JP2011016154A - 金属製閉断面部材の製造方法 - Google Patents

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Katsuya Nishiguchi
勝也 西口
Yasuaki Ishida
恭聡 石田
Naoko Saito
直子 斉藤
Tatsushi Mizogami
達志 溝上
Kenji Murase
健二 村▲瀬▼
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Abstract

【課題】複雑な断面形状を有する場合においても、比較的容易に板状ワークから閉断面部材を確実に製造することができる金属製閉断面部材の製造方法を提供する。
【解決手段】板状ワークW1を凸状にプレス成形するとともに凸状頂面部W2に第1の凸部W2aを成形する第1のプレス成形工程と、第1の凸部W2aをプレス成形することにより凸状側面部W3、W4をそれぞれ内方側へ変位させる第2のプレス成形工程を備え、凸状側面部W3、W4に第2の凸部W3f、W4fを成形する凸部成形工程と、第2の凸部W3f、W4fをプレス成形することにより第2の凸部W3f、W4fに隣接する両側の面部をそれぞれ内方側へ変位させる第3のプレス成形工程をさらに備え、第2の凸部W3f、W4fと第1の凸部W2aとがプレス成形され、板状ワークW1を閉断面化する。
【選択図】図6

Description

この発明は、金属製の板状素材(板状ワーク)から閉断面状に形成された閉断面部材を製造する金属製閉断面部材の製造方法に関する。
周知のように、自動車等の車両において車体の基本構造の一部を構成するピラー部材、フロント及びリアのサイドフレーム、ダッシュパネルの前面下部に位置するダッシュクロスメンバ等の車体部材には、車体の強度及び剛性を確保し安全性を高める観点から高強度化及び高剛性化が求められ、しかも燃費性能向上のために軽量化が求められている。
これらの要請に応えるため、前記のような車体部材は、多くの場合、金属製の閉断面部材として構成されている。このような金属製の閉断面部材の製造方法として、例えば鋼板などの金属製の板状ワークをプレス加工によりコ字形断面の両端部に外側へ張り出すフランジ部を一体成形した断面ハット状に形成し、この断面ハット状に形成された2枚の板状ワークのフランジ部を互いに重ね合わせて閉断面状にし、その後に、フランジ部を溶接して閉断面部材を製造する方法が一般に知られている。
また、例えば特許文献1には、閉断面部材としての三角形チューブを製造するものであるが、予め所定形状に切断した鋼板の両端部近傍を所定の曲率で曲げる第1曲げ工程と、該第1曲げ工程で両端部近傍を曲げた鋼板の中央部を所定の曲率で押し曲げる第2曲げ工程と、成形断面と略同一形状の切欠き部を有する複数のプレートを並列に配設した下型に倣うように前記第2曲げ工程で成形した鋼板の中央部を押さえ込むと共に、外側に拡がろうとする鋼板の両端部近傍の曲部を上型で拘束して突き合わせ成形する拘束成形工程と、該拘束成形工程の後に、除荷せずに両端部の突き合わせ部を溶接する溶接工程と、を有する三角形チューブの製造方法が開示されている。
特開2000−51932号公報
ところで、自動車等の車両に用いられる金属製閉断面部材として構成される車体部材について、断面ハット状に形成した2枚の板状ワークのフランジ部を互いに重ね合わせて製造する場合には、閉断面部材を製造するためにのみ用いるフランジ部によって軽量化が妨げられることとなる。
一方、前記特許文献1に記載された三角形チューブを製造する方法は、閉断面部材を製造するためにのみ用いるフランジ部を形成しないので軽量化を図ることができるものの、
閉断面化させるために成形断面と略同一形状の切欠き部を有する複数のプレートからなる下型を用意しなければならなくなる。
これに対し、板状ワークを凸状にプレス成形するとともに、この凸状にプレス成形される凸状頂面部に逆方向に突出する凸部を成形する第1のプレス成形工程と、この凸部をその突出方向と逆方向にプレス成形することにより、第1のプレス成形工程において成形された凸状頂面部の両側の凸状側面部を板状ワークの内方側へ変位させて閉断面化する第2のプレス成形工程とによって、板状ワークから閉断面部材を製造する方法が考えられる。
かかる方法によれば、閉断面部材を製造するためにのみ用いるフランジ部や、成形断面と略同一形状の切欠き部を有する複数のプレートからなる下型を用意する必要がなく、比較的容易に板状ワークから閉断面部材を製造することが可能である。
しかしながら、かかる方法によって板状ワークから閉断面部材を製造する場合、複雑な断面形状を有する場合など断面形状によっては、第1のプレス成形によって板状ワークを凸状にプレス成形するとともに凸状頂面部に凸部を成形し、第2のプレス成形によってこの凸部をその突出方向と逆方向にプレス成形しただけでは両側の凸状側面部の端部どうしを閉断面化させることができない場合が考えられる。
そこで、この発明は、前記技術的課題に鑑みてなされたものであり、複雑な断面形状を有する閉断面部材を製造する場合においても、比較的容易に金属製板状ワークから金属製閉断面部材を確実に製造することができる金属製閉断面部材の製造方法を提供することを目的とする。
このため、本願の請求項1に係る金属製閉断面部材の製造方法は、金属製の板状ワークを凸状にプレス成形するとともに該板状ワークの凸状に成形される凸状頂面部に該板状ワークの凸状に突出する方向と逆方向に突出する第1の凸部を成形する第1のプレス成形工程と、該第1のプレス成形工程において成形された前記第1の凸部をその突出方向と逆方向にプレス成形することにより、該第1の凸部を圧潰するとともに前記凸状頂面部の両側の凸状側面部をそれぞれ内方側へ変位させる第2のプレス成形工程とを備え、前記板状ワークから閉断面状に形成された閉断面部材を製造する金属製閉断面部材の製造方法であって、前記凸状側面部の少なくとも一方に前記板状ワークの凸状に突出する方向と逆方向に突出する第2の凸部を成形する凸部成形工程と、該凸部成形工程において成形された前記第2の凸部をその突出方向と逆方向にプレス成形することにより、該第2の凸部を圧潰するとともに該第2の凸部に隣接する両側の面部をそれぞれ内方側へ変位させる第3のプレス成形工程と、をさらに備え、前記第2の凸部と前記第1の凸部とがプレス成形され、前記板状ワークを閉断面化する、ことを特徴としたものである。
また、本願の請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記凸部成形工程は、前記第1のプレス成形工程と同時に行われ、前記第2の凸部と前記第1の凸部とが同時に成形される、ことを特徴としたものである。
更に、本願の請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、前記閉断面部材の内方側に窪む第1のビード部及び前記閉断面部材の外方側に突出する第1のビード部の少なくとも何れか一方の第1のビード部を形成するための第1のビード形成部を前記第2の凸部の近傍に成形する第1のビード形成部成形工程をさらに備え、該第1のビード形成部成形工程は、前記第1のプレス成形工程と前記凸部成形工程と同時に行われ、前記第1のビード形成部と前記第1の凸部と前記第2の凸部とが同時に成形される、ことを特徴としたものである。
また更に、本願の請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか一に係る発明において、前記板状ワークの閉断面化された前記凸状側面部の端部どうしにより形成され前記閉断面部材の内方側に窪む第2のビード部及び前記閉断面部材の外方側に突出する第2のビード部の少なくとも一方の第2のビード部を形成するための第2のビード形成部を前記凸状側面部の端部にそれぞれ成形する第2のビード形成部成形工程をさらに備え、該第2のビード形成部成形工程は、前記第1のプレス成形工程と前記凸部成形工程と同時に行われ、前記第2のビード形成部と前記第1の凸部と前記第2の凸部とが同時に成形される、ことを特徴としたものである。
また更に、本願の請求項5に係る発明は、請求項1〜4の何れか一に係る発明において、前記板状ワークの閉断面化された前記凸状側面部の端部どうしを溶接する溶接工程をさらに備えている、ことを特徴としたものである。
本願の請求項1に係る金属製閉断面部材の製造方法によれば、板状ワークを凸状にプレス成形するとともに凸状頂面部に逆方向に突出する第1の凸部を成形する第1のプレス成形工程と、第1の凸部をプレス成形することにより両側の凸状側面部をそれぞれ内方側へ変位させる第2のプレス成形工程とを備え、凸状側面部の少なくとも一方に第2の凸部を成形する凸部成形工程と、第2の凸部をプレス成形することにより第2の凸部に隣接する両側の面部をそれぞれ内方側へ変位させる第3のプレス成形工程とをさらに備え、第2の凸部と第1の凸部とがプレス成形され、板状ワークを閉断面化することにより、第2の凸部のプレス成形によって板状ワークをさらに変位させることができるので、複雑な断面形状を有する閉断面部材を製造する場合においても、比較的容易に金属製板状ワークから金属製閉断面部材を確実に製造することができる。
また、本願の請求項2に係る発明によれば、第2の凸部と第1の凸部とが同時に成形されることにより、第2の凸部を成形するための成形工程を別途設ける必要がなく、成形工程を複雑化させることなく、前記効果を有効に得ることができる。
更に、本願の請求項3に係る発明によれば、第1のビード部を形成するための第1のビード形成部を第2の凸部の近傍に成形する第1のビード形成部成形工程をさらに備え、第1のビード形成部と第1の凸部と第2の凸部とが同時に成形されることにより、第1のビード形成部を成形するための成形工程を別途設ける必要がなく、成形工程を複雑化させることなく、第1のビード部によって強度及び剛性が高められた閉断面部材を製造することができる。
また更に、本願の請求項4に係る発明によれば、板状ワークの閉断面化された凸状側面部の端部どうしにより形成される第2のビード部を形成するための第2のビード形成部を凸状側面部の端部にそれぞれ成形する第2のビード形成部成形工程をさらに備え、第2のビード形成部と第1の凸部と第2の凸部とが同時に成形されることにより、第2のビード形成部を成形するための成形工程を別途設ける必要がなく、成形工程を複雑化させることなく、板状ワークの端部どうしにより閉断面化される部分に第2のビード部を形成することができ、第2のビード部によって強度及び剛性がさらに高められた閉断面部材を製造することができる。
また更に、本願の請求項5に係る発明によれば、板状ワークの閉断面化された凸状側面部の端部どうしを溶接する溶接工程をさらに備えていることにより、閉断面部材の接合強度を高めることができ、より強固な閉断面部材を製造することができる。
本実施形態に係る金属製閉断面部材を備えた自動車の車体構造を模式的に示す側面図である。 本実施形態に係る金属製閉断面部材としてのフロントサイドフレームを示す斜視図である。 図2におけるY3a−Y3a線及びY3b−Y3b線に沿ったフロントサイドフレームの断面図である。 板状ワークをプレス成形するためのプレス成形装置のプレス成形型を示す断面図である。 第1のプレス成形装置によるプレス成形工程を説明するための説明図である。 第1のプレス成形装置によってプレス成形された板状ワークを示す断面図である。 板状ワークの右凸状側面部に成形された右凸部をプレス成形するプレス成形工程を説明するための説明図である。 板状ワークの左凸状側面部に成形された左凸部をプレス成形するプレス成形工程を説明するための説明図である。 板状ワークの凸状頂面部に成形された中央凸部をプレス成形するためのプレス成形装置のプレス成形型を示す断面図である。 図9に示すプレス成形型を備えたプレス成形装置によって板状ワークの中央凸部がプレス成形された状態を示す図である。 フロントサイドフレームの図3(b)に示す断面に対応する断面について、図9に示すプレス成形型を備えたプレス成形装置によるプレス成形工程を説明するための説明図である。 本実施形態に係る金属製閉断面部材を製造する別の方法を説明するための説明図である。 図12に示すプレス成形型を備えたプレス成形装置によって板状ワークの中央凸部がプレス成形された状態を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、「上」、「下」、「右」、「左」およびそれらの用語を含む別の用語など特定の方向を意味する用語を使用するが、それらの使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係る金属製閉断面部材を備えた自動車の車体構造を模式的に示す側面図である。本実施形態では、金属製の板状ワークを閉断面状に形成して製造する金属製閉断面部材として、図1に示すように自動車のサイドボディ10に結合されるフロントサイドフレーム20を例に説明するが、これに限定されるものでなく、サイドボティ10に結合されるリアサイドフレーム30などの閉断面状に形成されるその他の車体部材に適用してもよく、さらには、車体部材に限らず閉断面状に形成されるその他の金属製の閉断面部材に適用することも可能である。
図2は、本実施形態に係る金属製閉断面部材としてのフロントサイドフレームを示す斜視図である。また、図3は、図2におけるY3a−Y3a線及びY3b−Y3b線に沿ったフロントサイドフレームの断面図であり、図3の(a)は、図2におけるY3a−Y3a線に沿ったフロントサイドフレームの断面図、図3の(b)は、図2におけるY3b−Y3b線に沿ったフロントサイドフレームの断面図である。
図2に示すように、本実施形態に係る金属製閉断面部材としてのフロントサイドフレーム20は、長手方向に延びるとともに閉断面状に形成される閉断面部材として構成されており、上面部21と、下面部22と、右側面部23と、左側面部24と、上面部21から右側面部23に向かって右斜め下方に傾斜する第1の傾斜側面部25と、上面部21から左側面部24に向かって左斜め下方に傾斜する第2の傾斜側面部26と、下面部22から右側面部23に向かって右斜め上方に傾斜する第3の傾斜側面部27と、下面部22から左側面部24に向かって左斜め上方に傾斜する第4の傾斜側面部28によって、中空部29を有する断面略八角形状に形成されている。
フロントサイドフレーム20は、上面部21と下面部22とが長手方向に沿って略平行に成形されるとともに、右側面部23と左側面部24とが長手方向に沿って略平行に成形されている。また、下面部22に対する第3の傾斜側面部27の傾斜角度及び下面部22に対する第4の傾斜側面部28の傾斜角度はそれぞれ、長手方向に一定の所定の角度で形成されている。
本実施形態ではまた、金属製閉断面部材としてのフロントサイドフレーム20に、図2及び図3に示すように、中空部29の内方側に窪み長手方向に延びるビード部31、32、33が形成されている。具体的には、右側面部23に中空部29の内方側に断面略コ字状に窪む右ビード部31が形成され、左側面部24に中空部29の内方側に断面略コ字状に窪む左ビード部32が形成され、上面部21に中空部29の内方側に断面略三角状に窪む上ビード部33が形成されている。左ビード部32及び上ビード部33はそれぞれ、左側面部24及び上面部21において長手方向に連続して形成されているが、右ビード部31は、長手方向にその一部が分断された状態で形成され、フロントサイドフレーム20の断面形状が長手方向に異なって形成されている。
このように、フロントサイドフレーム20の右側面部23、左側面部24及び上面部21に、フロントサイドフレーム20の長手方向に延びる右ビード部31、左ビード部32及び上ビード部33がそれぞれ形成されることにより、金属製閉断面部材としてのフロントサイドフレーム20において、軽量化を図りつつ強度及び剛性を向上させることができる。
次に、このようにして構成される本実施形態に係る金属製閉断面部材としてのフロントサイドフレーム20の製造について説明する。
本実施形態では、フロントサイドフレーム20を製造するに際し、先ず、例えば鋼板などの略平板状に形成された矩形状の金属製の板状素材(板状ワーク)を用意し、この板状ワークを凸状にプレス成形し、具体的にはドロー(絞り)成形し、フロントサイドフレーム20の形状に応じた所定形状に成形する。
図4は、板状ワークをプレス成形するためのプレス成形装置のプレス成形型を示す断面図である。なお、図4では、ブランクホルダに保持された板状ワークも示している。図4に示すように、板状ワークW1を凸状にプレス成形するためのプレス成形装置(第1のプレス成形装置)は、板状ワークW1を凸状にプレス成形するとともに板状ワークW1の凸状に成形される凸状頂面部に板状ワークW1の凸状に突出する方向と逆方向に突出する凸部を成形するためのダイ41及びパンチ46であって相対的に移動されるダイ41及びパンチ46と、板状ワークW1をダイ41と挟持するブランクホルダ49とを有するプレス成形型40を備えている。
プレス成形型40のダイ41には、その下面41aに凹状に窪む凹部42が設けられ、凹部42内に板状ワークW1をプレス成形するための成形空間43が形成されている。ダイ41に設けられる凹部42は、フロントサイドフレーム20の形状に応じて所定形状に形成され、底面部42aと、底面部42aの右側の側壁部である右側壁部42bと、底面部42aの左側の側壁部である左側壁部42cとを備えている。
ダイ41の凹部42の底面部42aは、その断面方向における中央部分に成形空間43の内方側に向かって断面略三角状に突出する中央突出部42dと、中央突出部42dから緩やかに右斜め下方に傾斜する右底面部42eと、中央突出部42dから緩やかに左斜め下方に傾斜する左底面部42fとを備えている。
ダイ41の凹部42の右側壁部42bは、底面部42aから右斜め下方に傾斜する第1の右傾斜壁部42gであってその下側部分にフロントサイドフレーム20の左ビード部32の形状に応じて成形空間43内に向かって断面略コ字状に突出する左ビード形成用突出部42hが設けられた第1の右傾斜壁部42gと、第1の右傾斜壁部42gから水平方向右側に延びる右水平部42iであってその左側部分に成形空間43の内方側に向かって断面略三角状に突出する右突出部42jが設けられた右水平部42iと、右水平部42iから右斜め下方に傾斜する第2の右傾斜壁部42kと、第2の右傾斜壁部42kから垂直方向下方に延びる右縦壁部42lとを備えており、左ビード形成用突出部42hは、右突出部42jの近傍に形成されている。
ダイ41の凹部42の左側壁部42cは、底面部42aから左斜め下方に傾斜する第1の左傾斜壁部42mであってその下側部分にフロントサイドフレーム20の右ビード部31の形状に応じて成形空間43内に向かって断面略コ字状に突出する右ビード形成用突出部42nが設けられた第1の左傾斜壁部42mと、第1の左傾斜壁部42mから水平方向左側に延びる左水平部42pであってその右側部分に成形空間43の内方側に向かって断面略三角状に突出する左突出部42qが設けられた左水平部42pと、左水平部42pから左斜め下方に傾斜する第2の左傾斜壁部42rと、第2の左傾斜壁部42rから垂直方向下方に延びる左縦壁部42sを備えており、右ビード形成用突出部42nは、左突出部42qの近傍に形成されている。また、ダイ41の凹部42は、右ビード部31に対応してその一部が長手方向に分断された状態で形成される右ビード形成用突出部42nを除いて、長手方向に同一の断面形状を有している。
一方、プレス成形型40のパンチ46は、ブランクホルダ49の内周面部49aに外周面部46aが嵌め合わせられるとともに、図示しないパンチ移動機構によって上下方向に移動され、ダイ41に対して相対的に移動されるようになっている。パンチ46は、ダイ41との間で板状ワークW1をプレス成形するために、パンチ46の頭部47は、フロントサイドフレーム20の形状に応じて所定形状に形成され、上面部47aと、上面部47aの右側の側壁部である右側壁部47bと、上面部47aの左側の側壁部である左側壁部47cとを備えている。
パンチ46の頭部47の上面部47aは、その断面方向における中央部分に断面略三角状に窪む中央溝部47dと、中央溝部47dから緩やかに右斜め下方に傾斜する右上面部47eと、中央溝部47dから緩やかに左斜め下方に傾斜する左上面部47fを備えている。
パンチ46の頭部47の右側壁部47bは、上面部47aから右斜め下方に傾斜する第1の右傾斜壁部47gであってその下側部分にフロントサイドフレーム20の左ビード部32の形状に応じて断面略コ字状に窪む左ビード形成用溝部47hが設けられた第1の右傾斜壁部47gと、第1の右傾斜壁部47gから水平方向右側に延びる右水平部47iであってその左側部分に断面略三角状に窪む右溝部47jが設けられた右水平部47iと、右水平部47iから右斜め下方に傾斜する第2の右傾斜壁部47kと、第2の右傾斜壁部47kから垂直方向下方に延び外周面部46aの一部を構成する右縦壁部47lを備えており、左ビード形成用溝部47hは、右溝部47jの近傍に形成されている。
パンチ46の頭部47の左側壁部47cは、上面部47aから左斜め下方に傾斜する第1の左傾斜壁部47mであってその下側部分にフロントサイドフレーム20の右ビード部31の形状に応じて断面略コ字状に窪む右ビード形成用溝部47nが設けられた第1の左傾斜壁部47mと、第1の左傾斜壁部47mから水平方向左側に延びる左水平部47pであってその右側部分に断面略三角状に窪む左溝部47qが設けられた左水平部47pと、左水平部47pから左斜め下方に傾斜する第2の左傾斜壁部47rと、第2の左傾斜壁部47rから垂直方向下方に延び外周面部46aの一部を構成する左縦壁部47sを備えており、右ビード形成用溝部47nは、左溝部47qの近傍に形成されている。また、パンチ46の頭部47は、右ビード部31に対応してその一部が長手方向に分断された状態で形成される右ビード形成用溝部47nを除いて、長手方向に同一の断面形状を有している。
プレス成形型40のブランクホルダ49は、板状ワークW1をダイ41に対して押さえるためのものであり、板状ワークW1を保持した状態から板状ワークW1をダイ41と挟持するように、図示しないブランクホルダ移動機構によって上下方向に移動されるようになっている。
また、プレス成形型40を備えた第1のプレス成形装置は、該第1のプレス成形装置を総合的に制御する第1のプレス成形装置用制御ユニット(不図示)を備えており、該第1のプレス成形装置用制御ユニットは、パンチ46及びブランクホルダ49の移動機構などの各種作動を制御する。なお、第1のプレス成形装置用制御ユニット、並びに後述する第2のプレス成形装置用制御ユニット及び第3のプレス成形装置用制御ユニットは、例えばマイクロコンピュータを主要部として構成されている。
このようにして構成されるプレス成形型40を備えた第1のプレス成形装置では、板状ワークW1をブランクホルダ49とダイ41とにより挟持した状態で、パンチ46をダイ41の成形空間43内に移動させて板状ワークW1をプレス成形することにより、フロントサイドフレーム20の形状に応じて所定形状に板状ワークW1がプレス成形されるようになっている。
第1のプレス成形装置を用いて板状ワークW1をプレス成形する際には、図4に示すように、ブランクホルダ49とダイ41とが離間して配置され、パンチ46の上面部47aがブランクホルダ49の上面49bよりも下方に配置された状態で、板状ワークW1がブランクホルダ49の上面49bに保持される。そして、ブランクホルダ49が上方へ移動され、ブランクホルダ49とダイ41とにより板状ワークW1の短手方向の両端部が挟持された後に、パンチ46が上方へ移動され、パンチ46がダイ41の成形空間43内に移動され、板状ワークW1がプレス成形される。
図5は、第1のプレス成形装置によるプレス成形工程を説明するための説明図であり、図5では、板状ワークがプレス成形された状態を示している。ブランクホルダ49とダイ41とにより板状ワークW1の短手方向の両端部が挟持された状態で、パンチ46がダイ41の成形空間43内に移動されることにより、図5に示すように、板状ワークW1が
パンチ46とダイ41とにより所定形状に成形される。
図6は、第1のプレス成形装置によってプレス成形された板状ワークを示す断面図であり、図6の(a)は、フロントサイドフレーム20の図3(a)に示す断面に対応する板状ワークW1の断面を示し、図6の(b)は、フロントサイドフレーム20の図3(b)に示す断面に対応する板状ワークW1の断面を示している。
図6(a)に示すように、板状ワークW1は、ブランクホルダ49とダイ41とにより挟持された板状ワークW1の短手方向の両端部W5を除く短手方向の中央部分がダイ41に対するパンチ46の移動方向に突出させられて凸状にプレス成形され、凸状頂面部W2と、凸状頂面部W2の両側に成形される凸状側面部W3、W4とを有している。
プレス成形された板状ワークW1は、ダイ41に設けられる凹部42の底面部42aとパンチ46の上面部47aとにより凸状頂面部W2が成形され、凸状頂面部W2には、その断面方向における中央部分に板状ワークW1の凸状に突出する方向と逆方向に断面略三角状に突出する中央凸部(第1の凸部)W2aが板状ワークW1の長手方向に連続して設けられている。凸状頂面部W2はまた、中央凸部W2aの右側に位置する右凸状頂面部W2bと、中央凸部W2aの左側に位置する左凸状頂面部W2cとを備えている。
凸状頂面部W2の右側には、ダイ41の右側壁部42bとパンチ46の右側壁部47bとにより凸状側面部W3が成形され、凸状側面部W3は、凸状頂面部W2の右凸状頂面部W2bから右斜め下方に傾斜する第1の右凸状側面部W3aと、第1の右凸状側面部W3aから水平方向右側に延びる第2の右凸状側面部W3bと、第2の右凸状側面部W3bから右斜め下方に傾斜する第3の右凸状側面部W3cと、第3の右凸状側面部W3cから略垂直方向下方に延びる第4の右凸状側面部W3dとを有している。
また、凸状側面部W3には、ダイ41の左ビード形成用突出部42hとパンチ46の左ビード形成用溝部47hとにより第1の右凸状側面部W3aの下側部分に板状ワークW1の内方側へ断面略コ字状に窪む左ビード形成部(第1のビード形成部)W3eが形成され、第2の右凸状側面部W3bの左側部分に板状ワークW1の凸状に突出する方向と逆方向に断面略三角状に突出する右凸部(第2の凸部)W3fが形成されている。左ビード形成部W3eは、右凸部W3fの近傍に形成されており、左ビード形成部W3eと右凸部W3fとはそれぞれ、板状ワークW1の長手方向に連続して形成されている。
一方、凸状頂面部W2の左側には、ダイ41の左側壁部42cとパンチ46の左側壁部47cとにより凸状側面部W4が成形され、凸状側面部W4は、凸状頂面部W2の左凸状頂面部W2cから左斜め下方に傾斜する第1の左凸状側面部W4aと、第1の左凸状側面部W4aから水平方向左側に延びる第2の左凸状側面部W4bと、第2の左凸状側面部W4bから左斜め下方に傾斜する第3の左凸状側面部W4cと、第3の左凸状側面部W4cから略垂直方向下方に延びる第4の左凸状側面部W4dとを有している。
また、凸状側面部W4には、ダイ41の右ビード形成用突出部42nとパンチ46の右ビード形成用溝部47nとにより第1の左凸状側面部W4aの下側部分に板状ワークW1の内方側へ断面略コ字状に窪む右ビード形成部(第1のビード形成部)W4eが形成され、第2の左凸状側面部W4bの右側部分に板状ワークW1の凸状に突出する方向と逆方向に断面略三角状に突出する左凸部(第2の凸部)W4fが形成されている。右ビード形成部W4eは、右凸部W3fの近傍に形成されており、右ビード形成部W4eは、図6(b)に示すようにその一部が分断された状態で、板状ワークW1の長手方向に延びるように形成され、左凸部W4fは、板状ワークW1の長手方向に連続して形成されている。
凸状頂面部W2の中央凸部W2a、右凸状頂面部W2b及び左凸状頂面部W2cはそれぞれ、フロントサイドフレーム20の下面部22、第4の傾斜側面部28及び第3の傾斜側面部27の形状に応じて成形され、凸状側面部W3の第1の右凸状側面部W3aがフロントサイドフレーム20の左側面部24の形状に応じて成形され、第2の右凸状側面部W3bが左側面部24及び第2の傾斜側面部26の形状に応じて成形され、第3の右凸状側面部W3c及び第4の右凸状側面部W3dが上面部21の形状に応じて形成され、凸状側面部W4の第1の左凸状側面部W4aがフロントサイドフレーム20の右側面部23の形状に応じて成形され、第2の左凸状側面部W4bが右側面部23及び第1の傾斜側面部25の形状に応じて成形され、第3の左凸状側面部W4c及び第4の左凸状側面部W4dが上面部21の形状に応じて成形されている。
また、左ビード形成部W3eは、フロントサイドフレーム20の左ビード部32の形状に応じて成形され、右ビード形成部W4eは、フロントサイドフレーム20の右ビード部31の形状に応じて成形されている。フロントサイドフレーム20の上面部21に形成される上ビード部33については、後述するように、本実施形態では、板状ワークW1を凸状にプレス成形するとともに板状ワークW1の凸状にプレス成形される凸状頂面部W2に逆方向に突出する凸部W2aを成形し、この凸部W2aを凸部W2aの突出方向と逆方向にプレス成形することにより両側の凸状側面部W3、W4を内方側へ変位させ、板状ワークW1を閉断面化することから、板状ワークW1が閉断面化された際に凸状側面部W3、W4の端部どうしにより形成され、具体的には第4の右凸状側面部W3dと第4の左凸状側面部W4dにより形成され、第4の右凸状側面部W3dと第4の左凸状側面部W4dとはそれぞれ、上ビード部33を形成するためのビード形成部(第2のビード形成部)を構成する。
このようにして、第1のプレス成形装置によって板状ワークW1がプレス成形される際に、凸状頂面部W2に形成される中央凸部W2aと、凸状側面部W3に形成される右凸部W3eと、凸状側面部W4に形成される左凸部W4eとが同時にプレス成形される。また、右ビード部31を形成するための右ビード形成部W4eと左ビード部32を形成するための左ビード形成部W3eと上ビード部33を形成するためのビード形成部としての第4の右凸状側面部W3d及び第4の左凸状側面部W4dが同時にプレス成形される。
本実施形態では、板状ワークW1を凸状にプレス成形する際に、板状ワークW1の短手方向の両端部がブランクホルダ49によりダイ41に対して押圧され、ブランクホルダ49とダイ41とにより板状ワークW1の短手方向の両端部が挟持された状態で板状ワークW1がプレス成形されることにより、板状ワークW1にしわが発生することが防止されている。
なお、板状ワークW1をプレス成形型40のブランクホルダ49とダイ41により挟持した状態で、プレス成形型40のパンチ46をダイ41の成形空間43内に移動させて板状ワークW1をプレス成形しているが、パンチ46を固定した状態で、板状ワークW1を挟持したブランクホルダ49とダイ41とをパンチ46に対して相対的に移動させてプレス成形するようにしてもよい。
このようにしてプレス成形型40を備えた第1のプレス成形装置によって板状ワークW1がプレス成形された後、プレス成形された板状ワークW1は、図示しないブランキング手段によって、図6に示すブランキングラインL1の下側に位置する部分がブランキングされ、板状ワークW1の短手方向における両端部W5が切り取られる。なお、以下では、板状ワークW1の短手方向における凸状側面部W3、W4の端部とは、図6に示す凸状側面部W3の凸状頂面部W2側と反対側の端部W3g、凸状側面部W4の凸状頂面部W2側と反対側の端部W4gをいうものとする。
次に、板状ワークW1は、右凸状側面部W3に成形された右凸部W3fが該右凸部W3fの突出方向と逆方向にプレス成形され、右凸部W3fに隣接する両側の面部がそれぞれ内方側へ変位させられ、その後に、左凸状側面部W4に成形された左凸部W4fが該左凸部W4fの突出方向と逆方向にプレス成形され、左凸部W4fに隣接する両側の面部がそれぞれ内方側へ変位させられる。
図7は、板状ワークの右凸状側面部に成形された右凸部をプレス成形するプレス成形工程を説明するための説明図であり、図7には、板状ワークの右凸部をプレス成形するためのプレス成形装置のプレス成形型の断面図が示されている。なお、図7では、右凸部W3fがプレス成形される前の板状ワークW1を実線で示し、右凸部W3fがプレス成形された後の板状ワークW1を二点鎖線で示している。
図7に示すように、板状ワークW1の右凸状側面部W3に成形された右凸部W3fをプレス成形するためのプレス成形装置(第3のプレス成形装置)は、板状ワークW1を保持するためのダイ61と、ダイ61の上方に配置され、ダイ61に保持された板状ワークW1の右凸部W3fを該右凸部W3fの突出方向と逆方向にプレス成形するための第1のパンチ65とを有するプレス成形型60を備えている。
プレス成形型60を備えたプレス成形装置はまた、板状ワークW1の左凸状側面部W4に成形された左凸部W4fもプレス成形することができるようになっており、後述する図8に示すように、プレス成形型60は、ダイ61の上方に配置され、ダイ61に保持された板状ワークW1の左凸部W4fを該左凸部W4fの突出方向と逆方向にプレス成形するための第2のパンチ67を有している。
プレス成形型60のダイ61には、上面61aに凹状に窪む凹部62が設けられ、凹部62は、底面部62aと、底面部62aの両側から略垂直方向に延びる側壁部62b、62cとを備えている。凹部62の底面部62aは、板状ワークW1の凸状頂面部W2の形状に応じて形成され、その断面方向における中央部分に板状ワークW1の中央凸部W2aを保持するために上方側に断面略三角状に突出する突出部62dが設けられている。
また、プレス成形型60のダイ61は、板状ワークW1がダイ61に保持された状態で、凸状側面部W3の第2の右凸状側面部W3bがダイ61の平面状に形成された上面61aの左側部分に保持されるとともに、凸状側面部W4の第2の左凸状側面部W4bがダイ61の平面状に形成された上面61aの右側部分に保持されるように形成されている。
プレス成形型60の第1のパンチ65は、ダイ61に保持された板状ワークW1の右凸部W3fを該右凸部W3fの突出方向と逆方向にプレス成形するように、ダイ61に保持された板状ワークW1の右凸部W3fに対応してダイ61の上方に配置され、図示しない上下方向移動機構によって上下方向に移動されるようになっている。第1のパンチ65は、その下面部65aが、フロントサイドフレーム20の左側面部24の形状に応じて形成され、その短手方向における断面長さが、断面略三角状に形成される右凸部W3fの断面長さと略同一の断面長さを有するように形成されている。
一方、プレス成形型60の第2のパンチ67は、後述する図8に示すように、ダイ61に保持された板状ワークW1の左凸部W4fを該左凸部W4fの突出方向と逆方向にプレス成形するように、ダイ61に保持された板状ワークW1の左凸部W4fに対応してダイ61の上方に配置され、図示しない上下方向移動機構によって上下方向に移動されるようになっている。第2のパンチ67は、その下面部67aが、フロントサイドフレーム20の右側面部23の形状に応じて形成され、その短手方向における断面長さが、断面略三角状に形成される左凸部W4fの断面長さと略同一の断面長さを有するように形成されている。
また、図7に示すプレス成形型60を備えた第3のプレス成形装置には、該第3のプレス成形装置を総合的に制御する第3のプレス成形装置用制御ユニット(不図示)が備えられており、該第3のプレス成形装置用制御ユニットは、第1のパンチ65及び第2のパンチ67の移動機構の作動を制御する。
このようにして構成されるプレス成形型60を備えたプレス成形装置は、第1のプレス成形装置によってプレス成形された板状ワークW1をプレス成形型60のダイ61に保持した状態で、板状ワークW1の右凸部W3fを第1のパンチ65により右凸部W3fの突出方向と逆方向にプレス成形し、右凸部W3fに隣接する両側の面部をそれぞれ板状ワークW1の内方側へ変位させることができるようになっているとともに、板状ワークW1の左凸部W4fを第2のパンチ67により左凸部W4fの突出方向と逆方向にプレス成形し、左凸部W4fに隣接する両側の面部をそれぞれ板状ワークW1の内方側へ変位させることができるようになっている。
プレス成形型60を備えたプレス成形装置を用いて板状ワークW1の右凸部W3fをプレス成形する際には、図7に示すように、板状ワークW1がプレス成形型60のダイ61に、板状ワークW1の中央凸部W2aがダイ61の突出部62dに配置されるようにして保持され、凸状側面部W3の第2の右凸状側面部W3bがダイ61の上面61aの左側部分に保持される。
そして、第1のパンチ65が下方へ移動され、右凸部W3fが第1のパンチ65により右凸部W3fの突出方向と逆方向にプレス成形されると、右凸部W3fが圧潰され第1のパンチ65とダイ61とによってプレス成形面W3h(図8参照)が成形されるとともに、右凸部W3fに隣接する両側の面部が内方側へ変位させられ、具体的には、図7において二点鎖線で示すように、右凸部W3fに隣接する第2の右凸状側面部W3bの右凸部W3fを除く面部、第3の右凸状側面部W3c及び第4の右凸状側面部W3dが板状ワークW1を閉じる方向に内方側へ変位させられ、右凸部W3fに隣接する第1の右凸状側面部W3a、凸状頂面部W2及び左凸状側面部W4が板状ワークW1を閉じる方向に内方側へ変位させられる。
板状ワークW1の右凸部W3fがプレス成形された後には、第1のパンチ65が上方へ移動され、右凸部W3fがプレス成形された板状ワークW1はまた、プレス成形型60のダイ61に保持され、第2のパンチ67により板状ワークW1の左凸部W4fがプレス成形される。
図8は、板状ワークの左凸状側面部に成形された左凸部をプレス成形するプレス成形工程を説明するための説明図である。図8に示すように、右凸部W3fがプレス成形された板状ワークW1は、プレス成形型60のダイ61に、板状ワークW1の中央凸部W2aがダイ61の突出部62dに配置されるようにして保持され、凸状側面部W4の第2の左凸状側面部W4bがダイ61の上面61aの右側部分に保持される。
そして、第2のパンチ67が下方へ移動され、左凸部W4fが第2のパンチ67により左凸部W4fの突出方向と逆方向にプレス成形されると、左凸部W4fが圧潰され第2のパンチ67とダイ61とによってプレス成形面W4h(図9参照)が成形されるとともに、左凸部W4fに隣接する両側の面部が内方側へ変位させられ、具体的には、図8において二点鎖線で示すように、左凸部W4fに隣接する第2の左凸状側面部W4bの左凸部W4fを除く面部、第3の左凸状側面部W4c及び第4の左凸状側面部W4dが板状ワークW1を閉じる方向に内方側へ変位させられ、左凸部W4fに隣接する第1の左凸状側面部W4a、凸状頂面部W2及び右凸状側面部W3が板状ワークW1を閉じる方向に内方側へ変位させられる。
このようにして、板状ワークW1の右凸部W3fと左凸部W4fとがそれぞれプレス成形された後、板状ワークW1は、凸状頂面部W2に成形された中央凸部W2aが中央凸部W2aの突出方向と反対方向である板状ワークW1の凸状に突出する方向にプレス成形され、凸状頂面部W2の両側の凸状側面部W3、W4がそれぞれ内方側へ変位させられ、板状ワークW1が閉断面化される。
図9は、板状ワークの凸状頂面部に成形された中央凸部をプレス成形するためのプレス成形装置のプレス成形型を示す断面図であり、図9には、板状ワークがプレス成形型に保持された状態が示されている。また、図10は、図9に示すプレス成形型を備えたプレス成形装置によって板状ワークの中央凸部がプレス成形された状態を示す図である。
図9に示すように、板状ワークW1の中央凸部W2aをプレス成形するためのプレス成形装置(第2のプレス成形装置)は、板状ワークW1を保持するためのダイ81と、ダイ81に保持された板状ワークW1の中央凸部W2aを該中央凸部W2aの突出方向と逆方向にプレス成形するための中子型85とを有するプレス成形型80を備えている。
プレス成形型80のダイ81は、板状ワークW1の凸状頂面部W2を保持するために、略平面状に形成された上面部81aを備えている。一方、プレス成形型80の中子型85は、板状ワークW1の中央凸部W2aを該中央凸部W2aの突出方向と逆方向にプレス成形するようにダイ81の上方に配置されている。中子型85は、板状ワークW1よりも長手方向に長く形成され、図9に示すように、上面部85aと、下面部85bと、右側面部85cと、左側面部85dとを備え、断面略矩形状に形成され長手方向に連続して形成されている。
中子型85の下面部85bは、フロントサイドフレーム20の下面部22の形状に応じて形成され、その短手方向における断面長さが中央凸部W2aの断面長さと略同一の断面長さを有するように形成されている。中子型85の上面部85aは、板状ワークW1の中央凸部W2aがプレス成形される際に、内方側へ変位させられる凸状側面部W3、W4と干渉しないように形成されている。
また、中子型85は、板状ワークW1の中央凸部W2aがプレス成形され板状ワークW1が閉断面化される際に、フロントサイドフレーム20の断面幅よりも狭い断面幅を有するように、具体的には図10に示すように、中子型85の右側面部85cと左側面部85dとの間の断面幅L31が、フロントサイドフレーム20の右側面部23と左側面部24に対応する、板状ワークW1の第1の左凸状側面部W4aと第1の右凸状側面部W3aとの間の最も狭い断面幅、すなわち、第1の左凸状側面部W4aに設けられた右ビード形成部W4eと第1の右凸状側面部W3aに設けられた左ビード形成部W3eとの間の断面幅L32よりも狭い断面幅を有するように形成されている。
このようにして形成された中子型85は、図示しない中子型上下方向移動機構によって上下方向に移動されるようになっているとともに、図示しない中子型前後方向移動機構によって板状ワークW1が閉断面化された後に閉断面状に形成された閉断面部材の長手方向に抜けるようになっている。
また、前記第2のプレス成形装置には、該第2のプレス成形装置を総合的に制御する第2のプレス成形装置用制御ユニット(不図示)が備えられており、該第2のプレス成形装置用制御ユニットは、中子型85の移動機構の作動を制御する。
このようにして構成されるプレス成形型80を備えた第2のプレス成形装置は、板状ワークW1をダイ81に、該ダイ81に設けられた上面部81aに凸状頂面部W2が配置されるように保持した状態で、板状ワークW1の中央凸部W2aを中子型85により中央凸部W2aの突出方向と逆方向にプレス成形し、凸状頂面部W2の両側の凸状側面部W3、W4をそれぞれ内方側へ変位させて閉断面化することができるようになっている。
第2のプレス成形装置を用いて板状ワークW1の中央凸部W2aをプレス成形する際には、図9に示すように、板状ワークW1は、プレス成形型80のダイ81に、中央凸部W2aが中子型85の下面部85bによってプレス成形され圧潰されるようにその中心軸が略一致するようにして配置され、板状ワークW1の凸状頂面部W2がダイ81の上面部81aに保持される。
板状ワークW1がダイ81に保持されると、中子型85が下方へ移動され、板状ワークW1の中央凸部W2aが中子型85により中央凸部W2aの突出方向と逆方向に下方に押圧され、これにより、左凸状頂面部W2c及び凸状側面部W4が、中央凸部W2aと左凸状頂面部W2cとの交点を支点として板状ワークW1を閉じる方向に内方側へ変位させられ、右凸状頂面部W2b及び凸状側面部W3が、中央凸部W2aと右凸状頂面部W2bとの交点を支点として板状ワークW1を閉じる方向に内方側へ変位させられる。
図10に示すように、板状ワークW1の中央凸部W2aが中子型85によりプレス成形されると、中央凸部W2aが圧潰され中子型85とダイ81とによって板状ワークW1にプレス成形面W2dが成形されるとともに、凸状側面部W3、W4がそれぞれ内方側へ変位させられ、凸状側面部W3、W4の端部W3g、W4gどうしが突きあわせられ、板状ワークW1が閉断面化される。
本実施形態では、板状ワークW1が閉断面化された際に、図10に示すように、凸状側面部W4に設けられた右ビード形成部W4eによって、フロントサイドフレーム20の右側面部23に設けられる右ビード部31に対応する、板状ワークW1が閉断面化された閉断面部材の内方側に窪むビード部が形成され、凸状側面部W3に設けられた左ビード形成部W3eによって、フロントサイドフレーム20の左側面部24に設けられる左ビード部32に対応する、板状ワークW1が閉断面化された閉断面部材の内方側に窪むビード部が形成される。
また、本実施形態では、板状ワークW1が閉断面化された際に、図10に示すように、凸状側面部W3、W4の端部W3g、W4gどうしにより、具体的には第3の右凸状側面部W3cに対して所定角度折り曲げられた第4の右凸状側面部W3dと第3の左凸状側面部W4cに対して所定角度折り曲げられた第4の左凸状側面部W4dによって、フロントサイドフレーム20の上面部21に設けられる上ビード部33に対応する、板状ワークW1が閉断面化された閉断面部材の内方側に窪むビード部W6が形成される。
図9及び図10では、第2のプレス成形装置によるプレス成形工程を説明するために、フロントサイドフレーム20の図3(a)に示す断面に対応する断面について示しているが、フロントサイドフレーム20の図3(b)に示す断面に対応する断面などのその他の断面についても同時にプレス成形され閉断面化される。
図11は、フロントサイドフレームの図3(b)に示す断面に対応する断面について、第2のプレス成形装置によるプレス成形工程を説明するための説明図であり、図11の(a)は、板状ワークW1がダイ81に保持された状態を示し、図11の(b)は、板状ワークW1の中央凸部W2が中子型85によってプレス成形された状態を示している。
フロントサイドフレーム20の図3(b)に示す断面に対応する断面についても、図11(a)に示すように、板状ワークW1が、プレス成形型80のダイ81に保持された状態で、中子型85が下方へ移動され、板状ワークW1の中央凸部W2aが中子型85によりプレス成形されると、図11(b)に示すように、中央凸部W2aが圧潰され中子型85とダイ81とによって板状ワークW1にプレス成形面W2dが成形されるとともに、凸状側面部W3、W4がそれぞれ内方側へ変位させられ、凸状側面部W3、W4の端部W3g、W4gどうしが突きあわせられ、板状ワークW1が閉断面化される。
図10及び図11(b)に示すように、板状ワークW1の中央凸部W2aをプレス成形することより、中央凸部W2aを圧潰して両側の凸状側面部W3、W4をそれぞれ内方側へ変位させて閉断面化させた後には、閉断面化された凸状側面部W3、W4の端部W3g、W4gどうしを溶接する溶接工程が行われ、閉断面化された凸状側面部W3、W4の端部W3g、W4gどうしを溶接するレーザ溶接などの溶接装置によって凸状側面部W3、W4の端部W3g、W4gどうしが長手方向に連続して接合され、フランジ部分を設けることなく閉断面状に形成された閉断面部材としてのフロントサイドフレーム20が製造される。このフロントサイドフレーム20には、右側面部23に内方側に窪む右ビード部31が形成され、左側面部24に内方側に窪む左ビード部32が形成され、上面部21に内方側に窪む上ビード部33が形成されている。
本実施形態では、前記第1のプレス成形装置、前記第2のプレス成形装置、前記第3のプレス成形装置及び前記溶接装置によって、金属製の板状ワークW1から閉断面状に形成された閉断面部材を製造する金属製閉断面部材の製造装置が構成されており、かかる金属製閉断面部材の製造装置によって、金属製の板状ワークW1から閉断面状に形成された閉断面部材を精度良く製造することができる。
なお、本実施形態では、板状ワークW1をプレス成形型40のブランクホルダ49とダイ41とにより挟持した状態で、パンチ46をダイ41の成形空間43内に移動させることにより、板状ワークW1をダイ41に対するパンチ46の移動方向に突出させて凸状にプレス成形しているが、例えば張出しなどのその他のプレス成形を用いて成形することも可能である。
また、板状ワークW1の凸状側面部W3に成形した右凸部W3fをプレス成形して右凸部W3fに隣接する両側の面部を内方側へ変位させ、板状ワークW1の凸状側面部W4に成形した左凸部W4fをプレス成形して左凸部W4fに隣接する両側の面部を内方側へ変位させた後に、板状ワークW1の凸状頂面部W2に成形した中央凸部W2aをプレス成形して板状ワークW1を閉断面化させているが、板状ワークW1の一方の凸状側面部W3又はW4に成形した凸部W3f又はW4fのみをプレス成形した後に、板状ワークW1の中央凸部W2aをプレス成形し、板状ワークW1を閉断面化させるようにしてもよい。
このように、本実施形態においては、板状ワークW1を閉断面状に形成して金属製閉断面部材20を製造するに際し、板状ワークW1を凸状にプレス成形するとともに凸状頂面部W2に逆方向に突出する第1の凸部W2aを成形する第1のプレス成形工程と、第1の凸部W2aをプレス成形することにより両側の凸状側面部W3、W4をそれぞれ内方側へ変位させる第2のプレス成形工程とを備え、凸状側面部W3、W4の少なくとも一方に第2の凸部W3f、W4fを成形する凸部成形工程と、第2の凸部W3f、W4fをプレス成形することにより第2の凸部W3f、W4fに隣接する両側の面部をそれぞれ内方側へ変位させる第3のプレス成形工程と、をさらに備え、第2の凸部W3f、W4fと第1の凸部W2aとがプレス成形され、板状ワークW1を閉断面化する。これにより、第2の凸部W3f、W4fのプレス成形によって板状ワークW1をさらに変位させることができるので、複雑な断面形状を有する閉断面部材を製造する場合においても、比較的容易に金属製板状ワークから金属製閉断面部材を確実に製造することができる。複雑な断面形状を有する閉断面部材を製造する場合においても、第1の凸部W2aと第2の凸部W3f、W4fとを成形することにより、板状ワークをプレス成形する際にアンダーカット形状とならない状態でプレス成形することができ、金属製閉断面部材を精度良く製造することができる。
また、第2の凸部W3f、W4fと第1の凸部W2aとが同時に成形されることにより、第2の凸部W3f、W4fを成形するための成形工程を別途設ける必要がなく、成形工程を複雑化させることなく、前記効果を有効に得ることができる。
本実施形態では、フロントサイドフレーム20の右側面部23、左側面部24及び上面部21にそれぞれ形成される右ビード部31、左ビード部32及び上ビード部33がフロントサイドフレーム20の内方側に窪んで形成されているが、フロントサイドフレーム20の右側面部23、左側面部24及び上面部21にそれぞれ形成される右ビード部31、左ビード部32及び上ビード部33をフロントサイドフレーム20の外方側に突出するように形成することも可能である。
このように、閉断面部材20の内方側に窪む第1のビード部31、32及び閉断面部材20の外方側に突出する第1のビード部の少なくとも何れか一方の第1のビード部31、32を形成するための第1のビード形成部W3e、W4eを第2の凸部W3f、W4fの近傍に成形する第1のビード形成部成形工程をさらに備え、第1のビード形成部W3e、W4eと第1の凸部W2aと第2の凸部W3f、W4fとが同時にプレス成形されることより、成形工程を複雑化させることなく、第1のビード部W3e、W4eによって強度及び剛性が高められた閉断面部材を製造することができる。
また、板状ワークW1の閉断面化された凸状側面部W3、W4の端部W3g、W4gどうしにより形成され、閉断面部材20の内方側に窪む第2のビード部33及び閉断面部材の外方側に突出する第2のビード部の少なくとも何れか一方の第2のビード部33を形成するための第2のビード形成部W3d、W4dを凸状側面部W3、W4の端部W3g、W4gにそれぞれ成形する第2のビード形成部成形工程をさらに備え、第2のビード形成部W3d、W4dと第1の凸部W2aと第2の凸部W3f、W4fとが同時にプレス成形されることにより、成形工程を複雑化させることなく、板状ワークの端部どうしにより閉断面化される部分に第2のビード部を形成することができ、第2のビード部によって強度及び剛性がさらに高められた閉断面部材を製造することができる。
更に、板状ワークW1の閉断面化された凸状側面部W3、W4の端部W3g、W4gどうしを溶接する溶接工程をさらに備えていることにより、閉断面部材の接合強度を高めることができ、より強固な閉断面部材を製造することができる。
本実施形態では、第1の凸部W2aと第2の凸部W3f、W4fとが同時にプレス成形されているが、第1の凸部W2aと第2の凸部W3f、W4fとを別々にプレス成形することも可能である。また、本実施形態では、第2の凸部W3f、W4fをその突出方向と逆方向にプレス成形した後に、第1の凸部W2aをプレス成形して閉断面化させているが、第1の凸部W2aをプレス成形した後に、第2の凸部W3f、W4fをプレス成形して閉断面化させるようにすることも可能である。さらに、本実施形態では、第2の凸部W3f、W4fとして右凸部W3fと左凸部W4fの2つの凸部を成形しているが、これに限定されるものでなく、3つ以上の凸部を成形することも可能である。
前述した実施形態では、図9に示すプレス成形型80を備えた第2のプレス成形装置において、ダイ81に設けられた上面部81aに板状ワークW1の凸状頂面部W2を保持した状態で、板状ワークW1の中央凸部W2aをプレス成形型80の中子型85により中央凸部W2aの突出方向と逆方向にプレス成形しているが、ダイ81の上面部81aに凹部を設け、この凹部内で中央凸部W2aをプレス成形型の中子型により中央凸部W2aの突出方向と逆方向にプレス成形するようにすることも可能である。
図12は、本実施形態に係る金属製閉断面部材を製造する別の方法を説明するための説明図であり、図12は、板状ワークW1の中央凸部W2aをプレス成形するための第2のプレス成形装置のプレス成形型を断面図で示している。図12に示すプレス成形型100は、プレス成形型80のダイ81に凹部が形成されていること以外は、プレス成形型80と同様であるので、同様の構成について同一符号を付して説明を省略する。なお、図12では、プレス成形型100に板状ワークW1が保持された状態が示されている。
図12に示すように、プレス成形型100のダイ101には、板状ワークW1の凸状頂面部W2を保持するための上面部101aに凹状に窪む凹部102が設けられている。この凹部102は、底面部102aと、側壁部102b、102c、具体的には図12において右側に位置する右側壁部102bと左側に位置する左側壁部102cとを備え、長手方向に連続して延びている。
ダイ101に設けられる凹部102の底面部102aは、フロントサイドフレーム20の下面部22の形状に応じて形成されており、板状ワークW1の凸状頂面部W2に設けられる中央凸部W2aの断面長さL11と略同一の断面長さL21を有するように形成されている。また、凹部102の右側壁部102bが、左凸状頂面部W2cの断面長さL12の最も短い断面長さと略同一の断面長さL22を有するように形成され、凹部102の左側壁部102cが、右凸状頂面部W2bの断面長さL13の最も短い断面長さと略同一の断面長さL23を有するように形成され、凹部102の側壁部102b及び102cの底面部102aに対する傾斜角度はそれぞれ、フロントサイドフレーム20の形状に応じて長手方向に略一定の所定の角度で形成されている。
プレス成形型100を備えた第2のプレス成形装置を用いて、板状ワークW1の中央凸部W2aをプレス成形する際には、図12に示すように、板状ワークW1がプレス成形型100のダイ101に、該ダイ101に設けられた凹部102上に板状ワークW1の中央凸部W2aがその短手方向における中心軸が略一致するようにして配置され、板状ワークW1の凸状頂面部W2がダイ101の上面部101aに保持される。
板状ワークW1がダイ101に保持されると、中子型85が下方へ移動され、板状ワークW1の中央凸部W2aが中子型85により中央凸部W2aの突出方向と逆方向に下方に押圧され、これにより、左凸状頂面部W2c及び凸状側面部W4が、凹部102の右側壁部102bと上面部101aとの交点であるダイ101の肩部102eを支点として板状ワークW1を閉じる方向に内方側へ変位させられ、右凸状頂面部W2b及び凸状側面部W3が、凹部102の左側壁部102cと上面部101aとの交点であるダイ101の肩部102fを支点として板状ワークW1を閉じる方向に内方側へ変位させられる。
図13は、図12に示すプレス成形型を備えたプレス成形装置によって板状ワークの中央凸部がプレス成形された状態を示す図である。図13に示すように、板状ワークW1の中央凸部W2aが中子型85によってプレス成形されると、中央凸部W2aが圧潰され中子型85とダイ101とによってプレス成形面W2dが成形されるとともに、凸状頂面部W2の両側の凸状側面部W3、W4がそれぞれ内方側へ変位させられ、凸状側面部W3、W4の端部W3g、W4gどうしが突きあわせられ、板状ワークW1が閉断面化される。
プレス成形型100を備えた第2のプレス成形装置を用いる場合においても、成形工程を複雑化させることなく、比較的容易に金属製板状ワークから複雑な断面形状を有する金属製閉断面部材を製造することができる。プレス成形型100を備えた第2のプレス成形装置を用いて金属製板状ワークから金属製閉断面部材を製造する場合には、凸状頂面部W2c、W2bの断面長さL12、L13が長手方向において変化する場合においても、プレス成形型100のダイ101に設けられる凹部102の側壁部102b、102cの断面長さL22、L23がそれぞれ、凸状側面部W2c、W2bの断面長さL12、L13の最も短い部分と略同一に設定されたダイ101を用いてプレス成形されることにより、フロントサイドフレーム20の第3の傾斜側面部27及び第4の傾斜側面部28に対応する凸状頂面部W2c、W2bを長手方向において略等しいタイミングでプレス成形して立ち起こすことができ、プレス成形を安定して行うことができる。
なお、本実施形態では、板状ワークW1に断面略三角状の凸部W2a、W3f、W4fを成形し、この凸部W2a、W3f、W4fをプレス成形して凸部W2a、W3f、W4fに隣接する両側の面部をそれぞれ内方側へ変位させているが、これに限定されるものでなく、板状ワークW1に成形される凸部W2a、W3f、W4fを断面略円弧状に成形するようにしてもよい。
以上のように、本発明は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
本発明は、金属製の板状ワークから閉断面部材を製造する金属製閉断面部材の製造に関し、例えばフロントサイドフレームやリアサイドフレーム、あるいはダッシュクロスメンバなどの閉断面状に形成されるとともにその側面部や上面部にビード部が形成される車体部材の製造において有効に適用可能である。
20 フロントサイドフレーム
31 右ビード部
32 左ビード部
33 上ビード部
W1 板状ワーク
W2 凸状頂面部
W2a 中央凸部
W3 右凸状側面部
W3d 第4の右凸状側面部
W3e 右ビード形成部
W3f 右凸部
W3g 右凸状側面部の端部
W4 左凸状側面部
W4d 第4の左凸状側面部
W4e 左ビード形成部
W4f 左凸部
W4g 左凸状側面部の端部

Claims (5)

  1. 金属製の板状ワークを凸状にプレス成形するとともに該板状ワークの凸状に成形される凸状頂面部に該板状ワークの凸状に突出する方向と逆方向に突出する第1の凸部を成形する第1のプレス成形工程と、該第1のプレス成形工程において成形された前記第1の凸部をその突出方向と逆方向にプレス成形することにより、該第1の凸部を圧潰するとともに前記凸状頂面部の両側の凸状側面部をそれぞれ内方側へ変位させる第2のプレス成形工程とを備え、前記板状ワークから閉断面状に形成された閉断面部材を製造する金属製閉断面部材の製造方法であって、
    前記凸状側面部の少なくとも一方に前記板状ワークの凸状に突出する方向と逆方向に突出する第2の凸部を成形する凸部成形工程と、
    該凸部成形工程において成形された前記第2の凸部をその突出方向と逆方向にプレス成形することにより、該第2の凸部を圧潰するとともに該第2の凸部に隣接する両側の面部をそれぞれ内方側へ変位させる第3のプレス成形工程と、
    をさらに備え、
    前記第2の凸部と前記第1の凸部とがプレス成形され、前記板状ワークを閉断面化する、
    ことを特徴とする金属製閉断面部材の製造方法。
  2. 前記凸部成形工程は、前記第1のプレス成形工程と同時に行われ、前記第2の凸部と前記第1の凸部とが同時に成形される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の金属製閉断面部材の製造方法。
  3. 前記閉断面部材の内方側に窪む第1のビード部及び前記閉断面部材の外方側に突出する第1のビード部の少なくとも何れか一方の第1のビード部を形成するための第1のビード形成部を前記第2の凸部の近傍に成形する第1のビード形成部成形工程をさらに備え、
    該第1のビード形成部成形工程は、前記第1のプレス成形工程と前記凸部成形工程と同時に行われ、前記第1のビード形成部と前記第1の凸部と前記第2の凸部とが同時に成形される、
    ことを特徴とする請求項2に記載の金属製閉断面部材の製造方法。
  4. 前記板状ワークの閉断面化された前記凸状側面部の端部どうしにより形成され前記閉断面部材の内方側に窪む第2のビード部及び前記閉断面部材の外方側に突出する第2のビード部の少なくとも一方の第2のビード部を形成するための第2のビード形成部を前記凸状側面部の端部にそれぞれ成形する第2のビード形成部成形工程をさらに備え、
    該第2のビード形成部成形工程は、前記第1のプレス成形工程と前記凸部成形工程と同時に行われ、前記第2のビード形成部と前記第1の凸部と前記第2の凸部とが同時に成形される、
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一に記載の金属製閉断面部材の製造方法。
  5. 前記板状ワークの閉断面化された前記凸状側面部の端部どうしを溶接する溶接工程をさらに備えている、
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一に記載の金属製閉断面部材の製造方法。
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