JP2009109132A - 温調マット - Google Patents

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Abstract

【課題】小小根太を設けなくとも、フローリング材を小根太に釘留めすることができる温調マットを提供する。
【解決手段】床暖房マット1は、分割マットA〜Hを配列してなる。分割マットEの基板10にヘッダ6が配置されている。ヘッダ6を有しない大部分の基板10〜16同士の間の小根太30は、1本の長い小根太のみにて構成されている。分割マットEの基板10,11間の小根太30’は、該基板10,11の外側辺側に配置された第1小根太30Aと、該基板10,11の内側辺側に配置された第2小根太30Bとを有している。基板10,11の外側辺と第1小根太30Aとの間のスペースに第1連結部32が形成され、第1小根太30Aと第2小根太30Bとの間に第2連結部33が形成されている。ヘッダ6に接続された4本の温水配管3のうち2本が第1連結部32を通り、残り2本が第2連結部33を通って基板10から基板11に引き回されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、床上に敷設される温調マットに係り、特に、温調マットの各基板間に小根太が配置されている温調マットに関する。さらに詳しくは、本発明は、フローリング材がこれらの小根太に跨って配材されて小根太に釘留めされるように施工される温調マットに関する。
基板の上面に温水配管を引き回してなる温水マットを床上に配置し、その上にフローリング材を敷設した暖房床がある。
この温水マットとして、フローリング材を固定するための小根太を備えたものが特開2006−226604号公報に記載されている。
第5図は同号公報の図1の温調マットを示す平面図である。なお、同図では均熱シートの図示が省略されている。
この温調マットは、複数枚の長方形の基板70と、各基板70の長辺同士の間に配置された小根太とを有している。各基板70の上面には溝が設けられ、温調配管71が該溝を通って引き回されている。1つの基板70(70A)の短辺からは小さい方形の切欠状のヘッダ設置部72が設けられ、このヘッダ設置部72内にヘッダが設けられている。
第6図は第5図のヘッダ付近の拡大図(上記公報には図示なし。)である。第6図に示すように、ヘッダ73には、基板70の長辺と平行な1対の側辺にそれぞれ4個の配管接続口74が設けられ、各接続口74にそれぞれ温調配管71の末端が接続されている。上記の小根太は、短い小小根太81と、長い長小根太82とからなり、小小根太81と長小根太82との間には温調配管71を引き通すためのスペース83があいている。
この温調マットを床下地の上面に敷設した後、長方形板状のフローリング材90を、該フローリング材90の長手方向が基板70の長手方向と直交方向となるように敷設し、釘打ちして小根太に固定する。なお、このフローリング材90は、一般に、短手幅が303mm(一尺)である。さらに、一般に、隣り合う小根太の中心間の間隔は303mm(一尺)である。
この釘打ちは、フローリング材90の長側辺に沿って行なわれるが、釘が温調配管71を貫くことがないようにするために、各スペース83の基板70の長手方向の位置を同一としている。即ち、各スペース83を結ぶ直線は、基板70の長手方向と直交方向となっている。
このようにスペース83の位置を揃えるために、各小根太は小小根太81と長小根太82とで構成されている。
特開2006−226604号公報
上記特開2006−226604号公報の温水マットにあっては、各小根太に必ず、温水マットの端辺と小小根太81の端部とが一致するように小小根太81が設けられているので、構成部材点数が多く、コスト高である。
本発明は、小小根太を設けなくとも、ヘッダから温調用配管を温調マットに引き通すことができ、さらに、フローリング材を小根太に釘留めすることができる温調マットを提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の温調マットは、床上に敷設される略方形の平面視形状を有した温調マットであって、該温調マットは、それぞれ、対向する1対の第1の端辺(L)と、該第1の端辺(L)と交叉方向に延在した、対向する1対の第2の端辺(L)とを有する平面視四角形状であり、且つそれぞれ上面に配管収容用の溝が設けられており、該第1の端辺(L)同士を平行にして配列された複数枚の基板と、各基板の該第1の端辺(L)同士の間に配置された小根太と、一部の基板の一方の該第2の端辺(L)近傍に設けられたヘッダと、該ヘッダに連なり、該溝に収容された温調用配管と、各基板の上面を覆うように配置された均熱シートとを有し、前記ヘッダは、該ヘッダを有したヘッダ付き基板の該第1の端辺(L)の小根太に対面する側部にn個(nは2以上)の配管接続口を備え、各配管接続口にそれぞれ前記温調配管が接続されており、該配管接続口に対面する該小根太は、前記一方の第2の端辺(L)側の第1小根太と、該第1小根太と間隔をあけて配置された第2小根太とを有しており、該第1小根太と前記一方の第2の端辺(L)との間に第1のスペースがあいており、第1小根太と第2小根太との間に第2のスペースがあいており、前記ヘッダの前記配管接続口に連なる温調配管の一部のものは該第1のスペースを通って、そして他のものは第2のスペースを通って、それぞれ前記ヘッダ付き基板から、隣接基板に引き回されていることを特徴とするものである。
請求項2の温調マットは、請求項1において、前記ヘッダ付き基板以外の基板同士の間の小根太と、該基板の前記第2の端辺(L)との間に第3のスペースがあいており、該第3のスペースにn本の前記温調配管が引き通されていることを特徴とするものである。
請求項3の温調マットは、請求項1又は2において、前記一方の第2の端辺(L)と前記第1小根太の前記第2小根太側の先端との距離が実質的に303mmの整数倍であることを特徴とするものである。
請求項4の温調マットは、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記基板の第1の端辺(L)方向における前記第2のスペースの幅は実質的に303mm以下であることを特徴とするものである。
請求項5の温調マットは、請求項2ないし4のいずれか1項において、前記基板の第1の端辺(L)方向における前記第1のスペース及び第3のスペースの幅は、それぞれ実質的に151.5mmよりも小さいことを特徴とするものである。
本発明(請求項1)の温調マットにあっては、ヘッダからの温調配管を、第1小根太と第2小根太との間の第2スペースと、第1小根太と基板の一方の第2の端辺(L)との間の第1スペースとに分配させて引き通すため、小小根太を設けなくても、温調用配管を温調マットに引き通すことができる。
従って、本発明によると、小小根太を設けなくてもよくなり、温調マットの製造コストダウンを図ることができる。
請求項2の温調マットにあっては、温調用配管は、小根太と基板の第1の端辺(L)との間の第3のスペースに引き通される。従って、小小根太を設けなくてもよくなり、温調マットの製造コストダウンを図ることができる。
請求項3,4の温調マットにあっては、フローリング材は、その長側辺が第1の小根太と第2の小根太との間の第2のスペースの上に重ならない位置関係にて配材されるようになる。これにより、釘で温調配管を貫くことなく、フローリング材の長側辺を確実に第1又は第2の小根太に釘留めすることができる。
請求項5の温調マットにあっては、複数枚の温調マットを、各々の第3のスペースが対面するように床下地に敷設した場合であっても、両温調マットの第3のスペースの合計長さがフローリング材の短手幅303mm(151.5×2mm)よりも小さいので、必ず、フローリング材を、その両方の長側辺が第3のスペースに重ならないように配材することができる。
なお、前述の通り、一般的に流通している規格品のフローリング材は、通常、短手幅が303mmとなっている。本発明では、実質的に303mmとは、293〜313mmの範囲にあることを表し、実質的に151.5mmとは、141.5〜161.5mmの範囲にあることを表す。
なお、本発明においては、基板の第1の端辺(L)とは、基板の端辺のうち、小根太の長手方向と平行な端辺のことをいい、基板の第2の端辺(L)とは、基板の端辺のうち、小根太の短手方向と平行な端辺のことをいう。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。以下の各実施の形態は、床暖房マットへの本発明の適用例である。なお、以下の各実施の形態は本発明の一例であり、本発明は以下の各実施の形態以外の形態をもとりうる。また、以下の各実施の形態においては、第2図の通り、各基板の長辺が第1の端辺(L)に相当し、各基板の短辺が第2の端辺(L)に相当する。
[実施の形態に係る温調マットとしての床暖房マット1]
第1図は実施の形態に係る温調床マットとしての床暖房マットの平面図、第2図は第1図のII部分(ヘッダー付近)の拡大図、第3図は第1図のIII−III線に沿う断面図、第4図は基板、温調配管としての温水配管及び均熱シートの分解図である。
なお、第1図及び第2図では、均熱シート5の図示が省略されている。
この床暖房マット1は、略長方形の8枚の分割マットA〜Hと、各分割マットA〜Hの上面に設けられた配管収容用の溝4に収容されて該基板A〜Hの上面に引き回された温調配管としての温水配管3と、各分割マットA〜Hの上面を覆う均熱シート5と、該温水配管3が連なるヘッダ6等を有している。
この実施の形態では、分割マットA,D,E,H同士が略同一の形状及び大きさとなっており、互いの長辺の長さ及び互いの短辺の長さがそれぞれ略等しいものとなっている。また、分割マットB,C,F,G同士も略同一の形状及び大きさとなっており、互いの長辺の長さ及び互いの短辺の長さがそれぞれ略等しいものとなっている。なお、この実施の形態では、各分割マットA〜Hは、各々の長辺の長さが略同一寸法となっている。
第1図の通り、分割マットA〜Dがこの順に一列に配列され、分割マットE〜Hがこの順に、且つ該分割マットA〜Dに隣接するように一列に配列されている。
分割マットA〜D及びE〜Hは、それぞれ、互いの長辺同士を突き合わせるように配置されている。また、分割マットA〜Dの列と分割マットE〜Hの列との間では、分割マットA,E同士、分割マットB,F同士、分割マットC,G同士及び分割マットD,H同士がそれぞれ互いの短辺同士を突き合わせるようにして隣接している。
符号Tは分割マットA,B間及びE,F間の突き合わせ部を示し、Tは分割マットB,C間及びF,G間の突き合わせ部を示し、Tは分割マットC,D間及びG,H間の突き合わせ部を示し、Tは分割マットA〜Dの列とE〜Hの列との間の突き合わせ部を示している。
これらの分割マットA〜Hを配列してなる床暖房マット1は、第1図の通り、全体として略長方形の平面視形状を有している。この実施の形態では、分割マットA〜D及びE〜Hの配列方向即ち各分割マットA〜Hの短辺方向が床暖房マット1の長辺方向となっている。各分割マットA〜Hの短辺方向の幅は、実質的に303mm(1尺)の整数倍であることが好ましい。
この実施の形態では、分割マットA,B間、分割マットB,C間、分割マットC,D間、分割マットE,F間、分割マットF,G間、分割マットG,H間及び分割マットA,E間においてそれぞれ各突き合わせ部T〜Tを跨いで一方の分割マットから他方の分割マットに連続して温水配管3が引き回されており、この温水配管3により、分割マットA,B同士、分割マットB,C同士、分割マットC,D同士、分割マットE,F同士、分割マットF,G同士、分割マットG,H同士及び分割マットA,E同士が連結されている。
この実施の形態では、床暖房マット1は、これらの分割マットA,B間、分割マットB,C間、分割マットC,D間、分割マットE,F間、分割マットF,G間、分割マットG,H間及び分割マットA,E間をそれぞれ各突き合わせ部T〜Tに沿って谷折り(折り目が床暖房マット1の下面側に凸となるように折ること)又は山折り(折り目が床暖房マット1の上面側に凸となるように折ること)することにより、小さく折り畳むことが可能である。図示はしないが、床暖房マット1は、巻き形状等の他の形態に畳まれても良い。また、サイズの小さい床暖房マットは、畳まれなくても良い。
この実施の形態では、分割マットA,D,E,Hは、それぞれ、3枚の帯板状(細長い長方形状)の基板10〜12と、2本の小根太30とを、各々の長手方向を各分割マットA,D,E,Hの長辺方向として、各分割マットA,D,E,Hの短辺方向に交互に配列した如き構成となっている。
また、分割マットB,C,F,Gは、それぞれ、4枚の帯板状の基板13〜16と、3本の小根太30とを、各々の長手方向を各分割マットB,C,F,Gの短辺方向として、各分割マットB,C,F,Gの長辺方向に交互に配列した如き構成となっている。
各基板10〜16は、各々の長側辺を隣接する小根太30に突き合わせるようにして配置されている。各基板10〜16の長さは、各分割マットA〜Hの長辺方向の幅と略等しい。また、各小根太30の長さは、各基板10〜16の長さよりも短い。
本発明においては、各基板10〜16の長さは、実質的に303mmの整数倍となっていることが好ましい。また、隣り合う小根太30,30は、各々の幅方向(長手方向と交叉方向)の中間(芯)同士の間隔が実質的に303mmとなるように配列されていることが好ましい。
この実施の形態では、例えば各小根太30の幅が45mmとされ、隣り合う小根太30,30同士の間に配置される各基板11,14,15の幅がそれぞれ258mmとされている。この実施の形態では、後述のように床暖房マット1の外縁に配置される各基板10の幅も258mmとされている。また、小根太30を介さずに隣接する基板に突き合わされる基板12,13,16の幅は、実質的に基板10,11,14,15の半分、即ち129mmとされている。
分割マットA,D,E,Hにおいては、それぞれ、基板10,11同士の間の小根太30は、一端を該基板10,11の一方の短辺の一端に揃えるようにして配置され、基板11,12同士の間の小根太30は、他端を基板11,12の他方の短辺に揃えるようにして配置されている。
また、分割マットB,C,F,Gにおいては、それぞれ、基板13,14同士の間及び基板15,16同士の間の各小根太30は、一端を各基板13〜16の一方の短辺に揃えるようにして配置され、基板14,15同士の間の小根太30は、他端を各基板14〜15の他方の短辺に揃えるようにして配置されている。
各分割マットA,D,Hの基板10,11同士、並びに分割マットB,C,F,Gの基板13,14同士及び15,16同士は、それぞれ、各々の間の小根太30の前記他端側を回り込むように形成された連結部31によって連結されている。また、各分割マットA,D,E,Hの基板11,12同士、並びに各分割マットB,C,F,Gの基板14,15同士は、各々の間の小根太30の前記一端側を回り込むように形成された連結部31によって連結されている。
分割マットEの基板10,11間の小根太30(30’)の構成、及びこの小根太30’を挟んだ基板10,11同士の連結部の構成については、後に詳述する。
第1図の通り、分割マットA,Eは、それぞれ、基板12を分割マットB,Fの基板13に突き合わせるようにして配置されている。また、分割マットC,Gは、それぞれ、第1図における上下方向を分割マットB,Fと逆にして、各々の基板16を該分割マットB,Fの基板16に突き合わせるようにして配置されている。さらに、分割マットD,Hは、それぞれ、第1図における上下方向を分割マットA,Eと逆にして、各々の基板12を分割マットC,Gの基板13に突き合わせるようにして配置されている。
以下、分割マットA〜Dの列及び分割マットE〜Hの列の各小根太30を、それぞれ、第1図において最も左側に配置された小根太30から順に1列目の小根太30、2列目の小根太30、3列目の小根太30、4列目の小根太30、5列目の小根太30、6列目の小根太30、7列目の小根太30、8列目の小根太30、9列目の小根太30及び10列目の小根太30と称することがある。
第1図の通り、この実施の形態では、分割マットA〜Dの列においては、奇数列目の小根太30の前記突き合わせ部Tと反対側の端部(以下、この突き合わせ部Tと反対側の端部を外側端部ということがある。)がそれぞれ各分割マットA〜Dの該突き合わせ部Tと反対側の短辺(以下、この突き合わせ部Tと反対側の短辺を外側辺ということがある。)に揃っており、これらの小根太30の該突き合わせ部T側の端部(以下、この突き合わせ部T側の端部を内側端部ということがある。)と各分割マットA〜Dの該突き合わせ部T側の短辺(以下、この突き合わせ部T側の短辺を内側辺ということがある。)との間のスペースにそれぞれ連結部31が配置されている。
また、この分割マットA〜Dの列における偶数列目の小根太30の内側端部はそれぞれ各分割マットA〜Dの内側辺に揃っており、これらの小根太30の外側端部と各分割マットA〜Dの外側辺との間のスペースにそれぞれ連結部31が配置されている。
分割マットE〜Hの列においては、奇数列目の小根太30の内側端部はそれぞれ各分割マットE〜Hの内側辺に揃っており、これらの小根太30の外側端部と各分割マットE〜Hの外側辺との間のスペースにそれぞれ連結部31が配置されている。また、この分割マットE〜Hの列における偶数列目の小根太30の外側端部はそれぞれ各分割マットE〜Hの外側辺に揃っており、これらの小根太30の内側端部と各分割マットE〜Hの内側辺との間のスペースにそれぞれ連結部31が配置されている。
この実施の形態では、各連結部31が第3のスペースとなっている。本発明においては、各基板10〜16の長辺方向における該連結部31の幅は、実質的に151.5mm(1/2尺)よりも小さいことが好ましい。
この実施の形態では、分割マットEの基板10に前記ヘッダ6が配置されている。この基板10には、その外側辺から方形の切欠状のヘッダ設置部10aが形成されており、このヘッダ設置部10a内にヘッダ6が設置されている。
第2図に示すように、ヘッダ6の該ヘッダ設置部10aの入口側の端部には、暖房床が構築される室の床下地に配設された給湯管及び排湯管(いずれも図示略)がそれぞれ接続される給湯口6a及び排湯口6bが設けられている。この給水口6a及び排水口6bから基板10の外側辺までの間隔(ヘッダ設置部10aのヘッダ6までの奥行き)は、50〜200mm程度となっている。施工性を良くするという観点と、床暖房マット1上面の温度斑を生じ難くするという観点から、好ましくは、75〜100mm程度とされる。床暖房マット1を床下地上に敷設した場合、前記給湯管及び排湯管がこのヘッダ設置部10aの空所内に配置されて該給水口6a及び排水口6bにそれぞれ接続される。
この実施の形態では、該ヘッダ6は、その基板10,11間の小根太30’に対面する側部及びこれと反対側の側部に、それぞれ4個の配管接続口6c(第2図)を備えており、各配管接続口6cにそれぞれ前記温水配管3が設置されている。ヘッダ6の両側部において、これらの配管接続口6c同士は、それぞれ基板10の長辺方向に所定の間隔をあけて配列されている。
なお、この実施の形態では、ヘッダ6の両側部の4個の配管接続口6cのうち、それぞれ、基板10の外側辺に近い方の2個の配管接続口6cが各温水配管3に温水を供給する送り側配管接続口6cとなっており、該外側辺から遠い方の2個の配管接続口6cが各温水配管3から温水を排出する戻り側配管接続口6cとなっている。ただし、送り側配管接続口6cと戻り側配管接続口6cとの配置はこれに限定されない。
この分割マットEの基板10,11間の小根太30’は、該基板10,11の外側辺側に配置された第1小根太30Aと、該第1小根太30Aと間隔をあけて該第1小根太30Aよりも突き合わせ部T側に配置された第2小根太30Bとを有している。該第1小根太30Aは、第2小根太30Bよりも長さが短いものとなっている。
該第1小根太30Aは、基板10,11の外側辺から突き合わせ部T側へ所定距離離隔している。この第1小根太30Aの該突き合わせ部Tと反対側の端部を回り込むようにして、基板10,11同士を連結する第1連結部32が形成されている。また、この第1小根太30Aの突き合わせ部T側の端部と第2小根太30Bの該突き合わせ部Tと反対側の端部との間を横切って、基板10,11同士を連結する第2連結部33が形成されている。該第2小根太30Bの突き合わせ部T側の端部は該突き合わせ部Tに臨んでいる。
この実施の形態では、該第1連結部32が第1のスペースであり、第2連結部33が第2のスペースとなっている。本発明においては、第2図のように、基板10の長辺方向における該第1連結部32の幅Wは、実質的に151.5mmよりも小さいことが好ましい。また、基板10の長辺方向における第2連結部33の幅Wは、実質的に303mmよりも小さいことが好ましい。
本発明においては、基板10の外側辺から第1小根太30Aの突き合わせ部T側の端部までの距離D(第2図)は、実質的に303mmの整数倍であることが好ましい。
この実施の形態では、ヘッダ6の小根太30’側の側部の4個の配管接続口6cのうち、分割マットEの基板10の外側辺に近い方の2個の配管接続口6cにそれぞれ接続された2本の温水配管3が第1連結部32を通って分割マットEの基板10から基板11に引き回され、突き合わせ部Tに近い方の2個の配管接続口6cにそれぞれ接続された2本の温水配管3が第2連結部33を通って分割マットEの基板10から基板11に引き回されている。なお、この温水配管3の他の配管ルートについては、後に詳述する。
この実施の形態では、各基板10〜16の上面に、それぞれ、各基板10〜16の長辺方向に延在する4条の配管収容用の溝4が延設されている。
分割マットEの基板10,11間以外の、連結部31によって連結された基板10〜12同士の間、並びに基板13〜16同士の間においては、これらの溝4同士は該連結部31を通って連続している。
分割マットEの基板10においては、各溝4の突き合わせ部Tと反対側の端部は、ヘッダ設置部10aの小根太30’と反対側に回り込み、ヘッダ6の該小根太30’と反対側の側部の各配管接続口6cにそれぞれ臨んでいる。
この基板10のうち該ヘッダ設置部10aの小根太30’側には、一端がヘッダ6の該小根太30’側の側部の各接続配管口6cにそれぞれ臨む4条の溝4が設けられている。これらの溝4のうち、基板10の外側辺に近い方の2条の溝4は、前記第1連結部32を通って基板11に連続しており、該外側辺から遠い方の2条の溝4は、前記第2連結部33を通って基板11に連続している。
この実施の形態では、分割マットAの基板10及び分割マットEの基板10の各溝4の突き合わせ部T側の端部は、それぞれ、これらの基板10の内側辺(突き合わせ部T側の短辺)に臨んでいる。床暖房マット1を展開した状態においては、突き合わせ部Tを挟んで分割マットAの基板10と分割マットEの基板10との各溝4の端部同士が対面する。これにより、これらの溝4が該突き合わせ部Tを横切って分割マットEの基板10から分割マットAの基板10に連続して延在したものとなる。
この分割マットEの基板10から分割マットAの基板10に連続する各溝4は、これらの基板10の内側辺付近で円弧状に湾曲している。この溝4の分割マットE側と、分割マットA側とは、互いに反対側に向って凸となる円弧形状を呈するように湾曲している。従って、床暖房マット1を展開した状態においては、この溝4は、分割マットEから分割マットAにかけて略S字形に延在したものとなる。
温水配管3は、この溝4に収容され、突き合わせ部Tを横切って分割マットEから分割マットAに連続して引き回されている。また、この温水配管3は、該突き合わせ部T付近において、溝4に沿ってS字形に蛇行している。これにより、この温水配管3のうち突き合わせ部Tに重なる部分は、該突き合わせ部Tに沿って延在したものとなっている。
この実施の形態では、分割マットA,B間、C,D間、E,F間及びG,H間の基板12,13同士の間においても、上記の分割マットA,E間と同様に、各溝4は、突き合わせ部T,Tを横切って基板12から基板13に連続し、且つ該基板12から基板13にかけて略S字形に延在するように延設されている。そして、温水配管3は、この溝4に収容されて、突き合わせ部T,Tを横切って分割マットA,B同士、C,D同士、E,F同士及びG,H同士の間にそれぞれ連続して引き回されており、なおかつ該突き合わせ部T,T付近においてそれぞれ各溝4に沿ってS字形に蛇行し、該突き合わせ部T,Tに重なる部分は該突き合わせ部T,Tに沿って延在したものとなっている。
また、この実施の形態では、分割マットB,C間及びF,G間の基板16,16同士の間においても、上記の分割マットA,E間と同様に、各溝4は、突き合わせ部Tを横切って一方の基板16から他方の基板16に連続し、且つ該一方の基板16から他方の基板16にかけて略S字形に延在するように延設されている。そして、温水配管3は、この溝4に収容されて、突き合わせ部Tを横切って分割マットB,C同士及びF,G同士の間に連続して引き回されており、なおかつ該突き合わせ部T付近においてそれぞれ各溝4に沿ってS字形に蛇行し、該突き合わせ部Tに重なる部分は該突き合わせ部Tに沿って延在したものとなっている。
この実施の形態では、ヘッダー6から小根太30’側及びこれと反対側にそれぞれ2系統の温水配管3が引き回されている。
ヘッダ6から小根太30’側に引き回された2系統の温水配管3は、それぞれ、一端がヘッダ6の該小根太30’側の側部の前記送り側配管接続口6cに接続され、次いで、第1連結部32を通って分割マットEの基板10から基板11に引き回され、次いで、この分割マットEの基板11から各連結部33及び該分割マットEの基板12、分割マットFの基板13〜16、分割マットGの基板16〜13及び分割マットHの基板12,11を通って該分割マットHの基板10まで引き回され、次いで、この分割マットHの基板10でUターンし、再び各連結部31及び該分割マットHの基板11,12、分割マットGの基板13〜16、分割マットFの基板16〜13、分割マットEの基板12を通って該分割マットEの基板11まで戻り、その後、第2連結部33を通って該分割マットEの基板11から基板10に引き回され、他端がヘッダ6の小根太30’側の側部の前記戻り側配管接続口6cに接続されている。
ヘッダ6から小根太30’と反対側に引き回された2系統の温水配管3は、それぞれ、一端がヘッダ6の該小根太30’と反対側の側部の送り側配管接続口6cに接続され、次いで、分割マットEの基板10から突き合わせ部Tを横切って分割マットAの基板10に引き回され、次いで、この分割マットAの基板10から、各連結部31及び該分割マットAの基板11,12、分割マットBの基板13〜16、分割マットCの基板16〜13、分割マットDの基板12,11を通って該分割マットDの基板10まで引き回され、次いで、この分割マットDの基板10でUターンし、再び各連結部31及び該分割マットDの基板11,12、分割マットCの基板13〜16、分割マットBの基板16〜13、分割マットAの基板12,11を通って該分割マットAの基板10に戻り、その後、突き合わせ部Tを横切って分割マットEの基板10に引き回され、他端がヘッダ6の小根太30’と反対側の側部の戻り側配管接続口6cに接続されている。
なお、一般に、この温水配管3としては、可撓性を有する架橋ポリエチレン製パイプが用いられる。この架橋ポリエチレン製パイプの内径φ(第4図)は、ボイラからの給湯時の圧力損失を考慮して一般に5mm程度とされる。この場合、この架橋ポリエチレン製パイプの外径φ(第4図)は7mm程度となる。
このサイズの架橋ポリエチレン製パイプを座屈させないように湾曲させた場合の最小の曲率半径は、約38mm(1/8尺)程度である。そのため、実質的に幅258mmの基板10の該幅方向の中央付近にヘッダ6を配置し、このヘッダ6の小根太30’側の配管接続口6cに接続された温水配管3を該基板10の外側辺側へ湾曲させて第1連結部32に引き回す場合、3本以上の温水配管3を座屈させることなく基板10の外側辺側へ湾曲させて第1連結部32に引き回すのは困難である。従って、この場合、ヘッダ6から2本の温水配管3を第1連結部32に引き回すのに留めておくことが好ましい。
温水配管3を溝4に収容しつつ上記の配管ルートで引き回した後、分割マットA〜Hの上面を覆うように均熱シート材5が配置され、この均熱シート材5が各分割マットA〜Hの上面に接着剤等により貼り付けられている。
このように構成された床暖房マット1を用いて暖房床を構築する手順について次に説明する。
まず、室の床下地のうち床暖房マット配置予定領域を取り囲むようにダミー材(図示略)を配置し、次いで、床暖房マット1を展開してこの床暖房マット配置領域に敷き、この室内に配設された給湯管及び排湯管をそれぞれヘッダ6の給湯口6a及び排湯口6bに接続する。
次に、室の端から、順次、このダミー材と床暖房マット1との上にフローリング材40(第2図)を敷設する。この際、各フローリング材40を、その長手方向が床暖房マット1の各小根太30の延在方向と略直交方向となるように配材する。
フローリング材40は、床暖房マット1上においては、複数の小根太30に跨って配置される。この際、第2図の通り、各フローリング材40の短辺を小根太30に重ねるようにする。そして、各フローリング材40を釘(図示略)で各小根太30に留め付ける。
なお、このフローリング材40は、一般的に流通している規格品のフローリング材であり、短手幅が実質的に303mmであり、長手幅が実質的に303mmの整数倍となっている。この床暖房マット1は、隣り合う小根太30,30の芯同士の間隔が303mmとなっているので、フローリング材40の一方の短辺を小根太30に重ねると、このフローリング材40の他方の短辺も別の小根太30に重なるようになる。
図示は省略するが、分割マットA〜Dの列と分割マットE〜Hの列との突き合わせ部Tにフローリング材40を敷設する際には、該突き合わせ部Tを跨いでフローリング材40が配置される。この際、フローリング材40を、その両長側辺が該突き合わせ部Tと、これに隣接する各連結部31とに重ならないように配置する。そして、このフローリング材1の両長側辺を、各連結部31の両側に位置する小根太30,30上にそれぞれ重ねる。
なお、前述の通り、この床暖房マット1にあっては、各連結部31の幅は実質的に151.5mmよりも小さいので、フローリング材40を突き合わせ部Tに跨るように設置したときに、その両長側辺を、該突き合わせ部Tよりも分割マットA〜D側の各連結部31と、分割マットE〜H側の各連結部31との双方に重ならないように配置することができる。これにより、このフローリング材40の両長側辺を、各連結部31の両側に位置する小根太30に確実に釘打ちすることができる。
この床暖房マット1にあっては、各基板10〜16の長さは実質的に303mmの整数倍となっており、且つ分割マットEの外側辺から第1小根太30Aの突き合わせ部T側の端部までの距離Dが303mmの整数倍となっている。そのため、突き合わせ部T上に配置されるフローリング材40を上記のように配置した場合、分割マットE〜Hの列の外側辺上に配置されるフローリング材40は、その長側辺が第1連結部32に重なることなく、必ず、一方の長側辺が第1小根太30Aに重なり、且つ他方の長側辺がダミー材上に重なるようになる。
また、この床暖房マット1にあっては、第2連結部33の幅は実質的に303mmよりも小さいので、第2図のように、この分割マットE〜Hの外側辺上に配置されるフローリング材40に対し突き合わせ部T側に隣接して配置されるフローリング材40も、その長側辺の少なくとも一方が、必ず、第1小根太30A又は第2小根太30Bに重なるようになる。
これにより、釘で温水配管3を貫くことなく、フローリング材40を確実に小根太30,30A,30Bに釘留めすることができる。
以上の通り、この床暖房マット1にあっては、ヘッダ6を有しない大部分の基板10〜16同士の間の小根太30は、小小根太なしに1本の長い小根太のみにて構成されており、小小根太(第1の小根太30A)は、ヘッダ6を有した分割マットEの基板10,11間の小根太30’にのみ設けられている。そのため、この床暖房マット1によれば、小小根太の数が極めて少数となり、床暖房マットの製造コストダウンを図ることができる。
[材質等]
上記各部材の材質の一例として次のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
温調マットを構成する基板の材質としては、例えば発泡ポリプロピレン、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリウレタン等の発泡合成樹脂のほか、木材等を用いることができる。発泡合成樹脂としては、断熱性の点から、内部の気泡が独立気泡となっているものが好ましい。
小根太としては、木材や、釘打ち可能な合成木材又は合成樹脂が好ましい。
均熱シート材としては、アルミ又は銅の金属箔が好ましい。
温水配管としては、前述の通り、一般的には架橋ポリエチレン製パイプが用いられるが、温水配管の材質はこれに限定されるものではなく、例えば他の合成樹脂製パイプや、銅パイプ等の金属パイプなどが用いられてもよい。
[その他の構成]
上記の実施の形態は、本発明の一例を示すものであり、本発明は図示の構成に限定されない。
例えば、上記の実施の形態では、8枚の略長方形状の分割マットA〜Hを集合状に配列して床暖房マット1を構成しているが、床暖房マット1を構成する分割マットの枚数及び形状はこれに限定されない。また、各分割マットを構成する基板及び小根太の本数や形状なども、図示の構成に限定されない。本発明の床暖房マットは、複数の分割マットに分割されていない、単体のマットにより構成されていてもよい。
上記の実施の形態では1枚の床暖房マット1を床に敷設して暖房床を構築しているが、床面積や床暖房マット1のサイズに応じて、複数枚の床暖房マット1を床に敷接して暖房床を構築してもよい。本発明においては、複数枚の温調マット1を、各々の連結部31同士が対面するように床上に敷設した場合であっても、両温調マット1の該連結部31の合計長さがフローリング材90の短手幅303mm(151.5×2mm)よりも小さいので、必ず、フローリング材90を、その両方の長側辺が連結部31に重ならないように配材することができる。
温水配管3の配管ルートは図示のルートに限定されるものではない。また、上記の実施の形態では床暖房マット1のコーナー部にヘッダ6を配置しているが、ヘッダ6の配置はこれに限定されるものではない。例えば、ヘッダ4は床暖房マットの側辺の中間付近等に配置されてもよい。
上記の実施の形態では温水配管3が直に各溝4内に収容されているが、各溝4の内面から各分割マットA〜Hの上面にかけて熱伝導部材を配材し、温水配管3を、この熱伝導部材に接するように溝4内に収容するよう構成してもよい。このように構成することにより、温水配管3からの熱を、この熱伝導部材を介してより効率よく均熱シート材5に伝えることができる。
上記の実施の形態は、床暖房マットに関するものであるが、本発明の温調マットは、壁や天井等に配置されてもよい。また、温水ではなく、冷水を配管に通水して冷房するようにしてもよい。水以外のオイル、不凍液等の熱媒体を流通させてもよい。
実施の形態に係る温調床マットとしての床暖房マットの平面図である。 図1のII部分(ヘッダー付近)の拡大図である。 図1のIII−III線に沿う断面図である。 図1の床暖房マットの基板、温調配管としての温水配管及び均熱シートの分解図である。 従来例に係る温水マットの平面図である。 図5の温水マットのヘッダ付近の拡大図である。
符号の説明
A〜H 分割マット
1 床暖房マット
3 温水配管
4 溝
6 ヘッダ
5 均熱シート材
10〜16 基板
30,30’ 小根太
30A 第1小根太
30B 第2小根太
31 第3のスペースとしての連結部
32 第1のスペースとしての連結部
33 第2のスペースとしての連結部
40 フローリング材

Claims (5)

  1. 床上に敷設される略方形の平面視形状を有した温調マットであって、
    該温調マットは、
    それぞれ、対向する1対の第1の端辺(L)と、該第1の端辺(L)と交叉方向に延在した、対向する1対の第2の端辺(L)とを有する平面視四角形状であり、且つそれぞれ上面に配管収容用の溝が設けられており、該第1の端辺(L)同士を平行にして配列された複数枚の基板と、
    各基板の該第1の端辺(L)同士の間に配置された小根太と、
    一部の基板の一方の該第2の端辺(L)近傍に設けられたヘッダと、
    該ヘッダに連なり、該溝に収容された温調用配管と、
    各基板の上面を覆うように配置された均熱シートと
    を有し、
    前記ヘッダは、該ヘッダを有したヘッダ付き基板の該第1の端辺(L)の小根太に対面する側部にn個(nは2以上)の配管接続口を備え、各配管接続口にそれぞれ前記温調配管が接続されており、
    該配管接続口に対面する該小根太は、前記一方の第2の端辺(L)側の第1小根太と、該第1小根太と間隔をあけて配置された第2小根太とを有しており、
    該第1小根太と前記一方の第2の端辺(L)との間に第1のスペースがあいており、第1小根太と第2小根太との間に第2のスペースがあいており、
    前記ヘッダの前記配管接続口に連なる温調配管の一部のものは該第1のスペースを通って、そして他のものは第2のスペースを通って、それぞれ前記ヘッダ付き基板から、隣接基板に引き回されていることを特徴とする温調マット。
  2. 請求項1において、前記ヘッダ付き基板以外の基板同士の間の小根太と、該基板の前記第2の端辺(L)との間に第3のスペースがあいており、該第3のスペースにn本の前記温調配管が引き通されていることを特徴とする温調マット。
  3. 請求項1又は2において、前記一方の第2の端辺(L)と前記第1小根太の前記第2小根太側の先端との距離が実質的に303mmの整数倍であることを特徴とする温調マット。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記基板の第1の端辺(L)方向における前記第2のスペースの幅は実質的に303mm以下であることを特徴とする温調マット。
  5. 請求項2ないし4のいずれか1項において、前記基板の第1の端辺(L)方向における前記第1のスペース及び第3のスペースの幅は、それぞれ実質的に151.5mmよりも小さいことを特徴とする温調マット。
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