JP2010205699A - 電子増倍器及び電子検出器 - Google Patents

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    • H01J43/246Microchannel plates [MCP]

Abstract

【課題】用途に応じた特性を容易に得ることができる電子増倍器を提供する。
【解決手段】MCP2の周縁部23とMCP3の周縁部33同士を導電性のスペーサ層7を介して接合することによって、チャンネル部22,32同士の間に間隙12を形成する。これによって、特に高いゲインが必要とされる用途に用いる場合は、スペーサ層7の厚みを調節することによって、間隙12を大きくすることでゲインを増大させることができる。また、ゲインの増大と共に時間特性も要求される用途に用いる場合は、スペーサ層7の厚みを調節することによって、所望の特性が得られるように間隙12の大きさを調節することができる。以上によって、スペーサ層7の厚みを調節するだけで、用途に応じた特性を容易に得ることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、マイクロチャンネルプレートを備える電子増倍器、及びそれを備えた電子検出器に関するものである。
従来の電子増倍器として、薄板状のガラス基板に微細な貫通孔(チャンネル)を多数形成させることによって構成されるマイクロチャンネルプレートを複数枚積層させたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この電子増倍器においては、それぞれのマイクロチャンネルプレートのチャンネル部及びチャンネル部を取り囲む周縁部が他のマイクロチャンネルプレートのチャンネル部及び周縁部に接合されている。
米国特許第5,514,928号明細書
上述の電子増倍器では、高電圧を印加したマイクロチャンネルプレートのチャンネルに電子やイオンなどの荷電粒子を入射させ、チャンネル内の側壁に繰り返し衝突させて二次電子を放出させることによって、入射電子を増倍させることができ、複数のマイクロチャンネルプレートのチャンネルを通過させることで更に増倍効果を高めている。増倍された電子は、例えば、マイクロチャンネルプレートの出射面と対向する位置に配置された検出部で検出される。このような電子増倍器は、ゲイン特性や時間特性などの種々の特性を有しており、電子増倍器の用途によって要求される特性は異なる。従って、用途に応じた特性を容易に得ることが要求されている。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、用途に応じた特性を容易に得ることができる電子増倍器を提供することを目的とする。
本発明に係る電子増倍器は、積層された複数のマイクロチャンネルプレートと、積層された複数のマイクロチャンネルプレートの電子入射面側に配置される入力側電極板と、を備え、マイクロチャンネルプレートは、厚み方向に貫通する複数のチャンネルが形成されるチャンネル部、及びチャンネル部を取り囲む周縁部を有すると共に、各々の周縁部同士が導電性のスペーサ層を介して接合されることによって、各々のチャンネル部同士の間に形成される間隙を有し、入力側電極板は、環状に形成されて、マイクロチャンネルプレートの周縁部に接合されることを特徴とする。
この電子増倍器では、積層されたマイクロチャンネルプレートの電子入射面側に、周縁部に接合される環状の入力側電極板を備えているため、マイクロチャンネルプレートと電極板が積層されて一体化された電子部品として、持ち運びし易くなると共に、他の電子装置に組み込み易くすることができる。また、マイクロチャンネルプレートの周縁部を環状の入力側電極板で支持する構成とすることができるため、マイクロチャンネルプレートのたわみを矯正することができる。また、この電子増倍器では、マイクロチャンネルプレートのチャンネル部同士の間に間隙が形成されているため、一方のマイクロチャンネルプレートから出射される増倍電子が間隙において大きく広がり他方のマイクロチャンネルプレートに入射されるため、他方のマイクロチャンネルプレートの多くのチャンネルに増倍電子を入り込ませることができる。従って、間隙を大きくするほどゲインを増大させることができる。一方、間隙が大きい場合、増倍電子が間隙で大きく広がるため増倍電子同士の走行距離にばらつきが生じるので、間隙の大きさを小さくするほど時間特性が向上する。従って、電子増倍器を特に高いゲインが必要とされる用途に用いる場合は、スペーサ層の厚みを調節して間隙を大きくすることでゲインを増大させることができ、ゲインの増大と共に時間特性も要求される用途に用いる場合は、スペーサ層の厚みを調節して、間隙の大きさを調節することで所望の特性を得ることができる。以上のように、スペーサ層の厚みを調節するだけで、用途に応じた特性を容易に得ることができる。
積層された複数のマイクロチャンネルプレートの電子出射面側に配置される出力側電極板を更に備え、出力側電極板は、環状に形成されて、マイクロチャンネルプレートの周縁部に接合されることが好ましい。マイクロチャンネルプレートを入力側電極板と出力側電極板とで挟み込む構成とすることができるため、マイクロチャンネルプレートのたわみを矯正することができる。
また、本発明に係る電子増倍器では、入力側電極板及び出力側電極板は、マイクロチャンネルプレートの周縁部よりも大きな外周を有することが好ましい。マイクロチャンネルプレートの周縁部よりも大きな外周を有する入力側電極板及び出力側電極板で挟みこむことによって、マイクロチャンネルプレートのたわみを矯正することができる。
また、本発明に係る電子増倍器では、スペーサ層を介して互いに接合される各々の周縁部の接合面は、スペーサ層を介して互いに離間し、離間距離が内周側から外周側へ向かって大きくなることが好ましい。スペーサ層を介して接合される接合面同士が互いに離間し、その離間距離が内周側から外周側へ向かって大きくなることによって、例えば、スペーサ層を導電性の接着剤によって構成した場合に、接着剤を外周側へ拡がり易くすることが可能となり、接着剤が内周側のチャンネル部へ流れ出ることを抑制することができる。
また、本発明に係る電子増倍器において、周縁部には、チャンネル部が間隙側において厚み方向に窪むことにより、内周縁側に角部が形成されることが好ましい。チャンネル部が窪むことによってチャンネル部同士の接触が防止される。また、例えば、スペーサ層を導電性の接着剤によって構成した場合に、接合面の内周縁側に形成された角部において、内周側に拡がってくる接着剤をせき止めることによって、接着剤が流れ出てチャンネル部に接触することを回避することができる。
また、本発明に係る電子増倍器において、スペーサ層は、熱可塑性接着剤を含んで構成されることが好ましい。スペーサ層に熱可塑性接着剤を含んで構成した場合、熱可塑性接着剤の厚みを調節することによって、柔軟に間隙の大きさを調節することができる。また、金属蒸着によってマイクロチャンネルプレート同士を接合する場合に比して、間隙を容易に形成することができる。また、熱可塑性接着剤は、粘度が高いため、内周側のチャンネル部へ流れ出すことを防止することができる。
また、本発明に係る電子増倍器において、スペーサ層は、熱硬化性接着剤を含んで構成されることが好ましい。熱硬化性接着剤は、熱可塑性接着剤に比して粘度が低いため、スペーサ層の厚みを小さくして間隙の大きさを小さくするのに適している。
また、本発明に係る電子増倍器において、スペーサ層は、金属製のスペーサ材を備えることが好ましい。接着剤のみで大きな間隙を形成する場合、多量の接着剤が必要とされる。しかし、金属製のスペーサ材を用いた場合は、数mm程度の比較的大きな間隙を容易に形成することが可能となる。
本発明に係る電子検出器は、上述の電子増倍器を備え、電子増倍器で増倍させて電子を検出することを特徴とする。この電子検出器では、用途に応じた特性を容易に得ることのできる電子増倍器を備えることによって、電子検出器としての性能を容易に向上させることができる。
本発明によれば、用途に応じた特性を容易に得ることができる。
本発明の実施形態に係る電子増倍器の斜視図である。 MCPの斜視図であり、一部切断して示された図である。 図1に示すIII−III線に沿った断面図である。 図3においてAで囲った部分の拡大図である。 図4においてBで囲った部分の拡大図である。 図1に示す電子増倍器の平面図である。 MCPの接合面を示す平面図である。 MCP同士の間の間隙の大きさを変化させた場合における電圧とゲインの関係を示す線図である。 MCP同士の間の間隙の大きさを変化させた場合における時間と出力の関係を示す線図である。 変形例に係る電子増倍器のMCPの接合面を示す平面図であり、図7に対応する図である。 変形例に係る電子増倍器のMCPの接合面を示す平面図であり、図7に対応する図である。 変形例に係る電子増倍器の断面図であり、図3に対応する図である。 本発明の実施形態に係る電子検出器を入力側から見た正面図である。 図13のXIV−XIV線に沿った分解断面図である。 接着済みの電子増倍器を電子検出器へ組み込む様子を示す分解断面図である。 図14に示す電子検出器の変形例を示す分解断面図である。 接着済みの電子増倍器を電子検出器へ組み込む様子を示す分解断面図である。 従来のカートリッジの分解断面図である。 本発明の実施形態に係る電子増倍器を適用したカートリッジの分解断面図である。
以下、本発明に係る電子増倍器の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電子増倍器1の斜視図である。電子増倍器1は、一対の円板状のマイクロチャンネルプレート(Micro-channel Plate;以下「MCP」とする)2,3を互いに貼り合わせ、MCP2,3を更に円環状の入力側電極板4及び出力側電極板6で挟み込んで貼り合せることによって構成されている。この電子増倍器1は、入力側電極板4及び出力側電極板6を介してMCP2,3に高電圧を印加することによって、入射する電子やイオンなどの荷電粒子をMCP2表面で電子に変換し、MCP2,3内部で二次電子増倍させることのできるものである。電子増倍器1は、電子、イオンをはじめ、紫外線、真空紫外線、中性子線、軟X線から硬X線等を検出対象とすることができ、画像増強管(Image Intensi fire;I.I)や質量分析装置等の種々の電子装置に適用することができる。
図2は、MCP2,3の斜視図であり、一部切断して示された図である。図2に示すように、MCP2は、厚み方向に貫通する複数の貫通孔(チャンネル)21が形成されるチャンネル部22と、チャンネル部22の外周を取り囲む周縁部23を備えて構成される。MCP2のチャンネル部22は、厚み100〜2000μm、直径10〜120mmの円板状のガラス基板に対して、外周部から3mm程度の幅を有する周縁部23よりも内側の円形状の領域に内径2〜25μmのチャンネル21を多数形成することによって構成される。MCP2は、ガラスなどから形成されている。
このようなMCP2において、電極間、すなわち各チャンネル21の両端に1kV程度の高電圧が印加されると、チャンネル21内に軸方向に直交する電界が発生する。このとき、一端側からチャンネル21内に電子が入射すると、入射電子は電界からエネルギーを付与され、チャンネル21内壁に衝突して二次電子を放出する。このような衝突が多数回繰り返され、電子が指数関数的に増大されることによって電子増倍が行われる。従って、チャンネル21が形成されているチャンネル部22は電子を増倍することのできる有効部として機能し、チャンネル21が形成されていない周縁部23は有効部としては機能せず、チャンネル部22を支持する支持部として機能する。MCP2のチャンネル部22及び周縁部23の表面には金属が蒸着されており、この蒸着金属はMCP2の電極として機能する。これによって、周縁部23に電圧が印加されることによって、チャンネル部22にも電圧が印加される。なお、MCP3は、MCP2と同様の構成を有しており、チャンネル31、チャンネル部32、周縁部33を備えている。
図3は、図1に示すIII−III線に沿った断面図である。図3に示すように、MCP2とMCP3は、厚み方向から見て互いに重なり合うように積層されると共に、導電性の接着剤によって構成されるスペーサ層7を介して互いに接合されている。MCP2のチャンネル部22とMCP3のチャンネル部32は、積層方向に互いに対向している。また、スペーサ層7は、MCP2,3のチャンネル部22,32には設けられておらず、周縁部23,33のみに設けられている。スペーサ層7は、MCP2,3の中心軸線周りに4箇所に設けられている(詳細は後述)。MCP2の両面のうち、MCP3と対向していない非接合側の面は電子が入射する電子入射面2aとされており、MCP3の両面のうち、MCP2と対向していない非接合側の面は増倍された電子が出射する電子出射面3aとされている。
入力側電極板4は、円環状の形状を有しており、MCP2の電子入射面2a側に配置されている。入力側電極板4の外径は10〜125mm、内径は5〜115mm、厚みは0.3〜2.0mmとされている。また、入力側電極板4は、MCP2,3と熱膨張係数の近いコバール金属を含有する金属材料から構成されることが好ましい。これによって、MCP2,3を支持してたわみを矯正することができる。入力側電極板4は、MCP2,3と中心軸線が一致するように、MCP2の周縁部23の電子入射面2a側の面に導電性接着剤8を介して接合されている。これによって、入力側電極板4の中央位置の開口部4aからMCP2のチャンネル部22の電子入射面2aが露出するように構成される。出力側電極板6は、入力側電極板4と同様の形状、材質から構成されており、MCP3の電子出射面3a側に配置されている。出力側電極板6は、MCP2,3と中心軸線が一致するように、MCP3の周縁部33の電子出射面3a側の面に導電性接着剤9を介して接合されている。これによって、出力側電極板6の中央位置の開口部6aからMCP3のチャンネル部32の電子出射面3aが露出するように構成される。入力側電極板4と出力側電極板6に高電圧を印加することによって、周縁部23,33を介してMCP2の電子入射面2aとMCP3の電子出射面3aとの間に高電圧が印加される。なお、入力側電極板4と出力側電極板6の厚みはMCP2,3よりも厚くされていることが好ましく、これによって、MCP2,3のたわみを矯正することが可能となる。
図4は、図3においてAで囲った部分の拡大図である。図4に示すように、MCP2のチャンネル部22のチャンネル21は、厚み方向、すなわちMCP2の中心軸線に対して所定角度(バイアス角)傾斜して貫通している。例えば、チャンネル21のバイアス角は0〜30°とされる。また、MCP3のチャンネル部32のチャンネル31は、MCP2のチャンネル21の傾斜方向とは逆側に傾斜しており、厚み方向、すなわちMCP3の中心軸線に対して所定角度(バイアス角)傾斜して貫通している。例えば、チャンネル31のバイアス角は0〜30°とされる。これによって、電子入射面2a側から入射した電子がMCP2のチャンネル21内壁と衝突し易くなると共に、MCP2側から入射した増倍電子がMCP3のチャンネル31内壁と衝突し易くなることによって、電子の増倍効率が向上する。
MCP2の周縁部23とMCP3の周縁部33の間には、スペーサ層7が設けられており、これによって、MCP2のチャンネル部22とMCP3のチャンネル部32との間に間隙12が形成される。この間隙12の大きさは、接着剤のみの場合は1〜127μm、リング部材を用いた場合は100〜1000μmとされており、電子増倍器1に要求される特性に応じ、製造時におけるスペーサ層7の厚みを調節することによって適宜選択可能である。また、MCP2の周縁部23とMCP3の周縁部33におけるスペーサ層7が配置される接合面23bと接合面33bは、スペーサ層7を介して互いに離間している。MCP2,3の周縁部23,33の外周側の角部には0.1mm程度の面取り部23a,33aが形成されている。なお、面取り部23a,33aに代えて角Rを形成してもよい。
図5は、図4においてBで囲った部分の拡大図である。図5に示すように、MCP2のチャンネル部22は周縁部23よりも薄くされており、これによって、チャンネル部22は周縁部23の接合面23bに対して厚み方向に窪む構成とされる。具体的には、接合面23bの基準面、すなわちMCP2の中心軸線と垂直で接合面23bの内周縁部を通過する第一基準面(図5において一点鎖線DP1で示される)に対し、チャンネル部22の出射面22aがMCP2の厚み方向にL1だけ窪む構成とされる。窪み量L1は、例えば1〜5μmとされる。このように、チャンネル部22が厚み方向に窪むことによって、周縁部23には、接合面23bの内周縁側において略直角の角部23cが形成される。なお、図5に図示されていないが、MCP2のチャンネル部22は電子入射面2a側においても、周縁部23より薄くされることによって、周縁部23に対して厚み方向に窪み、これによって周縁部23の内縁側に角部が形成される構成となっている。
MCP2の周縁部23は、内周側から外周側へ向かって薄くなるように接合面23bが傾斜しており、これによって、接合面23bとMCP3の接合面33bとの間の離間距離が内周側から外周側へ向かって大きくなるような構成とされている。具体的には、周縁部23の接合面23bは、内周側から外周側へ向かってMCP3の接合面33bとの間の間隙が徐々に大きくなるように緩やかに傾斜しており、MCP2の中心軸線と垂直で面取り部23aにおける接合面23b側の角部23dを通過する第二基準面(図5において一点鎖線DP2で示される)と第一基準面DP1との間の傾斜量L2は、例えば、2〜3μmとされる。なお、図5に図示されていないが、MCP2の周縁部23は電子入射面2a側においても、内周側から外周側へ向かって薄くなるように面が傾斜している。
MCP3もMCP2と同様の構成を有している。すなわち、MCP3のチャンネル部32は周縁部33よりも薄くされており、これによって、チャンネル部32は周縁部33の接合面33bに対して厚み方向に窪む構成とされる。具体的には、接合面33bの基準面、すなわちMCP3の中心軸線と垂直で接合面33bの内周縁部を通過する第一基準面(図5において一点鎖線DP3で示される)に対し、チャンネル部32の入射面32aがMCP3の厚み方向にL3だけ窪む構成とされる。窪み量L3は、例えば1〜5μmとされる。このように、チャンネル部32が厚み方向に窪むことによって、接合面33bの内周縁側において略直角の角部33cが形成される。なお、図5に図示されていないが、MCP3のチャンネル部32は電子出射面3a側においても、周縁部33より薄くされることによって、周縁部33に対して厚み方向に窪み、これによって周縁部33の内縁側に角部が形成される構成となっている。
MCP3の周縁部33は、内周側から外周側へ向かって薄くなるように接合面33bが傾斜しており、これによって、接合面33bとMCP2の接合面23bとの間の離間距離が内周側から外周側へ向かって大きくなるような構成とされている。具体的には、周縁部33の接合面33bは、内周側から外周側へ向かってMCP2の周縁部23との間の間隙が徐々に大きくなるように緩やかに傾斜しており、MCP3の中心軸線と垂直で面取り部33aにおける接合面33b側の角部33dを通過する第二基準面(図5において一点鎖線DP4で示される)と第一基準面DP3との間の傾斜量L4は、例えば、2〜3μmとされる。なお、図5に図示されていないが、MCP3の周縁部33は電子出射面3a側においても、内周側から外周側へ向かって薄くなるように面が傾斜している。
MCP2,3の周縁部23,33の接合面23b,33bの傾斜は、研磨工程時において平面研磨機のパッド選択を行い、外周側に向かって滑らかに傾斜するように研磨することによって形成される。あるいは、面取り部23a,33aの形状を変更し、面取り治具によって面取り部を直接接合面23b,33bとしてもよい。
図6は、図1に示す電子増倍器1の平面図である。図6に示されるように、入力側電極板4とMCP2の周縁部23とを接合する導電性接着剤8は、MCP2のチャンネル部22を全周にわたって取り囲むように円環状に配置されている。図示されていないが、出力側電極板6とMCP3の周縁部33とを接合する導電性接着剤9も、MCP3のチャンネル部32を全周にわたって取り囲むように円環状に配置されている。この導電性接着剤8,9として、スペーサ層7と同様の導電性接着剤を用いることができる。
図7は、MCP3のMCP2との接合面33bを示す平面図である。図7において、MCP2、入力側電極板4、及び出力側電極板6は省略されている。MCP2とMCP3との間に形成されるスペーサ層7は、MCP3の周縁部33の接合面33bに配置された4つの接着片13,14,15,16によって構成されている。接着片13,14,15,16は、2mm四方に切り出された導電性接着剤を、接合面33b上にMCP3の中心軸線周りに90°間隔で配置することによってそれぞれ構成されている。接着片13,14,15,16同士は互いに離間している。このような構成とすることによって、MCP2のチャンネル部22とMCP3のチャンネル部32との間の間隙12と周辺空間とのコンダクタンスが下がり、間隙12における真空度を向上させることができる。
接着片13,14,15,16には、導電性を有する熱可塑性接着剤が用いられる。この熱可塑性接着剤は、150℃程度で可塑性を示す。本実施形態では、スペーサ層7の接着片13,14,15,16の厚みを30〜500μmの間で選択することによって、MCP2,3同士の間の間隙12の大きさを調節することができる。接着片13,14,15,16の大きさ及び塗布量はディスペンサーにより容易にコントロールすることができる。
このようなスペーサ層7は、事前に2mm四方に成形された接着片13,14,15,16をMCP3の接合面33b上に配置し、その上からMCP2を積層させて、加圧しながら150℃で加熱することによって形成される。加圧には錘が用いられ、例えば32mmのMCP2,3に対しては、200g程度の錘が好適である。MCP2,3が酸化して特性が変わることを避けるため、加熱は窒素雰囲気下、あるいは真空にて行うことが好ましい。また、接着の際には、MCP2,3の角度と向きを調整しておく。
次に、本実施形態に係る電子増倍器1の作用・効果について説明する。
図8はMCP2,3同士の間の間隙12の大きさを変化させた場合における電圧とゲインの関係を示す線図である。図9はMCP2,3同士の間の間隙12の大きさを変化させた場合における時間と出力の関係を示す線図である。図8及び図9の実施例においては、間隙12が無い(0μm)電子増倍器と、間隙12が100μmの電子増倍器と、間隙12が500μmの電子増倍器について測定した場合の結果が示されている。なお、これらの電子増倍器においては、スペーサ層7は熱可塑性接着剤によって構成されており、MCP2,3の有効径が42mm、チャンネル径が12μm、チャンネル長さをチャンネル径で除した規格化長αが40、バイアス角が12°、チャンネル部22,32の全面積に対する全チャンネル21,31の開口面積合計の比率OARが60%に設定されている。このとき、出力信号のピーク電圧が同じになるようにMCP2,3の電圧を調節し行う。
MCP2とMCP3との間隙12が大きい場合、MCP2から出射される増倍電子が間隙12において大きく広がりMCP3へ入射されるため、MCP3の多くのチャンネル31に増倍電子が入り込み、電子増倍器のゲインは増大する。図8に示すように、1500〜2100Vの全ての電圧について間隙12が無い(0μm)電子増倍器よりも間隙12が100μmの電子増倍器の方が、ゲインが増大している。更に、間隙12が100μmの電子増倍器よりも間隙12が500μmの電子増倍器の方が、ゲインが増大している。一方、間隙12が大きい場合、MCP2から出射されてMCP3に入射する増倍電子は、間隙12で大きく広がるため増倍電子同士の走行距離にばらつきが生じ、時間特性が劣化する。図9に示すように、間隙12が500μmの電子増倍器よりも間隙12が100μmの電子増倍器の方が、下降時間が小さくなっており、時間特性が向上している。更に、間隙12が100μmの電子増倍器よりも間隙12が無い(0μm)の電子増倍器の方が、下降時間が小さくなっており、時間特性が向上している。このように、電子増倍器1のゲインと時間特性との間には、MCP2とMCP3同士の間隙12を大きくするとゲインが増大し、間隙12を小さくすると時間特性が向上するというトレードオフの関係が成り立つ。
以上のように、本実施形態に係る電子増倍器1においては、特に高いゲインが必要とされる用途に用いる場合は、スペーサ層7の厚みを調節することによって、MCP2とMCP3同士の間の間隙12を大きくすることでゲインを増大させることができる。また、ゲインの増大と共に時間特性も要求される用途に用いる場合は、スペーサ層7の厚みを調節することによって、間隙12の大きさを調節することで所望の特性を得ることができる。以上によって、スペーサ層7の厚みを調節するだけで、用途に応じた特性を容易に得ることができる。
更に、電子増倍器1では、積層されたMCP2,3の電子入射面2a側及び電子出射面3a側に、周縁部23,33に接合される環状の入力側電極板4及び出力側電極板6を備えているため、MCPと電極板が積層されて一体化された電子部品として、持ち運びし易くなると共に、他の電子装置に組み込み易くすることができる。
また、MCP2,3のチャンネル部22,32と周縁部23,33とでは還元の際の収縮具合が異なるため、還元によってMCP2,3のたわみが大きくなる場合がある。例えば、Time of Flight型マスススペクトロメトリーでは、このたわみによってイオンの到達に時間差が生じ、たわみ量100μm、イオン質量:1000u、イオン加速電圧:10kVの場合は時間差が2nsとなり致命的に大きくなる。しかし、本実施形態に係る電子増倍器1では、MCP2,3の周縁部23,33を環状の入力側電極板4及び出力側電極板6で挟み込む構成となっているため、MCP2,3のたわみを矯正することができる。更に、入力側電極板4及び出力側電極板6がMCP2,3の周縁部23,33よりも大きな外周を有しているため、一層確実にMCP2,3のたわみを矯正することができる。
また、本実施形態に係る電子増倍器1において、周縁部23,33における接合面23b,33bは、スペーサ層7を介して互いに離間し、その離間距離が内周側から外周側へ向かって大きくなるような構成とされている。MCP2,3同士が接触した場合やMCP2,3のチャンネル部22,32に接着剤が流れ込んだ場合は、放電によって大きなノイズが発生する。しかし、本実施形態では、スペーサ層7を形成する熱可塑性接着剤が配置される接合面23bと接合面33bとが離間しており、その離間距離が内周側から外周側へ向かって大きくなるような構成とされているため、スペーサ層7の熱可塑性接着剤を外周側へ拡がり易くすることが可能となり、内周側のチャンネル部22,32側へ流れ出ることを抑制することができる。
また、本実施形態に係る電子増倍器1では、周縁部23,33が、スペーサ層7が配置される接合面23b,33bの内周縁側において、チャンネル部22,32が厚み方向にそれぞれ窪むことによって形成される角部23c,33cを有している。チャンネル部22,32が窪むことによってチャンネル部22,32同士の接触が防止されると共に、接合面23b,33bの内周縁側に形成された角部23c,33cにおいて、内周側に拡がってくる熱可塑性接着剤をせき止めることによって、熱可塑性接着剤が流れ出てチャンネル部22の出射面22a、あるいはチャンネル部32の入射面32a上に接触することを回避することができる。
また、本実施形態に係る電子増倍器1において、スペーサ層7が熱可塑性接着剤からなる接着片13,14,15,16で構成されているため、スペーサリングを用いてMCP2,3の間の間隙12を形成する場合に比して、柔軟に間隙12の大きさを調節することができる。また、金属蒸着によってMCP2,3同士を接合する場合、数百μm程度の大きな間隙12を形成することは困難であるが、スペーサ層7に熱可塑性接着剤を用いることによって大きな間隙12を容易に形成することができる。
また、金属蒸着によってMCP2,3同士を接合する場合は、MCP2,3が高温加熱されることによって酸化し、MCP2,3の抵抗値が上昇する。MCP2,3の抵抗値が高くなるとMCP2に供給される電流量が低下するため、ダイナミックレンジの低下が起こる。例えば、低融点、且つ低酸化展性金属のインジウムの融点は156.4℃であるが、蒸着する際にはこれ以上の温度が必要とされるため、MCP2,3の抵抗値が上昇してしまう。一方、スペーサ層7に熱可塑性接着剤を用いた場合は加熱温度が150℃と低いため、金属蒸着を行う場合に比してMCP2,3の抵抗値の上昇を抑制することができると共に、ダイナミックレンジを維持することができる。
また、接着片13,14,15,16に用いられる熱可塑性接着剤は、可塑性を示す温度でも相当の粘度を有するため、接着過程で間隙12の大きさが大きく変動することを防止することができる。また、粘度が高いため、接着剤がMCP2,3のチャンネル部22,32へ流れ出すことを防止することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、本実施形態においては、スペーサ層7の接着片13,14,15,16に熱可塑性接着剤を用いたが、これに代えて、導電性を有する熱硬化性接着剤を用いてもよい。熱硬化性接着剤は、熱可塑性接着剤に比して粘度が低いため、スペーサ層7の厚みを小さくして間隙12の大きさを小さくするのに適している。熱硬化性接着剤は粘度が低いが、本実施形態に係る電子増倍器1におけるMCP2,3の周縁部23,33の接合面の傾斜構造やチャンネル部22,32の窪み構造によって、熱硬化性接着剤がチャンネル部22,32に流れ出ることを抑制できる。このような熱硬化性接着剤として、DM6030Hkを用いることができる。なお、熱硬化性接着剤に代えて、ハンダ、Inなどの低温で溶融する金属でスペーサ層7を形成しても間隙12を小さくすることができる。
また、本実施形態では、図7に示すように、スペーサ層7は、四方に切り出された接着片13,14,15,16によって構成されていたが、これに代えて、図10に示すように、円弧状の接着片41,42,43で構成されていてもよい。接着片41,42,43は、円環状の接着片を3箇所で切断して分割することによって形成される。また、図11に示すように、円環状の接着片51のみでスペーサ層7を構成してもよい。
また、本実施形態では、スペーサ層7は接着剤のみによって形成されていたが、これに代えて、図12に示すように、金属製のリング状のスペーサ材61を備えて構成されていてもよい。スペーサ層67はMCP2とMCP3同士の間の空間に、周縁部23,33と略同状の金属製のリング状のスペーサ材61を配置すると共に、スペーサ材61の両面に導電性の熱可塑性接着剤、あるいは導電性の熱硬化性接着剤からなる接着片62,63を配置してMCP2の周縁部23及びMCP3の周縁部33に接合することによって構成されている。接着剤のみでMCP2,3間の間隙12を1mm以上にする場合、多量の接着剤が必要とされる。一方、スペーサ材61を用いた場合は、数mm程度の比較的大きな間隙12を形成することが可能となる。
また、本実施形態では、電子増倍器は入力側電極板及び出力側電極板を備えて構成されていたが、入力側電極板のみを備えていてもよい。以下に出力側電極板を備えていない電子増倍器の使用例について説明する。
図13は、本発明の実施形態に係る電子検出器100を入力側から見た正面図である。図14は、図13のXIV−XIV線に沿った分解断面図である。また、図15は接着済みの電子増倍器150を電子検出器100へ組み込む様子を示す分解断面図である。この電子検出器100には、出力側電極板を備えない電子増倍器150が適用されており、この電子増倍器150で電子を増倍させて検出する機能を有している。図13及び図14に示すように、電子検出器100は、電子検出器100の入力側の電極となる円環状のIN電極101と、電子検出器100の出力側の電極となるOUT電極102と、IN電極101とOUT電極102との間に挟まれる電子増倍器150と、OUT電極102の背面側に配置されるアノード基板103と、アノード基板103の背面に取り付けられるアノード端子104と、各電極や基板を支持する筺体105と、筺体105の後端側に取り付けられる信号出力部であるBNC端子106とを備えて構成されている。なお、この電子検出器100の詳細な構成については特開2007−87885号公報を参照されたい。電子増倍器150は、入力側電極板4、MCP2,3から構成されており、電子検出器100の組み立て時においては、図15に示すように既に入力側電極板4、MCP2,3同士が接着されたアセンブリとして電子増倍器150を取り付ける。取付時においては、筺体用ネジ111をねじ孔102aで螺合することによってOUT電極102をアノード基板103を介して筺体105のフランジに固定する。そして、IN電極101とOUT電極102とで電子増倍器150を挟み込み、IN電極101とOUT電極102とを電子増倍器固定用ネジ112で固定することによって、電子増倍器150を取り付ける。
更に、電子検出器100に組み込まれる電子増倍器は、電子検出器100のIN電極101と一体に構成されていてもよい。図16は、図14に示す電子検出器100の変形例を示す分解断面図である。また、図17は接着済みの電子増倍器150を電子検出器100へ組み込む様子を示す分解断面図である。図16に示すように、電子増倍器160は、入力側電極板としてのIN電極101とMCP2,3から構成されており、電子検出器100の組み立て時においては、図17に示すように既にIN電極101、MCP2,3同士が接着されたアセンブリとして電子増倍器160を取り付ける。取付時においては、筺体用ネジ111をネジ孔102aで螺合することによってOUT電極102をアノード基板103を介して筺体105のフランジに固定する。そして、OUT電極102の入力側に電子増倍器160を配置させ、電子増倍器160のIN電極101を電子増倍器固定用ネジ112でOUT電極102に固定することによって、電子増倍器160を取り付ける。これによって、電子増倍器160は電子増倍器固定用ネジ112で電子検出器100に直接取り付けられる構成となる。
更に、米国特許第5,770,858号に示す電子検出器のカートリッジに本発明に係る電子増倍器を適用してもよい。図18は従来のカートリッジの分解断面図であり、図19は本発明に係る電子増倍器を適用したカートリッジの分解断面図である。図18に示すように、従来のカートリッジ200は、円環状のリングリテーナ201と、リングリテーナ201の背面に配置されるメッシュ電極202と、メッシュ電極202に取り付けられるメッシュ203と、インシュレータ204と、電子増倍用のIN電極205と、一対のMCP2,3と、MCP2,3の位置合わせを行うためのセンタリングリングCRと、電子増培用のOUT電極207と、各部品を収容するホルダー208とを備えて構成されている。なお、カートリッジ200とこれを組み込んだ電子検出器の詳細な構成については、米国特許第5,770,858号を参照されたい。従来のカートリッジ200では、MCP2,3をセンタリングリングCRで位置合わせしてIN電極205とOUT電極207で挟み込むことによって、MCP2,3がカートリッジ200に組み込まれている。一方、本発明に係る電子増倍器350を適用したカートリッジ300では、電子増倍器350がIN電極205とMCP2,3同士を接着することによって一つのアセンブリとして構成されている。従って、カートリッジ300を組み立てる際は、MCP2,3の位置合わせをすることなく、アセンブリとしての電子増倍器350を組み込むだけの作業でカートリッジ300の組み立てを行うことができる。このように、MCP2,3がIN電極205に接着されることによってアセンブリとして組み込まれているため、カートリッジ300の組み立てにセンタリングリングCRを不要とすることが可能となり、部品点数及び作業工程を低減することができる。
なお、図13〜図19に示す実施形態では、出力側電極板を備えない電子増倍器を電子検出器やカートリッジに適用する例について説明したが、入力側電極板4及び出力側電極板6を備える電子増倍器を電子検出器やカートリッジに適用してもよい。
1,150,160,350…電子増倍器、2,3…MCP(マイクロチャンネルプレート)、2a…電子入射面、3a…電子出射面、4…入力側電極板、6…出力側電極板、7,67…スペーサ層、12…間隙、21,31…チャンネル、22,32…チャンネル部、23,33…周縁部、23b,33b…接合面、23c,33c…角部、61…スペーサ材、100…電子検出器。

Claims (9)

  1. 積層された複数のマイクロチャンネルプレートと、
    前記積層された複数のマイクロチャンネルプレートの電子入射面側に配置される入力側電極板と、を備え、
    前記マイクロチャンネルプレートは、厚み方向に貫通する複数のチャンネルが形成されるチャンネル部、及び前記チャンネル部を取り囲む周縁部を有すると共に、各々の前記周縁部同士が導電性のスペーサ層を介して接合されることによって、各々の前記チャンネル部同士の間に形成される間隙を有し、
    前記入力側電極板は、環状に形成されて、前記マイクロチャンネルプレートの前記周縁部に接合されることを特徴とする電子増倍器。
  2. 前記積層された複数のマイクロチャンネルプレートの電子出射面側に配置される出力側電極板を更に備え、
    前記出力側電極板は、環状に形成されて、前記マイクロチャンネルプレートの前記周縁部に接合されることを特徴とする請求項1記載の電子増倍器。
  3. 前記入力側電極板及び前記出力側電極板は、前記マイクロチャンネルプレートの前記周縁部よりも大きな外周を有することを特徴とする請求項2記載の電子増倍器。
  4. 前記スペーサ層を介して互いに接合される各々の前記周縁部の接合面は、前記スペーサ層を介して互いに離間し、離間距離が内周側から外周側へ向かって大きくなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の電子増倍器。
  5. 前記周縁部には、前記チャンネル部が前記間隙側において厚み方向に窪むことにより、内周縁側に角部が形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の電子増倍器。
  6. 前記スペーサ層は、熱可塑性接着剤を含んで構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の電子増倍器。
  7. 前記スペーサ層は、熱硬化性接着剤を含んで構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の電子増倍器。
  8. 前記スペーサ層は、金属製のスペーサ材を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の電子増倍器。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項記載の電子増倍器を備え、前記電子増倍器で増倍させて電子を検出することを特徴とする電子検出器。
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