JP7223656B2 - プレキャストコンクリート製部材、基礎構造及びスラブ構造 - Google Patents

プレキャストコンクリート製部材、基礎構造及びスラブ構造 Download PDF

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Description

本発明は、プレキャストコンクリート製部材と、このプレキャストコンクリート製部材が用いられた基礎構造及びスラブ構造に関する。
従来、基礎スラブ(ベース部、フーチング部ともいう。)と、基礎スラブに設けられるプレキャストコンクリート製の立ち上がり部とを接合して住宅等の建物における基礎を構築する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
このような基礎においては、立ち上がり部の下端部が基礎スラブに埋め込まれて接合された状態となっている。また、立ち上がり部の下端部は、内側(厚み方向の中心側)に凹んだ状態に形成された所謂シアキー形状とされることで、基礎スラブに対する抜け止めとして機能するようになっている。
特開2017-179761号公報
ところで、立ち上がり部と基礎スラブとの接合部には、例えば地震時などに外力(例えば、水平せん断力)が生じる場合がある。従来においては、立ち上がり部の下端部におけるシアキー形状の部分にリブを形成するなどして外力に対する抵抗力を向上させる工夫が為されてはいたが、基本的には、立ち上がり部の下端部と基礎スラブとによるコンクリートの付着力によって外力に抵抗していた。
ところが、近年においては建物の耐震性能向上に対する需要が増加しており、立ち上がり部と基礎スラブとの接合部において、より安定した抵抗ができるよう求められている。また、このような基礎スラブに対してプレキャストコンクリート製の立ち上がり部を接合する構造は、同じく床スラブ又は屋根スラブに対してプレキャストコンクリート製の梁を接合する構造にも転用することができるため、梁と床スラブ又は屋根スラブとの接合部においても、より安定した抵抗ができるよう求められている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、スラブに接合されるプレキャストコンクリート製部材の接合部位に生じる外力に対し、安定して抵抗できるようにすることである。
請求項1に記載の発明は、例えば図1~図10に示すように、スラブ11に対して一部が埋設されて接合され、前記一部と一体形成された本体部13が前記スラブ11から露出するプレキャストコンクリート製部材12において、
前記一部には、当該一部を前記スラブ11に定着するシアキーとして機能させるための切欠部14,15が、前記本体部13の側面に対して凹んだ状態に形成され、かつ、前記一部は、複数の凹部140,150を備えており、
前記切欠部14,15は、第一側面14a,15a(シアキー側面14a,15a)と、前記第一側面14a,15aと前記本体部13の側面との間に位置して当該第一側面及び本体部の側面と連続する面と、を有し、前記第一側面14a,15aは、前記本体部13の側面に対して傾斜し、かつ、前記本体部13から離間するにつれて外側に広がる傾斜面とされており、
前記連続する面は、前記本体部13の側面に対して傾斜し、かつ、前記本体部13から前記第一側面14a,15aの方に離間するにつれて前記一部の厚み方向中心側に狭まる傾斜面とされており、
前記凹部140,150は、
前記第一側面14a,15aと交差するとともに前記一部の厚み方向に沿って連続し、かつ互いに対向する一対の第二側面142,152(傾斜面142,152)と、
前記一対の第二側面142,152と交差するとともに前記一対の第二側面142,152間に位置し、前記凹部140,150における奥側面を構成する第三側面141,151(奥側面141,151)と、
前記第二側面142,152と前記第三側面141,151における前記本体部13側の端部と交差する面143,153(上側面143,153)と、を有し、
前記交差する面143,153は、前記切欠部14,15における前記連続する面と同一角度で傾斜し、かつ、前記連続する面と一体形成され、
前記切欠部14,15及び前記凹部140,150は、前記一部の両側面にあり、
さらに、当該凹部140,150は、前記本体部13とは反対側に向かって開放されているとともに、前記本体部13側には形成されていないことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、スラブ11に埋設される一部がスラブ11に定着し、複数の凹部140,150に対してスラブ11が食い込んだ状態となる。これにより、スラブ11に接合されるプレキャストコンクリート製部材12の接合部位に生じる外力に対し、安定して抵抗できるようになる。
また、例えば本体部13の側面に対して傾斜する切欠部14,15の第一側面が、本体部13から離間するにつれて内側に狭まる傾斜面とされる場合に比して、スラブ11に埋設される一部は、スラブ11に対して食い込みやすくなる。
請求項2に記載の発明は、例えば図10に示すように、請求項1に記載のプレキャストコンクリート製部材12において、
平面視又は底面視において、前記凹部140,150における長手方向の寸法Xと短手方向の寸法Yとの比は、7以上:1であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、平面視又は底面視において、凹部140,150における長手方向の寸法Xと短手方向の寸法Yとの比は、7以上:1であるため、例えば長手方向に外力が入力された場合に、外力に対して安定して抵抗できるようになる。
請求項に記載の発明は、例えば図1~図10に示すように、請求項1又は2に記載のプレキャストコンクリート製部材12において、
前記第一側面は、前記本体部13に沿って長尺に形成され、
前記複数の凹部140,150は、前記第一側面の長さ方向に間隔を空けて設けられ、かつ前記第一側面に対して凹んで形成され、
前記第一側面と前記第三側面は平行な位置関係で配置されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、第一側面は、本体部13に沿って長尺に形成され、複数の凹部140,150は、第一側面の長さ方向に間隔を空けて設けられ、かつ第一側面に対して凹んで形成されているので、複数の凹部140,150に対し、スラブ11が食い込む状態とすることができる。これにより、スラブ11に接合する部位を、プレキャストコンクリート製部材12の一部における長さ方向に沿って複数形成できる。そのため、スラブ11に接合されるプレキャストコンクリート製部材12の接合部位に生じる外力に対し、安定して抵抗しやすくなる。
さらに、第一側面と第三側面は平行な位置関係で配置されているので、シアキーにおける本体部13に沿う側面(第一側面)と複数の凹部140,150における深さ方向奥側の面141,151(第三側面)の、同じ向きの面がスラブ11に接することになる。そのため、スラブ11に接合されるプレキャストコンクリート製部材12の接合部位に生じる外力に対し、安定して抵抗しやすくなる。
請求項に記載の発明は、例えば図1~図10に示すように、請求項に記載のプレキャストコンクリート製部材12において、
前記第三側面(奥側面141,151)は、正面視において矩形状に形成され、前記第一側面(シアキー側面14a,15a)も、正面視において矩形状に形成されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、第三側面は、正面視において矩形状に形成され、第一側面も、正面視において矩形状に形成されているので、例えば矩形以外の形状とする場合に比して単純な構造で、スラブ11に接する面積を広くしやすい。そのため、スラブ11に接合されるプレキャストコンクリート製部材12の接合部位に生じる外力に対し、安定して抵抗しやすくなる。
請求項に記載の発明は、基礎構造10であって、例えば図1~図10に示すように、請求項1~のいずれか一項に記載のプレキャストコンクリート製部材12,22は、建物の基礎における立ち上がり部12,22であり、前記スラブ11,21は、前記基礎における基礎スラブ11であることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、プレキャストコンクリート製部材12,22は、建物の基礎における立ち上がり部12,22であり、スラブ11,21は、基礎における基礎スラブ11であることから、立ち上がり部12,22の下端部におけるシアキーが基礎スラブ11に定着し、しかも、複数の凹部140,150,240に対して基礎スラブ11が食い込んだ状態となる。これにより、基礎スラブ11に接合される立ち上がり部12,22の下端部に生じる外力に対し、安定して抵抗できるようになる。
請求項に記載の発明は、スラブ構造20であって、例えば図11に示すように、請求項1~のいずれか一項に記載のプレキャストコンクリート製部材12,22は、建物の梁12,22であり、前記スラブ11,21は、前記建物における床スラブ21又は屋根スラブであることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、プレキャストコンクリート製部材12,22は、建物の梁12,22であり、スラブ11,21は、建物における床スラブ21又は屋根スラブであることから、梁22の一部におけるシアキーが床スラブ21又は屋根スラブに定着し、しかも、複数の凹部140,150,240に対して床スラブ21又は屋根スラブが食い込んだ状態となる。これにより、床スラブ21又は屋根スラブに接合される梁12,22の一部に生じる外力に対し、安定して抵抗できるようになる。
本発明によれば、スラブに接合されるプレキャストコンクリート製部材の接合部位に生じる外力に対し、安定して抵抗できるようになる。
建物の基礎を示す断面図である。 基礎における立ち上がり部を示す平面図である。 基礎における立ち上がり部を示す正面図である。 基礎における立ち上がり部を示す背面図である。 基礎における立ち上がり部を示す底面図である。 図3におけるVI-VI線切断端面図である。 図3におけるVII-VII線切断端面図である。 図3におけるVIII-VIII線断面図である。 図4におけるIX-IX線切断端面図である。 凹部の構成を説明する部分拡大底面図である。 建物のスラブ構造の一例を示す断面図である。 スラブ構造における梁を示す斜視図である。 建物のスラブ構造の変形例を示す断面図である。 スラブ構造の梁に形成される凹部の変形例を示す部分拡大底面図である。 補助凹部を備えた梁の変形例を示す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
〔第1実施形態〕
図1において符号10は、住宅等の建物における基礎構造を示す。本実施形態における基礎構造10は、逆T字型の断面で帯状に連続する布基礎であり、地盤1に埋め込まれた基礎スラブ11(ベース部、フーチング部ともいう。)と、地盤1(地盤面GL)よりも上方に突出する立ち上がり部12と、を備える。立ち上がり部12の上端面には、建物の躯体が載せられる。なお、布基礎に替えて、べた基礎を採用してもよい。
本実施形態における基礎スラブ11は、コンクリートが現場打ち(現場で打設)されることで形成されるものであり、砕石や捨てコンクリートからなる支持層2上に設けられている。コンクリートは、内部に鉄筋11aを内包するようにして打設され、図1に示すように、固まった後の基礎スラブ11には鉄筋11aが埋め込まれた状態となる。
立ち上がり部12は、プレキャストコンクリート製部材であり、工場で予め製造されて現場に輸送されるものである。内部には鉄筋12aが埋め込まれている。そして、下端部が、現場打ちの基礎スラブ11に対して埋設され、基礎スラブ11が固まる過程で、基礎スラブ11と立ち上がり部12とが接合される。
このような立ち上がり部12においては、基礎スラブ11の上面から露出する部分が本体部13とされ、本体部13は、基礎スラブ11の上面の面方向に沿って帯状に連続している。
基礎スラブ11に埋設される立ち上がり部12の下端部は、基礎スラブ11に定着するシアキーとして形成されている。立ち上がり部12の下端部がシアキーとして形成されることにより、立ち上がり部12の下端部を、基礎スラブ11が固まる過程で、基礎スラブ11に対して定着させることができる。
立ち上がり部12の下端部には、当該下端部をシアキーとして機能させるための切欠部14,15が形成されている。
切欠部14,15は、立ち上がり部12の下端部における正面側面及び背面側面の双方に形成されている。本実施形態における切欠部14,15のそれぞれは、本体部13の正面側面及び背面側面に対して凹んで形成され、かつ本体部13の長さ方向に沿って長尺に形成されている。
より具体的に説明すると、本実施形態における切欠部14,15のそれぞれは、立ち上がり部12の下端部における正面側面及び背面側面が、断面視において三角形状に切り欠かれて形成されたものであり、断面視において斜め下を向く面と、斜め上を向く面とを有する。そして、斜め上を向く面が、シアキー側面14a,15aとされており、斜め下を向く面よりも上下方向の寸法が長く設定されている。また、斜め上を向く面であるシアキー側面14a,15aは、斜め下を向く面よりも、本体部13の側面に対する角度が緩くなるように設定されている。すなわち、シアキー側面14a,15aは、斜め下を向く面よりも広い面積を有する。また、本体部13,23の側面に対して傾斜するシアキー側面14a,15aは、本体部13,23から離間するにつれて外側に広がる傾斜面とされている。
なお、このような本体部13の長さ方向に沿うシアキー側面14a,15aが、第一側面とされている。
そして、詳細については後述するが、このような切欠部14,15のそれぞれには、立ち上がり部12の下端部と基礎スラブ11との間に生じる外力に抵抗するための複数の凹部140,150が形成されている。
続いて、プレキャストコンクリート製部材である立ち上がり部12の構成について、図2~図10を参照して詳細に説明する。
立ち上がり部12の長さ方向両端部(左側端部及び右側端部)は、図示しない隣接する他の立ち上がり部と連結するための連結部16,17とされている。連結部16,17は、図2に示す平面図のように、立ち上がり部12の長さ方向中央部よりも厚さ寸法が長く、厚みのある状態となっている。なお、連結部16,17は、立ち上がり部12の背面側に向かって膨らんで厚みのある状態となっている。
さらに、連結部16,17は、立ち上がり部12の長さ方向の外方と、上下方向に向かって開口16a,17aを有することにより平面視コ字状に形成されている。
連結部16,17を備えた立ち上がり部12と他の立ち上がり部は、他の立ち上がり部側から立ち上がり部12に向かって突出する連結用鉄筋(図示省略)が、開口16a,17aに挿入配置された上で、当該開口16a,17aに現場打ちのコンクリートが打設され、当該コンクリートが固まることで連結される。
なお、本実施形態における立ち上がり部12の長さ方向両端部は、平面視コ字状の連結部16,17とされているが、いずれか一方だけが平面視コ字状の連結部16(17)とされてもよいし、両方とも平面視コ字状の連結部16,17とされていなくてもよい。平面視コ字状の連結部16,17とされない場合は、他の形状の連結部とされてもよい。
立ち上がり部12の下端部における正面側面には、立ち上がり部12の下端部をシアキーとして機能させるための切欠部14が形成されている。そして、切欠部14には、図3,図5~図8に示すように、外力に抵抗するための複数の凹部140が形成されている。複数の凹部140は、切欠部14の長さ方向に間隔を空けて設けられ、かつ切欠部14の表面に対して凹んで形成されている。
複数の凹部140は同一の形状であるため、一つの凹部140について詳細に説明すると、当該凹部140は、凹みの深さ方向奥側の面141(以下、奥側面141)と、切欠部14の表面(斜め上を向く面)との間に位置する一対の傾斜面142と、を有する。
一対の傾斜面142は、互いに対向して配置され、かつ切欠部14の表面から奥側面141にかけて斜めに設けられている。一対の傾斜面142は、第一側面であるシアキー側面14aと交差するとともにシアキーの厚み方向に沿って連続している。これら一対の傾斜面142は、凹部140の奥に向かうにつれて互いに近づくように傾斜している(すなわち、「ハ」の字状)。奥側面141は、一対の傾斜面142と交差するとともに一対の傾斜面142間に位置している。
奥側面141は、正面視において矩形状に形成され、切欠部14の表面も、正面視において矩形状に形成されている。
また、奥側面141と切欠部14の表面は平行な位置関係で配置されている。ここでいう切欠部14の表面とは、上記の斜め上を向く面を指している。そのため、奥側面141も、切欠部14の表面と同じ角度で斜め上を向く面として形成されている。
このような凹部140はコッターとも呼称され、平らな楔として機能する。平らに形成される分、基礎スラブ11との接触面積が広い状態で定着するため、基礎スラブ11に食い込むだけでなく、基礎スラブ11に付着しやすい。
なお、第一側面であるシアキー側面14aと交差するとともにシアキーの厚み方向に沿って連続する一対の傾斜面142が、第二側面とされている。また、一対の傾斜面142と交差するとともに一対の傾斜面142間に位置する奥側面141が、第三側面とされている。
また、凹部140は、一対の傾斜面142における上端部と、奥側面141の上端部と交差する上側面143を更に有しており、当該上側面143は、切欠部14における斜めを向く面と同一角度で傾斜して一体形成されている。
以上のような切欠部14及び複数の凹部140は、図8に示すように、立ち上がり部12の下端部における正面側面に凹凸面を形成している。
そして、基礎スラブ11のうち凹部140に食い込んだ部位は、略台形状に形成されることとなる。立ち上がり部12の下端部が、基礎スラブ11に埋設されて構築された基礎構造10に外力が入力された場合、このように基礎スラブ11のうち凹部140に食い込んだ部位が略台形状に形成されるので、当該食い込んだ部位と、各凹部140が破損しにくくなる。換言すれば、一対の傾斜面142は、シアキー側面14aに対して傾斜し、上側面143も傾斜しているので、例えばこれらの面142,143がシアキー側面14aに対して直角に形成されている場合に比して、入力された外力を受け流しやすい。そのため、基礎スラブ11のうち凹部140に食い込んだ部位と、凹部140自体が破損しにくくなるという効果を発揮する。
立ち上がり部12の下端部における背面側面には、立ち上がり部12の下端部をシアキーとして機能させるための切欠部15が形成されている。
本実施形態における背面側の切欠部15は、図4~図9に示すように、立ち上がり部12における長さ方向中央部の左側と右側に分けられている。左右の切欠部15の間は、図示しない他の立ち上がり部が、立ち上がり部12と交差して連結される交差連結部(面)となっており、図4及び図9に示すように、当該交差連結部には、他の立ち上がり部との連結に用いられる連結用鉄筋が挿入される挿入穴18と、立ち上がり部12と他の立ち上がり部とを結合するためのグラウト材が注入される注入凹部19と、が形成されている。
なお、他の立ち上がり部が連結されない場合は、挿入穴18及び注入凹部19は形成されず、切欠部15も左右に分けられずに連続するものとする。
また、左右の切欠部15は、連結部16,17が立ち上がり部12の背面側に向かって膨らんで厚みのある状態となっているので、正面側の切欠部14に比して長さが短く設定されている。
そして、左右の切欠部15には、図4に示すように、外力に抵抗するための複数の凹部150が形成されている。複数の凹部150は、切欠部15の長さ方向に間隔を空けて設けられ、かつ切欠部15の表面に対して凹んで形成されている。
背面側の凹部150は、凹みの深さ方向奥側の面151(以下、奥側面151)と、切欠部15の表面(斜め上を向く面)との間に位置する一対の傾斜面152と、を有する。一対の傾斜面152は、互いに対向して配置され、かつ切欠部15の表面から奥側面151にかけて斜めに設けられている。
奥側面151は、正面視において矩形状に形成され、切欠部15の表面も、正面視において矩形状に形成されている。
そして、奥側面151と切欠部15の表面は平行な位置関係で配置されている。ここでいう切欠部15の表面とは、上記の斜め上を向く面を指している。そのため、奥側面151も、切欠部15の表面と同じ角度で斜め上を向く面として形成されている。
また、このような凹部150は、上記の凹部140と同様にコッターとも呼称され、平らな楔として機能する。
以上のような切欠部15及び複数の凹部150は、図8に示すように、立ち上がり部12の下端部における背面側面に凹凸面を形成している。
なお、第一側面であるシアキー側面15aと交差するとともにシアキーの厚み方向に沿って連続する一対の傾斜面152が、第二側面とされている。また、一対の傾斜面152と交差するとともに一対の傾斜面152間に位置する奥側面151が、第三側面とされている。
また、凹部150は、一対の傾斜面152における上端部と、奥側面151の上端部と交差する上側面153を更に有しており、当該上側面は、切欠部15における斜めを向く面と同一角度で傾斜して一体形成されている。
さらに、凹部150も、上記の凹部140と同様に、基礎スラブ11のうち凹部150に食い込んだ部位が略台形状に形成されるので、当該食い込んだ部位と、各凹部150が破損しにくくなる。
立ち上がり部12の正面側面及び背面側面のそれぞれに形成された複数の凹部140,150は、図5に示す底面図のように、下方に向かって開放されている。そのため、現場打ちの基礎スラブ11を構成するコンクリートは、複数の凹部140,150に対して側方からだけでなく、下方からも食い込んだ状態となる。
さらに、切欠部14,15の長さは、本体部13の長さ方向に沿って長尺に形成されてはいるものの、本体部23の長さ寸法よりも短く、本体部23の長さ方向両側端面には到達しない。切欠部14,15の長さ方向両端部には凹部140,150が配置され、当該凹部140,150よりも外方には切欠部14,15が伸びていない。そして、切欠部14,15の長さ方向両端部に配置された凹部140,150の外方に位置する立ち上がり部12の下端部における正面側面及び背面側面は、本体部13の正面側面及び背面側面と面一に設定されている。
すなわち、立ち上がり部12の下端部のうち、切欠部14,15の長さ方向両端部よりも外方に位置する正面側面及び背面側面は、本体部13における正面側面及び背面側面とそれぞれ面一な状態となっている。そのため、切欠部14,15の長さ方向両端部よりも外方に位置する正面側面及び背面側面は、切欠部14,15の表面と複数の凹部140,150における奥側面141,151よりも、立ち上がり部12の厚み方向外側に張り出す段差として機能することになる。
なお、上記した他の立ち上がり部も、本実施形態の立ち上がり部12と同様に、下端部に対して切欠部14,15が形成され、切欠部14,15に対して複数の凹部140,150が形成されているものとする。
また、本実施形態におけるプレキャストコンクリート製部材は、基礎構造10における立ち上がり部12として用いられるものとしたが、これに限られるものではなく、例えば建物の梁として用いられてもよい。
さらに、図5,図10に示すように、底面視において、凹部140,150における長手方向の寸法Xと短手方向の寸法Yとの比が、7:1になっている。
なお、長手方向の寸法Xと短手方向の寸法Yとの比は、7以上:1であればよい。すなわち、長手方向の寸法Xは、短手方向の寸法Yの少なくとも7倍となっている。例えば短手方向の寸法Yが10mmの場合は、長手方向の寸法Xは少なくとも70mmである。更に換言すれば、短手方向の寸法Yを「1」とした場合に、長手方向の寸法Xは、少なくとも「7Y」である。つまり、長手方向の寸法Xは、短手方向の寸法Yの7倍以上である。
ここで、底面視における凹部140,150の長手方向とは、立ち上がり部12の長さ方向に沿う方向であって、かつ、第二側面である一対の傾斜面142,142間の最大離間寸法を指している。つまり、第三側面である奥側面141,151の幅寸法(立ち上がり部12における長さ方向に沿う方向の寸法)を指すものではない。
また、底面視における凹部140,150の短手方向とは、第一側面であるシアキー側面14a,15aから第三側面である奥側面141,151までの寸法(凹部140,150の深さ寸法)を指している。
凹部140,150における長手方向は、立ち上がり部12に対して外力(双方向矢印A1)が入力される方向と同一である。このように外力が入力される方向と、凹部140,150における長手方向とが揃うことで、外力に対する抵抗力を向上させることができる。なお、布基礎やべた基礎等の基礎構造10の場合、一方向だけに沿って立ち上がり部12が配置されることは少なく、しかも、複数の立ち上がり部12同士のほとんどが互いに交差して連結されるため、互いに交差する方向に連結されて配置された立ち上がり部12同士が機能し合い、基礎構造10全体に入力される外力に対して総合的に抵抗できることとなる。
本実施の形態によれば、プレキャストコンクリート製部材12である立ち上がり部12が、現場打ちの基礎スラブ11に定着するシアキーと基礎スラブ11との間に生じる外力に抵抗するために形成された複数の凹部140,150を備えており、シアキーにおける本体部13の長さ方向に沿う側面14a,15aが第一側面とされ、凹部140,150は、第一側面と交差するとともにシアキーの厚み方向に沿って連続し、かつ互いに対向する一対の第二側面(傾斜面142,152)と、一対の第二側面と交差するとともに一対の第二側面間に位置し、凹部140,150における奥側面を構成する第三側面(奥側面141,151)と、を有するので、シアキーが基礎スラブ11に定着し、複数の凹部140,150に対して基礎スラブ11が食い込んだ状態となる。これにより、基礎スラブ11に接合される立ち上がり部12の接合部位に生じる外力に対し、安定して抵抗できるようになる。
また、底面視において、凹部140,150における長手方向の寸法Xと短手方向の寸法Yとの比は、7以上:1であるため、例えば長手方向に外力が入力された場合に、外力に対して安定して抵抗できるようになる。
また、下端部は本体部13の側面に対して凹んだ状態に切欠形成され、第一側面(シアキー側面14a)は、本体部13の側面に対して傾斜し、かつ、本体部13から離間するにつれて外側に広がる傾斜面とされているので、例えば本体部13の側面に対して傾斜する第一側面が、本体部13から離間するにつれて内側に狭まる傾斜面とされる場合に比して、シアキーとして形成された下端部は、基礎スラブ11に対して食い込みやすくなる。
また、第一側面であるシアキー側面14a,15aは、本体部13の長さ方向に沿って長尺に形成され、複数の凹部140,150は、第一側面の長さ方向に間隔を空けて設けられ、かつ第一側面に対して凹んで形成されているので、複数の凹部140,150に対し、基礎スラブ11が食い込む状態とすることができる。これにより、基礎スラブ11に接合する部位を、立ち上がり部12の下端部における長さ方向に沿って複数形成できる。そのため、基礎スラブ11に接合される立ち上がり部12の接合部位に生じる外力に対し、安定して抵抗しやすくなる。
さらに、第一側面と第三側面は平行な位置関係で配置されているので、シアキーにおける本体部13の長さ方向に沿う側面(第一側面)と複数の凹部140,150における深さ方向奥側の面141,151(第三側面)の、同じ向きの面が基礎スラブ11に接することになる。そのため、基礎スラブ11に接合される立ち上がり部12の接合部位に生じる外力に対し、安定して抵抗しやすくなる。
また、第三側面である奥側面141,151は、正面視において矩形状に形成され、第一側面であるシアキー側面14a,15aも、正面視において矩形状に形成されているので、例えば矩形以外の形状とする場合に比して単純な構造で、基礎スラブ11に接する面積を広くしやすい。そのため、基礎スラブ11に接合される立ち上がり部12の接合部位に生じる外力に対し、安定して抵抗しやすくなる。
〔第2実施形態〕
図10において符号20は、住宅等の建物におけるスラブ構造を示す。本実施形態におけるスラブ構造20は、床を構成する床スラブ21と、床スラブ21よりも下方に突出する梁22と、を備える。梁22は、図示しない複数の柱間に架け渡されて設けられているものとする。
本実施形態における床スラブ21は、複数の梁22間に架け渡されて設けられた型枠(図示省略)にコンクリートが現場打ち(現場で打設)されることで形成されるものである。コンクリートは、内部に鉄筋21a,21bを内包するようにして打設され、図11に示すように、固まった後の床スラブ21には鉄筋21a,21bが埋め込まれた状態となる。
鉄筋21aは、上方に位置し、上記した型枠の形成後に配筋される。すなわち、複数の梁22間に型枠を形成した後であって、かつ、コンクリートを現場打ちする前に配筋される。鉄筋21bは、下方に位置し、梁22に形成された挿入穴28に対して挿入される。そのため、当該下方の鉄筋21bは、梁22が現場に輸送されるよりも前に配筋したり、型枠を形成するよりも前に配筋したりすることが可能となっている。
梁22は、プレキャストコンクリート製部材であり、工場で予め製造されて現場に輸送されるものである。内部には鉄筋22aが埋め込まれている。そして、上端部が、現場打ちの床スラブ21に対して埋設され、床スラブ21が固まる過程で、床スラブ21と梁22とが接合される。
このような梁22においては、床スラブ21の下面から露出する部分が本体部23とされ、本体部23は、床スラブ21の下面の面方向に沿って帯状に連続している。
床スラブ21に埋設される梁22の上端部は、床スラブ21に定着するシアキーとして形成されている。梁22の上端部がシアキーとして形成されることにより、梁22の上端部を、床スラブ21が固まる過程で、床スラブ21に対して定着させることができる。
そして、図12に示すように、梁22の上端部には、当該上端部をシアキーとして機能させるための切欠部24,25が形成されている。さらに、梁22は、シアキーとして機能する梁22の上端部と床スラブ21との間に生じる外力に抵抗するための複数の凹部240を備える。
複数の凹部240は、梁22の上端部を本体部23の長さ方向に沿って複数に分断する状態で互いに間隔を空けて形成されている。各凹部240は、正面側と背面側と上方に向かって開放された状態となっている。
すなわち、梁22の上端部は、複数に分断された梁22の上端部が凸部となり、当該凸部間に凹部240が設けられることで櫛刃状に形成されている。複数の凹部240には、床スラブ21における上方の鉄筋21aを配筋することができる。このように櫛刃状に形成されるため、複数に分断された梁22の上端部である凸部は、床スラブ21に対する接触面が平らに形成された楔(上記の凹部140,150と同様、コッターと呼称してもよい。)として機能する。
複数に分断された梁22の上端部には、当該上端部をシアキーとして機能させるための上記の切欠部24,25が、本体部23の側面に対して凹んだ状態に形成されている。
より詳細に説明すると、切欠部24,25は、梁22の上端部における正面側面及び背面側面の双方に形成されている。本実施形態における切欠部24,25のそれぞれは、本体部23の正面側面及び背面側面に対して凹んで形成されている。
そして、斜め下を向く面が、シアキー側面24a,25aとされており、本体部23から離間するにつれて外側に広がる傾斜面とされている。
なお、このような本体部23の長さ方向に沿うシアキー側面24a,25aが、第一側面とされている。
また、複数の凹部240は、第一側面と交差するとともにシアキーの厚み方向に沿って連続し、かつ互いに対向する一対の第二側面と、一対の第二側面と交差するとともに一対の第二側面間に位置し、凹部240における奥側面を構成する第三側面と、を有する。
より詳細に説明すると、本実施形態における一対の第二側面は、シアキーの厚み方向一方側に位置する第一側面(シアキー側面24a)から厚み方向他方側に位置する第一側面(シアキー側面25a)にかけて設けられた一対の垂直面242とされている。すなわち、分断された隣り合うシアキー同士の、互いに対向し合い、かつ平行に配置された垂直な面242が、一対の第二側面とされている。
また、本実施形態における第三側面は、一対の垂直面242における本体部23側の端部間に位置する深さ方向奥側の面241(奥側面241)とされている。
なお、本実施形態における挿入穴28は、梁22の上端部における凸部の位置に対応して形成されているが、これに限られるものではなく、凹部240の位置に対応して形成されてもよい。
また、本実施形態におけるスラブは、床スラブ21であるとしたが、これに限られるものではなく、屋根スラブであってもよい。屋根スラブの場合は、当該屋根スラブの上面における外周縁部(すなわち、梁22の上方の位置)にパラペット(図示省略)が構築される。
さらに、本実施形態における梁22は、図13に示すように、上下を逆転させて用いてもよい。その場合、梁22の下端部に、当該下端部をシアキーとして機能させるための切欠部24,25が形成されている。さらに、複数の凹部240は、梁22の下端部を本体部23の長さ方向に沿って複数に分断する状態で互いに間隔を空けて形成されている。
梁22を上下逆転して用いることで、床スラブ21に対して梁22が上方に突出する態様のスラブ構造20Aを形成することができる。
なお、図示はしないが、梁22の、シアキーとされる一部は、当該梁22の上端部又は下端部だけでなく、側面に、側方に突出して形成されてもよい。
また、本実施形態におけるプレキャストコンクリート製部材は、スラブ構造20における梁22として用いられるものとしたが、これに限られるものではなく、例えば住宅等の建物における基礎の立ち上がり部として用いられてもよい。
さらに、本実施形態における複数の凹部240は、図14に示すように、平面視における長手方向の寸法Xと短手方向の寸法Yとの比が、7以上:1となることが望ましい。
ここで、平面視における凹部240の長手方向とは、梁22の長さ方向と直交する方向であって、かつ、第二側面である一対の垂直面242,242の最大幅寸法を指している。つまり、梁22の上端面における厚み方向の寸法を指している。
また、平面視における凹部240の短手方向とは、分断されたシアキーにおけるシアキー側面24a,25aの、本体部23の長さ方向に沿う方向の寸法を指している。換言すれば、分断された各シアキーの厚み方向(本体部23の長さ方向に沿う方向)の寸法を指している。
凹部240における長手方向は、梁22に対して外力(双方向矢印A2)が入力される方向と同一である。このように外力が入力される方向と、凹部240における長手方向とが揃うことで、外力に対する抵抗力を向上させることができる。なお、床スラブ構造や屋根スラブ構造等のスラブ構造20(20A)の場合、一方向だけに沿って梁22が配置されることは少なく、しかも、複数の梁22同士のほとんどが互いに交差して連結されるため、互いに交差する方向に連結されて配置された梁22同士が機能し合い、スラブ構造20全体に入力される外力に対して総合的に抵抗できることとなる。
本実施の形態によれば、プレキャストコンクリート製部材である梁22が、床スラブ21(屋根スラブ)に定着するシアキーと床スラブ21との間に生じる外力に抵抗するために形成された複数の凹部240を備えており、シアキーにおける本体部23の長さ方向に沿う側面24a,25aが第一側面とされ、凹部240は、第一側面と交差するとともにシアキーの厚み方向に沿って連続し、かつ互いに対向する一対の第二側面(垂直面242)と、一対の第二側面と交差するとともに一対の第二側面間に位置し、凹部240における奥側面を構成する第三側面(奥側面241)と、を有するので、シアキーが床スラブ21に定着し、複数の凹部240に対して床スラブ21が食い込んだ状態となる。これにより、床スラブ21に接合される梁22の接合部位に生じる外力に対し、安定して抵抗できるようになる。
また、複数の凹部240は、梁22の下端部又は上端部を本体部23の長さ方向に沿って複数に分断する状態で互いに間隔を空けて形成されており、一対の第二側面(垂直面242)は、シアキーの厚み方向一方側に位置する第一側面(シアキー側面24a)から厚み方向他方側に位置する第一側面(シアキー側面25a)にかけて設けられ、第三側面(奥側面241)は、一対の第二側面における本体部23側の端部間に位置しているので、複数に分断された下端部間又は上端部間に位置する複数の凹部240に対し、スラブ21が食い込む状態とすることができる。そのため、スラブ21に接合されるプレキャストコンクリート製部材22の接合部位に生じる外力に対し、安定して抵抗しやすくなる。
〔変形例〕
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、変形例について説明する。また、以下の変形例において、上述の実施形態と共通する要素については、共通の符号を付し、説明を省略又は簡略する。
本変形例におけるプレキャストコンクリート製部材は、図15に示すように、上記の第2実施形態で説明した梁22における各シアキーの側面(シアキー側面24a,25a)に、当該各シアキー側面24a,25aに対して凹んで形成された補助凹部245がそれぞれ設けられている。
補助凹部245は、上記の第1実施形態における凹部140,150と略等しい構造を有している。すなわち、補助凹部245は、シアキー側面24a,25aと交差するとともにシアキーの厚み方向に沿って連続し、かつ互いに対向する一対の第二側面(傾斜面247)と、一対の第二側面と交差するとともに一対の第二側面間に位置し、補助凹部245における奥側面を構成する第三側面(奥側面246)と、を有する。第一側面であるシアキー側面24a,25aと第三側面である奥側面246は平行な位置関係で配置されている。
本変形例によれば、複数の凹部240によって分断された第一側面には、当該各第一側面に対して凹んで形成された補助凹部245がそれぞれ設けられているので、種類の異なる凹部240,245が同一のプレキャストコンクリート製部材22に設けられることになる。これにより、どちらの凹部240,245にもスラブ21が食い込む状態となるので、スラブ21に接合されるプレキャストコンクリート製部材22の接合部位に生じる外力に対し、より安定して抵抗しやすくなる。
また、本変形例においても、上記の第1及び第2実施形態で説明した長手方向の寸法Xと短手方向の寸法Yとの比に係る構成が適用される。
より詳細に説明すると、本変形例の場合、分断された各シアキー間における複数の凹部240の長手方向の寸法Xは、梁22の長さ方向と直交する方向であって、かつ、第二側面である一対の垂直面242,242の最大幅寸法を指す。短手方向の寸法Yは、分断されたシアキーにおけるシアキー側面24a,25aの、本体部23の長さ方向に沿う方向の寸法を指す。
一方、分断された各シアキー側面24a,25aに形成された複数の補助凹部245の長手方向の寸法Xは、梁22の長さ方向に沿う方向であって、かつ、第二側面である一対の傾斜面247,247間の最大離間寸法を指している。また、短手方向の寸法Yは、第一側面であるシアキー側面24a,25aから第三側面である奥側面246までの寸法(補助凹部245の深さ寸法)を指している。
本変形例によれば、分断された各シアキー間の凹部240における長手方向の寸法Xと、補助凹部245における長手方向の寸法Xとが直交する方向に配置されているので、建物を構築する複数の梁22同士が、たとえ互いに交差して連結されていない場合でも、入力される外力に対して総合的に抵抗できることとなる。
1 地盤
2 支持層
10 基礎構造
11 基礎スラブ
12 立ち上がり部
13 本体部
14 切欠部
14a シアキー側面
15 切欠部
15a シアキー側面
16 連結部
17 連結部
20 スラブ構造
21 床スラブ(屋根スラブ)
22 梁
23 本体部
24 切欠部
24a シアキー側面
25 切欠部
25a シアキー側面
140 凹部
141 奥側面
142 傾斜面
150 凹部
151 奥側面
152 傾斜面
240 凹部
241 奥側面
242 垂直面
245 補助凹部
246 奥側面
247 傾斜面

Claims (6)

  1. スラブに対して一部が埋設されて接合され、前記一部と一体形成された本体部が前記スラブから露出するプレキャストコンクリート製部材において、
    前記一部には、当該一部を前記スラブに定着するシアキーとして機能させるための切欠部が、前記本体部の側面に対して凹んだ状態に形成され、かつ、前記一部は、複数の凹部を備えており、
    前記切欠部は、第一側面と、前記第一側面と前記本体部の側面との間に位置して当該第一側面及び本体部の側面と連続する面と、を有し、
    前記第一側面は、前記本体部の側面に対して傾斜し、かつ、前記本体部から離間するにつれて外側に広がる傾斜面とされており、
    前記連続する面は、前記本体部の側面に対して傾斜し、かつ、前記本体部から前記第一側面の方に離間するにつれて前記一部の厚み方向中心側に狭まる傾斜面とされており、
    前記凹部は、
    前記第一側面と交差するとともに前記一部の厚み方向中心に向かって連続し、互いに対向する一対の第二側面と、
    前記一対の第二側面と交差するとともに前記一対の第二側面間に位置し、前記凹部における奥側面を構成する第三側面と、
    前記第二側面と前記第三側面における前記本体部側の端部と交差する面と、を有し、
    前記交差する面は、前記切欠部における前記連続する面と同一角度で傾斜し、かつ、前記連続する面と一体形成され、
    前記切欠部及び前記凹部は、前記一部の両側面にあり、
    さらに、当該凹部は、前記本体部とは反対側に向かって開放されているとともに、前記本体部側には形成されていないことを特徴とするプレキャストコンクリート製部材。
  2. 請求項1に記載のプレキャストコンクリート製部材において、
    平面視又は底面視において、前記凹部における長手方向の寸法と短手方向の寸法との比は、7以上:1であることを特徴とするプレキャストコンクリート製部材。
  3. 請求項1又は2に記載のプレキャストコンクリート製部材において、
    前記第一側面は、前記本体部に沿って長尺に形成され、
    前記複数の凹部は、前記第一側面の長さ方向に間隔を空けて設けられ、かつ前記第一側面に対して凹んで形成され、
    前記第一側面と前記第三側面は平行な位置関係で配置されていることを特徴とするプレキャストコンクリート製部材。
  4. 請求項に記載のプレキャストコンクリート製部材において、
    前記第三側面は、正面視において矩形状に形成され、前記複数の凹部間に位置する前記第一側面も、正面視において矩形状に形成されていることを特徴とするプレキャストコンクリート製部材。
  5. 請求項1~のいずれか一項に記載のプレキャストコンクリート製部材は、建物の基礎における立ち上がり部であり、前記スラブは、前記基礎における基礎スラブであることを特徴とする基礎構造。
  6. 請求項1~のいずれか一項に記載のプレキャストコンクリート製部材は、建物の梁であり、前記スラブは、前記建物における床スラブ又は屋根スラブであることを特徴とするスラブ構造。
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