JP2016098565A - ボックスカルバート及びその構築工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プレキャストコンクリートブロックを用いながら、より高い施工性と経済性とを両立できるボックスカルバート及びその構築方法を提供することを目的とする。
【解決手段】高さ方向Hに対して幅方向Wが広い矩形断面のボックスカルバート1を、両側の側壁上部12と頂部11とが一体構成され、プレキャストコンクリートで構成した頂部門型部材10と、側壁本体部21と床版側方部22とが一体構成され、プレキャストコンクリートで構成した側部L型部材20と、現場打ちコンクリートで構成した床版中央部材30とで構成し、頂部門型部材10における高さ方向接合部3を剛結構造Fで構成するとともに、幅方向接合部2をヒンジ接合構造Pで構成した。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば、送水路や道路トンネルなどを構成するボックスカルバート及びその構築工法に関する。
従来から、送水路や道路トンネルなどを地中に構成したり、アンダーパスするために、例えば、プレキャストコンクリートブロックを組付けて構成するプレキャストボックスカルバートがある(特許文献1参照)。
このようなプレキャスト製ボックスカルバートは、道路トンネルのような大型矩形断面である場合、運搬や据付の観点から、断面方向において複数のブロックに分割して構成する必要があり、例えば、特許文献1に記載のボックスカルバートのように矩形断面を上下2分割にしたり、さらに大型のボックスカルバートの場合、矩形断面における頂版部、側部、及び底版の中央付近で分割し、隅角部を跨ぐL型のブロックに分割したりする。
しかしながら、このように分割しても、ブロック自体の大型化に伴い、その施工機械も大型化する必要があり現場打ちコンクリートで構成するボックスカルバートに比べて経済性が低くなるとともに、ブロック同士の連結作業がより高所での作業になるなど、低下する経済性を補う施工性のメリットも減少するおそれがあった。
特開平5−263456号公報
そこで、この発明は、プレキャストコンクリートブロックを用いながら、より高い施工性と経済性とを両立できるボックスカルバート及びその構築方法を提供することを目的とする。
この発明は、高さ方向に対して幅方向が広い矩形断面のボックスカルバートであって、両側の側壁上部と頂部とが一体構成され、プレキャストコンクリートで構成した頂部門型部材と、側壁本体部と床版側方部とが一体構成され、プレキャストコンクリートで構成した側部L型部材と、現場打ちコンクリートで構成した床版中央部材とで構成し、前記頂部門型部材における前記側壁上部の下端と、前記側部L型部材のおける前記側壁本体部の上端部とによる接合部を、剛結構造で接合するとともに、前記側部L型部材における床版側方部の幅方向内側端部と前記床版中央部材の幅方向外側端部とによる接合部を、ヒンジ結合構造で接合したことを特徴とする。
また、この発明は、高さ方向に対して幅方向に広い矩形断面のボックスカルバートを構築する構築工法であって、側壁本体部と床版側方部とが一体構成され、プレキャストコンクリートで構成した側部L型部材を幅方向に所定間隔を隔てて対向配置する側部L型部材設置工程と、両側の側壁上部と頂部とが一体構成され、プレキャストコンクリートで構成した頂部門型部材を、幅方向に所定間隔を隔てて対向配置した前記側部L型部材の上部に配置するとともに、前記頂部門型部材における前記側壁上部の下端と、前記側部L型部材のおける前記側壁本体部の上端部とによる接合部を剛結構造で接合する頂部門型部材設置工程と、前記側部L型部材の前記床版側方部同士の間に、前記側部L型部材における床版側方部の幅方向内側端部と前記床版中央部材の幅方向外側端部とによる接合部をヒンジ結合構造で接合するように、現場打ちコンクリートで床版中央部を構築する床版中央部構築工程とを行うことを特徴とする。
上記ヒンジ結合構造は、接合部を跨いでメナーゼ筋を配置したメナーゼ構造などいわゆるピン結合構造と呼ばれ、接合部に作用するせん断力に抗するとともに、曲げ負荷の伝達を抑制することができる接合部構造とすることができる。
これらの発明により、プレキャストコンクリートブロックを用いながら、より高い施工性と経済性とを両立することができる。
詳述すると、高さに対して幅方向に広い矩形断面のボックスカルバートを、両側の側壁上部と頂部とが一体構成され、プレキャストコンクリートで構成した頂部門型部材と、側壁本体部と床版側方部とが一体構成され、プレキャストコンクリートで構成した側部L型部材とを備えるとともに、経済性の高い現場打ちコンクリートで作業性の高い床版中央部材を構成するため、より高い施工性と経済性とを両立することができる。
また、側壁部を構成する側部L型部材を、側壁本体部と床版側方部とを一体構成しているため、施工中において、床版側方部によって側部L型部材は自立し、容易に施工することができる。
さらにまた、前記側部L型部材における床版側方部の幅方向内側端部と前記床版中央部材の幅方向外側端部とによる接合部を、ヒンジ結合構造で接合することによって、例えば、前記側部L型部材における床版側方部と、前記床版中央部材とを一体化する、つまり、機械式継ぎ手などを用いて、前記側部L型部材における床版側方部の鉄筋と、前記床版中央部材の鉄筋とを連結するとともに、一体化するように、床版側方部の端面の目荒らし等を行うことなく、容易に施工することができる。
なお、側部L型部材を所定位置に配置する側部L型部材設置工程と、頂部門型部材を前記側部L型部材の上部に配置する頂部門型部材設置工程とを行ってから、前記側部L型部材の前記床版側方部同士の間に、前記側部L型部材における床版側方部の幅方向内側端部と前記床版中央部材の幅方向外側端部とによる接合部をヒンジ結合構造で接合するように、現場打ちコンクリートで床版中央部を構築する床版中央部構築工程とを行うため、例えば、床版中央部を構築してから、側部L型部材設置工程と頂部門型部材設置工程とを行う場合に比べて床版中央部に作用する負荷を低減することができる。
詳述すると、例えば、床版中央部を構築してから、側部L型部材設置工程と頂部門型部材設置工程とを行う場合、側部L型部材と頂部門型部材の重量によって床版中央部に大きな反力が作用するが、側部L型部材設置工程と頂部門型部材設置工程とを行ってから、床版中央部構築工程を行うため、側部L型部材と頂部門型部材とが地盤で支持された状態で床版中央部を構築するため、側部L型部材と頂部門型部材の重量による反力が床版中央部に作用することがなく、床版中央部の強度を低減、つまり床版の厚みを薄くすることができる。さらには、前記側部L型部材における床版側方部の幅方向内側端部と前記床版中央部材の幅方向外側端部とによる接合部を、ヒンジ結合構造で接合するため、矩形断面のボックス構造としての曲げ負荷が床版中央部に伝達されず、床版中央部の強度をさらに低減、つまり床版の厚みをさらに薄くすることができる。
この発明の態様として、前記ヒンジ結合構造を、前記接合部を跨ぐように、前記接合部が離間する方向に沿って配置する棒状の結合棒状体と、該結合棒状体を前記床版側方部と前記床版中央部材の両方のそれぞれに定着する定着部とを備えた結合部材で構成することができる。
上記結合棒状体は、PC鋼棒のように降伏耐力が高い高降伏耐力材や一般的に使用される異形棒鋼や丸鋼などの鉄筋などを含む概念である。
上記定着部は、異形棒鋼のように周面に形成し、摩擦抵抗を増大させるための節と呼ばれる凹凸や、表面が平滑な丸鋼などに装着し、径方向に突出する定着部材などで構成することができる。
この発明により、前記側部L型部材における床版側方部の幅方向内側端部と前記床版中央部材の幅方向外側端部とによる接合部を介した曲げ負荷の伝達を抑制するとともに、接合部に作用するせん断力に対して結合棒状体で抗し、引っ張り方向の負荷に対して定着部で抗することができる。したがって、ボックス構造の基本性能を維持しながら、曲げ負荷の伝達を抑制できるヒンジ結合構造を有するボックスカルバートを構築することができる。
また、仮に、結合棒状体を降伏耐力が高い高降伏耐力材で構成した場合、前記接合部に作用するせん断力に対して、少ない本数で抗することができる。
またこの発明の態様として、前記結合棒状体を、長手方向の付着の小さな低付着形状で形成することができる。
上記低付着形状は、いわゆる丸鋼のように、周面が平滑な形状とすることができる。あるいは、前記側部L型部材における床版側方部の幅方向内側端部と前記床版中央部材の幅方向外側端部との一方に配置した鞘管に対して、他方に付着させた棒状体を、接合部を跨いで挿入して構成した入れ子構造の2部材で構成してもよい。
この発明により、一般的に広く流通している周面が平滑な低付着形状の結合棒状体と、定着部とを組付けて結合部材を構成するため、安価で安定した品質の結合部材を構成することができる。
またこの発明の態様として、前記接合部を跨ぐように、前記接合部が離間する方向に沿って直線状に配置するとともに、前記床版側方部及び前記床版中央部材の少なくとも一方に対して長手方向の付着の小さな棒状の補助結合部材を備えることができる。
この発明により、せん断力に対する耐力を向上させながら、確実に曲げ負荷の伝達を抑制できるヒンジ結合を構成することができる。
詳述すると、前記側部L型部材における床版側方部の幅方向内側端部と、現場打ちした前記床版中央部材の幅方向外側端部とによる接合部とには大きなせん断力が作用するが、大きなせん断力に抗するためにたくさんの結合部材を配置すると、大きなせん断力に抗することができるものの、接合部を跨いで定着された結合部材によって、接合部の剛性が増大してヒンジ結合構造でなくなり、接合部は曲げ負荷が伝達されるおそれがある。
これに対し、前記床版側方部及び前記床版中央部材の少なくとも一方に対して長手方向の付着の小さな棒状の補助結合部材を備えることにより、接合部に作用する大きなせん断力に抗する耐力を有するとともに、曲げ負荷や引っ張り方向の負荷が作用した場合、長手方向の付着の小さな棒状の補助結合部材は前記床版側方部や前記床版中央部材から抜け出すため、曲げ負荷の伝達を抑制させながら、接合部に作用するせん断力に対する耐力を増大することができる。
またこの発明の態様として、同断面で形成された従来構造のボックスカルバートにおける床版に作用する曲げモーメントの正負変化点に対応する位置の近傍に、前記接合部を配置することができる。
この発明により、接合部を跨ぐように配置した結合部材に作用する曲げ負荷を低減することができる。したがって、例えば、強度の低い材質や径の結合棒状体を使用したり、あるいは、結合部材の本数を低減することができる。
またこの発明の態様として、前記頂部門型部材を、プレストレスト鉄筋コンクリート構造とすることができる。
上記プレストレスト鉄筋コンクリート構造は、いわゆるPRC構造(Prestressed Reinforced Concrete)と呼ばれるコンクリート構造である。
この発明により、頂部門型部材の強度が向上するため薄肉化でき、薄肉化に伴って軽量化を図ることができる。したがって、自重に対する例えば、側壁部などにおいて部材厚を低減することができる。
またこの発明の態様として、前記側部L型部材の奥行長さを、前記頂部門型部材の奥行長さの2倍で構成することができる。
この発明により、ボックス構造における上部での施工であるため、施工性が悪くなりやすい頂部門型部材の施工を、容易かつ安全に行うことができる。
またこの発明の態様として、前記側部L型部材及び前記頂部門型部材を奥行き方向に複数配置するとともに、奥行き方向に配置した前記側部L型部材の前記側壁本体部を奥行き方向に連結することができる。
この発明により、容易かつ安全に、ブロック同士を奥行き方向に連結する連結施工を行うことができる。詳述すると、ブロック同士を奥行き方向に連結する連結施工を上床部で行うと高所作業になるため、高所作業車や足場の組み立てなど、連結を行うための準備作業や連結作業自体の作業性が悪く、施工効率の向上を図ることができないが、奥行き方向に配置した前記側部L型部材の前記側壁本体部を奥行き方向に連結する連結作業は比較的低い位置での施工となり、安全性や施工効率を向上することができる。
またこの発明の態様として、前記頂部における幅方向の支間距離が5m以上であり、前記床版側方部における内部側の幅方向長さが1.0〜2.0mであり、前記側壁上部の内部側の高さが1.0〜2.0mとすることができる。
この発明により、前記側壁上部の内部側の高さが1.0〜2.0mであるため、例えば奥行き方向の連結作業の施工性をより向上することができる。
また、前記床版側方部における内部側の幅方向長さが1.0〜2.0mであるため、例えば、床版中央部の構築前であっても、側部L型部材の前記床版側方部に足場を安定して設置でき、安全に施工することができる。
この発明により、この発明は、プレキャストコンクリートブロックを用いながら、より高い施工性と経済性とを両立できるボックスカルバート及びその構築方法を提供することができる。
ボックスカルバートの一部斜視図。 ボックスカルバートの説明図。 ボックスカルバートの分解斜視図。 剛結ボックスカルバートのモーメント図。 ボックスカルバートの施工フロー図。 ボックスカルバートの施工説明図。 ボックスカルバートの施工説明図。 ボックスカルバートの施工説明図。 ボックスカルバートの施工説明図。 ボックスカルバートの施工説明図。 ボックスカルバートの施工説明図。 別の実施形態のボックスカルバートの説明図。 さらに別の実施形態のボックスカルバートの説明図。
この発明の一実施形態を以下図面に基づいて詳述する。
図1乃至図11に示すボックスカルバート1は、送水路や道路トンネルなどを地中に構成したり、アンダーパスするため用いられ、プレキャストコンクリートブロックを組付けて構成するプレキャストボックスカルバートである。
なお、図1はボックスカルバート1の一部斜視図を示し、図2はボックスカルバートの説明図を示し、詳しくは、図2(a)はボックスカルバート1の断面図を示し、図2(b)は図2(a)におけるa部の拡大図を示し、図2(c)は図2(a)におけるb部の拡大図を示している。図3はボックスカルバート1の分解斜視図を示し、図4は側壁部1bの接合部が剛結された従来の剛結ボックスカルバート100のモーメント図を示している。
さらに、図5はボックスカルバート1の施工フロー図を示し、図6乃至図11はボックスカルバート1の施工説明図を示している。詳述すると、図6(a)は基礎工・定規工について図示し、図6(b)は側部L型部材据付について図示し、図7(a)は奥行き方向連結について図示し、図7(b)は頂部門型部材据付について図示している。図8(a)は上下緊張について図示し、図8(b)はグラウト工について図示し、図9(a)はモルタル充填工について図示し、図9(b)はコーキング工について図示している。図10(a)は床版中央部材構築について図示し、図10(b)は一次埋戻しについて図示し、図11(a)はカバーコンクリート40について図示し、図11(b)は二次埋戻し完了後の構築完了状態について図示している。
ボックスカルバート1は、高さ方向Hに比べて幅方向Wに長く、頂版部1a、側壁部1b及び床版部1cとで構成する長方形枠状断面で、内部空間Xを有する地中ボックス構造であり、奥行き方向Lに所定長さを有している。なお、本実施形態では、幅方向Wが10m及び高さ方向Hが5.5mの内部空間Xを有するボックスカルバートである。
より具体的には、プレキャスト製の頂部門型部材10及び側部L型部材20と、現場打ちの床版中央部材30とで構成し、内部空間Xを有する長方形枠型断面のボックス構造であり、複数の頂部門型部材10と側部L型部材20とを奥行き方向Lに並べて連結するとともに、奥行き方向Lに所定長さの床版中央部材30を構築している。
頂部門型部材10は、頂版部1aに対応する頂部11と、側壁部1bの上部となる側壁上部12とで、奥行き方向Lに所定長さを有する幅広の門型のプレキャスト製コンクリートブロックである。なお、本実施形態では、側壁上部12は、図4に示すように、幅広長方形断面のボックスカルバート1の側壁部1bに作用する曲げモーメントMの正負が変化する正負変化点Maの近傍となる高さ方向Hの長さに形成しており、内部空間X側の高さが1.0mとなるように構成している。
また、頂部門型部材10は、内部に幅方向WのPC鋼棒13が配置されるとともに、緊張されたプレストレスト鉄筋コンクリート構造(PRC構造)と呼ばれるコンクリート構造であり、通常のRC構造の頂版に比べて強度が高いため厚みが薄く、その分自重が軽く形成されている。
また、側壁上部12には、後述する側壁本体部21に配置されたPC鋼棒24とジョイント治具41を介して連結される高さ方向HのPC鋼棒14が配置されている。
なお、PC鋼棒13の幅方向Wの両端部及びPC鋼棒14の上端部は、頂部門型部材10における外角部から外方に露出し、緊張状態で締結治具42によって固定されるとともに、カバーコンクリート40で覆われている。
側部L型部材20は、側壁部1bにおいて、頂部門型部材10より下方の側壁本体部21と、床版部1cの側部である床版側方部22とで構成するプレキャスト製のL型コンクリートブロックであり、奥行き方向Lの長さが頂部門型部材10の2倍の長さで形成している。
なお、側部L型部材20の床版側方部22における幅方向Wの内側端面、つまり、床版中央部材30の幅方向Wの対向端面30aと対向する対向端面22aの奥行き方向Lの中央部には、床版中央部材30の対向端面30aにおいて、幅方向Wの外側に略台形状に突出するヒンジ凸部31の嵌合を許容するヒンジ凹部23が形成されている。
また、側部L型部材20の側壁本体部21には、下端に定着部24aを有する高さ方向HのPC鋼棒24が内在され、側壁本体部21の上端面21aには、PC鋼棒24の上端に接続されるジョイント治具41が配置される配置凹部25が形成されている。
さらに、側部L型部材20の側壁本体部21の高さ方向中央付近と床版側方部22のヒンジ凹部23には、図7(a)に示すように、奥行き方向LのPC鋼棒45を挿通する挿通孔26,27を有している。なお、挿通孔26は、側壁本体部21の高さ方向の中央程度の位置、本実施例では、床版側方部22の上面から2.5m程度の位置に形成されている。また、側壁本体部21における内部空間X側の面には、挿通孔26に挿通したPC鋼棒45を連結するための連結凹部28を形成している。
なお、ボックスカルバート1における側部L型部材20の床版側方部22は、図4に示すように、ボックスカルバート1と同断面形状であり、側壁部1bの接合部が剛結された従来構造の剛結ボックスカルバート100の床版部1cに作用する曲げモーメントMの正負が変化する正負変化点Maに対応する位置の近傍となる幅方向Wの長さに形成しており、本実施形態では、床版側方部22の内部空間X側の長さが1.0mとなるように構成している。
床版中央部材30は、幅方向Wに所定間隔を隔てて対向する向きで配置した側部L型部材20の床版側方部22の対向端面22a同士の間を埋めるように構築された、現場打ちの鉄筋コンクリート構造の床版部材であり、幅方向Wの対向端面30aに、上述の対向端面22aに形成されたヒンジ凹部23に嵌合する、正面視半円形に近い略台形状のヒンジ凸部31を備えている、なお、ヒンジ凸部31は、ヒンジ凹部23に形成された挿通孔27を挿通するPC鋼棒45を巻き込むように構築されているため、ヒンジ凹部23に対してPC鋼棒45を中心として、回転可能に構成されている。
このように、頂部門型部材10、側部L型部材20及び床版中央部材30で構成したボックスカルバート1において、側壁上部12と床版側方部22とが、ジョイント治具41を介して連結されたPC鋼棒14とPC鋼棒24とで連結されているため、頂部門型部材10と側部L型部材20は構造的に一体化している。つまり、側壁上部12の下端と側壁本体部21の上端とが接合する高さ方向接合部3は剛結構造Fを構成している。
これに対して、側部L型部材20と床版中央部材30とは、床版側方部22のヒンジ凹部23にヒンジ凸部31が嵌合しているだけで、構造的に一体化しておらず、床版側方部22の対向端面22aと、床版中央部材30の対向端面30aとが対向する幅方向接合部2は、ヒンジ凸部31がヒンジ凹部23に対してPC鋼棒45を中心として回転可能に構成されているため、高さ方向Hのせん断力Hv及び幅方向Wの外側向きの引張力Wpに抗するとともに、曲げ方向の負荷(曲げ負荷Mp)を伝達しないヒンジ接合構造Pを構成している。
続いて、このように構成するボックスカルバート1を構築するための施工方法について、施工フロー図を示す図5、及び各施工状態を示す図6乃至図11とともに説明する。
まず、図6(a)に示すように、ボックスカルバート1を構築する箇所に、L型アングル構成する定規材51を用いて、基礎砕石52を敷設し、そのうえに基礎コンクリート53を打設して基礎50を構築するとともに、基礎50の上面における側部L型部材20を配置する箇所に敷きモルタル53で所定の高さに調整する(ステップs1)。
敷きモルタル53によって高さ調整された設置箇所に、吊り治具60に対して、側壁本体部21に設けた吊り金具21aに接続したワイヤーロープ61と、床版側方部22に設けた吊り金具22bに接続したレバーブロック(登録商標)62とで、側壁本体部21が垂直となるように吊り下げた側部L型部材20を据え付ける。このとき、床版側方部22同士が対向する向きとなるように、左右対称な向きで2つの側部L型部材20を所定箇所に設置する(ステップs2)。
なお、既に隣接する側部L型部材20が据え付けられていた場合(ステップs3:Yes)、図7(a)に示すように、挿通孔26及び挿通孔27にPC鋼棒45を挿通するとともに、ジャッキ46を用いて、奥行き方向Lに隣接する床版側方部22をPC鋼棒45で連結する(ステップs4)。
なお、挿通孔26は、側壁本体部21の高さ方向の中央程度の位置である床版側方部22の上面から2.5m程度の位置に形成されているため、PC鋼棒45を用いた連結作業自体は、低い脚立などを用いた作業で行えるため、その施工は安全かつ施工性が高い。
仮に、既に据え付けられた側部L型部材20がない場合(ステップs3:No)や、隣接する側部L型部材20同士を、PC鋼棒45を用いて奥行き方向Lに連結した後、図7(b)に示すように、幅方向Wの両側に配置した側部L型部材20の上部に、上面10aに設けた吊り金具10bを用いて吊り上げて頂部門型部材10を据え付ける(ステップs5)。
このとき、奥行き方向Lの長さが2倍の長さで形成された側部L型部材20に対して2つの頂部門型部材10を奥行き方向Lに隣接させて据付け、ジョイント治具41を介して連結したPC鋼棒14とPC鋼棒24とをジャッキ46で緊張して、頂部門型部材10と側部L型部材20とを一体化する(図8(a)参照:ステップs6)。
このようにして、側部L型部材20と頂部門型部材10との据付(ステップs2乃至s6)を、奥行き方向Lに所定数配置するまで繰り返して(ステップs7:No)、所定数の配置が完了後(ステップs7:Yes)、図8(b)に示すように、側壁本体部21の上端面21aに形成した幅方向接合部25を用いてグラウトで埋めるとともに(ステップs8)、図9(a)に示すように、側壁本体部21に設けた吊り金具21a、床版側方部22に設けた吊り金具22b、頂部門型部材10に設けた吊り金具10bを取り外した当該箇所、及び側壁本体部21の高さ方向中央付近に形成した連結凹部28にモルタルを充填して埋める(ステップs9)。
さらに、図9(b)に示すように、頂部門型部材10の上面10aの全体をコーキング材60でコーキングする(ステップs10)。
このようにして、頂部門型部材10及び側部L型部材20の据付が完了してから、図10(a)に示すように、左右の側部L型部材20の床版側方部22の対向端面22a同士の間に鉄筋31を配筋するとともに、コンクリートを打設して床版中央部材30を構築し(ステップs11)、床版中央部材30の強度が発現してから、側部L型部材20の外側を、頂部門型部材10における側壁上部12の側方に露出する締結治具42の下方まで埋め戻す(図10(b)参照:ステップs12)。
さらに、図11(a)に示すように、側壁上部12の側方に露出する締結治具42、及び頂部門型部材10の上面10aの両端部付近に上方に露出する締結治具42を一体的にカバーするカバーコンクリート40を構築した後(ステップs13)、所定高さまで埋め戻して(図11(b)参照:ステップs14)、ボックスカルバート1の構築は完了する。
上述したような施工方法で構築するとともに、上述した構成のボックスカルバート1は、両側の側壁上部12と頂部11とが一体構成され、プレキャストコンクリートで構成した頂部門型部材10と、側壁本体部21と床版側方部22とが一体構成され、プレキャストコンクリートで構成した側部L型部材20と、現場打ちコンクリートで構成した床版中央部材30とで構成し、頂部門型部材10における高さ方向接合部3を剛結構造Fで接合するとともに、幅方向接合部2をヒンジ接合構造Pで接合したことにより、プレキャストコンクリートブロックを用いながら、より高い施工性と経済性とを両立することができる。
詳述すると、高さに対して幅方向Wに広い矩形断面のボックスカルバート1を、両側の側壁上部12と頂部11とが一体構成され、プレキャストコンクリートで構成した頂部門型部材10と、側壁本体部21と床版側方部22とが一体構成され、プレキャストコンクリートで構成した側部L型部材20とを備えるとともに、経済性の高い現場打ちコンクリートで構成し、作業性の高い床版部1cにおいて床版中央部材30を構築するため、より高い施工性と経済性とを両立することができる。
また、側壁部1bを構成する側部L型部材20を、側壁本体部21と床版側方部22とを一体構成しているため、施工中において、側部L型部材20は床版側方部22bによって自立し、容易に施工することができる。
さらにまた、幅方向接合部2をヒンジ接合構造Pで構成することによって、側部L型部材20における床版側方部22と、床版中央部材30とを一体化する、つまり、機械式継ぎ手などを用いて、側部L型部材20における床版側方部22の鉄筋と、床版中央部材30の鉄筋とを連結するとともに、一体化するように、床版側方部22の対向端面22aの目荒らし等を行うことなく、容易に施工することができる。
なお、側部L型部材20を所定位置に配置する側部L型部材20の据付(ステップs2)と、頂部門型部材10を側部L型部材20の上部に配置する頂部門型部材10の据付(ステップs5)とを行ってから、側部L型部材20の床版側方部22同士の間に、幅方向接合部2をヒンジ接合構造Pで構成するように、現場打ちコンクリートで床版中央部材30を構築する(ステップs11)ため、例えば、床版中央部材30を構築してから、側部L型部材20の据付(ステップs2)と頂部門型部材10の据付(ステップs5)とを行う場合に比べて床版中央部材30に作用する負荷を低減することができる。
詳述すると、例えば、床版中央部材30を構築してから、側部L型部材20の据付(ステップs2)と頂部門型部材10の据付(ステップs5)とを行う場合、側部L型部材20と頂部門型部材10の重量によって床版中央部材30に大きな反力が作用するが、側部L型部材20の据付(ステップs2)と頂部門型部材10の据付(ステップs5)とを行ってから、床版中央部材30を構築するため(ステップs11)、つまり側部L型部材20と頂部門型部材10とが地盤で支持された状態で床版中央部材30を構築するため、側部L型部材20と頂部門型部材10の重量による反力が床版中央部材30に作用することがなく、床版中央部材30の強度を低減、つまり床版部1cの厚みを薄くすることができる。
さらには、幅方向接合部2をヒンジ接合構造Pで構成するため、矩形断面のボックス構造としての曲げ負荷Mpが床版中央部材30に伝達されず、床版中央部材30の強度をさらに低減、つまり床版中央部材30の厚みをさらに薄くすることができる。
また、幅方向接合部2を、ボックスカルバート1と同断面形状であり、側壁部1bの接合部が剛結された従来構造の剛結ボックスカルバート100の床版部1cに作用する曲げモーメントMの正負が変化する正負変化点Maに対応する位置の近傍に配置することにより、幅方向接合部2に作用する曲げモーメントMが小さく、ヒンジ凹部23に回転可能に嵌合するヒンジ凸部31をコンパクトに構成することができる。
また、頂部門型部材10を、プレストレスト鉄筋コンクリート構造(PRC)とすることにより、頂部門型部材10の強度が向上するため薄肉化でき、薄肉化に伴って軽量化を図ることができる。したがって、自重に対する側壁部1bや床版部1cの部材厚を低減することができる。
また、側部L型部材20の奥行き方向Lの長さを、頂部門型部材10の奥行き方向Lの長さの2倍で構成することにより、ボックス構造における上部での施工であるため、施工性が悪くなりやすい頂部門型部材10の施工を、容易かつ安全に行うことができる。
また、側部L型部材20及び頂部門型部材10を奥行き方向Lに複数配置するとともに、奥行き方向Lに配置した側部L型部材20の側壁本体部21を奥行き方向Lに連結することにより、容易かつ安全に、ブロック同士を奥行き方向Lに連結する連結施工を行うことができる。
詳述すると、ブロック同士を奥行き方向LにPC鋼棒45によって連結する連結施工を頂版部1aで行うと高所作業になるため、高所作業車や足場の組み立てなど、連結を行うための準備作業や連結作業自体の作業性が悪く、施工効率の向上を図ることができないが、奥行き方向Lに配置した側部L型部材20の側壁本体部21を奥行き方向Lに連結する連結作業は比較的低い位置での施工となり、安全性や施工効率を向上することができる。
また、頂部11における幅方向Wの支間距離が5m以上である10.0mとするとともに、床版側方部22における内部側の幅方向W長さが1.0〜2.0mである1.0mとし、側壁上部12の内部側の高さが1.0〜2.0mである1.0mとしたことにより、側壁上部12の内部側の高さが1.0mであるため、例えば奥行き方向Lの連結作業の施工性をより向上することができる。
また、床版側方部22における内部側の幅方向Wの長さが1.0mであるため、例えば、床版中央部材30の構築前であっても、側部L型部材20の床版側方部22に足場を安定して設置でき、安全に施工することができる。
例えば、上述の説明では、幅方向接合部2において、床版中央部材30の対向端面30aに形成したヒンジ凸部31を床版側方部22の対向端面22aに形成したヒンジ凹部23に嵌合させてヒンジ接合構造Pを構成したが、床版側方部22の対向端面22aに、幅方向Wの内側に向きに突出するヒンジ凸部を形成するとともに、床版中央部材30の対向端面30aにヒンジ凹部を形成した嵌合させてヒンジ接合構造Pを構成してもよい。さらには、幅方向接合部2を、いわゆるメナーゼ構造で構成したり、鋼製ヒンジ部材を配置してヒンジ接合構造Pを構成してもよい。
このように、幅方向接合部2は、高さ方向Hのせん断力Hv及び幅方向Wの外側向きの引張力Wpに抗するとともに、曲げ方向の負荷(曲げ負荷Mp)を伝達しないヒンジ接合構造Pであれば、どのような構造でもよいが、例えば、図12や図13に示すように、幅方向接合部2を跨ぐように棒状部材を配置してヒンジ接合構造Pを構成してもよい。
具体的には、図12に示すように、ヒンジ接合構造Pを構成するために、幅方向接合部2を跨ぐように、幅方向Wのヒンジ接合棒部材70と、ヒンジ接合補助棒部材80とを、奥行き方向Lに所定間隔を隔てて配置している。
ヒンジ接合棒部材70は、周面に節が形成されるとともに、降伏耐力が高い高降伏耐力材で構成し、連結治具71が床版側方部22の対向端面22aに露出するように床版側方部22に配置されたブロック側異形棒体72と、床版中央部材30に配置される中央側異形棒体73とで構成している。
ヒンジ接合補助棒部材80は、周面に節が形成されるとともに、降伏耐力が高い高降伏耐力材で構成し、連結治具81が床版側方部22の対向端面22aに露出するように床版側方部22に配置されたブロック側補助異形棒体82と、周面が平滑な棒状体である中央側周面平滑棒体83とで構成したスリップバーである。
また別のヒンジ接合構造Pとして、図13に示すように、上述のヒンジ接合補助棒部材80と、ヒンジ接合棒部材90とを組み合わせヒンジ接合構造Pを構成してもよい。
具体的には、ヒンジ接合棒部材90は、降伏耐力が高い高降伏耐力材で構成し、端部に定着体94を備えるとともに、連結治具91が床版側方部22の対向端面22aに露出するように床版側方部22に配置された、周面が平滑なブロック側周面平滑定着棒体92と、床版中央部材30に配置され、端部に定着体94を備えた中央側周面平滑定着棒体93とで構成したアンボンドバーである。
このように、ヒンジ接合構造Pを、幅方向接合部2を跨ぐように、幅方向接合部2が離間する方向に沿って配置する棒状のブロック側異形棒体72及び中央側異形棒体73(ブロック側周面平滑定着棒体92及び中央側周面平滑定着棒体93)と、ブロック側異形棒体72及び中央側異形棒体73(ブロック側周面平滑定着棒体92及び中央側周面平滑定着棒体93)を床版側方部22と床版中央部材30の両方のそれぞれに定着するブロック側異形棒体72や中央側異形棒体73の節(定着体94)とを備えたヒンジ接合棒部材70(ヒンジ接合棒部材90)で構成することにより、幅方向接合部2を介した曲げ負荷Mpの伝達を抑制するとともに、幅方向接合部2に作用するせん断力Hvに対してブロック側異形棒体72及び中央側異形棒体73(ブロック側周面平滑定着棒体92及び中央側周面平滑定着棒体93)で抗し、引張力Wpに対してブロック側異形棒体72や中央側異形棒体73の節(定着体94)で抗することができる。したがって、ボックス構造の基本性能を維持しながら、曲げ負荷Mpの伝達を抑制できるヒンジ接合構造Pを有するボックスカルバート1を構築することができる。
また、仮に、ブロック側異形棒体72及び中央側異形棒体73(ブロック側周面平滑定着棒体92及び中央側周面平滑定着棒体93)を降伏耐力が高い高降伏耐力材で構成した場合、幅方向接合部2に作用するせん断力Hvに対して、少ない本数で抗することができる。
また、幅方向接合部2を跨ぐように、幅方向接合部2が離間する方向に沿って直線状に配置するとともに、床版側方部22及び床版中央部材30の少なくとも一方に対して長手方向の付着の小さな棒状のヒンジ接合補助棒部材80を備えることにより、せん断力Hvに対する耐力を向上させながら、確実に曲げ負荷Mpの伝達を抑制できるヒンジ結合を構成することができる。
詳述すると、側部L型部材20における床版側方部22の幅方向Wの内側端部である対向端面22aと、現場打ちした床版中央部材30の幅方向Wの外側端部である対向端面30aとを接合する幅方向接合部2には大きなせん断力Hvが作用するが、大きなせん断力Hvに抗するためにたくさんの結合部材を配置すると、大きなせん断力Hvに抗することができるものの、幅方向接合部2を跨いで定着された結合部材によって、幅方向接合部2の剛性が増大してヒンジ接合構造Pでなくなり、幅方向接合部2は曲げ負荷Mpが伝達されるおそれがある。
これに対し、床版側方部22及び床版中央部材30の少なくとも一方に対して長手方向の付着の小さな棒状のヒンジ接合補助棒部材80を備えることにより、幅方向接合部2に作用する大きなせん断力Hvに抗する耐力を有するとともに、曲げ負荷Mpや引張力Wpが作用した場合、長手方向の付着の小さな棒状のヒンジ接合補助棒部材80の中央側周面平滑棒体83は床版側方部22や床版中央部材30から抜け出すため、曲げ負荷Mpの伝達を抑制させながら、幅方向接合部2に作用するせん断力Hvに対する耐力を増大することができる。
また、幅方向接合部2を、床版部1cに作用する曲げモーメントMの正負変化点Maに配置することにより、幅方向接合部2を跨ぐように配置したヒンジ接合棒部材70(ヒンジ接合棒部材90)及びヒンジ接合補助棒部材80に作用する曲げ負荷Mpを低減することができる。したがって、例えば、強度の低い材質や径のブロック側異形棒体72及び中央側異形棒体73(ブロック側周面平滑定着棒体92及び中央側周面平滑定着棒体93)を使用したり、あるいは、結合部材の本数を低減することができる。
また、ヒンジ接合棒部材90において、ブロック側周面平滑定着棒体92及び中央側周面平滑定着棒体93を、長手方向の付着の小さな周面平滑状で形成しているため、一般的に広く流通している周面が平滑な周面平滑状のブロック側周面平滑定着棒体92及び中央側周面平滑定着棒体93と、定着体94とを組付けて結合部材を構成するため、安価で安定した品質の結合部材を構成することができる。
なお、このように、ヒンジ接合棒部材70とヒンジ接合補助棒部材80との組み合わせ、あるいはヒンジ接合補助棒部材80とヒンジ接合棒部材90とを組み合わせを幅方向接合部2に配置してヒンジ接合構造Pを構成したが、ヒンジ接合棒部材70やヒンジ接合棒部材90のみで、あるいはヒンジ接合棒部材70とヒンジ接合棒部材90とを組み合わせて、さらにそれにヒンジ接合補助棒部材80を組み合わせて用いてもよい。
また、このように、ヒンジ接合棒部材70とヒンジ接合補助棒部材80との組み合わせ、ヒンジ接合補助棒部材80とヒンジ接合棒部材90との組み合わせ、ヒンジ接合棒部材70とヒンジ接合棒部材90との組み合わせ、ヒンジ接合棒部材70とヒンジ接合補助棒部材80とヒンジ接合棒部材90との組み合わせ、さらにはヒンジ接合棒部材70やヒンジ接合棒部材90のみを幅方向接合部2を跨ぐように配置して構成したヒンジ接合構造Pは、上述のようなボックスカルバートだけでなく、U型断面、L型断面など様々な形状における接合部をヒンジ接合構造Pとして構築するために用いることができ、その場合であっても上述の効果を奏することができる。
この発明の構成と、実施形態との対応において、この発明の側壁上部の下端と、側部L型部材のおける側壁本体部の上端部とによる接合部は、高さ方向接合部3に対応し、
以下同様に、
側部L型部材における床版側方部の幅方向内側端部と床版中央部材の幅方向外側端部とによる接合部は、幅方向接合部2に対応し、
結合棒状体は、ブロック側異形棒体72及び中央側異形棒体73あるいはブロック側周面平滑定着棒体92及び中央側周面平滑定着棒体93に対応し、
定着部は、ブロック側異形棒体72や中央側異形棒体73の節あるいは定着体94に対応し、
結合部材は、ヒンジ接合棒部材70またはヒンジ接合棒部材90に対応し、
低付着形状は、周面平滑状に対応し、
補助結合部材は、ヒンジ接合補助棒部材80に対応し、
床版は床版部1cに対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、ヒンジ接合補助棒部材80の中央側周面平滑棒体83を周面が平滑な棒状体で構成することでスリップバーを構成したが、床版中央部材30に配置した鞘管に対して、床版側方部22に付着させた棒状体を、幅方向接合部2を跨いで挿入して、入れ子構造の2部材で構成してもよい。
1…ボックスカルバート
1c…床版部
2…幅方向接合部
3…高さ方向接合部
10…頂部門型部材
11…頂部
12…側壁上部
20…側部L型部材
21…側壁本体部
22…床版側方部
30…床版中央部材
70…ヒンジ接合棒部材
72…ブロック側異形棒体
73…中央側異形棒体
80…ヒンジ接合補助棒部材
90…ヒンジ接合棒部材
92…ブロック側周面平滑定着棒体
93…中央側周面平滑定着棒体
94…定着体
F…剛結構造
H…高さ方向
L…奥行き方向
M…曲げモーメント
Ma…正負変化点
P…ヒンジ接合構造
W…幅方向

Claims (10)

  1. 高さ方向に対して幅方向が広い矩形断面のボックスカルバートであって、
    両側の側壁上部と頂部とが一体構成され、プレキャストコンクリートで構成した頂部門型部材と、
    側壁本体部と床版側方部とが一体構成され、プレキャストコンクリートで構成した側部L型部材と、
    現場打ちコンクリートで構成した床版中央部材とで構成し、
    前記頂部門型部材における前記側壁上部の下端と、前記側部L型部材のおける前記側壁本体部の上端部とによる接合部を、剛結構造で接合するとともに、
    前記側部L型部材における床版側方部の幅方向内側端部と前記床版中央部材の幅方向外側端部とによる接合部を、ヒンジ結合構造で接合した
    ボックスカルバート。
  2. (PCヒンジ接合)
    前記ヒンジ結合構造を、
    前記接合部を跨ぐように、前記接合部が離間する方向に沿って配置する棒状の結合棒状体と、該結合棒状体を前記床版側方部と前記床版中央部材の両方のそれぞれに定着する定着部とを備えた結合部材で構成した
    請求項1に記載のボックスカルバート。
  3. 前記結合棒状体を、長手方向の付着の小さな低付着形状で形成した
    請求項2に記載のボックスカルバート。
  4. 前記接合部を跨ぐように、前記接合部が離間する方向に沿って直線状に配置するとともに、前記床版側方部及び前記床版中央部材の少なくとも一方に対して長手方向の付着の小さな棒状の補助結合部材を備えた
    請求項1乃至3のうちいずれかに記載のボックスカルバート。
  5. 同断面で形成された従来構造のボックスカルバートにおける床版に作用する曲げモーメントの正負変化点に対応する位置の近傍に、前記接合部を配置した
    請求項1乃至4のうちいずれかに記載のボックスカルバート。
  6. 前記頂部門型部材を、プレストレスト鉄筋コンクリート構造とした
    請求項1乃至5のうちいずれかに記載のボックスカルバート。
  7. 前記側部L型部材の奥行長さを、前記頂部門型部材の奥行長さの2倍で構成した
    請求項1乃至6のうちいずれかに記載のボックスカルバート。
  8. 前記側部L型部材及び前記頂部門型部材を奥行き方向に複数配置するとともに、
    奥行き方向に配置した前記側部L型部材の前記側壁本体部を奥行き方向に連結した
    請求項1乃至7のうちいずれかに記載のボックスカルバート。
  9. 前記頂部における幅方向の支間距離が5m以上であり、
    前記床版側方部における内部側の幅方向長さが1.0〜2.0mであり、
    前記側壁上部の内部側の高さが1.0〜2.0mである
    請求項1乃至8のうちいずれかに記載のボックスカルバート。
  10. 高さ方向に対して幅方向に広い矩形断面のボックスカルバートを構築する構築工法であって、
    側壁本体部と床版側方部とが一体構成され、プレキャストコンクリートで構成した側部L型部材を幅方向に所定間隔を隔てて対向配置する側部L型部材設置工程と、
    両側の側壁上部と頂部とが一体構成され、プレキャストコンクリートで構成した頂部門型部材を、幅方向に所定間隔を隔てて対向配置した前記側部L型部材の上部に配置するとともに、前記頂部門型部材における前記側壁上部の下端と、前記側部L型部材のおける前記側壁本体部の上端部とによる接合部を剛結構造で接合する頂部門型部材設置工程と、
    前記側部L型部材の前記床版側方部同士の間に、前記側部L型部材における床版側方部の幅方向内側端部と前記床版中央部材の幅方向外側端部とによる接合部をヒンジ結合構造で接合するように、現場打ちコンクリートで床版中央部を構築する床版中央部構築工程とを行う
    ボックスカルバートの構築工法。
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