JP2010207821A - しごき加工装置 - Google Patents

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Takuo Kobayashi
卓生 小林
Shingo Maeda
真吾 前田
Izuru Hori
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Abstract

【課題】一度のしごき加工により、ワークの幅方向に板厚を変化させることができるしごき加工装置を提供すること。
【解決手段】第2プレス機は、平板状の鋼板をしごき加工する。この第2プレス機は、鋼板の下面を支持する支持部と、鋼板の上面に配置されるロッド60と、このロッド60を鋼板表面に沿って移動させる、ガイドレール、第1カム、第2カムを含む上型、昇降機構と、を備える。ロッド60の下面60Aには、ロッド60の移動方向に交差する方向に沿って段差が形成される。
【選択図】図4

Description

本発明は、しごき加工装置に関する。詳しくは、平板状のワークをしごき加工するしごき加工装置に関する。
従来より、自動車の安全性能を確保しつつ軽量化を図るため、車体を構成するパネル部材の一部の板厚を変更することが要請されている。そのため、強度の高い高張力鋼板を用いることが考えられる。しかしながら、高張力鋼板は高価であるため、材料費が上昇する。さらに、所定値以上の高張力鋼板は、供給体制に地域差があり、場所によっては非常にコストが上昇するため、採用できない。
そこで、テーラードブランク材を用いることが提案されている。このテーラードブランク材は、板厚の異なる複数種類の板材を溶接により接合することで形成される。
しかしながら、この手法では、板材を接合するための設備が必要となり、コスト高となる。また、材料の接合部では、強度が低下したり、成形性が低下したりするため、成形金型の構造が複雑化する、という問題がある。
また、しごき加工が提案されている。しごき加工とは、所定の板厚の板材の少なくとも一部を工具でしごくことにより、このしごいた部分の板厚を薄くする加工である。
しごき加工の手法としては、例えば、せん断加工用のプレス機を用いて、このプレス機の一対の金型同士の隙間にワークを挟み込んで、上下方向に相対移動することにより、しごき加工を行う(特許文献1参照)ものがある。
このような手法によれば、テーラードブランク材のように接合部が生じず、接合部で強度が低下するのを防止できる。
特開2006−297461号公報
しかしながら、この手法では、一度のしごき加工により、金型の移動方向に沿ってワークの板厚を変化させることはできるが、ワークの幅方向、つまり、金型の移動方向に交差する方向に沿って、ワークの板厚を変化させることはできない。
そのため、ワークの幅方向に沿ってワークの板厚を変化させようとすると、ワークの向きを変えて再度しごき加工を行う必要となり、ワークの加工が煩雑になる、という問題があった。
本発明は、一度のしごき加工により、ワークの幅方向に板厚を変化させることができるしごき加工装置を提供することを目的とする。
本発明のしごき加工装置は、平板状のワーク(例えば、後述の鋼板W)をしごき加工するしごき加工装置(例えば、後述の第2プレス機10)であって、前記ワークの下面を支持する支持部材(例えば、後述の支持部221)と、前記ワークの上面に配置されるしごき部材(例えば、後述のロッド60)と、当該しごき部材を前記ワーク表面に沿って移動させる駆動源(例えば、後述のガイドレール24、第1カム25、第2カム34を含む上型30、昇降機構40)と、を備え、前記しごき部材の下面には、前記しごき部材の移動方向に交差する方向に沿って段差(例えば、後述の突出部61)が形成されることを特徴とする。
この発明によれば、駆動源により、しごき部材をワーク表面に沿って移動して、ワークをしごき加工する。
ここで、しごき部材の下面に、しごき部材の移動方向に交差する方向に沿って段差を形成した。よって、しごき部材をワーク表面に沿って移動させると、突出部によりワークの一部が強くしごかれることになる。したがって、一度のしごき加工により、ワークの幅方向に、つまり、しごき部材の移動方向に交差する方向に沿って、板厚を変化させることができる。
この場合、前記しごき部材の下面(例えば、後述の下面60A)には、突出部(例えば、後述の突出部61)が形成され、当該突出部は、前記しごき部材の前端から後端側に向かうに従って側方に至る側面(例えば、後述の第1側面61A)を有することが好ましい。
ところで、しごき部材の段差により強くしごかれる部分では、その他の部分に比べてしごき量が多くなるため、この強くしごかれる部分とその他の部分との境界付近では、しわや亀裂が発生しやすくなる。
しかしながら、この発明によれば、しごき部材の下面に突出部を形成し、この突出部に、しごき部材の前端から後端側に向かうに従って側方に至る側面を設けた。よって、しごき部材をワーク表面に沿って移動させると、ワークの材料は、突出部の側面により押されながら、この側面に沿って側方に流れる。よって、材料を円滑に移動できるから、しわや亀裂の発生を抑制できる。
この場合、前記突出部は、平面視で、当該しごき部材の前端側に向かって尖った形状であり、当該突出部の前端には、平面視で、当該突出部の全体形状よりもさらに尖った形状の鋭角部(例えば、後述の鋭角部62)が形成されていることが好ましい。
この発明によれば、突出部の前端に、平面視で、この突出部の全体形状よりもさらに尖った形状の鋭角部を形成した。よって、突出部の前端が極めて鋭角になるので、しごき部材をワーク表面に沿って移動させると、この鋭角部により材料を確実に分断できるから、しわや亀裂の発生をより確実に抑制できる。
この場合、前記鋭角部の中心線(例えば、後述の中心線C)は、前記しごき部材の移動方向に沿って延びていることが好ましい。
しごき部材をワーク表面に沿って移動させると、鋭角部により、ワークの材料が分断されて、この分断された材料は、鋭角部を構成する2つの面の一方あるいは他方に沿って流れる。このとき、分断された材料がどちらか一方の面に偏って流れると、ワークが所望の板厚にならなくなる。
そこで、この発明によれば、鋭角部の中心線を、しごき部材の移動方向に沿って延びるようにした。よって、鋭角部で分断された材料は、この鋭角部を構成する2つの面に沿ってほぼ均等に流れるから、材料がどちらか一方の面に偏って流れるのを防いで、ワークを所望の板厚にすることができる。
本発明のしごき加工装置は、平板状のワークをしごき加工するしごき加工装置であって、前記ワークの下面を支持する支持部材と、前記ワークの上面に配置されるしごき部材と、当該しごき部材を前記ワーク表面に沿って移動させる駆動源と、を備え、前記支持部材の上面には、前記しごき部材の移動方向に交差する方向に沿って段差(例えば、後述の凹部224)が形成されることを特徴とする。
この発明によれば、支持部材の上面に、しごき部材の移動方向に交差する方向に沿って段差を形成した。よって、しごき部材をワーク表面に沿って移動させると、しごき部材によりワークが下方に押圧されるから、支持部材の段差により、ワークの一部が強くしごかれることになる。したがって、一度のしごき加工により、ワークの幅方向に、つまり、しごき部材の移動方向に交差する方向に沿って、板厚を変化させることができる。
この場合、前記しごき部材には、前記ワークの幅方向の側面を覆う規制部(例えば、後述の溝63)が設けられることが好ましい。
しごき部材によりワーク上面を押圧すると、材料がワークの側方に逃げてしまい、材料が支持部材に形成された段差の凹部に流入しにくくなる場合がある。
そこで、この発明によれば、ワークの幅方向の側面を覆う規制部を設けた。よって、しごき部材によりワーク上面を押圧しても、規制部により材料がワークの側方に流れるのを防止できるので、材料をワーク下方の段差の凹部に確実に流入させることができる。
この場合、前記しごき部材の下面のうち前記支持部材の段差の凹部に対向する部分には、突出部(例えば、後述の突出部64)が形成されることが好ましい。
この発明によれば、しごき部材の下面に、しごき部材の移動方向に交差する方向に沿って段差を形成した。よって、しごき部材をワーク表面に沿って移動させると、突出部によりワークの一部が強くしごかれることになる。したがって、一度のしごき加工により、ワークの幅方向に、つまり、しごき部材の移動方向に交差する方向に沿って、板厚を変化させることができる。
また、支持部材の上面に、しごき部材の移動方向に交差する方向に沿って段差を形成した。よって、しごき部材をワーク表面に沿って移動させると、しごき部材によりワークが下方に押圧されるから、支持部材の段差により、ワークの一部が強くしごかれることになる。したがって、一度のしごき加工により、ワークの幅方向に、つまり、しごき部材の移動方向に交差する方向に沿って、板厚を変化させることができる。
本発明によれば、しごき部材の下面に、しごき部材の移動方向に交差する方向に沿って段差を形成した。よって、しごき部材をワーク表面に沿って移動させると、突出部によりワークの一部が強くしごかれることになる。したがって、一度のしごき加工により、ワークの幅方向に、つまり、しごき部材の移動方向に交差する方向に沿って、板厚を変化させることができる。
本発明の第1実施形態に係るしごき加工装置が適用されたプレスラインの概略構成を示す図である。 前記実施形態に係るしごき加工装置の側面図および正面図である。 前記実施形態に係るしごき加工装置の一部の拡大側面図である。 前記実施形態に係るしごき加工装置のしごき部材の斜視図である。 前記実施形態に係るしごき部材の平面図である。 前記実施形態に係るしごき加工装置の動作を説明するための図である。 前記実施形態に係るしごき部材の動作を説明するための図である。 前記実施形態に係るしごき加工装置を用いてしごき加工したワークの斜視図である。 本発明の第2実施形態に係るしごき加工装置のしごき部材の動作を説明するための図である。 本発明の第3実施形態に係るしごき加工装置のしごき部材の斜視図である。 前記実施形態に係るしごき部材の動作を説明するための図である。 本発明の第4実施形態に係るしごき加工装置のしごき部材の斜視図である。 前記実施形態に係るしごき部材の平面図である。 前記実施形態に係るしごき部材の動作を説明するための図である。 本発明の第5実施形態に係るしごき加工装置のしごき部材の斜視図である。 前記実施形態に係るしごき部材の動作を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係るしごき加工装置が適用されたプレスライン1の概略構成を示す図である。
プレスライン1は、トリム加工を行う第1プレス機2と、しごき加工を行うしごき加工装置としての第2プレス機10と、ドロー加工を行う第3プレス機3と、リストライク加工を行う第4プレス機4と、ベンド・ピアス加工を行う第5プレス機5と、を備える。このプレスライン1では、トリム、しごき、ドロー、リストライク、ベンド・ピアスの順に行う。
第1プレス機2は、ワーク(例えば、鋼板)をせん断加工して不要な部分を除去するトリム加工を行う。
第2プレス機10は、ワークの少なくとも一部を薄肉化するしごき加工を行う。
第3プレス機3は、ワークをドロー成形するドロー加工を行う。
第4プレス機4は、ワークを再びドロー成形するリストライク加工を行う。
第5プレス機5は、ワークを曲げ加工するベンド加工およびワークに穴を開けるピアス加工を行う。
図2は、第2プレス機10の側面図および正面図である。図3は、第2プレス機10のベースブロック22の拡大側面図である。
第2プレス機10は、下型20と、下型20の上方に配置された駆動源としての上型30と、この上型30を下型20に対して接近または離隔させる駆動源としての昇降機構40と、これらを制御する制御装置50と、を有する。
下型20は、基部21と、この基部21に設けられてワークとしての鋼板Wが収容されるベースブロック22と、基部21に設けられて鋼板Wが載置されるホルダ23と、ベースブロック22を貫通して鋼板Wの上面に配置される棒状のしごき部材としてのロッド60と、ベースブロック22を挟んで設けられた駆動源としての一対のガイドレール24と、一対のガイドレール24上に設けられた駆動源としての一対の第1カム25と、を備える。
第1カム25は、ロッド60の側面に当接する当接面251と、上型30の移動方向に対して傾斜した第1傾斜面252と、を有する。
ベースブロック22は、鋼板Wの下面を支持する平板状の支持部材としての支持部221と、この支持部221に対向配置された押え部222と、支持部221と押え部222とを連結する連結柱223と、とを備え、これら支持部221、押え部222、および連結柱223は、一体に形成されている。
ロッド60は、支持部221と押え部222との間に挿通されており、このロッド60の両端側は、ベースブロック22の外部に露出し、第1カム25の当接面251に当接している。
このロッド60は、支持部221と押え部222との間を、ガイドレール24の延出方向に沿って移動可能となっている。また、ロッド60の鋼板Wの板厚方向の移動は、押え部222の下面がロッド60の上面に当接することで規制される。
押え部222の支持部221の上面からの高さは、図3に示すように、ロッド60の移動方向の位置に応じて変化する。具体的には、押え部222の高さは、ロッド60の移動開始位置では、hであるが、前進するに従って低くなって、移動終了位置では、hとなっている。
上型30は、基部31と、この基部31に設けられたホルダ33と、一対の第2カム34と、を備える。
ホルダ33は、鋼板Wを上下に挟んで下型20のホルダ23に対向する位置に設けられ、ホルダ23に向かって進退可能となっている。
第2カム34は、第1カム25の第1傾斜面252に当接する第2傾斜面341を有する。
図4は、ロッド60の斜視図であり、図5は、ロッド60の平面図である。図4および図5では、理解を容易にするために、ロッド60の下面60Aを上面として表している。
ロッド60の下面60Aには、一対の突出部61が形成されて、これにより、ロッド60の移動方向に交差する方向に段差が形成されている。
突出部61は、それぞれ、平面視で、ロッド60の前端側に向かって尖った略三角形状である。この突出部61は、ロッド60の前端から後端側に向かうに従って側方に至る第1側面61Aと、ロッド60の移動方向に沿って延びる第2側面61Bと、を備える。
この突出部61の前端には、平面視で、この突出部61の全体形状よりもさらに尖った形状の鋭角部62が形成され、この鋭角部62の中心線Cは、ロッド60の移動方向に沿って延びている。
以上の第2プレス機10は、以下のように動作する。
まず、鋼板Wをベースブロック22の内部に投入する。
すると、図2(a)、(b)に示すように、鋼板Wは、ベースブロック22の内部に収容されて、鋼板Wの基端側は、ホルダ23の上に載置される。この状態では、ロッド60は、移動開始位置に位置している。この位置では、押え部222の高さがhであるので、ロッド60は鋼板Wを押圧していない。
次に、図2(a)、(b)に示す状態から、図6(a)に示すように、制御装置50により昇降機構40を駆動して、上型30を下降させて、ホルダ23とホルダ33とで鋼板Wの基端側を挟持するとともに、第2カム34の第2傾斜面341の一部を、第1カム25の第1傾斜面252に当接させる。
次に、図6(b)に示すように、上型30をさらに下降させて、第2カム34を下降させるとともに、ホルダ33(ガススプリング等)を圧縮させる。具体的には、ホルダ23およびホルダ33により適度な力で鋼板Wを確実に保持できるように、ホルダ33を制御する。すると、第1カム25の第1傾斜面252が第2カム34の第2傾斜面341により押圧されて、第1カム25は、当接面251でロッド60を押圧しながら、ガイドレール24上を移動する。
これにより、ロッド60は、鋼板W表面に沿って、移動終了位置に向かって移動する。すると、押え部222の高さがhからhに変化するため、押え部222によりロッド60が押圧され、つまり、ロッド60の鋼板Wの板厚方向の移動が規制されて、鋼板Wがしごき加工される。
このとき、ロッド60により鋼板Wがしごかれるが、突出部61により鋼板Wの一部が強くしごかれることになる。
また、図7に示すように、平面視では、突出部61の鋭角部62により、鋼板Wの材料が分断される。この分断された材料は、鋭角部62を構成する第1側面61A、第2側面61Bに沿ってほぼ均等に流れる。第1側面61A側に流れた材料は、この第1側面61Aにより押されながら、第1側面61Aに沿って側方に流れる。
その後、しごき加工された鋼板Wを取り出す。
なお、本実施形態では、押え部222の高さを、移動開始位置ではhとし、移動終了位置ではhとしたが、これに限らず、押え部222の高さは、適宜設定されてよい。
図8は、第2プレス機10によりしごき加工された鋼板Wの斜視図である。
以上の第2プレス機10を用いて1回しごき加工を行うことにより、図8に示すように、ロッド60の移動方向に交差する方向に沿って板厚を変化させることができる。
すなわち、板厚tの平板状の鋼板Wの両端側をしごき加工して、中央部分の板厚をtと同等またはtよりも薄いtとし、両端側の板厚をtよりもさらに薄いtとすることができる。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)押え部222により、ロッド60の板厚方向の移動を規制して鋼板Wを押圧しながら、ロッド60を鋼板W表面に沿って移動して、鋼板Wをしごき加工する。
ここで、ロッド60の下面60Aに突出部61を設けて、ロッド60の移動方向に交差する方向に沿って段差を形成した。よって、ロッド60を鋼板W表面に沿って移動させると、突出部61により鋼板Wの一部が強くしごかれることになる。したがって、一度のしごき加工により、鋼板Wの幅方向に、つまり、ロッド60の移動方向に交差する方向に沿って、板厚を変化させることができる。
(2)突出部61に、ロッド60の前端から後端側に向かうに従って側方に至る第1側面61Aを設けた。よって、ロッド60を鋼板Wの表面に沿って移動させると、鋼板Wの材料は、突出部61の第1側面61Aにより押されながら、この第1側面61Aに沿って側方に流れる。よって、材料を円滑に移動できるから、しわや亀裂の発生を抑制できる。
(3)突出部61の前端に、平面視で、この突出部61の全体形状よりもさらに尖った形状の鋭角部62を形成した。よって、突出部61の前端が極めて鋭角になるので、ロッド60を鋼板Wの表面に沿って移動させると、この鋭角部62により材料を確実に分断できるから、しわや亀裂の発生をより確実に抑制できる。
(4)鋭角部62の中心線Cを、ロッド60の移動方向に沿って延びるようにした。よって、鋭角部62で分断された材料は、この鋭角部62を構成する第1側面61Aおよび第2側面61Bに沿ってほぼ均等に流れるから、材料がどちらか一方の面に偏って流れるのを防いで、鋼板Wを所望の板厚にすることができる。
〔第2実施形態〕
本実施形態では、ロッド60および支持部221の構造が第1実施形態と異なる。
すなわち、図9(a)、(b)に示すように、ロッド60の下面60Aは平面であり、支持部221の上面には、平面視で矩形状の凹部224が形成されている。これにより、支持部221の上面には、段差が形成されている。
この第2プレス機10では、ロッド60を鋼板W表面に沿って移動すると、ロッド60により鋼板Wが下方に押圧されるから、鋼板Wの材料が支持部221の凹部224に流入する。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(5)支持部221の上面に凹部224を設け、これにより、ロッド60の移動方向に交差する方向に沿って段差を形成した。よって、ロッド60を鋼板Wの表面に沿って移動させると、ロッド60により鋼板Wが下方に押圧されるから、鋼板Wの凹部224に対向する部分のしごき量が少なくなる。したがって、一度のしごき加工により、鋼板Wの幅方向に、つまり、ロッド60の移動方向に交差する方向に沿って、板厚を変化させることができる。
〔第3実施形態〕
本実施形態では、ロッド60および支持部221の構造が第1実施形態と異なる。
図10は、ロッド60の斜視図である。図10では、理解を容易にするために、ロッド60の下面60Aを上面として表している。
ロッド60の下面60Aには、ロッド60の前端から後端に至る規制部としての溝63が形成されている。この溝63の一対の内壁面63Aは、鋼板Wの幅方向の側面を覆っており、これら内壁面63A同士の間隔は、鋼板Wの幅寸法よりも僅かに大きくなっている。
一方、支持部221の上面には、第2実施形態と同様に、平面視で矩形状の凹部224が形成されている。
この第2プレス機10では、ロッド60を鋼板W表面に沿って移動すると、図11に示すように、ロッド60により鋼板Wが下方に押圧されるから、鋼板Wの材料が支持部221の凹部224に流入する。
このとき、鋼板Wの材料の一部は、側方に向かって流れようとするが、溝63の内壁面63Aにより、材料が鋼板Wの側方に流れるのが防止される。
本実施形態によれば、上述の(5)の効果に加え、以下のような効果がある。
(6)内壁面63Aが鋼板Wの幅方向の側面を覆うように、溝63を設けた。よって、ロッド60により鋼板Wの上面を押圧しても、内壁面63により材料が鋼板Wの側方に流れるのを防止できるので、材料を鋼板W下方の凹部224に確実に流入させることができる。
〔第4実施形態〕
本実施形態では、ロッド60および支持部221の構造が第1実施形態と異なる。
図12は、ロッド60の斜視図であり、図13は、ロッド60の平面図である。図12および図13では、理解を容易にするために、ロッド60の下面60Aを上面として表している。
ロッド60の下面60Aには、突出部64が形成されて、これにより、ロッド60の移動方向に交差する方向に段差が形成されている。
突出部64は、平面視で、ロッド60の前端側に向かって尖った略台形状である。この突出部64は、ロッド60の幅方向に沿って延びる第1側面64Aと、ロッド60の前端から後端側に向かうに従って側方に至る第2側面64Bと、を備える。
一方、支持部221の上面には、第2実施形態と同様に、平面視で矩形状の凹部224が形成されている。
この第2プレス機10では、ロッド60を鋼板W表面に沿って移動すると、図14に示すように、ロッド60により鋼板Wが下方に押圧される。このとき、突出部64により、鋼板Wの凹部224に対向する部分の材料が強く押されて、支持部221の凹部224に流入する。
本実施形態によれば、上述の(1)、(2)、(5)の効果に加え、以下のような効果がある。
(7)ロッド60の下面60Aの支持部221の凹部224に対向する部分に、突出部64を設けた。よって、ロッド60を鋼板Wの表面に沿って移動させると、ロッド60の突出部64により鋼板Wの一部が下方に強く押圧されて、鋼板Wの下方の凹部224に流入するから、材料を凹部224にさらに確実に流入させることができる。
〔第5実施形態〕
本実施形態では、ロッド60および支持部221の構造が第1実施形態と異なる。
図15は、ロッド60の斜視図である。図15では、理解を容易にするために、ロッド60の下面60Aを上面として表している。
ロッド60の下面60Aには、突出部65が形成されて、これにより、ロッド60の移動方向に交差する方向に段差が形成されている。
突出部65は、平面視で、ロッド60の前端側に向かって尖った略三角形状である。この突出部65は、ロッド60の前端から後端側に向かうに従って側方に至る2つの側面65Aを備える。
一方、支持部221の上面には、平面視で矩形状の凸部225が形成されている(図16参照)。
この第2プレス機10では、ロッド60を鋼板W表面に沿って移動すると、図16に示すように、ロッド60により鋼板Wが下方に押圧される。よって、鋼板Wの突出部65と凸部225との間の部分の材料が強くしごかれる。その結果、鋼板Wの中央部分の板厚を両端側の板厚よりも薄くしごき加工できる。
本実施形態によれば、上述の(1)、(2)の効果に加え、以下のような効果がある。
(8)支持部221の上面に凸部225を設け、これにより、ロッド60の移動方向に交差する方向に沿って段差を形成した。よって、ロッド60を鋼板Wの表面に沿って移動させると、ロッド60により鋼板Wが下方に押圧されるから、鋼板Wの凸部225に対向する部分のしごき量が多くなる。したがって、一度のしごき加工により、鋼板Wの幅方向に、つまり、ロッド60の移動方向に交差する方向に沿って、板厚を変化させることができる。
(9)ロッド60の下面60Aの支持部221の凸部225に対向する部分に、突出部65を設けた。よって、ロッド60を鋼板Wの表面に沿って移動させると、ロッド60の突出部65により鋼板Wの一部が下方に強く押圧されて、凸部225との間で、材料を強くしごくことができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
W 鋼板(ワーク)
C 中心線
10 第2プレス機(しごき加工装置)
24 ガイドレール(駆動源)
25 第1カム(駆動源)
34 第2カム(駆動源)
40 昇降機構(駆動源)
60 ロッド(しごき部材)
60A ロッドの下面
61、64 突出部
62 鋭角部
63 溝(規制部)
61A 第1側面(突出部の側面)
221 支持部(支持部材)
224 凹部

Claims (7)

  1. 平板状のワークをしごき加工するしごき加工装置であって、
    前記ワークの下面を支持する支持部材と、
    前記ワークの上面に配置されるしごき部材と、
    当該しごき部材を前記ワーク表面に沿って移動させる駆動源と、を備え、
    前記しごき部材の下面には、前記しごき部材の移動方向に交差する方向に沿って段差が形成されることを特徴とするしごき加工装置。
  2. 請求項1に記載のしごき加工装置において、
    前記しごき部材の下面には、突出部が形成され、
    当該突出部は、前記しごき部材の前端から後端側に向かうに従って側方に至る側面を有することを特徴とするしごき加工装置。
  3. 請求項2に記載のしごき加工装置において、
    前記突出部は、平面視で、当該しごき部材の前端側に向かって尖った形状であり、
    当該突出部の前端には、平面視で、当該突出部の全体形状よりもさらに尖った形状の鋭角部が形成されていることを特徴とするしごき加工装置。
  4. 請求項3に記載のしごき加工装置において、
    前記鋭角部の中心線は、前記しごき部材の移動方向に沿って延びていることを特徴とするしごき加工装置。
  5. 平板状のワークをしごき加工するしごき加工装置であって、
    前記ワークの下面を支持する支持部材と、
    前記ワークの上面に配置されるしごき部材と、
    当該しごき部材を前記ワーク表面に沿って移動させる駆動源と、を備え、
    前記支持部材の上面には、前記しごき部材の移動方向に交差する方向に沿って段差が形成されることを特徴とするしごき加工装置。
  6. 請求項5に記載のしごき加工装置において、
    前記しごき部材には、前記ワークの幅方向の側面を覆う規制部が設けられることを特徴とするしごき加工装置。
  7. 請求項5または6に記載のしごき加工装置において、
    前記しごき部材の下面のうち前記支持部材の段差の凹部に対向する部分には、突出部が形成されることを特徴とするしごき加工装置。
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