JP2010221113A - 機能性塗膜の静電塗装方法及び粉体塗装の機能性塗膜形成建築材料 - Google Patents

機能性塗膜の静電塗装方法及び粉体塗装の機能性塗膜形成建築材料 Download PDF

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Abstract

【課題】 静電塗装により高耐候性の機能性皮膜を簡易且つ確実に形成する塗装方法を提供する。
【解決手段】 混合比率をポリエステル粉体塗料7、フッ素粉体塗料3とし、これらをドライブレンドして、被塗物に静電塗着した後、被塗物を雰囲気加熱する。粉体塗料の形状が不定形のため、静電塗着した塗料粉体層には粉末塗料間に空隙が形成されており、雰囲気加熱によって熱溶融温度の低いポリエステル粉末塗料が先行して溶融し、塗料粉体層の空隙を通過して下層のベース塗膜を形成する一方、熱溶融温度の高いフッ素粉体塗料が後続して溶融し、ベース皮膜上に載置するように表層に耐候性確保の機能発揮塗膜を形成するものと見られる。ホットブレンドと被塗物昇温による塗料の時間差溶融を活用し、塗膜中に均一分布することなく、表層にフッ素塗膜を配置して、フッ素使用量を減少した機能性塗膜とすることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、機能性塗膜の静電塗装方法に関し、また粉体塗装の機能性塗膜形成建築材料に関する。
この種の静電塗装方法(静電粉体塗装方法といってもよい)として、例えばポリエステル系塗料とフッ素系塗料のように異種の塗膜成分を加熱混練したホットブレンド粉体塗料を用いて静電塗装する方法、該静電塗装によって、例えば耐候性に優れた機能性塗膜を形成したアルミサッシ等の建築材料が知られている。
特許文献1によれば、ホットブレンド粉体塗料は、例えば、部分フッ素化ポリエステルの如くに架橋性反応基を有する含フッ素共重合体と、その架橋性反応基と架橋する硬化剤を40/60乃至98/2の比率とし、これに顔料を添加して溶融混練した塗料組成物とされ、これを用いてアルミサッシ等の建築材料を静電塗装することにより、耐候性に優れた粉体塗装の機能性塗膜を建築材料に形成するものとされる。
国際公開WO01/025346号公報
この場合、建築材料に着色塗膜として、ポリエステル成分による良好な密着性を確保し且つフッ素成分による耐候性に優れた機能性塗膜を形成することが可能となる。しかし乍ら、このような塗料組成物の機能性塗膜あっては、その機能性発揮の塗膜成分、特許文献1では耐候性を確保するためのフッ素成分が量的に多く使用する傾向を招いて、コストアップの要因となり易い。
即ち、上記塗料組成物を用いた場合に、塗膜には塗料組成物の配合比率に応じた塗膜成分が均一に分布することになるから、膜厚方向全体に亘って、塗料組成物の配合比率に応じたポリエステル成分とフッ素成分とが常に存在することになるところ、機能性塗膜として耐候性を確保するには、フッ素成分を塗膜の表層に存在するようにすれば足り、従って機能性発揮の塗膜成分を表層に配置して、表層以外の膜厚方向部位における機能性発揮の塗膜成分の配置を省略することができれば、そのコストアップを可及的に抑制することが可能となる。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、その解決課題とするところは、可及的簡易且つ確実に、表層に機能性発揮の塗膜成分を、下層に塗膜ベースをなす塗膜成分を配置し得るようにした静電塗装方法を提供するにあり、また表層に機能性発揮の塗膜成分を、下層に塗膜ベースをなす塗膜成分を配置した静電塗装の塗膜形成建築材料を提供するにある。
上記課題に沿って鋭意検討したところ、熱溶融温度(熱軟化温度ということもある)を高低異温度とする低温側と高温側の異種の粉体塗料を用いて、該異種の粉体塗料を所望の配合比率に応じてドライブレンドして、被塗物に静電塗着することにより塗料粉体層を形成し、その後に該被塗物の雰囲気加熱によって塗料粉体層を焼付すると、雰囲気加熱を受けた被塗物昇温の時間差によって、塗料粉体層における低温側の粉体塗料が先行して熱溶融し、後続して高温側の粉体塗料が熱溶融する時間差溶融が生じるとともに該時間差溶融によって上記低温側の粉体塗料が下層に流動し、高温側の粉体塗料が表層に位置するように、異種の粉体塗料を表層と下層にそれぞれ高密度に配置することができ、従って、低温側の塗膜ベース用と、高温側の機能性発揮用との異種粉体塗料のドライブレンドと、被塗物昇温による粉体塗料の時間差溶融との活用によって、機能塗膜の全体に均一分布することなく、表層に機能性発揮の塗膜成分を、下層に塗膜ベースをなす塗膜成分を配置形成することにより、機能性発揮用の粉体塗料の使用量を減少しつつ、簡易且つ確実に機能性を発揮する機能性塗膜とすることができるとの知見を得るに至った。
本発明はかかる知見に基づいてなされたもので、即ち、請求項1に記載の発明を、熱溶融温度を高低異温度とする塗膜ベース用低温側と機能性発揮用高温側の異種ドライブレンド粉体塗料を用いて被塗物への静電塗着と被塗物の雰囲気加熱による焼付を施し、該雰囲気加熱の被塗物昇温時間差により下層に低温側粉体塗料によるベース塗膜を、表層に高温側粉体塗料による機能発揮塗膜をそれぞれ高密度配置することを特徴とする機能性塗膜の静電塗装方法としたものである。
請求項2に記載の発明は、上記に加えて、屋外で使用する建築材料の機能性塗膜として耐候性を確保した塗膜を形成するように、これを、上記低温側をポリエステル系、上記高温側をフッ素系の粉体塗料とすることを特徴とする請求項1に記載の機能性塗膜の静電塗装方法としたものである。
請求項3に記載の発明は、表層に機能性発揮の塗膜成分を配置することによって、可及的低コストに機能性塗膜を形成した静電塗装の塗膜形成建築材料を提供するように、これを、下層に低温側粉体塗料による塗膜ベース塗膜を、表層に高温側粉体塗料による機能発揮塗膜をそれぞれ高密度配置した粉体塗装塗膜を備えてなることを特徴とする粉体塗装の機能性塗膜形成建築材料としたものである。
本発明は、これらをそれぞれ発明の要旨として上記課題解決の手段としたものである。
本発明は以上のとおりに構成したから、請求項1に記載の発明は、低温側の塗膜ベース用と、高温側の機能性発揮用との異種粉体塗料のドライブレンドと、被塗物昇温による粉体塗料の時間差溶融との活用によって、機能塗膜の全体に均一分布することなく、表層に機能性発揮の塗膜成分を、下層に塗膜ベースをなす塗膜成分を配置形成することにより、機能性発揮用の粉体塗料の使用量を減少しつつ、簡易且つ確実に機能性を発揮する機能性塗膜の静電塗装方法を提供することができる。
請求項2に記載の発明は、上記に加えて、屋外で使用する建築材料の機能性塗膜として耐候性を確保した塗膜を形成することができる。
請求項3に記載の発明は、表層に機能性発揮の塗膜成分を配置することによって、可及的低コストに機能性塗膜を形成した静電塗装の塗膜形成建築材料を提供することができる。
雰囲気加熱とドライブレンド粉体塗料の変化の関係を示すグラフと概念図である。 塗料粉体層表面の写真である。 図2の塗料粉体層を焼付した塗膜表面の写真である。 メタルウエザー試験機による促進耐候性試験後の色調変化結果を示すグラフである。 メタルウエザー試験機による促進耐候性試験後の光沢保持率結果を示すグラフである。 サンシャインウエザー試験機による促進耐候性試験後の色調変化結果を示すグラフである。 サンシャインウエザー試験機による促進耐候性試験後の光沢保持率結果を示すグラフである。
以下本発明を更に具体的に説明すれば、本発明における静電塗装方法は、熱溶融温度を高低異温度とする塗膜ベース用低温側と機能性発揮用高温側の異種ドライブレンド粉体塗料を用いて被塗物への静電塗着と被塗物の雰囲気加熱による焼付を施し、該雰囲気加熱の被塗物昇温時間差により下層に低温側粉体塗料によるベース塗膜を、表層に高温側粉体塗料による機能発揮塗膜をそれぞれ高密度配置するものであり、これを工程で示すと、上記異種の粉体塗料をドライブレンドするドライブレンド工程と、被塗物に対してドライブレンドした異種の粉体塗料を同時に静電塗着する静電塗着工程と、被塗物を雰囲気加熱する加熱工程を経るものとしてあり、これによって下層に低温側粉体塗料による塗膜ベース塗膜を、表層に高温側粉体塗料による機能発揮塗膜をそれぞれ高密度配置した粉体塗装塗膜を備えた粉体塗装の機能性塗膜形成商品を簡易且つ確実に得ることができる。
機能性塗膜は、例えば耐候性、耐汚染性等を確保するものとでき、そのための塗膜ベース用低温側の粉体塗料、機能性発揮用高温側の粉体塗料は、既知の塗料を組合せ使用することができるが、上記低温側をポリエステル系、上記高温側をフッ素系の粉体塗料とすることによって、例えばアルミサッシ、カーテンウオール、門扉等の各種建築材料に対して、低温側のポリエステル系粉体塗料による良好な密着性と、高温側のフッ素系粉体塗料による高度な耐候性を確保して、屋外使用に適した好ましい機能性塗膜を形成することができる。
上記ドライブレンドした異種の粉体塗料を被塗物に静電塗着し、該被塗物を雰囲気加熱すると、該雰囲気加熱の被塗物昇温時間差により下層に低温側粉体塗料によるベース塗膜を、表層に高温側粉体塗料による機能発揮塗膜をそれぞれ高密度配置することができる。
そのメカニズムは必ずしも明確ではないが、被塗物に静電塗着した焼付前の異種粉体塗料による塗料粉体層には、低温側と高温側の粉体塗料がドライブレンドの配合比率で存在するところ、粉体塗料の塗料粒子は、その形状を不定形とするものであるために、その塗着は、粉体塗料間にそれぞれ空隙を介在した状態でなされており、従って塗料粉体層は、その焼付後の塗膜厚より相当程度に厚い層をなしていると認められるところ、被塗物の雰囲気加熱によって該被塗物が昇温して、低温側の粉体塗料の熱溶融温度に達すると、該低温側の粉体塗料が先行して熱溶融して、塗料粉体層の空隙を通過して被塗物側、即ち下層に流動して該下層に集合するようにベース塗膜をなす下層部分を形成する一方、高温側の粉体塗料の熱溶融温度に達すると、該高温側の粉体塗料が後続して熱溶融して、該下層部位の上面に載置するように機能発揮塗膜をなす表層部位を形成するためと見られる。
実験結果によれば、ベース塗膜及び機能発揮塗膜は、それぞれ低温側及び高温側の粉体塗料による塗膜成分が大部分であるが、一方で、ベース塗膜に高温側の粉体塗料による塗膜成分が、機能発揮塗膜に低温側の粉体塗料による塗膜成分がそれぞれ幾分混在している事実が認められることから、この点を考慮すると、上記ドライブレンド、静電塗着、焼付を施して形成された機能性塗膜における下層と表層は、明確な境界を画して積層するものではなく、それぞれ下層に低温側の粉体塗料による塗膜成分が、表層に高温側の粉体塗料による塗膜成分がそれぞれ高密度に配置される一方、それぞれ下層に表層の、表層に下層のそれぞれ異種他方の塗膜成分が残存して、機能性塗膜が形成されているということができる。
そうすると、上記ベース塗膜と機能発揮塗膜の関係は、先行して軟化溶融した低温側の粉体塗料は、塗料粉体層の空隙を縫って流動して下層に集合するところ、当初から下層に存在している高温側の粉体塗料は、低温側の粉体塗料の流動化によってこれに取り込まれて、上記ベース塗膜中に混在するように残存する一方、該低温側の粉体塗料が流動したことによって高温側の粉体塗料が崩れる等した空隙不存在部分を低温側の粉体塗料による塗膜成分が通過し得ず、上記機能塗膜中に低温側の粉体塗料が残存するためと見られる。なお低温側の粉体塗料による塗膜成分が下層に集合するのは、例えば、被塗物を吊支持したことによる該塗膜成分の自重の他、塗料粉体層に形成された空隙中の空気が、被塗物の昇温によって抜ける結果、該空隙が減圧化することも作用するものと認められる。
一方、ポリエステルとフッ素のSP値(溶解性パラメーターの差)について、ΔSP>1の場合は分離しやすく且つSP値の小さい方が気相側(表層側)に配位しやすいことが想定されるところ、例えば、下記実施例に用いた粉体塗料における低温側のポリエステル系塗料のSP値は10.7、フッ素塗料のSP値は8〜9であるから、ΔSPは1.7〜2.7であり、SP値はΔSP>1となる。従って、SP値からも、溶融加熱に際して、表層にフッ素粉体が表層配置するに至るものと認められる。
低温側のベース塗料としてポリエステル粉体塗料を、高温側の機能発揮塗料としてフッ素粉体塗料を用いて、そのドライブレンドの配合比率を変化した上、アルミ押出材の被塗物に対する静電塗着と被塗物加熱を行なったときの、室温25℃から190℃までの約5分間の温度変化とそれぞれの粉体塗料の変化の関係を図1に示す。
雰囲気加熱によって被塗物は次第に昇温するところ、ポリエステル粉末塗料は80℃近辺で溶融し融合状となる一方、150℃近辺でフッ素粉体塗料が溶融するが、この昇温の時間差(約1分位)の間に上記低温側のポリエステル粉末塗料によるベース塗膜の下層部位への集中とその後の高温側のフッ素粉体塗料による機能塗膜の表層配置がなされるに至る。
同じく低温側のベース塗料としてポリエステル粉体塗料を、高温側の機能発揮塗料としてフッ素粉体塗料を用いて、そのドライブレンドの配合比率を変化した上、アルミ押出材の被塗物に対する静電塗着と被塗物加熱を行ない、被塗物に機能性塗膜(塗膜厚42μm)を形成し、その機能性塗膜における表層部分を赤外分光法によって吸光度を測定し、フッ素樹脂/ポリエステル樹脂(1700/1720cm−1)のピーク高さ比を求め、フッ素樹脂比率0%、100%のときを元に検量線を作成し、フッ素比率を各2回算出した。表1はその結果を示す。
表1によれば、機能性塗膜の表面から0.5μmの深さの表層においてポリエステル(P):フッ素(F)=0:10のとき、P:F=10:0のとき、フッ素が100%、0%であるところ、P:F=5:5のとき、フッ素は93%(平均値)、P:F=7:3のとき87%、P:F=8:2のとき76%、P:F=3:7のとき95%であり、また上記P:F=5:5のとき、表面から11〜19μmでフッ素は68%と95%(実測値)、34〜42μmで64%と98%(同)であった。配合比率に拘らず、ポリエステルとフッ素をドライブレンドして形成した機能性塗膜にあってフッ素が表層に配置されること、即ち逆にいえばポリエステルが下層に配置されること、機能性塗膜の表層及び下層に、それぞれ異種他方の塗膜成分が検出されることから、上記異種他方の塗膜成分の残存が生じ、上記表層、下層の配置が、積層状ではなく高密度分布のものであることが明らかとなった。
一方、低温側のベース塗料としてポリエステル粉体塗料を、高温側の機能発揮塗料としてフッ素粉体塗料を用いるも、それぞれ顔料を添加し、ポリエステル粉体塗料をホワイト色、フッ素粉体塗料をグレーに着色し、P:F=7:3の配合比率でドライブレンドした後、被塗物に静電塗着(ガン距離30cm)してマイクロスコープによって観察撮影した塗料粉体層表面の写真を図2に、更に被塗物の雰囲気加熱(180℃、20分)を行なって機能性塗膜を形成して、同じくマイクロスコープによって観察撮影した塗膜表面の写真を図3に示す。
図2は、ドライブレンドによってP:F=7:3の均一混合によるホワイト色が多く、グレー色が少ない表面状態を示すが、図3では、グレー色が表面に多量に出現し、ホワイト色が減少した表面状態を示しており、上記機能性塗膜によってフッ素が表層に高密度に配置されることが明らかとなった。
本発明にあって、耐候性や耐汚染性を確保した機能性塗膜を形成する被塗物として、アルミ押出形材、アルミ板材、鋼板等の各種金属とすることが好ましい。
被塗物の静電塗装は、コンベアレールにハンガーを用いて被塗物をスプレーブース、焼付ブースを経由し、スプレーブースで静電塗着を、焼付ブースで雰囲気加熱を施す如くに、常法に従って静電塗装を行なうようにすればよく、このとき静電塗着は、そのガン距離、針電圧、塗布量等を含めて、静電塗装の常法に従って行なえばよく、殊更に特殊条件等を設定する必要はない。
異種粉体塗料のドライブレンドは、スプレーブースへの粉体塗料供給前に現場で所定配合比率によって行なうようにしても、予め専用工場で行なって用いるようにしてもよい。スプレーブースのオーバースプレー塗料は、これを回収して再利用するようにして、塗料ロスをなくすようにすることが好ましい。
被塗物の雰囲気加熱は、常温乃至塗膜ベース用低温側の粉体塗料の熱溶融温度以下から、機能性発揮高温側の熱溶融温度を以上に、被塗物を昇温するように行なうものとするが、上記ポリエステルとフッ素の粉体塗料を用いるとき、雰囲気温度を常温から200℃程度とすればよい。
このように静電塗装を施した被塗物は、例えばポリエステルの耐候性を大きく超えるフッ素の耐候性を得た機能性塗膜とすることによって、アルミサッシ等の窓開口部材、カーテンウォール等の壁面材、バルコニー、門扉等の外構部材のような屋外設置の各種建築材料に幅広く使用すれば、塗膜の劣化を可及的に防止して、可及的良好な表面状態を長期に亘って維持することが可能となる。
更に顔料添加によって着色の機能性塗膜とすること等を含めて、本発明の実施に当って、塗膜ベース用低温側の粉体塗料、機能性発揮用高温側の粉体塗料、被塗物、粉体塗料のドライブレンド、静電塗着、雰囲気加熱、必要に応じて用いるポリエステル系粉体塗料、フッ素系粉体塗料、建築材料等の各具体的形態、方法、条件、種類等は、上記発明の要旨に反しない限り様々な形態とすることができる。
6×17cmのJIS6063−T5板材に、それぞれ共通の顔料によってグレー色の同色に着色した低温側のベース塗料としてポリエステル粉体塗料を、高温側の機能発揮塗料としてフッ素粉体塗料を、ポリエステル粉体塗料7、フッ素粉体塗料3の配合比率でドライブレンドして静電塗着した後、常温から180℃の雰囲気加熱を施してサンプルとし、メタルウエザー試験機とサンシャインウエザー試験機による促進耐候性試験を行い、前者で120時間毎、後者で500時間毎に取り出して色差計及び光沢計でそれぞれ色調変化と光沢保持率を測定した。メタルウエザー試験機による促進耐候性試験の結果を図4と図5に、サンシャインウエザー試験機による促進耐候性試験の結果を図6と図7示す。
ドライブレンドの配合比率を、ポリエステル粉体塗料5、フッ素粉体塗料5とした以外、実施例1と同様とした。同じく、結果を図4と図5、図6と図7に示す。
ドライブレンドの配合比率を、ポリエステル粉体塗料3、フッ素粉体塗料7とした以外、実施例1と同様とした。同じく、結果を図4と図5、図6と図7に示す。
比較例1
粉体塗料を、フッ素粉体塗料を用いず、顔料によってグレー色に着色したポリエステル粉体塗料のみで静電塗着した以外、実施例1と同様とした。同じく、結果を図4と図5、図6と図7に示す。
比較例2
粉体塗料を、ポリエステル粉体塗料を用いず、顔料によってグレー色に着色したフッ素粉体塗料のみで静電塗着した以外、実施例1と同様とした。同じく、結果を図4と図5、図6と図7に示す。
図4のメタルウエザー試験機による色差変化は、比較例1のポリエステル粉体塗料のみのサンプルにあって、試験開始後300時間経過時点でΔE=1.5、500時間経過時点でΔE=7.0であったのに対して、実施例1乃至3のポリエステル粉体塗料とフッ素粉体塗料をドライブレンドしたサンプルは、いずれも500時間経過時点でΔE=1.0以下であり、比較例2のフッ素粉体塗料のみのサンプルと殆ど同程度であった。
同じく図5のメタルウエザー試験機による光沢保持率は、比較例1のポリエステル粉体塗料のみのサンプルにあっては、試験開始後360時間経過時点で85%程度、500時間経過時点で20%強であったのに対して、実施例1乃至3のポリエステル粉体塗料とフッ素粉体塗料をドライブレンドしたサンプルは、いずれも480時間経過時点で85%程度であり、比較例2のフッ素粉体塗料のみのサンプルより僅かに低下した程度であった。
図6のサンシャインウエザー試験機による色差変化は、試験開始後1500時間経過時点で、いずれもΔE=1.0以下に納まって大差ないが、比較例1のポリエステル粉体塗料のみのサンプルにあっては、試験開始後2000時間経過後にΔE=1.25程度、2500時間経過時点でΔE=1.5であったのに対して、実施例1乃至3のポリエステル粉体塗料とフッ素粉体塗料をドライブレンドしたサンプルは、2000時間、2500時間経過時点でいずれもΔE=1.0以下であり、比較例2のフッ素粉体塗料のみのサンプルより僅かに高い程度であった。
同じく図7のサンシャインウエザー試験機による光沢保持率は、比較例1のポリエステル粉体塗料のみのサンプルにあっては、試験開始後1000時間経過時点で100%を僅かに下回る程度で大差ないが、試験開始後1500時間経過時点で75%程度、2000時間経過時点で45%程度、2500時間経過後で数%であったのに対して、実施例1乃至3のポリエステル粉体塗料とフッ素粉体塗料をドライブレンドしたサンプルは、いずれも2500時間経過時点で90%程度であり、比較例2のフッ素粉体塗料のみのサンプルより僅かに低下した程度であった。
以上から、ドライブレンドした異種塗料のポリエステル粉体塗料がベース塗膜をなすとともにフッ素粉体塗料が表層塗膜をなすことにより、高度な耐候性を呈すること、実施例1乃至3のドライブレンド配合比率によって耐候性に大差を生じないことが判明した。

Claims (3)

  1. 熱溶融温度を高低異温度とする塗膜ベース用低温側と機能性発揮用高温側の異種ドライブレンド粉体塗料を用いて被塗物への静電塗着と被塗物の雰囲気加熱による焼付を施し、該雰囲気加熱の被塗物昇温時間差により下層に低温側粉体塗料によるベース塗膜を、表層に高温側粉体塗料による機能発揮塗膜をそれぞれ高密度配置することを特徴とする機能性塗膜の静電塗装方法。
  2. 上記低温側をポリエステル系、上記高温側をフッ素系の粉体塗料とすることを特徴とする請求項1に記載の機能性塗膜の静電塗装方法。
  3. 下層に低温側粉体塗料による塗膜ベース塗膜を、表層に高温側粉体塗料による機能発揮塗膜をそれぞれ高密度配置した粉体塗装塗膜を備えてなることを特徴とする粉体塗装の機能性塗膜形成建築材料。
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