JP2010234412A - 金属製閉断面部材の製造方法 - Google Patents

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Yasuaki Ishida
恭聡 石田
Naoko Saito
直子 斉藤
Tatsushi Mizogami
達志 溝上
Kenji Murase
健二 村▲瀬▼
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Abstract

【課題】比較的簡単な方法によって精度良く金属製閉断面部材を製造することができる金属製閉断面部材の製造方法を提供する。
【解決手段】金属製の板状ワークW1を凸状にプレス成形するとともに凸状頂面部に逆方向に突出する凸部W2aを成形し、板状ワークの凸部を中子型65により板状ワークの凸状に突出する方向にプレス成形することより板状ワークの凸部を圧潰するとともに両側の凸状側面部W3、W4をそれぞれ内方側へ変位させ、中子型を両側の凸状側面部の間から抜き取った後に凸状側面部の少なくとも一方を押圧して閉断面化し、板状ワークから閉断面部材を製造するに際し、凸部の断面形状が左右非対称に形成され、凸部がプレス成形される際に板状ワークの一方の凸状側面部が板状ワークの他方の凸状側面部よりも内方側への変位が抑制された状態で両側の凸状側面部がそれぞれ内方側へ変位させられる。
【選択図】図14

Description

この発明は、金属製の板状素材(板状ワーク)から閉断面状に形成された閉断面部材を製造する金属製閉断面部材の製造方法に関する。
周知のように、自動車等の車両において車体の基本構造の一部を構成するピラー部材、フロント及びリアのサイドフレーム、ダッシュパネルの前面下部に位置するダッシュクロスメンバ等の車体部材には、車体の強度及び剛性を確保し安全性を高める観点から高強度化及び高剛性化が求められ、しかも、燃費性能向上のために軽量化が求められている。
これらの要請に応えるため、前記のような車体部材は、多くの場合、金属製の閉断面部材として構成されている。このような金属製の閉断面部材の製造方法としては、例えば鋼板などの金属製の板状ワークをプレス加工によりコ字形断面の両端部に外側へ張り出すフランジ部分が一体成形された断面ハット状に形成し、この断面ハット状に形成された2枚の板状ワークのフランジ部分を互いに重ね合わせて閉断面状にし、その後に、フランジ部分を溶接して閉断面部材を製造する方法が一般に知られている。
また、例えば特許文献1には、閉断面部材としての三角形チューブを製造するものであるが、予め所定形状に切断した鋼板の両端部近傍を所定の曲率で曲げる第1曲げ工程と、第1曲げ工程で曲げた鋼板の中央部を所定の曲率で押し曲げる第2曲げ工程と、第2曲げ工程で成形した鋼板の前記中央部を長手方向に対して左右から加圧しつつ、前記両端部を上方から押さえ込んで拘束して突き合わせ、成形する拘束成形工程と、拘束成形工程の後に、除荷せずに前記両端部の突き合わせ部を溶接する溶接工程とを有する三角形チューブの製造方法が開示されている。
特開2000−51932号公報
近年、自動車等の車両においては、燃費性能向上のためにより一層の軽量化が求められており、比較的大きな重量を占める車体部材についてもより一層の軽量化が求められている。このため、金属製の閉断面部材として構成される車体部材については、フランジ部分を設けることなく製造することが望まれている。
前記特許文献1には、フランジ部分を設けることなく閉断面状に形成された三角形チューブの製造方法が記載されているものの、自動車等の車両に用いられる車体部材は複雑な形状を有し、その長手方向に断面形状が複雑に変化し得るので、前記特許文献1に記載される製造方法を適用する場合には、閉断面部材の成形断面と同一形状の切り欠き部を有する複数のプレートを作る必要があり、自動車等の車両に用いられる車体部材に適用することはなかなか困難なものとなり得る。
そこで、この発明は、金属製の閉断面部材を製造するに際し、比較的簡単な方法によって、金属製閉断面部材を精度良く製造することができる金属製閉断面部材の製造方法を提供することを目的とする。
このため、本願の請求項1に係る金属製閉断面部材の製造方法は、金属製の板状ワークを第1の成形型のブランクホルダとダイとにより挟持した状態で、第1の成形型のパンチを前記ダイの成形空間内に相対的に移動させることにより、前記板状ワークを前記ダイに対する前記パンチの移動方向に突出させて凸状にプレス成形するとともに、前記板状ワークの凸状に成形される凸状頂面部に前記板状ワークの凸状に突出する方向と逆方向に突出する凸部を成形する第1のプレス成形工程と、プレス成形された前記板状ワークを第2の成形型のダイに保持した状態で、プレス成形された前記板状ワークの前記凸部を第2の成形型の中子型により前記板状ワークの凸状に突出する方向にプレス成形することより、前記板状ワークの前記凸部を圧潰するとともに前記第1のプレス成形工程において成形された前記板状ワークの凸状頂面部の両側の凸状側面部をそれぞれ内方側へ変位させる第2のプレス成形工程とを備え、金属製の板状ワークから閉断面状に形成された閉断面部材を製造する金属製閉断面部材の製造方法であって、前記第2のプレス成形工程の後に、前記中子型を前記板状ワークの凸状に突出する方向と逆方向に前記両側の凸状側面部の間から抜き取る中子型抜き取り工程と、前記中子型抜き取り工程の後に、前記両側の凸状側面部の端部どうしを接合して閉断面化する閉断面化工程と、をさらに備え、前記第2のプレス成形工程では、前記凸部がプレス成形される際に前記板状ワークの一方の凸状側面部が前記板状ワークの他方の凸状側面部よりも内方側への変位が抑制された状態で前記両側の凸状側面部がそれぞれ内方側へ変位させられる、ことを特徴としたものである。
また、本願の請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記第2のプレス成形工程において前記凸部がプレス成形される際に前記板状ワークの一方の凸状側面部が前記板状ワークの他方の凸状側面部よりも内方側への変位が抑制されるように、前記第1のプレス成形工程において前記凸部の断面形状が左右非対称に形成される、ことを特徴としたものである。
更に、本願の請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において、前記閉断面化工程は、前記凸状側面部の少なくとも一方をさらに内方側へ変位させ前記板状ワークを閉断面化させるように、前記凸状側面部の少なくとも一方を前記板状ワークの外方側から押圧する押圧工程である、ことを特徴としたものである。
また更に、本願の請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか一に係る発明において、前記第1のプレス成形工程と前記第2のプレス成形工程の間に、プレス成形された前記板状ワークの少なくとも一方の前記凸状側面部の前記凸状頂面部側と反対側の端部を前記板状ワークの内方側へ曲げ成形する曲げ成形工程をさらに備えている、ことを特徴としたものである。
また更に、本願の請求項5に係る発明は、請求項1〜4の何れか一に係る発明において、前記板状ワークの閉断面化された前記凸状側面部の端部どうしを溶接する溶接工程をさらに備えている、ことを特徴としたものである。
本願の請求項1に係る金属製閉断面部材の製造方法によれば、板状ワークを凸状にプレス成形するとともに凸状頂面部に逆方向に突出する凸部を成形する第1のプレス成形工程と、凸部を中子型により板状ワークの凸状に突出する方向にプレス成形することより凸部を圧潰するとともに凸状側面部をそれぞれ内方側へ変位させる第2のプレス成形工程とを備え、中子型を両側の凸状側面部の間から抜き取る中子型抜き取り工程と、両側の凸状側面部の端部どうしを接合して閉断面化する閉断面化工程と、をさらに備え、凸部がプレス成形される際に板状ワークの一方の凸状側面部が他方の凸状側面部よりも内方側への変位が抑制された状態で両側の凸状側面部がそれぞれ内方側へ変位させられることにより、中子型を両側の凸状側面部の間から抜き取ることができ、中子型を閉断面部材の長手方向に抜き取る場合のように成形型などの成形装置を複雑化させたり大型化させたりすることなく、比較的簡単な方法によって精度良く金属製閉断面部材を製造することができる。
また、本願の請求項2に係る発明によれば、第2のプレス成形工程において凸部がプレス成形される際に板状ワークの一方の凸状側面部が板状ワークの他方の凸状側面部よりも内方側への変位が抑制されるように、第1のプレス成形工程において凸部の断面形状が左右非対称に形成されることにより、比較的簡単な方法によって、一方の凸状側面部を他方の凸状側面部よりも内方側への変位を抑制した状態で凸状側面部を変位させることができ、前記効果をより有効に奏することができる。
更に、本願の請求項3に係る発明によれば、閉断面化工程は、凸状側面部の少なくとも一方を板状ワークの外方側から押圧する押圧工程であることにより、凸状側面部の少なくとも一方をさらに内方側へ変位させて板状ワークを確実に閉断面化させることができ、前記効果を有効に得ることができる。
また更に、本願の請求項4に係る発明によれば、第1のプレス成形工程と第2のプレス成形工程の間に、プレス成形された板状ワークの少なくとも一方の凸状側面部の凸状頂面部側と反対側の端部を板状ワークの内方側へ曲げ成形する曲げ成形工程をさらに備えていることにより、板状ワークを閉断面化させる際に、プレス成形された板状ワークの凸状側面部の内方側への変位を少なくし、より精度良く金属製閉断面部材を製造することができる。
また更に、本願の請求項5に係る発明によれば、プレス成形された板状ワークの閉断面化された凸状側面部の端部どうしを溶接する溶接工程をさらに備えていることにより、閉断面部材の接合強度を高めることができ、より強固な閉断面部材を製造することができる。
本実施形態に係る金属製閉断面部材を備えた自動車の車体構造を模式的に示す側面図である。 本実施形態に係る金属製閉断面部材としてのフロントサイドフレームを示す斜視図である。 図2におけるY3a−Y3a線及びY3b−Y3b線に沿ったフロントサイドフレームの断面図である。 板状ワークをドロー成形するためのドロー成形装置のドロー成形型を示す斜視図である。 図4におけるY5−Y5線に沿ったドロー成形型の断面図である。 ドロー成形工程を説明するための説明図である。 ドロー成形された板状ワークを示す斜視図である。 ドロー成形された板状ワークを図7におけるY8−Y8線に沿って示す断面図である。 図8に示す板状ワークの要部を拡大して模式的に示す図である。 ドロー成形された板状ワークの凸状側面部の端部を曲げ成形するための曲げ成形装置の曲げ成形型を示す断面図である。 曲げ成形工程を説明するための説明図である。 曲げ成形工程を説明するための説明図である。 板状ワークの凸部をプレス成形するためのプレス成形装置のプレス成形型を示す断面図である。 プレス成形工程を説明するための説明図である。 閉断面化工程を説明するための説明図である。 フロントサイドフレームの図3(b)に示す断面に対応する断面についてプレス成形工程及び閉断面化工程を説明するための説明図である。 板状ワークの凸部をプレス成形するためのプレス成形装置の別のプレス成形型を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係る金属製閉断面部材を備えた自動車の車体構造を模式的に示す側面図である。本実施形態に係る金属製閉断面部材の製造方法は、図1に示すように、自動車のサイドボディ10に結合されるフロントサイドフレーム20を、金属製の板状ワークを閉断面状に形成して製造する場合に適用するものであるが、これに限定されるものでなく、サイドボティ10に結合されるリアサイドフレーム30などのその他の車体部材の製造に適用してもよい。さらには、車体部材に限らず、閉断面状に形成されるその他の金属製の閉断面部材の製造に適用することも可能である。
図2は、本実施形態に係る金属製閉断面部材としてのフロントサイドフレームを示す斜視図である。また、図3は、図2におけるY3a−Y3a線及びY3b−Y3b線に沿ったフロントサイドフレームの断面図であり、図3の(a)は、図2におけるY3a−Y3a線に沿ったフロントサイドフレームの断面図、図3の(b)は、図2におけるY3b−Y3b線に沿ったフロントサイドフレームの断面図を示している。
図2に示すように、本実施形態に係る金属製閉断面部材としてのフロントサイドフレーム20は、長手方向に延びるとともに閉断面状に形成される閉断面部材として構成されており、上面部21と、下面部22と、右側面部23と、左側面部24と、上面部21から右側面部23に向かって右斜め下方に傾斜する第1の傾斜側面部25と、上面部21から左側面部24に向かって左斜め下方に傾斜する第2の傾斜側面部26と、下面部22から右側面部23に向かって右斜め上方に傾斜する第3の傾斜側面部27と、下面部22から左側面部24に向かって左斜め上方に傾斜する第4の傾斜側面部28によって中空部29を有する断面八角形状に形成されている。
フロントサイドフレーム20は、上面部21と下面部22とが長手方向に沿って平行に成形されるとともに短手方向の断面長さが略同一に成形されているが、図2に示すように、断面形状は長手方向において変化して成形されている。フロントサイドフレーム20は、図3(a)に示す断面においては、左側面部24、第1の傾斜側面部25及び第3の傾斜側面部27が、図3(b)に示す断面における左側面部24、第1の傾斜側面部25及び第3の傾斜側面部27のそれぞれの断面長さよりも短い断面長さを有するように形成され、右側面部23、第2の傾斜側面部26及び第4の傾斜側面部28が、図3(b)に示す断面における右側面部23、第2の傾斜側面部26及び第4の傾斜側面部28のそれぞれの断面長さよりも長い断面長さを有するように形成されている。また、下面部22に対する第3の傾斜側面部27の傾斜角度及び下面部22に対する第4の傾斜側面部28の傾斜角度はそれぞれ、長手方向に一定の所定の角度で形成されている。フロントサイドフレーム20にはまた、右側面部23及び第1の傾斜側面部25に中空部29の内方側に窪む複数のビード31が形成されている。
次に、このようにして構成される本実施形態に係る金属製閉断面部材としてのフロントサイドフレーム20の製造方法について説明する。
本実施形態では、フロントサイドフレーム20を製造するに際し、先ず、例えば鋼板などの略平板状に形成された金属製の板状素材(板状ワーク)を用意し、この板状ワークを凸状にプレス成形し、具体的にはドロー(絞り)成形し、フロントサイドフレーム20の形状に応じた所定形状に成形する。
図4は、板状ワークをドロー成形するためのドロー成形装置のドロー成形型を示す斜視図であり、図5は、図4におけるY5−Y5線に沿ったドロー成形型の断面図である。なお、図4では、ドロー成形型のダイについてはその下面のみを示し、ドロー成形型のブランクホルダについてはその上面のみを示している。
図4及び図5に示すように、板状ワークW1をドロー成形するためのドロー成形装置に用いるドロー成形型(第1の成形型)40は、板状ワークW1を保持するためのブランクホルダ41と、ブランクホルダ41の内周面部41aに外周面部42aが嵌め合わせられ、ブランクホルダ41に対して上下方向に移動可能に構成されるパンチ42と、ブランクホルダ41とパンチ42とに対向して配置され、上下方向に移動可能に構成されるダイ45とを備えている。
ドロー成形型40のダイ45には、その下面45aに凹状に窪む凹部45bが設けられ、凹部45b内に板状ワークW1をドロー成形するための成形空間45cが形成されている。ドロー成形型40のダイ45に設けられる凹部45bは、フロントサイドフレーム20の形状に応じて所定形状に形成され、図5に示すように、略平面状に形成される底面部45dと、底面部45dから右斜め下方に傾斜する第1の傾斜壁部45eと、第1の傾斜壁部45eから垂直方向下方に延びる第1の右縦壁部45fと、第1の右縦壁部45fから水平方向右側に延びる右水平部45gと、右水平部45gから略垂直方向下方に延びる第2の右縦壁部45hと、底面部45dから左斜め下方に傾斜する第2の傾斜壁部45iと、第2の傾斜壁部45iから垂直方向下方に延びる第1の左縦壁部45jと、第1の左縦壁部45jから水平方向左側に延びる左水平部45kと、左水平部45kから略垂直方向下方に延びる第2の左縦壁部45lとを備えている。また、ダイ45に設けられる凹部45bの底面部45dには、底面部45dから成形空間45cの内方側に向かって凸状に突出する凸部45mが設けられ、この凸部45mは、図4に示すように、底面部45dにおいて長手方向に連続して設けられている。凸部45mの断面形状は、後述するようにその短手方向において左右非対称に形成されている。
一方、ドロー成形型40のパンチ42は、ドロー成形型40のダイ45との間で板状ワークW1を成形するために、フロントサイドフレーム20の形状に応じて所定形状に形成され、図5に示すように、パンチ42の頭部は、略平面状に形成される上面部42dと、上面部42dから右斜め下方に傾斜する第1の傾斜壁部42eと、第1の傾斜壁部42eから垂直方向下方に延びる右縦壁部42fと、右縦壁部42fから水平方向右側に延びる右水平部42gと、上面部42dから左斜め下方に傾斜する第2の傾斜壁部42iと、第2の傾斜壁部42iから垂直方向下方に延びる左縦壁部42jと、左縦壁部42jから水平方向左側に延びる左水平部42kとを備えている。また、パンチ42の上面部42dには、上面部42dから凹状に窪む凹部42mが設けられ、この凹部42mは、上面部42dにおいて長手方向に連続して設けられている。凹部42mの断面形状についても、後述するように凸部45mの断面形状に対応してその短手方向において左右非対称に形成されている。
このようにして構成されるドロー成形型40を備えたドロー成形装置では、ブランクホルダ41とダイ45とにより板状ワークW1を挟持した状態で、パンチ42をダイ45の成形空間45c内に移動させて板状ワークW1をドロー成形することにより、フロントサイドフレーム20の形状に応じて所定形状に板状ワークW1がプレス成形されるようになっている。なお、ドロー成形型40のダイ45には、凹部45bの第2の傾斜壁部45i及び第1の左縦壁部45jにビード31の形状に応じて成形空間45cの内方側に向かって突出するビード形成用突出部(不図示)が形成され、ドロー成形型40のパンチ42には、第2の傾斜壁部42i及び左縦壁部42jにビード31の形状に応じて凹状に窪むビード形成用溝部(不図示)が形成されている。
ドロー成形型40を用いて板状ワークW1をドロー成形する際には、図5に示すように、ブランクホルダ41とダイ45とが離間して配置され、パンチ42の上面部42dがブランクホルダ41の上面41bよりも下方に配置された状態で、板状ワークW1がブランクホルダ41の上面41bに保持される。そして、ドロー成形型40のダイ45が下方へ移動され、ブランクホルダ41とダイ45とにより板状ワークW1の短手方向における両端部が挟持された後に、パンチ42が上方へ移動され、パンチ42がダイ45の成形空間45c内に移動して板状ワークW1がドロー成形される。
図6は、ドロー成形工程を説明するための説明図であり、図6の(a)は、ブランクホルダとダイとにより板状ワークが挟持された後に、パンチが上方へ移動されて板状ワークがドロー成形されている状態を示し、図6の(b)は、パンチがさらに上方へ移動されて板状ワークがさらにドロー成形された状態を示している。
図6(a)に示すように、板状ワークW1がブランクホルダ41とダイ45により挟持された状態で、パンチ42がダイ45の成形空間45c内に移動されることにより、パンチ42の上面部42dによって板状ワークW1が断面台形状にドロー成形される。さらにパンチ42が上方へ移動されると、図6(b)に示すように、板状ワークW1がさらにドロー成形され、パンチ42とダイ45とにより板状ワークW1が所定形状に成形される。
図7は、ドロー成形された板状ワークを示す斜視図であり、図8は、ドロー成形された板状ワークを図7におけるY8−Y8線に沿って示す断面図である。図7及び図8に示すように、ドロー成形された板状ワークW1は、ブランクホルダ41とダイ45とにより挟持された板状ワークW1の短手方向の両端部を除く短手方向の中央部分がダイ45に対するパンチ42の移動方向に突出させられて凸状にプレス成形され、凸状頂面部W2と、凸状頂面部W2の両側に成形される凸状側面部W3、W4とを有している。
ドロー成形された板状ワークW1は、ダイ45に設けられる凹部45bの底面部45dとパンチ42の上面部42dとにより凸状頂面部W2が成形され、凸状頂面部W2には、底面部45dに設けられた凸部45mと上面部42dに設けられた凹部42mとにより板状ワークW1の凸状に突出する方向と逆方向に突出する凸部W2aが長手方向に設けられている。また、凸状頂面部W2は、図7に示すように、凸部W2aによって凸部W2aの右側に位置する右凸状頂面部W2bと凸部W2aの左側に位置する左凸状頂面部W2cとに分割され、凸状頂面部W2の凸部W2aによって分割される部分W2b、W2cの短手方向における断面長さが長手方向において変化するように成形されている。
ここで、板状ワークW1の凸状頂面部W2に設けられる凸部W2aの断面形状について、図9を参照しながら説明する。
図9は、図8に示す板状ワークの要部を拡大して模式的に示す図であり、図9には、板状ワークW1の長手方向と直交する方向である短手方向における板状ワークの断面形状の一部が示されている。図9では、凸状側面部W3と右凸状頂面部W2bとの交点をP1とし、右凸状頂面部W2bと凸部W2aとの交点をP2とし、凸部W2aの頂点をP3とし、凸部W2aの頂点P3を通って右凸状頂面部W2b及び左凸状頂面部W2cと直交する方向に延びる軸C1に対して点P2と左右対称な点をP4とし、凸部W2aと左凸状頂面部W2cとの交点をP5とし、左凸状頂面部W2cと凸状側面部W4との交点をP6として表し、軸C1に対して凸部W2aの右側部分(点P2と点P3とを結ぶ曲線部分)と左右対称に形成される凸部を二点鎖線で示している。
本実施形態では、板状ワークW1に形成される凸部W2aは、板状ワークの長手方向において同一形状で形成され、図9に示すように、板状ワークW1の短手方向における断面形状が左右非対称に形成されている。凸部W2aの頂点P3を通る軸C1に対して凸部W2aの右側部分(点P2と点P3とを結ぶ曲線部分)と凸部W2aの左側部分(点P3と点P5とを結ぶ曲線部分)の形状が異なって形成され、凸部W2aの左側部分は、軸C1に対して凸部W2aの右側部分と左右対称に形成される部分(点P3と点P4とを結ぶ曲線部分)より左側に位置付けられている。具体的には、凸部のW2aの右側部分と凸部W2aの左側部分とはそれぞれ断面円弧状に形成され、凸部W2aの左側部分と凸状頂面部W2cとのなす角度θ2が凸部W2aの右側部分と凸状頂面部W2bとのなす角θ1よりも大きく形成されている。なお、凸部W2aの左側部分と凸状頂面部W2cとのなす角度θ2とは、断面円弧状に形成される点P3と点P5とを結ぶ曲線部分の点P5における接線と凸状頂面部W2cとのなす角度をいい、凸部W2aの右側部分と凸状頂面部W2bとのなす角度θ1とは、断面円弧状に形成される点P2と点P3とを結ぶ曲線部分の点P2における接線と凸状頂面部W2bとのなす角度をいうものとする。
このような左右非対称に形成される凸部W2aが板状ワークW1の凸状頂面部W2に成形されるように、ドロー成形型40には、図9に示す凸部W2aの形状に対応してダイ45の底面部45dに短手方向における断面が左右非対称に形成された凸部45mが設けられ、図9に示す凸部W2aの形状に対応してパンチ42の上面部42dに短手方向における断面が左右非対称に形成された凹部42mが設けられている。
凸状頂面部W2の右側には、ダイ45に設けられる凹部45bの第1の傾斜壁部45e、第1の右縦壁部45f、右水平部45g及び第2の右縦壁部45hとパンチ42の第1の傾斜壁部42e、右縦壁部42f、右水平部42g及び外周面部42aとにより凸状側面部W3が成形され、凸状側面部W3は、凹部45bの第1の傾斜壁部45eとパンチ42の第1の傾斜壁部42eとにより成形され凸状頂面部W2、具体的には右凸状頂面部W2bから右斜め下方に傾斜する第1の右凸状側面部W3aと、凹部45bの第1の右縦壁部45fとパンチ42の右縦壁部42fとにより成形され第1の右凸状側面部W3aから垂直方向下方に延びる第2の右凸状側面部W3bと、凹部45bの右水平部45gとパンチ42の右水平部42gとにより成形され第2の右凸状側面部W3bから水平方向右側に延びる第3の右凸状側面部W3cと、凹部45bの第2の右縦壁部45hとパンチ42の外周面部42aとにより成形され第3の右凸状側面部W3cから略垂直方向下方に延びる第4の右凸状側面部W3dとを有している。
一方、凸状頂面部W2の左側には、ダイ45に設けられる凹部45bの第2の傾斜壁部45i、第1の左縦壁部45j、左水平部45k及び第2の左縦壁部45lとパンチ42の第2の傾斜壁部42i、左縦壁部42j、左水平部42k及び外周面部42aとにより凸状側面部W4が成形され、凸状側面部W4は、凹部45bの第2の傾斜壁部45iとパンチ42の第2の傾斜壁部42iとにより成形され凸状頂面部W2、具体的には左凸状頂面部W2cから左斜め下方に傾斜する第1の左凸状側面部W4aと、凹部45bの第1の左縦壁部45jとパンチ42の左縦壁部42jとにより成形され第1の左凸状側面部W4aから垂直方向下方に延びる第2の左凸状側面部W4bと、凹部45bの左水平部45kとパンチ42の左水平部42kとにより成形され第2の左凸状側面部W4bから水平方向左側に延びる第3の左凸状側面部W4cと、凹部45bの第2の左縦壁部45lとパンチ42の外周面部42aとにより成形され第3の左凸状側面部W4cから略垂直方向下方に延びる第4の左凸状側面部W4dとを有している。
また、ドロー成形された板状ワークW1には、凹部45bの第2の傾斜壁部45i及び第1の左縦壁部45jに形成される前記ビード形成用突出部とパンチ40の第2の傾斜壁部42i及び左縦壁部42jに形成される前記ビード形成用溝部とにより、凸状側面部W4、具体的には第1及び第2の左凸状側面部W4a、W4bにビードW4fが形成される。
凸状頂面部W2に設けられる凸部W2a、右凸状頂面部W2b、左凸状頂面部W2cがそれぞれ、フロントサイドフレーム20の下面部22、第4の傾斜側面部28、第3の傾斜側面部27の形状に応じて成形され、凸状側面部W3の第1の右凸状側面部W3a、第2の右凸状側面部W3bがそれぞれ、フロントサイドフレーム20の左側面部24、第2の傾斜側面部26の形状に応じて成形され、凸状側面部W4の第1の左凸状側面部W4aがフロントサイドフレーム20の右側面部23の形状に応じて成形され、凸状側面部W4の第2の左凸状側面部W4bがフロントサイドフレーム20の第1の傾斜側面部25及び上面部21の形状に応じて成形されている。
本実施形態では、板状ワークW1をドロー成形する際には、図6に示すように、板状ワークW1の短手方向の両端部を、ブランクホルダ41とダイ45とにより挟持した状態でドロー成形することにより、ドロー成形された板状ワークW1にしわが発生することが防止されている。
なお、金属製の板状ワークW1を第1の成形型40のブランクホルダ41とダイ45とにより挟持した状態で、第1の成形型40のパンチ42をダイ45の成形空間45c内に移動させて板状ワークW1をプレス成形しているが、パンチ42を固定した状態で、板状ワークW1を挟持したブランクホルダ41とダイ45とをパンチ42に対して相対的に移動させてプレス成形するようにしてもよい。
ドロー成形型40を備えたドロー成形装置によって板状ワークW1がドロー成形された後、ドロー成形された板状ワークW1は、図示しないブランキング手段によって、図8に示すブランキングラインL1の下側に位置する部分がブランキングされ、ブランクホルダ41とダイ45とにより挟持される板状ワークW1の短手方向の両端部W5、第2の右凸状側面部W3bの略中央部から下側部分、第3の右凸状側面部W3c、第4の右凸状側面部W3d、第3の左凸状側面部W4c及び第4の左凸状側面部W4dが切り取られる。なお、以下では、板状ワークW1の短手方向における凸状側面部W3、W4の端部とは、図8に示す第2の右凸状側面部W3bの凸状頂面部W2側と反対側の端部W3e、第2の左凸状側面部W4bの凸状頂面部W2側と反対側の端部W4eをいうものとする。
次に、板状ワークW1は、凸状側面部W4の端部、具体的には、図8に示す凸状側面部W4の第2の右凸状側面部W4bの凸状頂面部W2側と反対側の端部W4eが内方側へ曲げ成形される。図10は、ドロー成形された板状ワークの凸状側面部の端部を曲げ成形するための曲げ成形装置の曲げ成形型を示す断面図である。
図10に示すように、板状ワークW1の凸状側面部W4の端部W4eを曲げ成形するための曲げ成形装置に用いる曲げ成形型50は、ドロー成形された板状ワークW1を保持するための第1のダイ51と、第1のダイ51の外周面51aに嵌め合わせられる第2のダイ52と、第2のダイ52を支持する第3のダイ53と、第1のダイ51の下方に配置される第4のダイ54と、第1のダイ51に対向して配置され、上下方向に移動可能に構成されるパンチ55を備えている。
曲げ成形型50の第1のダイ51は、図示しない付勢手段によって上方へ付勢され、第4のダイ54と離間した状態で配置されている。第1のダイ51の上面51bは、図10に示すように、その右側部分が、ドロー成形された板状ワークW1の凸状側面部W4、具体的には第2の左凸状側面部W4bの端部W4eを曲げ成形するために、第2の左凸状側面部W4bの曲げ成形すべき端部W4eが第2のダイ52の上方に位置付けられた状態でドロー成形された板状ワークW1を保持するように、凸状頂面部W2及び凸状側面部W4の形状に応じて形成されている。
本実施形態では、板状ワークW1の一方の凸状側面部W4の端部W4eのみが曲げ成形されるが、板状ワークW1の他方の凸状側面部W3の端部W3eも曲げ成形するようにしてもよく、曲げ成形型50は、板状ワークW1の凸状側面部W3の端部W3eも曲げ成形する場合にも使用可能に構成されている。すなわち、第1のダイ51の上面51bの左側部分は、板状ワークW1の他方の凸状側面部W3の端部W3eも曲げ成形する場合に、曲げ成形すべき端部W3eが第2のダイ52の上方に位置付けられた状態でドロー成形された板状ワークW1を保持することができるように、凸状頂面部W2及び凸状側面部W3の形状に応じて形成されている。
一方、曲げ成形型50のパンチ55は、第1のダイ51の上面51bの右側部分に保持された板状ワークW1を押圧するための右側パンチ55aを備えている。曲げ成形型50ではまた、パンチ55は、板状ワークW1の凸状側面部W3の端部W3eを曲げ成形する場合に使用する左側パンチ55bも備えている。
曲げ成形型50を用いて、ドロー成形された板状ワークW1の凸状側面部W4の端部W4eを曲げ成形する際には、図10に示すように、第1のダイ51が前記付勢手段によって上方へ付勢された状態で、ドロー成形された板状ワークW1が、第1の左凸状側面部W4aを下側にして第1のダイ51の上面51bの右側部分に保持される。そして、曲げ成形型50のパンチ55が下方へ移動され、パンチ55と第2のダイ52とにより曲げ成形が行われる。
図11及び図12は、曲げ成形工程を説明するための説明図であり、図11は、パンチが下降してパンチとドロー成形された板状ワークとが接触した状態を示し、図12は、パンチがさらに下降して第1のダイと第4のダイとが接触し、ドロー成形された板状ワークの凸状側面部の端部が曲げ成形された状態を示している。
図11に示すように、第1のダイ51の上面51bにドロー成形された板状ワークW1が保持された状態で、パンチ55が下降されると、パンチ55の右側パンチ55aとドロー成形された板状ワークW1とが接触する。この状態からさらに、パンチ55が下方へ移動されると、パンチ55の右側パンチ55aと第1のダイ51とによりドロー成形された板状ワークW1を挟んだ状態でパンチ55の右側パンチ55aと第2のダイ52とにより凸状側面部W4の第2の右凸状側面部W4bの端部W4eが内方側へ曲げ成形され、図12に示すように、第1のダイ51が第4のダイ54に接触すると、パンチ55の下方への移動が停止され、曲げ成形を終了する。
ドロー成形された板状ワークW1の凸状側面部W4の端部W4eの曲げ成形が終了すると、パンチ55が上方へ移動され、第1のダイ51及び第1のダイ51に保持されたドロー成形された板状ワークW1が上方へ移動されて最初の位置に戻される。なお、板状ワークW1の凸状側面部W3の端部W3eも曲げ成形する場合には、この後に、ドロー成形された板状ワークW1を90度回転させて、板状ワークW1が、第1の右凸状側面部W3aを下側にして第1のダイ51の上面51bの左側部分に保持され、同様にして、左側パンチ55bと第2のダイ52とにより凸状側面部W3の第2の左凸状側面部W3bの端部W3eが内方側へ曲げ成形される。
このようにして、板状ワークW1の凸状側面部W4の凸状頂面部W2側と反対側の端部W4eが内方側へ曲げ成形された後、板状ワークW1は、凸状頂面部W2に設けられた凸部W2aが凸部W2aの突出方向と逆方向である板状ワークW1の凸状に突出する方向にプレス成形され、凸状頂面部W2の両側の凸状側面部W3、W4がそれぞれ内方側へ変位させられる。
図13は、板状ワークの凸部をプレス成形するためのプレス成形装置のプレス成形型を示す断面図であり、図13では、プレス成形型にドロー成形された板状ワークが保持された状態が示されている。図14は、プレス成形工程を説明するための説明図であり、図14の(a)は、板状ワークの凸部がプレス成形型の中子型によりプレスされている状態を示し、図14の(b)は、板状ワークの凸部がプレス成形型の中子型によりプレス成形された状態を示している。
図13に示すように、板状ワークW1の凸部W2aをプレス成形するためのプレス成形装置に用いるプレス成形型(第2の成形型)60は、ドロー成形された板状ワークW1を保持するための下型61と、板状ワークW1の凸部W2aをプレス成形するための中子型65と、中子型65と連結部材66を介して連結され上下方向に移動可能に構成される上型67と、中子型65の右側に配置され左右方向に移動可能に構成される第1の押圧部材68と、中子型65の左側に配置され左右方向に移動可能に構成される第2の押圧部材69と、を備えている。
プレス成形型60の下型61は、ドロー成形された板状ワークW1の凸状頂面部W2を保持するために、その上面に平面状に形成された平面部61aを備えている。一方、プレス成形型60の中子型65は、板状ワークW1の凸状頂面部W2に設けられた凸部W2aを板状ワークW1の凸状に突出する方向にプレス成形するように下型61の上方に配置され、連結部材66を介して連結される上型67の移動に伴って上下方向に移動されるようになっている。中子型65は、板状ワークW1の凸部W2aをプレス成形する際には下方へ移動され、板状ワークW1の凸部W2aをプレス成形して両側の凸状側面部W3、W4をそれぞれ所定位置まで内方側へ変位させた後に両側の凸状側面部W3、W4の間から抜き取る際には板状ワークW1の凸状に突出する方向と逆方向である上方へ移動される。
プレス成形型60の中子型65は、図13に示すように、上面部65aと、下面部65bと、右側面部65cと、左側面部65dとを備え、断面四角形状に形成されている。本実施形態では、中子型65の上面部65aは、フロントサイドフレーム20の形状に応じて形成され、中子型65の下面部65bは、フロントサイドフレーム20の下面部22の形状に応じて形成され、中子型65の下面部65bは、その短手方向における断面長さが凸部W2aの断面長さと略同一の長さを有するように形成されている。
中子型65は、凸部W2aがプレス成形された際に板状ワークW1の凸状側面部W3、W4の間に配置されるものであり、図14(b)に示すように、凸部W2aがプレス成形され圧潰された後に凸状側面部W3、W4の端部W3e、W4eの間から上方へ抜き取ることができるように、凸部W2aがプレス成形された際に、右側面部65cと左側面部65dの間の断面幅L31が、凸部W2aがプレス成形されて変位させられた凸状側面部W3、W4の端部W3e、W4eの間の幅L32よりも狭い断面幅を有するように形成されている。なお、本実施形態では、中子型65が連結部材66を介して上型67に連結されているが、中子型65と連結部材66と上型67とを一体的に形成するようにしてもよい。
プレス成形型60の押圧部材68、69は、中子型65が凸状側面部W3、W4の間から上方へ抜き取られた後に、凸状側面部W3、W4の端部W3e、W4eどうしを接合して閉断面化するためのものであり、後述する図15に示すように、第1の押圧部材68を左側に移動することにより第1の押圧部材68の左側面部68aによって板状ワークW1をその外方側から押圧し、第2の押圧部材69を右側に移動することにより第2の押圧部材69の右側面部69aによって板状ワークW1をその外方側から押圧することができるようになっている。
このようにして構成されるプレス成形型60を備えたプレス成形装置では、ドロー成形された板状ワークW1をダイ61に、該ダイ61に設けられた平面部61a上に板状ワークW1の凸状頂面部W2が配置されるように保持した状態で、板状ワークW1の凸部W2aを中子型65により板状ワークW1の凸状に突出する方向にプレス成形し、板状ワークW1の凸状頂面部W2の両側の凸状側面部W3、W4をそれぞれ内方側へ変位させ、その後に中子型65を板状ワークW1の凸状に突出する方向と逆方向に両側の凸状側面部W3、W4の間から抜き取り、押圧部材68、69をそれぞれ移動させて両側の凸状側面部W3、W4の端部W3e、W4eどうしを接合して閉断面化することができるようになっている。
プレス成形型60を用いて、ドロー成形された板状ワークW1の凸部W2aをプレス成形する際には、図13に示すように、ドロー成形された板状ワークW1が、プレス成形型60のダイ61に凸部W2aが中子型65に対応するようにして保持される。具体的には、板状ワークW1は、中子型65の下面部65bによって凸部W2aがプレス成形され圧潰されるように配置される。
板状ワークW1が、ダイ61に保持されると、中子型65が下方へ移動され、図14(a)に示すように、板状ワークW1の凸部W2aが中子型65により板状ワークW1の凸状に突出する方向に下方に押圧され、これにより、左凸状頂面部W2c及び凸状側面部W4が、凸部W2aと左凸状頂面部W2cとの交点P5を支点としてドロー成形された板状ワークW1を閉じる方向に内方側へ変位し、右凸状頂面部W2b及び凸状側面部W3が、凸部W2aと右凸状頂面部W2bとの交点P2を支点としてドロー成形された板状ワークW1を閉じる方向に内方側へ変位する。
さらに、中子型65が下方へ移動され、板状ワークW1の凸部W2aが中子型65によりプレス成形されると、図14(b)に示すように、凸部W2aが圧潰され中子型65とダイ61とによって板状ワークW1にプレス成形面W2dが成形されるとともに、凸状頂面部W2の両側の凸状側面部W3、W4がそれぞれ内方側へさらに変位させられる。
前述したように、板状ワークW1の凸部W2aは、その短手方向における断面形状が左右非対称に形成され、凸部W2aの左側部分と凸状頂面部W2cとのなす角度がθ2に設定され、凸部W2aの右側部分と凸状頂面部W2bとのなす角度がθ1に設定され、凸部W2aの左側部分と凸状頂面部W2cとのなす角度θ2が凸部W2aの右側部分と凸状頂面部W2bとのなす角θ1よりも大きく形成されているので、凸部W2aが中子型65によりプレス成形された際には、右凸状頂面部W2b及び凸状側面部W3が板状ワークW1の内方側へ角度略(180°−θ1)回転して変位し、左凸状頂面部W2c及び凸状側面部W4が板状ワークW1の内方側へ角度略(180°−θ1)より小さい角度略(180°−θ2)回転して変位し、凸状側面部W4は凸状側面部W3よりも内方側への変位が抑制された状態で、両側の凸状側面部W3、W4がそれぞれ内方側へ変位させられる。
また、中子型65は、凸部W2aがプレス成形された際に、その断面幅L31が凸状側面部W3、W4の間の幅L32よりも狭い断面幅を有するように形成されており、凸部W2aがプレス成形された際には、凸状側面部W3の端部W3eが中子型65の左側面部65d近傍まで変位させられ、凸状側面部W4の端部W4eが中子型65の右側面部65c近傍まで変位させられる。
図14(b)に示すように、板状ワークW1の凸部W2aを中子型65により板状ワークW1の凸状に突出する方向にプレス成形し、凸部W2aを圧潰してプレス成形面W2dを成形するとともに凸状頂面部W2の両側の凸状側面部W3、W4をそれぞれ所定位置まで内方側へ変位させた後には、中子型65が板状ワークW1の凸状に突出する方向と逆方向に上方へ移動され両側の凸状側面部W3、W4の間から抜き取られる。
そして、中子型65が両側の凸状側面部W3、W4の間から抜き取られた後には、両側の凸状側面部W3、W4が板状ワークW1の外方側から押圧され、両側の凸状側面部W3、W4の端部W3e、W4eどうしが接合され板状ワークが閉断面化される。図15は、閉断面化工程を説明するための説明図であり、板状ワークW1の短手方向の両側に配置された第1の押圧部材68及び第2の押圧部材69がそれぞれ移動された状態を示している。
図15に示すように、ダイ61に保持された板状ワークW1の短手方向の両側に配置されている第1の押圧部材68及び第2の押圧部材69は、中子型65が両側の凸状側面部W3、W4の間から抜き取られた後に、第1の押圧部材68が左側に移動され、第2の押圧部材69が右側に移動される。これにより、第1の押圧部材68の左側面部68aによって板状ワークW1がその外方側から押圧されて左凸状頂面部W2c及び凸状側面部W4が板状ワークW1を閉じる方向にさらに内方側へ変位され、第2の押圧部材69の右側面部69aによって板状ワークW1がその外方側から押圧されて右凸状頂面部W2b及び凸状側面部W3が板状ワークW1を閉じる方向にさらに内方側へ変位され、凸状側面部W3の凸状頂面部W2側と反対側の端部W3eと凸状側面部W4の凸状頂面部W2側と反対側の端部W4eとが突きあわせられて接合され、板状ワークW1が閉断面化される。
図13から図15では、プレス成形工程及び閉断面化工程を説明するために、フロントサイドフレーム20の図3(a)に示す断面に対応する断面について示しているが、図3(b)に示す断面に対応する断面などのその他の断面についても略同時にプレス成形され、略同時に閉断面化される。図16は、フロントサイドフレームの図3(b)に示す断面に対応する断面についてプレス成形工程及び閉断面化工程を説明するための説明図であり、図16の(a)は、プレス成形工程を説明するための説明図、図16の(b)は、閉断面化工程を説明するための説明図である。
フロントサイドフレーム20の図3(b)に示す断面に対応する断面についても、ドロー成形された板状ワークW1が、ダイ61に設けられた平面部61a上に板状ワークW1の凸状頂面部W2が配置されるように保持された状態で、中子型65が下方へ移動されると、板状ワークW1の凸部W2aが中子型65により板状ワークW1の凸状に突出する方向に下方にプレス成形され、左凸状頂面部W2c及び凸状側面部W4が板状ワークW1を閉じる方向に内方側へ変位され、右凸状頂面部W2b及び凸状側面部W3が板状ワークW1を閉じる方向に内方側へ変位され、図16(a)に示すように、凸部W2aが圧潰され中子型65とダイ61とによって板状ワークW1にプレス成形面W2dが成形されるとともに、凸状頂面部W2の両側の凸状側面部W3、W4がそれぞれ内方側へ変位させられる。
図3(b)に示す断面に対応する断面についても、凸部W2aが中子型65によりプレス成形される際には、右凸状頂面部W2b及び凸状側面部W3が板状ワークW1の内方側へ角度略(180°−θ1)回転して変位し、左凸状頂面部W2c及び凸状側面部W4が板状ワークW1の内方側へ角度略(180°−θ1)より小さい角度略(180°−θ2)回転して変位し、凸状側面部W4は凸状側面部W3よりも内方側への変位が抑制された状態で、両側の凸状側面部W3、W4がそれぞれ内方側へ変位させられる。
そして、凸部W2aを圧潰してプレス成形面W2dを成形するとともに凸状頂面部W2の両側の凸状側面部W3、W4をそれぞれ所定位置まで内方側へ変位させた後には、中子型65が板状ワークW1の凸状に突出する方向と逆方向に上方へ移動され両側の凸状側面部W3、W4の間から抜き取られ、次いで、図16(b)に示すように、第1の押圧部材68が左側に移動されるとともに第2の押圧部材69が右側に移動され、凸状側面部W3の凸状頂面部W2側と反対側の端部W3eと凸状側面部W4の凸状頂面部W2側と反対側の端部W4eとが突き合わせられて接合され、板状ワークW1が閉断面化される。
なお、第1の押圧部材68の左側面部68aは、第1の左凸状側面部W4aをその外方側から板状ワークW1の長手方向において略同時に押圧することができるように形成され、第2の押圧部材69の右側面部69aは、第1の右凸状側面部W3aをその外方側から板状ワークW1の長手方向において略同時に押圧することができるように形成されている。
本実施形態では、中子型65を板状ワークW1の凸状に突出する方向と逆方向に両側の凸状側面部W3、W4の間から抜き取った後に、第1の押圧部材68及び第2の押圧部材69によって両側の凸状側面部W3、W4を板状ワークW1の外方側から押圧して両側の凸状側面部W3、W4をさらに内方側へ変位させ、板状ワークW1を閉断面化させているが、凸状側面部W3、W4の一方を板状ワークW1の外方側から押圧して凸状側面部W3、W4の一方をさらに内方側へ変位させ、板状ワークW1を閉断面化させるようにしてもよい。
また、本実施形態では、凸部のW2aの右側部分と左側部分とがそれぞれ断面円弧状に形成され、凸部W2aの左側部分と凸状頂面部W2cとのなす角度θ2が凸部W2aの右側部分と凸状頂面部W2bとのなす角θ1よりも大きく形成されているが、凸部W2aの左右非対称に形成される断面形状は、これに限定されるものでなく、凸部W2aがプレス成形された際に、両側の凸状側面部W3、W4の間から中子型65を抜き取ることができることを確保し、且つ、板状ワークW1の一方の凸状側面部を板状ワークW1の他方の凸状側面部よりも内方側への変位を抑制した状態で両側の凸状側面部をそれぞれ内方側へ変位させるように形成されるその他の断面形状であってもよい。
図15及び図16(b)に示されるように、板状ワークW1の凸状側面部W3、W4の端部W3e、W4eどうしが接合され板状ワークW1が閉断面化された後には、板状ワークW1の閉断面化された凸状側面部W3、W4の端部W3e、W4eどうしが接合された接合部W6が、例えばレーザ溶接などの溶接によって接合され、フランジ部分を設けることなく閉断面状に形成された閉断面部材としてのフロントサイドフレーム20が製造される。
本実施形態では、ドロー成形によって、板状ワークW1をドロー成形型40のブランクホルダ41とダイ45とにより挟持した状態で、パンチ42をダイ45の成形空間45c内に移動させることにより、板状ワークW1をダイ45に対するパンチ42の移動方向に突出させて凸状にドロー成形するとともに、板状ワークW1の凸状に成形される凸状頂面部W2に、板状ワークW1の凸状に突出する方向と逆方向に突出する凸部W2aを成形しているが、例えば張出し成形などのその他のプレス成形を用いて成形するようにしてもよい。
また、本実施形態では、ドロー成形された板状ワークW1の凸状側面部W4の凸状頂面部W2側と反対側の端部W4eを曲げ成形した後に閉断面化させているが、前述したように、ドロー成形された板状ワークW1の凸状側面部W3の端部W3eをも内方側へ曲げ成形した後に閉断面化させるようにしてもよい。
このように、本実施形態に係る金属製閉断面部材としてのフロントサイドフレーム20の製造方法では、板状ワークW1を凸状にプレス成形するとともに凸状頂面部W2に逆方向に突出する凸部W2aを成形する第1のプレス成形工程と、凸部W2aを中子型65により板状ワークW1の凸状に突出する方向にプレス成形することより凸部W2aを圧潰するとともに凸状側面部W3、W4をそれぞれ内方側へ変位させる第2のプレス成形工程とを備え、中子型65を両側の凸状側面部W3、W4の間から抜き取る中子型抜き取り工程と、両側の凸状側面部W3、W4の端部W3e、W4eどうしを接合して閉断面化する閉断面化工程と、をさらに備え、凸部W2aがプレス成形される際に板状ワークW1の一方の凸状側面部W4が他方の凸状側面部W3よりも内方側への変位が抑制された状態で両側の凸状側面部W3、W4がそれぞれ内方側へ変位させられる。これにより、中子型65を両側の凸状側面部W3、W4の間から抜き取ることができ、中子型65を閉断面部材20の長手方向に抜き取る場合のように成形型60などの成形装置を複雑化させたり大型化させたりすることなく、比較的簡単な方法によって精度良く金属製閉断面部材を製造することができる。
また、第2のプレス成形工程において凸部W2がプレス成形される際に板状ワークW1の一方の凸状側面部W3、W4が板状ワークW1の他方の凸状側面部W3、W4よりも内方側への変位が抑制されるように、第1のプレス成形工程において凸部W2aの断面形状が左右非対称に形成されることにより、比較的簡単な方法によって、一方の凸状側面部W4を他方の凸状側面部W3よりも内方側への変位を抑制した状態で凸状側面部W3、W4を変位させることができ、前記効果をより有効に奏することができる。
更に、閉断面化工程は、凸状側面部W3、W4の少なくとも一方を板状ワークW1の外方側から押圧する押圧工程であることにより、凸状側面部W3、W4の少なくとも一方をさらに内方側へ変位させて板状ワークW1を確実に閉断面化させることができ、前記効果を有効に得ることができる。板状ワークW1の材質や板厚などによっては、板状ワークW1の凸部W2がプレス成形された際に、凸状側面部W3、W4が板状ワークW1の内方側へ変位しにくくなり得るが、かかる場合においても、板状ワークW1を確実に閉断面化させることができる。
また更に、第1のプレス成形工程と第2のプレス成形工程の間に、プレス成形された板状ワークW1の少なくとも一方の凸状側面部W4の凸状頂面部W2側と反対側の端部W4eを板状ワークW1の内方側へ曲げ成形する曲げ成形工程をさらに備えていることにより、板状ワークW1を閉断面化させる際に、プレス成形された板状ワークW1の凸状側面部W4の内方側への変位を少なくし、より精度良く金属製閉断面部材を製造することができる。
また更に、プレス成形された板状ワークW1の閉断面化された凸状側面部W3、W4の端部W3e、W4eどうしを溶接する溶接工程をさらに備えていることにより、閉断面部材20の接合強度を高めることができ、より強固な閉断面部材20を製造することができる。
前述した本実施形態では、ダイ61に設けられた平面部61a上にドロー成形された板状ワークW1の凸状頂面部W2を保持した状態で、板状ワークW1の凸部W2aがプレス成形型60の中子型65により板状ワークW1の凸状に突出する方向にプレス成形されているが、ダイの上面に凹部を設け、この凹部内で板状ワークW1の凸部W2aをプレス成形型の中子型により板状ワークW1の凸状に突出する方向にプレス成形するようにしてもよい。
図17は、板状ワークの凸部をプレス成形するためのプレス成形装置の別のプレス成形型を示す断面図であり、図17の(a)は、前記プレス成形型にドロー成形された板状ワークが保持された状態を示し、図17の(b)は、板状ワークの凸部が前記プレス成形型の中子型によりプレス成形された状態を示している。図17に示すプレス成形型70は、プレス成形型60のダイに凹部が形成されていること以外は、プレス成形型60と同様であるので、同様の構成については同一符号を付して説明を省略する。
図17(a)に示すように、プレス成形型のダイ71には、ドロー成形された板状ワークW1の凸状頂面部W2を保持するための上面71aに凹状に窪む凹部72が設けられ、この凹部72は、底面部72aと、側壁部72b、72c、具体的には図17(a)において右側に位置する右側壁部72bと左側に位置する左側壁部72cとを備え、長手方向に連続して延びている。
ダイ71に設けられる凹部72の底面部72aは、フロントサイドフレーム20の下面部22の形状に応じて形成されており、ドロー成形された板状ワークW1の凸状頂面部W2に設けられる凸部W2aの断面長さL11と略同一の断面長さL21を有するように形成されている。また、凹部72の側壁部72b及び72cはそれぞれ、長手方向に変化する凸状頂面部W2の断面長さの最も短い断面長さと略同一の断面長さを有するように形成され、凹部72の右側壁部72bが、左凸状頂面部W2cの断面長さL12の最も短い断面長さと略同一の断面長さL22を有するように形成され、凹部72の左側壁部72cが、右凸状頂面部W2bの断面長さL13の最も短い断面長さと略同一の断面長さL23を有するように形成されている。
ダイ71に形成された凹部72の側壁部72b及び72cの底面部72aに対する傾斜角度はそれぞれ、長手方向に一定の所定の角度で形成され、底面部72aに対する側壁部72bの傾斜角度は、図17(b)に示されるように、板状ワークW1の凸部W2aがダイ61の平面部61a上でプレス成形される際に左凸状頂面部W2c及び左凸状側面部W4が板状ワークW1の内方側へ回転する角度(180°−θ2)と同じ角度に設定され、底面部72aに対する側壁部72cの傾斜角度は、板状ワークW1の凸部W2aがダイ61の平面部61a上でプレス成形された際に右凸状頂面部W2b及び右凸状側面部W3が板状ワークW1の内方側へ回転する角度(180°−θ1)と同じ角度に設定されている。
このようにして構成されるプレス成形型70を用いて、ドロー成形された板状ワークW1の凸部W2aを凹部72内でプレス成形する際には、図17(a)に示すように、板状ワークW1は、中子型65の下面部65bによって凸部W2aがプレス成形され圧潰されるように凸部W2aが凹部72上に配置されるようにしてダイ71の上面71aに保持される。
板状ワークW1が、ダイ71に保持されると中子型65が下方へ移動され、板状ワークW1の凸部W2aが中子型65により板状ワークW1の凸状に突出する方向に下方に押圧され、これにより、左凸状頂面部W2c及び凸状側面部W4は、凹部72の右側壁部72bと上面71aとの交点であるダイの肩部72eを支点としてドロー成形された板状ワークW1を閉じる方向に内方側へ変位し、右凸状頂面部W2b及び凸状側面部W3は、凹部72の左側壁部72cと上面71aとの交点であるダイ71の肩部72fを支点としてドロー成形された板状ワークW1を閉じる方向に内方側へ変位する。
板状ワークW1の凸部W2aが中子型65によりダイ71の凹部72内でプレス成形されると、図17(b)に示されるように、凸部W2aが圧潰され中子型65とダイ71とによってプレス成形面W2dが成形されるとともに、凸状頂面部W2の両側の凸状側面部W3、W4がそれぞれ内方側へ所定位置まで変位させられる。板状ワークW1は、凸部W2aがプレス成形された後に、中子型65を両側の凸状側面部W3、W4の間から抜き取ることができるように、凸状側面部W3の端部W3eが中子型65の左側面部65d近傍まで変位させられ、凸状側面部W4の端部W4eが中子型65の右側面部65c近傍まで変位させられる。
プレス成形型70を用いる場合においても、板状ワークW1の凸部W2aは、その短手方向における断面形状が左右非対称に形成され、凸部W2aの左側部分と凸状頂面部W2cとのなす角度がθ2に設定され、凸部W2aの右側部分と凸状頂面部W2bとのなす角度がθ1に設定され、凸部W2aの左側部分と凸状頂面部W2cとのなす角度θ2が凸部W2aの右側部分と凸状頂面部W2bとのなす角θ1よりも大きく形成されているので、凸部W2aが中子型65によりプレス成形された際には、右凸状頂面部W2b及び凸状側面部W3が板状ワークW1の内方側へ角度略(180°−θ1)回転して変位し、左凸状頂面部W2c及び凸状側面部W4が板状ワークW1の内方側へ角度略(180°−θ1)より小さい角度略(180°−θ2)回転して変位し、凸状側面部W4は凸状側面部W3よりも内方側への変位が抑制された状態で、両側の凸状側面部W3、W4がそれぞれ内方側へ変位させられる。
このようにして、ダイ71の上面71aに凹部72を設け、この凹部72内で板状ワークW1の凸部W2aをプレス成形型70の中子型65により板状ワークW1の凸状に突出する方向にプレス成形する場合においても、その後に、中子型65を両側の凸状側面部W3、W4の間から抜き取ることができる。
本実施形態では、凸部W2aによって凸状頂面部W2の分割される部分W2c、W2bの断面長さL12、L13が長手方向において変化するように成形されているが、プレス成形型70のダイ71に設けられる凹部72の側壁部72b、72cの断面長さL22、L23がそれぞれ、凸状頂面部W2の分割される部分W2c、W2bの断面長さL12、L13の最も短い部分と略同一に設定されたダイ71を用いてプレス成形されることにより、プレス成形面W2dの両側に形成される側面部、具体的にはフロントサイドフレーム20の第3の傾斜側面部27及び第4の傾斜側面部28に対応する凸状頂面部W2c、W2bを長手方向において略等しいタイミングで立ち起こしてプレス成形することができ、プレス成形を安定して行うことができる。
なお、プレス成形型70を用いる場合においても、中子型65が両側の凸状側面部W3、W4の間から抜き取られた後に、図15に示すように、第1の押圧部材68が左側に移動されるとともに第2の押圧部材69が右側に移動され、凸状側面部W3の凸状頂面部W2側と反対側の端部W3eと凸状側面部W4の凸状頂面部W2側と反対側の端部W4eとが突き合わせられて接合され、板状ワークW1が閉断面化される。
前述した実施形態では、板状ワークW1の短手方向における断面形状を左右非対称に形成することで、板状ワークW1の凸部W2aがプレス成形される際に、板状ワークW1の一方の凸状側面部W4が板状ワークW1の他方の凸状側面部W3よりも内方側への変位が抑制された状態で両側の凸状側面部W3、W4がそれぞれ内方側へ変位させられているが、板状ワークW1の凸部W2aを例えば断面円弧状に形成し、この断面円弧状に形成された凸部W2aをプレス成形するための中子型65の下面部65bを、板状ワークW1の一方の凸状側面部W4を板状ワークW1の他方の凸状側面部W3よりも内方側への変位を抑制した状態で両側の凸状側面部W3、W4をそれぞれ内方側へ変位させるように形成するようにしてもよい。
以上のように、本発明は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
本発明は、金属製の板状ワークから閉断面部材を製造する金属製閉断面部材の製造方法に関し、例えばフロントサイドフレームやリアサイドフレームなどの閉断面状に形成される車体部材の製造において有効に適用可能である。
20 フロントサイドフレーム
23 右側面部
24 左側面部
40 ドロー成形型
41 ドロー成形型のブランクホルダ
42 ドロー成形型のパンチ
45 ドロー成形型のダイ
45c ドロー成形型のダイの成形空間
60、70 プレス成形型
61、71 プレス成形型のダイ
65 プレス成形型の中子型
68 第1の押圧部材
69 第2の押圧部材
W1 板状ワーク
W2 凸状頂面部
W2a 凸状頂面部に設けられる凸部
W3、W4 凸状側面部
W3e、W4e 凸状側面部の凸状頂面部側と反対側の端部

Claims (5)

  1. 金属製の板状ワークを第1の成形型のブランクホルダとダイとにより挟持した状態で、第1の成形型のパンチを前記ダイの成形空間内に相対的に移動させることにより、前記板状ワークを前記ダイに対する前記パンチの移動方向に突出させて凸状にプレス成形するとともに、前記板状ワークの凸状に成形される凸状頂面部に前記板状ワークの凸状に突出する方向と逆方向に突出する凸部を成形する第1のプレス成形工程と、プレス成形された前記板状ワークを第2の成形型のダイに保持した状態で、プレス成形された前記板状ワークの前記凸部を第2の成形型の中子型により前記板状ワークの凸状に突出する方向にプレス成形することより、前記板状ワークの前記凸部を圧潰するとともに前記第1のプレス成形工程において成形された前記板状ワークの凸状頂面部の両側の凸状側面部をそれぞれ内方側へ変位させる第2のプレス成形工程とを備え、金属製の板状ワークから閉断面状に形成された閉断面部材を製造する金属製閉断面部材の製造方法であって、
    前記第2のプレス成形工程の後に、前記中子型を前記板状ワークの凸状に突出する方向と逆方向に前記両側の凸状側面部の間から抜き取る中子型抜き取り工程と、
    前記中子型抜き取り工程の後に、前記両側の凸状側面部の端部どうしを接合して閉断面化する閉断面化工程と、
    をさらに備え、
    前記第2のプレス成形工程では、前記凸部がプレス成形される際に前記板状ワークの一方の凸状側面部が前記板状ワークの他方の凸状側面部よりも内方側への変位が抑制された状態で前記両側の凸状側面部がそれぞれ内方側へ変位させられる、
    ことを特徴とする金属製閉断面部材の製造方法。
  2. 前記第2のプレス成形工程において前記凸部がプレス成形される際に前記板状ワークの一方の凸状側面部が前記板状ワークの他方の凸状側面部よりも内方側への変位が抑制されるように、前記第1のプレス成形工程において前記凸部の断面形状が左右非対称に形成される、ことを特徴とする請求項1に記載の金属製閉断面部材の製造方法。
  3. 前記閉断面化工程は、前記凸状側面部の少なくとも一方をさらに内方側へ変位させ前記板状ワークを閉断面化させるように、前記凸状側面部の少なくとも一方を前記板状ワークの外方側から押圧する押圧工程である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の金属製閉断面部材の製造方法。
  4. 前記第1のプレス成形工程と前記第2のプレス成形工程の間に、プレス成形された前記板状ワークの少なくとも一方の前記凸状側面部の前記凸状頂面部側と反対側の端部を前記板状ワークの内方側へ曲げ成形する曲げ成形工程をさらに備えている、ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一に記載の金属製閉断面部材の製造方法。
  5. 前記板状ワークの閉断面化された前記凸状側面部の端部どうしを溶接する溶接工程をさらに備えている、ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一に記載の金属製閉断面部材の製造方法。
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