JP2010216202A - 建物の基礎および基礎の施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プレキャストコンクリート製の立ち上がり部2と、この立ち上がり部2の下部の側面に現場打ちコンクリートを打設してなるフーチング部3とを備えており、立ち上がり部2は、側面にフーチング部3よりも高く現場打ちコンクリートが打設される切欠部2a,2bを有し、この切欠部2a,2b内を下へ延びた後に水平方向に屈曲されてフーチング部3内へ延びるL型鉄筋6が配筋されていることを特徴とする建物の基礎1。これにより、L型鉄筋を、立ち上がり部およびフーチング部に内蔵させることができ、このL型鉄筋によって立ち上がり部とフーチング部とを確実に一体化させることができる。
【選択図】図1
Description
前記立ち上がり部2は、側面に前記フーチング部3よりも高く現場打ちコンクリートが打設される切欠部2a,2bを有し、この切欠部2a,2b内を下へ延びた後に水平方向に屈曲されてフーチング部3内へ延びるL型鉄筋6が配筋されていることを特徴とする建物の基礎。
これによって、このL型鉄筋6によって前記立ち上がり部2とフーチング部3とを確実に一体化させることができるので、単に、前記立ち上がり部2の下部と、現場打ちコンクリートを打設してなる前記フーチング部3とを一体化させる場合に比して、より構造上の強度が高い基礎1を形成することが可能となる。
立ち上がり部2の高さ方向に沿って垂直鉄筋4が配筋され、フーチング部3は立ち上がり部2の幅方向に沿って水平鉄筋5が配筋されるとともに、垂直鉄筋4が外部に露出され、L型鉄筋6は垂直鉄筋4および水平鉄筋5に接合されていることを特徴とする。
前記垂直鉄筋4は、前記立ち上がり部2の上下方向に沿って配置されるとともに、該立ち上がり部2の長さ方向に沿って所定の間隔をあけて並設される複数の縦筋4a,4aと、これら複数の縦筋4a,4a間に架設される複数の横筋4b,4bとからなり、
前記立ち上がり部2の側面を、この立ち上がり部2の長さ方向に沿って切り欠くことによって、前記複数の縦筋4a,4aの一部が外部に露出していることを特徴とする。
また、このように前記立ち上がり部2の側面を、この立ち上がり部2の長さ方向に沿って切り欠くだけで、前記複数の縦筋4a,4aの一部を外部に露出させることができるので、例えば前記立ち上がり部2の側面を、前記複数の縦筋4a,4aの配置箇所に応じて所定の間隔毎に切り欠いて、前記複数の縦筋4a,4aの一部を外部に露出させる場合に比して、前記複数の縦筋4a,4aの一部を外部に容易に露出させることができる。
前記垂直鉄筋4は、前記立ち上がり部2の上下方向に沿って配置されるとともに、該立ち上がり部2の長さ方向に沿って所定の間隔をあけて並設される複数の縦筋4a,4aと、これら複数の縦筋4a,4a間に架設される複数の横筋4b,4bとからなり、
前記立ち上がり部2の側面を、前記複数の縦筋4a,4aの配置箇所に応じて所定の間隔毎に切り欠くことによって、前記複数の縦筋4a,4aの一部が外部に露出していることを特徴とする。
また、このように前記立ち上がり部2の側面を、前記複数の縦筋4a,4aの配置箇所に応じて所定の間隔毎に切り欠くことによって、前記複数の縦筋4a,4aの一部を外部に露出させるので、例えば前記立ち上がり部2の側面の切欠部分に現場打ちコンクリートを充填して、前記複数の縦筋4a,4aおよびL型鉄筋6の一方を埋設するに際し、充填すべきコンクリートの量を最低限に抑えることができる。さらに、例えば前記立ち上がり部2の側面を、この立ち上がり部2の長さ方向に沿って切り欠いて、前記複数の縦筋4a,4aの一部を外部に露出させる場合に比して、コンクリートを充填する手間を軽減することができる。
前記水平鉄筋5は、前記フーチング部3に沿って水平かつ前記立ち上がり部2の複数の横筋4b,4bと平行に配置される複数の第1筋5a,5aと、これら複数の第1筋5a,5aと直交して配置される複数の第2筋5b,5bとを備えることによって格子状に形成されており、
前記複数の第2筋5b,5bは、少なくとも前記複数の縦筋4a,4a同士の並設間隔に対応して配置されていることを特徴とする。
前記フーチング部3を形成すべき位置に、該フーチング部3用の型枠を設置するとともに、この型枠内に前記水平鉄筋5を配置しておき、
前記立ち上がり部2を前記型枠内に設置させた後、この立ち上がり部2の側面に露出する前記垂直鉄筋4の一部に前記L型鉄筋6の一方を接合するとともに、前記水平鉄筋5に前記L型鉄筋6の他方を接合し、
その後、現場打ちコンクリートを、前記型枠内に打設するとともに、前記立ち上がり部2の切欠部分に充填することを特徴とする。
また、前記L型鉄筋6によって、前記垂直鉄筋4と水平鉄筋5とを連結した後、現場打ちコンクリートを、前記型枠内に打設するとともに、前記立ち上がり部2の切欠部分に充填することで、前記垂直鉄筋4およびL型鉄筋6の一方をコンクリート内に埋設することができる。さらに、前記立ち上がり部2の切欠部分に充填された現場打ちコンクリートと、前記フーチング3を形成する現場打ちコンクリートとを一体化させることができる。
これによって、前記立ち上がり部2とフーチング部3とをさらに確実に一体化させることができるので、単に、前記立ち上がり部2の下部と、現場打ちコンクリートを打設してなる前記フーチング部3とを一体化させる場合に比して、より構造上の強度が高い基礎1を形成することが可能となる。
これによって、このL型鉄筋によって立ち上がり部とフーチング部とを確実に一体化させることができるので、単に、立ち上がり部の下部と、現場打ちコンクリートを打設してなるフーチング部とを一体化させる場合に比して、より構造上の強度が高い基礎を形成することが可能となる。
図1は本発明に係る建物の基礎の一例を示す側断面図である。
図1において符号1は、基礎を示す。この基礎1は、プレキャストコンクリート製の立ち上がり部2と、この立ち上がり部2の下部の少なくとも一方の側面に現場打ちコンクリートを打設してなるフーチング部3とを備えている。
この垂直鉄筋4は、前記立ち上がり部2に沿って垂直に配筋されており、前記立ち上がり部2の上下方向に沿って配置されるとともに、該立ち上がり部2の長さ方向に沿って所定の間隔をあけて並設される複数の縦筋4a,4aと、これら複数の縦筋4a,4a間に架設される複数の横筋4b,4bとからなる。
この切欠部2aは、前記立ち上がり部2の側面を、図2に示すように、切欠天面と切欠側面とを有するようにして切欠形成されている。
また、前記複数の縦筋4a,4aは、図1に示すように、該縦筋4aの長さの3分の2程度の長さ分が露出するとともに、図4に示すように、該縦筋4aの半周分の側面が露出した状態となっている。
さらに、本実施の形態においては、前記立ち上がり部2の側面を、この立ち上がり部2の長さ方向に沿って切り欠くことによって前記複数の縦筋4a,4aの一部を外部に露出させるものとするが、これに限られるものではない。すなわち、前記立ち上がり部2の側面を、前記複数の縦筋4a,4aの配置箇所に応じて所定の間隔毎に切り欠くことによって、前記複数の縦筋4a,4aの一部が外部に露出させるようにしてもよい。なお、このような複数の切欠部分を切欠部2bと称する。この切欠部2bは、図3に示すように、切欠天面と複数の切欠側面とを有するようにして切欠形成されている。
そして、このように前記立ち上がり部2の側面を、前記複数の縦筋4a,4aの配置箇所に応じて所定の間隔毎に切り欠くことによって、前記複数の縦筋4a,4aの一部を外部に露出させるので、例えば前記立ち上がり部2の側面の切欠部2b,2b…に現場打ちコンクリートを充填して、前記複数の縦筋4a,4aおよびL型鉄筋6の一方を埋設するに際し、充填すべきコンクリートの量を最低限に抑えることができる。さらに、例えば前記立ち上がり部2の側面を、この立ち上がり部2の長さ方向に沿って切り欠いて、前記複数の縦筋4a,4aの一部を外部に露出させる場合に比して、コンクリートを充填する手間を軽減することができる。
なお、本実施の形態のフーチング部3は、いわゆるベタ基礎を構成するものであるが、布基礎を構成するものであってもよい。また、本実施の形態のフーチング部3は、現場打ちコンクリートを打設してなるものとしたが、これに限られるものではなく、例えば側断面視略凹字型のプレキャストコンクリート製のフーチング部を用いてもよいものとする。
なお、これら複数の第2筋5b,5bは、このように前記複数の縦筋4a,4a同士の並設間隔に対応して配置されているが、これら複数の縦筋4a,4a同士の並設間隔に対応して配置された分よりも多くの第2筋5bを用いて前記水平鉄筋5を形成してもよいものとする。つまり、例えば前記複数の縦筋4a,4a同士の並設間隔に対応して配置された分の第2筋5b,5b…の間に、さらに該複数の第2筋5b,5bに平行する第2筋5bを複数配置してもよい。
なお、このL型鉄筋6は、鉄筋を90度に曲げて形成されている。また、上述のように前記垂直鉄筋4および水平鉄筋5に接合される際は例えば溶接によって接合される。
なお、図2に示すように、前記L型鉄筋6を、前記垂直鉄筋4と水平鉄筋5とを連結する方法と、前記立ち上がり部2およびフーチング部3の内部に定着させる方法とを併用してもよいし、いずれか一方の方法のみを採用して基礎1を構築してもよいものとする。
図1に示すように前記水平鉄筋5を該フーチング部3の所定の高さ位置に配筋する場合は、前記型枠内に前記水平鉄筋3を配筋したい高さまでコンクリートを打設しておき、その上から前記水平鉄筋5を配置することで、この水平鉄筋5を前記フーチング部3の所定の高さに配筋できる。
また、この時、前記水平鉄筋5の複数の第1筋5a,5aはコンクリートに埋設して、複数の第2筋5b,5bだけを外部に露出させるようにしてもよい。
そして、前記複数の縦筋4a,4aに前記L型鉄筋6の一方を接合するとともに、前記水平鉄筋5の複数の第2筋5b,5bに前記L型鉄筋6の他方を接合する。
なお、その際は、前記フーチング部3の方から先にコンクリートを打設して形成し、このコンクリートが固化する前に該L型鉄筋6を埋設し、その後、前記切欠部2aにコンクリートを打設する方法を採用する。
以上のようにして、前記垂直鉄筋4と水平鉄筋5とを一体化させるとともに、前記立ち上がり部2とフーチング部3とを一体化させて、建物の基礎1を形成する。
これによって、このL型鉄筋6によって前記立ち上がり部2とフーチング部3とを確実に一体化させることができるので、単に、前記立ち上がり部2の下部と、現場打ちコンクリートを打設してなる前記フーチング部3とを一体化させる場合に比して、より構造上の強度が高い基礎1を形成することが可能となる。
また、このように前記立ち上がり部2の側面を、この立ち上がり部2の長さ方向に沿って切り欠くだけで、前記複数の縦筋4a,4aの一部を外部に露出させることができるので、例えば前記立ち上がり部2の側面を、前記複数の縦筋4a,4aの配置箇所に応じて所定の間隔毎に切り欠いて、前記複数の縦筋4a,4aの一部を外部に露出させる場合に比して、前記複数の縦筋4a,4aの一部を外部に容易に露出させることができる。
また、前記L型鉄筋6によって、前記垂直鉄筋4と水平鉄筋5とを連結した後、現場打ちコンクリートを、前記型枠内に打設するとともに、前記立ち上がり部2の切欠部2aに充填することで、前記複数の縦筋4a,4aおよびL型鉄筋6の一方をコンクリート内に埋設することができる。さらに、前記切欠部2aに充填された現場打ちコンクリートと、前記フーチング3を形成する現場打ちコンクリートとを一体化させることができる。
これによって、前記立ち上がり部2とフーチング部3とをさらに確実に一体化させることができるので、単に、前記立ち上がり部2の下部と、現場打ちコンクリートを打設してなる前記フーチング部3とを一体化させる場合に比して、より構造上の強度が高い基礎1を形成することが可能となる。
2 立ち上がり部
2a 切欠部
2b 切欠部
3 フーチング部
4 垂直鉄筋
4a 縦筋
4b 横筋
5 水平鉄筋
5a 第1金
5b 第2筋
6 L型鉄筋
Claims (6)
- プレキャストコンクリート製の立ち上がり部と、この立ち上がり部の下部の少なくとも一方の側面に現場打ちコンクリートを打設してなるフーチング部とを備える建物の基礎において、
前記立ち上がり部は、側面に前記フーチング部よりも高く現場打ちコンクリートが打設される切欠部を有し、この切欠部内を下へ延びた後に水平方向に屈曲されてフーチング部内へ延びるL型鉄筋が配筋されていることを特徴とする建物の基礎。 - 請求項1に記載の建物の基礎において、
立ち上がり部の高さ方向に沿って垂直鉄筋が配筋され、フーチング部は立ち上がり部の幅方向に沿って水平鉄筋が配筋されるとともに、垂直鉄筋が外部に露出され、L型鉄筋は垂直鉄筋および水平鉄筋に接合されていることを特徴とする建物の基礎。 - 請求項2に記載の建物の基礎において、
前記垂直鉄筋は、前記立ち上がり部の上下方向に沿って配置されるとともに、該立ち上がり部の長さ方向に沿って所定の間隔をあけて並設される複数の縦筋と、これら複数の縦筋間に架設される複数の横筋とからなり、
前記立ち上がり部の側面を、この立ち上がり部の長さ方向に沿って切り欠くことによって、前記複数の縦筋の一部が外部に露出していることを特徴とする建物の基礎。 - 請求項2に記載の建物の基礎において、
前記垂直鉄筋は、前記立ち上がり部の上下方向に沿って配置されるとともに、該立ち上がり部の長さ方向に沿って所定の間隔をあけて並設される複数の縦筋と、これら複数の縦筋間に架設される複数の横筋とからなり、
前記立ち上がり部の側面を、前記複数の縦筋の配置箇所に応じて所定の間隔毎に切り欠くことによって、前記複数の縦筋の一部が外部に露出していることを特徴とする建物の基礎。 - 請求項3または4に記載の建物の基礎において、
前記水平鉄筋は、前記フーチング部に沿って水平かつ前記立ち上がり部の複数の横筋と平行に配置される複数の第1筋と、これら複数の第1筋と直交して配置される複数の第2筋とを備えることによって格子状に形成されており、
前記複数の第2筋は、少なくとも前記複数の縦筋同士の並設間隔に対応して配置されていることを特徴とする建物の基礎。 - 請求項2〜5のいずれか一項に記載の建物の基礎を施工する施工方法であって、
前記フーチング部を形成すべき位置に、該フーチング部用の型枠を設置するとともに、この型枠内に前記水平鉄筋を配置しておき、
前記立ち上がり部を前記型枠内に設置させた後、この立ち上がり部の側面に露出する前記垂直鉄筋の一部に前記L型鉄筋の一方を接合するとともに、前記水平鉄筋に前記L型鉄筋の他方を接合し、
その後、現場打ちコンクリートを、前記型枠内に打設するとともに、前記立ち上がり部の切欠部分に充填することを特徴とする基礎の施工方法。
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