JP2010221142A - 窒素成分を含む廃水の処理方法 - Google Patents

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【課題】廃水に含まれる窒素成分を十分に低減・除去することができる窒素成分を含む廃水の処理方法とする。
【解決手段】窒素成分を含む廃水A1をNH3の存在下で燃焼する燃焼工程と、この燃焼工程で発生した排ガスG1を冷却水B1と接触させる冷却工程とを設け、前記NH3の存在量が、排ガスG1中のNOXの3〜6(mol/mol)倍となるように調節するとともに、冷却工程から排出された冷却排水B2に酸化剤C1を添加する酸化工程を設けて、窒素成分を含む廃水を処理する。
【選択図】図1

Description

本発明は、窒素成分を含む廃水の処理方法に関するものである。
工場廃水、発電所廃水、薬品製造工程廃水、半導体製造工程廃水等の廃水に含まれるアンモニア性(態)窒素、硝酸性(態)窒素、亜硝酸性(態)窒素等の窒素成分は、水質汚染の原因物質であり、低減・除去する必要がある。この窒素成分を低減・除去する方法としては、窒素硝化菌、脱窒菌等の細菌を用いた「生物学的処理法」が広く知られている。
しかしながら、この生物学的処理法は、〈1〉細菌の活動が温度による影響を受け、窒素成分の低減・除去能力が季節によって大きく変動するとの問題、〈2〉発電所廃水等のように非定常的に排出される廃水に対しては、廃水が排出されないときにおける細菌の維持管理が難しく、実施に困難を伴うとの問題、〈3〉装置が大型化し、設備コスト、維持・管理コストなどが嵩むとの問題、などを有する。
そこで、現在では、細菌を用いずに窒素成分を低減・除去する、さまざまな方法が提案されている。
例えば、特許文献1などは、電気化学反応を利用して窒素成分を低減・除去する「イオン交換法」を提案している。しかしながら、このイオン交換法は、〈1〉電解槽への通電量や、廃水に含まれる窒素成分の量を厳密に把握・制御しないと処理能力が低下してしまうとの問題、〈2〉窒素成分の低減・除去能力に限界があるとの問題、〈3〉多量の吸着剤が必要になるとの問題、などを有する。
また、特許文献2などは、水素ガス、亜硝酸ナトリウム、過酸化水素等の触媒を用いて窒素成分を低減・除去する「湿式触媒法」を提案している。しかしながら、この湿式触媒法は、〈1〉加温条件下において触媒を接触させる必要があり、コストが嵩むとの問題、〈2〉窒素成分の低減・除去能力に限界があるとの問題、などを有する。
さらに、特許文献3などは、次亜塩素酸ソーダ、塩素等の塩素系酸化剤を用いて窒素成分を低減・除去する「塩素酸化法」を提案している。しかしながら、この塩素酸化法は、そもそもアンモニア性(態)窒素を含む排水を処理の対象としており、アンモニア性窒素を低減・除去することはできるが、硝酸性窒素や亜硝酸性窒素等の酸化態窒素を低減・除去することはできないとの問題を有する。つまり、この塩素酸化法によっても、窒素成分の低減・除去能力に限界がある。
このほか、特許文献4、特許文献5などは、廃水を直接燃焼して窒素成分を低減・除去する「直接燃焼法」を提案している。しかしながら、この直接燃焼法は、当初処理の対象となった廃水に含まれる窒素成分の低減・除去能力には優れるものの、廃水を燃焼した際に発生する燃焼排ガスの冷却排水が窒素成分を含むことになるため、廃水処理全体としてみると、窒素成分の低減・除去が十分とはいえないとの問題が残る。
特開2003−205289号公報 特開平7−328653号公報 特開2001−225085号公報 特開平8−108172号公報 特開平8−233245号公報
本発明が解決しようとする主たる課題は、廃水に含まれる窒素成分を十分に低減・除去することができる窒素成分を含む廃水の処理方法を提供することにある。
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
窒素成分を含む廃水をNH3の存在下で燃焼する燃焼工程と、この燃焼工程で発生した排ガスを冷却水と接触させる冷却工程と、を有する前記廃水の処理方法であって、
前記NH3の存在量が、前記排ガス中のNOXの3〜6(mol/mol)倍となるように調節するとともに、
前記冷却工程から排出された冷却排水に酸化剤を添加する酸化工程を設ける、
ことを特徴とする窒素成分を含む廃水の処理方法。
〔請求項2記載の発明〕
前記廃水の燃焼温度を900〜1100℃、燃焼時間を1.0〜3.0秒にするとともに、
前記排ガスと前記冷却水との接触割合が4.0〜5.0(排ガス(m3)/冷却水(L))となるように調節する、
請求項1記載の窒素成分を含む廃水の処理方法。
〔請求項3記載の発明〕
前記酸化剤として次亜塩素酸塩を用い、
この次亜塩素酸塩の添加量を、前記冷却排水が含むNH4 +の1.5〜3.0(mol/mol)倍にして、2〜4時間保持する、
請求項1又は請求項2記載の窒素成分を含む廃水の処理方法。
本発明によると、廃水に含まれる窒素成分を十分に低減・除去することができる窒素成分を含む廃水の処理方法となる。
廃水の処理方法を説明するための処理フロー図である。
次に、本発明を実施するための形態について、図1を参照しながら説明する。
本形態では、まず、工場廃水、発電所廃水、薬品製造工程廃水、半導体製造工程廃水等の窒素成分を含む廃水A1を、燃焼炉1に供給し、NH3の存在下で燃焼する(燃焼工程)。
ここで、窒素成分とは、アミン類、ニトロ化合物に代表される有機物及び硝酸等のN含有無機物中の窒素を意味するものと定義する。
燃焼炉1は、例えば、外壁が金属板で、内壁が耐火物で形成されるなどしてできており、頂部に補助燃焼室4が備えられている。この補助燃焼室4には、図示しないバーナー等が備えられ、天部に備わる導入口2からLPG、灯油、天然ガス等の燃料A3が、側壁部に備わる導入口5から燃焼用空気A4が、それぞれ導入されて燃焼状態とされる。
また、廃水A1の供給方法は、特に限定されないが、例えば、図示例のように、スプレーノズル6等によって、燃焼炉1内へ噴霧する形態によると好適である。この形態によると、噴霧によって廃水A1に含まれる水分が急速に蒸発するため、熱効率がよい。また、この水分の急速な蒸発に伴って、廃水A1に含まれる亜硝酸性窒素や硝酸性窒素等の酸化態窒素が熱分解されるほか、有機物等も熱分解される。なお、スプレーノズル6は、燃焼炉円周方向に複数本(たとえば6本や8本)設けることが好ましい。
本形態では、廃水A1の燃焼をNH3(アンモニア)の存在下で行う。窒素成分を含む廃水A1を燃焼すると、熱分解されるが、この熱分解に伴って、窒素酸化物(NOX)が発生する。しかしながら、廃水A1の燃焼をNH3の存在下で行うと、当該窒素酸化物(NOX)の発生が抑制され、窒素酸化物(NOX)の発生量を、例えば、排ガス規制値(酸素濃度12%基準で、NOX:250ppm)以下にすることができる。なお、以上の燃焼に伴って生じる化学反応は、次式(1)〜(2)に示すとおりである。
(1)6NO+4NH3 → 5N2+6H2
(2)6NO2+8NH3 → 7N2+12H2
廃水A1を燃焼する際のNH3の存在量は、廃水A1の燃焼によって発生する排ガス中のNOXの3〜6(mol/mol)倍、好ましくは4〜5倍となるように調節する。
NH3の存在量を多くすると、排ガス中の窒素酸化物の発生は抑制されるが、NH3が残存し、結果、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素は低減するが、アンモニア性窒素が多量に残るため、排水中の窒素成分の総量は低減しない。そこで、アンモニア性窒素が殆ど残存しない範囲内で、NH3の存在量を多くするということも考えられるが、その範囲内では、亜硝酸性窒素や硝酸性窒素等の酸化態窒素を極限まで少なくすることができない。
しかるに、本形態では、あえてアンモニア性窒素が残存するように、好ましくは後述する冷却排水B2に含まれるアンモニア性窒素(NH4 +換算)と酸化態窒素(NO2 -,NO3 -換算)との含有割合が6:4〜9:1となるように、より好ましくは冷却排水B2に含まれるNH4 +が20〜30mg/Lとなるように、NH3の存在量をNOXの3(mol/mol)倍以上にする。これにより、亜硝酸性窒素や硝酸性窒素等の酸化態窒素の残存量が極限まで少なくなり、もちろん、窒素酸化物の発生も十分に抑制される。
他方、NH3の存在量をNOXの6(mol/mol)倍以下にするのは、NH3の存在量がNOXの6(mol/mol)倍を超えても、窒素酸化物の抑制効果等は向上せず、むしろ後述するアンモニア性窒素処理の負荷が上がるのみであるためである。
廃水A1の燃焼に際して、NH3を存在させるための具体的な方法は、特に限定されず、例えば、図示例のように、燃焼炉1内へ供給(噴霧)する前の廃水A1に、NH3又はNH3の発生源を水溶液A2として添加する方法が考えられる。また、この他、例えば、水溶液A2を、廃水A1のスプレーノズル6とは別のノズルから燃焼炉1内に噴霧する方法等も考えられる。
廃水A1の燃焼に際するNH3の存在量を調節する方法としては、例えば、廃水A1に含まれる亜硝酸性窒素や硝酸性窒素等の酸化態窒素の存在量を測定し、この測定値と、当該酸化態窒素の示性式や構造式等と、から熱分解によって発生するNOXの量を予測し、この予測値に基づいて、例えば、水溶液A2の添加量を調節する方法等が考えられる。また、例えば、処理の対象となる廃水A1が、工場廃水等で組成や成分等に不明瞭な部分がある場合は、当該廃水A1の少量を予備的に燃焼し、この燃焼に伴って発生したNOXの量を測定し、この測定値から水溶液A2の添加量を調節する方法等が考えられる。
「NH3(アンモニア)そのもの」以外として用いることができる「NH3の発生源」は、その種類が特に限定されず、廃水A1が燃焼する際に、NH3として存在する物質であればよい。したがって、例えば、塩化アンモニウム(NH4Cl)、炭酸アンモニウム((NH42CO3)、蟻酸アンモニウム(NH4COOH)、蓚酸アンモニウム(NH424)、尿素(H2NCONH2)等の熱分解によりアンモニアを発生する化合物から一種又は二種以上を選択して用いることができる。もちろん、他の工程からアンモニア水等が副生する場合は、そのアンモニア水を単独で用いることや、NH3やNH3の発生源と伴に用いることなどもできる。
本形態では、廃水A1の燃焼温度を、900〜1100℃にするのが好ましく、950〜1050℃にするのがより好ましい。この点、亜硝酸性窒素や硝酸性窒素等の酸化態窒素を完全に熱分解し、また、有機物を熱分解するためには、燃焼温度を高温にする必要があるが、特に本形態では900℃以上の高温にする。廃水A1の燃焼温度が当該900℃を下回ると、アンモニア性窒素の残存量が多くなり過ぎて、前述NH3の存在量に上限を設けた趣旨(アンモニア性窒素の処理負荷抑制)が没却される。他方、廃水A1の燃焼温度が1100℃を上回ると、窒素酸化物の発生量が増加し、また、燃料コスト、燃焼炉1の製造コストがかさむことになる等の点で、好ましいとはいえなくなる。
以上の燃焼温度は、燃焼炉1の導入口2から導入する燃料A3の量や、導入口5やスプレーノズル6と同軸的に備えられた導入口3から導入する燃焼用空気A4の量を調節することによって、調節することができる。
本形態では、廃水A1の燃焼時間を、1.0〜3.0秒、好ましくは1.0〜2.0秒にするとよい。燃焼時間が1.0秒を下回ると、有機物の分解及びNOXとNH3の反応が十分に進行しない。他方、燃焼時間が3.0秒を上回ると、燃料コスト、燃焼炉1の製造コストがかさむことになる。この廃水A1の燃焼時間は、例えば、燃焼炉1の形状、大きさや、燃焼用空気A4の流量等を調節することによって、調節することができる。
燃焼工程で発生した排ガスG1は、水スクラバーや除塵塔等において、冷却、除塵等してから、大気中に放出する。図示例では、排ガスG1を、燃焼炉1の底部から下方に延びる管体8を通して冷却缶7の底部に溜まる冷却水B1中に送り込み、この送り込みにより、排ガスG1を冷却水B1と接触させて冷却している(冷却工程)。この接触に際しては、排ガスG1に含まれるアンモニア性窒素が冷却水B1に溶け込み、排ガスG1は、清浄ガスG2として、冷却缶7の天部に備わる排気口9から排気ダクト等を通して大気中に放出される。
ここで排ガスG1と冷却水B1との接触割合は、4.0〜5.0(排ガス(m3)/冷却水(L))、好ましくは4.0〜4.5(排ガス(m3)/冷却水(L))となるように調節するとよい。接触割合が5.0を上回ると、アンモニア性窒素が冷却水B1に十分に溶け込まず、本廃水処理全体として窒素成分を十分に低減・除去することができなくなる。
この点、本形態では、排ガスG1に含まれる亜硝酸性窒素や硝酸性窒素等の酸化態窒素が、既に十分に低減・除去されているため、排ガスG1と冷却水B1との接触割合を調節するうえで、酸化態窒素の溶け込みを考慮する必要がない。なお、本発明者らが行った試験では、燃焼温度950℃、燃焼時間2秒、NH3の存在量:NOXの5(mol/mol)倍の条件下で発生した排ガスG1に含まれるNOXの濃度は50ppm程度、冷却排水B2に含まれる窒素成分はNH4 +:29mg/L、NO2 -及びNO3 -:4mg/Lであり、NO2 -及びNO3 -の量は十分に低減されていた。
アンモニア性窒素が溶け込んだ冷却排水B2は、ポンプ11によって、流路13を通して、反応槽12に送られる。
本形態では、この反応槽12に溜められた冷却排水B2、あるいは図示例のように流路13を通る冷却廃水B2に、酸化剤C1を添加する(酸化工程)。この酸化剤C1の添加により、冷却排水B2に含まれるアンモニア性窒素が窒素ガス(N2)に酸化分解される。この酸化剤による酸化分解は、アンモニア性窒素には有用であるものの、亜硝酸性窒素や硝酸性窒素等の酸化態窒素には有用ではない。しかしながら、本形態では、前述したように廃水A1を燃焼する際のNH3の存在量を多くすることにより、アンモニア性窒素が増加するものの酸化態窒素が減少するようにしているので、酸化剤C1による酸化分解の効果がいかんなく発揮され、廃水処理全体としてみると、全窒素量が極めて減少する。
本形態において、酸化剤C1としては、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム等の次亜塩素酸塩、液化塩素、塩素ガスなどの塩素系酸化剤や、過酸化水素等を用いることができる。
ここで、例えば、酸化剤C1として次亜塩素酸ソーダ(NaClO)を用いた場合の酸化分解反応は、次式(1)及び(2)に示すとおりである。
(1)1NH3 + 1NaClO → 1NH2Cl + 1NaOH
(2)2NH2Cl + 1NaClO → 1N2↑ + 1NaOH + 3HCl
よって、
(1)+(2)2NH3 + 3NaClO → 1N2 + 3NaCl + 3H2
この反応過程で生成されるNH2Cl(クロラミン)には、刺激臭を有するものが存在する。したがって、次亜塩素酸ソーダ等の塩素系酸化剤を用いて酸化分解を行うにあたっては、冷却排水B2のpHを8.0以上、好ましくは8.5以上のアルカリ性に調節するとよい。冷却排水B2をアルカリ性にして酸化分解すると、反応過程で生成されるクロラミンが無臭のクロラミンのみとなる。
冷却排水B2のpHを調節する方法は、特に限定されず、例えば、塩酸、硫酸等の酸や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリを用いて行うことができる。
また、上記(2)式の化学反応は反応速度が遅く、また、本形態ではアンモニア性窒素を極限まで低減するため、反応槽12においては、冷却排水B2を2〜4時間、好ましくは3〜4時間保持するとよい。
ところで、酸化剤C1として次亜塩素酸塩を用いる場合、次亜塩素酸塩の理論必要量は、上記反応式から明らかなように、冷却排水B2が含むNH4 +の1.5(mol/mol)倍である。そこで、次亜塩素酸塩の添加量は、冷却排水B2が含むNH4 +の1.5〜3.0(mol/mol)倍、好ましくは2.0〜2.5倍とするとよい。次亜塩素酸塩の添加量が1.5倍を下回ると、アンモニア性窒素が十分に酸化分解されず、酸化処理後の冷却排水B2中に残存するおそれがある。他方、次亜塩素酸塩の添加量が3.0倍を上回ると、酸化処理後のクリーンな排水B3中に次亜塩素酸塩が残存するおそれがあり、この次亜塩素酸塩を除去するための処理が必要になる。
酸化剤C1は、1回で総量を添加することもできるが、アンモニア性窒素を確実に低減するという観点からは、2回以上に分けて、好ましくは3〜4回に分けて添加するとよい。
以上のようにして、アンモニア性窒素が除去された冷却排水B2は、クリーンな排水B3として、河川等に放流することができる。なお、本発明者らが行った試験では、前述したとおり、冷却排水B2に含まれる窒素成分がNH4 +:29mg/L、NO2 -及びNO3 -:4mg/Lであったが、酸化工程を経たクリーンな排水B3に含まれる窒素成分はNO2 -及びNO3 -:4mg/Lのみであり、NH4 +はほぼ0mg/Lであった。
以上で説明した廃水の処理方法による作用効果を明らかにするために、試験を行った。試験条件及び結果を表1及び表2に示す。
表1は、N含有廃液の焼却温度及び添加するNH3量を変化させた結果を記載したものである。N含有廃水としては、アミン系の有機物(T-N:9500mg/L)を用い、燃焼後の排ガスを冷却缶液にて冷却し、その冷却水中の窒素成分及び排ガス中の窒素酸化物を分析した。なお、冷却液としては、水を使用している。
また、表2は、燃焼排ガスを冷却処理した後の冷却排水の処理結果である。冷却水温度、酸化剤添加量、及び反応時間を変化させ、反応後の排水における窒素成分を分析した。排水は、試験例6で処理した排水を用いた。
Figure 2010221142
Figure 2010221142
表1及び表2から明らかなように、本発明による廃水の処理方法によると、廃水に含まれる窒素成分を十分に低減・除去することができる。
本発明は、窒素成分を含む廃水の処理方法として適用可能である。
1…燃焼炉、2,3,5,6…導入口、4…補助燃焼室、7…冷却缶、8…管体、9…排気口、11…ポンプ、12…反応槽、13…流路、A1…窒素成分を含む廃水、A2,C1…水溶液、A3…燃料、A4…燃焼用空気、B1…冷却水、B2…冷却排水、B3…クリーンな排水、G1…排ガス、G2…清浄ガス。

Claims (3)

  1. 窒素成分を含む廃水をNH3の存在下で燃焼する燃焼工程と、この燃焼工程で発生した排ガスを冷却水と接触させる冷却工程と、を有する前記廃水の処理方法であって、
    前記NH3の存在量が、前記排ガス中のNOXの3〜6(mol/mol)倍となるように調節するとともに、
    前記冷却工程から排出された冷却排水に酸化剤を添加する酸化工程を設ける、
    ことを特徴とする窒素成分を含む廃水の処理方法。
  2. 前記廃水の燃焼温度を900〜1100℃、燃焼時間を1.0〜3.0秒にするとともに、
    前記排ガスと前記冷却水との接触割合が4.0〜5.0(排ガス(m3)/冷却水(L))となるように調節する、
    請求項1記載の窒素成分を含む廃水の処理方法。
  3. 前記酸化剤として次亜塩素酸塩を用い、
    この次亜塩素酸塩の添加量を、前記冷却排水が含むNH4 +の1.5〜3.0(mol/mol)倍にして、2〜4時間保持する、
    請求項1又は請求項2記載の窒素成分を含む廃水の処理方法。
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