JP2010225664A - 配線板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造工程で光導波路に生じる歪みが低減され、寸法安定化が図れる光導波路と複合してなる配線板の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、第一の基板に回路を形成する工程A、前記第一の基板の回路形成面に、第一の離型層を介して第一の支持体を積層する工程B、第一の基板の回路形成面の反対面に第二の基板又は回路を形成する工程Cを有する配線板の製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、配線の幅を均一に加工することができ、かつ寸法安定性よく回路形成を行える配線板の製造方法に関する。
近年の情報化社会の発展は目覚しく、民生機器ではパソコン、携帯電話などの小型化、軽量化、高性能化、高機能化が進められ、産業用機器としては無線基地局、光通信装置、サーバ、ルータなどのネットワーク関連機器など、大型、小型を問わず、同じように機能の向上が求められている。
また、情報伝達量の増加に伴い、年々扱う信号の高周波化が進む傾向にあり、高速処理および高速伝送技術の開発が進められている。
このために、半導体チップ搭載基板やマザーボードを始め、フレキシブル基板も、高周波化、高密度配線化、高機能化に対応するために、ビルドアップ方式の多層配線基板が使用されるようになってきた。
このような高密度微細配線の形成において、エッチングにより配線を形成するサブトラクト法で、歩留り良く形成できる配線は、配線幅/配線間隔=50μm/50μmが限度である。
更に微細な配線形成では、絶縁層表面に比較的薄い金属層(シード層)を形成しておき、その上にめっきレジストを形成して、電気めっきで配線を必要な厚さに形成し、めっきレジストを剥離後に、シード層をソフトエッチングで除去するというセミアディティブ法が使用され始めている。シード層を形成する方法としては、無電解めっき法、薄い金属箔を貼り合わせる方法、スパッタリング法を用いて形成する方法が一般的に知られており、年々狭ピッチ化が進む傾向にある。
更に情報容量の増大に伴い、幹線やアクセス系といった通信分野のみならず、ルータやサーバ内の情報処理にも光信号を用いる光インターコネクション技術の開発が進められている。具体的には、ルータやサーバ装置内のボード間あるいはボード内の短距離信号伝送に光を用いるために、電気配線板に光伝送路を複合した光電気複合基板の開発がなされている。光伝送路としては、光ファイバーに比べ、配線の自由度が高く、かつ高密度化が可能な光導波路を用いることが望ましく、中でも、加工性や経済性に優れたポリマー材料を用いた光導波路が有望である。
上記のような微細配線を設けた微細配線板は絶縁樹脂層上に金属パターンを形成して製造するが、絶縁層の薄膜化や高密度微細配線に伴い、精度の高い表裏位置合わせが必要となる。しかし、薄い基板のまま両面同時配線形成を行うと寸法のゆがみが発生し、積層する電気配線や光導波路との位置合わせが困難であった。また、特許文献1記載の方法では、片面に微細配線を形成する方法としては有用だが、両面同時配線形成が困難で、片面ずつの回路加工となる。一般的に寸法安定化のために、あて板や支持基板に固定して表裏の配線を順次形成すると先に形成した配線の凹凸が基板反対面に転写し、反対面の金属パターンにミスレジストレーションによる短絡不良や、配線幅の不均一化、表裏の配線位置ズレなどが発生しやすいという問題があった。一方、光導波路も同様であり、凹凸のある樹脂や基材に光導波路をビルドアップ形成すると、配線幅の不均一化に繋がり、伝搬損失に大きく影響している。そのため、特許文献2のように光導波路形成後に電気配線の回路を形成する工法がとられている。しかし、この方法では、光導波路の視認性が悪く、電気配線形成用の基準マーカを更に加工する必要があるため、基準マーカの加工精度分、電気配線の位置合わせが悪化するという問題点があった。
特開2006−93199 特開2004−341454
本発明は、前記の課題を解決するためなされたもので、配線の幅を均一に加工することができ、かつ寸法安定性よく回路形成を行える配線板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、回路が形成された基板を、離型層を介して支持体に固定し、前記基板上の回路を離型層に埋め込むことにより、上記の目的を達成することを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)第一の基板に回路を形成する工程A、前記第一の基板の回路形成面に、第一の離型層を介して第一の支持体を積層する工程B、第一の基板の回路形成面の反対面に第二の基板又は回路を形成する工程Cを有する配線板の製造方法、
(2)前記工程Bにおいて、前記第一の離型層に、第一の基板に形成された回路を埋め込ませることを特徴とする(1)に記載の配線板の製造方法、
(3)前記工程Aの前に、前記第一の基板を第二の支持体に積層する工程Dをさらに有し、前記工程Aにおいて、前記第一の基板の第二の支持体形成面の反対面に回路を形成し、前記工程Cの前に前記第二の支持体を前記第一の基板から除去する工程Eをさらに有する(1)又は(2)に記載の配線板の製造方法、
(4)前記工程Dにおいて、第二の離型層を介して前記第一の基板を前記第二の基板上に形成し、前記工程Eにおいて、前記第二の離型層及び前記第二の支持体を前記第一の基板から除去する(3)に記載の配線板の製造方法。
(5)前記工程Cの後に、前記第一の支持体及び前記第一の離型層を前記第一の基板から除去する工程Fをさらに有する(1)〜(4)のいずれかに記載の配線板の製造方法、
(6)前記工程Aにおいて、前記第一の基板が金属層付き基板であって、前記金属層をパターニングして回路を形成する(1)〜(5)のいずれかに記載の配線板の製造方法、
(7)前記第二の基板が光導波路である(1)〜(6)のいずれかに記載の配線板の製造方法、
(8)前記第二の基板が多層基板である(1)〜(6)のいずれかに記載の配線板の製造方法、
(9)前記第二の基板が光導波路上に電気回路又は電気配線板が形成された光電気複合基板である(1)〜(6)のいずれかに記載の配線板の製造方法、
(10)前記工程Aにおいて、前記第一の基板が、基板X上に光導波路及び電気配線板が順に形成された光電気混載基板であって、前記基板Xの光導波路形成面とは反対面に前記回路を形成することを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の配線板の製造方法、を提供するものである。
本発明の配線板の製造方法によれば表裏の配線を順次形成する際に、先に形成した配線の凹凸が基材裏面に転写せず、配線幅を均一に加工することができ、かつ寸法安定性よく回路形成を行うことができる。
本発明の配線板の製造方法を説明する図である。 本発明の配線板の製造方法の一実施態様を説明する図である。 本発明の配線板の製造方法の別の一実施態様を説明する図である。 本発明の配線板の製造方法の別の一実施態様を説明する図である。 本発明の基板の凹凸の測定方法を説明する図である。
本発明により製造される配線板は、例えば、図1(c)に示すように、第一の支持体4に第一の基板1が第一の離型層2を介して積層され、第一の基板1の回路9を第一の離型層2に埋め込んだものである。第一の支持体4と第一の基板1の固定には第一の接着層3を用いている。
その後、第一の基板1の第一の支持体4に対して反対面に、回路を形成したり(図1(f)参照)、図2(f)−1に示すように、回路を形成した層を多層化したり、図2(f)−2に示すように、接着層10を介して下部クラッド層11、コアパターン12及び上部クラッド層13が順に積層されてなる光導波路15を積層したり、図2(f)−3に示すように、図2(f)−2の上部クラッド層13面にさらに基板を積層したり、図2(f)−4に示すように、図2(f)−1のように回路を形成した層を多層化した後、図2(f)−2のように光導波路15を形成したりするものである。また図3のように第一の基板1内に光導波路15が内層に配置されており、上下に回路が設置されているものでもある。このときは、基板X側の基板Xの光導波路形成面とは反対面に回路が形成され、第一の離型層2に回路9が埋め込まれる形となる(図3(e)参照)。
なお、本発明において、回路とは、電気回路および光回路(光導波路)のことを言う。
以下、第一の基板1と第一の支持体4の積層方法について説明する。
(第一の基板と第一の支持体の積層方法)
第一の支持体4に第一の基板1を積層する前工程として、第一の支持体4及び第一の基板1よりも各辺5〜30mm小さい第一の離型層2を挟み、第一の離型層2と第一の支持体4間に第一の支持体4と同サイズの第一の接着層3を介して貼り合わせることで第一の離型層2に回路9を埋め込むことができ、同時に第一の基板1を第一の支持体4に固定することが出来る(図1(c)参照)。
積層の方法には、特に指定はなく、手貼り、ラミネータ、真空ラミネータ、プレス、真空プレスが好適に挙げられる。第一の支持体4と第一の基板間1に空気が入ると加熱工程で膨れにつながるため、空気が入らない貼り付け方法としては、真空ラミネータや真空プレスがより好ましい。
更に、回路9の埋め込み性の向上や、第一の基板1の第一の支持体4に対して反対面を平坦化するために、第一の基板1と第一の支持体4の積層時に第一の支持体4に対して反対側から第一の基板1を硬い板で支持するか、第一の基板1と第一の支持体4を積層する前に、第一の基板1に第二の支持体8を積層しておくと尚良い。上記の硬い板は第一の離型層2よりも圧力による変形が少ない素材であれば良い。
次に、第一の基板1と第二の支持体8の積層方法について説明する。
(第一の基板と第二の支持体の積層方法)
工程Dにおいて第二の支持体8に第一の基板1を積層するためには、再剥離性のある第二の接着層7を介して貼り付けても良く、分離の際に第二の支持体8及び第二の接着層7を第一の基板1から引き剥がせば良い。また第二の支持体8を積層しない場合には上記の第二の離型層6や第二の接着層7は必要ない。
再剥離性のない第二の接着層7を用いる場合には、第二の支持体8に第一の基板1を積層する前工程として、第一の支持体4と第二の支持体8を順次分離する関係上、第一の離型層2よりも各辺1〜30mm小さい第二の離型層6を挟み、第二の離型層6と第二の支持体8間に第二の支持体8と同サイズの第二の接着層7を介して貼り合わせることで、第一の基板1又は第二の基板5を第二の支持体8に固定することが出来る。第二の支持体8を積層後に第一の支持体4のみを分離する際には、第一の離型層2よりも小さく、第二の離型層6よりも大きいサイズに製品を切断すれば良い。
積層の方法には、特に指定はなく、第一の支持体と第一の基板を積層する方法と同一で良い。
また、第一の基板1の第二の支持体8に対して反対面に回路9を形成する観点から、第一の基板1の第二の支持体8側の面は平坦面であることが好ましく、その際の第二の離型層6は第一の離型層2よりも圧力による変形が少ないとより好ましい。
以下、第一の支持体4及び第二の支持体8に第一の基板1及び第二の基板5を積層するのに必要な各構成部分について説明する。
(第一の支持体及び第二の支持体)
第一の支持体4及び第二の支持体8の種類としては、特に制限されるものではないが、例えば、FR−4基板、半導体基板、シリコン基板、ガラス基板、金属板等を用いることができ、非可撓性の固い材質のものが好ましい。
また、第一の支持体4及び第二の支持体8として寸法安定性のある厚みのある支持体を用いることで、第一の基板1及び第二の基板5自体に寸法安定性を付与したり、回路9の埋め込み性を向上させたりすることができる。寸法安定性のある厚みのある支持体の材料としては、特に限定されないが、寸法安定性の観点からFR−4基板、半導体基板、シリコン板、ガラス板や金属板などが好適に挙げられる。
支持体厚は、支持体の反り、寸法安定性、生産性により、適宜変えてよいが、0.1〜10.0mmであることが好ましい。
また、前記硬い板も、上記と同様の材料及び支持体厚であることがあることが好ましい。
(基板)
本発明において用いられる基板(第1の基板1、第2の基板5及び基板X16)としては、特に限定されるものではないが、上記のように第一の基板1の第二の支持体8側の面は平坦面であることが好ましいため、サブトラクティブ法による回路形成前の金属層平坦面や、セミアディティブ法による回路形成前の樹脂平坦面や、光導波路15を形成するために適した樹脂又は金属平坦面であることがより好ましい。図1〜3に示した基板上下に配置した金属層の有無は回路形成方法によって決定して良い。
基板の種類としては、特に制限されるものではないが、例えば、FR−4基板、ビルドアップ基板、ポリイミド基板、半導体基板、シリコン基板やガラス基板等を用いることができ、可撓性があるフレキシブルな材質でも、非可撓性の固い材質のものであっても良いが、微細配線を形成する場合、微細配線用の絶縁樹脂層であることが好ましい。
絶縁樹脂層の材料としては、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂が使用でき、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シクロペンタジエンから合成した樹脂、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌラートを含む樹脂、芳香族ニトリルから合成した樹脂、3量化芳香族ジシアナミド樹脂、トリアリルトリメタリレートを含む樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、縮合多環芳香族を含む熱硬化性樹脂等を用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アラミド樹脂等がある。
また、基板としてフィルムを用いることで、第一の基板1、第二の基板5、基板X16、光導波路14に柔軟性及び強靭性を付与させることができる。フィルムの材料としては、特に限定されないが、柔軟性、強靭性を有するとの観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルサルファイド、ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどのフィルムが好適に挙げられる。
フィルムの厚さは、目的とする柔軟性により適宜変えてよいが、5〜250μmであることが好ましい。5μm以上であると強靭性が得易いという利点があり、250μm以下であると十分な柔軟性が得られる。
(離型層)
離型層の種類としては、特に制限されるものではないが、例えば、プレス用の離型シート、離型性のある樹脂又は接着剤、UV又は熱剥離性の樹脂等を用いることができる。
また、上記のように第一の基板1の第二の支持体8側の面は平坦面であることが好ましいため、第二の離型層6としてフィルム状の材料を用いることで、平坦化を図ることができる。フィルムの材料としては、特に限定されないが、平坦性を有するとの観点から、銅箔、銀箔、金箔、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルサルファイド、ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどが好適に挙げられる。耐熱性や基板との離型性の観点から、銅箔、ポリイミドフィルム、アラミドフィルムがより好適に挙げられる。
フィルムの厚さは、目的とする平坦性により適宜変えてよいが、5〜250μmであることが好ましい。5μm以上であると強靭性が得易いという利点があり、250μm以下であると第二の接着層7による十分な埋め込み性が得られる。
更に、第一の離型層2には第一の基板1の回路9を埋め込む必要があるため、回路埋め込み性の良い材料を用いることが好ましい。第一の離型層2として第二の離型層6と同様の材料が好適に挙げられるが、回路埋め込み性の観点からプレス用の離型シートがより好ましい。
離型層の厚さは、目的とする回路厚みにより適宜変えてよいが、回路厚みより5μm以上厚いことが好ましい。
(接着層)
第一の基板1や第二の基板5と第一の支持体4や第二の支持体8との接着には、特に限定されないが、離型層兼接着層とする場合には再剥離性のある接着層3、7であることが好ましい。その際の層構成を図4に示す。再剥離性のある接着層の材料としては、片面微粘着の両面テープ、ホットメルト接着剤、UV硬化型接着剤などが好適に挙げられる。上記のように第一の離型層2には第一の基板1の回路9を埋め込む必要があるため、回路を埋め込める厚みの材料を用いることが好ましい。
また、再剥離する必要がない離型層を挟んだ場合の接着や、第一の基板1、第二の基板5、光導波路15間の接着(接着層10)などには、耐熱性のある接着層が好ましく、再剥離する必要がない接着層の材料としては、特に限定されないが、耐熱性の観点からプリプレグ、ビルドアップ材、耐熱性の接着剤、上記の基材で列挙した絶縁性の樹脂などが好適に挙げられる。光導波路15において、光信号が透過する部分の接着には高い透過率の接着層が必要であり、接着層10の材料としては、特に限定されないが、(PCT/JP2008/05465)に記載の接着剤を使用することがより好ましい。第一の基板1や第二の基板5と第一の支持体4や第二の支持体8を離型層を挟んで接着する場合には、接着層の厚みが離型層よりも5μm以上厚いことが好ましい。
次に、本発明における配線板を構成する各層の形成方法等について説明する。
(回路の形成方法)
回路の形成方法としては、回路を形成する面に金属層を形成し、更にエッチングレジストを形成し、金属層の不要な箇所をエッチングで除去する方法(サブトラクト法)、めっきレジストを形成し、回路を形成する面の必要な箇所にのみめっきにより回路を形成する方法(アディティブ法)、回路を形成する面に薄い金属層(シード層)を形成し、更にめっきレジストを形成し、その後、電気めっきで必要な回路を形成した後、薄い金属層をエッチングで除去する方法(セミアディティブ法)がある。
回路の形成方法はいずれの方法を用いても良いが、(回路幅)≦20μmの微細配線を形成するためには、セミアディティブ法がより好ましい。
また、回路形成に用いるエッチングレジスト又はめっきレジストは、ポジ型、ネガ型いずれでも可能であるが、ポジ型レジストの方が微細配線形成が容易であり、より好ましい。
(セミアディティブ法におけるシード層の形成)
セミアディティブ法による回路形成の場合、回路を形成する面にシード層を形成する方法は、蒸着またはめっきによる方法と、金属層を貼り合わせる方法がある。
(蒸着またはめっきによるシード層の形成)
前述の通り、回路を形成する面に蒸着またはめっきによってシード層を形成することができる。
例えば、シード層として、スパッタリングにより下地金属と薄膜銅層を形成する場合、薄膜銅層を形成するために使用されるスパッタリング装置は、2極スパッタ、3極スパッタ、4極スパッタ、マグネトロンスパッタ、ミラートロンスパッタ等を用いることができる。
スパッタに用いるターゲットは、密着を確保するために、例えばCr、Ni、Co、Pd、Zr、Ni/Cr、Ni/Cu等の金属を下地金属として用い、5〜50nmスパッタリングする。
その後、銅をターゲットにして200〜500nmスパッタリングしてシード層を形成できる。
また、回路を形成する面にめっき銅を、0.5〜3μm無電解銅めっきを行い形成することもできる。
(金属層を貼り合わせる方法)
また、回路を形成する面に接着機能がある場合は、前述の通り、金属層をプレスやラミネートによって貼り合わせることによりシード層を形成することもできる。
しかし、薄い金属層を直接貼り合わせるのは非常に困難であるため、厚い金属層を張り合わせた後にエッチング等により薄くする方法や、キャリア付金属層を貼り合わせた後にキャリア層を除去する方法などがある。
例えば、前者としてはキャリア銅/ニッケル/薄膜銅の三層銅箔があり、キャリア銅をアルカリエッチング液で、ニッケルをニッケルエッチング液で除去し、後者としてはアルミ、銅、絶縁樹脂などをキャリアとしたピーラブル銅箔などが使用でき、5μm以下のシード層を形成できる。
また、厚み9〜18μmの銅箔を貼り付け、5μm以下になるように、エッチングにより均一に薄くし、シード層を形成してもかまわない。
セミアディティブ法における、電気めっきの種類については一般的に使用されるものを使用すればよく、特に限定しないが、回路を形成するためには、めっき金属として銅を使用するのが好ましい。
(アディティブ法による回路形成)
アディティブ法による回路形成の場合もセミアディティブ法と同様、回路を形成する面の必要な箇所にのみ、めっきを行うことで形成されるが、アディティブ法で使用されるめっきは通常、無電解めっきが使用される。
例えば、回路を形成する面に無電解めっき用触媒を付着させた後、めっきが行われない表面部分にめっきレジストを形成して、無電解めっき液に浸漬し、めっきレジストに覆われていない箇所にのみ、無電解めっきを行い回路を形成する。
(回路がある基板の多層化)
回路がある基板を多層化する場合、回路形成面に絶縁層の基板を形成し、絶縁層の基板表面に上記のサブトラクティブ法、セミアディティブ法、アディティブ法の少なくともいずれかを用いて回路形成を行うことで出来る。絶縁層の基板としては、ビルドアップ基板、プリプレグ、ポリイミド基板などが好適に挙げられる。
絶縁層の基板の形成方法は特に問わないが、ビルドアップ基板を用いる場合は、ロールラミネータ又は真空ラミネータを用いて絶縁層の基板を形成後、セミアディティブ法又はアディティブ法を用いて回路形成を行うことができる。プリプレグを用いる場合は、回路形成面上にプリプレグ、金属層と順次構成し、プレス積層後、金属層をサブトラクティブ法又はセミアディティブ法を用いて回路形成を行うことができる。ポリイミド基板を用いる場合は、金属層付きポリイミド基板を用いれば、接着層を介して回路形成面にプレス積層又はロールラミネト又は真空ラミネート後に、サブトラクティブ法又はセミアディティブ法を用いて回路形成を行うことができ、金属層がないポリイミド基板を用いれば、上記と同様の方法でポリイミド基板を積層後に、セミアディティブ法又はアディティブ法を用いて回路形成を行うことができる。
(回路の層間接続)
各層の回路の間の接続は適宜行うことができる。以下に回路の層間接続方法について詳しく記述する。
(バイアホール)
本発明の配線板は、複数の回路がある層を有することがあるため、各層の回路を電気的に接続するためのバイアホールを設けることができる。
バイアホールは、回路層間の基板に接続用の穴を設け、この穴を導電性ペーストやめっき等で充填し形成できる。
穴の加工方法としては、パンチやドリルなどの機械加工、レーザ加工、薬液による化学エッチング加工、プラズマを用いたドライエッチング法などがある。
(デスミア)
前述の方法により形成されたバイアホールのスミア除去としては、ドライ処理またはウェット処理を用いることができる。
ドライ処理としては、プラズマ処理、逆スパッタリング処理、イオンガン処理が使用できる。
さらに、プラズマ処理には大気圧プラズマ処理、真空プラズマ処理、RIE処理があり、必要に応じて選択できる。
これらの処理に使用するガスとしては、窒素、酸素、アルゴン、フレオン(CF4)、またはこれらの混合ガスが好ましい。
ウェット処理にはクロム酸塩、過マンガン酸塩等の酸化剤を用いることができる。
(層間接続)
層間接続の方法としては、前述のバイアホールによる方法以外に、絶縁層に導電性ペーストやめっきなどで導電層を形成し、この絶縁層を回路を形成した面にプレスやラミネート等で積層する方法などもある。
(絶縁被覆の形成)
本発明の配線板の最外層に位置する回路面には絶縁被覆を形成することができ、第一の支持体1及び第二の支持体5を積層する前後のいずれかで行っても良い。
絶縁被覆のパターン形成は、ワニス状の材料であれば印刷で行うことも可能であるが、より精度を確保するためには、感光性のソルダレジスト、カバーレイフィルム、フィルム状レジストを用いるのが好ましい。
材質としては、エポキシ系、ポリイミド系、エポキシアクリレート系、フルオレン系の材料を用いることができる。
(光電気複合基板の製造方法)
以下、第二の基板5として光導波路を用いた本発明の配線板の製造方法について詳述する(図3参照)。
まず、図3(a)〜(c)に示すように、第二の支持体8に固定した第一の基板1上に、下部クラッド層11を設け、その上にコアパターン12を形成し、さらに上部クラッド層13を積層する。第一の基板1と下部クラッド層11に接着力がない場合は接着層10を介して貼り付けても良い。さらに上記のような下部クラッド層11、コアパターン12、上部クラッド層13を有する光導波路を接着剤を介して回路上に、直接貼り付ける方法を用いてもできる。
支持体上への下部クラッド層11の形成は、特に限定されず公知の方法によれば良く、例えば、下部クラッド層11の形成材料をスピンコート等により下部支持フィルム上に塗布し、プリベイクを行った後、紫外線を照射して薄膜を硬化させることにより形成できる。また、コアパターン12の形成も、特に限定されず、例えば、下部クラッド層11上に、下部クラッド層11より屈折率の高いコア層を形成し、エッチングによりコアパターンを形成すれば良い。上部クラッド層13の形成方法も特に限定されず、例えば、下部クラッド層11と同様の方法で形成すれば良い。
この下部クラッド層11は、基板との密着性の観点から、下部クラッド層11と基板の間に接着剤を塗布したり、接着シートを貼り合わせたりしても良い。
(下部クラッド層及び上部クラッド層)
以下、本発明で使用される下部クラッド層11及び上部クラッド層13について説明する。下部クラッド層11及び上部クラッド層13としては、クラッド層形成用樹脂又はクラッド層形成用樹脂フィルムを用いることができる。
本発明で用いるクラッド層形成用樹脂としては、コア層より低屈折率で、光又は熱により硬化する樹脂組成物であれば特に限定されず、熱硬化性樹脂組成物や感光性樹脂組成物を好適に使用することができる。より好適にはクラッド層形成用樹脂が、(A)ベースポリマー、(B)光重合性化合物及び(C)光重合開始剤を含有する樹脂組成物により構成されることが好ましい。なお、クラッド層形成用樹脂に用いる樹脂組成物は、上部クラッド層13と下部クラッド層11において、該樹脂組成物に含有する成分が同一であっても異なっていてもよく、該樹脂組成物の屈折率が同一であっても異なっていてもよい。
ここで用いる(A)ベースポリマーはクラッド層を形成し、該クラッド層の強度を確保するためのものであり、該目的を達成し得るものであれば特に限定されず、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン等、あるいはこれらの誘導体などが挙げられる。これらのベースポリマーは1種単独でも、また2種以上を混合して用いてもよい。上記で例示したベースポリマーのうち、耐熱性が高いとの観点から、主鎖に芳香族骨格を有することが好ましく、特にフェノキシ樹脂が好ましい。また、3次元架橋し、耐熱性を向上できるとの観点からは、エポキシ樹脂、特に室温で固形のエポキシ樹脂が好ましい。さらに、後に詳述する(B)光重合性化合物との相溶性が、クラッド層形成用樹脂の透明性を確保するために重要であるが、この点からは上記フェノキシ樹脂及び(メタ)アクリル樹脂が好ましい。なお、ここで(メタ)アクリル樹脂とは、アクリル樹脂及びメタクリル樹脂を意味するものである。
フェノキシ樹脂の中でも、ビスフェノールA、ビスフェノールA型エポキシ化合物又はそれらの誘導体、及びビスフェノールF、ビスフェノールF型エポキシ化合物又はそれらの誘導体を共重合成分の構成単位として含むものは、耐熱性、密着性及び溶解性に優れるため好ましい。ビスフェノールA又はビスフェノールA型エポキシ化合物の誘導体としては、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ化合物等が好適に挙げられる。また、ビスフェノールF又はビスフェノールF型エポキシ化合物の誘導体としては、テトラブロモビスフェノールF、テトラブロモビスフェノールF型エポキシ化合物等が好適に挙げられる。ビスフェノールA/ビスフェノールF共重合型フェノキシ樹脂の具体例としては、東都化成(株)製「フェノトートYP−70」(商品名)が挙げられる。
室温で固形のエポキシ樹脂としては、例えば、東都化学(株)製「エポトートYD−7020、エポトートYD−7019、エポトートYD−7017」(いずれも商品名)、ジャパンエポキシレジン(株)製「エピコート1010、エピコート1009、エピコート1008」(いずれも商品名)などのビスフェノールA型エポキシ樹脂が挙げられる。
次に、(B)光重合性化合物としては、紫外線等の光の照射によって重合するものであれば特に限定されず、分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物や分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物などが挙げられる。
分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物としては、(メタ)アクリレート、ハロゲン化ビニリデン、ビニルエーテル、ビニルピリジン、ビニルフェノール等が挙げられるが、これらの中で、透明性と耐熱性の観点から、(メタ)アクリレートが好ましい。
(メタ)アクリレートとしては、1官能性のもの、2官能性のもの、3官能性以上の多官能性のもののいずれをも用いることができる。なお、ここで(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートを意味するものである。
分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の2官能又は多官能芳香族グリシジルエーテル、ポリエチレングリコール型エポキシ樹脂等の2官能又は多官能脂肪族グリシジルエーテル、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の2官能脂環式グリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル等の2官能芳香族グリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等の2官能脂環式グリシジルエステル、N,N−ジグリシジルアニリン等の2官能又は多官能芳香族グリシジルアミン、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート等の2官能脂環式エポキシ樹脂、2官能複素環式エポキシ樹脂、多官能複素環式エポキシ樹脂、2官能又は多官能ケイ素含有エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの(B)光重合性化合物は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
次に(C)成分の光重合開始剤としては、特に制限はなく、例えば(B)成分にエポキシ化合物を用いる場合の開始剤として、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリアリルセレノニウム塩、ジアルキルフェナジルスルホニウム塩、ジアルキル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム塩、スルホン酸エステルなどが挙げられる。
また、(B)成分に分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物を用いる場合の開始剤としては、ベンゾフェノン等の芳香族ケトン、2−エチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、2−メルカプトベンゾイミダゾール等のベンゾイミダゾール類、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド類、9−フェニルアクリジン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物などが挙げられる。また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。なお、コア層及びクラッド層の透明性を向上させる観点からは、上記化合物のうち、芳香族ケトン及びフォスフィンオキサイド類が好ましい。
これらの(C)光重合開始剤は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
(A)ベースポリマーの配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量に対して、5〜80質量%とすることが好ましい。また、(B)光重合性化合物の配合量は、(A)及び(B)成分の総量に対して、95〜20質量%とすることが好ましい。
この(A)成分及び(B)成分の配合量として、(A)成分が5質量%以上であり、(B)成分が95質量%以下であると、樹脂組成物を容易にフィルム化することができる。一方、(A)成分が80質量%以下あり、(B)成分が20質量%以上であると、(A)ベースポリマーを絡み込んで硬化させることが容易にでき、光導波路を形成する際に、パターン形成性が向上し、かつ光硬化反応が十分に進行する。以上の観点から、この(A)成分及び(B)成分の配合量として、(A)成分10〜85質量%、(B)成分90〜15質量%がより好ましく、(A)成分20〜70質量%、(B)成分80〜30質量%がさらに好ましい。
(C)光重合開始剤の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.1〜10質量部とすることが好ましい。この配合量が0.1質量部以上であると、光感度が十分であり、一方10質量部以下であると、露光時に感光性樹脂組成物の表層での吸収が増大することがなく、内部の光硬化が十分となる。さらに、光導波路として使用する際には、重合開始剤自身の光吸収の影響により伝搬損失が増大することもなく好適である。以上の観点から、(C)光重合開始剤の配合量は、0.2〜5質量部とすることがより好ましい。
また、このほかに必要に応じて、クラッド層形成用樹脂中には、酸化防止剤、黄変防止剤、紫外線吸収剤、可視光吸収剤、着色剤、可塑剤、安定剤、充填剤などのいわゆる添加剤を本発明の効果に悪影響を与えない割合で添加してもよい。
本発明においては、クラッド層の形成方法は特に限定されず、例えば、クラッド層形成用樹脂の塗布又はクラッド層形成用樹脂フィルムのラミネートにより形成すれば良い。
塗布による場合には、その方法は限定されず、例えば、前記(A)〜(C)成分を含有する樹脂組成物を常法により塗布すれば良い。
また、ラミネートに用いるクラッド層形成用樹脂フィルムは、例えば、前記樹脂組成物を溶媒に溶解して、支持フィルムに塗布し、溶媒を除去することにより容易に製造することができる。
クラッド層形成用樹脂フィルムの製造過程で用いられる支持フィルムは、その材料については特に限定されず、種々のものを用いることができる。支持フィルムとしての柔軟性及び強靭性の観点から、上記した、第一の支持体1、第二の支持体5及び基板のフィルム材料として例示したものが同様に挙げられる。
支持フィルムの厚さは、目的とする柔軟性により適宜変えてよいが、5〜250μmであることが好ましい。5μm以上であると強靭性が得易いという利点があり、250μm以下であると十分な柔軟性が得られる。
ここで用いる溶媒としては、該樹脂組成物溶解し得るものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン等の溶媒又はこれらの混合溶媒を用いることができる。樹脂溶液中の固形分濃度は30〜80質量%程度であることが好ましい。
下部クラッド層11及び上部クラッド層13(以下、クラッド層11,13と略す)の厚さに関しては、乾燥後の厚さで、5〜500μmの範囲が好ましい。5μm以上であると、光の閉じ込めに必要なクラッド厚さが確保でき、500μm以下であると、膜厚を均一に制御することが容易である。以上の観点から、クラッド層11、13の厚さは、さらに10〜100μmの範囲であることがより好ましい。
また、クラッド層11,13の厚さは、最初に形成される下部クラッド層11と、コアパターン12を埋め込むための上部クラッド層13において、同一であっても異なってもよいが、コアパターン12を埋め込むために、上部クラッド層13の厚さは、コア層の厚さよりも厚くすることが好ましい。
(コア層形成用樹脂及びコア層形成用樹脂フィルム)
本発明においては、コアパターン12を形成するために、下部クラッド層11に積層するコア層の形成方法は特に限定されず、例えば、コア層形成用樹脂の塗布又はコア層形成用樹脂フィルムのラミネートにより形成すれば良い。
コア層形成用樹脂としては、コアパターン12がクラッド層11,13より高屈折率であるように設計され、活性光線によりコアパターン12を形成し得る樹脂組成物を用いることができ、感光性樹脂組成物が好適である。具体的には、前記クラッド層形成用樹脂で用いたのと同様の樹脂組成物を用いることが好ましい。
塗布による場合には、方法は限定されず、前記樹脂組成物を常法により塗布すれば良い。
以下、ラミネートに用いるコア層形成用樹脂フィルムについて詳述する。
コア層形成用樹脂フィルムは、前記樹脂組成物を溶媒に溶解して下部クラッド層2に塗布し、溶媒を除去することにより容易に製造することができる。ここで用いる溶媒としては、該樹脂組成物を溶解し得るものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン等の溶媒又はこれらの混合溶媒を用いることができる。樹脂溶液中の固形分濃度は、通常30〜80質量%であることが好ましい。
コア層形成用樹脂フィルムの厚さについては特に限定されず、乾燥後のコア層の厚さが、通常は10〜100μmとなるように調整される。該フィルムの厚さが10μm以上であると、光導波路形成後の受発光素子又は光ファイバーとの結合において位置合わせトレランスが拡大できるという利点があり、100μm以下であると、光導波路形成後の受発光素子又は光ファイバーとの結合において、結合効率が向上するという利点がある。以上の観点から、該フィルムの厚さは、さらに30〜70μmの範囲であることが好ましい。
コア層形成用樹脂の製造過程で用いる支持フィルムは、コア層形成用樹脂を支持する支持フィルムであって、その材料については特に限定されないが、後にコア層形成用樹脂を剥離することが容易であり、かつ、耐熱性及び耐溶剤性を有するとの観点から、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが好適に挙げられる。
支持フィルムの厚さは、5〜50μmであることが好ましい。5μm以上であると、支持フィルムとしての強度が得やすいという利点があり、50μm以下であると、パターン形成時のマスクとのギャップが小さくなり、より微細なパターンが形成できるという利点がある。以上の観点から、支持フィルムの厚さは10〜40μmの範囲であることがより好ましく、15〜30μmであることが特に好ましい。
本発明において用いられる光導波路は、コアパターン及びクラッド層を有する高分子層を複数積層し、多層光導波路であってもよい。
このような多層化や絶縁被覆を設けたことに伴う絶縁性の基板の積層には硬化時の収縮があるため、片面だけに形成すると基板に大きな反りを生じやすい。
そこで、必要に応じて絶縁被覆や積層をする面と反対の支持体表面に同一の材料を形成することもできる。
さらに、反りは絶縁被覆や絶縁性の基板の厚みによって変化するため、支持体表面に形成する絶縁被覆や絶縁性の基板の厚みは、反りが発生しないように調整することがより好ましい。
その場合、予備検討を行い、両面の絶縁被覆の厚みを決定することが好ましい。
(電気回路又は電気配線板)
本発明において、光導波路上に形成しても良い電気回路又は電気配線板としては、特に限定されるものではなく、種々の電気配線板を用いることができ、例えば、絶縁性の樹脂層又は基板に直接配線が設けられているものや、片面又は両面金属層付き基板、もしくは片面又は両面に金属層が付いた樹脂層を用いることができ、これらは、絶縁性の樹脂層又は基板の片面又は両面に金属層を積層することにより電気配線板が形成される。
この基板及び樹脂層の材質としては、前記基板で説明したものと同様のものが挙げられる。
また、金属層を形成する金属としては、銅、金、銀、Al、Ni、Cr、Co、Ti、Pd、Sn、Zn、Na、それらの合金、それらの金属を2層以上層形成したもの等が挙げられる。
さらに上記の配線板を多層化してあってもよい。
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。
(1)光導波路の作製
〔クラッド層形成用樹脂フィルムの作製〕
(A)ベースポリマーとして、フェノキシ樹脂(商品名:フェノトートYP−70、東都化成株式会社製)48質量部、(B)光重合性化合物として、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート(商品名:KRM−2110、分子量:252、旭電化工業株式会社製)50質量部、(C)光重合開始剤として、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩(商品名:SP−170、旭電化工業株式会社製)2質量部、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部を広口のポリ瓶に秤量し、メカニカルスターラ、シャフト及びプロペラを用いて、温度25℃、回転数400rpmの条件で、6時間撹拌し、クラッド層形成用樹脂ワニスAを調合した。その後、孔径2μmのポリフロンフィルタ(商品名:PF020、アドバンテック東洋株式会社製)を用いて、温度25℃、圧力0.4MPaの条件で加圧濾過し、さらに真空ポンプ及びベルジャーを用いて減圧度50mmHgの条件で15分間減圧脱泡した。
上記で得られたクラッド層形成用樹脂ワニスAを、離型PETフィルム(商品名:ピューレックスA31、帝人デュポンフィルム株式会社、厚さ:25μm)に塗工機(マルチコーターTM−MC、株式会社ヒラノテクシード製)を用いて塗布し、80℃、10分、その後100℃、10分乾燥し、次いで保護フィルムとして離型PETフィルム(商品名:ピューレックスA31、帝人デュポンフィルム株式会社、厚さ:25μm)を離型面が樹脂側になるように貼り付け、クラッド層形成用樹脂フィルムを得た。このとき樹脂層の厚さは、塗工機のギャップを調節することで、任意に調整可能であり、本実施例では硬化後の膜厚が、下部クラッド層25μm、上部クラッド層70μmとなるように調節した。
〔コア層形成用樹脂フィルムの作製〕
(A)ベースポリマーとして、フェノキシ樹脂(商品名:フェノトートYP−70、東都化成株式会社製)26質量部、(B)光重合性化合物として、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(商品名:A−BPEF、新中村化学工業株式会社製)36質量部、及びビスフェノールA型エポキシアクリレート(商品名:EA−1020、新中村化学工業株式会社製)36質量部、(C)光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(商品名:イルガキュア819、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1質量部、及び1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名:イルガキュア2959、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1質量部、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部を用いたこと以外は上記製造例と同様の方法及び条件でコア層形成用樹脂ワニスBを調合した。その後、上記製造例と同様の方法及び条件で加圧濾過さらに減圧脱泡した。
上記で得られたコア層形成用樹脂ワニスBを、PETフィルム(商品名:コスモシャインA1517、東洋紡績株式会社製、厚さ:16μm)の非処理面上に、上記製造例と同様な方法で塗布乾燥し、次いで保護フィルムとして離型PETフィルム(商品名:ピューレックスA31、帝人デュポンフィルム株式会社、厚さ:25μm)を離型面が樹脂側になるように貼り付け、コア層形成用樹脂フィルムを得た。本実施例では硬化後の膜厚が50μmとなるよう、塗工機のギャップを調整した。
(2)配線板の作製
次に、光導波路と複合してなる配線板の作製方法について、以下、図2枝番2を参照しつつ説明する。
〔第二の支持体8と第一の基板1の積層〕
第一の基板1である150mm角の片面銅箔付きポリイミド商品名:ユピセルN、宇部日東化成工業株式会社製、銅箔厚さ:5μm、ポリイミド厚さ12.5μm)のポリイミド面に第二の離型層6である140mm角の銅箔(商品名:3EC−VLP、三井金属鉱業株式会社製、厚さ:18μm)を中央に設置し、その上から第二の接着層7である150mm角のプリプレグ(商品名:GEA−679FG、日立化成工業株式会社製、厚さ:40μm)および第二の支持体8である銅張り積層板(MCL−E679F、日立化成工業株式会社製、厚さ:0.6mm)を構成し、4kPa以下に真空引きした後、圧力2.5MPa、温度180℃、加圧時間1時間の条件にて加熱積層して、第一の基板1を第二の支持体8に積層した。(図2(a)参照)
〔サブトラクティブ法による回路形成〕
その後、片面銅箔付きポリイミドの銅箔面に感光性ドライフィルムレジスト(商品名:フォテック、日立化成工業株式会製、厚さ:25μm)をロールラミネータ(日立化成テクノプラント株式会社製、HLM−1500)を用い圧力0.4MPa、温度50℃、ラミネート速度0.2m/minの条件で貼り、次いで紫外線露光機(株式会社オーク製作所製、EXM−1172)にて感光性ドライフィルムレジスト側から幅50μmのネガ型フォトマスクを介し、紫外線(波長365nm)を120mJ/cm2照射し、未露光部分の感光性ドライフィルムレジストを35℃の0.1〜5重量%炭酸ナトリウムの希薄溶液で除去した。その後、塩化第二鉄溶液を用いて、感光性ドライフィルムレジストが除去されむき出しになった部分の銅箔をエッチングにより除去し、35℃の1〜10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、露光部分の感光性ドライフィルムレジストを除去した。これにより片面に回路9が形成された第一の基板1付きの第二の支持体8を得た。(図1(b)参照)
〔第一の支持体4の積層〕
上記で形成した片面に回路9が形成された第一の基板1付きの第二の支持体8の第一の離型層2として回路9形成面に130mm角の離型シート(商品名:アフレックス、旭硝子株式会社製、厚さ:30μm)を中央に設置し、その上から第一の接着層3である150mm角のビルドアップ材(商品名:AS−ZII、日立化成工業株式会社製、厚さ:40μm) を500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度110℃、加圧時間30秒の条件にて加熱圧着した後、ビルドアップ材面に第一の支持体4である銅張り積層板(MCL−E679F、日立化成工業株式会社製、厚さ:0.6mm)をさらに構成し、上記と同一の条件にて加熱圧着して第一の支持体4を積層した(図2(c)参照)。
〔第二の支持体の分離〕
上記で形成した製品の各辺を各12mmずつ切断し、第二の支持体8のみを分離した。(図1(d)参照)これにより、第一の支持体4に積層した片面回路付きポリイミドを得た。
〔接着フィルムの作製〕
PCT/JP2008/05465の実施例1に記載の接着フィルムを作製した。すなわち、(a)エポキシ樹脂としてYDCN−703(東都化成株式会社製商品名、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量210)55質量部、(b)硬化剤としてミレックスXLC−LL(三井化学株式会社製商品名、フェノール樹脂、水酸基当量175、吸水率1.8質量%、350℃における加熱重量減少率4%)45質量部、シランカップリング剤としてNUC A−189(日本ユニカー株式会社製商品名、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)1.7質量部とNUC A−1160(日本ユニカー株式会社製商品名、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン)3.2質量部、(d)フィラーとしてアエロジルR972(シリカ表面にジメチルジクロロシランを被覆し、400℃の反応器中で加水分解させた、メチル基などの有機基を表面に有するフィラー、日本アエロジル株式会社製商品名、シリカ、平均粒径0.016μm)32質量部からなる組成物に、シクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、更にビーズミルを用いて90分混練した。これに(c)高分子化合物としてグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレート3質量%を含むアクリルゴムHTR−860P−3(ナガセケムテックス株式会社製商品名、重量平均分子量80万)を280質量部、及び(e)硬化促進剤としてキュアゾール2PZ−CN(四国化成工業株式会社製商品名、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール)を0.5質量部加え、攪拌混合、真空脱気した。この接着剤ワニスを厚さ75μmの離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ピューレックスA31)上に塗布し、140℃で5分間加熱乾燥して、膜厚が10μmの塗膜を形成した。次いで第2の保護フィルムとして25μmの離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ピューレックスA31)を離型面が樹脂側になるように貼り付け、接着フィルムを得た。
〔光導波路と複合してなる配線板の作製〕
接着層10として前記で得た接着フィルムの保護フィルムである離型PETフィルム(ピューレックスA31)を剥離し、ロールラミネータ(日立化成テクノプラント株式会社製、HLM−1500)を用い圧力0.4MPa、温度50℃、ラミネート速度0.2m/minの条件で、上記第一の基板1のポリイミド面にラミネートした。その後、紫外線露光機(株式会社オーク製作所製、EXM−1172)にて接着フィルム側から紫外線(波長365nm)を1J/cm2照射し、前記接着フィルムの第2の保護フィルムである離型PETフィルム(ピューレックスA31)を剥離した。
次に、上記で得られたクラッド層形成用樹脂フィルムの保護フィルムである離型PETフィルム(ピューレックスA31)を剥離し、上記で得られた第一の基板1の接着フィルム上に、上記と同様なラミネート条件で貼り付け、紫外線露光機(株式会社オーク製作所製、EXM−1172)にて下部クラッド層11に紫外線(波長365nm)を1.5J/cm2照射し、次いで80℃で10分間加熱処理することにより、下部クラッド層11を形成した。
次に、下部クラッド層11上に、上記と同様なラミネート条件で、上記コア層形成用樹脂フィルムをラミネートし、コア層を形成した。
次に、幅50μmのネガ型フォトマスクを介し、上記紫外線露光機にて紫外線(波長365nm)を0.8J/cm2照射し、次いで80℃で5分間露光後加熱を行った。その後、支持フィルムであるPETフィルムを剥離し、現像液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/N,N−ジメチルアセトアミド=7/3、質量比)を用いて、コアパターン12を現像した。続いて、洗浄液(イソプロパノール)を用いて洗浄し、100℃で10分間加熱乾燥した。
次いで平板型ラミネータとして真空加圧式ラミネータ(株式会社名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度50℃、加圧時間30秒の条件にて加熱圧着して、上部クラッド層13として上記クラッド層形成用樹脂フィルムをラミネートした。
さらに、紫外線(波長365nm)を3J/cm2照射後、160℃で1時間加熱処理することによって、上部クラッド層を硬化させ光導波路15を作製した。(図2(e)−2参照)
得られた第一の基板1および回路9付き光導波路15の上部クラッド層13側からダイシングソー(DAC552、株式会社ディスコ社製)を用いて45°のミラーを形成して、光導波路と複合してなる配線板を得た。
[第一の支持体の分離]
上記で形成した第一の支持体3付き第一の基板1の各辺をさらに各10mmずつ切断し、第一の支持体3を分離した(図2(f)−2参照)。
得られた光導波路と複合してなる配線板について、以下のようにして、第一の基板1の最外層にある回路の設計値からのズレ量を測定した。その結果を表1に示す。
(ズレ量の測定方法)
測定は第一の支持体3を分離する前に行った。第一の基板1の最外層にある回路に中に配置した30ヵ所のアライメントマーカのX座標とY座標を測定し、4隅のアライメントマーカを用いて、対角線にあるマーカ同士を結んだ交点をスケーリングファクタ原点(以下、S/F原点と略す)、4つのアライメントマーカ間の距離を設計値で割った平均値をスケーリングファクタ(以下、S/Fと略す)として決定した。例えば、設計値の4隅のアライメントマーカをA、B、C、Dとし、実測した4隅のアライメントマーカをA’、B’、C’、D’とし、A(又はA’)とC(又はC’)、B(又はB’)とD(又はD’)が対角線上に位置する場合、AとCを結んだ直線と、BとDを結んだ直線との交点が設計値のS/F原点であり、A’とC’を結んだ直線と、B’とD’を結んだ直線との交点が実測値のS/F原点である。また、A’−B’間距離/A−B間距離、B’−C’間距離/B−C間距離、C’−D’間距離/C−D間距離、及びD’−A’間距離/D−A間距離の平均値がS/Fである。その後、測定したX座標およびY座標を、実測値のS/F原点を設計値のS/F原点の位置に補正し、さらに設計値にS/Fを乗じて、それによって得られた設計値のX座標およびY座標とのズレ量を算出した。このズレ量は光導波路15や他の回路との位置合わせした際の最小ズレ量に相当する。
また、光導波路の収縮率は、上記で決定した(1−S/F)×100(%)から算出した。
表1において、Xは横方向のズレ量、Yは縦方向のズレ量、XYはズレの距離を示す。表1の結果より、ズレ量は最大で7.5μmで、また、収縮率は、0.04%であった。
Figure 2010225664
第二の支持体8を分離した後に、上記のダイシングソーを用いて、第一の基板1を切断し、断面から第一の支持体に対して反対面である第一の基板1のポリイミド基板の凹凸を測定した。次に測定方法を示す。
(凹凸の測定方法)
図5に示すように、第一の基板1に回路がある部分の剥離面側の基板101と、第一の基板1に回路がない部分の剥離面側の基板102の高さの差を測定した。その結果、0.5μmであった。
さらに光導波路のコア幅は最小値49.9μm〜最大値50.2μmのばらつきがあった。
実施例2
実施例1において第一の基板1を片面銅箔付きポリイミド基板を用い、第二の支持体8を分離した後の回路形成を特開2006−93199号公報の実施例2に記載の下記条件にてセミアディティブ法を用いて行った。
(セミアディティブ法条件)
装置:プラズマリアクター装置型式PR−501A(ヤマト科学株式会社製、商品名)
エッチング深さ:1.5μm
パワー:300W
使用ガスと流量:CF4;20SCCM、酸素;50SCCM
基板温度:室温(25℃)
真空度:100Pa
エッチングレート:300nm/min
第一の支持体1を積層する前の工程で、実施例1と同様に光導波路15を形成した。さらにあらかじめ上記のサブトラクティブ法によって回路を形成した片面のポリイミド基板を、ポリイミド面に前記で得た接着フィルムを貼り合せた後に、接着フィルム面と光導波路15を貼り合せた。その他の工程は実施例1と同様に行った(図2(f)−3)。
得られた光導波路と複合してなる配線板について、実施例1と同様にして、第一の基板1の最外層にある回路位置のズレ量を測定した。その結果を表2に示す。
表2の結果より、ズレ量は最大で7.2μmで、また、収縮率は0.05%であった。
Figure 2010225664
次に、実施例1と同様に、第一の基板1に回路がある部分の剥離面側の基板101と、第一の基板1に回路がない部分の剥離面側の基板102の高さの差を測定した。その結果、0.5μmであった。
さらに光導波路のコア幅は最小値50.0μm〜最大値50.3μmのばらつきがあった。
実施例3
実施例1において第二の基板5として光導波路の代わりに、第一の基板1の回路形成面にプリプレグ(商品名:GEA−679FG、日立化成工業株式会社製、厚さ:40μm)、銅箔(商品名:3EC−VLP、三井金属鉱業株式会社製、厚さ:18μm)を順次形成し、4kPa以下に真空引きした後、圧力2.5MPa、温度180℃、加圧時間1時間の条件にて加熱積層した。さらに上記の銅箔を上記のサブトラクティブ法を用いて回路形成した(図2(f)−1参照)。
得られた配線板について、実施例1と同様にして、第一の基板1の最外層にある回路位置のズレ量を測定した。その結果を表3に示す。
表3の結果より、ズレ量は最大で9.6μmで、また、収縮率は0.05%であった。
Figure 2010225664
実施例4
実施例3において、実施例1と同様の条件で第二の基板5の回路形成面にさらに光導波路15を形成した(図2(f)−4参照)。
実施例1と同様に、第一の基板1に回路がある部分の剥離面側の基板101と、第一の基板1に回路がない部分の剥離面側の基板102の高さの差を測定した。その結果、1.5μmであった。
さらに光導波路のコア幅は最小値50.1μm〜最大値50.2μmのばらつきがあった。
実施例5
実施例1において、工程Aとして回路9を形成した後に、実施例2と同様の条件で回路9形成面に光導波路15およびポリイミド基板(基板X16)を形成し、改めて第一の基板1とした。それ以降の工程B以降として第二の基板5を形成しない以外は、実施例3と同様に行った(図3参照)。
実施例1と同様に、第一の基板1に回路がある部分の剥離面側の基板101と、第一の基板1に回路がない部分の剥離面側の基板102の高さの差を測定した。その結果、1.0μmであった。
さらに光導波路のコア幅を測定したところ、最小値49.7μm〜最大値50.3μmのばらつきがあった。
比較例1
実施例1において第一の離型層2、第一の接着層3、第一の支持体4、第二の離型層6、第二の接着層7、第二の支持体8を使用せず、ポリイミド基板の回路形成をサブトラクティブ法を用いて同時に行った以外は同様にして行った。
得られた光導波路と複合してなる配線板について、実施例1と同様にして、第一の基板1の最外層にある回路位置のズレ量を測定した。その結果を表4に示す。
表4の結果より、ズレ量は最大で32.3μmで、また、収縮率は0.15%であった。
Figure 2010225664
実施例1と同様に、第一の基板1に回路がある部分の剥離面側の基板面101と、第一の基板1に回路がない部分の剥離面側の基板面102の高さの差を測定した。その結果、3.0μmであった。さらに光導波路のコア幅は最小値48μm〜最大値53μmとばらつきがあった。
本発明の配線板の製造方法によれば、電気回路のみの配線板に関しては、製造工程で基材の凹凸が少なく短絡や開放による不良を低減した微細配線板ができるため、微細な配線を有する信頼性の高い配線基板(マザーボード、半導体チップ搭載基板)と半導体パッケージとフレキシブル基板が製造できる。光導波路と複合した配線板に関しては、製造工程で光導波路に生じる歪みが著しく低減されて、寸法安定化が図れ、基材の凹凸が少なくコア幅も均一に形成できるため、ボード間あるいはボード内における低伝搬損失な光インターコネクション等の幅広い分野に適用可能である。
1;第一の基板
2;第一の離型層
3;第一の接着層
4;第一の支持体
5;第二の基板
6;第二の離型層
7;第二の接着層
8;第二の支持体
9;回路
10;接着層
11;下部クラッド層
12; コアパターン
13;上部クラッド層
14;基板
15;光導波路
16;基板X
17;金属層
101;第一の基板1に配線がある部分の剥離面側の基板面
102;第一の基板1に配線がない部分の剥離面側の基板面

Claims (10)

  1. 第一の基板に回路を形成する工程A、前記第一の基板の回路形成面に、第一の離型層を介して第一の支持体を積層する工程B、第一の基板の回路形成面の反対面に第二の基板又は回路を形成する工程Cを順に有する配線板の製造方法。
  2. 前記工程Bにおいて、前記第一の離型層に、第一の基板に形成された回路を埋め込ませることを特徴とする請求項1に記載の配線板の製造方法。
  3. 前記工程Aの前に、前記第一の基板を第二の支持体に積層する工程Dをさらに有し、前記工程Aにおいて、前記第一の基板の第二の支持体形成面の反対面に回路を形成し、前記工程Cの前に前記第二の支持体を前記第一の基板から除去する工程Eをさらに有する請求項1又は2に記載の配線板の製造方法。
  4. 前記工程Dにおいて、第二の離型層を介して前記第一の基板を前記第二の基板上に形成し、前記工程Eにおいて、前記第二の離型層及び前記第二の支持体を前記第一の基板から除去する請求項3に記載の配線板の製造方法。
  5. 前記工程Cの後に、前記第一の支持体及び前記第一の離型層を前記第一の基板から除去する工程Fをさらに有する請求項1〜4のいずれかに記載の配線板の製造方法。
  6. 前記工程Aにおいて、前記第一の基板が金属層付き基板であって、前記金属箔をパターニングして回路を形成する請求項1〜5のいずれかに記載の配線板の製造方法。
  7. 前記第二の基板が光導波路である請求項1〜6のいずれかに記載の配線板の製造方法。
  8. 前記第二の基板が多層基板である請求項1〜6のいずれかに記載の配線板の製造方法。
  9. 前記第二の基板が光導波路上に電気回路又は電気配線板が形成された光電気混載基板である請求項1〜6のいずれかに記載の配線板の製造方法。
  10. 前記工程Aにおいて、前記第一の基板が、基板X上に光導波路及び電気配線板が順に形成された光電気混載基板であって、前記基板Xの光導波路形成面とは反対面に前記回路を形成することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の配線板の製造方法。
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