JP2010250054A - 搬送ガイド部材及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】搬送ガイド部材の下流側端部が摩擦帯電してしまい記録媒体上のトナー像に搬送チリが生じてしまう不具合が低減される、搬送ガイド部材及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】転写装置の位置から定着装置20の位置に至る搬送経路において搬送される記録媒体Pを案内する搬送ガイド部材35であって、記録媒体Pにおいて未定着状態のトナー像が担持されない側の表面に対向する搬送面が、導電性を有する基材35a上に絶縁層35bが形成されたものであって、記録媒体Pの搬送方向に対して下流側端部Aにおける摩擦帯電を抑制するように形成される。
【選択図】図2

Description

この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置とそこに設置される搬送ガイド部材とに関し、特に、転写装置の位置から定着装置の位置に至る搬送経路中に設置された搬送ガイド部材及び画像形成装置に関するものである。
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、転写装置の位置から定着装置の位置に至る搬送経路中に、記録媒体を案内する搬送ガイド部材を設ける技術が広く知られている(例えば、特許文献1〜4参照。)。
詳しくは、転写装置は、感光体ドラム、感光体ベルト、中間転写ベルト等の像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体上に転写する。転写装置としては、転写ローラ(2次転写ローラ等を含む。)や、転写ベルトや、転写グリッド(転写ワイヤによるコロナ放電を利用したものである。)、等が知られている。また、定着装置は、転写装置の位置で転写された記録媒体上のトナー像(未定着状態のトナー像である。)を熱と圧力とによって記録媒体上に定着する。定着装置は、ヒータ輻射や電磁誘導により加熱される定着ローラ、定着ベルト、定着フィルム等の定着部材と、加圧ローラ、加圧ベルト、加圧パッド等の加圧部材と、を具備していて、双方の部材間に記録媒体が搬送される定着ニップ部が形成されている。そして、転写装置の位置から定着装置の位置に至る搬送経路中には、記録媒体を案内する定着入口ガイド部材、転写出口ガイド部材等の搬送ガイド部材が設けられている。このような搬送ガイド部材は、一般的に、記録媒体上に形成された未定着トナー像に接触しないように、未定着トナー像が担持されていない側の表面(裏面)に対向するように搬送面が設けられている。
一方、特許文献1には、搬送ガイド部材(定着入口ガイド)を、体積抵抗が10E6〜10E12Ωmに設定された基材上にフッ素樹脂を被覆して形成する技術が開示されている。
また、特許文献2には、搬送ガイド部材(入口ガイド)の表面に弾性シートを設ける技術が開示されている。また、特許文献2の図7には、搬送ガイド部材(入口ガイド)における定着装置側の端部に段差を設ける技術も開示されている。
また、特許文献3には、搬送ガイド部材(金属製用紙搬送ガイド)を抵抗体を介して装置フレームに電気的に接続する技術が開示されている。
また、特許文献4には、搬送ガイド部材(ガイド部材)の案内方向途中に除電部材を設置する技術が開示されている。また、特許文献4には、中抵抗材料の表面に絶縁材料を塗布してガイド部材を形成する技術も開示されている。
上述した従来の技術は、搬送ガイド部材の搬送面における下流側端部(記録媒体の搬送方向に対して下流側の端部であって、定着装置側の端部である。)において、記録媒体が強く擦れて摩擦帯電してしまう不具合が生じていた。このように、搬送ガイド部材の下流側端部が摩擦帯電してしまうと、その位置を通過する記録媒体上の未定着トナー像が静電気的に引き付けられて散ってしまう現象(このような現象を「搬送チリ」という。)が生じてしまうことがあった。
特に、このような問題は、定着装置における定着工程時に記録媒体にシワが生じる不具合等を防止するために、搬送ガイド部材の下流側端部を定着装置に近接させた場合や、定着装置に送入される記録媒体が定着ニップ部よりも定着部材側に向けて搬送されるように搬送ガイド部材を配設した場合には、定着ニップ部に送入された記録媒体の後端側が搬送ガイド部材の下流側端部に強く擦れやすくなるために、無視できないものとなっていた。
さらに、転写装置の位置から定着装置の位置に向けて記録媒体を縦方向に搬送するように構成された画像形成装置においては、搬送ガイド部材によって記録媒体をより確実に定着装置に向けて案内する必要があるために、必然的に搬送ガイド部材の下流側端部が記録媒体に強く擦れる構成となってしまい、上述した問題が無視できないものになっていた。
そして、上述した特許文献1〜4の技術は、このように搬送ガイド部材の下流側端部が摩擦帯電してしまい搬送チリが生じてしまう不具合を解決するものではない。特に、本願発明者は、研究を重ねた結果、搬送ガイド部材の搬送面を全体的に電荷が蓄積されにくいように構成した場合であっても、搬送ガイド部材の下流側端部がその他の部分に比べて強く帯電してしまうことで、記録媒体上のトナー像に搬送チリが生じてしまうことを知得した。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、搬送ガイド部材の下流側端部が摩擦帯電してしまい記録媒体上のトナー像に搬送チリが生じてしまう不具合が低減される、搬送ガイド部材及び画像形成装置を提供することにある。
この発明の請求項1記載の発明にかかる搬送ガイド部材は、記録媒体上にトナー像を転写する転写装置の位置から当該記録媒体上に当該トナー像を定着する定着装置の位置に至る搬送経路において搬送される記録媒体を案内する搬送ガイド部材であって、記録媒体において未定着状態のトナー像が担持されない側の表面に対向する搬送面が、導電性を有する基材上に絶縁層が形成されたものであって、記録媒体の搬送方向に対して下流側端部における摩擦帯電を抑制するように形成されたものである。
また、請求項2記載の発明にかかる搬送ガイド部材は、前記請求項1に記載の発明において、前記搬送面の前記下流側端部は、前記絶縁層が形成されずに前記基材が露呈するように形成されたものである。
また、請求項3記載の発明にかかる搬送ガイド部材は、前記請求項2に記載の発明において、前記搬送面は、前記下流側端部の近傍において当該下流側端部に向けて前記絶縁層の層厚が漸減するように形成されたものである。
また、請求項4記載の発明にかかる搬送ガイド部材は、前記請求項1に記載の発明において、前記搬送面の前記下流側端部は、前記絶縁層が形成されずに中抵抗層が前記基材上に形成されたものである。
また、請求項5記載の発明にかかる搬送ガイド部材は、前記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明において、前記搬送面の前記下流側端部は、記録媒体に対して離れる方向に段差が形成されたものである。
また、請求項6記載の発明にかかる搬送ガイド部材は、前記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明において、前記搬送面の前記下流側端部は、そのエッジ部がR状に形成されたものである。
また、請求項7記載の発明にかかる搬送ガイド部材は、前記請求項1〜請求項6のいずれかに記載の発明において、前記搬送面の前記下流側端部は、記録媒体に対して近づく方向に突出するリブが形成され、前記リブは、導電性材料又は中抵抗材料で形成されるとともに、前記基材に対して電気的に導通するように形成されたものである。
また、請求項8記載の発明にかかる搬送ガイド部材は、前記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の発明において、前記定着装置は、記録媒体上に担持されたトナー像を加熱・溶融する定着部材と、前記定着部材に圧接して記録媒体が搬送される定着ニップ部を形成する加圧部材と、を備え、前記搬送面の前記下流側端部が前記定着ニップ部よりも前記定着部材の側に向けて配設されるように形成された定着入口ガイド部材としたものである。
また、この発明の請求項9記載の発明にかかる画像形成装置は、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の搬送ガイド部材を備えたものである。
本発明は、搬送ガイド部材の搬送面を、導電性を有する基材上に絶縁層が形成されたものとして、さらに、その下流側端部は摩擦帯電を抑制するように形成している。これにより、搬送ガイド部材の下流側端部が摩擦帯電してしまい記録媒体上のトナー像に搬送チリが生じてしまう不具合が低減される、搬送ガイド部材及び画像形成装置を提供することができる。
この発明の実施の形態1における画像形成装置を示す全体構成図である。 定着装置と搬送ガイド部材とを示す図である。 従来の搬送ガイド部材における不具合を説明する図である。 記録媒体上のトナー像に搬送チリが生じた状態を示す模式図である。 搬送ガイド部材の搬送方向の位置と、その位置における表面電位と、の関係を示すグラフである。 搬送ガイド部材の表面電位と、記録媒体上のトナー像に生じる搬送チリの程度と、の関係を示すグラフである。 別の搬送ガイド部材の要部を示す部分拡大図である。 この発明の実施の形態2における画像形成装置を示す全体構成図である。 図8の画像形成装置に設置された定着装置と搬送ガイド部材とを示す図である。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1〜図7にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としての複写機の装置本体、2は原稿Dの画像情報を光学的に読み込む原稿読込部、3は原稿読込部2で読み込んだ画像情報に基いた露光光Lを感光体ドラム5上に照射する露光部、4は感光体ドラム5上にトナー像(画像)を形成する作像部、7は感光体ドラム5上に形成されたトナー像を記録媒体Pに転写する転写装置としての転写ローラ、10はセットされた原稿Dを原稿読込部2に搬送する原稿搬送部、12〜14は転写紙等の記録媒体Pが収納された給紙部、20は記録媒体P上の未定着状態のトナー像(未定着画像)を定着する定着装置、21は定着装置20に設置された定着部材としての定着ローラ、31は定着装置20に設置された加圧部材としての加圧ローラ、34は搬送ガイド部材としての転写出口ガイド部材、35は搬送ガイド部材としての定着入口ガイド部材、を示す。
図1を参照して、画像形成装置における、通常の画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿Dは、原稿搬送部10の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部2上を通過する。このとき、原稿読込部2では、上方を通過する原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
そして、原稿読込部2で読み取られた光学的な画像情報は、電気信号に変換された後に、露光部3(書込部)に送信される。そして、露光部3からは、その電気信号の画像情報に基づいたレーザ光等の露光光Lが、作像部4の感光体ドラム5上に向けて発せられる。
一方、作像部4において、感光体ドラム5は図中の時計方向に回転しており、所定の作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程)を経て、感光体ドラム5上に画像情報に対応したトナー像(画像)が形成される。
その後、感光体ドラム5上に形成されたトナー像は、転写装置としての転写ローラ7の位置(感光体ドラム5と転写ローラ7とによって形成される転写ニップ部である。)で、レジストローラにより搬送された記録媒体P上に転写される。詳しくは、所定の転写バイアスが印加された転写ローラ7によって、記録媒体Pにトナーの極性とは異なる極性の電荷が付与されて、感光体ドラム5上に形成されたトナー像が記録媒体P上に転写される。
一方、転写ローラ7の位置に搬送される記録媒体Pは、次のように動作する。
まず、画像形成装置本体1の複数の給紙部12、13、14のうち、1つの給紙部が自動又は手動で選択される(例えば、最上段の給紙部12が選択されたものとする。)。
そして、給紙部12に収納された記録媒体Pの最上方の1枚が、搬送経路Kの位置に向けて搬送される。
その後、記録媒体Pは、搬送経路Kを通過してレジストローラの位置に達する。そして、レジストローラの位置に達した記録媒体Pは、感光体ドラム5上に形成されたトナー像と位置合わせをするためにタイミングを合わせて、転写ローラ7の位置に向けて搬送される。
そして、転写工程後の記録媒体Pは、転写ローラ7の位置を通過した後に、搬送経路を経て定着装置20に達する。詳しくは、転写ローラ7(転写装置)の位置から定着装置20の位置に至る搬送経路には、そこで搬送される記録媒体Pを案内する搬送ガイド部材としての転写出口ガイド部材34及び定着入口ガイド部材35が設置されている。転写出口ガイド部材34及び定着入口ガイド部材35には、いずれにも、記録媒体Pにおける裏面(未定着トナー像が担持されない側の表面である。)に対向する搬送面(案内面)が設けられている。そして、転写ローラ7の位置を通過した記録媒体Pは、転写出口ガイド部材34によって定着入口ガイド部材35の位置に案内された後に、定着入口ガイド部材35によって定着装置20の位置に案内されることになる。
その後、定着装置20に達した記録媒体Pは、定着ローラ21と加圧ローラ31との間(定着ニップ部である。)に送入されて、定着ローラ21から受ける熱と双方の部材21、31から受ける圧力とによってトナー像が定着される。トナー像が定着された記録媒体Pは、定着ローラ21と加圧ローラ31との間(定着ニップ部である。)から送出された後に、画像形成装置本体1から排出される。
こうして、一連の画像形成プロセスが完了する。
ここで、転写装置としての転写ローラ7は、芯金上に導電性発泡ゴム層が形成されたローラ部材であって、図1の反時計方向に回転する。導電性発泡ゴム層のゴム材料としてはNBRゴム、ヒドリンゴム、クロロプレンゴム等を用いることができて、そのゴム材料に導電剤を添加して転写ローラ7全体の抵抗(軸芯とローラ表面との間の電気抵抗である。)が106〜108Ω程度になるように設定している。
また、転写出口ガイド部材34は、ポリカーボネート等の樹脂材料で形成されていて、その搬送面(記録媒体Pに接する面である。)には体積抵抗が4.0E10+1Ωcm程度の中抵抗シート部材(例えば、バルカーシートである。)が貼着されている。これにより、転写出口ガイド部材34の搬送面は、記録媒体Pと擦れても、摩擦帯電が適度に抑えられることになる。なお、本実施の形態1では、転写出口ガイド部材34が転写ローラ7とともに、1つのユニットとして画像形成装置本体1に対して着脱自在に構成されている。
次に、図2にて、定着装置20の構成・動作について詳述する。
図2に示すように、定着装置20は、定着部材としての定着ローラ21、ヒータ25、加圧部材としての加圧ローラ31、温度センサ40、等で構成されている。
ここで、定着部材としての定着ローラ21は、SUS304等の芯金22上に、発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の弾性材料からなる弾性層23、PFA(4フッ化エチレンバーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)等からなる離型層(不図示である。)が順次積層された中空構造のローラ部材であって、加圧部材としての加圧ローラ31に圧接して定着ニップ部を形成する。定着ローラ21は、不図示の駆動機構によって、図2中の時計方向に回転駆動される。
定着ローラ21に内設されたヒータ25は、ハロゲンヒータであって、その両端部が定着装置20の側板(不図示である。)に固定されている。そして、画像形成装置本体1の電源部からヒータ25に電力が供給されて、ヒータ制御部により出力制御されたヒータ25からの輻射熱によって定着ローラ21が加熱されて、定着ローラ21の表面から記録媒体P上のトナー像Tに熱が加えられる。
ヒータ25の出力制御は、定着ローラ21表面に非接触で対向する温度センサ40(サーモパイル)によるローラ表面温度の検知結果に基いておこなわれる。
図2を参照して、加圧部材としての加圧ローラ31は、芯金32上に弾性層33を形成したものである。加圧ローラ31の弾性層33は、フッ素ゴム、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム等の材料で形成されている。なお、弾性層33の表層にPFA等からなる薄肉の離型層(チューブ)を設けることもできる。加圧ローラ31は定着ローラ21に圧接して、双方の部材21、31間に所望の定着ニップ部を形成する。また、加圧ローラ31は、定着ローラ21との摩擦抵抗によって、図2中の反時計方向に回転する。
また、定着ローラ21と加圧ローラ31との当接部(定着ニップ部である。)の入口側には、定着ニップ部に向けて搬送される記録媒体Pを案内する搬送ガイド部材としての定着入口ガイド部材35が配設されている。また、定着ニップ部の出口側には、定着ニップ部から送出される記録媒体Pを案内する定着出口ガイド部材37が配設されている。双方のガイド部材35、37は、いずれも、定着装置20のフレーム(筐体)に固設されている。
なお、本実施の形態1において特徴的な、定着入口ガイド部材35(搬送ガイド部材)の詳細な構成・動作については、後で詳しく説明する。
上述のように構成された定着装置20は、次のように動作する。
装置本体1の電源スイッチが投入されると、ヒータ25に電力が供給されるとともに、定着ローラ21の図2中の矢印方向の回転駆動が開始される。これにより、定着ローラ21との摩擦力によって、加圧ローラ31も図2中の矢印方向に従動(回転)する。
その後、給紙部12〜14から記録媒体Pが給送されて、作像部4にて記録媒体P上に未定着トナー像が担持される。未定着トナー像T(画像)が担持された記録媒体Pは、転写出口ガイド部材34と定着入口ガイド部材35とに案内されながら図2の破線矢印Y10方向に搬送されて、圧接状態にある定着ローラ21及び加圧ローラ31の定着ニップ部に送入される。
そして、ヒータ25によって加熱された定着ローラ21による加熱と、定着ローラ21及び加圧ローラ31の押圧力とによって、記録媒体Pの表面にトナー像Tが定着される。その後、定着ニップ部から送出された記録媒体Pは、定着出口ガイド部材37に案内されながら、破線矢印Y11方向に搬送される。
以下、図2〜図6を参照して、本実施の形態1において特徴的な、搬送ガイド部材としての定着入口ガイド部材35について詳述する。
本実施の形態1において、搬送ガイド部材としての定着入口ガイド部材35は、その搬送面(記録媒体Pにおいて未定着トナー像が担持されない側の表面に対向する案内面である。)が、導電性を有する基材35a上に絶縁層35bが形成されたものであって、記録媒体Pの搬送方向に対して下流側端部(定着装置20側の後端部であって、図2中のA部である。)における摩擦帯電を抑制するように形成されている。
具体的には、図2を参照して、定着入口ガイド部材35の搬送面の下流側端部A(後端部)は、絶縁層35bが形成されずに、導電性を有する基材35aが露呈するように形成されている。
さらに詳しくは、定着入口ガイド部材35の基材35aは、板状の亜鉛メッキ鋼、ステンレス鋼、鉄、アルミニウム等の導電性金属材料に曲げ加工等を施して形成されたものであって、定着入口ガイド部材35の主要部となっている。そして、基材35aの搬送面側に、層厚が80μm程度の絶縁層35bとしてフッ素樹脂が塗装されている。ここで、定着入口ガイド部材35の搬送面の下流側端部A(後端からの搬送方向の長さが0.5〜3mm程度の範囲である。)は、絶縁層35bが形成されずに、導電性の基材35aが剥き出しになっている。すなわち、定着入口ガイド部材35の搬送面は、下流側端部Aが導電性材料で形成されていて、それ以外の部分(上流側端部から中央部に至る領域である。)が絶縁性材料で形成されている。
このような構成により、定着入口ガイド部材35の搬送面における下流側端部Aにおいて、記録媒体Pが強く擦れて摩擦帯電してしまう不具合が生じにくくなる。したがって、定着入口ガイド部材の下流側端部Aが摩擦帯電してしまうことにより記録媒体上の未定着トナー像に搬送チリが発生してしまう不具合を低減することができる。
特に、本実施の形態1では、定着装置20における定着工程時に記録媒体Pにシワが生じる不具合等を防止するために、定着入口ガイド部材35の下流側端部Aを定着装置20(定着ニップ部)に近接させるとともに、定着装置20(定着ニップ部)に送入される記録媒体Pが定着ニップ部よりも定着ローラ21側に向けて搬送されるように定着入口ガイド部材35を配設しているために、定着ニップ部に先端側が送入された記録媒体Pの後端側が定着入口ガイド部材35の下流側端部Aに強く擦れやすくなっている(図2の破線矢印で示す記録媒体Pの軌跡を参照できる。)。したがって、上述したように、定着入口ガイド部材35の搬送面の下流側端部Aにおける摩擦帯電を抑制するように形成することが有用になる。
図3を参照して、従来の定着入口ガイド部材350(下流側端部Aも含めて搬送面の全面に絶縁層が設けられたものである。)を用いた場合について説明する。
従来の定着入口ガイド部材350を用いた場合であっても、図3(B)に示すように、定着装置20(定着ニップ部)に送入される記録媒体Pが定着ニップ部よりも加圧ローラ31側に向けて搬送されるように定着入口ガイド部材350を配設しているとき(定着ローラ21と加圧ローラ31との定着ニップ部における接線Qよりも下方に定着入口ガイド部材350の搬送面が配置されたときである。)には、定着ニップ部に先端側が送入された記録媒体Pの後端側が定着入口ガイド部材350の下流側端部Aに強く擦れることは比較的少ない(図3(B)の破線矢印で示す記録媒体Pの軌跡を参照できる。)。しかし、このように定着入口ガイド部材350をレイアウトすると、定着工程時に、記録媒体Pにシワが生じる等の不具合が発生してしまう。
このような不具合を抑止するために、図3(A)に示すように、定着装置20(定着ニップ部)に送入される記録媒体Pが定着ニップ部よりも定着ローラ21側に向けて搬送されるように定着入口ガイド部材350を配設すると(定着ローラ21と加圧ローラ31との定着ニップ部における接線Qよりも上方に定着入口ガイド部材350の搬送面が配置されると)、定着ニップ部に先端側が送入された記録媒体Pの後端側が定着入口ガイド部材350の下流側端部Aに強く擦れることになる(図3(A)の破線矢印で示す記録媒体Pの軌跡を参照できる。)。
本願発明者は、本実施の形態1における定着入口ガイド部材35を用いたときの効果を確認するために、従来の定着入口ガイド部材350(図3(A)に示すものである。)を用いたときとの、比較実験をおこなった。
実験は、図4(A)に示すように、A4サイズの記録媒体Pを横方向に通紙して(図4(A)の白矢印方向の搬送である。)、記録媒体P上に複数のベタ部PB(トナー像)を形成して搬送チリの有無を確認したものである。なお、画像形成装置1の設置環境(温湿度)は、10℃15%に設定した。
その結果、従来の定着入口ガイド部材350(図3(A)に示すものである。)を用いたときには、ベタ部PBの後端(図4(A)の白矢印で示す搬送方向の後端である。)に、搬送チリPK(図4(B)に示すS部の拡大図を参照できる。)が生じてしまった。これに対して、本実施の形態1における定着入口ガイド部材35(下流側端部Aに絶縁層35bが形成されていないものである。)を用いたときには、図4(B)に示すような搬送チリの発生は全くみられなかった。
さらに、本願発明者は、本実施の形態1における定着入口ガイド部材35を用いたときの下流側端部Aの摩擦帯電の程度を確認するために、従来の定着入口ガイド部材350(図3(A)に示すものである。)を用いたときとの、比較実験をおこなった。
図5は、そのときの実験結果を示すグラフであって、横軸に定着入口ガイド部材(搬送ガイド部材)における搬送方向の位置(上流側端部と中央部と下流側端部Aとである。)を示し、縦軸に定着入口ガイド部材の表面電位(摩擦帯電の程度)を示す。また、図5において、「○」印は本実施の形態1における定着入口ガイド部材35を用いたときの実験結果を示し、「■」印は従来の定着入口ガイド部材350を用いたときの実験結果を示す。
図5の結果から、従来の定着入口ガイド部材350を用いたときには、下流側端部Aが他の部分に比べて大きく摩擦帯電してしまっているのがわかる。これに対して、本実施の形態1における定着入口ガイド部材35を用いたときには、下流側端部Aが他の部分に比べて摩擦帯電の程度が低く抑えられているのがわかる。
さらに、本願発明者は、定着入口ガイド部材(搬送ガイド部材)の下流側端部Aにおける摩擦帯電の程度と、出力画像上に生じる搬送チリの程度と、の関係について確認した。
図6は、そのときの実験結果を示すグラフであって、横軸に定着入口ガイド部材(搬送ガイド部材)の搬送面の下流側端部Aにおける表面電位を示し、縦軸に記録媒体P上のトナー像に生じる搬送チリの長さ(長さが大きいほど搬送チリの程度が悪いことになる。)を示す。なお、図6において、破線で囲んだ領域が、本実施の形態1における定着入口ガイド部材35を用いたときの領域である。
図6の結果から、定着入口ガイド部材の下流側端部Aにおける摩擦帯電の程度が大きいほど、搬送チリの程度が悪くなることがわかる。また、本実施の形態1における定着入口ガイド部材35を用いたときには、下流側端部Aにおける摩擦帯電の程度が小さく搬送チリがほとんど生じないことがわかる。
なお、搬送ガイド部材としての定着入口ガイド部材35の形態は、図2等にて説明したものに限定されることなく、その他に種々の形態のものを用いることができる。
具体的に、図7(A)に示すように、定着入口ガイド部材35の搬送面が、下流側端部Aの近傍において下流側端部Aに向けて絶縁層35bの層厚が漸減するように形成することもできる。すなわち、基材35a上に形成される絶縁層35bに、中央部から下流側端部Aに向けて層厚が漸減するテーパ部35b1を設けることができる。このような構成をとることにより、定着入口ガイド部材35の下流側端部Aの近傍(テーパ部35b1)における摩擦帯電の状態変化が滑らかになるために、搬送チリが一層発生しにくくなる。
また、図7(B)に示すように、定着入口ガイド部材35の搬送面の下流側端部Aにおけるエッジ部をR状に形成することもできる。
さらには、図7(C)に示すように、定着入口ガイド部材35の搬送面の下流側端部Aに、記録媒体Pに対して離れる方向に段差を形成することもできる。
これらの構成により、定着入口ガイド部材35の下流側端部Aにおいて記録媒体Pが摺接する程度を弱めることができる。したがって、下流側端部Aにおいて生じる摩擦帯電の程度も弱められて、搬送チリが生じにくくなる。
また、図7(D)に示すように、定着入口ガイド部材35の搬送面の下流側端部Aに、絶縁層35bを形成せずに、中抵抗層35cを基材35a上に形成することもできる。中抵抗層35cとしては、体積抵抗が1.0E10-1〜1.0E10+6程度の材料で形成されたものを用いることができる。
このように、搬送面の下流側端部Aに中抵抗層35cを設けることで下流側端部Aが強く摩擦帯電するのを防止するとともに、搬送面の下流側端部Aにおいて記録媒体Pが導電性の基材35aに直接的に接触しないことになるために、記録媒体Pに蓄積された電荷が下流側端部Aにリークする不具合も軽減することができる。
さらに、図7(E)に示すように、定着入口ガイド部材35の搬送面の下流側端部Aに、記録媒体Pに対して近づく方向に突出するリブ35dを形成することもできる。その際、リブ35dは、導電性材料又は中抵抗材料で形成するとともに、基材35aに対して電気的に導通するように形成する。
このような構成により、搬送面の下流側端部Aにおいて、記録媒体Pはリブ35dに摺接することになるが、リブ35dが導電性材料又は中抵抗材料で形成されて基材35aに導通しているために、下流側端部Aが強く摩擦帯電するのを防止できるとともに、記録媒体Pに蓄積された電荷が下流側端部Aにリークする不具合も軽減することができる。
本願発明者が、図7(A)〜(E)の定着入口ガイド部材35を用いて、先に図4を用いて説明したものと同じ通紙実験をおこなったところ、いずれの場合にも搬送チリの発生がみられなかった。
以上説明したように、本実施の形態1においては、定着入口ガイド部材35(搬送ガイド部材)の搬送面を、導電性を有する基材35a上に絶縁層35bが形成されたものとして、さらに、その下流側端部Aは摩擦帯電を抑制するように形成している。これにより、定着入口ガイド部材35の下流側端部Aが摩擦帯電してしまい記録媒体P上のトナー像に搬送チリが生じてしまう不具合が低減される。
実施の形態2.
図8及び図9にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図8は、実施の形態2における画像形成装置を示す全体構成図である。図9は、図8の画像形成装置に設置された定着装置20と搬送ガイド部材34、35とを示す図である。
本実施の形態2における画像形成装置は、転写装置89の位置から定着装置20の位置に至る搬送経路が縦方向に形成されている点が、転写装置7の位置から定着装置20の位置に至る搬送経路が横方向に形成されている前記実施の形態1のものとは相違する。
まず、図8にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図8に示すように、本実施の形態2における画像形成装置1は、タンデム型カラープリンタである。画像形成装置本体1の上方にあるボトル収容部101には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナーボトル102Y、102M、102C、102Kが着脱自在(交換自在)に設置されている。
ボトル収容部101の下方には中間転写ユニット85が配設されている。その中間転写ユニット85の中間転写ベルト78に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部4Y、4M、4C、4Kが並設されている。
各作像部4Y、4M、4C、4Kには、それぞれ、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kが配設されている。また、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの周囲には、それぞれ、帯電部75、現像部76、クリーニング部77、除電部(不図示である。)等が配設されている。そして、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)がおこなわれて、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上に各色の画像が形成されることになる。
感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kは、不図示の駆動モータによって図8中の時計方向に回転駆動される。そして、帯電部75の位置で、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、露光部3から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって各色に対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、現像装置76との対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、各色のトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、中間転写ベルト78及び第1転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上のトナー像が中間転写ベルト78上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、クリーニング部77との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上に残存した未転写トナーがクリーニング部77のクリーニングブレードによって機械的に回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト78上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト78上にカラー画像が形成される。
ここで、中間転写ユニット85は、中間転写ベルト78、4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79K、2次転写バックアップローラ82、クリーニングバックアップローラ83、テンションローラ84、中間転写クリーニング部80、等で構成される。中間転写ベルト78は、3つのローラ82〜84によって張架・支持されるとともに、1つのローラ82の回転駆動によって図8中の矢印方向に無端移動される。
4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kは、それぞれ、中間転写ベルト78を感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kに、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。
そして、中間転写ベルト78は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト78上に重ねて1次転写される。
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト78は、転写装置としての2次転写ローラ89との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ82が、2次転写ローラ89との間に中間転写ベルト78を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト78上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体P上に転写される。このとき、中間転写ベルト78には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
その後、中間転写ベルト78は、中間転写クリーニング部80の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト78上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト78上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
ここで、2次転写ニップの位置(転写装置の位置)に搬送された記録媒体Pは、装置本体1の下方に配設された給紙部12から、給紙ローラ97やレジストローラ対98等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、給紙部12には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ97が図8中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対98のローラ間に向けて給送される。
レジストローラ対98に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対98のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト78上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対98が回転駆動されて、記録媒体Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、搬送ガイド部材としての転写出口ガイド部材34及び定着入口ガイド部材35によって案内されながら、定着装置20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ローラ21及び加圧ローラ31による熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が記録媒体P上に定着される。
その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対99のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対99によって装置外に排出された被転写Pは、出力画像として、スタック部100上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
図9に示すように、本実施の形態2においても、定着装置20は、定着部材としての定着ローラ21、ヒータ25、加圧部材としての加圧ローラ31、温度センサ40、等で構成されている。また、定着ローラ21と加圧ローラ31との当接部(定着ニップ部である。)の入口側には、定着ニップ部に向けて搬送される記録媒体Pを案内する搬送ガイド部材としての定着入口ガイド部材35が配設されている。
ここで、本実施の形態2における画像形成装置1は、2次転写ローラ89(転写装置)の位置から定着装置20の位置に向けて記録媒体Pを縦方向に搬送するように構成されている。したがって、搬送ガイド部材としての定着入口ガイド部材35によって、定着装置20における所望の位置に向けて記録媒体Pを確実に案内するように設定されている。具体的には、定着入口ガイド部材35の下流側端部Aを定着装置20(定着ニップ部)に近接させるとともに、定着装置20(定着ニップ部)に送入される記録媒体Pが定着ニップ部よりも定着ローラ21側に向けて搬送されるように定着入口ガイド部材35が形成されている。したがって、定着ニップ部に先端側が送入された記録媒体Pの後端側が定着入口ガイド部材35の下流側端部Aに強く擦れやすくなっている(図9の破線矢印で示す記録媒体Pの軌跡を参照できる。)。
これに対して、本実施の形態2においても、前記実施の形態1と同様に、定着入口ガイド部材35の搬送面を、導電性を有する基材35a上に絶縁層35bが形成されたものとして、さらに、搬送面の下流側端部Aには絶縁層35bを設けずに基材35aを露呈させることで下流側端部Aにおける摩擦帯電を抑制するように、定着入口ガイド部材35を形成している。これにより、記録媒体P上のトナー像に搬送チリが生じる不具合が低減される。特に、本実施の形態2では、記録媒体P上に複数色のトナー像が重ねて形成されるために、カラー画像に特有の重ねチリ(複数色のトナー像のチリ画像が互いに重なってしまう現象である。)の発生も低減することができる。
以上説明したように、本実施の形態2においても、前記実施の形態1と同様に、定着入口ガイド部材35(搬送ガイド部材)の搬送面を、導電性を有する基材35a上に絶縁層35bが形成されたものとして、さらに、その下流側端部Aは摩擦帯電を抑制するように形成している。これにより、定着入口ガイド部材35の下流側端部Aが摩擦帯電してしまい記録媒体P上のトナー像に搬送チリが生じてしまう不具合が低減される。
なお、前記各実施の形態では、定着入口ガイド部材35と転写出口ガイド部材34とを別々に設けたが、これらを1つの搬送ガイド部材として一体化することもできるし、3つ以上に分割して設けることもできる。その場合にも、摩擦帯電による搬送チリが生じやすい搬送ガイド部材の下流側端部を、前記各実施の形態における定着入口ガイド部材35の下流側端部Aと同様に形成することで、前記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、前記各実施の形態では、定着入口ガイド部材35の下流側端部Aにのみ本発明を適用したが、転写出口ガイド部材34の下流側端部でも記録媒体Pが強く擦れるような場合には、転写出口ガイド部材34の下流側端部を、前記各実施の形態における定着入口ガイド部材35の下流側端部Aと同様に形成することで、前記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、前記各実施の形態では、定着部材として定着ローラ21を用いて加圧部材として加圧ローラを用いた定着装置に対して本発明を適用したが、定着部材として定着ベルトや定着フィルムを用いた定着装置や、加圧部材として加圧ベルトや加圧パッドを用いた定着装置に対しても本発明を適用することができる。
また、前記各実施の形態では、ヒータ加熱方式による定着装置に対して本発明を適用したが、電磁誘導加熱方式による定着装置に対しても本発明を適用することができる。
さらに、前記各実施の形態では、転写装置として転写ローラ7や2次転写ローラ89を用いたものに本発明を適用したが、転写装置として転写ベルトやワイヤコロナ放電を用いた転写器を用いたものに対しても本発明を適用することができる。
そして、これらの場合にも、前記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明が前記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、前記各実施の形態の中で示唆した以外にも、前記各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は前記各実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
1 画像形成装置本体(装置本体)、
7 転写ローラ(転写装置)、
20 定着装置、
21 定着ローラ(定着部材)、
25 ヒータ、
31 加圧ローラ(加圧部材)、
34 転写出口ガイド部材(搬送ガイド部材)、
35 定着入口ガイド部材(搬送ガイド部材)、
35a 基材、 35b 絶縁層、 35b1 テーパ部、
35c 中抵抗層、 35d リブ、
89 2次転写ローラ(転写装置)、 A 下流側端部、 P 記録媒体。
特開2008−152126号公報 特開2007−133046号公報 特許第3327509号公報 特許第3850597号公報

Claims (9)

  1. 記録媒体上にトナー像を転写する転写装置の位置から当該記録媒体上に当該トナー像を定着する定着装置の位置に至る搬送経路において搬送される記録媒体を案内する搬送ガイド部材であって、
    記録媒体において未定着状態のトナー像が担持されない側の表面に対向する搬送面が、導電性を有する基材上に絶縁層が形成されたものであって、記録媒体の搬送方向に対して下流側端部における摩擦帯電を抑制するように形成されたことを特徴とする搬送ガイド部材。
  2. 前記搬送面の前記下流側端部は、前記絶縁層が形成されずに前記基材が露呈するように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の搬送ガイド部材。
  3. 前記搬送面は、前記下流側端部の近傍において当該下流側端部に向けて前記絶縁層の層厚が漸減するように形成されたことを特徴とする請求項2に記載の搬送ガイド部材。
  4. 前記搬送面の前記下流側端部は、前記絶縁層が形成されずに中抵抗層が前記基材上に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の搬送ガイド部材。
  5. 前記搬送面の前記下流側端部は、記録媒体に対して離れる方向に段差が形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の搬送ガイド部材。
  6. 前記搬送面の前記下流側端部は、そのエッジ部がR状に形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の搬送ガイド部材。
  7. 前記搬送面の前記下流側端部は、記録媒体に対して近づく方向に突出するリブが形成され、
    前記リブは、導電性材料又は中抵抗材料で形成されるとともに、前記基材に対して電気的に導通するように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の搬送ガイド部材。
  8. 前記定着装置は、
    記録媒体上に担持されたトナー像を加熱・溶融する定着部材と、
    前記定着部材に圧接して記録媒体が搬送される定着ニップ部を形成する加圧部材と、
    を備え、
    前記搬送面の前記下流側端部が前記定着ニップ部よりも前記定着部材の側に向けて配設されるように形成された定着入口ガイド部材であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の搬送ガイド部材。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の搬送ガイド部材を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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