以下、図面を参照して実施の形態について説明する。以下の実施の形態は、床暖房マットへの本発明の適用例である。なお、以下の実施の形態は本発明の一例であり、本発明は以下の実施の形態以外の形態をもとりうる。
[第1の実施の形態に係る温調マットとしての床暖房マット1]
第1図は第1の実施の形態に係る温調マットとしての床暖房マット1の平面図、第2図は第1図のII−II線に沿う断面図、第3図は第2図と同様部分の分解断面図、第4図は第1図のIV−IV線に沿う断面図、第5図は第4図と同様部分の分解断面図、第6図は配管収容用溝の湾曲部に温水配管を収容する前の基板の短手辺付近(第1図のVI付近)の斜視図、第7図は第6図のVII−VII線に沿う断面図、第8図は配管収容用溝に温水配管を収容した後の第7図と同様部分の断面図である。
なお、第1図においては、均熱シート及び均熱板の図示が省略されている。
この実施の形態では、床暖房マット1は、それぞれ略長方形状の小マットA〜Hを配列してなる。
これらの小マットA〜Hは、それぞれ、小根太30,30’を挟んで配列された複数枚の略長方形状の基板10〜18と、各基板10〜18の上面に設けられた配管収容用溝2と、この配管収容用溝2に収容されて基板10〜18の上面に引き回された温水配管3と、該配管収容用溝2のうち湾曲して延在した湾曲部2a(第6図)の周囲の基板10〜18の上面から小根太30,30’の上面にかけて連続して貼着された補強シート5と、該配管収容用溝2のうち直線状に延在した直線部2b(第6図)に配設された均熱板6と、これらの温水配管3、補強シート5及び均熱板6を覆うように小マットA〜Hの上面に貼着された均熱シート7と、配管収容用溝2の底部を塞ぐように各基板10〜18の下面に貼り付けられた裏張りシート8等を備えている。
第2〜5図に示すように、この床暖房マット1にあっては、各基板10〜18は、各々の底面に配管収容用溝2が露呈する厚さとなっている。
第2,4図の通り、この実施の形態では、各基板10〜18の上面からの配管収容用溝2の深さは、温水配管3の外径と略等しいものとなっている。即ち、各基板10〜18の厚さも、温水配管3の外径と略等しいものとなっている。
温水配管3は、この実施の形態では、略円形の断面形状となっている。
この実施の形態では、第3,5図の通り、配管収容用溝2の長手方向と直交方向(即ち配管収容用溝2の幅方向)の断面形状は、その底部が該温水配管3の外面に沿うように半円弧状に湾曲した略U字形となっている。この配管収容用溝2の底部の幅方向の中央付近が、各基板10〜18を貫通して各基板10〜18の下面に露呈している。
本発明においては、温水配管3の外径は、通常、5〜10mm、特に6〜7mmであることが好ましい。また、各基板10〜18の厚さは、通常、5〜10mm、特に6〜7mmであることが好ましい。とりわけ、各基板10〜18の厚さは、通常、温水配管3の外径+0.03〜1mm、特に温水配管3の外径+0.08〜0.1mmであることが好ましい。
裏張りシート8は、各基板10〜18の下面に露呈した配管収容用溝2を覆うように各基板10〜18の下面に沿って配置され、接着剤等により各基板10〜18の下面に貼り付けられている。
なお、第2,4図に示すように、この実施の形態では、各基板10〜18に、それぞれ4条の配管収容用溝2が設けられている。該裏張りシート8は、この実施の形態では、細長い帯状のものであり、これらの配管収容用溝2を1条ずつ覆っているが、隣り合う複数の配管収容用溝2を連続して覆うものであってもよく、あるいは各基板10〜18の下面の略全体を覆うものであってもよい。
この実施の形態では、該裏張りシート8は、低熱伝導材よりなる。この低熱伝導材としては、不織布や合成樹脂シートあるいは紙等を用いることができる。
この裏張りシート8の熱伝導率は、通常、0.02〜0.5W/m・k、特に0.02〜0.1W/m・kであることが好ましい。
この実施の形態では、各配管収容用溝2は、各基板10〜18の両短手辺20(第6図)付近よりも長手辺21(第6図)の中間側においては、該長手辺21に沿って直線状に延在した直線部2bとなっており、各基板10〜18の両短手辺20近傍においては、それぞれ、該短手辺20の一端側又は他端側に向って略円弧状に湾曲した湾曲部2aとなっている。即ち、この実施の形態では、各基板10〜18の短手辺20の近傍にそれぞれ配管収容用溝2の湾曲部2aが配置されている。
第1,6図に示すように、この実施の形態では、補強シート5は帯状のシートであり、各基板10〜18の短手辺20に沿ってこれらの基板10〜18の上面及びこれらの間の小根太30,30’の上面に連続して延在するように配設されている。この補強シート5の幅は、各配管収容用溝2の湾曲部2aの全体を覆いうる幅であってもよく、該湾曲部2aが若干、該補強シート5からはみ出す程度の幅であってもよい。なお、この実施の形態では、該補強シート5の幅は、隣り合う基板10〜18同士を連結した後述の連結部33の幅よりも所定幅(例えば10〜50mm)だけ大きなものとなっている。
この補強シート5は、各基板10〜18及び小根太30,30’の上面にのみ貼着されていてもよく、各基板10〜18の短手辺20に沿う側端面及び小根太30,30’の両端面や、床暖房マット1の両端に配置された各基板10,18の外側の長手辺に沿う側端面にまで回り込んで貼着されていてもよい。
本発明においては、補強シート5は、熱伝導性材料よりなることが好ましい。この実施の形態では、補強シート5は、アルミや銅などの金属箔よりなる。この補強シート5の厚さは、1〜100μm、特に30〜60μm、とりわけ40μm程度であることが好ましい。なお、この実施の形態では、該補強シート5として、予め下面に粘着材が付着された金属テープを用いている。
第4,8図の通り、この実施の形態では、補強シート5のうち各配管収容用溝2に重なる部分は、該配管収容用溝2の壁面に沿って該配管収容用溝2内に入り込んでいる。
この実施の形態では、第5,7図に示すように、平たいシート状の補強シート5の素シートが各配管収容用溝2の湾曲部2aを跨いで各基板10〜11の上面及び小根太30,30’の上面に貼り付けられ、次いで、第7図から第8図のように、温水配管3が上方からこの補強シート5の素シートを破断させつつ配管収容用溝2内に押し込まれることにより、この補強シート5の素シートの破断部の両側の縁部がそれぞれ温水配管3に押されて配管収容用溝2内に入り込んだものとなっている。
第4,8図の通り、この補強シート5の配管収容用溝2内に入り込んだ部分は、それぞれ、温水配管3と配管収容用溝2の壁面との間に挟み込まれて該温水配管3の側周面に接している。
第2,3図に示すように、均熱板6は、この実施の形態では、配管収容用溝2の内面に沿うU字部6aと、該U字部6aの両端(上端)から各基板10〜18の上面に沿って側方に延出する1対のフランジ部6bとを有した略Ω字形断面形状のものである。
配管収容用溝2の直線部2bにおいては、この均熱板6のU字部6aが配管収容用溝2内に配置され、その上から、温水配管3がこのU字部6a内に嵌め込まれるようにして配管収容用溝2に収容されている。
この均熱板6は、アルミや銅等の金属箔よりなる。この均熱板6の厚さは、通常、30〜200μm、特に70〜150μm、とりわけ100μm程度であることが好ましい。
均熱シート7は、温調マット1の上面全体を覆う大きさ及び形状となっている。この均熱シート7も、アルミや銅等の金属箔よりなる。この均熱シート7の厚さは、通常、20〜150μm、特に30〜50μm、とりわけ40μm程度であることが好ましい。
第2〜4図に示すように、この実施の形態では、各小根太30,30’は、それぞれ帯板状の小根太本体30aの上下両面に補強板30b,30bを接着剤等で貼り付けてなる。この実施の形態では、これらの小根太本体30aと上下の補強板30b,30bとの厚さの合計は、各基板10〜18の厚さと略同じとなっている。
各小根太30は、隣接する基板10〜18の長側辺に沿って延在し、且つ各々の上面及び下面が、それぞれ隣接する基板10〜18の上面及び下面と略面一状に連続するように配設されている。
以下に、この床暖房マット1の構成についてさらに詳細に説明する。
第1図の通り、小マットA〜Dがこの順に一列に配列され、小マットE〜Hがこの順に、且つ該小マットA〜Dに隣接するように一列に配列されている。
小マットA〜D及びE〜Hは、それぞれ、互いの長辺同士を突き合わせるように配置されている。また、小マットA〜Dの列と小マットE〜Hの列との間では、小マットA,E同士、B,F同士、C,G同士及びD,H同士が、それぞれ、互いの短辺同士を突き合わせるように配置されている。
符号T1は、小マットA,B間及びE,F間の突き合わせ部を示し、T2は小マットB,C間及びF,G間の突き合わせ部を示し、T3は小マットC,D間及びG,H間の突き合わせ部を示し、T4は小マットA〜Dの列と小マットE〜Hの列との間の突き合わせ部を示している。この実施の形態では、小マットA〜H間を該突き合わせ部T1〜T4に沿って折ることにより、床暖房マット1を折り畳むことができるようになっている。
なお、この実施の形態では、小マットB,C同士及びF,G同士は、それぞれ、同一構成の2枚の小マットを、第1図における上下方向を逆向きにして配列したものとなっている。また、小マットF,Gは、小マットB,Cの長辺を小マットEの長辺と略同長さまで延長した如き構成となっており、それ以外の構成は小マットB,Cと同様となっている。小マットHも、小マットDの長辺を小マットEの長辺と略同長さまで延長した如き構成となっており、それ以外の構成は小マットDと同様となっている。
この実施の形態では、小マットAは、3枚の長方形状の基板10〜12と、2本の小根太30,30’とを、各々の長手方向を各小マットAの長辺方向として、該小マットAの短辺方向に交互に配列した構成となっている。
小マットB,C,F,Gは、それぞれ、4枚の長方形状の基板13〜16と、3本の小根太30とを、各々の長手方向を各小マットB,C,F,Gの長辺方向として、各小マットB,C,F,Gの短辺方向に交互に配列した構成となっている。
小マットD,Hは、それぞれ、2枚の長方形状の基板17,18と、1本の小根太30とを、各々の長手方向を各小マットD,Hの長辺方向として、各小マットD,Hの短辺方向に交互に配列した構成となっている。
小マットEは、3枚の長方形状の基板10〜12と、2本の小根太30とを、各々の長手方向を小マットEの長辺方向として、該小マットEの短辺方向に交互に配列した構成となっている。
各基板10〜18は、各々の長側辺を隣接する小根太30,30’に突き合わせるようにして配置されている。各基板10〜18の長さは、各小マットA〜Hの長辺方向の幅と略等しい。また、各小根太30,30’の長さは、隣接する基板10〜18の長さよりも短い。
小マットAの基板10,11間の小根太30’は、長い長小根太31と、短い小小根太32とからなる。該長小根太31は、小小根太32と反対側の端部を基板10,11の一端に揃えて配置され、小小根太32は、長小根太31と反対側の端部を基板10,11の他端に揃えて配置されている。これらの長小根太31と小小根太32との向い合う端部同士の間には、配管引き通し用のスペースがあいている。この小マットAの基板11,12間の小根太30は、その一端と基板11,12の該一端との間に配管引き通し用のスペースをあけ、且つその他端を基板11,12の該他端に揃えて配置されている。
この小マットAの基板10,11同士は、該長小根太31と小小根太32との間のスペースを横切るように形成された連結部33によって連結されている。また、この小マットAの基板11,12同士は、これらの間の小根太30の該他端側を回り込むように形成された連結部33によって連結されている。この基板11,12間の連結部33は、各基板11,12の短手辺20に沿って延在している。
小マットB,C,F,Gにおいては、それぞれ、基板13,14同士の間及び基板15,16同士の間の各小根太30は、一端を各基板13〜16の一端に揃えるようにして配置され、基板14,15同士の間の小根太30は、他端を各基板13〜16の他端に揃えるようにして配置されている。該基板13,14同士及び15,16同士は、それぞれ、各々の間の小根太30の前記他端側を回り込むように形成された連結部33によって連結されている。また、基板14,15同士は、各々の間の小根太30の前記一端側を回り込むように形成された連結部33によって連結されている。これらの連結部33も、各基板13〜16の短手辺20に沿って延在している。
小マットD,Hにおいては、それぞれ、基板17,18同士の間の小根太30は、一端を該基板17,18の一端に揃えるようにして配置されている。該基板17,18同士は、これらの間の小根太30の他端側を回り込むように形成された連結部33によって連結されている。この連結部33も、各基板17,18の短手辺20に沿って延在している。
小マットEにおいては、基板10,11同士の間の小根太30は、一端を該基板10,11の一端に揃えるようにして配置され、基板11,12同士の間の小根太30は、他端を該基板11,12の他端に揃えるようにして配置されている。この小マットEの基板10,11同士は、これらの間の小根太30の前記他端側を回り込むように形成された連結部33によって連結されている。また、この小マットEの基板11,12同士は、これらの間の小根太30の前記一端側を回り込むように形成された連結部33によって連結されている。これらの連結部33も、それぞれ、各基板10〜12の短手辺20に沿って延在している。
第1図の通り、小マットA,Eは、それぞれ、基板12を小マットB,Fの基板13に突き合わせるように配置されている。また、小マットC,Gは、それぞれ、第1図における上下方向を小マットB,Fと逆にして、各々の基板16を該小マットB,Fの基板16に突き合わせるように配置されている。小マットD,Hは、それぞれ、各々の基板17を小マットC,Gの基板13に突き合わせるように配置されている。
以下、小マットA〜Dの列及び小マットE〜Hの列の各小根太30,30’を、それぞれ、第1図において最も左側に配置された小根太30,30’から順に1列目の小根太30,30’、2列目の小根太30、3列目の小根太30、4列目の小根太30、5列目の小根太30、6列目の小根太30、7列目の小根太30、8列目の小根太30、9列目の小根太30及び10列目の小根太30と称する。
第1図の通り、この実施の形態では、小マットA〜Dの列においては、3列目以降の奇数列目の小根太30の前記突き合わせ部T4と反対側の端部(以下、各小根太30,30’の突き合わせ部T4と反対側の端部を外側端部ということがある。)がそれぞれ各小マットA〜Dの該突き合わせ部T4と反対側の辺(以下、各小マットA〜Hの突き合わせ部T4と反対側の辺を外側辺ということがある。)に揃っており、これらの小根太30の該突き合わせ部T4側の端部(以下、各小根太30,30’の突き合わせ部T4側の端部を内側端部ということがある。)と各小マットA〜Dの該突き合わせ部T4側の辺(以下、各小マットA〜Hの突き合わせ部T4側の辺を内側辺ということがある。)との間のスペースにそれぞれ連結部33が配置されている。
また、この小マットA〜Dの列における偶数列目の小根太30の内側端部はそれぞれ各小マットA〜Dの内側辺に揃っており、これらの小根太30の外側端部と各小マットA〜Dの外側辺との間のスペースにそれぞれ連結部33が配置されている。
小マットE〜Hの列においては、奇数列目の小根太30の内側端部がそれぞれ各小マットE〜Hの内側辺に揃っており、これらの小根太30の外側端部と各小マットE〜Hの外側辺との間のスペースにそれぞれ連結部33が配置されている。また、この小マットE〜Hの列における偶数列目の小根太30の外側端部はそれぞれ各小マットE〜Hの外側辺に揃っており、これらの小根太30の内側端部と各小マットE〜Hの内側辺との間のスペースにそれぞれ連結部33が配置されている。
この実施の形態では、小マットEの基板10に、温水配管3が接続されたヘッダー(図示略)が設置されている。この基板10には、その外側辺の基板11と反対側の角部に、方形の切欠状のヘッダー設置部10aが形成されており、このヘッダー設置部10a内にヘッダーが設置されている。ただし、温水配管3への温水供給構造はこれに限定されない。例えば、マット上にヘッダーを配置せず、温水配管3をマットの外に引き出し、マット外において他のマットの温水配管3と合流させて床下に落すようにしてもよい。
各基板10〜18の上面には、それぞれ、4条の配管収容用溝2が設けられている。
小マットB,C,F,Gの基板14,15、小マットD,Hの基板18及び小マットEの基板11においては、各々の4条の配管収容用溝2は、いずれも、該基板10,11,14,15,18の両短手辺20よりも長手辺21の中間側では該長手辺21に沿って直線状に延在し(直線部2b)、両短手辺20の近傍では、それぞれ、該短手辺20に連なる連結部33に向って略四分円弧状に湾曲している(湾曲部2a)。この湾曲部2aから連結部33に向った各配管収容用溝2は、それぞれ、該連結部33を通り、隣接する基板10〜18の各配管収容用溝2に連続している。
基板12,13,16,17においては、各々の4条の配管収容用溝2のうちの2条は、それぞれ、該基板12,13,16,17の両短手辺20よりも長手辺21の中間側では該長手辺21に沿って直線状に延在し、該基板12,13,16,17の連結部33に連なる短手辺20の近傍では、該連結部33に向って略四分円弧状に湾曲している。以下、これらのうち、基板12,13,16,17に隣接する小根太30に近い方を第1の配管収容用溝2といい、該小根太30から遠い方を第2の配管収容用溝2という。
第1図の通り、該第1の配管収容用溝2は、基板12,13,16,17の連結部33と反対側の短手辺20の近傍においては、略半円弧状にUターンし、次いで略S字形に蛇行するように延在して、その末端が基板12,13,16,17の突き合わせ部T1〜T3側の長手辺21に臨んでいる。また、該第2の配管収容用溝2は、基板12,13,16,17の連結部33と反対側の短手辺20に向う途中で突き合わせ部T1〜T3側へ湾曲し、その末端が基板12,13,16,17の該突き合わせ部T1〜T3側の長手辺21に臨んでいる。
なお、第1図の通り、この実施の形態では、該第2の配管収容用溝2の末端近傍の湾曲部は、基板12,13,16,17の連結部33と反対側の短手辺20から若干離隔しており、この第2の配管収容用溝2の末端近傍の湾曲部の周囲の基板12,13,16,17の上面には補強シート5が貼着されていない。ただし、この第2の配管収容用溝2の末端近傍の湾曲部の周囲の基板12,13,16,17の上面にも、補強シート5が貼着されていてもよい。
各基板12,13,16,17の残りの2条の配管収容用溝2は、該基板12,13,16,17に連なる連結部33から該基板12,13,16,17をその略短手辺方向に横切るように延在し、各々の末端は基板12,13,16,17の突き合わせ部T1〜T3側の長手辺21に臨んでいる。以下、これらのうち、基板12,13,16,17の連結部33に連なる短手辺20から遠い方を第3の配管収容用溝2といい、該短手辺20に近い方を第4の配管収容用溝2という。
これらの第3の配管収容用溝2及び第4の配管収容用溝2は、それぞれ、連結部33から離隔するほど該短手辺20から遠ざかるように略四分円弧状に湾曲して延在している。
各基板12,13,16,17の突き合わせ部T1〜T3側の長手辺21において、該基板12,13,16,17の連結部33から遠い方の短手辺20から第1の配管収容用溝2の該長手辺21に臨む端部までの距離は、連結部33に近い方の短手辺20から第4の配管収容用溝2の該長手辺21に臨む端部までの距離と略等距離となっている。また、連結部33から遠い方の短手辺20から第2の配管収容用溝2の該長手辺21に臨む端部までの距離は、連結部33に近い方の短手辺20から第3の配管収容用溝2の該長手辺21に臨む端部までの距離と略等距離となっている。
これにより、隣接する小マットA,B間及びE,F間の基板12,13同士の間、小マットB,C間及びF,G間の基板16,16同士の間、並びに小マットC,D間及びG,H間の基板13,17同士の間においては、突き合わせ部T1〜T3を挟んで各々の第1の配管収容用溝2と第4の配管収容用溝2との端部同士、並びに第2の配管収容用溝2と第3の配管収容用溝2との端部同士が対面し、これらの配管収容用溝2同士が突き合わせ部T1〜T3を横切って連続したものとなっている。
なお、この実施の形態では、これらの配管収容用溝2の端部は、それぞれ、各基板12,13,16,17の突き合わせ部T1〜T3側の長手辺21に沿って延在したものとなっており、この端部に向って各配管収容用溝2が緩やかに湾曲している。また、これらの配管収容用溝2は、各突き合わせ部T1〜T3を挟んで互いに反対側に向って凸となるように湾曲しており、これにより、これらの配管収容用溝2は、各突き合わせ部T1〜T3を跨いで略S字形に連続したものとなっている。
このように端部が突き合わせ部T1〜T3(即ち床暖房マット1の折り線部)に臨む各基板12,13,16,17の配管収容用溝2の湾曲部は、それぞれ、第1図に示すように、できるだけ曲率半径の大きい曲線を描くように湾曲して延在していることが好ましい。特に、第1図の通り、各基板12,13,16,17の4条の配管収容用溝2のうち前記第3の配管収容用溝2の湾曲部の曲率半径が最も大きくなるように構成することが好ましい。
小マットAの基板10,11においては、各々の4条の配管収容用溝2は、いずれも、該基板10の短手辺20よりも長手辺21の中間側では、該長手辺21に沿って直線状に延在しているが、これらのうち小根太30’に最も近い配管収容用溝2と、該小根太30’に2番目に近い配管収容用溝2とは、基板10,11同士の間の連結部33付近において該連結部33よりも小マットAの外側辺側と内側辺側とに分離している。これらの配管収容用溝2の該外側辺側と内側辺側とは、それぞれ、該連結部33の近傍において該連結部33に向って四分円弧状に湾曲しており、基板10,11の小根太30’に最も近い配管収容用溝2の該外側辺側同士、小根太30’に2番目に近い配管収容用溝2の該外側辺側同士、小根太30’に最も近い配管収容用溝2の該内側辺側同士、並びに小根太30’に2番目に近い配管収容用溝2の該内側辺側同士が連結部33を介して連続している。
なお、この実施の形態では、この基板10,11同士の間の連結部33の近傍における各配管収容用溝2の湾曲部には補強シート5が貼着されていないが、この部分にも補強シート5が貼着されていてもよい。
小マットAの基板10においては、小根太30’に最も近い配管収容用溝2と、小根太30’から最も遠い配管収容用溝2とが、それぞれ、基板10の小マットA外側辺側の短手辺20の近傍において、該短手辺20の中間側へ向って略四分円弧状に湾曲して互いに連続したものとなっている。また、この基板10の小根太30’に2番目に近い配管収容用溝2と、小根太30’から2番目に遠い配管収容用溝2とも、それぞれ、基板10の小マットA外側辺側の短手辺20の近傍において、該短手辺20の中間側へ向って略四分円弧状に湾曲して互いに連続したものとなっている。
小マットAの基板11においては、小根太30’に最も近い配管収容用溝2と、小根太30’から最も遠い配管収容用溝2とが、それぞれ、基板10の小マットA内側辺側の短手辺20の近傍において、該短手辺20の中間側へ向って略四分円弧状に湾曲して互いに連続したものとなっている。また、この基板10の小根太30’に2番目に近い配管収容用溝2と、小根太30’から2番目に遠い配管収容用溝2とも、それぞれ、基板10の小マットA内側辺側の短手辺20の近傍において、該短手辺20の中間側へ向って略四分円弧状に湾曲して互いに連続したものとなっている。
この基板11の小マットA外側辺側の短手辺20の近傍においては、各配管収容用溝2は、いずれも、該基板11に連なる連結部33に向って略四分円弧状に湾曲し、該連結部33を通って、隣接する基板12の各配管収容用溝2に連続している。
第1図に示すように、小マットAの基板10においては、各配管収容用溝2の小マットE側の端部は、それぞれ、該基板10の内側辺、即ち小マットA,E同士の突き合わせ部T4に臨んでいる。また、小マットEの基板10においても、各配管収容用溝2の小マットA側の端部は、それぞれ、該基板10の内側辺、即ち小マットA,E同士の突き合わせ部T4に臨んでいる。この小マットA側の各配管収容用溝2と小マットE側の各配管収容用溝2の端部同士は、それぞれ突き合わせ部T4を挟んで対面しており、これにより、各配管収容用溝2は該突き合わせ部T4を跨いで小マットAから小マットEに連続したものとなっている。
小マットAの基板10及び小マットEの基板10の各配管収容用溝2は、それぞれ、該突き合わせ部T4の近傍において略円弧状に湾曲しており、これにより、各々の端部は該突き合わせ部T4に沿って延在したものとなっている。なお、突き合わせ部T4を挟んで小マットA側の各配管収容用溝2の湾曲部と小マットE側の各配管収容用溝2の湾曲部とは、互いに反対方向に湾曲しており、これにより、各配管収容用溝2は、小マットA側から小マットE側にかけて略S字形に延在したものとなっている。
小マットEの基板10においては、4条の配管収容用溝2は、いずれも、該基板10の短手辺20よりも長手辺21の中間側では、該長手辺21に沿って直線状に延在している。これらのうち基板10,11間の小根太30に最も近い配管収容用溝2と、該小根太30に2番目に近い配管収容用溝2とは、該基板10の小マットE外側辺側の短手辺20の近傍において、該基板10に連なる連結部33に向って略四分円弧状に湾曲し、該連結部33を通って、隣接する基板11の4条の配管収容用溝2のうちの2条に連続している。
この基板10の残りの2条の配管収容用溝2は、それぞれ、小マットE外側辺側において、各々の末端が前記ヘッダー設置部10aに臨んでいる。また、隣接する基板11の配管収容用溝2のうち該基板10の配管収容用溝2と連なっていない残りの2条も、それぞれ、基板10,11間の連結部33を通って該基板10上に入り込んだ後、各々の末端が該ヘッダー設置部10aに臨んでいる。
温水配管3は、これらの配管収容用溝2に収容されて基板10〜18に連続して引き回されていると共に、T1〜T4を横切って小マットA〜Hに連続して引き回されている。
この実施の形態では、温水配管3は、一端がヘッダー設置部10a内のヘッダーに接続され、小マットEの基板10から突き合わせ部T4を跨いで小マットAの基板10に引き回され、次いで、この小マットAの基板10から各連結部33及び該小マットAの基板11,12、小マットBの13〜16、小マットCの基板16〜13、小マットDの基板17を通って該小マットDの基板18まで引き回され、次いで、この小マットDの基板18でUターンして、再び各連結部33及び該小マットDの基板17、小マットCの基板13〜16、小マットDの基板16〜13、小マットAの基板12,11を通って該小マットAの基板10に戻り、その後、この小マットAの基板10から突き合わせ部T4を跨いで小マットEの基板10に引き回され、次に、この小マットEの基板10から各連結部33及び該小マットEの基板11,12、小マットFの13〜16、小マットGの基板16〜13、小マットHの基板17を通って該小マットHの基板18まで引き回され、次いで、この小マットHの基板18でUターンして、再び各連結部33及び該小マットHの基板17、小マットGの基板13〜16、小マットFの基板16〜13、小マットEの基板12,11を通って該小マットEの基板10に戻り、他端が前記ヘッダーに接続されている。
なお、温水配管3の配管ルートはこれに限定されない。
この実施の形態では、小マットA〜Dの列において、各小マットA〜Dの内側辺及び外側辺に沿って、それぞれ、該小マットA〜Dの上面に連続して帯状の補強シート5が貼着されている。また、小マットE〜Hの列においても、各小マットE〜Hの内側辺及び外側辺に沿って、それぞれ、該小マットE〜Hの上面に連続して帯状の補強シート5が貼着されている。
前述の通り、この実施の形態では、該補強シート5の幅は、基板10〜18同士を連結した連結部33の幅よりも大きなものとなっている。これにより、連結部33を挟んで隣接した基板10〜18同士の間においても、該連結部33に臨む小根太30の端部の上面に補強シート5が重なるため、補強シート5を基板10〜18間の全ての小根太30の上面に貼着することができる。
この補強シート5により、各基板10〜18の配管収容用溝2の湾曲部2aの周囲部分同士が連結され、且つこの基板10〜18の湾曲部2aの周囲部分が隣接する小根太30,30’に連結されている。
第1図では図示が省略されているが、この実施の形態では、配管収容用溝2のうち該補強シート5が重なっていない直線部2bに均熱板6が配設されている。これにより、配管収容用溝2は、そのほぼ全長にわたって補強シート5及び均熱板6によって覆われたものとなっている。
また、図示は省略するが、この実施の形態では、小マットA〜Dの上面を覆う均熱シート7は、これらの小マットA〜D同士の突き合わせ部T1〜T3を跨いで連続したものとなっている。また、小マットE〜Hの上面を覆う均熱シート7も、これらの小マットE〜H同士の突き合わせ部T1〜T3を跨いで連続したものとなっている。この小マットA〜Dの列を覆う均熱シート7と、小マットE〜Hの列を覆う均熱シート7とは、突き合わせ部T4に沿って分断されている。
即ち、この実施の形態では、小マットA〜Dの列を各突き合わせ部T1〜T3に沿って谷折りすると共に、小マットE〜Hの列も各突き合わせ部T1〜T3に沿って谷折りし、その後、小マットA,E間を突き合わせ部T4に沿って山折りすることにより、床暖房マット1を折り畳むことができるようになっている。
この床暖房マット1の製造方法は次の通りである。まず、基板10〜18及び小根太30,30’を第1図の通り配列して各小マットA〜Hを構築する。なお、裏張りシート8は、予め基板10〜18の下面に張り付けられていてもよく、基板10〜18及び小根太30,30’を配列した以降の工程にて張り付けられてもよい。
次に、小マットA〜Hの内側辺及び外側辺に沿って、これらの小マットA〜Hの上面に平たいシート状の補強シート5の素シートを貼着する。また、各配管収容用溝2の直線部2bに均熱板を配設する。なお、この補強シート5と均熱板6とは、どちらが先に設置されてもよい。
次に、第1図の如く温水配管3を配設する。この際、配管収容用溝2の直線部2bにおいては温水配管3を均熱板6のU字部6a内に嵌め込む。また、配管収容用溝2の湾曲部2aにおいては、第6〜8図のように、温水配管3を、上方から補強シート5を破断させながら配管収容用溝2に押し込む。この温水配管3の押込みに伴い、補強シート5の破断箇所の両側の縁部が温水配管3に押されて配管収容用溝2内に入り込む。
その後、小マットA〜Dの列及び小マットE〜H列の上面をそれぞれ連続して覆うように均熱シート7を配置し、これらの上面に均熱シート7を貼着する。
これにより、床暖房マット1が完成する。
このように構成された床暖房マット1にあっては、各基板10〜18は、各々の上面に設けられた配管収容用の溝2が下面に露呈するほど厚さが小さく、これにより、床暖房マット1の全体の厚さも小さいものとなっている。
図示は省略するが、この床暖房マット1を用いて暖房床を構築する場合には、床下地(例えば床のリフォームの場合には既存の床)上にこの床暖房マット1を敷き、その上に仕上げ床材を敷設する。上記の通り、この床暖房マット1にあっては、厚さが小さいので、この床暖房マット1を敷設した床のレベルと、この床暖房マット1を敷設していない部屋の床レベルとの差を小さく抑えることができる。
また、このように床暖房マット1の厚さが小さいので、その分だけ、この床暖房マット1の上に敷設される仕上げ床材として厚さの大きいものを用いても、床のレベルが過度に高くなることが防止される。このように仕上げ床材として厚さの大きいものを用いることにより、構築された暖房床の強度及び剛性を高めることができる。また、仕上げ床材の選択の自由度も高まる。
この温調マット1にあっては、基板10〜18の上面において配管収容用溝2の湾曲部2aを跨ぎ、且つ各基板10〜18と小根太30,30’との上面同士に跨がるように補強シート5が貼着されている。即ち、各基板10〜18の該湾曲部2aの周囲部分同士、及びこの湾曲部2aの周囲部分と小根太30,30’とが補強シート5によって連結されているので、下面に配管収容用溝2が露呈するほど基板10〜18の厚さが小さくても、基板10〜18の湾曲部2aの周囲部分の剛性が高いものとなっている。そのため、該湾曲部2aに沿って温調用配管3を湾曲させて引き回したときに、各基板10〜18の該湾曲部2aの周囲部分に対し、この温水配管3が真っ直ぐな直管状に戻ろうとする応力が作用しても、該湾曲部2aの周囲部分の変形が防止ないし抑制される。これにより、該湾曲部2aに沿って湾曲して引き回された温水配管3をしっかりと保持することが可能である。
この実施の形態では、略長方形状の基板10〜18の長手辺21に沿って小根太30,30’が配設され、各基板10〜18の短手辺20の近傍に配管収容用溝2の湾曲部2aが配置されているので、基板10〜18の厚さを小さくすると、この基板10〜18の短手辺20と湾曲部2aとの間の部分の剛性が不十分なものとなりやすいが、この床暖房マット1にあっては、補強シート5が各基板10〜18の短手辺20に沿って配設されているので、各基板10〜18の短手辺20と湾曲部2aとの間の部分の剛性が十分に高いものとなっている。
また、この床暖房マット1にあっては、各基板10〜18の下面に、各配管収容用溝2を塞ぐように裏張りシート8が貼り付けられているので、各基板10〜18の下面側の強度も確保される。また、この裏張りシート8により、各配管収容用溝2からの各基板10〜18の下面側への放熱も抑制される。
さらに、この実施の形態では、第2〜5図の通り、各配管収容用溝2の断面形状を略U字形としたことにより、各基板10〜18の下面に露呈する各配管収容用溝2の幅が小さくなっている。このように構成したことによっても、各配管収容用溝2からの各基板10〜18の下面への放熱が抑制される。
この実施の形態では、補強シート5は、金属箔等の熱伝導性材料により構成されており、配管収容用溝2に重なる部分では、この補強シート5は該配管収容用溝2の壁面に沿って該配管収容用溝2内に入り込んでいる。これにより、均熱シート7に直に接触した温水配管3の上面からだけでなく、該配管収容用溝2の壁面と対面した温水配管3の側面からも、この補強シート5を介して均熱シート7に熱が伝達されるので、効率よく床暖房マット1の上面を温めることができる。
この実施の形態では、床暖房マット1を製造するに当って、平たいシート状の補強シート5の素シートを、各基板10〜18の上面において配管収容用溝2の湾曲部2aを跨ぎ、且つ各基板10〜18と各小根太30,30’の上面同士に跨るように貼着した後、温水配管3を上方からこの補強シート5の素シートを破断させて配管収容用溝2に押し込むことにより、この補強シート5を該配管収容用溝2内に入り込ませるようにしている。そのため、補強シート5に予め配管収容用溝2内に入り込む部分を形成しておくことが不要であると共に、補強シート5の位置合わせも容易であるため、床暖房マット1の製造コストの低減や製造工程の簡易化を図ることが可能である。
さらに、この実施の形態では、配管収容用溝2が直線状に延在している部分には、温水配管3と接するように該配管収容用溝2の内面から各基板10〜18の上面にかけて延在する均熱板6を配設しているので、配管収容用溝2が湾曲して延在した部分も、直線状に延在した部分も、全体として略均一に加温されるようになる。
[第2の実施の形態に係る温調マットとしての床暖房マット1A]
第9図は第2の実施の形態に係る温調マットとしての床暖房マット1Aの断面図であり、第10図はこの床暖房マット1Aの分解断面図である。なお、第9図及び第10図は、前述の第2図と同様の部分における断面を示している。
この床暖房マット1Aは、前述の第1〜8図の床暖房マット1において、各基板10〜18(第9,10図では基板10〜12,16〜18は図示略。以下、同様。)に、略U字形断面形状の配管収容用溝2の代わりに、略方形断面形状の配管収容用溝2Aが形成された構成となっている。
第9,10図の通り、この配管収容用溝2Aは、各基板10〜18の上面から下面まで略等幅となっている。
この床暖房マット1Aのその他の構成は、第1〜8図の床暖房マット1と同様となっており、第9,10図において第1〜8図と同一符号は同一部分を示している。
この床暖房マット1Aにあっては、各溝配管収容用溝2Aの断面形状が略方形であり、各基板10〜18の上面から下面まで略等幅となっているので、この配管収容用溝2A付きの基板10〜18の成形が容易である。
なお、この床暖房マット1Aにあっても、略U字形の配管収容用溝2により奏される下面側への放熱抑制効果を除き、床暖房マット1と同様の作用効果が奏される。
[材質等]
上記各部材の材質の一例として次のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
基板としては例えば発泡ポリプロピレン、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリウレタン等の発泡合成樹脂のほか木材等を用いることができる。発泡合成樹脂としては、断熱性の点から、内部の気泡が独立気泡となっているものが好ましい。
本発明においては、裏張りシートは、前述の通り、低熱伝導材よりなることが好ましい。この低熱伝導材としては、不織布や合成樹脂シートあるいは紙等を用いることができる。
小根太としては、木材や、釘打ち可能な合成木材又は合成樹脂あるいは合成樹脂発泡体等が好ましい。
上記の各実施の形態における小根太30,30’のように、小根太本体30aの上下両面に補強板30b,30bを貼り付ける場合には、該小根太本体30aとしては、例えば合板等を用いることができ、補強板30bとしては、金属板又は金属箔や、樹脂板、あるいは金属と樹脂との複合材料よりなる板材等を用いることがきる。なお、この場合、該補強板30bの厚さは、該補強板30bに釘が入る程度のものとする。
ただし、小根太の構成はこれに限定されない。例えば、本発明においては、補強板は小根太本体の上面又は下面の一方にのみ設けられてもよい。また、小根太本体が十分な強度を有していれば、補強板は省略されてもよい。
均熱シート及び均熱板としては、アルミ又は銅等の金属箔が好ましい。
均熱シートの表面にポリエチレンテレフタレート等のフィルムをラミネートすることにより、温調マットの梱包時や運搬時等に均熱シートの破損を防止することができる。なお、このフィルムの材質はポリエチレンテレフタレート以外であってもよい。
温水配管としては、可撓性のポリエチレン等の合成樹脂チューブや銅パイプが例示される。
[その他の構成]
上記の実施の形態は、いずれも本発明の一例を示すものであり、本発明は図示の構成に限定されない。
本発明の温調マットを構成する基板の枚数に特に制限はなく、上記以外の枚数の基板を用いて温調マットを構成してもよい。
本発明においては、配管収容用溝の内側にも、この溝の底部を塞ぐように低熱伝導材が設けられてもよい。また、均熱板が設けられる場合には、この均熱板の外面に低熱伝導材が貼り付けられてもよい。このように構成することにより、基板の下面側への放熱が一層抑制される。
本発明では、少なくとも裏貼りシートの下側に、耐貫通性を有する貫通防止層を設けてもよい。このように構成することにより、例えば床下地の表面がささくれて、鋭く尖った棘が突き出ていても、この棘が裏貼りシートを貫通して温調用配管に突き刺さることが防止される。
この貫通防止層としては、合成樹脂製の単層又は複層シートが好適である。
なお、ワックスが塗布された既存床上に温調マットを敷設して温調床を構築した場合には、この温調マットからの熱により既存床表面のワックスが溶け出すおそれがある。この場合、温調床上を人が歩いたときに、この溶け出したワックスにより温調マットが既存床上を滑って音鳴りすることがある。
そのため、本発明では、貫通防止層の下側に紙又は不織布よりなるワックス吸収層を設けてもよい。このように構成することにより、既存床表面のワックスが溶け出しても、このワックスがワックス吸収層によって吸収されるため、温調マットが滑って音鳴りすることが防止ないし抑制される。
本発明では、貫通防止層自体を紙又は不織布により構成し、この貫通防止層自体がワックスを吸収しうるように構成してもよい。
上記の実施の形態は、床暖房マットに関するものであるが、本発明の温調マットは、壁や天井等に配置されてもよい。また、温水ではなく、冷水を配管に通水して冷房するようにしてもよい。水以外のオイル、不凍液等の熱媒体を流通させてもよい。