JP2005243554A - 光電子増倍管 - Google Patents

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Abstract

【課題】 チャンネル間のクロストークを抑えることにより入射光の検出精度を向上させること。
【解決手段】
この光電子増倍管1は、密封容器3内の入射窓13の内側に固定されて、外部から入射した光を光電子に変換する光電陰極5と、光電陰極5に対向するように密封容器3内に設けられ、光電陰極5から放出した光電子を増倍させるマイクロチャンネルプレート7と、マイクロチャンネルプレート7の電子入射面7i及び電子放出面7oに沿って設けられ、マイクロチャンネルプレート7に電圧を供給するための平板状の電極19i及び電極19oと、密封容器3内の他側においてマイクロチャンネルプレート7に対向するように複数並設され、マイクロチャンネルプレート7から放出した電子を出力信号として取り出すための陽極9とを備え、電極19oは、複数の陽極9に対応するように分割して設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マイクロチャンネルプレートを内蔵する光電子増倍管に関するものである。
従来から、入射光から変換された光電子を、マイクロチャンネルプレート(MCP)で増倍させて検出することが行われている。このような技術を光電子増倍管に応用したものとして、下記特許文献1記載の入射位置検出装置がある。この入射位置検出装置では、真空容器内の光電陰極から放出された光電子がマイクロチャンネルプレートにより増倍され、増倍された電子は、行及び列に配列された複数の導体群である陽極(アノード)に入射する。そして、これらの陽極から取り出された電流から光の入射位置が検出されるというものである。
特開平1−201185号公報
しかしながら、上述した従来のいわゆるマルチアノード型の光電子増倍管においては、各陽極に対応するチャンネル間でのクロストークによって1つのチャンネルから隣接するチャンネルに疑似信号が検出される場合がある。その結果、光入射位置に対応するチャンネルにおける出力信号に疑似信号が重畳され、検出される出力信号の時間特性の劣化が発生するという問題があった。この時間特性の劣化は、入射光の強度が大きくなるほどより顕著に現れ、入射光の検出精度に影響を与えるものである。
そこで、本発明は、かかる課題に鑑みて為されたものであり、チャンネル間のクロストークを抑えることにより入射光の検出精度を向上させる光電子増倍管を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の光電子増倍管は、密封容器内の一側の端面に固定されて、外部から入射した光を光電子に変換する光電陰極と、光電陰極に対向するように密封容器内に設けられ、光電陰極から放出した光電子を増倍させるマイクロチャンネルプレートと、マイクロチャンネルプレートの電子入射面及び電子放出面に沿って設けられ、マイクロチャンネルプレートに電圧を供給するための平板状の電極と、密封容器内の他側においてマイクロチャンネルプレートに対向するように複数並設され、マイクロチャンネルプレートから放出した電子を出力信号として取り出すための陽極とを備え、電極は、少なくとも陽極に対向する電子放出面において、複数の陽極に対応するように分割して設けられていることを特徴とする。
このような光電子増倍管では、密封容器の一側から内部に入射した光が光電陰極により光電子に変換され、変換された光電子がマイクロチャンネルプレート内を通過することにより増倍された後、入射位置に対応するチャンネルの陽極から出力信号として取り出される。その際、マイクロチャンネルプレートの電子放出面には陽極に対応する電極が分割して設けられ、その電極に独立して電圧が供給されるので、隣接するチャンネルにおける電子放出面の電位の乱れが低減される。これにより、誘導電流に起因する各チャンネルの出力信号における疑似信号の発生が抑えられる。
また、電極は、電子入射面及び電子放出面において、それぞれ、複数の陽極に対応するように分割して設けられていることが好ましい。この場合、各チャンネルにおけるマイクロチャンネルプレートの電位の乱れが低減され、出力信号に重畳される疑似信号がより一層抑えられる。
さらに、電極は、電子入射面における面積よりも電子放出面における面積が小さくなるように形成されていることが好ましい。電極の周辺部から取り出される信号には暗電流に起因するノイズが混入しやすいため、かかる電極を備えることにより、電極周辺部において生じたノイズの出力信号への影響を防止することができる。
またさらに、密封容器内にはマイクロチャンネルプレートが重ねて複数配置されており、電極は、隣接するマイクロチャンネルプレート間において、一側の電子放出面における面積よりも他側の電子放出面における面積が小さくなるように形成されていることも好ましい。このような構成とすれば、マイクロチャンネルプレートによる電子増倍効果が上昇するとともに、それぞれの電極周辺部において生じたノイズの出力信号への影響を防止することができる。
本発明の光電子増倍管によれば、チャンネル間のクロストークを抑えることにより入射光の検出精度を向上させることができる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る光電子増倍管の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
[第1実施形態]
図1は、本発明による光電子増倍管の第1実施形態を示す一部破断斜視図、図2は、図1の光電子増倍管の分解斜視図である。この光電子増倍管1は、外部から入射した光によって光電子を放出し、その光電子を増倍させて信号として出力させるための装置である。図1に示されるように、光電子増倍管1は、密封容器3と、密封容器3内の光入射側(一側)に固定された光電陰極5と、密封容器3内において光電陰極5に対向して設けられたマイクロチャンネルプレート7と、密封容器3内の他側においてマイクロチャンネルプレート7に対向して設けられた陽極9とを含んで構成されている。
図2に示されるように、密封容器3は、金属製の四角柱状の側管11を有し、側管11の一側開口端には入射窓13が固定されている。入射窓13は、例えば硼珪酸ガラス等のガラス材料からなり、密封容器3内部に入射光を透過させるためのものである。その入射窓13の内面には、入射窓13から入射した光を光電子に変換する光電陰極5が形成されている。光電陰極5は、入射窓13から入射した光を効率良く光電子に変換するために、入射窓13の内面全体を覆うように形成されている。
密封容器3内部の光電陰極5に対向する他側には、矩形板状のマイクロチャンネルプレート7が、入射窓13と略平行に配置されている。マイクロチャンネルプレートは、内壁を抵抗体及び二次電子放出体とした極めて微細な管(チャンネルマルチプライヤ)を多数備え、電子入射面からチャンネルマルチプライヤに入射した光電子を増倍し、電子放出面から二次電子を放出するものである。このマイクロチャンネルプレート7は、光電陰極5に対向する面である電子入射面7iに入射した光電子を、内部において二次電子として増倍させた後、それらの二次電子を電子入射面7iと反対側の電子放出面7oから放出する。
また、密封容器3内部の他側においては、マイクロチャンネルプレート7の電子放出面7oに平行に近接して、4つの陽極9が並設されている。これらの陽極9の形状は、電子放出面7oに相当する面を側管11に平行に4分割したような長方形の形状とされている。陽極9は、それぞれの位置に対応して、電子放出面7oの対向する部分から放出された二次電子を、出力信号として取り出すためのものである。つまり、このように陽極9を分割して設置することにより入射窓13の光の入射位置を検出することが可能とされる。
さらに、側管11の他側開口端は、外部に突出した端子15を有するベース板17によって封止されている。この端子15は、後述する外部の電源回路に接続され、その電源回路により、光電陰極5、マイクロチャンネルプレート7、及び陽極9に所定電位の電圧を供給されるとともに、それぞれの陽極9から出力信号が取り出される。
以下、マイクロチャンネルプレート7の構成についてより詳細に説明する。
図3は、マイクロチャンネルプレート7の陽極9の配列方向に沿った断面図である。同図に示されるように、マイクロチャンネルプレート7の電子入射面7i上には、マイクロチャンネルプレート7の電子入射面7iに対して電圧を供給するための4つの平板状電極19iが形成されている。また、マイクロチャンネルプレート7の電子放出面7o上には、マイクロチャンネルプレート7の電子放出面7oに対して電圧を供給するための4つ平板状電極19oが形成されている。
この電極19oは、対向する陽極9と略同一形状で分割して設けられるとともに、その配列方向は陽極9の配列方向と同一となるように並設される。これに対して、電極19iは、マイクロチャンネルプレート7の反対側の面に形成された電極19oと面対称となるように同一形状に形成される。また、電極19i及び電極19oには、それぞれ、コンタクト用電極21i及びコンタクト用電極21oが圧着され、電極19i,電極19oは、これらのコンタクト用電極21i,21o及び図示しないリード線等を介して、端子15に独立に接続されている。
そして、光電子増倍管1内で適切に入射光を検出させるために、陽極9、電極19o、電極19i、光電陰極5の順に電位が低くなるようにそれぞれ所定電圧が印可される。図4は、光電子増倍管1と外部の電源回路との接続関係を示す図である。同図に示されるように、電源回路23と電極19o、19i及び光電陰極5とが接続され、陽極9、電極19o、電極19i、光電陰極5の順に電位が低くなるようにされている。また、電源回路23は、側管11に平行な方向に存在する1組の電極19i、電極19o毎に並列に接続され、これらの電極19i、電極19oの電位を独立に制御可能とされている。
以上説明した光電子増倍管1によれば、入射窓13から内部に入射した光が光電陰極5により光電子に変換され、変換された光電子がマイクロチャンネルプレート7を通過することにより二次電子として増倍された後、陽極9から出力信号として取り出される。
従来のように、マイクロチャンネルプレート上に一体的に電極が形成されている場合は、入射窓の特定箇所に光が入射した場合に対応する陽極から出力信号が取り出されるが、隣接する陽極にも疑似信号が現れる。この現象は、クロストークと呼ばれ、マイクロチャンネルプレートの電子放出面から二次電子が放出される際に一次的に電子放出面上の電極の電位分布が乱れて、電気容量を有する隣接陽極に誘導電流が生ずることによる。
これに対して光電子増倍管1において検出される出力信号は、入射窓13における光の入射位置から側管11に平行な方向に存在する1組の電極19i、電極19oと、それらに挟まれたマイクロチャンネルプレート7と、この電極19oに対向する陽極9とにより形成されるチャンネルから取り出される。その際、マイクロチャンネルプレート7の電子放出面7oには陽極9の形状に対応する電極19oが分割して設けられ、その電極19oにより独立して電圧が供給されるので、隣接するチャンネルにおける電子放出面7oの電位の乱れが低減される。これにより、電位の乱れによる誘導電流に起因する各チャンネルの出力信号における疑似信号の発生(クロストーク)が抑えられる。
さらに、チャンネル毎にマイクロチャンネルプレート7のゲインを独立に制御することができ、検出可能な光強度のダイナミックレンジがより広く確保される。
また、マイクロチャンネルプレート7の電子入射面7iにも併せて電極19iが分割して設けられているので、電子入射面7iにおいても独立して電圧が供給可能となり、各チャンネルにおけるマイクロチャンネルプレート7内部の電位の乱れが低減され、出力信号に重畳される疑似信号がより一層抑えられる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図5は、第2実施形態にかかる光電子増倍管の一部破断斜視図、図6は、図5の光電子増倍管の陽極の配列方向に沿った断面図である。本実施形態にかかる光電子増倍管101では、マイクロチャンネルプレートを重ねて2枚配置している点と、マイクロチャンネルプレート上の電極の形状が第1実施形態のものと異なる。
すなわち、図5に示されるように、密封容器3内部の光電陰極5に対向する他側には、2枚の矩形板状のマイクロチャンネルプレート107,108が、入射窓13と略平行に互いに近接して配設されている。
図6に示されるように、マイクロチャンネルプレート107の光電陰極5に対向する電子入射面107iには、マイクロチャンネルプレート107の電子入射面107iに対して電圧を供給するための平板状電極119iが形成されている。また、マイクロチャンネルプレート108の陽極9に対向する電子放出面108o上には、マイクロチャンネルプレート108の電子放出面108oに対して電圧を供給するための4つ平板状電極120oが形成されている。
この電極120oは、対向する陽極9と略同一形状で分割して設けられるとともに、その配列方向は陽極9の配列方向と同一となるように並設される。これに対して、電極119iは、矩形状の一体的な形状とされ、その縁部と側管11との距離が、電極120oの縁部と側管11との距離と同一となるように形成されている。
電極119i及び電極120oには、それぞれ、コンタクト用電極121i及びコンタクト用電極121oが圧着され、電極119i,電極120oは、これらのコンタクト用電極121i,121o及び図示しないリード線等を介して端子15に独立に接続されている。
さらに、マイクロチャンネルプレート107,108の互いに対向する電子放出面107o及び電子入射面108iには、電極119iと略同一形状の平板状電極119o及び120iが形成されている。これらの電極119oと120iとは、板状等の形状のコンタクト電極を介して互いに当接させることによって電気的に接続される。
そして、光電子増倍管101内で適切に入射光を検出させるために、陽極9、電極120o、電極119i、光電陰極5の順に電位が低くなるようにそれぞれ所定電圧が印可される。
以上説明した光電子増倍管101によれば、陽極9から取り出される出力信号は、入射窓13における光の入射位置から側管11に平行な方向に存在する1組の電極119i,119o,120i,120oと、それらに挟まれたマイクロチャンネルプレート107,108と、この電極120oに対向する陽極9とにより形成されるチャンネルから取り出される。このように2枚のマイクロチャンネルプレートを配置することにより光電子増倍管101全体で得られる入射光の検出感度を向上させることができる。
また、マイクロチャンネルプレート108の電子放出面108oには陽極9の形状に対応する電極120oが分割して設けられ、その電極120oにより独立して電圧が供給されるので、隣接するチャンネルにおける電子放出面108oの電位の乱れが低減される。これにより、電位の乱れによる誘導電流に起因する各チャンネルの出力信号における疑似信号の発生(クロストーク)が抑えられる。
さらに、各電極120oに供給する電圧を変化させることにより、チャンネル毎にマイクロチャンネルプレート107,108のゲインを独立に制御することができ、検出可能な光強度のダイナミックレンジがより広く確保される。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図7は、第3実施形態にかかる光電子増倍管の一部破断斜視図、図8は、図7の光電子増倍管の陽極の配列方向に沿った断面図である。本実施形態にかかる光電子増倍管201では、マイクロチャンネルプレートの陽極9に対向する面以外の面上の電極形状が第2実施形態のものと異なる。
つまり、図8に示されるように、マイクロチャンネルプレート107の光電陰極5に対向する電子入射面107iに電極219iが、マイクロチャンネルプレート107の電子入射面107iの反対側の電子放出面107oに電極219oが、電子放出面107oに対向するマイクロチャンネルプレート108の電子入射面108iに電極220iが形成されている。これら電極219i,219o,220iは、陽極9と略同一形状で4分割して設けられるとともに、その配列方向は陽極9の配列方向と同一となるように並設される。また、これらの電極219oと220iとは、板状等の形状のコンタクト電極を介して互いに当接させることによって電気的に接続される。
電極219iには、それぞれ、電極120oと同様にコンタクト用電極221iが圧着され、電極219iは、これらのコンタクト用電極221i及び図示しないリード線等を介して端子15に独立に接続されている。
以上説明した光電子増倍管201においても、電位の乱れによる誘導電流に起因する各チャンネルの出力信号における疑似信号の発生(クロストーク)が抑えられるとともに、電子放出面108o近傍の電界強度の低下による出力信号の飽和が防止される。
また、チャンネル毎にマイクロチャンネルプレート107の電子入射面107iに独立して電圧が供給可能となり、各チャンネルにおけるマイクロチャンネルプレート107,108内部の電位の乱れが低減され、出力信号に重畳される疑似信号がより一層抑えられる。
図9には、光電子増倍管201における隣接チャンネルにおいて検出された出力信号の時間変化を示す。この場合、光電子増倍管201としては、電極219i,219o,220i,120oとして10μmの膜厚でステンレスを蒸着したものを用い、光電陰極5と陽極9との間の電位差が3000Vとなるように電圧を供給した。
併せて、図10には、従来の光電子増倍管における隣接するチャンネルにおいて検出された出力信号の時間変化を示す。この場合の光電子増倍管としては、マイクロチャンネルプレート107,108の両面に設けられる電極が、それぞれ一体的に形成されたものである点以外は、光電子増倍管201と同一の構成のものを用いた。また、出力信号測定の際には、光電陰極5と陽極9との間の電位差が2800Vとなるように電圧を供給した。
なお、図9及び図10において、実線は、光電陰極5の光入射位置に対応するチャンネルの陽極9から取り出された出力信号の時間変化、点線は、光電陰極5の光入射位置に対応するチャンネルに隣接するチャンネルの陽極9から取り出された出力信号の時間変化を示す。なお、これらの測定は、1つのチャンネルにのみ光が入射されるようにして行った。
これらの結果より、従来の光電子増倍管及び光電子増倍管201の双方において、隣接チャンネルで検出される出力信号においては、光入射位置に対応するチャンネルで検出される出力信号の時間変化に応じて、疑似信号が重畳されている。この出力信号の最大値に対する疑似信号の相対出力電圧は、光電子増倍管201におけるものが従来の光電子増倍管におけるものに対して約1/3になっている。これにより、光電子増倍管201において疑似信号の発生が効果的に抑えられていることがわかる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図11は、第4実施形態にかかる光電子増倍管の一部破断斜視図、図12は、図11の光電子増倍管の陽極の配列方向に沿った断面図である。本実施形態にかかる光電子増倍管301では、マイクロチャンネルプレートの光電陰極5に対向する面以外の面上の電極形状が第3実施形態のものと異なる。
つまり、図12に示されるように、光電子増倍管301においては、マイクロチャンネルプレート107の電子放出面107oに電極319oが、マイクロチャンネルプレート108の電子入射面108iに電極320iが、マイクロチャンネルプレート108の電子放出面108oに電極320oが、それぞれ4分割して形成されている。これらの電極319o,320i,320oは、陽極9の形状に対応して長方形状に形成され、それらの配列方向は陽極9の配列方向と同一とされる。
また、各陽極9に対応するチャンネルに沿って、マイクロチャンネルプレート107の電子入射面107iに形成された電極219i、電極319o,電極320i,電極320oの順で、段階的に面積が小さくなるように形成される。より詳細には、それぞれの電極219i,319o,320i,320oは、陽極9配列方向の辺の長さが、密封容器3内の他側に向けて段階的に小さくなるような形状とされている。
このような光電子増倍管301においても、電位の乱れによる誘導電流に起因する各チャンネルの出力信号における疑似信号の発生(クロストーク)が抑えられるとともに、電子放出面108o近傍の電界強度の低下による出力信号の飽和が防止される。
また、マイクロチャンネルプレート上に形成された電極の縁部においてはキズにより暗電流が生じやすい傾向にある。そこで、陽極9に向けて段階的に電極を小さくすることにより、219i,319o,320iの縁部におけるマイクロチャンネルプレート107,108のゲインを小さくすることができる。その結果、出力信号における暗電流の発生を防止することができる。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。例えば、光電子増倍管1,101,201,301における陽極の形状及びマイクロチャンネルプレート上に形成される電極の形状は特定のものには限定されず、様々な形状、分割数のものが使用できる。例えば、図13(a)〜(d)に示されるように、矩形状で配列方向が異なるもの、分割数が異なるもの、同心円状のもの、多角形を分割した三角形状のもの等が挙げられる。
また、光電子増倍管1,101,201,301に内蔵するマイクロチャンネルプレートの枚数は特定数には限定されるものではなく、3枚以上のマイクロチャンネルプレートを内蔵していても良い。
本発明による光電子増倍管の第1実施形態を示す一部破断斜視図である。 図1の光電子増倍管の分解斜視図である。 図1のマイクロチャンネルプレートの陽極配列方向に沿った断面図である。 図1の光電子増倍管と外部の電源回路との接続関係を示す図である。 本発明による光電子増倍管の第2実施形態を示す一部破断斜視図である。 図5の光電子増倍管の陽極配列方向に沿った断面図である。 本発明による光電子増倍管の第3実施形態を示す一部破断斜視図である。 図7の光電子増倍管の陽極配列方向に沿った断面図である。 図7の光電子増倍管における隣接チャンネルにおいて検出された出力信号の時間変化である。 従来の光電子増倍管における隣接チャンネルにおいて検出された出力信号の時間変化である。 本発明による光電子増倍管の第4実施形態を示す一部破断斜視図である。 図11の光電子増倍管の陽極配列方向に沿った断面図である。 陽極及びマイクロチャンネルプレート上に形成される電極の形状の変形例を示す図である。
符号の説明
1,101,201,301…光電子増倍管、3…密封容器、5…光電陰極、7,107,108…マイクロチャンネルプレート、7i107i,108i…電子入射面、7o,107o,108o…電子放出面、9…陽極、19i,19o,119i,119o,120i,120o,219i,219o,220i,220o,319o,320i,320o…電極。

Claims (4)

  1. 密封容器内の一側の端面に固定されて、外部から入射した光を光電子に変換する光電陰極と、
    前記光電陰極に対向するように前記密封容器内に設けられ、前記光電陰極から放出した光電子を増倍させるマイクロチャンネルプレートと、
    前記マイクロチャンネルプレートの電子入射面及び電子放出面に沿って設けられ、前記マイクロチャンネルプレートに電圧を供給するための平板状の電極と、
    前記密封容器内の他側において前記マイクロチャンネルプレートに対向するように複数並設され、前記マイクロチャンネルプレートから放出した電子を出力信号として取り出すための陽極とを備え、
    前記電極は、少なくとも前記陽極に対向する電子放出面において、前記複数の陽極に対応するように分割して設けられている、
    ことを特徴とする光電子増倍管。
  2. 前記電極は、電子入射面及び電子放出面において、それぞれ、前記複数の陽極に対応するように分割して設けられている、
    ことを特徴とする請求項1記載の光電子増倍管。
  3. 前記電極は、電子入射面における面積よりも電子放出面における面積が小さくなるように形成されている、
    ことを特徴とする請求項2記載の光電子増倍管。
  4. 前記密封容器内には前記マイクロチャンネルプレートが重ねて複数配置されており、
    前記電極は、隣接するマイクロチャンネルプレート間において、一側の電子放出面における面積よりも他側の電子放出面における面積が小さくなるように形成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光電子増倍管。
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