JP2010075945A - 閉構造部材の製造方法、プレス成形装置及び閉構造部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ヘミングプレス工程では、パンチ84を更にプレス位置側へ下降させて、一対のフランジ部20、22をスリット溝102内へ挿入しつつ、ヘミング突起28を屈曲してヘミング突起28により他方のフランジ部22を挟み込み、一方のフランジ部20を他方のフランジ部22に接合すると同時に、パンチ84における一対のプレス成形面96により金属板を加圧して、ブランク材24における一対の肩部26を所定の形状にプレス成形する。これにより、一方のフランジ部20をヘミング突起28により他方のフランジ部22に固定(ヘミング接合)できると同時に、ブランク材24における一対の肩部26を所定形状にプレス成形することができる。
【選択図】図6
Description
ところで、上記したような閉断面構造を有する閉構造部材を製造する場合には、閉構造部材を構成する複数個のプレス部品を、それぞれ鋼板等をプレス加工することにより成形した後、これらのプレス部品を互いに重ね合わせた状態とし、これらのプレス部品にそれぞれ形成されたフランジ部同士をヘミング接合する、もしくは溶接することで、複数個のプレス部品を閉構造部材に組立てる。
本発明の請求項3に係る閉構造部材の製造に用いるプレス成形装置は、請求項1又は2記載の閉構造部材の製造方法に用いられるプレス成形装置であって、前記プレス成形型と、前記閉込み工程及び前記ヘミングプレス工程の実行時に、前記プレス成形型を前記プレス方向へ駆動する駆動手段とを有し、前記プレス成形型は、前記閉構造部材における一対の前記フランジ部の外側部分にそれぞれ対応する形状を有する一対のプレス成形面、前記プレス直交方向に沿って一対の前記プレス成形面の外側にそれぞれ配置され、前記プレス方向及び前記プレス直交方向に対して傾斜した一対の挿入ガイド面及び、前記プレス直交方向に沿った一対の前記挿入ガイド面の間に形成されたスリット溝を具備することを特徴とする。
また本発明に係る閉構造部材によれば、構成部品の点数を減少できると共に、軽量化が可能になる。
(閉構造部材の構成)
図1(A)〜(D)には、それぞれ本発明の実施形態に係る閉構造部材の製造方法を用いて製造された閉構造部材が示されている。これらの閉構造部材10〜16は、自動車等の車体におけるサイドメンバの一部として用いられるものであり、金属板(本実施形態では、高張力鋼板)を素材として形成されている。これらの閉構造部材10〜16は、図1(A)〜(D)にそれぞれ示されるように、車両に搭載された状態を基準とし、車両の前後方向を長手方向(矢印LP方向)とする細長い筒状に形成され、長手方向に沿った両端がそれぞれ開口端とされている。
閉構造部材10〜16の本体部18は、車体における設置スペースや要求される強度等に応じて種々の断面形状を有している。具体的には、例えば、閉構造部材10(図1(A)参照)では、本体部18の断面形状が車両の左右方向を長手方向とする略長方形とされている。また閉構造部材12(図1(B)参照)では、本体部18の断面形状が略正六角形とされている。また閉構造部材14(図1(C)参照)では、本体部18の断面形状が上端側の両側のコーナ部がそれぞれ下方へ向ってテーパ状に広がる変則六角形とされている。また閉構造部材16(図1(D)参照)では、本体部18の断面形状が上端側の両側のコーナ部がそれぞれ下方へ向ってテーパ状に広がると共に、下端側の両側のコーナ部がそれぞれ下方へ向ってテーパ状に狭くなる変則八角形とされている。
閉構造部材10〜16には、上下方向(矢印HP方向)に沿った上端部に一対のフランジ部20、22が形成されており、一対のフランジ部20、22は、幅方向(矢印WP方向)において互いに対称的な形状とされている。一対のフランジ部20、22は、本体部18における長手直角方向に沿った両端部(一対の接合端部)がそれぞれ上方へ屈曲されることにより形成されている。これら一対のフランジ部20、22は、図1(A)〜(D)に示される状態(完成状態)では、スポット溶接、レーザ溶接、アーク溶接等の各種の溶接方法により互いに接合されている。
図2〜図4には、本発明の実施形態に係る閉構造部材の製造装置である第1プレス成形装置、第2プレス成形装置及びヘミングプレス装置の構成がそれぞれ示されると共に、これらの装置により加工を受けている製造途中の閉構造部材が示されている。なお、図2〜図4にそれぞれ示される第1プレス成形装置30、第2プレス成形装置60及びヘミングプレス装置80は、略正六角形の断面形状を有する閉構造部材12(図1(B)参照)を製造するためのものである。
油圧アクチュエータ66は、第2プレス成形装置60の支持フレーム(図示省略)側に固定されたシリンダ76及び、このシリンダ76の内周側に配置され、シリンダ76により高さ方向に沿ってスライド可能に支持されたプランジャ78を備えており、このプランジャ78の下端部はパンチ64の上端面中央部に連結されている。油圧アクチュエータ66は、油圧制御部(図示省略)からの油圧制御に従って、パンチ64を、そのプレス成形面74がダイス62のプレス成形面68に嵌合したプレス位置(図3参照)とダイス62の上方へ離間する待機位置との間で移動させる。
油圧アクチュエータ90は、ヘミングプレス装置80の支持フレーム(図示省略)側に固定されたシリンダ106及び、このシリンダ106の内周側に配置され、シリンダ106により高さ方向に沿ってスライド可能に支持されたプランジャ108を備えており、このプランジャ108の下端部はパンチ84の上端面中央部に連結されている。油圧アクチュエータ90は、油圧制御部(図示省略)からの油圧制御に従って、パンチ84を、そのプレス成形面96がインサートコア82のプレス成形面98に嵌合するプレス位置(図4(C)参照)とインサートコア82の上方へ離間する待機位置との間で移動させる。
図2〜図5に示す前記装置は油圧アクチュエータを用いてパンチを駆動させる方式のプレス成形装置を示しているが、本発明のプレス成形装置はこれに限定されず、クランクプレスを含めメカプレス機(一般的なプレス機)を用いても良い。
次に、上記した製造装置を用いて閉構造部材12を製造する方法(閉構造部材の製造方法)について説明する。
本実施形態に係る閉構造部材の製造方法では、先ず、第1プレス成形装置30を用いて第1プレス工程が行われる。この第1プレス工程では、予め所定の形状に切断加工された高張力鋼板であるブランク材24を第1プレス成形装置30におけるダイス32のプレス成形面38とパンチ34のプレス成形面44との間に装填する。この後、油圧アクチュエータ36により待機位置にあるパンチ34をプレス位置まで下降させる。これにより、図2に示されるように、ブランク材24がプレス成形面38、44に対応する形状に成形(プレス成形)される。このとき、ブランク材24には、その幅方向に沿った両端部にそれぞれフランジ部20、22が形成されると共に、一対の傾斜面42、48により本体部18における一対の肩部26が形成される。
本実施形態に係る閉構造部材の製造方法では、予備ヘミング工程の完了後に、第2プレス成形装置60を用いて第2プレス工程が行われる。この第2プレス工程では、第1プレス工程及び予備ヘミング工程を経て、一対の肩部26及び複数個のヘミング突起28が形成されたブランク材24を第2プレス成形装置60におけるダイス62のブランク挿入部67上に装填した後、油圧アクチュエータ66により待機位置にあるパンチ64をプレス位置まで下降させる。これにより、図3に示されるように、ブランク材24の幅方向中央部がプレス成形面68、74に対応する形状に成形(プレス成形)される。このとき、ブランク材24には、その幅方向中央部に本体部18における底板部54が形成されると共に、一対の肩部26と底板部54との間がそれぞれ側板部56とされ、これら一対の側板部56がそれぞれ一対のブランク支持面70により支持されつつ、底板部54に対して所定の傾斜角となるように屈曲される。
前述したように、一方のフランジ部20の先端から突出するヘミング突起28は、予め予備ヘミング工程が行われることにより、図7(A)及び(B)に示されるように、他方のフランジ部22側へ屈曲されている。このとき、フランジ部20とヘミング突起28との角度θPは90°乃至90°よりも僅かに大きい角度とすることが好ましい。すなわち、角度θPは90°よりも小さくなると、予備的に屈曲されたヘミング突起28が他方のフランジ部22に対してアンダカットの位置関係になることから、フランジ部20、22間の円滑に近づけることができなくなる。
本実施形態に係る閉構造部材の製造方法では、予備ヘミング工程の完了後、閉込み工程にて、パンチ84における一対の挿入ガイド面104をフランジ部20の先端部に突き当てつつ、パンチ84をプレス位置側へ下降させ、一対の挿入ガイド面104がそれぞれ発生する分力により一対のフランジ部20、22を近接させ、一対のフランジ部20、22をパンチ84におけるスリット溝102内へ案内することにより、ブランク材24の変形抵抗(スプリングバック)に抗して、一対のフランジ部20、22を互いに近接させ、一対のフランジ部20、22間の間隔をスリット溝102の開口幅WAに対応するものにできるので、一対のフランジ部20、22間の間隔に対する許容値等に応じてスリット溝102の開口幅WAを適宜設定すれば、一対のフランジ部20、22間の間隔を十分に小さくし、その間隔をスリット溝102内で維持できる。
次に、本発明の実施形態に係るヘミングプレス装置80におけるパンチ84の主要部分の寸法及び、その意義を実施例として説明する。
前述したように、パンチ84におけるスリット溝102の開口幅WAは、閉構造部材10の素材となるブランク材24の厚さの2倍以上で、10倍以下の範囲内で適宜設定されている。これは、開口幅WAがブランク材24の厚さの2倍未満である場合には、パンチ84の下降時に、スリット溝102の内面部とフランジ部20、22との摩擦抵抗が過大になり、ブランク材24に破断、クラックが生じるおそれがあり、また開口幅WAがブランク材24の厚さの10倍を越える場合には、パンチ84をプレス位置まで下降させても、ヘミング突起28を他方のフランジ部22へ圧接するようにヘミング加工することができず、フランジ部20、22間に隙間(ガタ)が生じるおそれがあるためである。
次に、本発明の実施形態に係る閉構造部材10〜16におけるヘミング突起28の寸法及び、その意義を実施例として説明する。
前述したように、ヘミング突起28の突出長LHは、ブランク材24の厚さの1倍以上で、フランジ高さの1.5倍以下の範囲で適宜設定されている。これは、突出長LHがブランク材24の厚さの1倍未満である場合には、ヘミング突起28により接合されたフランジ部20、22間の接合強度を十分に大きくできず、フランジ部20、22を確実にヘミング接合することが困難になり、また突出長LHがフランジ高さの1.5倍を越える場合には、閉構造部材10〜16の全重量に占めるヘミング突起28の重量が過大になり、閉構造部材10〜16の重量増加に繋がるためである。
ヘミング突起幅が板厚の2倍未満では、フランジ部20、22間の接合強度が十分に大きくできず、確実にヘミング接合することが困難になる、また、ヘミング突起幅は製品長以下であれば良い。
次に、本発明の実施形態に係る閉構造部材の製造方法に従って製造された閉構造部材をそれぞれ実施例0〜4として説明すると共に、本発明の実施形態に係る閉構造部材の製造方法に反する条件で製造された閉構造部材をそれぞれ比較例1〜4として説明する。
比較例1では、厚さ1.2mm、引張り強度が1180MPaの冷延鋼板をブランク材24として用い、このブランク材24に対してヘミングプレス装置80によりヘミングプレス工程を行い、図10に示される中間部品である閉構造部材120を成形(プレス成形)した。
閉構造部材122は略長方形の断面形状を有しており、その幅Bが120mm、高さHが80mmとされている。また閉構造部材122の全長は800mmとされている。また一対のフランジ部20、22の突出長LFは15mmとした。但し、閉構造部材122には、本発明に係る一ヘミング突起が設けられていない。このため、ブランク材24に対して閉込み工程及びヘミングプレス工程を行った場合では、一対のフランジ部20、22を互いに近接させる閉込み加工は有効に行われるが、当然、ヘミング突起に対するヘミング加工は行われない。
また比較例3では、厚さ1.2mm、引張り強度が1180MPaの冷延鋼板をブランク材24として用い、このブランク材24に対してヘミングプレス装置80により閉込み工程及びヘミングプレス工程を行い、図12(A)に示される中間部品である閉構造部材124を成形(プレス成形)した。
またパンチ84としては、図12(B)に示されるように、スリット溝102の深さDGが30mm、開口幅WAが20mm、挿入ガイド面104の曲率半径RGが30mmのものを用いた。ここで、開口幅WAは、ブランク材24の厚さの約17倍になっており、適正範囲(2倍以上〜10倍以下)から逸脱している。
閉構造部材126は略長方形の断面形状を有しており、その幅Bが120mm、高さHが80mmとされている。また閉構造部材126の全長は800mmとされている。また一対のフランジ部20、22の突出長LFは15mmとし、一方のフランジ部20には、その先端から突出する複数個のヘミング突起28を一体的に形成した。これらのヘミング突起28は、ブランク材24がヘミングプレス装置80に装填される前に、予備ヘミング工程が行われ予備的に屈曲される。
またパンチ84としては、図13(B)に示されるように、スリット溝102の深さDGが30mm、開口幅WAが5mm、挿入ガイド面104の曲率半径RGが30mmのものを用いた。
閉構造部材128は略正六角形の断面形状を有しており、その一辺の長さSが40mmとされている。また閉構造部材128の全長は800mmとされている。また一対のフランジ部20、22の突出長LFは15mmとし、一方のフランジ部20には、その先端から突出する複数個のヘミング突起28を一体的に形成した。これらのヘミング突起28は、ブランク材24がヘミングプレス装置80に装填される前に、予備ヘミング工程が行われ予備的に屈曲される。
またパンチ84としては、図14(B)に示されるように、スリット溝102の深さDGが30mm、開口幅WAが5mm、挿入ガイド面104の曲率半径RGが1mmのものを用いた。
閉構造部材130は略長方形の断面形状を有しており、その幅Bが120mm、高さHが80mmとされている。また閉構造部材130の全長は800mmとされている。また一対のフランジ部20、22の突出長LFは15mmとし、一方のフランジ部20には、その先端から突出する複数個のヘミング突起28を一体的に形成した。これらのヘミング突起28は、ブランク材24がヘミングプレス装置80に装填される前に、予備ヘミング工程が行われ予備的に屈曲される。
またパンチ84としては、図8(B)に示されるように、スリット溝102の深さDGが30mm、開口幅WAが5mm、挿入ガイド面104の曲率半径RGが30mmのものを用いた。
閉構造部材132は略正六角形の断面形状を有しており、その一辺の長さSが40mmとされている。また閉構造部材132の全長は800mmとされている。また一対のフランジ部20、22の突出長LFは15mmとし、一方のフランジ部20には、その先端から突出する複数個のヘミング突起28を一体的に形成した。これらのヘミング突起28は、ブランク材24がヘミングプレス装置80に装填される前に、予備ヘミング工程が行われ予備的に屈曲される。
またパンチ84としては、図9(B)に示されるように、スリット溝102の深さDGが30mm、開口幅WAが5mm、挿入ガイド面104の曲率半径RGが30mmのものを用いた。
閉構造部材134は変則六角形の断面形状を有しており、その底板部54の幅Bが120mm、側板部と頂板部との間を繋ぐ傾斜部58の幅BSが30mm、高さHが70mmとされている。また閉構造部材134の全長は800mmとされている。また一対のフランジ部20、22の突出長LFは15mmとし、一方のフランジ部20には、その先端から突出する複数個のヘミング突起28を一体的に形成した。これらのヘミング突起28は、ブランク材24がヘミングプレス装置80に装填される前に、予備ヘミング工程が行われ予備的に屈曲される。
またパンチ84としては、図15(B)に示されるように、スリット溝102の深さDGが30mm、開口幅WAが5mm、挿入ガイド面104の曲率半径RGが30mmのものを用いた。
閉構造部材136は変則8角形の断面形状を有しており、その底板部54及び側板部56の幅Bがそれぞれ60mm、斜辺部30の幅BS及びフランジ部20、22の外側に位置する一対の頂板部59の幅BNがそれぞれ30mmとされている。また一対のフランジ部20、22の突出長LFは15mmとし、一方のフランジ部20には、その先端から突出する複数個のヘミング突起28を一体的に形成した。これらのヘミング突起28は、ブランク材24がヘミングプレス装置80に装填される前に、予備ヘミング工程が行われ予備的に屈曲される。
またパンチ84としては、図16(B)に示されるように、スリット溝102の深さDGが30mm、開口幅WAが5mm、挿入ガイド面104の曲率半径RGが30mmのものを用いた。
18 本体部
20、22 フランジ部
24 ブランク材
26 肩部
27 突辺部
28 ヘミング突起
30 第1プレス成形装置
32 ダイス
34 パンチ
36 油圧アクチュエータ
38 プレス成形面
40 プレス凹部
42 傾斜面
44 プレス成形面
46 プレス凸部
48 傾斜面
50 シリンダ
52 プランジャ
54 底板部
56 側板部
58 傾斜部
58 斜辺部
59 頂板部
60 第2プレス成形装置
62 ダイス
64 パンチ
66 油圧アクチュエータ
67 ブランク挿入部
68 プレス成形面
70 ブランク支持面
74 プレス成形面
76 シリンダ
78 プランジャ
80 ヘミングプレス装置
82 インサートコア(プレス成形型)
83 側面部
84 パンチ(プレス成形型)
86 支持パッド
88 押圧カム
89 押圧面
90 油圧アクチュエータ(駆動手段)
92 カム駆動機構
94 ブランク支持面
96 プレス成形面
98 プレス成形面
100 ブランク支持面
102 スリット溝
104 挿入ガイド面
106 シリンダ
108 プランジャ
120、122、124、126、128、130、132、134、136 閉構造部材
Claims (6)
- 有端形状の金属板をプレス成形型によりプレス加工しつつ、金属板における一対の接合端部にそれぞれ形成されたフランジ部同士を互いに固定し、金属板から閉断面形状を有する閉構造部材を製造するための製造方法であって、
一方の前記フランジ部の先端から突出するヘミング突起を、該フランジ部の基端側に対して屈曲させる予備ヘミング工程と、
前記予備ヘミング工程の完了後、前記プレス成形型に形成された一対の挿入ガイド面を、前記ヘミング突起を有するフランジ部の先端部に突き当てつつ、前記プレス成形型を所定のプレス方向へ駆動して、一対の前記挿入ガイド面がそれぞれ発生するプレス直交方向に沿った分力により一対の前記フランジ部を近接させ、該一対のフランジ部を前記プレス成形型における一対の前記挿入ガイド面間に形成されたスリット溝内へ案内する閉込み工程と、
前記閉込み工程の完了後、前記プレス成形型を前記プレス方向へ更に駆動して、一対の前記フランジ部を前記スリット溝内へ挿入しつつ、該スリット溝の内面部から前記ヘミング突起の先端部に伝達される押圧力により該ヘミング突起を屈曲して、該ヘミング突起により他方の前記フランジ部を挟み込み、一方の前記フランジ部を他方の前記フランジ部に固定すると同時に、前記プレス成形型における一対の前記挿入ガイド面の外側にそれぞれ形成されたプレス成形面により金属板を加圧して、金属板における一対の前記フランジ部の外側部分を所定の形状にプレス成形するヘミングプレス工程と、
を有することを特徴とする閉構造部材の製造方法。 - 前記ヘミングプレス工程の完了後に、一対の前記フランジ部同士を溶接により互いに固定する溶接工程を有することを特徴とする請求項1記載の閉構造部材の製造方法。
- 請求項1又は2記載の閉構造部材の製造方法に用いられるプレス成形装置であって、
前記プレス成形型と、
前記閉込み工程及び前記ヘミングプレス工程の実行時に、前記プレス成形型を前記プレス方向へ駆動する駆動手段とを有し、
前記プレス成形型は、前記閉構造部材における一対の前記フランジ部の外側部分にそれぞれ対応する形状を有する一対のプレス成形面、前記プレス直交方向に沿って一対の前記プレス成形面の外側にそれぞれ配置され、前記プレス方向及び前記プレス直交方向に対して傾斜した一対の挿入ガイド面及び、前記プレス直交方向に沿った一対の前記挿入ガイド面の間に形成されたスリット溝を具備することを特徴とする閉構造部材の製造に用いるプレス成形装置。 - 前記スリット溝の前記挿入ガイド面からの深さを3mm以上、50mm以下とすると共に、前記スリット溝の前記プレス直交方向に沿った開口幅を、前記閉構造部材の素材となる金属板の厚さの2倍以上で、10倍以下としたことを特徴とする請求項3記載の閉構造部材の製造に用いるプレス成形装置。
- 請求項1又は2記載の閉構造部材の製造方法を用いて製造される閉構造部材であって、
閉断面形状を有する本体部と、
前記本体部における一対の接合端部にそれぞれ形成されたフランジ部と、
一方の前記フランジ部の先端から突出し、他方の前記フランジ部を挟み込むようにヘミング加工されて、一方の前記フランジ部を他方の前記フランジ部に固定するヘミング突起と、
を有することを特徴とする閉構造部材。 - 一方の前記フランジ部に、その幅方向に沿って複数個の前記ヘミング突起を所定の離間間隔PHで配置し、
前記ヘミング突起の幅を板厚の2倍以上で、製品長以下とすると共に、前記ヘミング突起の前記フランジ部の先端からの突出長を前記閉構造部材の素材となる金属板の厚さの1倍以上で、フランジ高さの1.5倍以下とし、前記離間間隔PHを5mm以上で、前記製品長からヘミング突起幅を差し引いた長さ以下に設定したことを特徴とする請求項5記載の閉構造部材。
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