JP5332828B2 - リチウムイオン二次電池の正極の製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池の正極の製造方法

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の正極の製造方法に関し、特にリチウムイオン二次電池の正極活物質に含まれる不純物を除去する技術に関する。
リチウムイオン二次電池の正極材料(正極活物質)として、安全性やコスト等の点からオリビン型正極材料(LiMPO)が広く用いられている。しかし、LiMPOには、製造時に生成された不純物(LiMPOにおけるMを主体としたもの)が含まれ、この不純物の電解液への溶出による電池容量の劣化等の問題がある。
そこで、上記の不純物を除去するために、純水によるLiMPOの洗浄が行われている(例えば、特許文献1参照)。しかし、このような純水によるLiMPOの洗浄は、不純物の除去に伴って、LiMPO結晶内のリチウムも純水に溶出してしまい、電池の初期容量が減少する等の問題がある。
また、正極に所定の材料を添加する等、不純物の電解液への溶出を防ぐ技術が公知となっているが、このような技術は充放電に寄与しない材料を電池内に追加することになるので、電池のエネルギー密度が低下する等の問題がある。
特開2008−184346号公報
本発明は、リチウムイオン二次電池の正極活物質におけるリチウムの減少を抑制するとともに、正極活物質に含まれる不純物を良好に除去したリチウムイオン二次電池の正極の製造方法を提供することを課題とする。
本発明のリチウムイオン二次電池の正極の製造方法は、組成式LiMPO(Mは、Fe,Mn,Co,Niからなる群から選択される一種以上の元素)で表されるオリビン型正極活物質を含有するリチウムイオン二次電池の正極の製造方法において、洗浄液を用いて前記正極活物質の洗浄を行う工程を具備し、前記洗浄液は、フッ素含有リチウム塩を支持電解質とする前記リチウムイオン二次電池の電解液と、重量比にて300〜10000ppmの水と、からなる。
前記リチウムイオン二次電池の正極の製造方法においては、前記組成式におけるMは、Feを含む元素であることが好ましい。
前記リチウムイオン二次電池の正極の製造方法においては、前記組成式におけるMは、Feであることが好ましい。
本発明によれば、リチウムイオン二次電池の正極活物質におけるリチウムの減少を抑制するとともに、正極活物質に含まれる不純物を良好に除去したリチウムイオン二次電池の正極の製造が可能となる。
また、本発明により製造される正極を用いれば、十分な初期容量を維持しつつ、良好なサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池を製造することができる。
本発明の一実施形態に係る正極を示す斜視図。 本発明の一実施形態に係る正極の製造方法を示すフローチャート。 正極活物質の洗浄液による洗浄を示す図。 洗浄液中の水分量と、洗浄液に溶出したリチウム及び鉄の量との関係を示すマップ。 洗浄液中の水分量と、リチウムイオン二次電池の初期容量及び劣化後容量、並びにそれらから算出される容量維持率との関係を示すマップ。
以下では、正極1について説明する。正極1は、リチウムイオン二次電池の正極であり、金属箔である集電体2の表面に、ペースト状の電極合剤3を塗布し、乾燥させた後、ロールプレス等の所定の処理を経て形成される。
集電体2は、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼等の金属箔からなる正極集電体である。ただし、実用性及びコスト等の点からアルミニウムを集電体2として用いるのが好ましい。
電極合剤3は、粉末状の正極活物質である活物質4を溶媒で混練したペースト状の正極合剤であり、必要に応じて、添加剤(導電助剤や結着剤や増粘剤等)が添加される。
ただし、活物質4としては、リチウムを挿入脱離可能かつ明確な結晶構造を有する材料が好ましく、具体的には組成式LiMPO(Mは、Fe,Mn,Co,Niからなる群から選択される一種以上の元素を主成分として含み、更にCr,Cu,V,Mo,Ti,Zn,Al,Ga,Mg,B,Nb等を含んでもよい。)で表されるオリビン型正極活物質、特に実用性及びコスト等の点から、M=Feで示されるLiFePOが好ましい。
また、前記溶媒としては、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)等が挙げられる。
前記導電助剤としては、アセチレンブラック(AB)、天然黒鉛、人造黒鉛等が挙げられる。
前記結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン‐ブタジエン共重合体(SBR)等が挙げられる。
前記増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリエチレングリコール(PEG)等が挙げられる。
なお、これらの添加剤はリチウムイオン二次電池の製造に用いられる公知の物質であって、それらの種類を限定するものではない。
図1に示すように、正極1は、集電体2と、集電体2上に塗布され乾燥された後にプレス加工されて層状に形成された電極合剤3とからなるシート状のリチウムイオン二次電池の正極である。
以下では、正極1を製造する製造工程S10について説明する。
図2に示すように、製造工程S10は、洗浄工程S1、混練工程S2、塗工工程S3、プレス工程S4を具備する。
洗浄工程S1においては、図3に示すように、活物質4を洗浄液5に浸漬させて洗浄する。活物質4に含まれる不純物(LiMPOにおけるMを主体としたもの)を十分に除去するために、30分以上の洗浄が好ましい。
なお、本工程における活物質4の洗浄方法は、活物質4に含まれる不純物を十分に除去できればよく、上記のような洗浄方法に限定するものではない。
洗浄液5は、リチウムイオン二次電池の電解液に水を加えたものである。ただし、洗浄液5中の水分濃度は、重量比にて300〜10000ppmであることが好ましい。
前記電解液は、一般的にリチウムイオン二次電池に用いられる電解液であって、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)や四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)等のフッ素含有リチウム塩を支持電解質として含み、このフッ素含有リチウム塩を環状カーボネートや鎖状カーボネート等の溶媒で希釈したものである。
このように、洗浄液5は主にリチウムイオン二次電池の電解液から構成されるので、活物質4を純水によって洗浄する場合と比較して、活物質4におけるリチウムの減少を抑制することができる。更に、洗浄液5には水が含まれているので、洗浄液5におけるフッ素含有リチウム塩と水との化学反応により発生するフッ化水素(HF)によって活物質4に含まれる不純物(LiMPOにおけるMを主体としたもの)を良好に除去することができる。
また、洗浄工程S1にて洗浄液5が活物質4に残留した場合でも、洗浄液5はリチウムイオン二次電池の電解液と同一の成分を有するため、リチウムイオン二次電池の充放電を阻害することはない。
上記のように、活物質4を洗浄液5によって洗浄した後は、活物質4と洗浄液5とを濾過分離し、活物質4を100℃以上の雰囲気で6時間以上、真空乾燥させる。
なお、濾過分離した後の洗浄液5、換言すれば活物質4を洗浄した後の洗浄液5には、重量比にて300ppm以下のリチウム、及び40ppm以上の鉄が含まれていることが好ましい。即ち、洗浄液5は、300〜10000ppmの水を含み、活物質4を洗浄した後は、300ppm以下のリチウム及び40ppm以上の鉄を含むことが好ましい。
混練工程S2においては、プラネタリミキサ等の公知の混練装置を用いて、洗浄工程S1で洗浄・乾燥された活物質4と、前記添加剤とを前記溶媒で混練し、ペースト状の電極合剤3を作成する。
塗工工程S3においては、ダイコータ等の公知の塗工装置を用いて、混練工程S2で作成された電極合剤3を集電体2の表面に塗工した後、乾燥させる。
なお、本工程における乾燥の温度及び時間は、電極合剤3の種類等に応じて適宜選択される。
プレス工程S4においては、塗工工程S3で集電体2に塗工された電極合剤3をロールプレス等の公知の技術によりプレス加工し、集電体2上に層状の電極合剤3を形成して正極1を作成する。
以上のように、製造工程S10の洗浄工程S1において、洗浄液5を用いて活物質4の洗浄を行うので、活物質4におけるリチウムの減少を抑制するとともに、活物質4に含まれる不純物(LiMPOにおけるMを主体としたもの)を良好に除去することが可能となる。したがって、製造工程S10によって製造される正極1をリチウムイオン二次電池に用いることで、十分な初期容量を維持しつつ、良好なサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池を製造することができる。
以下では、正極1を用いたリチウムイオン二次電池について説明する。
正極1を用いたリチウムイオン二次電池は、正極1の他に、負極、セパレータ、外装体等から構成され、正極1と前記負極との間に前記セパレータを介装し、積層又は巻回して電極群とし、この電極群を前記外装体に収納した後、前記電解液を含浸させることで製造される。
前記負極は、正極1と同様に、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の金属箔からなる負極集電体の表面にペースト状の負極合剤を塗布し、乾燥させた後、ロールプレス等の所定の処理を経て形成される。
前記負極合剤は、粉末状の負極活物質と、前記添加剤とを前記溶媒で混練したものである。
ただし、前記負極活物質としては、活物質4と同様に、リチウムを挿入脱離可能かつ明確な結晶構造を有する材料が好ましく、電池電圧の高電圧化による付加価値を考慮すると、炭素系材料が好ましい。
炭素系材料の相変化は黒鉛構造に密接に関係しており、X線回折等によって測定される結晶構造から本実施形態に適した材料を選択する。具体的には、黒鉛構造の層間距離d、このd値から算出される格子定数C(=2d)、及び結晶子サイズLから判断でき、d値が大きくLが小さい難黒鉛化炭素系材料よりも、d値が小さくLが大きい天然黒鉛や、メソカーボンマイクロビーズ等の人造黒鉛の方が電位平坦性に優れているため本実施形態に適している。これらの材料については、実使用領域での入出力特性を確保する必要もあり、粒径の変更や、表面被覆等の改質手法が多く提案されているが、本実施形態におけるリチウムイオン二次電池では、1Cでの充電時に、電圧変化がV1±0.1V(V1は電池系固有の一定値)の範囲で容量の50%以上を充電可能であれば、材料特性の詳細は問わない。
前記セパレータは、正極1と前記負極との間に介装されて、それらを離間させるものである。
前記セパレータは、一般的にリチウムイオン二次電池に用いられるセパレータであって、ポリエチレン、ポリプロピレンといったポリオレフィン樹脂等からなり、その種類を限定するものではない。
前記外装体は、一般的にリチウムイオン二次電池に用いられる容器であって、アルミニウム、ステンレス鋼、金属樹脂複合フィルム等からなり、その種類を限定するものではない。
以上のような正極1を用いたリチウムイオン二次電池は、前述のように、十分な初期容量を維持しつつ、良好なサイクル特性を有する。
また、正極1を製造する製造工程S10の洗浄工程S1において、前述のように、洗浄液5を用いて活物質4の洗浄を行うことによって、活物質4に含まれる不純物を良好に除去できるので、前記不純物の溶出を抑制することを目的として、リチウムイオン二次電池の内部に充放電に寄与しない材料を追加する必要がないため、エネルギー密度の悪化を招くことはない。
以下では、図4及び図5を用いて、本発明に係る実施例1〜8、並びに比較例1〜4に基づいて、正極1を用いたリチウムイオン二次電池のサイクル特性等を説明する。換言すれば、製造工程S10により製造される正極1をリチウムイオン二次電池に用いることによって奏する効果について説明する。
図4は、実施例1〜8、並びに比較例1〜4における、洗浄液中の水分量と、洗浄液に溶出したリチウム及び鉄の量との関係を示すマップであり、横軸を洗浄液中の水分量とし、縦軸を洗浄液に溶出したリチウム及び鉄の量としてプロットしたものである。
図5は、実施例1〜8及び比較例1〜4における、洗浄液中の水分量と、リチウムイオン二次電池の初期容量及び劣化後容量、並びにそれらから算出される容量維持率との関係を示すマップであり、横軸を洗浄液中の水分量とし、縦軸をリチウムイオン二次電池の電池容量及び容量維持率としてプロットしたものである。
なお、図4、図5においては、洗浄液中の水分量、並びに洗浄液に溶出したリチウム及び鉄の量は、それぞれ洗浄液量に対する水分量の比率、並びに洗浄液量に対する洗浄液中に溶出したリチウム量及び鉄量の比率を用いて表している。以下の説明においても同様である。
[実施例1]
リチウムイオン二次電池の製造にあたって、まず、正極活物質の洗浄を行う。
フッ素含有リチウム塩であるLiPFを環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合溶媒で希釈して作成した電解液に水を加え、300ppmの水を含む洗浄液を作成する。
そして、正極活物質として用いるLiFePOを前記洗浄液に30分浸漬させて洗浄した後、LiFePOと前記洗浄液とを濾過分離し、LiFePOを120℃の雰囲気で12時間、真空乾燥させる。
一方、洗浄に用いた後の洗浄液について、ICP分析によってリチウムイオン濃度及び鉄イオン濃度を測定し、その結果を、横軸を前記洗浄液中の水分量とし、縦軸を前記洗浄液に溶出したリチウム及び鉄の量としてそれぞれプロットする(図4参照)。
次に、正極を製造する。
正極活物質としてLiFePO、導電助剤としてアセチレンブラック(AB)、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を、LiFePO:AB:PVDF=85:5:10(wt%)の割合で、N−メチルピロリドン(NMP)を分散溶媒として混練してペースト状の合剤を作成し、これを正極合剤とする。
そして、前記正極合剤をアルミニウム箔上に塗工した後、乾燥させ、ロールプレスによる処理を行って正極とする。
次に、負極を製造する。
負極活物質として平均粒子径20μm、格子定数C=0.67nm、結晶子サイズL=27nm、及び黒鉛化度0.9以上の天然黒鉛、結着剤としてスチレン‐ブタジエン共重合体(SBR)、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を、天然黒鉛:SBR:CMC=95:2.5:2.5(wt%)の割合で、水中で混練してペースト状の合剤を作成し、これを負極合剤とする。
そして、前記負極合剤を銅箔上に塗工した後、乾燥させ、ロールプレスによる処理を行って負極とする。
この時、前記正極の理論容量と前記負極の理論容量の比率が1:1.5となるように前記負極合剤の塗工量を調整する。
最後に、前記正極と前記負極との間に、ポリプロピレン‐ポリエチレン複合体多孔質膜からなるセパレータを介装し、巻回して電極群とし、この電極群を金属樹脂複合フィルムからなる外装体に収納した後、前記電解液を含浸させてラミネート型のリチウムイオン二次電池とする。
続いて、上記のように製造されたラミネート型のリチウムイオン二次電池の評価を行う。
具体的には、2Cでの充放電を500サイクル繰り返すサイクル試験の結果に基づいて評価を行う。
なお、前記リチウムイオン二次電池の容量は、定電流‐定電圧方式により、前記正極の理論容量より予測した電池容量(Ah)の1/5の電流値で充電上限電圧まで充電を行い、更にその電圧で充電を続けて初期の電流値の1/10になった時点で充電を終了した後、前記正極の理論容量より予測した電池容量(Ah)の1/5の電流値で3Vまで放電を行うことによって取得する。
このようにして、前記リチウムイオン二次電池のサイクル試験を行い、その結果を、横軸を前記洗浄液中の水分量とし、縦軸を前記リチウムイオン二次電池の電池容量及び容量維持率としてそれぞれプロットする(図5参照)。
なお、前記縦軸における電池容量は、洗浄液中の水分量を50ppmとしてリチウムイオン二次電池を製造した場合、つまり比較例1におけるリチウムイオン二次電池の初期容量を100として算出する。
また、前記容量維持率は、サイクル試験後の電池容量を初期容量で除することで算出する。
[実施例2]
本実施例においては、洗浄液中の水分量を500ppmとする以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を製造し、その評価を行う。
[実施例3]
本実施例においては、洗浄液中の水分量を700ppmとする以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を製造し、その評価を行う。
[実施例4]
本実施例においては、洗浄液中の水分量を1000ppmとする以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を製造し、その評価を行う。
[実施例5]
本実施例においては、洗浄液中の水分量を3000ppmとする以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を製造し、その評価を行う。
[実施例6]
本実施例においては、洗浄液中の水分量を5000ppmとする以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を製造し、その評価を行う。
[実施例7]
本実施例においては、洗浄液中の水分量を7000ppmとする以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を製造し、その評価を行う。
[実施例8]
本実施例においては、洗浄液中の水分量を10000ppmとする以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を製造し、その評価を行う。
[比較例1]
本比較例においては、洗浄液中の水分量を50ppmとする以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を製造し、その評価を行う。
[比較例2]
本比較例においては、洗浄液中の水分量を100ppmとする以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を製造し、その評価を行う。
[比較例3]
本比較例においては、洗浄液中の水分量を30000ppmとする以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を製造し、その評価を行う。
[比較例4]
本比較例においては、洗浄液中の水分量を50000ppmとする以外は、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を製造し、その評価を行う。
以上のように、実施例1〜8、並びに比較例1〜4に基づいてリチウムイオン二次電池を製造し、その評価を行うことによって得られた結果が図4及び図5にそれぞれ示される。
図4に示すように、比較例1及び2の如く、洗浄液中の水分量が300ppm未満の場合は、正極活物質として用いられたLiFePOに含まれる不純物である鉄の溶出量が急激に低下し、40ppm未満となる。
つまり、正極活物質に含まれる不純物の除去が十分ではないため、図5に示すように、洗浄液中の水分量が300ppm未満の場合は、リチウムイオン二次電池の容量維持率が急激に悪化する。
また、図4に示すように、比較例3及び4の如く、洗浄液中の水分量が10000ppmを上回る場合は、正極活物質として用いられたLiFePOにおけるリチウムの溶出量が急激に上昇し、300ppmを上回る。
つまり、正極活物質におけるリチウムが洗浄液に含まれる水に大量に溶出し、充放電に寄与するリチウムが減少したため、図5に示すように、洗浄液中の水分量が10000ppmを上回る場合は、リチウムイオン二次電池の初期容量が急激に悪化する。
一方、図4に示すように、実施例1〜8の如く、洗浄液中の水分量が300〜10000ppmの場合は、リチウムの溶出量が300ppm以下であって、鉄の溶出量が40ppm以上である。
つまり、正極活物質に含まれる不純物が十分に除去され、リチウムの減少も抑制されているため、図5に示すように、洗浄液中の水分量が300〜10000ppmの場合は、リチウムイオン二次電池の初期容量が十分に高く、容量維持率も90%前後であって十分に高く良好な容量維持率を有している。
以上のように、正極の製造工程において正極の材料となる正極活物質であるLiMPOを300〜10000ppmの水を含む洗浄液によって洗浄することで、正極活物質におけるリチウムの減少を抑制するとともに、正極活物質に含まれる不純物(鉄)を良好に除去することが可能となり、その正極を用いることで、十分な初期容量を維持しつつ、良好なサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池を製造できることが明らかになった。
なお、本実施例においては、正極活物質としてLiFePO、つまりLiMPOにおけるMがFeのものを用いたが、MがMn、Co、及びNi等の他の遷移元素のものを用いた場合でも同様の化学反応によってMが溶出し、図5における鉄の溶出量を示すグラフと略同様の曲線を描くと考えられる。このため、MがMn、Co、及びNi等のものを用いた場合でも同様の効果を奏すると考えられる。
1 正極
2 集電体
3 電極合剤
4 活物質
5 洗浄液

Claims (3)

  1. 組成式LiMPO(Mは、Fe,Mn,Co,Niからなる群から選択される一種以上の元素)で表されるオリビン型正極活物質を含有するリチウムイオン二次電池の正極の製造方法において、
    洗浄液を用いて前記正極活物質の洗浄を行う工程を具備し、
    前記洗浄液は、フッ素含有リチウム塩を支持電解質とする前記リチウムイオン二次電池の電解液と、重量比にて300〜10000ppmの水と、からなるリチウムイオン二次電池の正極の製造方法。
  2. 前記組成式におけるMは、Feを含む元素である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の正極の製造方法。
  3. 前記組成式におけるMは、Feである請求項1又は請求項2に記載のリチウムイオン二次電池の正極の製造方法。
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