JP2009260231A - 光電気複合基板の製造方法、これによって製造される光電気複合基板、及びこれを用いた光電気複合モジュール - Google Patents

光電気複合基板の製造方法、これによって製造される光電気複合基板、及びこれを用いた光電気複合モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】生産性に優れた光電気複合基板の製造方法、これによって製造される光電気複合基板、及びこれを用いた光電気複合基板モジュールを提供すること。
【解決手段】金属箔付き基板の基板表面に接着剤層を介して光導波路を張り合わせる第1の工程と、金属箔付き基板の金属箔を導体パターン化して電気配線基板を構築する第2の工程を有する光電気複合基板の製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、光電気複合基板の製造方法、これによって製造される光電気複合基板、及びこれを用いた光電気複合基板モジュールに関するものである。
電子素子間や配線基板間の高速・高密度信号伝送において、従来の電気配線による伝送では、信号の相互干渉や減衰が障壁となり、高速・高密度化の限界が見え始めている。これを打ち破るため電子素子間や配線基板間を光で接続する技術、いわゆる光インタコネクションが提案されており、電気配線と光配線の複合化に関して種々の検討が行われている。特に近年では、携帯電話やノート型パソコンのヒンジ部に光配線を導入する試みがなされており、これらアプリケーションには、フレキシブル光電気複合基板が使用される。
光配線と電気配線との複合化の方法として容易に想到し得るのは、光導波路と光配線基板とを接着剤層を介して接合する方法であるが、この方法では、光導波路と光配線基板との相対的な位置を正確に合わせて接合するのが難しく、光配線と電気配線との結合効率の低下により生産性が低下することが懸念される。
これに対して、特許文献1のように、先ずフレキシブル光配線フィルムを作成し、その裏面に無電解めっき又は真空蒸着により下地金属層を形成し、パターニングした後に電解めっきを行って電気配線を構築する方法も提案されているが、この方法では、フレキシブル光配線フィルムの裏面と下地金属層(電気配線)との密着強度が十分ではなく、信頼性を損なう恐れがある。
特許第3193500号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、生産性に優れた光電気複合基板の製造方法、これによって製造される光電気複合基板、及びこれを用いた光電気複合基板モジュールを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、先ず、金属箔付き基板の基板表面に光導波路を張り合わせ、次いで、金属箔付き基板から電気配線基板を構築する行うことにより、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、
[1]金属箔付き基板の基板表面に接着剤層を介して光導波路を張り合わせる第1の工程と、金属箔付き基板の金属箔を導体パターン化して電気配線基板に構築する第2の工程を有する光電気複合基板の製造方法、
[2]第2の工程が、金属箔上にエッチングレジストでレジストパターンを形成した後に、エッチングにより導体パターンを形成し、次いでレジスト除去を行うことからなる、上記[1]の光電気複合基板の製造方法、
[3]第2の工程が、金属箔上にめっきレジストでレジストパターンを形成した後に、パターンめっきにより導体パターンを形成し、次いでめっきレジスト除去と露出金属箔エッチングとを行うことからなる、上記[1]の光電気複合基板の製造方法。
[4]更に導体パターン上に導体保護層を形成する、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の光電気複合基板の製造方法、
[5]光電気複合基板がフレキシブルタイプである、上記[1]〜[4]のいずれかの光電気複合基板の製造方法、
[6]上記[1]〜[5]のいずれかの製造方法を用いて製造される光電気複合基板、及び
[7]上記[6]の光電気複合基板を用いた光電気複合モジュール、
を提供するものである。
本発明によれば、既に構築されている光導波路を見ながら導電パターン等を形成するので、光導波路と電気配線基板とを高い位置精度で複合でき、従って、大きな面積の光電気複合基板を、容易に且つ生産性良く製造することができる。
本発明の光電気複合基板の製造方法は、金属箔付き基板の基板表面に接着剤層を介して光導波路を張り合わせる第1の工程と、金属箔付き基板の金属箔を導体パターン化して電気配線基板を構築する第2の工程を有することを特徴とする。すなわち、
本発明の製造方法における第1の工程は、図1の(a)に示すように、金属箔11と基板12とを有する金属箔付き基板13の基板表面に、接着剤層20を介して、下部クラッド層31、コアパターン32及び上部クラッド層33を有する光導波路30を張り合わせる工程である。
本発明の製造方法における第2の工程は、図1の(b)に示すように、金属箔11を導体パターン11aとして電気配線基板10を構築する工程である。必要に応じて、図1の(c)に示すように、導体パターン11aを保護するため、導体パターン11aの必要部分に導体保護層14を形成する。ここで、導体保護層とは、導体パターンの絶縁保護、さらにはほこりや水分、機械的ダメージ等からの保護を目的に形成されるものであり、例えばプリント配線板のソルダーレジストやカバーレイを指す。
以下、上記の工程ごとに、用いられる材料等について詳細に説明する。
<金属箔付き基板>
本発明で用いられる金属箔付き基板としては、目的に応じて種々のものを用いることができ、例えば、金属としては、銅、アルミニウム、金等が、基板としては、ガラスエポキシ基板、ポリイミドポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、液晶ポリマー等を用いた有機配線基板、アルミナ基板、窒化アルミ基板などのセラミック配線基板、シリコンなどの半導体ウエハ等が挙げられる。
フレキシブルタイプの光電気複合基板を製造するためには、基板材料として、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、液晶ポリマーなどが用いられるが、一般的には耐熱性や入手のしやすさの観点からポリイミドが用いられる。
又、電気配線基板の構築に際して、基板を通して光導波路(コアパターン)を視認し易くするためには、透明な基板が好ましい。
金属箔付き基板を電気配線基板に加工するためには配線のパターニングが必要であるが、その方法として、従来、金属配線に必要とされる厚みの金属箔が接着剤層を介して基板に積層された3層の金属箔付き基板を用い、金属箔付き基板の金属箔から導体パターンとしての不要部分をエッチング除去する、いわゆるサブトラクティブ法が多く行われてきた。
然しながら、3層の金属箔付き基板においては、接着剤層の存在が基板の性能、特に、折れ曲げに対する信頼性に影響するため、接着剤層を介さずに金属箔が直接基板に積層された2層の金属箔付き基板が開発されており、金属箔と基板との接着強度を高める試みも多くなされている。
2層の金属箔付き基板としては、スパッタ法や直接めっき法によって基板上に金属薄膜を形成し、更に、電解めっき等の方法で導体金属の厚付けがなされることによって製造されたものがあり、そのような2層の金属箔付き基板については、通常、上述のサブトラクティブ法で導体パターンを加工する。
また、2層の金属箔付き基板としては、スパッタ法や直接めっき法によって基板上に金属薄膜を形成して製造されたものがあり、そのような2層の金属箔付き基板については、通常、導体パターンとしての必要部分にのみ電解めっき等の方法で導体金属を析出させて必要な厚みとする、いわゆるセミアディティブ法で導体パターンを加工する。
これらの2層の金属箔付き基板の場合、金属薄膜は銅、アルミニウム、金等の導体金属と同じである必要はなく、ニッケル、クロム、パラジウム、鉄等であってもよい。
本発明には、金属箔付き基板としてこのような2層の金属箔付き基板を用い、後に、アディティブ法で電気配線基板を形成する方法(セミアディティブ法)も含まれる。むろん、2層の金属箔付き基板が金属配線に必要とされる厚みの金属箔を有する場合は、サブトラクティブ法で電気配線基板を形成する。
基板及び金属箔の厚さは、用途に応じて適宜決定されるものであって、特に制限はない。例えば、銅張りポリイミドフィルムの場合には、銅箔の厚みが1μm〜50μm程度、基板の厚みが5μm〜100μm程度である。
このような金属箔付き基板としては、市販のもので、(株)カネカ製、商品名「ピクシオ」、宇部興産(株)製、商品名「ユピセル」、新日鐵化学(株)製、商品名「エスパネックス」、東レフィルム加工(株)製、商品名「メタロイヤル」、シェルダール製、商品名「フレックスベース」等がある。
<接着剤層>
金属箔付き基板の基板表面に下部クラッド層を接着剤層を介して形成する場合には、基板表面に接着剤組成物を直接塗布して接着剤層を設けてもよいが、支持基材上に接着剤層を有するシート状接着剤を使用し、接着剤層を基板表面に転写する方法の方が、接着剤層の平滑性に優れ、かつ接着剤層の厚さの精度が確保でき、しかも、接着剤層を形成する際に接着剤層形成用の樹脂組成物が流れる等の問題も生じないので好ましい。
シート状接着剤としては、支持基材上に直接接着剤層を形成したものでもよいが、接着剤層から支持基材を容易に剥離するためには、支持基材上に粘着剤層と接着剤層とを順次形成したものや、支持基材上に粘接着剤層を形成した粘接着シートが好ましい。特に、粘接着シートは、粘着剤と接着剤を別に用意する必要がないため、作製工程が簡単になるので、より好ましい。
粘接着剤層を形成するための粘接着剤組成物としては、光学分野で通常用いられるものを使用することができるが、該粘接着剤組成物を下記の条件で測定した125℃における貯蔵弾性率が10MPa以下であるものが好ましい。貯蔵弾性率が10MPa以下であると、光導波路が加熱されて膨張等した際に、粘接着剤層が応力緩和層として働くため、光導波路と基板の熱膨張率の差に起因する光導波路の剥離が生じない点で有利である。以上の観点から、125℃における貯蔵弾性率が5MPa以下であることがさらに好ましい。
また、粘接着剤層の厚さとしては、特に制限はないが、3〜200μmが好ましい。3μm以上であると十分な応力緩和効果が得られ、200μm以下であると光学装置の小型化の要求に合致させることができ、かつ経済的にも有利である。以上の観点から、粘接着剤層の厚さは、5〜50μmがより好ましく、8〜30μmがさらに好ましく、10〜25μmが特に好ましい。
(貯蔵弾性率の測定条件)
試験片の大きさが、長さ20mm、幅4mm、膜厚80μmであり、昇温速度が5℃/min、引張りモード、振動数10Hz、自動静荷重で測定する。
粘接着剤層を形成するための粘接着剤組成物は、上記貯蔵弾性率の条件を満足するものであれば特に制限はなく、具体的には、分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物又は分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物などが挙げられる。これらの化合物は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、粘接着剤組成物として、好適なものの具体例としては、(a)官能基を含む重量平均分子量が10万以上である高分子量成分、(b)エポキシ樹脂、(c)フェノール系エポキシ樹脂硬化剤、(d)紫外線照射によって得られる硬化物のTgが250℃以上である光反応性モノマー、及び(e)波長200〜450nmの紫外線照射により塩基とラジカルを発生する光開始剤を含有してなるものなどが挙げられる。
以下、本明細書において、(a)及び(c)〜(e)成分を、それぞれ(a)高分子量成分、(c)エポキシ樹脂硬化剤、(d)光反応性モノマー及び(e)光開始剤と略記することがある。
本発明においては、粘接着剤層の形成に際し、上述のように、粘接着シートを用いることが好ましいが、上記(a)〜(e)成分を用いる場合には、さらに以下に示すような利点がある。すなわち、
(1)(a)高分子量成分と(b)エポキシ樹脂は、組み合わせによっては非相溶とすることができ、いわゆる海島構造を取りやすく、低弾性、接着性、作業性及び高温時の信頼性が得られること、
(2)(c)エポキシ樹脂硬化剤と(d)光反応性モノマーを用いることにより耐熱性、耐リフロー性に優れること、
(3)(c)エポキシ樹脂硬化剤及び(d)光反応性モノマーの存在下で(e)光開始剤を使用するため、光が当たらない状態では(b)エポキシ樹脂、及び(d)光反応性モノマーがほとんど反応せず、保存安定性に優れる上に、光を照射すれば光反応が促進され、またエポキシ樹脂の硬化促進剤が発生するため、加熱するとスムーズにエポキシ樹脂の硬化が進むという、反応性と保存安定性とを両立し得ること、である。
以下、好ましい粘接着剤組成物を構成する各成分についてより具体的に説明する。
(a)官能基を含む重量平均分子量が10万以上である高分子量成分としては、接着性向上の点で、グリシジル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、カルボキシル基、水酸基、エピスルフィド基などの官能基を含有するものが好ましく、中でも架橋性の点でグリシジル基が好ましい。具体的には、原料モノマーとして、グリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレート(以下、総称して、「グリシジル(メタ)アクリレート」という)を含有し、かつ重量平均分子量が10万以上であるグリシジル基含有(メタ)アクリル共重合体を挙げることができる。
また、耐リフロー性の点で、(b)エポキシ樹脂と非相溶であることが好ましい。但し、相溶性は(a)高分子量成分の特性のみでは決定しないので、両者が相溶しない組み合わせを選択することになる。本発明において、上記グリシジル基含有(メタ)アクリル共重合体とは、グリシジル基含有アクリル共重合体とグリシジル基含有メタクリル共重合体の両方を示す語句である。
このような共重合体としては、例えば、(メタ)アクリルエステル共重合体、アクリルゴムなどを使用することができ、アクリルゴムがより好ましい。アクリルゴムは、アクリル酸エステルを主成分とし、主として、ブチルアクリレートとアクリロニトリルなどの共重合体や、エチルアクリレートとアクリロニトリルなどの共重合体などからなるゴムである。共重合体モノマーとしては例えば、ブチルアクリレート、エチルアクリレート、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリロニトリル等を挙げることができる。
官能基としてグリシジル基を選択する場合、共重合体モノマー成分としてグリシジル(メタ)アクリレート等を使用することが好ましい。このような重量平均分子量が10万以上であるグリシジル基含有(メタ)アクリル共重合体は、上記モノマーから適宜モノマーを選択して製造することもできるし、市販品(例えばナガセケムテックス(株)製HTR−860P−3、HTR−860P−5等)もある。
(a)高分子量成分において、官能基の数は架橋密度に影響するので、用いる樹脂によっても異なるが、高分子量成分を複数のモノマーの共重合体として得る場合は、原料として使用する官能基含有モノマーの量としては、共重合体の0.5〜6質量%含まれることが好ましい。
(a)成分としてグリシジル基含有アクリル共重合体を使用する場合、原料として使用するグリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有モノマーの量、及びグリシジル基含有繰り返し単位の量は、共重合体の0.5〜6質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましく、0.8〜5質量%が特に好ましい。グリシジル基含有繰り返し単位の量がこの範囲にあると、グリシジル基の緩やかな架橋が起こるため接着力が確保できるとともに、ゲル化を防止することができる。また、(b)エポキシ樹脂と非相溶になるため、応力緩和性に優れるようになる。
グリシジル(メタ)アクリレート等に他の官能基を組み込んでモノマーとすることもできる。その場合の混合比率は、グリシジル基含有(メタ)アクリル共重合体のガラス転移温度(以下「Tg」という)を考慮して決定し、Tgは−10℃以上であることが好ましい。Tgが−10℃以上であると、Bステージ状態での粘接着層のタック性が適当であり、取り扱い性に問題を生じないからである。
(a)官能基を含む重量平均分子量が10万以上である高分子量成分として、上記モノマーを重合させて、グリシジル基含有アクリル共重合体を使用する場合、その重合方法としては特に制限はなく、例えば、パール重合、溶液重合などの方法を使用することができる。
本発明において、(a)高分子量成分の重量平均分子量は10万以上であるが、30万〜300万であることが好ましく、40万〜250万がより好ましく、50万〜200万であることが特に好ましい。重量平均分子量がこの範囲にあると、シート状又はフィルム状としたときの強度、可撓性、及びタック性が適当であり、また、フロー性が適当のため基板の凹凸に対する追従性が確保できる。なお、本発明において、重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値を示す。
粘接着剤組成物に使用する(b)エポキシ樹脂は、硬化して接着作用を有するものであれば特に限定されず、例えばエポキシ樹脂ハンドブック(新保正樹編、日刊工業新聞社)等に記載されるエポキシ樹脂を広く使用することができる。具体的には、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂などの二官能エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂などを使用することができる。また、多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、複素環含有エポキシ樹脂又は脂環式エポキシ樹脂など、一般に知られているものを適用することができる。
このようなエポキシ樹脂の一種であるビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、油化シェルエポキシ(株)製エピコート807,815,825,827,828,834,1001,1004,1007,1009、ダウケミカル社製DER−330,301,361、東都化成(株)製YD8125,YDF8170等が挙げられる。フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、油化シェルエポキシ(株)製エピコート152,154、日本化薬(株)製EPPN−201、ダウケミカル社製DEN−438等が、また、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、日本化薬(株)製EOCN−102S,103S,104S,1012,1025,1027、東都化成(株)製YDCN701,702,703,704等が挙げられる。多官能エポキシ樹脂としては、油化シェルエポキシ(株)製Epon1031S、チバスペシャリティーケミカルズ社製アラルダイト0163、ナガセ化成(株)製デナコールEX−611,614,614B,622,512,521,421,411,321等が挙げられる。アミン型エポキシ樹脂としては、油化シェルエポキシ(株)製エピコート604、東都化成(株)製YH−434、三菱ガス化学(株)製TETRAD−X,TETRAD−C、住友化学(株)製ELM−120等が挙げられる。複素環含有エポキシ樹脂としては、チバスペシャリティーケミカルズ社製アラルダイトPT810等の、UCC社製ERL4234,4299,4221,4206等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で又は2種類以上を組み合わせても、使用することができる。また、本発明において、高接着力を付与するためには、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
粘接着剤組成物における(b)エポキシ樹脂の使用量は、(a)高分子量成分100質量部に対して、5〜250質量部が好ましい。(b)エポキシ樹脂の使用量がこの範囲内にあると、弾性率及び成型時のフロー性抑制が確保でき、また高温での取り扱い性も十分に得られる。(b)エポキシ樹脂の使用量は、10〜100質量部がより好ましく、20〜50質量部が特に好ましい。既に述べたように、(b)エポキシ樹脂は、(a)高分子量成分と相溶しないことが好ましい。
粘接着剤組成物に使用する(c)フェノール系エポキシ樹脂硬化剤は、エポキシ樹脂と組み合わせることによって、高温高圧下において耐衝撃性が優れ、厳しい熱吸湿下においても充分な接着物性を保持することができるため有効である。
このような(c)成分としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂又はクレゾールノボラック樹脂などのフェノール樹脂等を挙げることができる。より具体的には、例えば、大日本インキ化学工業(株)製、商品名:フェノライトLF2882、フェノライトLF2822、フェノライトTD−2090、フェノライトTD−2149、フェノライトVH−4150、フェノライトVH4170等が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
粘接着剤組成物に耐湿信頼性を付与するためには、(c)成分の使用量は、(b)エポキシ樹脂のエポキシ基1個当たりフェノール性水酸基の当量比が0.5〜1.5の範囲であることが好ましく、0.8〜1.2であることがより好ましい。当量比がこの範囲内であれば、樹脂が十分に硬化(橋かけ)し、硬化物の耐熱性や耐湿性などを向上させることができる。
粘接着剤組成物に使用する(d)紫外線照射によって得られる硬化物のTgが250℃以上である光反応性モノマーは、後述する粘接着シートの紫外線照射後の耐熱性を向上させ、熱時接着力及び耐リフロー性を向上させることができる。
(d)光反応性モノマーのTgを測定する方法としては、(d)光反応性モノマーに光開始剤を添加し紫外線照射した硬化物を5×5mm程度の大きさに成形しサンプルを作製する。作製したサンプルをセイコーインスツルメンツ(株)製:EXSTRA6000によって圧縮モードにより測定してTgを決定する。Tgが250℃以上であると、耐熱性が優れ、耐リフロークラック性評価における250℃以上の熱に耐えうる。そのため、耐リフロークラック性が良好である。Tgとしては、さらに好ましくは、鉛フリーハンダ対応の260℃以上である。またTgがあまり高すぎるものは紫外線照射後の粘接着シートの常温貼り付け性が劣るようになる傾向があるので、上限としては、350℃が好ましい。
(d)光反応性モノマーの具体例としては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド(EO)変性トリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートのような多官能アクリレート等が挙げられ、これらの光反応性モノマーは、単独で又は2種類以上を組み合わせても、使用することができる。紫外線照射後の残存モノマーの観点から、多官能アクリレートの中で、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートやジペンタエリスリトールペンタアクリレートなどが好ましい。具体的には新中村化学(株)製、商品名:A−DPH、A−9300等がある。
なお、複数の(d)光反応性モノマーを使用する場合、そのTgはその混合物を上記測定方法で測定したときのTgであり、それぞれのモノマーのTgが250℃以上であることを要しない。
粘接着剤組成物における(d)光反応性モノマーの使用量は、(a)高分子量成分100質量部に対して、5〜100質量部が好ましい。この使用量が5質量部以上であれば、紫外線照射による光反応性モノマーの重合反応が起こりやすくなるために粘接着シートの支持基材からの剥離性が向上する傾向がある。逆に100質量部以下であれば、高分子量成分の低弾性が機能し、フィルムが脆くならず、硬化物の耐熱性や耐湿性などが向上する傾向がある。したがって、10〜70質量部がより好ましく、20〜50質量部が特に好ましい。
粘接着剤組成物における(e)波長200〜450nmの紫外線照射により塩基とラジカルを発生する光開始剤は、一般的にはα−アミノケトン化合物と呼ばれるものである。このような化合物は、例えば、J.Photopolym.Sci.Technol,Vol.13,No12001等に記載されているもので、紫外線を照射すると次式のように反応する。
Figure 2009260231
α−アミノケトン化合物は、紫外線照射する前は、ラジカルが存在しないため光反応性モノマーの重合反応は起きない。また、立体障害のため熱硬化性樹脂の硬化も促進しない。しかし、紫外線照射により、α−アミノケトン化合物の解離が起こり、ラジカルの発生に伴い、光反応性モノマーの重合反応が起こる。また、α−アミノケトン化合物の解離により、立体障害が低下し活性化したアミンが存在するようになる。そのため、アミンが熱硬化性樹脂の硬化促進作用を有するようになり、以後加熱により硬化促進作用が働くと類推される。このような作用により、紫外線照射する以前には、ラジカルや活性化したアミンが存在しないため、室温での保存安定性に非常に優れている粘接着シートを提供することができる。また、紫外線照射により生じるラジカル及びアミンの構造によって光反応性モノマーやエポキシ樹脂の硬化速度が変化するので、用いる(b)〜(d)成分によって、適宜(e)光開始剤(塩基発生剤)を決定することができる。
前記(e)光開始剤(塩基発生剤)としては、例えば、2−メチル−1(4−(メチルチオ)フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン(Ciba Speciality Chemicals社製イルガキュア907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1−オン(Ciba Speciality Chemicals社製社製イルガキュア369)、ヘキサアリールビスイミダゾール誘導体(ハロゲン、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基等の置換基がフェニル基に置換されても良い)、ベンゾイソオキサゾロン誘導体等を用いることができる。
前記光開始剤(塩基発生剤)のほかに、光フリース転位、光クライゼン転位やクルチウス転位、スチーブンス転位によって塩基を発生させる方法を用いることができる。
前記光開始剤(塩基発生剤)は、分子量500以下の低分子化合物として用いるほか、高分子の主鎖及び側鎖に導入した化合物を用いても良い。この場合の分子量としては、粘接着剤としての粘接着性、流動性の観点から重量平均分子量1000〜100000が好ましく、より好ましくは5000〜30000である。
粘接着剤組成物において、(e)光開始剤の使用量は、(a)高分子量成分100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましい。0.1質量部以上であれば、反応性良好で残存モノマーが少なくなり、20質量部以下であれば、重合反応による分子量増加が適度に機能し、低分子量成分が少なく、耐リフロー性に影響を及ぼす可能性が低減される。従って、より好ましくは0.5〜15質量部であり、さらに好ましくは、1〜5質量部である。
次に、上記(a)〜(e)成分以外に、粘接着剤層に含有させることのできる成分について説明する。
粘接着剤樹脂組成物には、可撓性や耐リフロークラック性を向上させる目的で、(f)エポキシ樹脂と相溶性がある高分子量樹脂を添加することができる。このような高分子量樹脂としては、(a)高分子量成分と非相溶になるものが信頼性向上の観点で好ましく、例えばフェノキシ樹脂、高分子量エポキシ樹脂、超高分子量エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することもできる。(b)エポキシ樹脂として(a)高分子量成分と相溶性があるものを使用するとき、(f)エポキシ樹脂と相溶性がある高分子量樹脂を使用すると、(b)エポキシ樹脂は、該(f)成分とより相溶しやすいため、結果的に(b)エポキシ樹脂と(a)高分子量成分とを非相溶にすることが可能となる場合がある。
(f)エポキシ樹脂と相溶性がある高分子量樹脂の使用量は、(b)エポキシ樹脂及び(c)エポキシ樹脂硬化剤の合計100質量部に対して、40質量部以下とすることが好ましい。この範囲であると、粘接着剤層のTgを確保できる。
また、粘接着剤組成物には、異種材料間の界面結合を良くするために、各種カップリング剤を添加することもできる。カップリング剤としては、例えば、シラン系、チタン系、アルミニウム系等が挙げられる。
上記シラン系カップリング剤としては、特に制限はなく、例えば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシランなどを使用することができ、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。具体的には日本ユニカー(株)製NUCA−189、NUCA−1160がある。
上記カップリング剤の使用量は、その効果や耐熱性及びコストの面から、(a)官能基を含む重量平均分子量が10万以上である高分子量成分100質量部に対して、0.01〜10質量部とするのが好ましい。
粘接着剤組成物には、イオン性不純物を吸着して、耐湿信頼性を向上させるために、さらにイオン捕捉剤を添加することもできる。このようなイオン捕捉剤としては、特に制限はなく、例えば、トリアジンチオール化合物、ビスフェノール系還元剤等の、銅がイオン化して溶け出すのを防止するため銅害防止剤として知られる化合物、ジルコニウム系、アンチモンビスマス系マグネシウムアルミニウム化合物等の無機イオン吸着剤などが挙げられる。
上記イオン捕捉剤の使用量は、添加による効果や耐熱性、コスト等の点から、(a)官能基を含む重量平均分子量が10万以上である高分子量成分100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。
粘接着シートは、前記粘接着剤組成物を溶剤に溶解あるいは分散してワニスとし、支持基材上に塗布、加熱し溶剤を除去することによって得ることができる。
すなわち、まず保護フィルム(離型シートともいう)上に、粘接着剤組成物を有機溶剤等に溶解させてワニス化したものを、ナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、カーテンコート法等、一般に周知の方法に従って、塗布し、乾燥させて粘接着層を形成する。その後、支持基材を積層し、離型シート(保護フィルム)、粘接着層及び支持基材からなる粘接着シートを得ることができる。または、支持基材上に直接、粘接着剤組成物を同様の方法で塗布し、乾燥させて、粘接着シートを得ることができる。この場合、必要に応じ保護フィルムを積層してもよい。
粘接着シートに用いる保護フィルムまたは支持基材としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルムなどのプラスチックフィルム、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル等が挙げられる。ここで、後述するように、紫外線を粘接着シートに照射し、紫外線重合性を有する粘接着剤を重合硬化せしめ、粘接着剤と支持基材界面の接着力を低下させて支持基材の剥離を可能にする。そのため、支持基材は紫外線透過性を有するものが好ましい。
また、上記ワニス化するための溶剤としては、有機溶媒であれば特に限定されないが、フィルム作製時の揮発性などを沸点から考慮して決めることができる。具体的には、例えば、メタノール、エタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン等の比較的低沸点の溶媒はフィルム作製時にフィルムの硬化が進まない点で好ましい。また、塗膜性を向上させるなどの目的では、例えば、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノンなどの比較的高沸点の溶媒を使用することが好ましい。これらの溶媒は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
粘接着シートにおける支持基材の厚さは、特に制限はないが、5〜250μmが好ましい。5μm以上であれば作業性が向上し、250μm以下であれば、経済的であり好ましい。以上の観点から、支持基材の厚さは、10〜200μmがより好ましく、20〜150μmがさらに好ましく、25〜125μmが特に好ましい。
粘接着シートにおける粘接着層と支持基材の合計の厚さとしては、通常10〜250μmである。支持基材は粘接着層と同じかやや厚めに設定すると作業性がよく、具体的な組み合わせとしては粘接着層/支持基材(μm)が、5/25、10/30、10/50、25/50、50/50、50/75等があり、使用する条件や装置等によって適宜決定することができる。
また、粘接着シートは、所望の厚さを得るため、熱時の流動性を向上させるために、粘接着シートの粘接着層側に、別途作製した粘接着剤を2枚以上貼り合わせることもできる。この場合には、粘接着層同士の剥離が発生しないように貼り合わせ条件を選定する必要がある。
以上説明したような構成の粘接着シートに紫外線を照射すると、紫外線照射後には支持基材の接着力は大きく低下し、基板に粘接着剤層を保持したまま、該粘接着シートの支持基材を容易に剥離することができる。
<クラッド層形成用樹脂>
下部クラッド層及び上部クラッド層に使用するクラッド層形成用樹脂としては、クラッド形成用樹脂フィルムの硬化物が、後記するコア層形成用樹脂フィルムの硬化物より低屈折率となるものであり、かつ光又は熱により硬化する樹脂であれば特に限定されず、熱硬化性樹脂や感光性樹脂を用いることができるが、(ア)ベースポリマー、(イ)光重合性化合物、及び(ウ)光重合開始剤を含有する樹脂組成物により構成されていることが好ましい。
ここで用いる(ア)ベースポリマーは、クラッド層を形成し、該クラッド層の強度を確保するためのものであり、該目的を達成し得るものであれば特に限定されず、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホンなど、あるいはこれらの誘導体などが挙げられる。
なお、(メタ)アクリル樹脂とは、アクリル樹脂及びメタクリル樹脂を意味するものである。
これらのベースポリマーは、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記(ア)ベースポリマーとしては、耐熱性が高いという観点から、主鎖に芳香族骨格を有する樹脂が好ましく、特にフェノキシ樹脂が好ましい。
また、3次元架橋し、耐熱性を向上できるとの観点からは、エポキシ樹脂、特に室温で固形のエポキシ樹脂が好ましい。
更に、(ア)ベースポリマーとしては、後述する(イ)光重合性化合物との相溶性が、クラッド層形成用樹脂フィルムの透明性を確保するために重要であるが、この観点からは、フェノキシ樹脂及び/又は(メタ)アクリル樹脂が好ましい。
上記フェノキシ樹脂の中でも、ビスフェノールA又はビスフェノールA型エポキシ化合物若しくはそれらの誘導体、及びビスフェノールF又はビスフェノールF型エポキシ化合物若しくはそれらの誘導体を共重合成分の構成単位として含むものは、耐熱性、密着性及び溶解性に優れるため更に好ましい。
ビスフェノールA又はビスフェノールA型エポキシ化合物の誘導体としては、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ化合物などが好適に挙げられる。
また、ビスフェノールF又はビスフェノールF型エポキシ化合物の誘導体としては、テトラブロモビスフェノールF、テトラブロモビスフェノールF型エポキシ化合物などが好適に挙げられる。
ビスフェノールA/ビスフェノールF共重合型フェノキシ樹脂の具体例としては、東都化成(株)製「フェノトートYP−70」(商品名)が挙げられる。
また、(ア)ベースポリマーとしては、上記のように、3次元架橋し、耐熱性が向上するという観点からは、エポキシ樹脂、特に室温で固形のエポキシ樹脂が好ましい。
室温で固形のエポキシ樹脂としては、例えば、東都化学(株)製「エポトートYD−7020、エポトートYD−7019、エポトートYD−7017」(いずれも商品名)、ジャパンエポキシレジン(株)製「エピコート1010、エピコート1009、エピコート1008」(いずれも商品名)などのビスフェノールA型エポキシ樹脂が挙げられる。
(ア)ベースポリマーの分子量は、フィルム形成性の点から、通常、数平均分子量が5,000以上である。該数平均分子量は、好ましくは10,000以上、より好ましくは30,000以上である。
数平均分子量の上限は、特に制限はないが、(イ)光重合性化合物との相溶性や露光現像性の観点から、通常、1,000,000以下である。
数平均分子量の上限は、好ましくは500,000以下、より好ましくは200,000以下である。
なお、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定し、標準ポリスチレン換算した値である。
(ア)ベースポリマーの配合量は、(ア)成分のベースポリマー及び(イ)成分の光重合性化合物の総量に対して、通常10〜80質量%程度である。
配合量が10質量%以上であると、光導波路構築に必要な50〜500μm程度の厚膜フィルムの形成が容易であるという利点があり、一方、80質量%以下であると、光硬化反応が十分に進行する。
以上の観点から、(ア)成分の配合量は、好ましくは20〜70質量%、より好ましくは25〜65質量%である。
次に、(イ)光重合性化合物としては、紫外線等の光の照射によって重合するものであれば特に限定されず、分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物や分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物などが挙げられる。
分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂などの2官能芳香族グリシジルエーテル、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂などの多官能芳香族グリシジルエーテル、ポリエチレングリコール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、ネオペンチルグリコール型エポキシ樹脂、ヘキサンジオール型エポキシ樹脂などの2官能脂肪族グリシジルエーテル、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂などの2官能脂環式グリシジルエーテル、トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂、ソルビトール型エポキシ樹脂、グリセリン型エポキシ樹脂などの多官能脂肪族グリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステルなどの2官能芳香族グリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステルなどの2官能脂環式グリシジルエステル、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトリフルオロメチルアニリンなどの2官能芳香族グリシジルアミン、N,N,N',N'−テトラグリシジル−4,4−ジアミノジフェニルメタン、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノールなどの多官能芳香族グリシジルアミン、アリサイクリックジエポキシアセタール、アリサイクリックジエポキシアジペート、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシドなどの2官能脂環式エポキシ樹脂、ジグリシジルヒダントインなどの2官能複素環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートなどの多官能複素環式エポキシ樹脂、オルガノポリシロキサン型エポキシ樹脂などの2官能又は多官能ケイ素含有エポキシ樹脂などが挙げられる。
これらの分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物は、通常、その分子量が100〜2000であって、室温で液状のものが用いられる。該分子量は、好ましくは150〜1,000、より好ましくは200〜800である。
また、これらの化合物は、単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよく、更にその他の光重合性化合物と組み合わせて用いることもできる。
なお、分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法又は質量分析法を用いて測定することができる。
また、分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物の具体例としては、(メタ)アクリレート、ハロゲン化ビニリデン、ビニルエーテル、ビニルピリジン、ビニルフェノールなどが挙げられるが、これらのうち透明性と耐熱性の観点から、(メタ)アクリレートが好ましく、1官能性のもの、2官能性のもの、3官能性以上のもののいずれも用いることができる。
1官能性(メタ)アクリレートとしては、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、2官能性(メタ)アクリレートとしては、エトキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[3−フェニル−4−アクリロイルポリオキシエトキシ)フルオレン、ビスフェノールA型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、及びグリシジルエーテル型のエポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
更に、3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。
なお、ここで(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートを意味する。
(イ)光重合性化合物の配合量は、(ア)成分のベースポリマー及び(イ)成分の光重合性化合物の総量に対して、通常20〜90質量%程度である。
配合量が、20質量%以上であると、光重合性化合物にベースポリマーを絡み込んで硬化させることが容易にでき、一方、90質量%以下であると、十分な厚さのクラッド層を容易に形成することできる。
以上の観点から、(イ)成分の配合量は、好ましくは25〜85質量%、より好ましくは30〜80質量%である。
次に(ウ)成分の光重合開始剤としては、特に制限はなく、例えば、エポキシ化合物の開始剤として、p−メトキシベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェートなどのアリールジアゾニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフロロホスホニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフロロアンチモネート塩などのジアリールヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロホスホニウム塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムペンタフロロヒドロキシアンチモネート塩などのトリアリールスルホニウム塩、トリフェニルセレノニウムヘキサフロロホスホニウム塩、トリフェニルセレノニウムホウフッ化塩、トリフェニルセレノニウムヘキサフロロアンチモネート塩などのトリアリルセレノニウム塩、ジメチルフェナシルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩、ジエチルフェナシルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩などのジアルキルフェナジルスルホニウム塩、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩、4−ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフロロアンチモネートなどのジアルキル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム塩、α−ヒドロキシメチルベンゾインスルホン酸エステル、N−ヒドロキシイミドスルホネート、α−スルホニロキシケトン、β−スルホニロキシケトンなどのスルホン酸エステル等が挙げられる。
また、分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物の開始剤としては、ベンゾフェノン、N,N'−テトラメチル−4,4'−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N'−テトラエチル−4,4'−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4'−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンなどの芳香族ケトン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノンなどのキノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテルなどのベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾインなどのベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタールなどのベンジル誘導体;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体などの2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド類、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9'−アクリジニル)ヘプタンなどのアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物などが挙げられる。
また、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体において、アリール基が置換されている場合、2つのアリール基の置換基は同一で対称な二量体であってもよいし、相違して非対称な二量体であってもよい。
また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。
なお、コア層及びクラッド層の透明性を向上させる観点からは、上記光重合開始剤のうち、芳香族ケトン及びホスフィンオキサイド類が好ましい。
これらの(ウ)光重合開始剤は、単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。
(ウ)光重合開始剤の配合量は、(ア)成分のベースポリマー及び(イ)成分の光重合性化合物総量100質量部に対して、通常0.1〜10質量部程度である。
0.1質量部以上であると、光感度が十分であり、一方10質量部以下であれば、光導波路の表面のみが選択的に硬化し、硬化が不十分となることがなく、また、光重合開始剤自身の吸収により伝搬損失が増大することもない。
以上の観点から、(ウ)成分の配合量は、好ましくは0.5〜5質量部、より好ましくは1〜4質量部である。
また、この他に必要に応じて、本発明のクラッド層形成用樹脂中には、酸化防止剤、黄変防止剤、紫外線吸収剤、可視光吸収剤、着色剤、可塑剤、安定剤、充填剤などの所謂添加剤を本発明の効果に悪影響を与えない割合で添加してもよい。
クラッド層形成用樹脂は、(ア)ベースポリマー、(イ)光重合性化合物、及び(ウ)光重合開始剤を含有する樹脂組成物を溶剤に溶解して、クラッド層形成用樹脂ワニスとして用いることもできる。
前記のように、下部クラッド層及び上部クラッド層の形成には、クラッド層形成用樹脂フィルムを使用するのが好ましいが、このクラッド層形成用樹脂フィルムは、クラッド層形成用樹脂ワニスを必要により基材フィルム上に塗布し、溶剤を除去することにより容易に製造することができる。
クラッド層形成用樹脂フィルムの製造過程において、必要により用いる基材フィルムは、クラッド層形成用樹脂フィルムを支持する支持体であって、その材料については特に限定されないが、例えば、クラッド層形成用樹脂フィルムを剥離することが容易であり、かつ、耐熱性及び耐溶剤性を有するとの観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが好適に用いられる。
なお、上記基材フィルムは、後にクラッド層形成用樹脂フィルムの剥離を容易とするため、離型処理、帯電防止処理などが施されていてもよい。
該基材フィルムの厚さは、通常5〜50μmである。基材フィルムの厚さが5μm以上であると、支持体としての強度が得やすいという利点があり、50μm以下であると、ロール状に製造する場合の巻き取り性が向上するという利点がある。以上の観点から、該基材フィルムの厚さは、好ましくは10〜40μm、より好ましくは15〜30μmである。
更に、クラッド層形成用樹脂フィルムには、フィルムの保護やロール状に製造する場合の巻き取り性などを考慮して、保護フィルムを貼り合わせてもよい。
保護フィルムとしては、上記基材フィルムの例として挙げたものと同様なものを用いることができ、必要に応じ離型処理や帯電防止処理がされていてもよい。
クラッド層形成用樹脂ワニスに用いる溶媒としては、(ア)〜(ウ)成分を含有する樹脂組成物を溶解し得るものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドンなどの溶媒又はこれらの混合溶媒を用いることができる。
クラッド層形成用樹脂ワニス中の固形分濃度は、通常30〜80質量%、好ましくは35〜75質量%、より好ましくは40〜70質量%である。
クラッド層形成用樹脂フィルムの厚さについては、特に限定されないが、乾燥後のクラッド層の厚さが、通常、5〜500μmとなるように調整される。クラッド層の厚さが5μm以上であると、光の閉じ込めに必要なクラッド層厚さが確保でき、500μm以下であると、クラッド層膜厚を均一に制御することが容易である。以上の観点から、クラッド層の厚さは、好ましくは10〜100μm、より好ましくは20〜90μmである。
また、クラッド層の厚さは、最初に形成される下部クラッド層と、コアパターンを埋め込むための上部クラッド層において、同一であっても異なってもよいが、コアパターンを埋め込むために、上部クラッド層の厚さはコア層の厚さよりも厚くすることが好ましい。
<コア層形成用樹脂>
次に、本発明で用いるコア層形成用樹脂は、その硬化物がクラッド層より高屈折率であるように設計され、紫外線によりコアパターンを形成し得る樹脂組成物を用いることができ、感光性樹脂組成物が好適である。
具体的には、上記クラッド層形成用樹脂と同様の樹脂組成物を用いることが好ましい。
すなわち、上記(ア)ベースポリマー、(イ)光重合性化合物及び(ウ)光重合開始剤を含有し、必要に応じて、上記任意成分を含有する樹脂組成物である。
従って、コア層形成用樹脂フィルムの硬化物は、クラッド層に用いる光導波路形成用樹脂フィルムの硬化物より高屈折率であるように設計される。コア層形成用樹脂は、(ア)ベースポリマー、(イ)光重合性化合物及び(ウ)光重合開始剤を含有する樹脂組成物を溶剤に溶解して、コア層形成用樹脂ワニスとして用いることもできる。
コア層形成用樹脂フィルムは、コア層形成用樹脂ワニスを必要により基材フィルム上に塗布し、溶剤を除去することにより容易に製造することができる。コア層形成用樹脂フィルムの製造過程において、必要により用いる基材フィルムは、コア層形成用樹脂フィルムを支持する支持体であって、その材料については特に限定されず、クラッド層形成用樹脂フィルムの製造過程で用いる基材フィルムと同様のものを用いることができる。
例えば、コア層形成用樹脂フィルムを剥離することが容易であり、かつ、耐熱性及び耐溶剤性を有するとの観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどを好適に用いることができる。
また、露光用光線の透過率向上及びコアパターンの側壁荒れ低減のため、高透明タイプのフレキシブルな基材フィルムを用いるのが好ましい。高透明タイプの基材フィルムのヘイズ値は、通常5%以下、好ましくは3%以下、よりより好ましくは2%以下である。
このような基材フィルムとしては、東洋紡績(株)製、商品名「コスモシャインA1517」や「コスモシャインA4100」が入手可能である。
なお、上記基材フィルムは、後にコア層形成用樹脂フィルムの剥離を容易とするため、離型処理、帯電防止処理などが施されていてもよい。
該基材フィルムの厚さは、通常5〜50μmである。基材フィルムの厚さが5μm以上であると、支持体としての強度が得やすいという利点があり、50μm以下であると、パターン形成時のマスクとのギャップが小さくなり、より微細なパターンが形成できるという利点がある。以上の観点から、該基材フィルムの厚さは、好ましくは10〜40μm、より好ましくは15〜30μmである。
また、コア層形成用樹脂フィルムの保護やロール状に製造する場合の巻き取り性など、必要に応じコア層形成用樹脂フィルムに保護フィルムを貼り合わせてもよい。保護フィルムとしては、クラッド層形成用樹脂フィルムにおいて用いられる基材フィルムと同様なものを用いることができ、必要に応じ、離型処理や帯電防止処理がされていてもよい。
コア層形成用樹脂ワニスに用いる溶媒としては、(ア)〜(ウ)成分を含有する樹脂組成物を溶解し得るものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドンなどの溶媒又はこれらの混合溶媒を用いることができる。
コア層形成用樹脂ワニス中の固形分濃度は、通常30〜80質量%、好ましくは35〜75質量%、より好ましくは40〜70質量%である。
コア層形成用樹脂フィルムの厚さについては、特に限定されないが、乾燥後のコア層の厚さが、通常、10〜100μmとなるように調整される。コア層の厚さが10μm以上であると、光導波路構築後の受発光素子又は光ファイバとの結合において位置合わせトレランスが拡大できるという利点があり、100μm以下であると、光導波路構築後の受発光素子又は光ファイバとの結合において、結合効率が向上するという利点がある。以上の観点から、コア層の厚さは、好ましくは29〜90μm、より好ましくは30〜80μmである。
また、コア層はスピンコート法などによりコア層形成用樹脂ワニスをクラッド層上に塗布し、溶媒を除去することによっても容易に製造することができる。
以下、本発明の光電気複合基板の製造方法について図1を用いて説明する。
先ず、第1の工程は、図1の(a)に示すように、金属箔11と基板12を有する金属箔付き基板13の基板12の表面に接着剤層20を介して、下部クラッド層31、コアパターン32及び上部クラッド層33を有する光導波路30を張り合わせる工程である。
光導波路30の下部クラッド層31の表面に接着剤層20を形成する方法について制限はなく、下部クラッド層31の表面に接着剤組成物を直接塗布してもよいが、支持基材上に接着剤層を有するシート状接着剤を使用し、接着剤層を該シート状接着剤から下部クラッド層31の表面に転写する方法が、接着剤層の平滑性に優れ、かつ接着剤層の厚さの精度が確保でき、しかも、接着剤層を形成する際に接着剤層形成用の樹脂組成物が流れる等の問題も生じないので好ましい。特に、支持基材上に粘接着剤層を有する粘接着シートを使用するのが好ましい。
粘接着シートを使用する場合には、粘接着剤層の保護フィルムを剥離した後、粘接着剤層を光導波路30の下部クラッド層31の表面に積層し、次いで、支持基材を剥離して、粘接着剤層20を形成する。
前記のような構成の粘接着シートに紫外線を照射すると、支持基材との接着力は大きく低下し、下部クラッド層31に粘接着剤層を保持したまま、支持基材を容易に剥離することができる。
粘接着シートと光導波路との積層方式としては、密着性、気泡巻き込み防止の観点から、ロールラミネータ、または平板型ラミネータを用いる方法が好ましい。
ロールラミネータでのラミネート温度は、室温(25℃)〜100℃の範囲とすることが好ましい。室温(25℃)以上であると、光導波路との密着性が向上し、100℃以下であると、接着剤層が流動することなく、必要とする膜厚が得られる。以上の観点から、40〜100℃の範囲がより好ましい。圧力は0.2〜1.0MPa(1〜10kgf/cm2)が好ましく、ラミネート速度は0.1〜3m/minが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。
また、平板型ラミネータとは、積層材料を一対の平板の間に挟み、平板を加圧することにより圧着させるラミネータのことを指し、例えば、真空加圧式ラミネータを好適に用いることができる。ここでの加熱温度は、50〜100℃とすることが好ましく、圧着圧力は、0.1〜1.0MPa(1〜10kgf/cm2)とすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。
なお、保護フィルム及び支持基材は、粘接着剤層からの剥離を容易にするため接着処理を行っていないことが好ましく、必要に応じ離型処理が施されていてもよい。
このようにして形成した粘接着剤層20に金属箔11と基板12とを有する金属箔付き基板13を貼り付ける。貼り付けには、上述のラミネータを用いることができる。
上記方法は、光導波路に接着剤層を形成し、その後金属箔付き基板に張り合わせる方法を説明したが、この順序が逆であってもよい。
なお、光導波路としては、種々の方法で製作されたものが使用し得る。
本発明の製造方法における第2の工程は、光導波路と張り合わせた金属箔付き基板から電気配線基板を構築する工程であり、具体的には、図1の(b)に示すように、金属箔11を導体パターン11aに加工して電気配線基板10を構築する工程である。必要に応じて、図1の(c)に示すように、導体パターン11aを保護するため、導体パターン11aの必要部分に導体保護層14を形成する。
位置合わせに正確を期すために必要であれば、光導波路側に付けたマーカーに対応する金属箔を除去して、マーカーを視認し易くすることもできる。
前記したように、導体パターンの形成方法として、必要とされる厚みの金属箔から導体パターンとしての不要部分を除去するサブトラクティブ法と、比較的薄い金属箔上の導体パターンとしての必要部分に電解めっき等で金属を析出させて必要な厚みとする、セミアディティブ法とがある。
サブトラクティブ法による導体パターンの形成方法の場合は、先ず、金属箔の表面に光硬化性膜を形成し、フォトマスクを介して露光した後に現像して、エッチングレジストでレジストパターンを形成し、その後、エッチングレジストに覆われていない箇所をエッチング除去して、導体パターンを形成し、最後にエッチングレジストを除去して電気配線基板を構築する。
金属箔の表面に形成する光硬化性膜は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂と光硬化剤、硬化促進剤、必要な場合には顔料や流動性調整剤、粘度調整剤などを、希釈剤に混合・分散し、ワニスとしたものを、直接金属箔の表面に塗布・乾燥し、形成することもでき、また、そのワニスをキャリアフィルムに塗布・乾燥して半硬化状にしたドライフィルムを金属箔にラミネートして形成することもできる。
このようなワニス状のエッチング用レジスト材としては、市販のもので、オプトER N−350(日本ペイント株式会社製、商品名)があり、ドライフィルム状のエッチング用レジスト材としては、市販のもので、フォテックH−N930(日立化成工業株式会社製、商品名)がある。
レジストパターンを形成し、その後、エッチングレジストに覆われていない箇所をエッチング除去するには、エッチング液として、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、過硫酸アンモニウム溶液などがあり、これらのエッチング液をスプレー噴霧して、エッチングレジストに覆われていない箇所を腐食除去して、導体パターンを形成することができる。
セミアディティブ法による導体パターンの形成方法の場合は、金属箔にフォトレジスト材料を適用した後フォトリソグラフィを実施してめっきレジスト層(レジストパターン)を形成した後、金属箔を給電膜として用いて電解めっきを行って前記レジスト層のない金属箔の露出部に導体を析出させて導体層(導体パターン)を形成し、次いで、めっきレジスト層を除去して金属箔を露出させた後、導体層をマスクとして用いてエッチングを行ってめっきレジスト層の除去で露出した金属箔を除去することにより電気配線基板を構築する。
フォトレジスト材料としては特に限定されることなく、市販されている様々な材料を用いることができる。例えば、ノボラック樹脂を主成分とし、感光剤、乳酸エチル、酢酸ノルマルブチルなどの溶剤を含有する液状ポジレジストを使用することができる。そのような液状ポジレジストは例えば、市販のOFPR(東京応化製)として入手可能である。
フォトレジスト材料としてフォトレジストフィルムを貼付してもよい。フォトレジストフィルムとしては特に限定することなく、市販されている様々な材料を用いることができる。例えば、旭化成製SUNFORT(R) ASG−253を用いる場合には、市販のフィルムラミネータを用いて、110℃で加熱しながら、0.4MPa程度の圧力でポリイミドフィルム上に貼り付けを行う。現像に際しては、炭酸ナトリウム水溶液を用いて、非露光部分の除去を行うことができる。
レジスト層の形成後に、金属箔を給電膜として用いて電解めっきを行い、金属箔の露出部に導体層を析出させる。電解めっき液は、銅をめっきする場合は、硫酸塩浴やスルファミン浴などが挙げられる。銀、金やそれらの合金をめっきする場合には、シアン系浴などが挙げられる。
電解めっき後は、レジスト層を除去して、金属箔を露出させる。例えば、剥離液に浸漬し、フォトレジストを剥離または溶解すればよい。具体的には、例えば上記の旭化成製フィルムレジストを用いた場合には、2〜3%程度の水酸化ナトリウムか水酸化カリウムの水溶液、もしくは、有機アミン系の剥離液を用いてレジストの除去を行うことができる。また例えば、いわゆるノボラック系樹脂を主成分とする液状レジストの場合には、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートやアルキルベンゼンスルホン酸などの有機溶剤を含む剥離液を用いることができる。
レジスト層の形成後に、レジスト層除去で露出した金属箔をエッチング除去し、導体パターン領域にのみ金属箔及び導体層を残存させる。
エッチング液は金属箔膜の金属および導体層の金属に依存して決定され、エッチング液として金属箔は除去するが導体層は除去しない選択性を有するものを用いることが好ましいが、金属箔と導体層との間には厚さの差があるために、エッチング時間の調整により、導体層を完全に除去することなく、金属箔を完全除去することは可能であるから、金属箔さえエッチング除去できる液であればよい。むろん、金属箔と導体層とが同じ金属である場合には、エッチング時間の調整により、導体層を完全に除去することなく、金属箔を完全除去することとなある。
例えば、金属箔がニッケルからなり、導体層が銅からなる場合、エッチング液はFeCl3水溶液、HNO3、またはHNO3を含む酸が使用できる。特にHNO3の場合は、ニッケルを溶解できるが、銅を溶解しないため、特に望ましい。
また例えば、金属箔が銅からなり、導体層も銅からなる場合には、FeCl3、CuCl2、(NH4228などの水溶液、アンモニア水などが使用できる。
また例えば、金属箔が銀からなる場合には、エッチング液はHNO3、H2SO4とH22の混合液、Fe(NO33水溶液などが使用できる。
また例えば、金属箔が鉄からなる場合には、エッチング液はHNO3などが使用できる。また例えば、金属箔がパラジウムからなる場合には、エッチング液はNH3I水溶液などが使用できる。
導体パターン11a上に導体保護層14を形成する場合には、導体パターン11aの表面に光硬化性膜を形成し、フォトマスクを介して露光した後に現像して、図1の(c)に示すように、導体パターンを絶縁保護するための導体保護層14を形成する。
導体パターンの表面に形成する光硬化性膜には、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂と光硬化剤、硬化促進剤、必要な場合には顔料や流動性調整剤、粘度調整剤などを、希釈剤に混合・分散し、ワニスとしたものを、直接導体パターンの表面に塗布・乾燥し、形成することもでき、また、そのワニスをキャリアフィルムに塗布・乾燥して半硬化状にしたドライフィルムを基材にラミネートして形成することもできる。このようなワニス状のソルダーレジスト用材料としては、市販のもので、プロビコート5000(日本ペイント株式会社製,商品名)があり、ドライフィルム状のソルダーレジスト用材料としては、市販のもので、フォテックSR−2300G−50(日立化成工業株式会社製,商品名)がある。
本発明の製造方法で得られた光電気複合基板においては、光路変換ミラーや受光素子等を搭載することにより、電気配線基板部分と光導波路部分との結合を容易に達成することができる。
また、本発明の製造方法で得られた光電気複合基板に面発光レーザー又はダイオード等の光素子を実装することにより、光電気複合モジュールを容易に得ることができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
以下の如くに各工程を実施し、光電気複合基板を作製した。
(1)光導波路の作製
[クラッド層形成用樹脂フィルムの作製]
バインダポリマーとして、フェノキシ樹脂(商品名:フェノトートYP−70、東都化成(株)製)48質量部、光重合性化合物として、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート(商品名:KRM−2110、分子量:252、旭電化工業(株)製)49.6質量部、光重合開始剤として、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩(商品名:SP−170、旭電化工業(株)製)2質量部、増感剤として、SP−100(商品名、旭電化工業(株)製)0.4質量部、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部を広口のポリ瓶に秤量し、メカニカルスターラ、シャフト及びプロペラを用いて、温度25℃、回転数400rpmの条件で、6時間撹拌し、クラッド層形成用樹脂ワニスを調合した。その後、孔径2μmのポリフロンフィルタ(商品名:PF020、アドバンテック東洋(株)製)を用いて、温度25℃、圧力0.4MPaの条件で加圧濾過し、さらに真空ポンプ及びベルジャーを用いて減圧度50mmHgの条件で15分間減圧脱泡した。
上記で得られたクラッド層形成用樹脂ワニスを、ポリアミドフィルム(商品名:ミクトロン、東レ(株)製、厚さ:12μm)のコロナ処理面上に塗工機(マルチコーターTM−MC、(株)ヒラノテクシード製)を用いて塗布し、80℃、10分、その後100℃、10分乾燥し、次いで保護フィルムとして離型PETフィルム(商品名:A31、帝人デュポンフィルム(株)、厚さ:25μm)を離型面が樹脂側になるように貼り付け、クラッド層形成用樹脂フィルムを得た。このとき樹脂層の厚さは、塗工機のギャップを調節することで、任意に調整可能であり、本実施例では硬化後の膜厚が、下部クラッド層25μm、上部クラッド層70μmとなるように調節した。
[コア層形成用樹脂フィルムの作製]
バインダポリマーとして、フェノキシ樹脂(商品名:フェノトートYP−70、東都化成(株)製)26質量部、光重合性化合物として、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(商品名:A−BPEF、新中村化学工業(株)製)36質量部、およびビスフェノールA型エポキシアクリレート(商品名:EA−1020、新中村化学工業(株)製)36質量部、光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(商品名:イルガキュア819、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)1質量部、及び1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名:イルガキュア2959、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1質量部、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部を用いたこと以外は、上記クラッド層形成用樹脂フィルムの作製例と同様の方法及び条件でコア層形成用樹脂ワニスを調合した後、加圧濾過さらに減圧脱泡した。
上記で得られたコア層形成用樹脂ワニスを、PETフィルム(商品名:コスモシャインA1517、東洋紡績(株)製、厚さ:16μm)の非処理面上に、上記製造例と同様な方法で塗布乾燥し、次いで保護フィルムとして離型PETフィルム(商品名:A31、帝人デュポンフィルム(株)、厚さ:25μm)を離型面が樹脂側になるように貼り付け、コア層形成用樹脂フィルムを得た。本実施例では硬化後の膜厚が50μmとなるよう、塗工機のギャップを調整した。
[光導波路の作製]
上記で得られた下部クラッド層形成用樹脂フィルムの保護フィルムを剥がし、紫外線露光機(株式会社オーク製作所製EXM-1172)にて、樹脂側(基材フィルムの反対側)から紫外線(波長365nm)を1J/cm2照射後、80℃で10分間加熱処理することによって、下部クラッド層を形成した。
次に、該下部クラッド層上に、同様のロールラミネータを用い、圧力0.4MPa、温度50℃、ラミネート速度0.2m/minの条件で、上記コア層形成用樹脂フィルムをラミネートし、次いで平板型ラミネータとして真空加圧式ラミネータ((株)名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度50℃、加圧時間30秒の条件にて加熱圧着して、コア層を形成した。
次に、幅50μmのネガ型フォトマスクを介し、上記紫外線露光機にて紫外線(波長365nm)を0.6J/cm2照射し、次いで80℃で5分間露光後加熱を行った。その後、支持フィルムであるPETフィルムを剥離し、現像液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/N,N−ジメチルアセトアミド=8/2、質量比)を用いて、コアパターンを現像した。続いて、洗浄液(イソプロパノール)を用いて洗浄し、100℃で10分間加熱乾燥した。
次いで、下部クラッド層のラミネートと同様のラミネート条件にて、上記(2)で作製した上記クラッド層形成用樹脂フィルムをラミネートした。さらに、紫外線(波長365nm)を25J/cm2照射後、160℃で1時間加熱処理することによって、上部クラッド層を形成し、光導波路を作製した。その後、85℃/85%RHの恒温恒湿槽で12時間処理し、アラミドフィルムを剥がした。
なお、コア層及びクラッド層の屈折率をMetricon社製プリズムカプラー(Model 2010)で測定したところ、波長830nmにて、コア層が1.584、クラッド層が1.550であった。また、作製した光導波路の伝搬損失を、光源に850nmの面発光レーザー((EXFO社製、FLS−300−01−VCL)を、受光センサに株式会社アドバンテスト製、Q82214を用い、カットバック法(測定導波路長10、5、3、2cm、入射ファイバ;GI−50/125マルチモードファイバ(NA=0.20)、出射ファイバ;SI−114/125(NA=0.22))により測定したところ、0.1dB/cmであった。
(2)粘接着シートの作製
(a)高分子量成分として、HTR−860P−3(ナガセケムテックス(株)製商品名、グリシジル基含有アクリルゴム、重量平均分子量80万、Tg:−7℃)100質量部、(b)エポキシ樹脂として、YDCN−703(東都化成(株)製商品名、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量210)5.4質量部、YDCN−8170C(東都化成(株)製商品名、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量157)16.2質量部、(c)エポキシ樹脂硬化剤として、フェノライトLF2882(大日本インキ化学工業(株)製商品名、ビスフェノールAノボラック樹脂、水酸基当量118g/eq)15.3質量部、シランカップリング剤として、NUCA−189(日本ユニカー(株)製商品名、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)0.1質量部、及びNUCA−1160(日本ユニカー(株)製商品名、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン)0.3質量部、(d)光反応性モノマーとして、A−DPH(新中村化学工業(株)製商品名、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)30質量部、(e)光塩基発生剤として、イルガキュア369(チバスペシャリティーケミカルズ社製商品名、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1−オン:I−369)1.5質量部、有機溶剤としてシクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、真空脱気した。この粘接着剤樹脂組成物ワニスを、厚さ75μmの表面離型処理ポリエチレンテレフタレート(帝人(株)製、テイジンテトロンフィルム:A−31)上に塗布し、80℃で30分間加熱乾燥し粘接着シートを得た。この粘接着シートに、厚さ80μmの紫外線透過性の支持基材(サーモ(株)製、低密度ポリエチレンテレフタレート/酢酸ビニル/低密度ポリエチレンテレフタレート三層フィルム:FHF−100)をあわせてラミネートすることにより保護フィルム(前記表面離型処理ポリエチレンテレフタレート)、粘接着層、及び紫外線透過性の支持基材からなる粘接着シートを作製した。
上記粘接着シートに、365nmの紫外線を500mJ/cm2照射後、160℃で1時間硬化させた粘接着剤樹脂組成物の貯蔵弾性率を、動的粘弾性測定装置((株)レオロジ製、DVE−V4)を用いて測定(サンプルサイズ:長さ20mm、幅4mm、膜厚80μm、昇温速度5℃/min、引張りモード、10Hz、自動静荷重)した結果、25℃で400MPa、125℃で1MPa、260℃で5MPaであった。
(3)金属箔付き基板と光導波路との張り合わせ
上記で得られた粘接着シートの保護フィルムを剥し、上記(1)で得られた光導波路に、ロールラミネータ(日立化成テクノプラント株式会社製、HLM−1500)を用い、圧力0.4MPa、温度50℃、ラミネート速度0.2m/minの条件で、ラミネートした。続いて粘接着シートに支持基材側から紫外線(365nm)を250mJ/cm2照射し、粘接着剤層と支持基材界面の密着力を低下させ、支持基材を剥がして粘接着剤層付き光導波路を得た。
次に、銅箔付き基板(長さ150mm、幅150mm、基板:ポリイミド(厚さ:25μm)、銅箔厚さ:18μm、東レフィルム加工(株)製、商品名「メタロイヤル」)に、粘接着剤層付き光導波路をロールラミネータを用い圧力0.4MPa、温度80℃、ラミネート速度0.2m/minの条件で仮圧着した後、クリンオーブン中で180℃、1時間加熱し光導波路と金属箔付き基板とを接着して、光導波路付き金属箔付き基板を得た。
(4)導体パターンの形成
上記で得られた光導波路付き金属箔付き基板の銅箔表面に光硬化性膜である厚さ30μmのエッチングレジスト用・フォテックH−N930(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネートした。導体パターンのフォトマスクをエッチングレジスト用ドライフィルムに重ね、60mmHgの真空下に、露光を行った。その後現像を行い、エッチングレジストを形成した後、塩化第二銅溶液をスプレー噴霧して、不要な銅箔をエッチング除去し、導体パターンを形成した。
(5)導体保護層(ソルダーレジスト層)の形成
導体パターンを形成した基板に、ソルダーレジスト用ドライフィルムであるSR−2300G−50(日立化成工業株式会社製、商品名)の厚さ50μmのものをラミネートした。保護すべき導体パターンのフォトマスクをソルダーレジスト用ドライフィルムに重ね、60mmHgの真空下に、露光を行った。その後現像を行い、ソルダーレジスト層を形成し、乾燥して、電気配線基板を構築した。
以上の工程により得られた光電気複合基板は、光配線と電気配線との位置ズレが10μm/100mm以下であり、結合効率にきわめて優れたものであった。
本発明の製造方法によれば、位置合わせの問題が生じることなく、優れた光電気複合基板を効率的に製造することができる。本発明の方法で製造された光電気複合基板は、光インターコネクション等の幅広い分野に適用でき、特に、非常に精密なコアパターンが求められる場合や、大面積の光電気複合基板が求められる場合に有効である。
本発明の光電気複合基板の製造方法を示す模式図である。
符号の説明
10;電気配線基板
11;金属箔
12;基板
13;金属箔付き基板
14:導体保護層
20;接着剤層
30;光導波路
31;下部クラッド層
32;コアパターン
33;上部クラッド層

Claims (7)

  1. 金属箔付き基板の基板表面に接着剤層を介して光導波路を張り合わせる第1の工程と、金属箔付き基板の金属箔を導体パターン化して電気配線基板を構築する第2の工程を有する光電気複合基板の製造方法。
  2. 第2の工程が、金属箔上にエッチングレジストでレジストパターンを形成した後に、エッチングにより導体パターンを形成し、次いでエッチングレジスト除去を行うことからなる、請求項1に記載の光電気複合基板の製造方法。
  3. 第2の工程が、金属箔上にめっきレジストでレジストパターンを形成した後に、パターンめっきにより導体パターンを形成し、次いでめっきレジスト除去と露出金属箔エッチングとを行うことからなる、請求項1に記載の光電気複合基板の製造方法。
  4. 更に導体パターン上に導体保護層を形成する、請求項1〜3のいずれかに記載の光電気複合基板の製造方法。
  5. 光電気複合基板がフレキシブルタイプである、請求項1〜4のいずれかに記載の光電気複合基板の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法を用いて製造される光電気複合基板。
  7. 請求項5に記載の光電気複合基板を用いた光電気複合モジュール。
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JP2011154052A (ja) * 2010-01-25 2011-08-11 Nitto Denko Corp 光導波路形成用液状樹脂組成物およびそれを用いた光導波路、ならびにその光導波路の製法
JP2012133118A (ja) * 2010-12-21 2012-07-12 Hitachi Chem Co Ltd 光電気複合基板、この製造方法、及びこれを用いた光電気複合モジュール

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