JP2010218970A - リチウムイオン二次電池の正極の製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池の正極の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010218970A
JP2010218970A JP2009066674A JP2009066674A JP2010218970A JP 2010218970 A JP2010218970 A JP 2010218970A JP 2009066674 A JP2009066674 A JP 2009066674A JP 2009066674 A JP2009066674 A JP 2009066674A JP 2010218970 A JP2010218970 A JP 2010218970A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
positive electrode
secondary battery
ion secondary
lithium ion
electrode mixture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009066674A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Tsujiko
曜 辻子
Yohei Shindo
洋平 進藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2009066674A priority Critical patent/JP2010218970A/ja
Publication of JP2010218970A publication Critical patent/JP2010218970A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池の正極活物質に含まれる不純物や、製造工程において混入する異物を良好に除去したリチウムイオン二次電池の正極の製造方法を提供する。
【解決手段】活物質から電極合剤を作成する混練工程S11と、集電体に電極合剤を塗工する塗工工程S12と、集電体に塗工された状態の電極合剤を洗浄液によって洗浄する洗浄工程S13と、集電体に塗工された状態の電極合剤をプレス加工するプレス工程S14と、を具備するリチウムイオン二次電池の正極の製造工程S1であって、洗浄工程S13は、塗工工程S12とプレス工程S14との間に行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の正極の製造方法に関し、特にリチウムイオン二次電池の正極の製造工程において混入する異物を除去する技術に関する。
リチウムイオン二次電池の正極材料(正極活物質)として、安全性やコスト等の点からオリビン型正極材料(LiMPO)が広く用いられている。しかし、LiMPOには、製造時に生成された不純物(LiMPOにおけるMを主体としたもの)が含まれ、このような正極活物質における不純物の電解液への溶出による電池容量の劣化等の問題がある。
そこで、上記のような不純物を除去するために、正極活物質の製造工程においては、この正極活物質を得るための焼成工程の後に、純水による正極活物質の洗浄が行われている(例えば、特許文献1参照)。しかし、それ以降の正極の製造工程において上記の不純物以外の異物が混入する可能性があるため、洗浄の効果が低くなる恐れがある。
特開2008−184346号公報
本発明は、リチウムイオン二次電池の正極活物質に含まれる不純物や、正極の製造工程において混入する異物を良好に除去したリチウムイオン二次電池の正極の製造方法を提供することを課題とする。
請求項1においては、正極活物質から正極合剤を作成する混練工程と、前記正極合剤を被塗工材に塗工する塗工工程と、前記正極合剤の洗浄を行う洗浄工程と、前記正極合剤をプレス加工するプレス工程と、を具備するリチウムイオン二次電池の正極の製造方法であって、前記洗浄工程は、前記塗工工程と前記プレス工程との間に行うものである。
請求項2においては、前記洗浄工程において、前記塗工工程で被塗工材に塗工された正極合剤を、前記被塗工材から剥離した状態で洗浄するものである。
請求項3においては、前記正極活物質は、組成式LiMPO(Mは、Fe,Mn,Co,Niからなる群から選択される一種以上の元素)で表されるオリビン型正極活物質であり、前記洗浄工程における前記正極合剤の洗浄に用いられる洗浄液は、フッ素含有リチウム塩を支持電解質とする前記リチウムイオン二次電池の電解液と、重量比にて300〜10000ppmの水と、からなるものである。
本発明によれば、リチウムイオン二次電池の正極活物質に含まれる不純物や、正極の製造工程において混入する異物を良好に除去したリチウムイオン二次電池の正極の製造が可能となる。
また、本発明により製造される正極を用いれば、正極の製造環境による容量維持率のバラツキがなく、良好なサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池を製造することができる。
本発明の一実施形態に係る正極を示す斜視図。 本発明の一実施形態に係る正極の製造方法を示すフローチャート。 本発明の第一実施形態に係る正極の製造工程を示す図。 本発明の第二実施形態に係る正極の製造工程を示す図。 本発明の第三実施形態に係る正極の製造工程を示す図。 正極の製造環境と、リチウムイオン二次電池の容量維持率との関係を示すマップ。
以下では、正極1について説明する。正極1は、リチウムイオン二次電池の正極であり、金属箔である集電体2の表面に、ペースト状の電極合剤3を塗工し、乾燥させた後、ロールプレス等の所定の処理を経て形成される。
集電体2は、電極合剤3が塗工される被塗工材であって、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼等の金属箔からなる正極集電体である。ただし、実用性及びコスト等の点からアルミニウムを集電体2として用いるのが好ましい。
電極合剤3は、粉末状の活物質4を溶媒で混練したペースト状の正極合剤であり、必要に応じて、添加剤(導電助剤や結着剤や増粘剤等)が添加される。
ただし、活物質4としては、リチウムを挿入脱離可能かつ明確な結晶構造を有する材料が好ましく、具体的には組成式LiMPO(Mは、Fe,Mn,Cr,Co,Cu,Ni,V,Mo,Ti,Zn,Al,Ga,Mg,B,Nbからなる群から選択される一種以上の元素)で表されるオリビン型正極活物質、又は組成式LiMO(Mは、Fe,Mn,Cr,Co,Cu,Ni,V,Mo,Ti,Zn,Al,Ga,Mg,B,Nbからなる群から選択される一種以上の元素であり、かつ、0≦x≦4)で表される正極活物質、特に実用性及びコスト等の点からLiFePOが好ましい。
また、前記溶媒としては、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)等が挙げられる。
前記導電助剤としては、アセチレンブラック(AB)、天然黒鉛、人造黒鉛等が挙げられる。
前記結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン‐ブタジエン共重合体(SBR)等が挙げられる。
前記増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリエチレングリコール(PEG)等が挙げられる。
なお、これらの溶媒及び添加剤はリチウムイオン二次電池の製造に用いられる公知の物質であって、それらの種類を限定するものではない。
図1に示すように、正極1は、集電体2と、集電体2上に塗工され乾燥された後にプレス加工されて層状に形成された電極合剤3とからなるシート状のリチウムイオン二次電池の正極である。
[第一実施形態]
以下では、本発明に係るリチウムイオン二次電池の正極の製造方法の第一実施形態である正極1の製造工程S1について説明する。
図2に示すように、製造工程S1は、混練工程S11、塗工工程S12、洗浄工程S13、プレス工程S14を具備する。
混練工程S11においては、プラネタリミキサ等の公知の混練装置を用いて、活物質4と前記添加剤とを前記溶媒で混練し、ペースト状の電極合剤3を作成する。
塗工工程S12においては、ダイコータ等の公知の塗工装置を用いて、混練工程S11で作成された電極合剤3を集電体2の表面に塗工した後、乾燥させ、塗工体5を作成する。
なお、本工程における乾燥の温度及び時間は、電極合剤3の種類等に応じて適宜選択される。
洗浄工程S13においては、塗工工程S12で作成された塗工体5を洗浄液6に浸漬させて洗浄する。換言すれば、集電体2に塗工された状態の電極合剤3を洗浄液6によって洗浄する。
なお、本工程における塗工体5の洗浄方法は、活物質4に含まれる不純物(LiMPOにおけるMを主体としたもの)や、外部から混入した異物等を十分に除去できればよく、上記のような洗浄方法に限定するものではない。
洗浄液6は、活物質4に含まれる不純物(LiMPOにおけるMを主体としたもの)や、外部から混入した異物等を除去するものである。
洗浄液6としては、一般的に純水が挙げられ、前記不純物等を除去できればその種類を限定しないが、洗浄による活物質4におけるリチウムの減少等を考慮して、以下のような、重量比にて300〜10000ppmの水を含むリチウムイオン二次電池用電解液が好ましい。
即ち、洗浄液6は、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)や四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)等のフッ素含有リチウム塩を支持電解質として含み、このフッ素含有リチウム塩を環状カーボネートや鎖状カーボネート等の溶媒で希釈した、一般的にリチウムイオン二次電池に用いられる電解液に水を加え、重量比にて300〜10000ppmの水を含むようにしたものであることが好ましい。
このように、洗浄液6は主にリチウムイオン二次電池の電解液から構成されるので、活物質4を純水によって洗浄する場合と比較して、活物質4におけるリチウムの減少を抑制することができる。更に、洗浄液6には水が含まれているので、洗浄液6におけるフッ素含有リチウム塩と水との化学反応により発生するフッ化水素(HF)によって活物質4に含まれる不純物(LiMPOにおけるMを主体としたもの)を良好に除去することができる。
また、洗浄工程S13で洗浄液6が塗工体5に残留した場合でも、洗浄液6はリチウムイオン二次電池の電解液と同一の成分を有するため、リチウムイオン二次電池の充放電を阻害することはない。
上記のように、洗浄液6を用いて塗工体5の洗浄を行った後は、塗工体5を真空乾燥させる。
なお、本工程における乾燥の温度及び時間は、電極合剤3の種類等に応じて適宜選択される。
プレス工程S14においては、洗浄工程S13で洗浄・乾燥された塗工体5をロールプレス等の公知の技術によりプレス加工し、正極1を作成する。換言すれば、集電体2に塗工された状態の電極合剤3をプレス加工する。
以上のように、正極1の製造工程S1は、塗工工程S12とプレス工程S14との間に洗浄工程S13を有する、より詳細には、図3に示すように、集電体2に電極合剤3を塗工し、乾燥させた後であって、集電体2に電極合剤3が塗工された状態のもの(塗工体5)をプレス加工して正極1を作成する前に、洗浄液6を用いて塗工体5の洗浄を行うので、正極1の製造環境の異物の多少に関わらず、活物質4に含まれる不純物や、外部から混入した異物等を良好に除去することが可能となる。したがって、製造工程S1によって製造される正極1をリチウムイオン二次電池に用いることで、正極1の製造環境による容量維持率のバラツキがなく、良好なサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池を製造することができる。
[第二実施形態]
以下では、本発明に係るリチウムイオン二次電池の正極の製造方法の第二実施形態である正極1の製造工程S2について説明する。
なお、製造工程S2は、製造工程S1の洗浄工程S13を洗浄工程S23としたものであり、以下の説明において、第一実施形態の製造工程S1と共通する部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
洗浄工程S23においては、塗工工程S12で作成された塗工体5から電極合剤3を剥離した後、電極合剤3を洗浄液6に浸漬させて洗浄する。
なお、本工程における電極合剤3の剥離方法は、塗工体5に対して引っ張り方向に弱いテンション(例えば、3N以下)をかけた状態でロールプレスを行う等、電極合剤3が欠損等することなく塗工体5から剥離できれば、その方法を限定するものではない。
また、電極合剤3の洗浄方法は、活物質4に含まれる不純物(LiMPOにおけるMを主体としたもの)や、外部から混入した異物等を十分に除去できればよく、上記のような洗浄方法に限定するものではない。
電極合剤3を洗浄液6によって洗浄した後は、電極合剤3を真空乾燥させる。
なお、本工程における乾燥の温度及び時間は、電極合剤3の種類等に応じて適宜選択される。
上記のように、電極合剤3を洗浄・乾燥した後は、電極合剤3を前記結着剤等によって再び集電体2に接着させ、塗工体5とする。
以上のように、製造工程S2の洗浄工程S23では、洗浄液6を用いて電極合剤3のみを単独で洗浄する。
即ち、図4に示すように、製造工程S2は、集電体2に電極合剤3を塗工し、乾燥させた後であって、集電体2に電極合剤3が接着された状態のもの(塗工体5)をプレス加工して正極1を作成する前に、集電体2から電極合剤3を剥離させ、洗浄液6を用いて電極合剤3のみを単独で洗浄するので、活物質4に含まれる不純物や、外部から混入した異物等を製造工程S1と比較して更に良好に除去することが可能となる。したがって、製造工程S2によって製造される正極1をリチウムイオン二次電池に用いることで、正極1の製造環境による容量維持率のバラツキがなく、良好なサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池を製造することができる。
[第三実施形態]
以下では、本発明に係るリチウムイオン二次電池の正極の製造方法の第三実施形態である正極1の製造工程S3について説明する。
なお、製造工程S3は、製造工程S1の塗工工程S12を塗工工程S32とし、洗浄工程S13を洗浄工程S33としたものであり、以下の説明において、第一実施形態の製造工程S1と共通する部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
塗工工程S32においては、ダイコータ等の公知の塗工装置を用いて、混練工程S31で作成された電極合剤3をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等からなる被塗工材である剥離用部材7に塗工した後、乾燥させる。
なお、剥離用部材7は、他部材に対する剥離性が良く、電極合剤3を容易に剥離できるものであれば、その種類を限定しない。
また、本工程における乾燥の温度及び時間は、電極合剤3の種類等に応じて適宜選択される。
洗浄工程S33においては、塗工工程S32で塗工された電極合剤3を剥離用部材7から剥離した後、電極合剤3を洗浄液6に浸漬させて洗浄する。
なお、電極合剤3の洗浄方法は、活物質4に含まれる不純物(LiMPOにおけるMを主体としたもの)や、外部から混入した異物等を十分に除去できればよく、上記のような洗浄方法に限定するものではない。
電極合剤3を洗浄液6によって洗浄した後は、電極合剤3を真空乾燥させる。
なお、本工程における乾燥の温度及び時間は、電極合剤3の種類等に応じて適宜選択される。
上記のように、電極合剤3を洗浄・乾燥した後は、電極合剤3を前記結着剤等によって再び集電体2に接着させ、塗工体5とする。
以上のように、製造工程S3の塗工工程S32では、電極合剤3が容易に剥離できる剥離用部材7に電極合剤3を塗工し、洗浄工程S33では、電極合剤3を剥離用部材7から剥離させて洗浄液6を用いて電極合剤3のみを単独で洗浄する。
即ち、図5に示すように、製造工程S3は、電極合剤3を剥離用部材7に塗工し、乾燥させた後であって、集電体2に電極合剤3が接着された状態のもの(塗工体5)をプレス加工して正極1を作成する前に、電極合剤3を剥離用部材7から剥離させ、洗浄液6を用いて電極合剤3のみを単独で洗浄するので、活物質4に含まれる不純物や、外部から混入した異物等を製造工程S1と比較して更に良好に除去することが可能となる。したがって、製造工程S3によって製造される正極1をリチウムイオン二次電池に用いることで、正極1の製造環境による容量維持率のバラツキがなく、良好なサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池を製造することができる。
以下では、正極1を用いたリチウムイオン二次電池について説明する。
正極1を用いたリチウムイオン二次電池は、正極1の他に、負極、セパレータ、外装体等から構成され、正極1と前記負極との間に前記セパレータを介装し、積層又は巻回して電極群とし、この電極群を前記外装体に収納した後、前記電解液を含浸させることで製造される。
前記負極は、正極1と同様に、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の金属箔からなる負極集電体の表面にペースト状の負極合剤を塗工し、乾燥させた後、ロールプレス等の所定の処理を経て形成される。
前記負極合剤は、粉末状の負極活物質と、前記添加剤とを前記溶媒で混練したものである。
ただし、前記負極活物質としては、活物質4と同様に、リチウムを挿入脱離可能かつ明確な結晶構造を有する材料が好ましく、電池電圧の高電圧化による付加価値を考慮すると、炭素系材料が好ましい。
炭素系材料の相変化は黒鉛構造に密接に関係しており、X線回折等によって測定される結晶構造から本実施形態に適した材料を選択する。具体的には、黒鉛構造の層間距離d、このd値から算出される格子定数C(=2d)、及び結晶子サイズLから判断でき、d値が大きくLが小さい難黒鉛化炭素系材料よりも、d値が小さくLが大きい天然黒鉛や、メソカーボンマイクロビーズ等の人造黒鉛の方が電位平坦性に優れているため本実施形態に適している。これらの材料については、実使用領域での入出力特性を確保する必要もあり、粒径の変更や、表面被覆等の改質手法が多く提案されているが、本実施形態におけるリチウムイオン二次電池では、1Cでの充電時に、電圧変化がV1±0.1V(V1は電池系固有の一定値)の範囲で容量の50%以上を充電可能であれば、材料特性の詳細は問わない。
前記セパレータは、正極1と前記負極との間に介装されて、それらを離間させるものである。
前記セパレータは、一般的にリチウムイオン二次電池に用いられるセパレータであって、ポリエチレン、ポリプロピレンといったポリオレフィン樹脂等からなり、その種類を限定するものではない。
前記外装体は、一般的にリチウムイオン二次電池に用いられる容器であって、アルミニウム、ステンレス鋼、金属樹脂複合フィルム等からなり、その種類を限定するものではない。
以上のような正極1を用いたリチウムイオン二次電池は、前述のように、正極1の製造環境による容量維持率のバラツキがなく、良好なサイクル特性を有する。
以下では、図6を用いて、本発明に係る実施例1〜3、並びに比較例1〜3に基づいて、正極1を用いたリチウムイオン二次電池のサイクル特性等を説明する。換言すれば、前述の実施形態である製造工程S1、S2、又はS3により製造される正極1をリチウムイオン二次電池に用いることによって奏する効果について説明する。
図6は、実施例1〜3、並びに比較例1〜3における、正極の製造環境と、リチウムイオン二次電池の容量維持率との関係を示すマップであり、横軸を前記正極の製造環境とし、縦軸を前記リチウムイオン二次電池の容量維持率としてプロットしたものである。
以下に示す実施例及び比較例では、クリーンルーム(クラス1000)、クリーンルーム(クラス10000)、及び粉塵等の対策未実施のそれぞれ三種類の環境下において、リチウムイオン二次電池の正極の製造を行い、これらの正極を用いてリチウムイオン二次電池を製造する。
[実施例1]
リチウムイオン二次電池の製造にあたって、まず、正極を製造する。
正極活物質としてカーボンコートされたLiFePO、導電助剤としてアセチレンブラック(AB)、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用い、LiFePO:AB:PVDF=85:5:10(wt%)の割合で、N−メチルピロリドン(NMP)を分散溶媒として混練してペースト状の合剤を作成し、これを正極合剤とする。
そして、前記正極合剤をアルミニウム箔上に塗工した後、乾燥させ、これを塗工体とする。
ここで、前記塗工体の洗浄を行う。
フッ素含有リチウム塩であるLiPFを環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合溶媒で希釈して作成した電解液に水を加え、重量比にて1000ppmの水を含む洗浄液を作成する。
そして、前記塗工体を前記洗浄液に30分浸漬させて洗浄した後、前記塗工体を100℃の雰囲気で6時間、真空乾燥させる。
洗浄・乾燥された前記塗工体にロールプレスによる処理を行って正極とする。
次に、負極を製造する。
負極活物質として平均粒子径20μm、格子定数C=0.67nm、結晶子サイズL=27nm、及び黒鉛化度0.9以上の天然黒鉛、結着剤としてスチレン‐ブタジエン共重合体(SBR)、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を用い、天然黒鉛:SBR:CMC=95:2.5:2.5(wt%)の割合で、水中で混練してペースト状の合剤を作成し、これを負極合剤とする。
そして、前記負極合剤を銅箔上に塗工した後、乾燥させ、ロールプレスによる処理を行って負極とする。
この時、前記正極の理論容量と前記負極の理論容量の比率が1:1.5となるように前記負極合剤の塗工量を調整する。
最後に、前記正極と前記負極との間に、ポリプロピレン‐ポリエチレン複合体多孔質膜からなるセパレータを介装し、巻回して電極群とし、この電極群を正極端子と負極端子を取り出すことができる構造をした内容積100ccのアルミニウムからなる外装体に収納した後、前記電解液を含浸させてリチウムイオン二次電池とする。
続いて、上記のように、三種類の環境下において製造された正極を用いたリチウムイオン二次電池について、それぞれ評価を行う。
具体的には、リチウムイオン二次電池のサイクル試験の結果に基づいて、その評価を行う。
まず、定電流‐定電圧方式により、前記正極の理論容量より予測した電池容量(Ah)の1/5の電流値で充電上限電圧まで充電を行い、更にその電圧で充電を続けて初期の電流値の1/10になった時点で充電を終了した後、前記正極の理論容量より予測した電池容量(Ah)の1/5の電流値で3Vまで放電を行う充放電サイクルを3回繰り返す。
その後、60℃の恒温槽内において定電流充電及び定電流放電による前記リチウムイオン二次電池のサイクル試験を行う。
このようにして、三種類の環境下において製造された正極を用いたリチウムイオン二次電池のサイクル試験を行い、その結果を横軸を前記正極の製造環境とし、縦軸を前記リチウムイオン二次電池の容量維持率としてそれぞれプロットする(図6参照)。
なお、前記容量維持率は、サイクル試験後の電池容量を初期容量で除することで算出する。
[実施例2]
本実施例においては、正極の製造以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を製造し、その評価を行う。
本実施例における正極の製造方法について説明する。
まず、実施例1と同様に、正極合剤、そして塗工体を作成する。
次に、前記塗工体に3Nのテンションをかけた状態でロールプレスを行って、前記塗工体から前記正極合剤を剥離した後、この正極合剤を実施例1での塗工体と同様に、洗浄・乾燥させる。
洗浄・乾燥された前記正極合剤を前記結着剤によってアルミニウム箔に接着させた後、ロールプレスによる処理を行って正極とする。
[実施例3]
本実施例においては、正極の製造以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を製造し、その評価を行う。
本実施例における正極の製造方法について説明する。
まず、実施例1と同様に、正極合剤を作成する。
次に、前記正極合剤をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる板材上に塗工した後、乾燥させる。
そして、前記板材から前記正極合剤を剥離した後、この正極合剤を実施例2と同様に、洗浄・乾燥させる。
洗浄・乾燥された前記正極合剤を前記結着剤によってアルミニウム箔に接着させた後、ロールプレスによる処理を行って正極とする。
[比較例1]
本比較例においては、正極の製造以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を製造し、その評価を行う。
本比較例における正極の製造方法について説明する。
まず、実施例1と同様に、正極合剤、そして塗工体を作成する。
そして、前記塗工体にロールプレスによる処理を行って正極とした後、この正極を実施例1での塗工体と同様に、洗浄・乾燥させる。
上記のように、本比較例では、洗浄を行わずに実施例1と同様に正極を製造し、最後にこの正極を洗浄する。
[比較例2]
本比較例においては、正極の製造以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を製造し、その評価を行う。
本比較例における正極の製造方法について説明する。
まず、正極活物質を実施例1での塗工体と同様に、洗浄・乾燥させる。
次に、洗浄された前記正極活物質を用いて、実施例1と同様に、正極合剤、そして塗工体を作成する。
そして、前記塗工体にロールプレスによる処理を行って正極とする。
上記のように、本比較例では、正極活物質の状態で洗浄を行い、後は実施例1と同様に正極を製造する。
[比較例3]
本比較例においては、正極の製造以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を製造し、その評価を行う。
本比較例における正極の製造方法について説明する。
本比較例では、洗浄を行わずに実施例1と同様に正極を製造する。
以上のように、実施例1〜3、並びに比較例1〜3に基づいてリチウムイオン二次電池を製造し、その評価を行うことによって得られた結果を図6に示す。
図6に示すように、比較例1、つまり塗工体にロールプレスを行って正極とした状態で洗浄を行った場合や、比較例3、つまり洗浄を行わない場合は、正極の製造環境がクリーンルーム(クラス1000)の時、リチウムイオン二次電池の容量維持率が80%を上回るが、正極の製造環境がクリーンルーム(クラス10000)や粉塵等の対策未実施の環境の時、リチウムイオン二次電池の容量維持率が急激に悪化し、80%を下回っている。
これは、正極の製造環境における粉塵等の異物の量が多くなればなるほど、リチウムイオン二次電池の容量維持率が悪化することから明らかなように、外部から混入する異物が原因でリチウムイオン二次電池の容量維持率が悪化し、塗工体にロールプレスを行って正極とした状態で洗浄を行ったとしても、ロールプレスによって正極の空隙が減少しており、洗浄効率が著しく低下したためである。
また、比較例2、つまり正極活物質の状態で洗浄を行う場合においても、正極の製造環境がクリーンルーム(クラス1000)やクリーンルーム(クラス10000)の時、リチウムイオン二次電池の容量維持率が85%を上回るが、正極の製造環境が粉塵等の対策未実施の環境の時、リチウムイオン二次電池の容量維持率が急激に悪化し、80%を下回っている。
これは、正極活物質の状態で洗浄を行ったとしても、それ以降の正極の製造工程において外部から異物が混入したためである。
一方、実施例1、つまり正極合剤をアルミニウム箔上に塗工して塗工体とした状態で洗浄を行った場合は、すべての環境下においてリチウムイオン二次電池の容量維持率が85%前後であり、十分に高い容量維持率を有している。
これは、正極の製造工程において、より正極に近い工程で洗浄を行ったため、洗浄後から正極の完成に至るまでに外部から混入する異物が少量であったためである。
また、実施例2、つまり塗工体から正極合剤を剥離して正極合剤単独の状態で洗浄を行った場合や、実施例3、つまりPTFEからなる板材から正極合剤を剥離して正極合剤単独の状態で洗浄を行った場合は、すべての環境下においてリチウムイオン二次電池の容量維持率が90%前後であり、更に高い容量維持率を有している。
これは、正極の製造工程において、より正極に近い工程で洗浄を行ったことに加え、正極合剤単独の状態で洗浄を行ったことで、正極合剤をアルミニウム箔上に塗工した塗工体の状態で洗浄を行うよりも十分に正極合剤が洗浄されたためである。
以上のように、正極の製造工程において、正極合剤をアルミニウム箔やPTFEからなる板材等の所定の部材に塗工し、乾燥させた後であって、アルミニウム箔に正極合剤が塗工された状態のものにロールプレスを行う前に、正極合剤を洗浄液によって洗浄することで、正極の製造環境の異物の多少に関わらず、正極活物質に含まれる不純物や、外部から混入した異物等を良好に除去することが可能となり、特に正極合剤を前記所定の部材から剥離させて洗浄液を用いて正極合剤のみを単独で洗浄することで、正極活物質に含まれる不純物や、外部から混入した異物等を更に良好に除去することが可能となる。したがって、このように製造された正極を用いることで、正極の製造環境による容量維持率のバラツキがなく、良好なサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池を製造できることが明らかになった。
また、クリーンルームを使用せず、粉塵等の対策未実施の環境において正極を製造することが可能となるため、コストを低減することができる。
1 正極
2 集電体(被塗工材)
3 電極合剤
4 活物質
5 塗工体
6 洗浄液
7 剥離用部材(被塗工材)

Claims (3)

  1. 正極活物質から正極合剤を作成する混練工程と、
    前記正極合剤を被塗工材に塗工する塗工工程と、
    前記正極合剤の洗浄を行う洗浄工程と、
    前記正極合剤をプレス加工するプレス工程と、を具備するリチウムイオン二次電池の正極の製造方法であって、
    前記洗浄工程は、前記塗工工程と前記プレス工程との間に行うリチウムイオン二次電池の正極の製造方法。
  2. 前記洗浄工程において、前記塗工工程で被塗工材に塗工された正極合剤を、前記被塗工材から剥離した状態で洗浄する請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の正極の製造方法。
  3. 前記正極活物質は、組成式LiMPO(Mは、Fe,Mn,Co,Niからなる群から選択される一種以上の元素)で表されるオリビン型正極活物質であり、
    前記洗浄工程における前記正極合剤の洗浄に用いられる洗浄液は、フッ素含有リチウム塩を支持電解質とする前記リチウムイオン二次電池の電解液と、重量比にて300〜10000ppmの水と、からなる請求項1又は請求項2に記載のリチウムイオン二次電池の正極の製造方法。
JP2009066674A 2009-03-18 2009-03-18 リチウムイオン二次電池の正極の製造方法 Pending JP2010218970A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009066674A JP2010218970A (ja) 2009-03-18 2009-03-18 リチウムイオン二次電池の正極の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009066674A JP2010218970A (ja) 2009-03-18 2009-03-18 リチウムイオン二次電池の正極の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010218970A true JP2010218970A (ja) 2010-09-30

Family

ID=42977565

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009066674A Pending JP2010218970A (ja) 2009-03-18 2009-03-18 リチウムイオン二次電池の正極の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010218970A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102694144A (zh) * 2012-05-28 2012-09-26 东莞新能源科技有限公司 一种锂离子电池极片处理方法
WO2012147767A1 (ja) * 2011-04-28 2012-11-01 昭和電工株式会社 リチウム二次電池用正極活物質の製造方法
WO2015001871A1 (ja) * 2013-07-02 2015-01-08 トヨタ自動車株式会社 非水電解液二次電池及びその製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012147767A1 (ja) * 2011-04-28 2012-11-01 昭和電工株式会社 リチウム二次電池用正極活物質の製造方法
US20140056797A1 (en) * 2011-04-28 2014-02-27 Showa Denko K.K. Method of producing cathode active material for lithium secondary battery
TWI482346B (zh) * 2011-04-28 2015-04-21 Showa Denko Kk 鋰蓄電池用正極活性物質之製造方法
JP6055761B2 (ja) * 2011-04-28 2016-12-27 昭和電工株式会社 リチウム二次電池用正極活物質の製造方法
US9745194B2 (en) * 2011-04-28 2017-08-29 Showa Denko K.K. Method of producing cathode active material for lithium secondary battery
CN102694144A (zh) * 2012-05-28 2012-09-26 东莞新能源科技有限公司 一种锂离子电池极片处理方法
WO2015001871A1 (ja) * 2013-07-02 2015-01-08 トヨタ自動車株式会社 非水電解液二次電池及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10910628B2 (en) Fast formation cycling for rechargeable batteries
DE102015119214B4 (de) Verfahren zur Bildung poröser Materialien
CN110071246B (zh) 含锂电化学电池的隔膜及其制备方法
KR101772754B1 (ko) 리튬 이온 전지용 정극 활물질층의 제조 방법 및 리튬 이온 전지용 정극 활물질층
JP7279757B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極材、リチウムイオン二次電池用負極、及びリチウムイオン二次電池
CN109904523B (zh) 硫化物固体电池的制造方法
WO2010113403A1 (ja) リチウムイオン電池用正極の製造方法、リチウムイオン電池用正極、および前記正極を用いたリチウムイオン電池
WO2013094100A1 (ja) 二次電池用正極およびこれを用いた二次電池
CN103682265A (zh) 正极活性物质、其制备方法、和具有该正极活性物质的非水电解质可充电电池
JP7455094B2 (ja) リチウム金属二次電池および電解液
JP2013254728A (ja) リチウムイオン二次電池用負極材の製造方法
JP5332828B2 (ja) リチウムイオン二次電池の正極の製造方法
JP5620499B2 (ja) 非水電解質電池
JP5638015B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極材料、負極合剤、リチウムイオン二次電池負極およびリチウムイオン二次電池
JP2010218970A (ja) リチウムイオン二次電池の正極の製造方法
JP2005197073A (ja) リチウム二次電池用正極
JP4747514B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極の製造方法
JP6187293B2 (ja) 非水系二次電池の製造方法
JP2002329529A (ja) 非水電解質二次電池
US9705119B2 (en) Energy storage device, energy storage apparatus, vehicle, and method for using energy storage device
JP4016497B2 (ja) 非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池
JP7238764B2 (ja) リチウムイオン電池およびその製造方法
JP7163902B2 (ja) リチウムイオン電池の製造方法
WO2019163882A1 (ja) 非水二次電池用電解液及び非水二次電池
RU2739574C1 (ru) Способ формирования контактной поверхности анода литий-ионных аккумуляторов