JP2010216727A - 温調マット用基板、温調マット及び温調マットの折り畳み方法 - Google Patents

温調マット用基板、温調マット及び温調マットの折り畳み方法 Download PDF

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Abstract

【課題】山折り及び谷折りのいずれの方向にも容易に折ることができる温調マット用基板を提供する。
【解決手段】基板A〜Hを配列して床暖房マット1が構成されている。基板B,D,E,Fは、山折り又は谷折りされる折り部9を有している。折り部9には、各基板B,D,E,Fのうちこの折り部9を挟んで隣り合う部分同士を連続したものとする結合部12が設けられている。結合部12は、各基板B,D,E,Fが折り部9から折られたときには分断するように構成されている。折り部9の長手方向の一部は、各基板B,D,E,Fの上面及び下面にそれぞれ該折り部9に沿って設けられた切込形状部12a,12bよりなり、この切込形状部12a,12b同士の間が結合部12となっている。折り部9の長手方向の残りの部分は、各基板B,D,E,Fをその厚さ方向に貫通した貫通スリット13よりなる。
【選択図】図6

Description

本発明は、板面に温調配管配設用の溝が設けられている温調マット用基板に係り、特に、山折り又は谷折りされる折り部を有した温調マット用基板に関する。また、本発明は、この温調マット用基板を備えた温調マットと、この温調マットの折り畳み方法に関する。
なお、以下の説明において、温調マットの上面とは、該温調マットを床上に展開したときの上面をいい、温調マットの下面とは、該温調マットを床上に展開したときの下面をいう。
本発明において、温調マットを山折りするとは、折り部が温調マットの展開時の上面側に凸となるように折ることをいい、温調マットを谷折りするとは、折り部が温調マットの展開時の下面側に凸となるように折ることをいう。
板状の基板の上面の溝に温水配管を引き回した床暖房マットを床に敷設した床暖房構造が周知である。
この床暖房マットとして、折り畳み可能なものが実用化されている。床暖房マットを折り畳むことにより、運搬時等の取り扱い性や施工性が良好なものとなる。
この折り畳み可能な床暖房マットの従来例として、特開2000−65365号公報に記載のものがある。
同号公報の床暖房マットは、上面に複数本の温水配管配設用の溝が設けられた略長方形状の基板(同号公報ではマット板と称されている。)と、小根太とを交互に配列し、各基板の溝に温水配管を引き回した後、この溝を覆うように、アルミ箔等よりなる放熱シートを各基板と小根太との上面に連続して貼り付けたものである。
各基板の下面側には、該基板の上面側ほど幅が狭くなる略V字溝状のスリットが複数条設けられている。これらのスリットは、小根太と略平行方向に延在している。これらのスリットの深さは、各基板の厚さよりも小さいものとなっており、各スリットの上端と基板の上面との間には、該基板のうちスリットを挟んだ両側の部分同士を連結した結合部が形成されている。
同号公報では、この床暖房マットをロール状に巻くようにして折り畳んでいる。この際、床暖房マットの上面側をロールの内側にすると共に、小根太の延在方向をこのロールの軸心線方向として床暖房マットを巻く。このとき、各スリットの基板下面側が開き出すようにして、各基板が谷折り状に屈曲するため、床暖房マットを容易にロール状に折り畳むことができる。
特開2000−65365号公報
上記特開2000−65365号公報の床暖房マットにあっては、各基板の下面側にスリットが設けられているので、各基板を谷折りするように床暖房マットを折り畳むのは容易であるが、各基板を山折りするように床暖房マットを折り畳む際には、各スリットの上端と基板の上面との間の結合部を分断させる必要がある。
しかしながら、同号公報では、基板の下面側にのみスリットが設けられているので、基板を山折りしてこの結合部を分断させるのは容易ではない。
本発明は、山折り又は谷折りされる折り部を有した温調マット用基板において、山折り及び谷折りのいずれの方向にも容易に折ることができる温調マット用基板を提供することを目的とする。
また、本発明は、この温調マット用基板を備えた温調マットと、この温調マットの折り畳み方法を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の温調マット用基板は、一方の板面に温調配管配設用の溝が形成された温調マット用基板であって、該基板は、山折り又は谷折りされる折り部を有しており、該折り部には、該基板の該折り部を挟んで隣り合う部分同士を連続したものとする結合部が設けられており、該基板が折られたときには、該結合部が分断されるように構成された温調マット用基板において、前記折り部は、該基板の両方の板面に設けられた切込形状部よりなり、一方の板面の切込形状部と他方の板面の切込形状部との間が前記結合部となっていることを特徴とするものである。
本発明(請求項2)の温調マット用基板は、一方の板面に温調配管配設用の溝が形成された温調マット用基板であって、該基板は、山折り又は谷折りされる折り部を有しており、該折り部には、該基板の該折り部を挟んで隣り合う部分同士を連続したものとする結合部が設けられており、該基板が折られたときには、該結合部が分断されるように構成された温調マット用基板において、該折り部の長手方向の一部は、該基板の両方の板面に設けられた切込形状部よりなり、一方の板面の切込形状部と他方の板面の切込形状部との間が前記結合部となっており、該折り部の長手方向の残りの部分は、該基板を貫通した貫通スリットよりなることを特徴とするものである。
請求項3の温調マット用基板は、請求項2において、該折り部の全長の1〜70%に前記結合部が設けられていることを特徴とするものである。
請求項4の温調マット用基板は、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記結合部の基板厚さ方向の幅は、該基板の厚さの3〜70%であることを特徴とするものである。
請求項5の温調マット用基板は、請求項1ないし4のいずれか1項において、前記切込形状部は、前記基板の厚さ方向中間側ほど幅が狭くなる略V字溝状であることを特徴とするものである。
請求項6の温調マット用基板は、請求項1ないし5のいずれか1項において、前記一方の板面に均熱シートが貼着されることを特徴とするものである。
本発明(請求項7)の温調マットは、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の基板と、該基板の前記溝に配設された温調配管とを備えてなるものである。
本発明(請求項8)の温調マットの折り畳み方法は、請求項7の温調マットを前記折り部に沿って折り畳む温調マットの折り畳み方法であって、前記折り部の前記結合部を分断させるように、前記基板を折り返すことを特徴とするものである。
本発明(請求項1,2)の温調マット用基板にあっては、折り部を挟んで隣り合う部分同士が結合部によって結合されているので、基板を折るまでは、この折り部を挟んで隣り合う部分同士を1枚の基板として取り扱うことができる。
本発明では、基板の両方の板面に切込形状部が設けられることにより結合部が形成されているので、基板を谷折り及び山折りのいずれの方向にも容易に折ることができる。なお、基板を折ると、この結合部が分断し、折り部を挟んで隣り合う部分同士が分離するので、基板の厚さに関わらず、山折り及び谷折りのいずれにも基板を折り畳むことができる。
請求項2の温調マット用基板にあっては、折り部の長手方向の一部に結合部が設けられ、該長手方向の残りの部分は、基板を貫通する貫通スリットとなっている。そのため、基板を折って結合部を分断させた場合、この貫通スリットの部分においては、折り部に臨む基板の端面が平滑なものとなる。
この場合、請求項3のように、折り部の全長の1〜70%(好ましくは約10〜30%程度)に結合部を設けることにより、基板を折った後、この折り部において結合部の分断面が目立ちにくくなる。
請求項4のように、結合部の基板厚さ方向の幅を、該基板の厚さの3〜70%(好ましくは約3〜30%程度)とすることにより、結合部は、基板が落下したときなどの衝撃により分断しにくく、且つ基板を折り曲げたときに比較的容易に分断させることができるものとなる。
請求項5のように、結合部を形成する切込形状部は、基板の厚さ方向中間側ほど幅が狭くなる略V字溝状であることが好ましい。これにより、基板を折るときには、各切込形状部の最深部に応力が集中してこの部分から結合部が分断するので、基板を折るのが容易であると共に、基板を折った後の結合部の分断面も比較的美麗なものとなる。
請求項6のように、この温調マット用基板は、配管配設用の溝が設けられた方の板面に均熱シートが貼着される。
なお、一般的に、この基板が、温調マットのうち谷折りされる部分を構成するのに用いられる場合には、該均熱シートは、この基板の折り部を跨いで設けられる。また、この基板が、温調マットのうち山折りされる部分を構成するのに用いられる場合には、該均熱シートは、この基板の折り部で分断される。
かかる本発明の温調マット用基板を用いて本発明(請求項7)の温調マットを製作するに当っては、温調マットが完成するまで基板を折らずにおく。これにより、基板は、折り部を挟んで隣り合う部分同士が結合部によって連結されたものとなっているので、折り部を挟んで別々の基板を設置する場合に比べて、基板設置作業に掛かる工数が少なくて済む。また、折り部を挟んで隣り合う部分同士が分離しないので、この折り部を横切って温調配管を引き回すのも容易である。これにより、温調マットの製作作業が容易なものとなる。
本発明(請求項8)の温調マットの折り畳み方法にあっては、この温調マットを折り畳む際に、折り部の結合部を分断させるように、基板を折り返す。本発明では、基板の両方の板面に切込形状部が設けられることにより結合部が形成されているので、温調マットを谷折り及び山折りのいずれの方向にも容易に折り畳むことができる。また、基板を折り返すと、基板の該折り部を挟んで隣り合う部分同士が分離するので、基板の厚さに関わらず、山折り及び谷折りのいずれにも温調マットを折り畳むことができる。
第1の実施の形態に係る床暖房マット1の平面図である。 床暖房マット1の基板の配列を示す概略的な平面図である。 図1のIII−III線に沿う断面図である。 図3と同様部分の分解断面図である。 折り部を有する基板Eの平面図である。 図5のVI−VI線に沿う断面図である。 図5のVII−VII線に沿う断面図である。 基板Eの谷折り時及び山折り時の断面図である。 結合部が分断した後の基板Eの平面図である。 折り部を有する基板Bの構成図である。 折り部を有する基板Fの構成図である。 折り部の別の構成例を示す断面図である。 折り部の別の構成例を示す断面図である。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。以下の実施の形態は、床暖房マットへの本発明の適用例である。なお、以下の実施の形態は本発明の一例であり、本発明は以下の実施の形態以外の形態をもとりうる。
[実施の形態に係る温調マットとしての床暖房マット1]
第1図は実施の形態に係る床暖房マット1の平面図、第2図はこの床暖房マット1の基板の配列を示す概略的な平面図、第3図は第1図のIII−III線に沿う断面図、第4図は第3図と同様部分の分解断面図、第5図は折り部を有する基板Eの平面図、第6図(a)は第5図のVI−VI線に沿う断面図、第6図(b)は第6図(a)のB部分の拡大図、第7図(a)は第5図のVII−VII線に沿う断面図、第7図(b)は第7図(a)のB部分の拡大図、第8図(a)はこの基板Eを谷折りしたときの第6図(a)と同様部分の断面図、第8図(b)はこの基板Eを山折りしたときの第6図(a)と同様部分の断面図、第9図は結合部が分断した後の基板Eの平面図、第10図(a)は折り部を有する別の基板Bの平面図、第10図(b)は第10図(a)のB−B線に沿う断面図、第10図(c)は第10図(a)のC−C線に沿う断面図、第11図(a)は折り部を有するさらに別の基板Fの平面図、第11図(b)は第11図(a)のB−B線に沿う断面図、第11図(c)は第11図(a)のC−C線に沿う断面図である。
なお、第1図では均熱シートの図示が省略されている。第2図では、各基板の外形及び折り部のみが図示され、均熱シート、温水配管、配管配設用の溝及び均熱板の図示が省略されている。
第1図に示すように、この床暖房マット1は、略長方形の平面視形状を有している。以下、この床暖房マット1の長辺方向(第1図における左右方向)を左右方向といい、短辺方向の一端側(第1図における下方)を手前側といい、該短辺方向の他端側(第1図における上方)を奥側という。
この実施の形態では、床暖房マット1には、その短辺方向の中間付近に左右方向の折り部Tが設けられると共に、該床暖房マット1を左右方向に略三等分する位置にそれぞれ折り部T,Tが設けられている。この床暖房マット1は、該折り部Tを谷折りすると共に折り部Tを山折りし、次いで折り部Tを山折りするか、あるいは、該折り部Tを山折りすると共に折り部Tを谷折りし、次いで折り部Tを谷折りすることにより、折り畳むことができるように構成されている。
この床暖房マット1は、それぞれ略長方形状の基板A,A’,B,C,D,E,F,G,Hを配列してなる基板連結体と、各基板A〜Hの上面に設けられた温水配管配設用の溝3と、この溝3に収容されて各基板A〜Hに引き回された温水配管4と、この温水配管4が接続されたヘッダ5と、溝3を覆うように各基板A〜Hの上面に貼り付けられた均熱シート6等を備えている。
以下に、第2図を参照して、この床暖房マット1における基板A〜Hの配置について説明する。
<床暖房マット1の折り部Tよりも手前側における基板A〜Hの配置について>
床暖房マット1の折り部Tよりも手前側において、基板A’,A’,B,A,A,B,A,Aが該床暖房マット1の左端から右端までこの順に配列されている。以下、該左端側の基板A’から右端側の基板Aまで順に1列目〜8列目の基板A,A’,Bと呼ぶ。また、この3列目の基板Bを手前左側基板Bと呼び、6列目の基板Bを手前右側基板Bと呼ぶことがある。
これらの基板A,A’,Bは、各々の長辺方向を該床暖房マット1の短辺方向とし、各々の長辺同士を突き合わせるようにして配列されている。基板A,Bは、長辺方向の長さ(以下、単に「長さ」と略すことがある。)が略同等となっており、各々の短辺同士を揃えて配列されている。この実施の形態では、基板A’は、長さが基板A,Bよりも所定寸法だけ短いものとなっている。なお、基板A’の長さは、基板A,Bと略同等であってもよい。各基板A’は、各々の奥側の短辺を各基板A,Bの奥側の短辺に揃えて配列されている。各基板A,A’,Bの短辺方向の幅(以下、単に「幅」と略すことがある。)は略同等となっている。
一般的に、各基板A,Bの長さは、実質的に303mmの整数倍又は151.5mmの整数倍とされる。また、基板A’の長さは、基板Aの長さよりも0〜303mm程度短いものとされる。各基板A,A’,Bの幅は、実質的に303mmとされる。なお、実質的に303mm又は151.5mmとは、若干(例えば±10mm程度)の誤差を許容することをいう。なお、例えば隣り合う各基板A〜H同士の間に、該基板A〜Hの幅方向に間隔をおいて複数本の小根太(図示略)を配設する場合には、これらの基準線間距離(各小根太の幅方向の中間同士の間隔)が実質的に303mmとなるように、各基板A〜Hの幅を決定する。
これらの基板A,Bは、それぞれ、これらの基板A,Bを実質的に303mmの整数倍又は151.5mmの整数倍の所定長さ(例えば1818mm)に成形した長尺の母材を所要寸法にカットして製作される。基板A’は、基板Aと共通の母材から製作されている。
1列目の基板A’の奥側に基板Fが配置され、2列目の基板A’と3列目の基板Bとの奥側に基板Eが配置され、4列目の基板Aと5列目の基板Aとの奥側に基板Cが配置され、6列目の基板Bと7列目の基板Aとの奥側に基板Dが配置され、8列目の基板Aの奥側に基板Gが配置されている。以下、この基板Dを中央手前右側基板Dと呼び、基板Eを中央手前左側基板Eと呼ぶことがある。
また、1列目の基板A’と2列目の基板A’との手前側に基板Hが配置され、3列目の基板Bと4列目の基板Aとの手前側に基板Eが配置され、5列目の基板Aと6列目の基板Bとの手前側に基板Dが配置され、7列目の基板Aと8列目の基板Aとの手前側に基板Cが配置されている。以下、この基板Dを最前右側基板Dと呼び、基板Eを最前左側基板Eと呼ぶことがある。
基板C,D,Eは、それぞれ、長辺方向の長さが基板Aの短辺方向の幅の略2倍となっており、短辺方向の長さは、実質的に303mmとなっている。基板Fは、その短辺方向の幅が基板Aの短辺方向の幅と略同等となっており、その長辺方向の長さは、基板C,D,Eの短辺方向の幅の略2倍となっている。基板Gは、その長辺方向の幅が基板Aの短辺方向の幅と略同等となっており、その短辺方向の幅は、基板C,D,Eの短辺方向の幅と略同等となっている。即ち、この基板Gは、基板Fをその長辺方向の中間付近でカットした如き外形及び大きさとなっている。基板Hは、その長辺方向の長さが基板Aの短辺方向の幅の略2倍となっており、その短辺方向の幅は、実質的に、基板C,D,Eの短辺方向の幅に、基板A,A’の長さの差を加えた寸法となっている。なお、基板Hの幅は、基板C,D,Eの幅と略同等であってもよい。
基板C,D,E,G,Hは、それぞれ、長辺方向を床暖房マット1の長辺方向とし、各々の短辺同士を突き合わせるようにして配列されている。
基板A,A’,Bの列の奥側に配置された基板C,D,E,Gは、各々の手前側の長辺が、隣接する基板A,A’,Bの奥側の短辺に突き合わされていると共に、各々の奥側の長辺は、折り部Tに揃っている。この基板Eの左側の短辺は2列目の基板A’の左側の長辺に揃っており、右側の短辺は3列目の基板Bの右側の長辺に揃っている。基板Cの左側の短辺は4列目の基板Aの左側の長辺に揃っており、右側の短辺は5列目の基板Aの右側の長辺に揃っている。基板Dの左側の短辺は6列目の基板Bの左側の長辺に揃っており、右側の短辺は7列目の基板Aの右側の長辺に揃っている。基板Gの両短辺は8列目の基板Aの両長辺に揃っている。
基板A,A’,Bの列の手前側に配置された基板C,D,E,Hは、各々の奥側の長辺が、隣接する基板A,A’,Bの手前側の短辺に突き合わされていると共に、各々の手前側の長辺は、床暖房マット1の手前側の長辺に揃っている。この基板Hの左側の短辺は1列目の基板A’の左側の長辺に揃っており、右側の短辺は2列目の基板A’の右側の長辺に揃っている。基板Eの左側の短辺は3列目の基板Bの左側の長辺に揃っており、右側の短辺は4列目の基板Aの右側の長辺に揃っている。基板Dの左側の短辺は5列目の基板Aの左側の長辺に揃っており、右側の短辺は6列目の基板Bの右側の長辺に揃っている。基板Cの右側の短辺は7列目の基板Aの右側の長辺に揃っており、左側の短辺は8列目の基板Aの左側の長辺に揃っている。
基板Fは、その長辺方向を床暖房マット1の短辺方向として配置されている。この基板Fは、その手前側の短辺が1列目の基板A’の奥側の短辺に突き合わされており、その両長辺が1列目の基板A’の両長辺に揃っている。この基板Fは、その長辺方向の一半側が折り部Tよりも手前側に位置し、他半側が折り部Tよりも奥側に位置している。
<床暖房マット1の折り部Tよりも奥側における基板A〜Gの配置について>
床暖房マット1の折り部Tよりも奥側においても、基板A,A,B,A,A,B,A,Aが該床暖房マット1の左端から右端までこの順に配列されている。これらの基板A,Bも、各々の長辺方向を該床暖房マット1の短辺方向とし、各々の長辺同士を突き合わせ、且つ各々の両短辺同士を揃えるようにして配列されている。以下、この3列目の基板Bを奥左側基板Bと呼び、6列目の基板Bを奥右側基板Bと呼ぶことがある。
1列目の基板Aの手前側に基板Fの前記他半側が配置され、2列目の基板Aと3列目の基板Bとの手前側に基板Dが配置され、4列目の基板Aと5列目の基板Aとの手前側に基板Cが配置され、6列目の基板Bと7列目の基板Aとの手前側に基板Eが配置され、8列目の基板Aの手前側に基板Gが配置されている。以下、この基板Dを中央奥左側基板Dと呼び、基板Eを中央奥右側基板Eと呼ぶことがある。
また、1列目の基板Aと2列目の基板Aとの奥側に基板Cが配置され、3列目の基板Bと4列目の基板Aとの奥側に基板Dが配置され、5列目の基板Aと6列目の基板Bとの奥側に基板Eが配置され、7列目の基板Aと8列目の基板Aとの奥側に基板Cが配置されている。以下、この基板Dを最奥左側基板Dと呼び、基板Eを最奥右側基板Eと呼ぶことがある。
これらの基板C,D,E,Gも、それぞれ、長辺方向を床暖房マット1の長辺方向とし、各々の短辺同士を突き合わせるようにして配列されている。
基板A,Bの列の手前側に配置された基板C,D,E,Gは、各々の奥側の長辺が、隣接する基板A,Bの手前側の短辺に突き合わされていると共に、各々の手前側の長辺は、折り部Tに揃っている。この基板Dの左側の短辺は2列目の基板Aの左側の長辺に揃っており、右側の短辺は3列目の基板Bの右側の長辺に揃っている。基板Cの左側の短辺は4列目の基板Aの左側の長辺に揃っており、右側の短辺は5列目の基板Aの右側の長辺に揃っている。基板Eの左側の短辺は6列目の基板Bの左側の長辺に揃っており、右側の短辺は7列目の基板Aの右側の長辺に揃っている。基板Gの両短辺は8列目の基板Aの両長辺に揃っている。
基板A,Bの列の奥側に配置された基板C,D,E,Hは、各々の手前側の長辺が、隣接する基板A,Bの奥側の短辺に突き合わされていると共に、各々の奥側の長辺は、床暖房マット1の奥側の長辺に揃っている。1,2列目の基板A,Aの奥側の基板Cの左側の短辺は該1列目の基板Aの左側の長辺に揃っており、右側の短辺は2列目の基板Aの右側の長辺に揃っている。基板Dの左側の短辺は3列目の基板Bの左側の長辺に揃っており、右側の短辺は4列目の基板Aの右側の長辺に揃っている。基板Eの左側の短辺は5列目の基板Aの左側の長辺に揃っており、右側の短辺は6列目の基板Bの右側の長辺に揃っている。7,8列目の基板A,Aの奥側の基板Cの右側の短辺は該7列目の基板Aの右側の長辺に揃っており、左側の短辺は8列目の基板Aの左側の長辺に揃っている。
基板Fの奥側の短辺は1列目の基板Aの手前側の短辺に突き合わされており、その両長辺は1列目の基板Aの両長辺に揃っている。
<折り部T〜Tの配置について>
この床暖房マット1においては、該床暖房マット1の短辺方向の中間付近で対峙する手前側の基板C,D,E,Gの列と奥側の基板C,D,E,Gの列との間が折り部Tとなっている。また、この折り部Tは、基板Fの長辺方向の中間付近も横切っている。
折り部Tは、最前左側基板Eの左半側の左右方向中間付近、手前左側基板Bの左右方向中間付近、中央手前左側基板Eの右半側の左右方向中間付近、中央奥左側基板Dの右半側の左右方向中間付近、奥左側基板Bの左右方向中間付近、及び最奥左側基板Dの左半側の左右方向中間付近を横切っている。
折り部Tは、最前右側基板Dの右半側の左右方向中間付近、手前右側基板Bの左右方向中間付近、中央手前右側基板Dの左半側の左右方向中間付近、中央奥右側基板Eの左半側の左右方向中間付近、奥右側基板Bの左右方向中間付近、及び最奥右側基板Eの右半側の左右方向中間付近を横切っている。
<温水配管4の配設ルートについて>
各基板A,A’,Bの上面には、それぞれ、配管配設用の溝3が4列設けられている。これらの溝3は、左右に間隔をおいて配列されており、それぞれ各基板A,A’,Bの長辺方向に延在している。各溝3の両端は、それぞれ各基板A,A’,Bの両短辺に連なっている。以下、これらの溝3を左側から順に1列目〜4列目の溝3と呼ぶ。各基板A,A’,Bにおいて、隣り合う溝3同士の間隔は略等間隔となっており、1列目の溝3と各基板A,A’,Bの左辺との間隔並びに4列目の溝3と各基板A,A’,Bの右辺との間隔は、それぞれ、隣り合う溝3同士の間隔の略半分となっている。
各基板C,D,E,Hの上面には、該基板C,D,E,Hの短辺方向に延在する溝3が左右に間隔をおいて8列設けられている。以下、これらの溝3を左側から順に1列目〜8列目の溝3と呼ぶ。各基板C,D,E,Hにおいても、隣り合う溝3同士の間隔は略等間隔となっており、1列目の溝3と各基板C,D,E,Hの左辺との間隔並びに8列目の溝3と各基板C,D,E,Hの右辺との間隔は、それぞれ、隣り合う溝3同士の間隔の略半分となっている。
各基板C,D,Eの、これらと隣接する基板A,A’,Bと反対側の長辺近傍には、1列目の溝3と8列目の溝3との一端同士、2列目の溝3と7列目の溝3との一端同士、3列目の溝3と6列目の溝3との一端同士、並びに4列目の溝3と5列目の溝3との一端同士をそれぞれ繋ぐ略コ字状又はU字状の繋ぎ溝3aが設けられている。これらの溝3の他端側は、各基板C,D,Eの隣接する基板A,A’,B側の長辺に連なっている。
これにより、各基板C,D,Eの左半側に突き合わされた基板A,A’,Bの各溝3がそれぞれ該基板C,D,Eの1〜4列目の溝3に連なり、各基板C,D,Eの右半側に突き合わされた基板A,A’,Bの各溝3がそれぞれ該基板C,D,Eの5〜8列目の溝3に連なると共に、該左半側の基板A,A’,Bの1列目の溝3と右半側の基板A,A’,Bの4列目の溝3、該左半側の基板A,A’,Bの2列目の溝3と右半側の基板A,A’,Bの3列目の溝3、該左半側の基板A,A’,Bの3列目の溝3と右半側の基板A,A’,Bの2列目の溝3、該左半側の基板A,A’,Bの4列目の溝3と右半側の基板A,A’,Bの1列目の溝3がそれぞれ基板C,D,Eの各溝3を介して連続したものとなっている。
折り部Tは、最前左側基板Eの2列目及び3列目の溝3,3同士、手前左側基板Bの2列目及び3列目の溝3,3同士、中央手前左側基板Eの6列目及び7列目の溝3,3同士、中央奥左側基板Dの6列目及び7列目の溝3,3同士、奥左側基板Bの2列目及び3列目の溝3,3同士、並びに最奥左側基板Dの2列目及び3列目の溝3,3同士の中間付近を横切っている。
また、折り部Tは、最前右側基板Dの6列目及び7列目の溝3,3同士、手前右側基板Bの2列目及び3列目の溝3,3同士、中央手前右側基板Dの2列目及び3列目の溝3,3同士、中央奥右側基板Eの2列目及び3列目の溝3,3同士、奥右側基板Bの2列目及び3列目の溝3,3同士、並びに最奥右側基板Eの6列目及び7列目の溝3,3同士の中間付近を横切っている。
なお、これらの基板C,D,Eは、各基板A,A’,Bの手前側に配置される場合と奥側に配置される場合とでは、上下逆向きにして配置されている。
この実施の形態では、基板Hの左手前側のコーナー部付近にヘッダ設置用スペース8が設けられている。このヘッダ設置用スペース8は、該基板Hの手前側の長辺を部分的に略長方形状に切り欠くようにして形成されている。
このヘッダ設置用スペース8内には前記ヘッダ5が設置されている。この実施の形態では、該ヘッダ5は、熱源機からの温水供給用配管及び熱源機への温水返送用配管がそれぞれ接続される温水流入口及び温水流出口と、前記温水配管4がそれぞれ接続される2個の温水往口及び温水戻口とを有している。これらの温水往口と温水戻口とが1個ずつ対になってそれぞれ温水循環回路(温水流通経路)を形成する。即ち、このヘッダ5は、温水循環回路を2個形成する2回路用ヘッダである。温水流入口及び温水流出口は、ヘッダ5の手前側の側面に配設されている。温水往口と温水戻口とは、ヘッダ5の左右の側面にそれぞれ1個ずつ配設されており、一方の側面の温水往口と他方の側面の温水戻口とがそれぞれ対をなすように構成されている。
基板Hの1〜4列目の溝3は、それぞれ、該基板Hの手前側の短辺近傍において、このヘッダ設置用スペース8の左側へ回り込むように延在し、各々の該手前側の端部がこのヘッダ設置用スペース8の左側の側辺に連なっている。また、基板Hの5〜8列目の溝3は、それぞれ、該基板Hの手前側の短辺近傍において、このヘッダ設置用スペース8に接近するように延在し、各々の該手前側の端部がこのヘッダ設置用スペース8の右側の側辺に連なっている。基板Hの各溝3の奥側の端部は、該基板Hの奥側の長辺に連なっている。
これにより、基板Hの左半側に突き合わされた基板A’の各溝3がそれぞれ該基板Hの1〜4列目の溝3に連なり、基板Hの右半側に突き合わされた基板A’の各溝3がそれぞれ該基板Hの5〜8列目の溝3に連なったものとなっている。
基板Fの上面には、該基板Fの長辺方向に延在する溝3が左右に間隔をおいて4列設けられている。基板Fにおいても、隣り合う溝3同士の間隔は略等間隔となっており、1列目の溝3と基板Fの左辺との間隔並びに4列目の溝3と基板Fの右辺との間隔は、それぞれ、隣り合う溝3同士の間隔の略半分となっている。これらの溝3は、それぞれ、両端が基板Fの両短辺に連なっている。
これにより、基板Fの手前側に突き合わされた基板A’と、基板Fの奥側に突き合わされた基板Aとの各溝3がそれぞれ基板Fの各溝3に連なり、この基板Fの各溝3を介して、折り部Tよりも手前側の基板A’から該折り部Tよりも奥側の基板Aに各溝3が連続したものとなっている。
基板Gの上面には、該基板Gの長辺方向に延在する溝3が左右に間隔をおいて4列設けられている。基板Gにおいても、隣り合う溝3同士の間隔は略等間隔となっており、1列目の溝3と基板Gの左辺との間隔並びに4列目の溝3と基板Gの右辺との間隔は、それぞれ、隣り合う溝3同士の間隔の略半分となっている。
基板Gにおいては、これと隣接する基板Aと反対側の長辺近傍において、1列目の溝3と4列目の溝3との一端同士並びに2列目の溝3と3列目の溝3との一端同士がそれぞれ略コ字状又はU字状の繋ぎ溝3aによって繋がれている。これらの溝3の他端側は、基板Gの隣接する基板A側の長辺に連なっている。
これにより、基板Gに突き合わされた基板Aの各溝3がそれぞれ該基板Gの各溝3に連なり、この基板Aの1列目と4列目の溝3同士、並びに2列目と3列目の溝3同士がそれぞれ基板Gの各溝3を介して連続したものとなっている。
この結果、基板A〜Hの連結体の上面には、全体として、折り部Tよりも手前側の基板群を巡回するように連続した2条の溝3と、折り部Tよりも奥側の基板群を巡回するように連続した2条の溝3とが形成されている。
詳しくは、折り部Tよりも手前側の基板群を巡回するように連続した2条の溝3は、それぞれ、折り部Tよりも手前側において、ヘッダ設置用スペース8から基板Hの右半側を通って2列目の基板A’に入り、この2列目の基板A’から各基板C,D,Eを介して3列目の基板B、4列目の基板A、5列目の基板A、6列目の基板B、7列目の基板A及び8列目の基板Aの順にジグザグに延在して基板Gに達し、該基板GでUターンした後、往きと逆のルートで2列目の基板A’まで戻り、その後、この2列目の基板A’から基板Hの右半側を通ってヘッダ設置用スペース8に戻るように延在している。
また、折り部Tよりも奥側の基板群上を巡回するように連続した2条の溝3は、それぞれ、ヘッダ設置用スペース8から基板Hの左半側、折り部Tよりも手前側の1列目の基板A’及び基板Fを通って該折り部Tよりも奥側に至り、該折り部Tよりも奥側の基板群において、1列目の基板Aから各基板C,D,Eを介して2列目の基板A、3列目の基板B、4列目の基板A、5列目の基板A、6列目の基板B、7列目の基板A及び8列目の基板Aの順にジグザグに延在して基板Gに達し、該基板GでUターンした後、往きと逆のルートで1列目の基板Aまで戻り、その後、基板F、折り部Tよりも手前側の1列目の基板A’及び基板Hの左半側を通ってヘッダ設置用スペース8に戻るように延在している。
これらの溝3内に2本の温水配管4が引き回されている。これらの温水配管4は、それぞれ、上記の折り部Tよりも手前側の基板群を巡回する各溝3と、折り部Tよりも奥側の基板群を巡回する各溝3とに連続して引き回されている。即ち、各温水配管4は、その延在方向の中間付近がヘッダ設置用スペース8を左右方向に横切るように引き回され、それよりも一端側は、折り部Tよりも手前側の基板群を巡回する溝3(即ちヘッダ設置用スペース8の右側に連なる溝3)内に引き回され、他端側は、折り部Tよりも奥側の基板群を巡回する溝3(即ちヘッダ設置用スペース8の左側に連なる溝3)内に引き回されている。各温水配管4の両端側は、該折り部Tよりも手前側の基板群及び折り部Tよりも奥側の基板群をそれぞれ巡回するように引き回された後、ヘッダ設置用スペース8に戻り、前記ヘッダ5の温水往口と温水戻口とに接続されている。
なお、温水配管4の本数及び各温水配管4の配設ルートは、これに限定されない。
この実施の形態では、第1,3,4図に示すように、各基板A,A’,Bの直線状に延在する各溝3に、それぞれ、該溝3の内面から各基板A,A’,Bの上面まで延在する均熱板7が設けられている。この均熱板7は、第3,4図の通り、各溝3の内面に沿うU字部7aと、該U字部7aの両端(上端)から各基板A,A’,Bの上面に沿って側方に延出する1対のフランジ部7bとを有した略Ω字形断面形状のものである。
各基板A,A’,Bにおいては、この均熱板7のU字部7aが各溝3内に配置され、その上から、温水配管4がこのU字部7a内に嵌め込まれるようにして各溝3に収容されている。
この均熱板7は、アルミや銅等の金属箔よりなる。この均熱板7の厚さは、通常、40〜200μm、特に70〜150μm、とりわけ100μm程度であることが好ましい。
なお、必要に応じ、他の基板C〜Hの各溝3,3aにも、この均熱板7が装着されてもよい。この均熱板7は、省略されてもよい。
温水配管4を上記のように引き回した後、各基板A〜Hの上面を連続して覆うように均熱シート6が配置され、この均熱シート6が各基板A〜Hの上面に接着剤等により貼り付けられている。これにより、基板A〜H群が連結一体化されている。
この均熱シート6は、折り部Tと、山折りされる方の折り部T又はTに沿って分断されており、これにより、基板A〜Hの厚さに関わらず、この部分で床暖房マット1を山折りすることができるようになっている。
<基板B,D,E,Fにおける折り部の構成について>
(1) 基板Eについて
まず、第5〜9図を参照して基板Eの折り部の構成について説明する。なお、第5図においては、この基板Eは、第1図における床暖房マット1の中央手前左側及び最奥右側に配置されたものと同じ姿勢にて図示されている。以下、左右方向は、基板Eがこの中央手前左側及び最奥右側に配置されたときの左右方向をいう。また、各溝3の何列目との呼び方も、基板Eがこの中央手前左側及び最奥右側に配置されたときのものと合致する。なお、この基板Eは、床暖房マット1の最前左側及び中央奥右側に配置されるときには、第5図と上下の向きを逆にして配置される。
第5図に示すように、この基板Eにおいては、6列目及び7列目の溝3,3同士の中間付近に、該基板Eを山折り又は谷折りするための折り部9が設けられている。この折り部9は、基板Eの短辺方向に延在しており、その両端は、該基板Eの両長辺に連なっている。基板Eが床暖房マット1の中央手前左側及び最前左側に配置されたときには、それぞれこの折り部9が該床暖房マット1の折り部Tを構成し、基板Eが床暖房マット1の中央手前右側及び最奥右側に配置されたときには、この折り部9が該床暖房マット1の折り部Tを構成する。以下、基板Eのうち該折り部9よりも左側を左半部10といい、該折り部9よりも右側を右半部11という。
この基板Eにおいては、7列目の溝3と8列目の溝3とが折り部9を横切って該右半部11から左半部10に延在している。
第5図の通り、この8列目の溝3は、右半部11において、該右半部11の奥側の端部近傍で折り部9に接近するように略半円弧状にUターンし、次いで、該右半部11の手前側に向いつつ一旦折り部9から離反して再び折り部9に接近するように略S字形に蛇行した後、該右半部11の奥側に向いつつ折り部9に接近し、該折り部9を横切って左半部10に延在している。
また、7列目の溝3は、右半部11の奥側に向う途中で折り部9側に湾曲して該右半部11の奥側に向いつつ折り部9に接近し、該折り部9を横切って左半部10に延在している。
これらの7列目及び8列目の各溝3は、折り部9近傍において右半部11から左半部10にかけて略S字状に延在しており、これらの7列目及び8列目の各溝3のうち該折り部9を横切る部分は、この折り部9に沿って基板Eの短辺方向に延在したものとなっている。折り部9は、これらの7列目及び8列目の各溝3のうち該折り部9を横切る部分の左右方向の中間付近を通っている。このため、基板Eを折り部9に沿って折り曲げたときには、これらの7列目及び8列目の各溝3のうち該折り部9を横切る部分は、その左右方向の中間付近から左半部10側と右半部11側とに分かれる。
この実施の形態では、折り部9付近に、これらの7列目及び8列目の各溝3の幅を部分的に拡大した拡幅部3bが形成されている。この拡幅部3bは、各溝3の内壁面を折り部9から離反する方向へ所定幅にわたって切り欠くようにして形成されている。7列目及び8列目の溝3同士の間においては、該拡幅部3bは、これらの溝3同士を連通させるように形成されている。
この実施の形態では、折り部9付近において、これらの7列目及び8列目の各溝3は、基板Eをその厚さ方向に貫通したものとなっている。符号3cは、この貫通部を示している。この貫通部3cは、折り部9よりも左半部10側から右半部11側まで各溝3に沿って所定幅にわたって形成されている。また、この貫通部3cは、各溝3の折り部9側の内壁面を切り欠くようにして該折り部9に達している。
この折り部9には、左半部10と右半部11とを連続したものとする結合部12が設けられている。この結合部12は、基板Eが折り部9から折られたときには、第9図のように該左半部10側と右半部11側とに分断するように構成されている。第6図(a),(b)に示すように、この基板Eにおいては、折り部9の長手方向の一部は、該基板Eの上面及び下面にそれぞれ折り部9に沿って設けられた切込形状部12a,12bよりなり、この切込形状部12a,12b同士の間が結合部12となっている。折り部9の長手方向の残りの部分は、第7図(a),(b)に示すように、基板Eをその厚さ方向に貫通した貫通スリット13よりなる。
この実施の形態では、基板Eの奥側の長辺と8列目の溝3との間、並びに基板Eの手前側の長辺と7列目の溝3との間に、それぞれ結合部12が設けられており、残りの部分は貫通スリット13となっている。なお、結合部12の個数及び配置はこれに限定されない。
第6図(b)の通り、この実施の形態では、切込形状部12a,12bは、それぞれ、基板Eの厚さ方向の中間側ほど左右幅が狭くなる略V字溝状となっている。この実施の形態では、切込形状部12aの基板上面からの深さと、切込形状部12bの基板下面からの深さとは、略同等であり、それぞれ基板Eの厚さSの半分よりも小さい深さとなっている。なお、各切込形状部12a,12bはこれに限定されるものではなく、一方が他方よりも深くてもよく、基板Eの厚さSの半分よりも大きい深さとなっていてもよい。これらの切込形状部12a,12bは、基板Eの厚さ方向に対向するように配設されている。各切込形状部12a,12bの幅は、1〜5mm特に2〜3mmであることが好ましい。
結合部12の厚さSは、基板Eの厚さSからこれらの切込形状部12a,12bの深さを差し引いたものである。この結合部12は、基板Eが落下したときなどの衝撃により分断することが無く、且つ基板Eを折り曲げたときに比較的容易に該結合部12を分断させることができる強度となるように、厚さSが決定される。
具体的には、結合部12の厚さSは、基板Eの厚さSの3〜70%程度、特に5〜70%程度、とりわけ8〜24%程度であることが好ましい。
結合部12に対する要求強度にもよるが、基板Eを折り曲げて各結合部12を分断させた後の左半部10及び右半部11の折り部9側の端面を平滑なものとするために、各結合部12の長さは、できるだけ短いことが好ましい。本発明では、この結合部12の長さの合計(1枚の基板に設けられる全ての結合部12の長さの合計)は、折り部9の全長の1〜70%程度、特に10〜70%程度、とりわけ20〜40%程度であることが好ましい。
この実施の形態では、前記貫通スリット13は、基板Eの上面側から下面側まで略等幅となっている。なお、貫通スリット13の形状はこれに限定されない。この貫通スリット13の幅は、1〜5mm特に1.5〜2mmであることが好ましい。
(2) 基板Dについて
基板Dは、基板Eと左右対称の構成となっている。
(3) 基板Bについて
第10図を参照して基板Bの折り部の構成について説明する。
基板Bにおいては、2列目及び3列目の溝3,3同士の中間付近に、該基板Bを山折り又は谷折りするための折り部9が設けられている。この折り部9は、基板Bの長辺方向に延在しており、その両端は、該基板Bの両短辺に連なっている。基板Bが床暖房マット1の手前左側及び奥左側に配置されたときには、それぞれこの折り部9が該床暖房マット1の折り部Tを構成し、基板Bが床暖房マット1の手前右側及び奥右側に配置されたときには、この折り部9が該床暖房マット1の折り部Tを構成する。以下、基板Bのうち該折り部9よりも左側を左半部14といい、該折り部9よりも右側を右半部15という。
第10図(b)の通り、この基板Bにおいても、折り部9には、該左半部14と右半部15とを連続したものとする結合部12が設けられている。この結合部12の構成は、基板Eと同様であり、基板Bが折り部9から折られたときには、この結合部12が左半部14側と右半部15側とに分断する。この結合部12の深さや幅、長さ等の寸法も、基板Eと同様である。この結合部12は、基板Bの長辺方向に間隔をおいて複数個所に設けられている。第10図(c)の通り、折り部9のうち、この結合部12以外の部分は、基板Bを厚さ方向に貫通した貫通スリット13となっている。
前述の通り、この基板Bは、該基板Bを実質的に303mmの整数倍又は151.5mmの整数倍の所定長さ(例えば1818mm)に成形した長尺の母材を所要寸法にカットして製作される。カット後の基板Bの長さも、実質的に303mmの整数倍又は151.5mmの整数倍とされる。従って、基板Bのカット長さを種々変更しても、必ずこの基板Bに結合部12が存在するようにするために、この基板Bの母材には、実質的に151.5mm間隔で結合部12を設けることが好ましい。
なお、結合部12の配置はこれに限定されない。
(4) 基板Fについて
第11図を参照して基板Fの折り部の構成について説明する。
基板Fにおいては、その長辺方向の中間付近に、該基板Fを山折り又は谷折りするための折り部9が設けられている。この折り部9は、基板Fの短辺方向に延在しており、その両端は、該基板Fの両長辺に連なっている。この基板Fの折り部9が床暖房マット1の折り部Tの左端側を構成する。以下、基板Fのうち該折り部9よりも手前側を手前側部分16といい、該折り部9よりも奥側を奥側部分17という。
第11図(a)の通り、基板Fの各溝3は、折り部9を横切って手前側部分16から奥側部分17に延在している。各溝3は、折り部9近傍において該手前側部分16から奥側部分17にかけて略S字状に延在しており、各溝3のうち該折り部9を横切る部分は、この折り部9に沿って基板Bの短辺方向に延在したものとなっている。なお、この実施の形態では、1,2列目の各溝3と3,4列目の各溝3とは、逆向きのS字状に延在している。
第11図(b)の通り、この基板Fにおいても、折り部9には、該手前側部分16と奥側部分17とを連続したものとする結合部12が設けられている。この結合部12の構成は、基板Eと同様であり、基板Fが折り部9から折られたときには、この結合部12が手前側部分16側と奥側部分17側とに分断する。この結合部12の深さや幅、長さ等の寸法も、基板Eと同様である。この結合部12は、1列目の溝3と基板Fの左辺との間、及び4列目の溝3と基板Fの右辺との間にそれぞれ設けられている。第11図(c)の通り、折り部9のうち、この結合部12以外の部分は、基板Fを厚さ方向に貫通した貫通スリット13となっている。
なお、結合部12の個数及び配置はこれに限定されない。
(5) 基板B,D,E,Fの作用効果
このように構成された基板B,D,E,Fにあっては、折り部9を挟んで隣り合う左半部10,14と右半部11,15、又は手前側部分16と奥側部分17がそれぞれ結合部12によって結合されているので、各基板B,D,E,Fを折るまでは、これらをそれぞれ1枚の基板として取り扱うことができる。
また、基板B,D,E,Fの上下両面に切込形状部12a,12bが設けられることにより各結合部12が形成されているので、第8図(a)のように基板B,D,E,Fを谷折りするときにも、第8図(b)のように基板B,D,E,Fを山折りするときにも、容易に基板B,D,E,Fを折り曲げて各結合部12を分断させることができる。
床暖房マット1を製作するに当っては、床暖房マット1が完成するまで基板B,D,E,Fを折らずにおく。これにより、各基板B,D,E,Fは、折り部9を挟んで隣り合う左半部10,14と右半部11,15、又は手前側部分16と奥側部分17がそれぞれ結合部12によって連続したものとなっているので、折り部9を挟んで別々の基板を配列する場合に比べて、基板配列作業に掛かる工数が少なくて済む。また、この折り部9を挟んで隣り合う部分同士が分離しないので、この折り部9を横切って温水配管4を引き回すのも容易である。これにより、床暖房マット1の製作作業が容易なものとなる。
このようにして床暖房マット1を製作した後、この床暖房マット1を折り畳む。この場合、前述の通り、折り部Tを谷折りすると共に折り部Tを山折りし、次いで折り部Tを山折りするか、あるいは、該折り部Tを山折りすると共に折り部Tを谷折りし、次いで折り部Tを谷折りする。
この際、各基板B,D,E,Fには、各々の両方の板面に切込形状部12a,12bが設けられることにより結合部12が形成されているので、床暖房マット1を谷折り及び山折りのいずれの方向にも容易に折り畳むことができる。また、各基板B,D,E,Fを折り返すと、各結合部12が分断して、これらの折り部9を挟んで隣り合う部分同士が分離するので、各基板A〜Hの厚さに関わらず、山折り及び谷折りのいずれの方向にも床暖房マット1を折り畳むことができる。
[折り部9の別の構成例]
i) 上記の実施の形態では、折り部9を構成する切込形状部12a,12bは、それぞれ、各基板B,D,E,Fの厚さ方向中間側ほど幅が狭くなる略V字溝状となっているが、切込形状部の形状はこれに限定されない。
第12図は、この切込形状部のその他の形状の一例を示す、第6図(b)と同様部分の断面図である。
第12図の切込形状部12a’,12b’は、それぞれ、基板Eの上面及び下面から該基板Eの厚さ方向中間側の所定深さまで略等幅とされ、その底面の中央付近に略V字溝状のノッチ12cが形成されたものとなっている。
このように構成された切込形状部12a’,12b’にあっても、基板Eを折り曲げるときには、全体が略V字溝状となっている前述の実施の形態の切込形状部12a,12bと同様に、該ノッチ12cの最深部付近に応力が集中し、この部分から結合部12が分断される。
なお、上記の切込形状部12a,12a’,12b,12b’の形状はあくまで一例であり、切込形状部は、図示以外の種々の形状とすることができる。
ii) 上記の実施の形態では、折り部9の結合部12以外の部分を構成する貫通スリット13は、各基板B,D,E,Fの上面側から下面側まで略等幅となっているが、貫通スリットの形状はこれに限定されない。
第13図(a),(b)は、それぞれ、この貫通スリットのその他の形状の一例を示す、第7図(b)と同様部分の断面図である。
第13図(a)の貫通スリット13’は、基板Eの厚さ方向中間側ほど幅が狭くなる形状となっている。
また、第13図(b)の貫通スリット13’’は、基板Eの上面側ほど幅が狭くなる形状となっている。
なお、第13図(b)とは逆に、基板Eの下面側ほど幅が狭くなるように貫通スリット13’’を形成してもよい。
上記の貫通スリット13,13’,13’’の形状はあくまで一例であり、貫通スリットは、図示以外の種々の形状とすることができる。
iii) 上記の実施の形態では、各基板B,D,E,Fの折り部9の長手方向の一部にのみ結合部12が設けられ、折り部9の長手方向の残りの部分は貫通スリット13により形成されているが、本発明においては、折り部9の全長にわたって結合部12が設けられてもよい。
[床暖房マットのその他の構成]
i) 上記の床暖房マット1は、その上に敷設されるフローリング材等を釘打ちするための小根太を有していないが、例えば隣り合う各基板A,A’,B同士の間にそれぞれ小根太を配設してもよい。
ii) 上記の実施の形態では、全8種類の基板A〜Hを所定枚数ずつ組み合わせて床暖房マット1を構成しているが、基板の種類や枚数はこれに限定されない。例えば、1枚の基板のみによって床暖房マット1が構成されてもよい。
[材質等]
上記の床暖房マット1の各部材の材質の一例として次のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
床暖房マットの基板としては、例えば発泡ポリプロピレン、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリウレタン等の発泡合成樹脂製のボードを用いることができる。発泡合成樹脂としては、断熱性の点から、内部の気泡が独立気泡となっているものが好ましい。この樹脂ボードの代わりに木材等にて基板を構成することもできる。
小根太を設ける場合、この小根太としては、木材や、釘打ち可能な合成木材又は合成樹脂あるいは合成樹脂発泡体等が好ましい。図示は省略するが、小根太本体の上下両面に補強板を貼り付けた構成であってもよい。
均熱シート及び均熱板としては、アルミ又は銅等の金属箔が好ましい。
均熱シートの表面にポリエチレンテレフタレート等のフィルムをラミネートすることにより、床暖房マットの梱包時や運搬時等に均熱シートの破損を防止することができる。なお、このフィルムの材質はポリエチレンテレフタレート以外であってもよい。
温水配管としては、可撓性のポリエチレン等の合成樹脂チューブや銅パイプが例示される。
なお、上記の実施の形態は、いずれも本発明の一例を示すものであり、本発明は図示の構成に限定されない。
例えば、上記の各実施の形態では、各基板A,A’,Bには4条の溝3が構成されているが、溝3の数はこれに限定されない。
本発明の温調マットを構成する基板の枚数は、上記の実施の形態の枚数に限定されない。また、各基板の形状も、上記の実施の形態の形状に限定されない。
上記の実施の形態は、床暖房マットに関するものであるが、本発明の温調マットは、壁や天井等に配置されてもよい。また、水以外のオイル、不凍液等の熱媒体を流通させてもよい。冷媒を流通させて冷房に使用してもよい。
1 床暖房マット
3 配管配設用溝
4 温水配管
5 ヘッダ
6 均熱シート
7 均熱板
7a U字部
7b フランジ部
8 ヘッダ設置用スペース
9,T〜T 折り部
12 結合部
13 貫通スリット
A〜H 基板

Claims (8)

  1. 一方の板面に温調配管配設用の溝が形成された温調マット用基板であって、
    該基板は、山折り又は谷折りされる折り部を有しており、
    該折り部には、該基板の該折り部を挟んで隣り合う部分同士を連続したものとする結合部が設けられており、
    該基板が折られたときには、該結合部が分断されるように構成された温調マット用基板において、
    前記折り部は、該基板の両方の板面に設けられた切込形状部よりなり、一方の板面の切込形状部と他方の板面の切込形状部との間が前記結合部となっていることを特徴とする温調マット用基板。
  2. 一方の板面に温調配管配設用の溝が形成された温調マット用基板であって、
    該基板は、山折り又は谷折りされる折り部を有しており、
    該折り部には、該基板の該折り部を挟んで隣り合う部分同士を連続したものとする結合部が設けられており、
    該基板が折られたときには、該結合部が分断されるように構成された温調マット用基板において、
    該折り部の長手方向の一部は、該基板の両方の板面に設けられた切込形状部よりなり、一方の板面の切込形状部と他方の板面の切込形状部との間が前記結合部となっており、
    該折り部の長手方向の残りの部分は、該基板を貫通した貫通スリットよりなることを特徴とする温調マット用基板。
  3. 請求項2において、該折り部の全長の1〜70%に前記結合部が設けられていることを特徴とする温調マット用基板。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記結合部の基板厚さ方向の幅は、該基板の厚さの3〜70%であることを特徴とする温調マット用基板。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記切込形状部は、前記基板の厚さ方向中間側ほど幅が狭くなる略V字溝状であることを特徴とする温調マット用基板。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、前記一方の板面に均熱シートが貼着されることを特徴とする温調マット用基板。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の基板と、
    該基板の前記溝に配設された温調配管と
    を備えてなる温調マット。
  8. 請求項7の温調マットを前記折り部に沿って折り畳む温調マットの折り畳み方法であって、
    前記折り部の前記結合部を分断させるように、前記基板を折り返すことを特徴とする温調マットの折り畳み方法。
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