.3個以上含まれ、かつ各超強酸基は前記構造の、異なる芳香環に導入されてなる、芳香族高分子電解質に関する。
【選択図】なし
Description
このような中で、フルオレニルジフェニレン基、フェニルメチンジフェニレン基、などの嵩高い芳香族基を持つポリエーテル高分子にスルホン酸基を導入した電解質が報告されている(例えば、特許文献3、4を参照。)。しかし、これら構造において耐久性は65℃の水中での3日間における形態変化を観察しているのみで、本質的な解決はなされていない。
本発明の請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の燃料電池用電解質を含む、燃料電池用電解質膜である。
本発明の請求項15に記載の発明は、請求項13に記載の燃料電池用電解質を含む、燃料電池用電極形成材料である。
本発明の請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の燃料電池用電極形成材料を含む燃料電池用電極である。
本発明の請求項17に記載の発明は、請求項14に記載の燃料電池用電解質膜、および/または、請求項15に記載の燃料電池用電極を含む、燃料電池用膜/電極接合体である。
本発明の請求項18に記載の発明は、請求項17に記載の燃料電池用膜/電極接合体を含む燃料電池である。
本発明にかかる芳香族高分子電解質は、主鎖及び側鎖に芳香環を有する構造を含む繰り返し単位を有し、超強酸基が前記繰り返し単位あたり1.3個以上含まれ、かつ各超強酸基は前記構造の異なる芳香環に導入されてなる、芳香族高分子電解質である。ここで、超強酸基とは、100%硫酸よりも実質的に強い(pKaの小さい)酸を意味する。このような超強酸基としては、フルオロアルキルスルホン酸基、フルオロベンゼンスルホン酸基、スルホンイミド基、フルオロアルキルスルホンイミド基、フルオロアルキルカルボン酸基、フルオロアルキルホスホン酸基などが挙げられる。中でも好ましくは、具体的には下記一般式(1)で示される超強酸基が、合成も比較的容易であり好ましい。
上記一般式(1)で示される超強酸基として好ましくは、下記化学群が例示される。
前記主鎖及び側鎖に芳香環を有する構造は、下記化学式群から選ばれる少なくとも1種であることが、材料の入手のしやすさ、得られる高分子電解質の性能の点から好ましい。
例えば、下記一般式(2)において、Ar1、Ar3が式(7)群より選択される少なくとも1種類、Ar2、Ar4が式(8)群より選択される少なくとも1種類で、複数有るAr1〜Ar4はすべて異なっていても、一部異なっていても、すべて異なっていても良く、また、連結基を示すX1、X2、X3、X4は、OまたはSが好ましく、複数有るX1〜X4はすべて異なっていても、一部異なっていても、すべて異なっていても良い構造が挙げられる。超強酸基は繰り返し単位あたり1.3個以上、かつ異なる芳香環に導入されており、すくなくとも1個は側鎖を形成する芳香環に導入されている。
なお、本発明の芳香族高分子電解質の構造は、2種類以上の繰り返し単位を構造としてもつ場合、この2つの構造の順番は規則的なもの(ブロック共重合体、交互共重合体)であっても不規則的なもの(ランダム共重合体)であってもどちらでも構わない。特にブロック共重合体においては、高い性能を発現する場合があり、詳しくは後述する。
一般式(1)で示される超強酸基を有する芳香族高分子電解質は、例えばハロゲン化芳香族高分子と、ハロゲン化超強酸化合物を金属触媒存在下反応させることによって得ることができる。ここで、ハロゲン化超強酸基化合物が導入される前のハロゲン化芳香族高分子は、プレポリマーと示される。
また、触媒として用いる金属としてはニッケル、鉄、クロム、銅などが上げられるが特に好ましくは銅である。触媒の形態はとくに限定されないが、反応溶液との接触面積が大きくなる粉末が好ましく、より好ましくは、粒径が1μm以下の微粉末である。反応温度は0〜250℃が好ましく、100〜200℃の範囲が反応性と簡便な反応設備を用いることができ好ましい。
一般式(13)で表されるジハロ芳香族化合物
実質的に超強酸基が導入されていないブロックと、実質的に超強酸基が導入されているブロックからなる芳香族高分子であって、本発明にかかる芳香族高分子電解質を実質的に超強酸基が導入されているブロックとして用いた芳香族高分子も本発明の範疇である。ここで、実質的に超強酸基が導入されていないブロックと、実質的に超強酸基が導入されているブロックからなる芳香族高分子は、ブロック型やグラフト型が設定しうる。このような共重合体においても、IECは、特に限定されないが、0.5〜4.0[meq./g]であり、さらに好ましくは1.2〜3.5[meq./g]である。これら下限よりイオン交換容量が小さいと、好ましいプロトン伝導性が発現しなくなる可能性があり、これら上限より大きいと、機械強度が低下し、十分な強度を持てない可能性がある。
本発明の電解質膜は、上記超強酸基を有する芳香族高分子電解質を主成分とする。すなわち、本電解質膜はその高分子材料を適正な方法で製膜したものである。高分子材料の製膜方法は特に限定せず、溶液を平板上にキャストするキャスト法、ダイコータ、コンマコータ等により平板上に溶液を塗布する方法、溶融した高分子材料を延伸等する方法などの一般的な方法が採用できる。さらに、電解質膜を得た後に、分子配向などを制御するため二軸延伸などの処理を施したり、結晶化度や残存応力を制御するための熱処理を施しても構わない。さらに、フィルムの機械強度を上げるために各種フィラーを添加したり、ガラス不織布などの補強剤とプレスにより複合化させることも本発明の範囲である。また、製膜時に適当な化学的処理を施してもよい。例えば、膜の強度を上げるための架橋、伝導性を挙げるためのプロトン性化合物の添加、などである。いずれにしても、本発明にかかる高分子電解質を用いて、従来公知の技術と組み合わせて製造する高分子電解質膜は、本発明の範疇である。また、本発明の電解質膜において、通常用いられる各種添加剤、例えば相溶性向上のための相溶化剤、樹脂劣化防止のための酸化防止剤、フィルムとしての成型加工における取り扱いを向上するための帯電防止剤や滑剤などは、電解質膜としての加工や性能に影響を及ぼさない範囲で適宜用いることが可能である。
本発明にかかる燃料電池用電極は、本発明にかかる芳香族高分子電解質を、電極形成材料として含んでなる電極である。燃料電池用電極は、一般に白金など貴金属を含む触媒、導電性の触媒担持体、イオノマーと呼ばれる高分子電解質、その他撥水剤などの添加物からなる。本発明の燃料電池用電極は、その他材料や製法は従来公知のものが使用できる。これについては、後述の本発明にかかる燃料電池にて詳細に説明する。
本発明にかかる燃料電池用膜電極接合体(以下MEA:Menbrane Electrode Assembly:と示すことがある)は、本発明にかかる芳香族高分子電解質を含んでなるMEAである。MEAは、電解質膜と少なくとも片側に配置された電極からなり、さらに拡散層と呼ばれる導電性多孔質体をあわせたものからなる。本発明のMEAは、MEA中の電解質膜、または/および電極中のイオノマーとして本発明の芳香族高分子電解質を含むものである。その他材料や製法は従来公知のものが使用できる。これについては、後述の本発明にかかる燃料電池にて詳細に説明する。
本発明にかかる燃料電池は、本発明にかかる芳香族高分子電解質を含んでなる燃料電池である。このとき、電解質膜として、または触媒層のイオノマーとして、またはこの両方として含んでいても良い。
本発明にかかる芳香族高分子電解質を含んでなる燃料電池は、上述したプロトン伝導度など優れた性能を持つ高分子電解質を備えているため、高い発電特性を有する。
高分子電解質膜1は、固体高分子形燃料電池10のセルの略中心部に位置している。触媒層2は、高分子電解質膜1に接触するように設けられている。拡散層3は、触媒層2に隣接して設けられており、さらにその外側にセパレーター4が配置されている。セパレーター4には、燃料ガスまたは液体(メタノール水溶液など)、並びに、酸化剤を送り込むための流路5が形成されている。これらの部材は、固体高分子形燃料電池10のセルとして構成されていると換言できる。
一般的に、高分子電解質膜1に触媒層2を接合したものや、高分子電解質膜1に触媒層2と拡散層3を接合したものは、MEAといわれ、固体高分子形燃料電池(直接液体形燃料電池、直接メタノール形燃料電池)の基本部材として使用される。
触媒層2の形成は、高分子電解質の溶液あるいは分散液に、金属担持触媒を分散させて、触媒層形成用の分散溶液を調合する。この分散溶液をポリテトラフルオロエチレンなどの離型フィルム上にスプレーで塗布して分散溶液中の溶媒を乾燥・除去し、離型フィルム上に所定の触媒層2を形成させる。この離型フィルム上に形成した触媒層2を高分子電解質膜1の両面に配置し、所定の加熱・加圧条件下でホットプレスし、高分子電解質膜1と触媒層2を接合し、離型フィルムをはがすことによって、高分子電解質膜1の両面に触媒層2が形成されたMEAが作製できる。
また、上記分散溶液を、コーターなどを用いて拡散層3上に塗工して、分散溶液中の溶媒を乾燥・除去し、拡散層3上に触媒層2が形成された触媒担持ガス拡散電極を作製し、高分子電解質膜1の両側にその触媒担持ガス拡散電極の触媒層2側を配置し、所定の加熱・加圧条件下でホットプレスすることによって、高分子電解質膜1の両面に触媒層2と拡散層3とが形成されたMEAが製造できる。なお、上記触媒担持ガス拡散電極には、市販のガス拡散電極(米国E−TEK社製、など)を使用しても構わない。
上記セパレーター4としてはカーボングラファイトやステンレス鋼の導電性材料のものが使用できる。特にステンレス鋼などの金属製材料を使用する場合は、耐腐食性の処理を施していることが好ましい。
なお、本実施の形態にかかる固体高分子形燃料電池10を単独で、あるいは複数積層して、スタックを形成し使用することや、それらを組み込んだ燃料電池システムとすることもできる。
なお、上述した例以外にも、本発明にかかる高分子電解質膜は、特開2000−90944号公報、特開2001−313046号公報、特開2001−313047号公報、特開2001−93551号公報、特開2001−93558号公報、特開2001−93561号公報、特開2001−102069号公報、特開2001−102070号公報、特開2001−283888号公報、特開2000−268835号公報、特開2000−268836号公報、特開2001−283892号公報等で公知になっている固体高分子形燃料電池や直接メタノール形燃料電池の電解質膜として、使用可能である。これらの公知文献に基づけば、当業者であれば、本発明の高分子電解質を用いて容易に固体高分子形燃料電池や直接メタノール形燃料電池を構成することができる。
[ハロゲン置換ポリエーテルの製造]
窒素導入管を付した100ml三ツ口フラスコに2,7−ジヨード−9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン3.01g(5.0mmol)、4,4‘−ジフルオロジフェニルスルホン0.636g(2.5mmol)、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン0.546g(2.5mmol)と炭酸カリウム1.73g(12.5mmol)を10mlの脱水N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)を加え、窒素雰囲気下120℃で16時間撹拌した。反応終了後10mlのDMAcを加えてから常温まで冷却し300mlの純水中に反応溶液をゆっくりと滴下した。得られた沈殿物を吸引ろ過により回収、温水とメタノールで洗浄し、80℃で16時間真空乾燥し、3.58gの白色のハロゲン置換ポリエーテルを得た。
[ハロゲン置換ポリエーテルの製造]
窒素導入管を付した100ml三ツ口フラスコに2,7−ジヨード−9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン0.602g(1mmol)、デカフルオロビフェニル0.334g(1mmol)と炭酸カリウム0.345g(2.5mmol)を3mlの脱水N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)を加え、窒素雰囲気下100℃で16時間撹拌した。反応終了後5mlのDMAcを加えてから常温まで冷却し100mlの純水中に反応溶液をゆっくりと滴下した。得られた沈殿物を吸引ろ過により回収、温水とメタノールで洗浄し、80℃で16時間真空乾燥し、0.85gの白色のハロゲン置換ポリエーテルを得た。
[芳香族ポリエーテルへの超強酸基の導入・キャスト膜の作成]
窒素導入管を付した100ml三ツ口フラスコに参考例1で得られた芳香族ポリエーテル0.813g(0.5mmol)、銅粉末0.636g(10mmol)、脱水DMAc10mlを加え、120℃で4時間撹拌後、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(1,1,2,2−テトラフルオロ−2−ヨードエトキシ)エタンスルホン酸カリウム1.38g(3mmol)を加え160℃で40時間反応させた。終了後反応溶液をろ過、ろ液を2M硝酸に滴下してポリマーを沈殿させた。DMAcに溶解2M硝酸に滴下を繰り返してポリマーを精製し、超強酸基が導入されたポリエーテルAを得た。ポリエーテルAのIECは1.32meq./gであり、繰り返し単位あたり1.4個の超強酸基が導入されていることが分った。
得られたポリエーテルをガラス板上に広げて50℃でキャスト成膜し、厚さ50μmの膜を得た。80℃、40%RHにおけるプロトン伝導度は0.007S/cmであった。また、温度80℃、相対湿度93%RHにおけるヤング率は、ナフィオン(登録商標)が7MPaであったのに対し、実施例1では310MPaであり、高温における機械強度がフッ素系電解質よりも優れることが分かった。
[芳香族ポリエーテルへの超強酸基の導入・キャスト膜の作成]
窒素導入管を付した100ml三ツ口フラスコに参考例2で得られた芳香族ポリエーテル0.448g(0.5mmol)、銅粉末0.317g(5mmol)、脱水DMAc5mlを加え、120℃で4時間撹拌後、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(1,1,2,2−テトラフルオロ−2−ヨードエトキシ)エタンスルホン酸カリウム0.690g(1.5mmol)を加え120℃で40時間反応させた。終了後反応溶液をろ過、ろ液を2M硝酸に滴下してポリマーを沈殿させた。DMAcに溶解2M硝酸に滴下を繰り返してポリマーを精製し、超強酸基が導入されたポリエーテルBを得た。ポリエーテルBのIECは1.52meq./gであり、繰り返し単位あたり1.8個の超強酸基が導入されていることが分った。
得られたポリエーテルをガラス板上に広げて50℃でキャスト成膜し、厚さ50μmの膜を得た。80℃、40%RHにおけるプロトン伝導度は0.018S/cmであった。
[強酸基を持つ芳香族ポリエーテル電解質・キャスト膜の作成]
シール付の水銀温度計、窒素導入口、還流管を付した100mLの三つ口フラスコに9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(0.7g 、2.0mmol、東京化成工業社製)と、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ビフェニル)プロパン(0.57g、2.0mmol、東京化成工業社製)と、4―フルオロフェニルスルホン(1.02g、4.0mmol、東京化成工業社製)と、炭酸カリウム(1.11g、8.0mmol、関東化学社製)と、N−ジメチルアセトアミド(DMAc、10mL、関東化学社製)、脱水トルエン(5mL、関東化学社製)を加えた。三つ口フラスコにディンスタックトラップを設置し、この混合物を窒素気流下で攪拌して、透明均一溶液を得た。この溶液を140℃で3時間加熱した後、ディンスタックトラップを除去し、165℃で3時間加熱した。反応終了後、10mLのDMAcを加えてから常温まで冷却し、1000mLの純水中に反応溶液をゆっくりと滴下した。得られた沈殿物を吸引ろ過によって回収し、80℃の純水で3時間洗浄した後メタノールで洗浄し、60℃で15時間真空乾燥するとプレポリマーが得られた。
前記プレポリマー(1.0g)を脱水ジクロロメタン(50mL、関東化学社製)に溶解し、200mLのガラス注射器に入れた。クロロ硫酸(1.55g、関東化学社製)をジクロロメタン(50mL)に溶解させ、200mLのガラス注射器に入れた。二つの注射器をフローリアクターに連結しスルホン酸化反応を行った。溶液を供給する際にミクロフィーダーを用い、反応の最後まで同じ濃度がなるように供給した。反応終了後、反応溶液をヘキサン中に滴下して、更に純水で洗浄し吸引ろ過によって回収した。洗浄後、80℃で15時間真空乾燥することによって、比較例の強酸基を持つ芳香族ポリエーテル電解質が得られた。
上記強酸基を持つ芳香族ポリエーテル電解質を用い、溶液キャスト法により製膜を行った。上記強酸基を持つ芳香族ポリエーテル電解質を濃度が10wt%となるようにN,N−ジメチルアセトアミドに溶解した。この溶液をガラス板上にキャストした。45℃で12時間常圧乾燥した後、更に80℃で12時間真空乾燥して、膜を得た。この膜を1Nの硫酸水溶液に12時間浸漬した(酸処理工程)。この酸処理工程を更に2回繰り返した。その後60℃の純水で膜を洗浄し、常温で48時間乾燥を行うことにより、電解質膜を得た。80℃、40%RHにおけるプロトン伝導度は0.0064S/cmであった。
各試験試料(約50mg:十分に乾燥)を25℃での塩化ナトリウム飽和水溶液(20mL)に浸漬し、ウォーターバス中で60℃、3時間イオン交換反応させた。25℃まで冷却し、次いで膜をイオン交換水で充分に洗浄し、塩化ナトリウム飽和水溶液および洗浄水をすべて回収した。この回収した溶液に、指示薬としてフェノールフタレイン溶液を加え、0.2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定し、イオン交換容量を算出した。
各試験試料を、5×40mmの大きさに裁断し、4端子法により交流インピーダンスを測定した。測定は、温度は80℃、湿度は40%RHの各条件で2時間放置、電流値として0.005mAの定電流、掃引周波数は10〜20000Hzとした。得られたインピーダンスと膜端子間距離(10mm)と膜厚(マイクロメーターで測定)からプロトン伝導度を算出した。
表1に、実施例と比較例の高温低加湿におけるプロトン伝導度の値を示す。実施例のプロトン伝導度は、比較例よりも高い値を示し、燃料電池用の材料として優れていることがわかった。
恒温恒湿槽内に設置した引張り試験機(島津製作所製AGS−500NJ)により測定した。このときサンプル形状はダンベル型(DIN−53504−S3)とし、引張り速度は10mm/minとした。また恒温恒湿層は80℃93%RHに設定し、サンプルは約2時間保持した。
以上から、本発明の芳香族高分子電解質は高温での高い機械強度を持ち、高温低加湿でのプロトン伝導性が良好であることが分かる。
2 触媒層
3 拡散層
4 セパレーター
5 流路
10 固体高分子形燃料電池
Claims (18)
- 主鎖及び側鎖に芳香環を有する構造を含む繰り返し単位を有し、超強酸基が前記繰り返し単位あたり1.3個以上含まれ、かつ各超強酸基は前記構造の、異なる芳香環に導入されてなる、芳香族高分子電解質。
- 超強酸基の少なくとも1つが側鎖を構成する芳香環に導入されている、請求項1または2に記載の芳香族高分子電解質。
- 下記一般式(2)で表される高分子のAr2および/またはAr4に、超強酸基が導入されてなる構造をもつ、請求項1から4のいずれか1項に記載の芳香族高分子電解質。
- 一般式(2)中のX1、X2、X3、X4が、OまたはSである、請求項5に記載の芳香族高分子電解質。
- 実質的に超強酸基が導入されていないブロックと、超強酸基が導入されているブロックからなる芳香族高分子電解質であって、超強酸基が導入されているブロックが請求項1から9のいずれかに記載の芳香族高分子電解質である、芳香族高分子電解質。
- ハロゲンで置換された芳香環を含むプレポリマーに、ハロゲン化された超強酸基化合物を反応させることにより超強酸基が導入されてなる、請求項1から10のいずれか1項に記載の芳香族高分子電解質。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の芳香族高分子電解質を含む、燃料電池用電解質。
- 請求項13に記載の燃料電池用電解質を含む、燃料電池用電解質膜。
- 請求項13に記載の燃料電池用電解質を含む、燃料電池用電極形成材料。
- 請求項15に記載の燃料電池用電極形成材料を含む燃料電池用電極。
- 請求項14に記載の燃料電池用電解質膜、および/または、請求項16に記載の燃料電池用電極を含む、燃料電池用膜/電極接合体。
- 請求項17に記載の燃料電池用膜/電極接合体を含む燃料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009080159A JP5549970B2 (ja) | 2009-03-27 | 2009-03-27 | 超強酸基を有する芳香族高分子電解質及びその利用 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009080159A JP5549970B2 (ja) | 2009-03-27 | 2009-03-27 | 超強酸基を有する芳香族高分子電解質及びその利用 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010229352A true JP2010229352A (ja) | 2010-10-14 |
JP5549970B2 JP5549970B2 (ja) | 2014-07-16 |
Family
ID=43045459
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009080159A Expired - Fee Related JP5549970B2 (ja) | 2009-03-27 | 2009-03-27 | 超強酸基を有する芳香族高分子電解質及びその利用 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5549970B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011046233A1 (ja) * | 2009-10-16 | 2011-04-21 | 住友化学株式会社 | 高分子電解質膜、膜-電極接合体、及び固体高分子形燃料電池 |
WO2015146391A1 (ja) * | 2014-03-25 | 2015-10-01 | 日建塗装工業株式会社 | 芳香族ポリエーテルケトンおよび芳香族ポリエーテルケトン前駆体モノマーならびにこれらの製造方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102026509B1 (ko) * | 2016-03-31 | 2019-09-27 | 주식회사 엘지화학 | 화합물, 이를 이용한 고분자 및 이를 이용한 전해질막 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003147074A (ja) * | 2001-11-16 | 2003-05-21 | Toyobo Co Ltd | スルホン酸基含有芳香族ポリアリーレンエーテル化合物および高分子電解質膜 |
JP2004002596A (ja) * | 2002-03-25 | 2004-01-08 | Sumitomo Chem Co Ltd | 芳香族系高分子、その製造方法およびその用途 |
WO2005033182A1 (ja) * | 2003-10-02 | 2005-04-14 | University Of Yamanashi | スルホン酸化芳香族ポリエーテル、その製造方法及び電解質膜 |
JP2005534787A (ja) * | 2002-08-06 | 2005-11-17 | コミツサリア タ レネルジー アトミーク | ポリフェニレンタイプのポリマー、その調製方法、膜、およびその膜を含む燃料電池装置 |
JP2008208193A (ja) * | 2007-02-26 | 2008-09-11 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 芳香族系高分子、およびその用途 |
-
2009
- 2009-03-27 JP JP2009080159A patent/JP5549970B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003147074A (ja) * | 2001-11-16 | 2003-05-21 | Toyobo Co Ltd | スルホン酸基含有芳香族ポリアリーレンエーテル化合物および高分子電解質膜 |
JP2004002596A (ja) * | 2002-03-25 | 2004-01-08 | Sumitomo Chem Co Ltd | 芳香族系高分子、その製造方法およびその用途 |
JP2005534787A (ja) * | 2002-08-06 | 2005-11-17 | コミツサリア タ レネルジー アトミーク | ポリフェニレンタイプのポリマー、その調製方法、膜、およびその膜を含む燃料電池装置 |
WO2005033182A1 (ja) * | 2003-10-02 | 2005-04-14 | University Of Yamanashi | スルホン酸化芳香族ポリエーテル、その製造方法及び電解質膜 |
JP2008208193A (ja) * | 2007-02-26 | 2008-09-11 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 芳香族系高分子、およびその用途 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011046233A1 (ja) * | 2009-10-16 | 2011-04-21 | 住友化学株式会社 | 高分子電解質膜、膜-電極接合体、及び固体高分子形燃料電池 |
WO2015146391A1 (ja) * | 2014-03-25 | 2015-10-01 | 日建塗装工業株式会社 | 芳香族ポリエーテルケトンおよび芳香族ポリエーテルケトン前駆体モノマーならびにこれらの製造方法 |
JPWO2015146391A1 (ja) * | 2014-03-25 | 2017-04-13 | 日建塗装工業株式会社 | 芳香族ポリエーテルケトンおよび芳香族ポリエーテルケトン前駆体モノマーならびにこれらの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5549970B2 (ja) | 2014-07-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI543202B (zh) | 高分子電解質材料、高分子電解質零件、膜電極複合體、高分子電解質型燃料電池及高分子電解質膜 | |
JP5905857B2 (ja) | 高分子電解質、高分子電解質膜、燃料電池用触媒層バインダー、およびその利用 | |
JP2006261103A (ja) | 高分子電解質材料、ならびにそれを用いた高分子電解質部品、膜電極複合体および高分子電解質型燃料電池 | |
Seo et al. | Preparation and characterization of sulfonated poly (tetra phenyl ether ketone sulfone) s for proton exchange membrane fuel cell | |
JP5315878B2 (ja) | 高分子電解質材料およびそれを用いた高分子電解質型燃料電池 | |
JP5261877B2 (ja) | 高分子電解質成型体の製造方法 | |
JP5892643B2 (ja) | 高分子電解質膜、およびその利用 | |
JP4289058B2 (ja) | ブロック共重合体及びその用途 | |
JP5549970B2 (ja) | 超強酸基を有する芳香族高分子電解質及びその利用 | |
JP5233065B2 (ja) | イオン性基を有するポリマー、高分子電解質材料、高分子電解質部品、膜電極複合体および高分子電解質型燃料電池 | |
JP5309822B2 (ja) | 芳香族スルホン酸誘導体、スルホン化ポリマーならびにそれを用いた高分子電解質材料および高分子電解質型燃料電池 | |
JP6090971B2 (ja) | 高分子電解質膜、およびその利用 | |
JP5950323B2 (ja) | 高分子電解質、およびその利用 | |
JP5315877B2 (ja) | 高分子電解質材料、ならびにそれを用いた高分子電解質型燃料電池 | |
JP6819047B2 (ja) | 高分子電解質用のジフェニルスルホン化合物、高分子電解質、高分子電解質の製造方法、膜電極接合体、及び、固体高分子形燃料電池 | |
JP6230150B2 (ja) | 高分子電解質、およびその利用 | |
JP5655878B2 (ja) | 高分子電解質膜、膜電極複合体および高分子電解質型燃料電池 | |
JP5590568B2 (ja) | ブロック共重合体、およびその利用 | |
JP5614641B2 (ja) | 高分子電解質膜の製造方法 | |
JP5151051B2 (ja) | 高分子電解質材料、ならびにそれを用いた高分子電解質部品、膜電極複合体および高分子電解質型燃料電池 | |
JP2010129292A (ja) | 高分子電解質、高分子電解質膜、およびその利用 | |
JP2007039536A (ja) | イオン性基を有するポリマー | |
JP2006344438A (ja) | 固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体 | |
JP2008545854A (ja) | イオン伝導性コポリマーと非イオン性ポリマーを含有するポリマーブレンド | |
KR101372039B1 (ko) | 폴리에테르 설폰 공중합체, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 고분자 전해질 막 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120216 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130604 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130611 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130809 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140422 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140509 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5549970 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |