JP2010217571A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録媒体の分離性を向上させると共に、画像の乱れや記録媒体のシワ等を防止することが可能な定着装置を提供する。
【解決手段】定着ローラ21と加圧ローラ22を互いに接触させることにより、定着ニップNを湾曲させた定着装置8である。この定着装置8は、定着ニップNに記録媒体Pを案内するガイド部材23を備える。ガイド部材23の記録媒体搬送経路に対向する面23aの少なくとも記録媒体搬送方向Aの下流端縁23bを、定着ニップNの記録媒体搬送方向Aの中央線Oを通りその中央線Oと定着ローラ21の軸線Xを通る平面Yに対して直交する湾曲基準面Zよりも、加圧ローラ22側へ配設した。
【選択図】図3

Description

本発明は、記録媒体を加熱及び加圧して画像を記録媒体に定着させる定着装置、及びその定着装置を備えた画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置には、記録媒体としての記録用紙に転写されたトナー画像を熱と圧力によって定着させる定着装置が多く用いられている。定着装置としては、例えば、内部にヒータ等の加熱源を有する定着ローラに加圧ローラを圧接させたタイプや、前記定着ローラに無端状の加圧ベルトを押圧部材によって圧接させたタイプなどがある。これらの定着装置は、定着ローラと加圧ローラの圧接部、又は定着ローラと加圧ベルトとの圧接部に形成された定着ニップに、トナー画像が転写された記録用紙を通過させることによって、その記録用紙を加熱及び加圧し、トナー画像を記録用紙に定着するようにしている。
図23は、定着ローラ100と加圧ローラ200を有する定着装置の簡略図である。図23に示すように、トナー画像Tが転写された記録用紙Pは、定着ローラ100と加圧ローラ200との間の定着ニップNを通過後、図の一点鎖線aの方向に搬出されるようになっている。しかし、上記のような熱定着タイプの定着装置は、定着時に記録用紙P上のトナーTを熱で溶融させるため、溶融したトナーTの定着ローラ100に対する付着力によって、記録用紙Pの搬送方向が一点鎖線aの方向から定着ローラ100側へ変化させられることがある。そして、溶融したトナーTの付着力によって、記録用紙Pが一点鎖線bで示す境界線を越えて定着ローラ100側に搬出された場合、記録用紙Pの定着ローラ100への巻き付きが発生する。
ここで、溶融したトナーの定着ローラへの付着力をF1、記録用紙を巻き付かせるのに要する曲げ力(記録用紙を一点鎖線aから一点鎖線bへ角度θだけ曲げるのに要する力)をF2とすると、F1<F2の関係を満たす場合に、記録用紙を定着ローラから分離して搬出させることができる。
従来では、記録用紙を定着ローラから分離しやすくするために、トナーにワックス等の離型剤を含有させることにより、上記トナーの付着力F1を低下させることが行われている(下記特許文献1参照)。また、記録用紙を定着ローラから分離しやすくするために、図23の二点鎖線に示すように、定着ローラの径を小さくすることによって、巻き付きが発生する境界線を一点鎖線bから一点鎖線b´の位置に変更し、記録用紙を巻き付かせるのに要する曲げ力F2を大きくする方法もある。
しかしながら、上記のようにトナーの付着力を低下させたり、定着ローラの径を小さくしたりしても、薄紙などの曲げ剛性(コシ)の小さい記録用紙を使用すると、記録用紙を巻き付かせるのに要する曲げ力F2が小さくなるため、定着ローラへの巻き付きが発生することがある。
そこで、本発明は、斯かる事情に鑑み、記録媒体の分離性を向上させると共に、画像の乱れや記録媒体のシワ等を防止することが可能な定着装置、及びその定着装置を備えた画像形成装置を提供しようとするものである。
請求項1の発明は、加熱源によって加熱される定着ローラと、当該定着ローラに接触して配設された加圧ローラを備え、前記定着ローラと前記加圧ローラとが互いに接触して形成された定着ニップに記録媒体を通過させることにより、当該記録媒体上の未定着画像を記録媒体に定着させる定着装置において、前記定着ローラと前記加圧ローラは、外周面がクラウン状に形成されたクラウン部と、逆クラウン状に形成された逆クラウン部を、それぞれ少なくとも1つずつ有し、前記定着ローラの前記クラウン部と前記加圧ローラの前記逆クラウン部を対応させて配設すると共に、前記定着ローラの前記逆クラウン部と前記加圧ローラの前記クラウン部を対応させて配設して、前記定着ローラと前記加圧ローラを互いに接触させることにより、前記定着ニップを湾曲して形成した定着装置であって、前記定着ニップに記録媒体を案内するガイド部材を備え、当該ガイド部材の記録媒体搬送経路に対向する面の少なくとも記録媒体搬送方向の下流端縁を、前記定着ニップの記録媒体搬送方向の中央線を通りその中央線と前記定着ローラの軸線を通る平面に対して直交する湾曲基準面よりも、前記加圧ローラ側へ配設したものである。
上記湾曲した定着ニップに記録媒体が侵入すると、記録媒体は定着ニップに沿って湾曲させられる。このように、記録媒体を湾曲させることにより、記録媒体の見かけ上の剛性を向上させることができる。これにより、記録媒体を定着ニップから搬出する際に、記録媒体が定着ローラに巻き付くことを抑制することが可能となる。また、クラウン部と逆クラウン部とを対応させた状態で、定着ローラと加圧ローラとを接触させることにより、定着ニップにおける接触圧のばらつきを抑制することができる。これにより、定着した画像に光沢度ムラが発生するなどの不具合を抑制することができ、良好な画像形成を実現することができる。
また、ガイド部材を上記湾曲基準面よりも加圧ローラ側へ配設したことにより、定着ニップによって湾曲された記録媒体がガイド部材に接触するのを防止することができる。これにより、記録媒体がガイド部材に接触することによって搬送経路が変えられたり良好な搬送性を損なったりすることがないので、記録媒体の画像形成面が周辺部品と接触することによる画像の乱れや、記録媒体のシワや損傷等の発生を防止することができる。
請求項2の発明は、請求項1に記載の定着装置において、前記ガイド部材の記録媒体搬送経路に対向する面を前記湾曲した定着ニップの形状に対応させて湾曲させると共に、当該湾曲させた面の少なくとも記録媒体搬送方向の下流端縁を、前記湾曲基準面よりも前記加圧ローラ側へ配設したものである。
本発明では、定着ニップを湾曲させているため、例えば、ガイド部材の記録媒体搬送経路に対向する面が平面である場合、その面の下流端縁から定着ニップまでの距離は、記録媒体の搬送幅方向に渡って異なる。特に、定着ニップにおいて、定着ローラの逆クラウン部と加圧ローラのクラウン部とを対応させた箇所では上記距離が遠くなる。このように、ガイド部材の記録媒体搬送経路に対向する面と定着ニップとの距離にばらつきがあると、定着ニップへの記録媒体の案内をしにくくなる虞がある。そのため、上記のように、ガイド部材の記録媒体搬送経路に対向する面を定着ニップの形状に対応させて湾曲させたことにより、その湾曲させたガイド部材の面の下流端縁から定着ニップまでの距離のばらつきを低減して、記録媒体を定着ニップに案内しやすくすることが可能である。
また、ガイド部材の上記湾曲させた面の少なくとも下流端縁を、湾曲基準面よりも加圧ローラ側へ配設したことにより、定着ニップによって湾曲された記録媒体がガイド部材に接触するのを防止することができる。これにより、記録媒体がガイド部材に接触することによって搬送経路が変えられたり良好な搬送性を損なったりすることがないので、記録媒体の画像形成面が周辺部品と接触することによる画像の乱れや、記録媒体のシワや損傷等の発生を防止することができる。
請求項3の発明は、請求項1に記載の定着装置において、前記ガイド部材の前記記録媒体搬送経路に対向する面に記録媒体搬送方向に延びた複数の突起部を並設し、それら複数の突起部の各頂部を通る面が前記湾曲した定着ニップの形状に対応して湾曲するように前記各頂部の高さを設定すると共に、前記複数の突起部の少なくとも記録媒体搬送方向の下流端縁を、前記湾曲基準面よりも前記加圧ローラ側へ配設したものである。
この場合、複数の突起部の各頂部を通る面を、定着ニップの形状に対応して湾曲するように各頂部の高さを設定したことにより、各突起部の下流端縁から定着ニップまでの距離のばらつきを低減することが可能である。これにより、上記請求項2と同様に、記録媒体を定着ニップに案内しやすくすることができる。
また、複数の突起部の少なくとも下流端縁を、湾曲基準面よりも加圧ローラ側へ配設したことにより、定着ニップによって湾曲された記録媒体がガイド部材(突起部)に接触するのを防止することができる。これにより、記録媒体がガイド部材に接触することによって搬送経路が変えられたり良好な搬送性を損なったりすることがないので、記録媒体の画像形成面が周辺部品と接触することによる画像の乱れや、記録媒体のシワや損傷等の発生を防止することができる。
さらに、この場合は、記録媒体を突起部に接触させて案内することにより、記録媒体を面に接触させて案内する場合よりも、記録媒体とガイド部材との接触範囲を少なくしてこれらの間に生じる摩擦を軽減することができるので、搬送性が向上する。また、記録媒体に異物が付着していた場合、記録媒体が突起部と接触することによって異物が突起部間に落とされることにより、定着ニップに異物を入りにくくすることができるため、定着不良等の不具合を防止することができる。
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の定着装置において、前記ガイド部材の前記下流端縁を、前記加圧ローラの外周面の形状に対応させて当該加圧ローラ側へ凹凸状に形成したものである。
これにより、ガイド部材の下流端縁を加圧ローラの外周面に接近させて配設することができるので、記録媒体が加圧ローラの表面に当接するときの衝撃を低減させることができ、記録媒体上の画像の乱れや記録媒体のシワ・損傷等を抑制することが可能となる。
請求項5の発明は、請求項4に記載の定着装置において、前記凹凸状に形成した前記ガイド部材の前記下流端縁と前記加圧ローラの外周面との間隔を一定となるようにしたものである。
これにより、ガイド部材の下流端縁を加圧ローラにさらに接近させることが可能となるので、記録媒体が加圧ローラの表面に当接するときの衝撃を一層低減させることができ、記録媒体上の画像の乱れや記録媒体のシワ等をより効果的に抑制することが可能となる。
請求項6の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の定着装置において、前記ガイド部材の前記下流端縁の断面形状を凸弧状又は凸円弧状に形成したものである。
これにより、駆動時に加圧ローラの振れなどが発生した際に、加圧ローラがガイド部材の下流端縁に当接しても、加圧ローラの傷付き等を防止することができる。また、ガイド部材の下流端縁を上記のように形成したことにより、その下流端縁へのトナー等の異物の付着を抑制することができ、異物によって記録媒体が汚れるのを抑制することが可能である。
請求項7の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の定着装置において、前記ガイド部材の記録媒体搬送方向下流端縁の一部を、前記加圧ローラの表面に当接させたものである。
これにより、加圧ローラに振れが生じても、ガイド部材の下流端縁を加圧ローラに追随させて変位させることができ、ガイド部材の下流端縁と加圧ローラとの間隔を一定に維持することが可能である。これにより、記録媒体が加圧ローラの表面に当接するときの衝撃のばらつきを防止し、画像の乱れやシワ等の抑制効果を安定して発揮することができる。
請求項8の発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載の定着装置において、前記ガイド部材の前記下流端縁の少なくとも一部を、異物付着防止用の薄膜材で被覆したものである。
これにより、ガイド部材の上記薄膜材で被覆した部分にトナー等の異物が付着しにくくなるため、異物によって記録媒体が汚れるのを抑制することができる。
請求項9の発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の定着装置において、前記ガイド部材は、記録媒体に画像を転写するための転写電流の漏洩を防止する電気抵抗を有するものである。
これにより、画像転写時に記録媒体がガイド部材に接触しても、転写電流が記録媒体を介してガイド部材から漏洩することを防止することができ、安定的かつ良好に画像の転写を行うことができる。
請求項10の発明は、加熱源によって加熱される定着ローラと、無端状の加圧ベルトと、当該加圧ベルトの内周面を押圧して加圧ベルトを前記定着ローラに接触させる押圧部材を備え、前記定着ローラと前記加圧ベルトが互いに接触して形成された定着ニップに記録媒体を通過させることにより、当該記録媒体上の未定着画像を記録媒体に定着させる定着装置において、前記定着ローラは、外周面がクラウン状に形成されたクラウン部と、外周面が逆クラウン状に形成された逆クラウン部を、それぞれ少なくとも1つずつ有し、前記押圧部材は、前記加圧ベルトを押圧する押圧面に、凸状に形成した凸面部と、凹状に形成した凹面部を、それぞれ少なくとも1つずつ有し、前記定着ローラの前記クラウン部と前記押圧部材の前記凹面部を対応させて配設すると共に、前記定着ローラの前記逆クラウン部と前記押圧部材の前記凸面部を対応させて配設して、前記加圧ベルトを前記定着ローラに接触させることにより、前記定着ニップを湾曲して形成した定着装置であって、前記定着ニップに記録媒体を案内するガイド部材を備え、当該ガイド部材の記録媒体搬送経路に対向する面の少なくとも記録媒体搬送方向の下流端縁を、前記定着ニップの記録媒体搬送方向の中央線を通りその中央線と前記定着ローラの軸線を通る平面に対して直交する湾曲基準面よりも、前記加圧ベルト側へ配設したものである。
この場合、上記請求項1に記載の発明と同様に、湾曲した定着ニップに記録媒体が侵入することによって、記録媒体も湾曲した状態となるので、記録媒体の見かけ上の剛性を向上させて定着ニップから搬出することができ、記録媒体が定着ローラに巻き付くことを抑制することが可能となる。また、クラウン部と凹面部を対応させると共に、逆クラウン部と凸面部を対応させた状態で、定着ローラと加圧ベルトとを接触させることにより、定着ニップにおける接触圧のばらつきを抑制することができる。これにより、定着した画像に光沢度ムラが発生するなどの不具合を抑制することができ、良好な画像形成を実現することができる。
また、ガイド部材を上記湾曲基準面よりも加圧ベルト側へ配設したことにより、請求項1の発明と同様に、定着ニップで湾曲された記録媒体がガイド部材に接触するのを防止することができる。これにより、記録媒体がガイド部材に接触することによって搬送経路が変えられたり良好な搬送性を損なったりすることがないので、記録媒体の画像形成面が周辺部品と接触することによる画像の乱れや、記録媒体のシワや損傷等の発生を防止することができる。
請求項11の発明は、請求項1から10のいずれか1項に記載の定着装置を備えた画像形成装置である。
本発明に係る定着装置を画像形成装置に適用可能である。
本発明によれば、記録媒体を定着装置から搬出する際に、記録媒体の見かけ上の剛性を向上させて記録媒体が定着ローラに巻き付くことを抑制することができる。これにより、記録媒体がジャム化する等の不具合の発生を抑制することができ、信頼性の高い定着装置及び画像形成装置を提供することができる。また、本発明は、定着ニップにおける接触圧のばらつきを抑制することができる。これにより、定着した画像に光沢度ムラ等が発生するのを抑制することができ、良好な画像形成を維持することが可能である。さらに、本発明は、定着ニップで湾曲された記録媒体がガイド部材に接触するのを防止することができるので、画像の乱れや、記録媒体のシワや損傷等を防止することが可能である。
本発明のカラー画像形成装置の全体構成を示す概略図である。 本発明の実施例1に係る定着装置の斜視図である。 前記定着装置の断面図である。 定着ローラ及び加圧ローラの断面図である。 本発明の実施例2に係る定着装置の斜視図である。 前記定着装置の断面図である。 定着ローラ及び加圧ローラの断面図である。 本発明の実施例3に係る定着装置の斜視図である。 前記定着装置の断面図である。 定着ローラ及び加圧ローラの断面図である。 本発明の実施例4に係る定着装置の斜視図である。 前記定着装置の断面図である。 定着ローラ及び加圧ローラの断面図である。 (A)は加圧ローラとガイド部材の平面図、(B)はガイド部材の要部拡大断面図である。 本発明の実施例5に係る定着装置の斜視図である。 前記定着装置の断面図である。 定着ローラ及び加圧ローラの断面図である。 本発明の実施例6に係る定着装置の断面図である。 定着ローラ、加圧ベルト及び押圧部材の断面図である。 記録用紙の見かけ上の剛性の測定方法を説明するための図である。 定着ニップの湾曲数と記録用紙の見かけ上の剛性との関係を示すグラフである。 記録用紙の分離性を比較する試験結果を示すグラフであって、(A)はクラウン部と逆クラウン部をいずれか1つのみ有する場合の試験結果を示し、(B)はクラウン部と逆クラウン部をそれぞれ1つずつ有する場合の試験結果を示す。 定着ローラに記録用紙が巻き付く作用を説明するための図である。
図1は、本発明に係るカラー画像形成装置の概略構成図である。図1に示すように、このカラー画像形成装置は、画像形成装置本体50に対して着脱可能に構成された4つのプロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkを備えている。各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの異なる色のトナーを収容している以外は同様の構成となっている。そこで、1つのプロセスユニット1Yを例にその構成を説明する。
プロセスユニット1Yは、静電潜像担持体としての感光体2と、感光体2の表面を帯電させる帯電手段としての帯電装置3と、感光体2の表面にトナー像を形成する現像手段としての現像装置4と、感光体2の表面をクリーニングするクリーニング手段としてのクリーニングブレード5を備えている。
各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkの上方には、感光体2の表面を露光する露光手段としての露光装置7が配設されている。一方、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkの下方には、中間転写ユニット6が配設されている。中間転写ユニット6は、無端状の中間転写ベルト10を有する。中間転写ベルト10は、複数のローラ17,18,19に張架され、図の矢印の方向に周回走行可能に構成されている。また、中間転写ベルト10の図の左端部には、ベルトクリーニング装置16が配設されている。
中間転写ベルト10の内周面には、一次転写手段としての4つの一次転写ローラ11が配設されている。各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkが有する感光体2は、4つの一次転写ローラ11に対向した位置で中間転写ベルト10の外周面に圧接し、一次転写ニップを形成している。また、中間転写ベルト10を張架する1つのローラ17に対向した位置に、二次転写手段としての二次転写ローラ12が配設されている。二次転写ローラ12は、中間転写ベルト10の外周面に圧接し、二次転写ニップを形成している。
画像形成装置本体50の下部には、記録媒体としての記録用紙Pを収容した複数の給紙カセット13が配設されている。各給紙カセット13には、記録用紙Pを搬出するための給紙ローラ14等が設けてある。画像形成装置本体50内には、記録用紙Pを案内するための記録媒体搬送経路R(以下、用紙搬送経路という)が配設されている。この用紙搬送経路Rにおいて、二次転写ローラ12よりも記録媒体搬送方向A(以下、用紙搬送方向という)の上流側には、一対のレジストローラ15が配設されている。また、二次転写ローラ12よりも、用紙搬送方向Aの下流側には、記録用紙Pに画像を定着するための定着装置8が配設されている。また、画像形成装置本体50の図の左側面には、外部に排出された記録用紙Pをストックするストック部9が設けてある。
以下、図1を参照して上記画像形成装置の基本的動作について説明する。
画像形成動作が開始されると、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkの感光体2が図示しない駆動装置によって図の反時計回りに回転駆動され、各感光体2の表面が帯電装置3によって所定の極性に一様に帯電される。帯電された各感光体2の表面には、露光装置7からレーザ光がそれぞれ照射されて、それぞれの感光体2の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体2に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように感光体2上に形成された静電潜像に、各現像装置4によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として可視像化される。
また、各一次転写ローラ11に、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加される。これにより、各一次転写ローラ11と各感光体2との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。そして、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkの感光体2に形成された各色のトナー画像が、上記一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、図の矢印の方向に走行する中間転写ベルト10上に順次重ね合わせて転写される。かくして中間転写ベルト10はその表面にフルカラーのトナー画像を担持する。
トナー画像が転写された後の各感光体2の表面に付着する残留トナーは、各クリーニングブレード5によって感光体2の表面から除去され、次いで、その表面が図示していない除電装置によって除電作用を受け、その表面電位が初期化されて次の画像形成に備えられる。
給紙ローラ14が回転することによって、複数の給紙カセット13のうちの1つから記録用紙Pが用紙搬送経路Rに送り出される。用紙搬送経路Rに送り出された記録用紙Pは、レジストローラ15によってタイミングを計られて、二次転写ローラ12とそれに対向するローラ17との間の二次転写ニップに送られる。このとき二次転写ローラ12に、中間転写ベルト10上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加され、二次転写ニップに転写電界が形成される。そして、二次転写ニップに形成された転写電界によって、中間転写ベルト10上のトナー画像が記録用紙P上に一括して転写される。トナー画像が転写された記録用紙Pは定着装置8へと搬送され、記録用紙Pに熱と圧が加えられることによりトナー画像が定着される。定着処理後、記録用紙Pは定着装置8からストック部9へと排出される。また、画像転写後の中間転写ベルト10の表面に残留するトナーは、ベルトクリーニング装置16によって除去される。
以上の説明は、記録媒体S上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つのプロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つのプロセスユニットを使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
次に、図2〜図19に基づいて、本発明の特徴部分である定着装置の構成について説明する。なお、図2〜図19において、同一の符号は同一の部材又は部分を示す。
図2は、本発明の実施例1に係る上記定着装置の斜視図である。
図2に示すように、この定着装置8は、定着ローラ21と、加圧ローラ22と、ガイド部材23等を備える。加圧ローラ22は定着ローラ21に対して所定の圧力で圧接しており、互いに圧接する圧接部において定着ニップNを形成している。定着ローラ21及び加圧ローラ22は、それぞれ外周面が軸方向に渡って波打つように湾曲して形成されている。詳しくは、定着ローラ21は、外周面がクラウン状に形成されたクラウン部C1と、外周面が逆クラウン状に形成された逆クラウン部C2を、軸方向に渡って交互に有する。また、加圧ローラ22も、外周面がクラウン状に形成されたクラウン部D1と、外周面が逆クラウン状に形成された逆クラウン部D2を、軸方向に渡って交互に有している。ここで、上記「クラウン状」とは軸方向の両端へ向かってローラの径が小さくなる形状のことをいい、上記「逆クラウン状」とは軸方向の両端へ向かってローラの径が大きくなる形状のことをいう。
図3は、上記定着装置をローラの軸方向に直交する面で切断した断面図である。
図3に示すように、定着ローラ21の内部には、加熱源としてのヒータ24が軸方向に渡って配設されており、ヒータ24が発熱することによって定着ローラ21が加熱されるようになっている。また、定着ローラ21の周囲には、定着ローラ21の表面温度を検知する温度検知装置25が配設してある。この温度検知装置25によって検知した定着ローラ21の表面温度に基づいて、図示しない制御装置が上記ヒータ24の発熱量を制御することにより、定着ローラ21の表面温度が所定の定着温度となるように構成されている。
定着ローラ21は、円筒状に形成された金属製の芯材21aと、その芯材21aの外周面を被覆する弾性層21bと、その弾性層21bの外周面を被覆する離型層21cによって構成されている。この実施例では、弾性層21bの厚さを軸方向に渡って変化させることによって、上記クラウン部C1及び逆クラウン部C2を形成しているが、芯材21aの厚さを変化させることによっても、クラウン部C1及び逆クラウン部C2を形成可能である。
加圧ローラ22は、円筒状に形成された金属製の芯材22aと、その芯材22aの外周面を被覆する弾性層22bと、その弾性層22bの外周面を被覆する離型層22cによって構成されている。上記定着ローラ21と同様に、加圧ローラ22も、弾性層22bの厚さを軸方向に渡って変化させることによって、上記クラウン部D1及び逆クラウン部D2を形成しているが、芯材22aの厚さを変化させることによっても、クラウン部D1及び逆クラウン部D2を形成可能である。
また、定着ローラ21は図示しない駆動手段によって図の時計回りに回転駆動するようになっている。一方、加圧ローラ22は、定着ローラ21の回転駆動によって、図の反時計回りに従動回転する。このように回転する定着ローラ21と加圧ローラ22との間に、未定着画像Tを担持した記録用紙Pが図の矢印Aの方向に搬送されることによって、記録用紙Pが定着ニップNにおいて加熱及び加圧され、未定着画像Tが記録用紙Pに定着されるようになっている。
上記ガイド部材23は、記録用紙Pを定着ニップNに案内するために設けたものである。従って、ガイド部材23は、定着ニップNよりも用紙搬送方向Aの上流側に配設されている。また、記録用紙Pがガイド部材23によって案内される際、ガイド部材23が記録用紙P上の未定着画像Tに接触しないように、ガイド部材23は搬送される記録用紙Pの図の下面(画像形成面の反対側の面)に対向するように配設されている。
また、ガイド部材23は、記録用紙に画像を転写するための転写電流の漏洩を防止する電気抵抗を有することが望ましい。上述のように、中間転写ベルトから記録用紙に画像を転写する場合、二次転写ニップに転写電流(又は転写電圧)を印加し、これにより形成された転写電界によってトナー画像が記録用紙上に転写される。このとき、記録用紙の後端側が二次転写ニップに挟まれた状態で、記録用紙の前端側がガイド部材23に接触すると、二次転写電界を形成する転写電流が記録用紙を介してガイド部材23から漏洩する虞がある。そこで、ガイド部材23が転写電流の漏洩を防止する電気抵抗を有していれば、画像転写時に記録用紙がガイド部材23に接触しても、転写電流が記録用紙を介してガイド部材23から漏洩することを防止することができ、安定的かつ良好に画像の転写を行うことができる。また、ガイド部材23が転写電流の漏洩を防止する電気抵抗を有するようにするには、例えば、絶縁性を有する部材でガイド部材23を構成してもよいし、ガイド部材23とアースとの間に絶縁性を有する部材を介在させてもよい。
図4は、定着ローラ及び加圧ローラを軸方向に平行を成す面で切断した断面図である。
図4に示すように、定着ローラ21のクラウン部C1と加圧ローラ22の逆クラウン部D2を対応させて配設すると共に、定着ローラ21の逆クラウン部C2と加圧ローラ22のクラウン部D1を対応させて配設した状態で、定着ローラ21と加圧ローラ22を圧接させている。このように、本発明では、定着ローラ21と加圧ローラ22を、互いの凹と凸を対応させて配設することにより、定着ニップNを軸方向に渡って波打つように湾曲させている。
また、本発明は、上記ガイド部材23の配設位置を以下のように設定している。
図3において、定着ニップNの用紙搬送方向Aの中央線Oを通りその中央線Oと定着ローラ21の軸線Xを通る平面Yに対して直交する面Zを、湾曲基準面と呼称すると、ガイド部材23はその湾曲基準面Zより加圧ローラ22側(図の下方)に配設されている。一般に、定着ニップNは、良好な定着性を確保するため、用紙搬送方向Aに所定の幅を持たせて形成される。すなわち、上記「定着ニップNの用紙搬送方向Aの中央線O」とは、定着ニップNの用紙搬送方向Aの幅における中央位置を、ローラの軸方向に渡って繋げた線である。また、図4に示すように、本発明において定着ニップNは湾曲して形成されているため、上記中央線Oも定着ニップNに沿って湾曲した線となる。従って、この湾曲した中央線Oを通る湾曲基準面Zも同様に湾曲した面となる(図4参照)。なお、図4において、その湾曲基準面Zの下方に位置する一点鎖線は、上記ガイド部材23の用紙搬送経路に対向する面23aの位置を示している。
図5〜図7に、本発明の実施例2に係る定着装置を示す。
図5又は図7に示すように、本発明の実施例2は、上記実施例1と同様に、定着ローラ21及び加圧ローラ22は、それぞれクラウン部C1,D1と逆クラウン部C2,D2を軸方向に渡って交互に有している。従って、各ローラ21,22同士が圧接することによって形成される定着ニップNは、波打つように湾曲して形成される(図7参照)。一方、この実施例2では、上記実施例1とガイド部材23の構造が異なる。図5に示すように、ガイド部材23の用紙搬送経路に対向する面23aは、波打つように湾曲して形成されている。詳しくは、図7に示すように、上記ガイド部材23の湾曲した面23aは、湾曲した定着ニップNの凹凸形状に対応して凹凸となるように形成されている。
また、図6において、定着ニップNの用紙搬送方向Aの中央線Oを通りその中央線Oと定着ローラ21の軸線Xを通る平面Yに対して直交する面Zを、上記と同様に、湾曲基準面と呼称すると、ガイド部材23の用紙搬送経路に対向する面23aは、湾曲基準面Zより図の下方に配設されている(図7参照)。従って、この場合も、ガイド部材23は湾曲基準面Zよりも加圧ローラ22側に配設されている。
以上、本発明の実施例2の構成について説明したが、上述の構造以外の構造は上記実施例1と同様に構成されているので、詳しい説明は省略する。
図8〜図10に、本発明の実施例3に係る定着装置を示す。
図8に示すように、本発明の実施例3は、上記各実施例とガイド部材23の構造が異なっており、ガイド部材23の用紙搬送経路に対向する面23aに、用紙搬送方向に延びた複数の突起部26を並設している。
また、図10において、各突起部26の頂部を通る仮想面を符号Sの一点鎖線で表すと、この仮想線Sは湾曲した定着ニップNの凹凸形状に対応して凹凸となるように形成されている。すなわち、上記仮想線Sが定着ニップNの形状に対応して湾曲するように、各突起部26の頂部の高さを設定している。
また、図9において、上記と同様に設定した湾曲基準面Zに対して、各突起部26の頂部を通る上記仮想面Sは図の下方に配設されている。従って、この場合も、ガイド部材23は湾曲基準面Zよりも加圧ローラ22側に配設されている。
以上、本発明の実施例3の構成について説明したが、上述の構造以外の構造は上記実施例1と同様に構成されているので、詳しい説明は省略する。
図11〜図14に、本発明の実施例4に係る定着装置を示す。
図11に示すように、本発明の実施例4では、ガイド部材23の下流端縁23bは、加圧ローラ22のクラウン部D1及び逆クラウン部D2の各外周面形状に対応させて、加圧ローラ22側へ凹凸状に形成されている。詳しくは、ガイド部材23の下流端縁23bには、加圧ローラ側22へ突出した凸部23b1と凹んだ凹部23b2を長手方向に渡って交互に形成している。そして、図14(A)に示すように、凸部23b1を加圧ローラ22の凹んだ逆クラウン部D2に対応させて配設すると共に、凹部23b2を加圧ローラ22の突出したクラウン部D1に対応させて配設している。このように、ガイド部材23の下流端縁23bを凹凸状に形成することによって、下流端縁23bがストレート状(図の二点鎖線)に形成された場合に比べ、下流端縁23bを加圧ローラ22の外周面に接近させて配設することが可能である。
さらに、ガイド部材23の下流端縁23bの突出量と凹み量を、対応する加圧ローラ22の外周面の突出量又は凹み量を同等に設定することにより、下流端縁23bと加圧ローラ22との間隔d(図14(A)参照)を軸方向に渡って一定にすることができ、下流端縁23bを加圧ローラ22にさらに接近させることが可能となる。
また、図14(B)に示すように、ガイド部材23を図示しない定着ローラ21又は加圧ローラ22の軸線に対して交差する面で切断した断面において、下流端縁23bの断面形状を凸弧状又は凸円弧状に形成している。これにより、駆動時に加圧ローラ22の振れなどが発生した際に加圧ローラ22がガイド部材23の下流端縁23bに当接しても、加圧ローラ22の傷付き等を防止することができる。また、下流端縁23bの断面形状を凸弧状又は凸円弧状に形成していれば、下流端縁23bにトナーや紙粉等の異物が付着しにくくなるため、これらの異物によって記録用紙Pが汚れるのを抑制することもできる。あるいは、ガイド部材23への異物の付着を抑制するために、ガイド部材23の下流端縁23bの少なくとも一部を、フッ素樹脂等の異物付着防止用の薄膜材で被覆してもよい。
なお、上記実施例4において、その他の構造は上記実施例1と同様に構成されているので、詳しい説明は省略する。
図15〜図17に、本発明の実施例5に係る定着装置を示す。
図15に示すように、本発明の実施例5は、上記図11等に示す実施例4と同様に、ガイド部材23の下流端縁23bを、加圧ローラ22の外周面形状に対応させて加圧ローラ22側へ凹凸状に形成している。従って、この実施例も、下流端縁23bに凸部23b1と凹部23b2を有し、凸部23b1を加圧ローラ22の凹んだ逆クラウン部D2に対応させて配設すると共に、凹部23b2を加圧ローラ22の突出したクラウン部D1に対応させて配設している。
さらに、図16に示すように、この実施例では、下流端縁23bの凸部23b1を、対応する加圧ローラ22の逆クラウン部D2に当接させている。このため、加圧ローラ22に振れが生じても、ガイド部材23の下流端縁23bを加圧ローラ22に追随させて変位させることができ、その下流端縁23bと加圧ローラ22との間隔を一定に維持することが可能である。また、加圧ローラ22と当接させるのは、下流端縁23bの一部であればよいので、下流端縁23bの凹部23b2を加圧ローラ22のクラウン部D1に当接させてもよい。
また、加圧ローラ22の外周面の傷付き等を防止するために、下流端縁23bの加圧ローラ22と当接する部分の断面形状(詳しくは、図14(B)と同じ方向の断面)を、凸弧状又は凸円弧状に形成してもよい。
なお、本発明の実施例5において、その他の構造は上記実施例1と同様に構成されているので、詳しい説明は省略する。
図18と図19に、本発明の実施例6に係る定着装置を示す。
図18及び図19に示すように、本発明の実施例6に係る定着装置8は、加圧ローラ22を有していない。その代わり、この定着装置8は、加圧ベルト27と、押圧部材28を備える。定着ローラ21は、上記各実施例と同様に、円筒状に形成された金属製の芯材21aと、その芯材21aの外周面を被覆する弾性層21bと、その弾性層21bの外周面を被覆する離型層21cによって構成されている。また、定着ローラ21内には発熱体としてのヒータ24が配設され、定着ローラ21の周囲には定着ローラ21の表面温度を検知する温度検知装置25が配設してある。加圧ベルト27はポリイミドフィルム等から成る無端状のベルト部材によって構成されている。押圧部材28は、シリコンゴム等から成る弾性層28aと、その弾性層28aを保持するホルダ28bによって構成されている。押圧部材28の弾性層28aは加圧ベルト27の内周面に接触するように配設されており、この状態で押圧部材28は図示しない付勢手段によって定着ローラ21側へ付勢されている。これにより、押圧部材28は加圧ベルト27の内周面を押圧して加圧ベルト27を定着ローラ21に圧接させ、加圧ベルト27と定着ローラ21が互いに圧接した圧接部に、定着ニップNを形成している。
この定着装置において画像の定着処理を行う場合は、図示しない駆動手段によって定着ローラ21を図の時計回りに回転駆動させると共に、加圧ベルト27を図の反時計回りに従動回転させる。そして、このように回転させた定着ローラ21と加圧ベルト27との間に、未定着画像Tを担持した記録用紙Pが図の矢印Aの方向に搬送されることによって、記録用紙Pが定着ニップNにおいて加熱及び加圧され、未定着画像Tが記録用紙Pに定着される。
以下、定着ローラ21と押圧部材28の構成について詳しく説明する。
図19に示すように、定着ローラ21は、上記各実施例と同様に、クラウン部C1と逆クラウン部C2を軸方向に渡って交互に有している。一方、押圧部材28は、加圧ベルト27を押圧する押圧面に、凸状に形成した凸面部E1と凹状に形成した凹面部E2を、長手方向に渡って交互に有する。この実施例では、押圧部材28の弾性層28aの厚さを長手方向に渡って変化させることにより、上記凸面部E1と上記凹面部E2を形成している。あるいは、押圧部材28のホルダ28bの厚さを長手方向に渡って変化させて、上記凸面部E1と上記凹面部E2を形成してもよい。
そして、定着ローラ21のクラウン部C1と押圧部材28の凹面部E2を対応させて配設すると共に、定着ローラ21の逆クラウン部C2と押圧部材28の凸面部E1を対応させて配設した状態で、定着ローラ21と加圧ベルト27を圧接させることにより、定着ニップNを軸方向に渡って波打つように湾曲させている。
また、図18に示すように、この定着装置8も、記録用紙Pを定着ニップNへ案内するためのガイド部材23を備える。図18において、定着ニップNの用紙搬送方向Aの中央線Oを通りその中央線Oと定着ローラ21の軸線Xを通る平面Yに対して直交する面Zを、上記と同様に、湾曲基準面と呼称すると、ガイド部材23の用紙搬送経路に対向する面23aは、湾曲基準面Zより図の下方に配設されている。従って、この場合も、ガイド部材23は湾曲基準面Zよりも加圧ローラ22側に配設されている。
また、この実施例では、上記ガイド部材23の用紙搬送経路に対向する面23aは、平面状に形成されているが、上記図5に示す実施例2のように、その面23aを定着ニップNに対応させて湾曲させてもよい。あるいは、上記図8に示す実施例3のように、用紙搬送経路に対向する面23aに複数の突起部26を並設することも可能である。
以下、本発明の各実施例の作用・効果を説明する。
上述のように、本発明の定着装置では、定着ニップNを波打つように湾曲して形成している。このため、定着処理を行う際に定着ニップNに記録用紙Pが侵入すると、記録用紙Pは定着ニップNに沿って湾曲させられる。このように、記録用紙Pを湾曲させることによって、記録用紙Pの見かけ上の剛性を向上させることが可能である。従って、本発明に係る定着装置によれば、記録用紙Pの見かけ上の剛性を向上させて定着ニップNから記録用紙Pを搬出することができるので、定着ローラ21に対する記録用紙Pの巻き付きを抑制することができる。
ところで、定着ニップNによって湾曲変形された記録用紙Pがガイド部材23に接触すると、記録用紙Pの搬送経路が変えられたり良好な搬送性を損なったりすることがある。その結果、記録用紙Pの画像形成面が周辺部品等に接触して未定着画像が乱れたり、記録用紙Pにシワや損傷等が発生したりする虞がある。そのため、本発明では、ガイド部材23を上記湾曲基準面Zよりも加圧ローラ22(又は加圧ベルト27)側に配設して、湾曲した記録用紙Pがガイド部材23に接触しないようにしている。すなわち、この湾曲基準面Zは、湾曲された記録用紙Pの移動経路を表す仮想湾曲面であり、ガイド部材23を湾曲基準面Zよりも加圧ローラ22側に配設することによって、ガイド部材23が記録用紙Pの移動経路に重ならないように配設することができる。本発明は、このようにガイド部材23を配設したことによって、記録用紙Pとの接触を防止し、画像の乱れ、記録用紙Pのシワや損傷等の発生を防止するようにしている。
本発明では、定着ニップを湾曲させているため、図2又は3に示す実施例1のガイド部材23のように用紙搬送経路に対向する面23aが平面である場合、その面23aの下流端縁23bから定着ニップNまでの距離は、用紙搬送幅方向に渡って異なる。図4に示すように、特に、定着ローラ21の逆クラウン部C2と加圧ローラ22のクラウン部D1とを対応させた箇所では、ガイド部材23(上記対向面23a)に対して定着ニップNの位置が上方に離れているため上記距離が遠くなる。このように、ガイド部材23の用紙搬送経路に対向する面23aと定着ニップNとの距離にばらつきがあると、定着ニップNへの記録用紙Pの案内をしにくくなる虞がある。そのため、上記図5に示す実施例2では、ガイド部材23の用紙搬送経路に対向する面23aを定着ニップNの形状に対応させて湾曲させたことにより、その湾曲させたガイド部材23の面23aの下流端縁23bから定着ニップNまでの距離のばらつきを低減して、記録用紙Pを定着ニップNに案内しやすくすることが可能である。
また、ガイド部材23の上記湾曲させた面23aを、湾曲基準面Zよりも加圧ローラ22側へ配設したことにより、定着ニップNによって湾曲された記録用紙Pがガイド部材23(上記湾曲させた面23a)に接触するのを防止することができる。これにより、記録用紙Pがガイド部材23に接触することによって搬送経路が変えられたり良好な搬送性を損なったりすることがないので、記録用紙の画像形成面が周辺部品と接触することによる画像の乱れや、記録用紙のシワや損傷等の発生を防止することができる。
また、図8に示す実施例3の場合は、ガイド部材23に設けた複数の突起部26の高さを、定着ニップNの湾曲形状に対応するように設定されているため、各突起部26の下流端縁26bから定着ニップNまでの距離のばらつきを低減することが可能である。これにより、上記実施例2と同様に、記録用紙を定着ニップに案内しやすくすることが可能である。
また、複数の突起部26を、湾曲基準面Zよりも加圧ローラ22側へ配設したことにより、定着ニップNによって湾曲された記録用紙Pがガイド部材23(突起部26)に接触するのを防止することができる。これにより、記録用紙Pがガイド部材23に接触することによって搬送経路が変えられたり良好な搬送性を損なったりすることがないので、記録用紙の画像形成面が周辺部品と接触することによる画像の乱れや、記録用紙のシワや損傷等の発生を防止することができる。
さらに、この場合は、記録用紙Pを突起部26に接触させて案内することにより、記録用紙Pを面に接触させて案内する実施例1又は2に比べ、記録用紙Pとガイド部材23との接触範囲を少なくしてこれらの間に生じる摩擦を軽減することができるので、搬送性が向上するという利点がある。また、記録用紙Pに異物が付着していた場合、記録用紙Pが突起部26と接触することによって異物が突起部26間に落とされ、定着ニップNに異物が入りにくくなるため、定着不良等の不具合を防止することもできる。
図11に示す実施例4のように、ガイド部材23の下流端縁23bを、加圧ローラ22側へ凹凸状に形成することによって、下流端縁23bを加圧ローラ22の外周面に接近させて配設することができるので、記録用紙Pが加圧ローラ22の表面に当接するときの衝撃を低減することができる。これにより、画像の乱れやシワ等を抑制することが可能である。また、下流端縁23bと加圧ローラ22との間隔d(図14(A)参照)を一定にした場合は、下流端縁23bを加圧ローラ22にさらに接近させることが可能である。これにより、記録用紙Pに生じる上記衝撃を一層低減することができ、画像の乱れやシワ等を効果的に抑制することができる。
また、図16に示す実施例5のように、ガイド部材23の下流端縁23bの一部を加圧ローラ22の表面に当接させた場合は、加圧ローラ22に振れが生じても、ガイド部材23の下流端縁23bを加圧ローラ22に追随させて変位させることができ、下流端縁23bと加圧ローラ22との間隔を一定に維持することが可能である。これにより、記録用紙Pが加圧ローラ22の表面に当接するときの衝撃のばらつきを防止し、画像の乱れやシワ等の抑制効果を安定して発揮することができる。
また、本発明者は、定着ニップの湾曲数と、定着ニップから搬出される記録用紙の見かけ上の剛性との関係を調べる試験をした。以下、その試験について詳しく説明する。
試験に使用する定着装置として、クラウン部及び逆クラウン部を有する定着ローラと加圧ローラを備えた本発明の定着装置と、クラウン部及び逆クラウン部を有しない定着ローラと加圧ローラを備えた従来の定着装置を適用した。また、本発明の試験装置は、クラウン部と逆クラウン部をそれぞれ3個ずつ有するタイプと、それぞれ7個ずつ有するタイプの2タイプを用意し、本発明の各タイプの試験装置においてクラウン部及び逆クラウン部の振幅(高さ)を0.2mmとした。また、試験に使用する全ての定着装置において、定着ローラの弾性層と加圧ローラの弾性層のそれぞれの厚さを1.7mmに設定した。そして、各定着装置において、坪量(単位面積当たりの重量)が64g/m2、69g/m2、90g/m2である各種用紙を搬出したときの各種用紙の見かけ上の剛性を測定した。
前記各種用紙の見かけ上の剛性の測定方法について簡単に説明する。まず、図20に示すように、記録用紙Pを定着ローラ61と加圧ローラ62の間の定着ニップNを通過させ、記録用紙Pの前方の端部に変位測定装置70からのレーザ光Lが照射されたら記録用紙Pの搬送を停止する。停止した記録用紙Pの振動が無くなってから、撓んだ記録用紙Pに変位測定装置70からレーザ光Lを照射し、その記録用紙Pの変位を測定する。その後、記録用紙Pを所定距離だけ進行させて、再び記録用紙Pにレーザ光Lを照射し、その変位を測定する。そして、得られた記録用紙Pの変位から記録用紙Pの見かけ上の剛性を算出する。
図21に、定着ニップの湾曲数と各種用紙の見かけ上の剛性との関係を示すグラフを図示する。図21において、縦軸は記録用紙の見かけ上の剛性を表し、横軸は定着ニップの湾曲数を表している。ここでは、定着ニップの湾曲数を、クラウン部と逆クラウン部の個数で表している。例えば、クラウン部及び逆クラウン部が無い場合は定着ニップの湾曲数は0、クラウン部と逆クラウン部を3個ずつ有する場合は定着ニップの湾曲数は3と表している。また、同図において、▲でプロットしたのは坪量が90g/m2の記録用紙の測定値、■でプロットしたのは坪量が69g/m2の記録用紙の測定値、●でプロットしたのは坪量が64g/m2の記録用紙の測定値である。
図21のグラフを見れば、定着ニップの湾曲が0である従来の定着装置を使用した場合に比べて、定着ニップの湾曲数が3又は7である本発明の定着装置を使用した場合は、各種用紙の見かけ上の剛性が大きくなっていることが分かる。さらに、定着ニップの湾曲数が3の場合より7の場合の方が記録用紙の見かけ上の剛性が大きいことから、定着ニップの湾曲数が多いほど各種用紙の見かけ上の剛性を大きくする効果があると推察される。なお、図21に示す試験結果は、本発明の一実施例における記録用紙の見かけ上の剛性の向上効果を示すものであるが、それ以外の本発明の実施例においても同様の効果を得られる。
また、定着ローラ21と加圧ローラ22を互いに圧接させない無負荷時において、定着ローラ21・加圧ローラ22(又は押圧部材28)のクラウン部と逆クラウン部(又は凸面部と凹面部)の高さは、それぞれ0.1mm以上であって0.5mm以下に設定することが望ましい。あるいは、前記無負荷時において、クラウン部(又は凸面部)の頂部と、逆クラウン部(又は凹面部)の底部との高低差は、0.2mm以上であって1mm以下となるように設定することが好ましい。これらの高さを0.1mm以上(高低差を0.2mm以上)とするのが好ましいのは、高さが0.1mm(高低差が0.2mm)未満となると、定着ニップにおいて記録用紙の湾曲量が少なくなり、記録用紙を良好に分離させるために必要な記録用紙の見かけ上の剛性が得られなくなるからである。また、高さを0.5mm以下(高低差を1mm以下)とするのが好ましいのは、高さが0.5mm(高低差が1mm)を越えると、クラウン部と逆クラウン部(又は凸面部と凹面部)における回転速度差が大きくなり記録用紙にシワが発生する虞があるからである。従って、クラウン部と逆クラウン部の高さ又は高低差を上記の範囲に設定することによって、記録用紙の見かけ上の剛性を十分に確保して記録用紙の定着ローラへの巻き付きを確実に抑制することができると共に、記録用紙にシワを発生させずに搬出することができ、良好な画像形成を行うことが可能となる。
なお、定着ローラ21と加圧ローラ22とを圧接させた負荷時においては、各ローラ21,22の弾性層が圧縮されるため、上記高低差もその圧縮に伴って小さくなる。一般に、定着ローラ21と加圧ローラ22において、弾性層の圧縮率が20%を越えると弾性層に塑性変形が生じ、これが画像ノイズや異音の発生原因となるため、弾性層の圧縮率は、通常20%以下となるように設定している。本発明の実施例では、弾性層の圧縮率を20%と設定しているため、各ローラ21,22を圧接した状態での上記高低差は、無負荷状態の高低差の80%となる。具体的には、負荷状態での高低差は、0.16mm以上であって0.8mm以下となっている。
また、本発明者は、定着ローラ及び加圧ローラが、クラウン部と逆クラウン部をいずれか1つのみ有する場合と、クラウン部と逆クラウン部をそれぞれ1つずつ有する場合において、記録用紙の分離性を比較する試験を行った。その結果を図22に示す。
図22において、(A)はクラウン部と逆クラウン部をいずれか1つのみ有する場合の試験結果を示し、(B)はクラウン部と逆クラウン部をそれぞれ1つずつ有する場合の試験結果を示す。また、図22(A)(B)において、縦軸は記録用紙の見かけ上の剛性を表し、横軸はクラウン部及び逆クラウン部の振幅(高さ)を表している。また、同図の(A)(B)において、一点鎖線αは、記録用紙を定着ローラに対して良好に分離することができる場合とできない場合を分ける記録用紙の見かけ上の剛性の境界線を示し、一点鎖線βは、記録用紙にシワが発生する虞がある場合とその虞がない場合を分けるクラウン部と逆クラウン部の振幅の境界線を示す。詳しくは、記録用紙の見かけ上の剛性が境界線αより大きい場合、記録用紙は良好に分離することができ、反対に見かけ上の剛性が境界線αより小さい場合は、記録用紙を良好に分離することができない。また、クラウン部及び逆クラウン部の振幅が境界線βより大きい場合は、記録用紙にシワが発生し、反対に振幅が境界線βより小さい場合は、記録用紙にシワが発生しない。
図22(A)に示すように、クラウン部と逆クラウン部をいずれか1つのみ有する場合は、記録用紙の見かけ上の剛性を境界線αより大きくして記録用紙を良好に分離するためには、クラウン部等の振幅を約1mmより大きく設定しなければならず、記録用紙にシワが発生することが危惧される。これに対し、図22(B)に示すクラウン部と逆クラウン部をそれぞれ1つずつ有する場合は、図22(A)と同じ振幅の値であっても、記録用紙の見かけ上の剛性が大幅に向上していることが分かる。そのため、クラウン部と逆クラウン部をそれぞれ1つずつ有する場合は、図22(B)に示すように、記録用紙の見かけ上の剛性を境界線αより大きく設定しつつ、かつ、クラウン部と逆クラウン部の振幅を記録用紙にシワの発生しない約0.45mm〜約0.5mmの範囲内で設定することが可能となる。従って、クラウン部と逆クラウン部をそれぞれ1つずつ有する場合は、記録用紙の良好な分離性と、記録用紙にシワを発生させない良好な画像形成の両方を実現することができる。
以上のように、クラウン部と逆クラウン部をそれぞれ1つずつ有する場合は、クラウン部と逆クラウン部をいずれか1つのみ有する場合に比べて、記録用紙の見かけ上の剛性を向上させる効果が著しく大きくなる。そのため、本発明は、定着ローラ及び加圧ローラが、クラウン部と逆クラウン部をそれぞれ少なくとも1つずつ有していることを特徴としている。また、上述したように、クラウン部と逆クラウン部の個数を増やすことにより、記録用紙の見かけ上の剛性を一層高めることができ、分離性をさらに向上させることが可能である。
なお、図22に示す試験結果は、本発明の一実施例における記録用紙の見かけ上の剛性の向上効果を示すものであるが、それ以外の本発明の実施例においても同様の効果を奏することが可能である。
ところで、既に開示されている特開2005−352297号公報、特公平7−104636号公報、特許3119405号公報、特許3267416号公報等に記載された定着ローラと加圧ローラは、一方がクラウン部又は逆クラウン部を有するローラで構成され、他方はストレート状のローラで構成されている。この場合、定着ローラと加圧ローラを圧接させると、ストレート状の面に、クラウン形状又は逆クラウン形状の曲面が圧接されるため、定着ニップにおいて接触圧の高い部分と低い部分が生じ、軸方向に渡って接触圧のばらつきが大きくなる。このように定着ニップにおいて接触圧のばらつきが大きいと、画像を定着する際、接触圧が大きい箇所を通過した画像部分は光沢度が高くなり、接触圧が小さい箇所を通過した画像部分は光沢度が低くなる傾向にあるため、画像の光沢度ムラが生じ良好な画像形成ができなくなる不具合が生じる。
これに対し、本発明の実施例1〜5に係る定着装置は、クラウン部と逆クラウン部を対応させて、定着ローラと加圧ローラを配設している。また、本発明の実施例6に係る定着装置は、クラウン部と凹面部を対応させると共に逆クラウン部と凸面部を対応させて、定着ローラと押圧部材を配設している。このように、本発明は、定着ローラと加圧ローラ、又は定着ローラと押圧部材を、それぞれの凸と凹を対応させて圧接(接触)させて、定着ニップを形成しているため、定着ニップにおける接触圧のばらつきを抑制して、接触圧を均一にすることが可能である。これにより、画像の光沢度ムラを抑制して良好な画像形成を実現することが可能である。
また、本発明の定着装置において、画像ノイズを発生させることなく、記録用紙の分離性を確保するには、定着ローラ21と加圧ローラ22を、軸方向に渡って隙間無く圧接させて定着ニップNを形成することが好ましい。仮に、定着ローラ21と加圧ローラ22との間に隙間が生じていると、軸方向に渡って定着ニップNに圧力ムラが生じ、画像ノイズの発生原因となるからである。
また、記録用紙にシワを発生させることなく、記録用紙の分離性を確保するには、定着ローラ21と加圧ローラ22のそれぞれのクラウン部と逆クラウン部を軸方向に連続して形成することが好ましい。クラウン部と逆クラウン部とが互いに離れた位置に配設した場合など、クラウン部と逆クラウン部を連続して形成していない場合は、記録用紙を搬送する際にシワが発生する虞がある。
また、定着ローラ21と加圧ローラ22とを対応させて配設した状態で、軸方向の任意の位置におけるそれぞれの弾性層の厚みの和は、一定となるように設定することが望ましい。これら弾性層の厚みの和が一定でない場合は、各ローラ21,22の回転方向における圧力ピーク値が軸方向に渡って異なるため、定着ニップにおいて圧力ムラが生じ、画像ノイズの発生原因となるからである。
以上、本発明の各実施例について説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。上記本発明の各実施例では、クラウン部C1,D1と逆クラウン部C2,D2、又は凸面部E1と凹面部E2を、それぞれ複数(2つ以上)形成しているが、上記図22において説明した試験結果に示すように、それらを少なくとも1つずつ有していれば、記録用紙の見かけ上の剛性を高めて分離性を向上させることが可能である。
また、上記各実施例では、定着ニップによって湾曲された記録用紙がガイド部材23に接触しないように、ガイド部材23の用紙搬送経路に対向する面23a全体を、湾曲基準面Zよりも加圧ローラ22側に配設しているが、記録用紙とガイド部材23との接触を防止することが可能であれば、ガイド部材23の用紙搬送経路に対向する面23aの少なくとも下流端縁23bを含む一部であってもよい。また、図8に示す実施例のように、ガイド部材23に複数の突起部26を設けている場合は、これら突起部26の少なくとも下流端縁26bを、湾曲基準面Zよりも加圧ローラ22側に配設すればよい。
また、図1に示すカラー画像形成装置に限らず、モノクロ画像形成装置や、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等にも、本発明の定着装置を搭載することが可能である。
8 定着装置
21 定着ローラ
22 加圧ローラ
23 ガイド部材
23a 用紙搬送経路に対向する面
23b 下流端縁
24 ヒータ(加熱源)
26 突起部
27 加圧ベルト
28 押圧部材
A 用紙搬送方向(記録媒体搬送方向)
d 間隔
N 定着ニップ
O 定着ニップの中央線
P 記録用紙(記録媒体)
R 用紙搬送経路(記録媒体搬送経路)
S 突起部の頂部を通る面
T 未定着画像
X 定着ローラの軸線
Y 中央線と定着ローラの軸線を通る平面
Z 湾曲基準面
特開2004−109697号公報

Claims (11)

  1. 加熱源によって加熱される定着ローラと、当該定着ローラに接触して配設された加圧ローラを備え、前記定着ローラと前記加圧ローラとが互いに接触して形成された定着ニップに記録媒体を通過させることにより、当該記録媒体上の未定着画像を記録媒体に定着させる定着装置において、
    前記定着ローラと前記加圧ローラは、外周面がクラウン状に形成されたクラウン部と、逆クラウン状に形成された逆クラウン部を、それぞれ少なくとも1つずつ有し、前記定着ローラの前記クラウン部と前記加圧ローラの前記逆クラウン部を対応させて配設すると共に、前記定着ローラの前記逆クラウン部と前記加圧ローラの前記クラウン部を対応させて配設して、前記定着ローラと前記加圧ローラを互いに接触させることにより、前記定着ニップを湾曲して形成した定着装置であって、
    前記定着ニップに記録媒体を案内するガイド部材を備え、当該ガイド部材の記録媒体搬送経路に対向する面の少なくとも記録媒体搬送方向の下流端縁を、前記定着ニップの記録媒体搬送方向の中央線を通りその中央線と前記定着ローラの軸線を通る平面に対して直交する湾曲基準面よりも、前記加圧ローラ側へ配設したことを特徴とする定着装置。
  2. 前記ガイド部材の記録媒体搬送経路に対向する面を前記湾曲した定着ニップの形状に対応させて湾曲させると共に、当該湾曲させた面の少なくとも記録媒体搬送方向の下流端縁を、前記湾曲基準面よりも前記加圧ローラ側へ配設した請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記ガイド部材の前記記録媒体搬送経路に対向する面に記録媒体搬送方向に延びた複数の突起部を並設し、それら複数の突起部の各頂部を通る面が前記湾曲した定着ニップの形状に対応して湾曲するように前記各頂部の高さを設定すると共に、前記複数の突起部の少なくとも記録媒体搬送方向の下流端縁を、前記湾曲基準面よりも前記加圧ローラ側へ配設した請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記ガイド部材の前記下流端縁を、前記加圧ローラの外周面の形状に対応させて当該加圧ローラ側へ凹凸状に形成した請求項1から3のいずれか1項に記載の定着装置。
  5. 前記凹凸状に形成した前記ガイド部材の前記下流端縁と前記加圧ローラの外周面との間隔を一定となるようにした請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記ガイド部材の前記下流端縁の断面形状を凸弧状又は凸円弧状に形成した請求項1から5のいずれか1項に記載の定着装置。
  7. 前記ガイド部材の記録媒体搬送方向下流端縁の一部を、前記加圧ローラの表面に当接させた請求項1から6のいずれか1項に記載の定着装置。
  8. 前記ガイド部材の前記下流端縁の少なくとも一部を、異物付着防止用の薄膜材で被覆した請求項1から7のいずれか1項に記載の定着装置。
  9. 前記ガイド部材は、記録媒体に画像を転写するための転写電流の漏洩を防止する電気抵抗を有する請求項1から8のいずれか1項に記載の定着装置。
  10. 加熱源によって加熱される定着ローラと、無端状の加圧ベルトと、当該加圧ベルトの内周面を押圧して加圧ベルトを前記定着ローラに接触させる押圧部材を備え、前記定着ローラと前記加圧ベルトが互いに接触して形成された定着ニップに記録媒体を通過させることにより、当該記録媒体上の未定着画像を記録媒体に定着させる定着装置において、
    前記定着ローラは、外周面がクラウン状に形成されたクラウン部と、外周面が逆クラウン状に形成された逆クラウン部を、それぞれ少なくとも1つずつ有し、前記押圧部材は、前記加圧ベルトを押圧する押圧面に、凸状に形成した凸面部と、凹状に形成した凹面部を、それぞれ少なくとも1つずつ有し、
    前記定着ローラの前記クラウン部と前記押圧部材の前記凹面部を対応させて配設すると共に、前記定着ローラの前記逆クラウン部と前記押圧部材の前記凸面部を対応させて配設して、前記加圧ベルトを前記定着ローラに接触させることにより、前記定着ニップを湾曲して形成した定着装置であって、
    前記定着ニップに記録媒体を案内するガイド部材を備え、当該ガイド部材の記録媒体搬送経路に対向する面の少なくとも記録媒体搬送方向の下流端縁を、前記定着ニップの記録媒体搬送方向の中央線を通りその中央線と前記定着ローラの軸線を通る平面に対して直交する湾曲基準面よりも、前記加圧ベルト側へ配設したことを特徴とする定着装置。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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