JP2010203628A - 空気調和設備の遠隔管理システム、遠隔管理装置、制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】空気調和設備の制御装置にて空気調和設備から運転状況を示すデータを取得してメーカ側の遠隔管理装置に送信し、遠隔管理装置では、得られたデータから、使用電力量が目標値を超過してしまっている場合、快適性を満足しているのであれば、使用電力量を抑制させる制御指令を空気調和設備の制御装置に実行させるようにした。これにより、快適性を満足したまま、使用電力量を抑える。また、快適性を満足していないときには、使用電力量の超過分を、その時点以降の使用電力量の目標値に転嫁して目標値を低減させるようにした。
【選択図】図2
Description
しかしながら、それはあくまでも「推奨」に過ぎず、個々の室内機において、快適度に応じて設定温度を調整してしまわれては、思うような省エネルギー効果が得られない。
このように、省エネルギー化と快適性とは相反する関係にあり、そのバランスを取るのは非常に難しい。
そして、空気調和設備は、遠隔管理装置から送信された運転情報に基づき、当該空気調和設備の運転条件を変更することができる。
ここで、クライアント端末は、空気調和設備の制御装置とは別に独立して設け、制御装置と運転状況を示す情報などを通信によりやり取りできるようにしても良いし、本発明におけるクライアント端末を空気調和設備の制御装置そのものとすることもできる。
ここで、一定の期間としては、1時間、1日、1週間、1ヶ月等といった期間に設定できる。そして、一定期間よりも長期の期間としては、一定期間が1時間であれば、長期の期間を1日、一定期間が1日であれば長期の期間を1週間、といった具合に適宜設定できる。
なお、このような遠隔管理装置は、空気調和設備のメーカ等に設置できる。
すなわち、本発明の空気調和設備は、前記のような遠隔管理装置が受信したデータに基づいて、上記のような処理を実行できるが、外部ネットワークを介した遠隔管理装置を用いることなく、いわゆるスタンドアローンの構成として、空気調和設備の使用電力量を抑えるための制御を行うこともできる。
図1は、本実施形態における空気調和設備管理システムの全体構成を示す図である。
図1に示すシステムは、空気調和設備の制御装置(クライアント端末)10と、空気調和設備を製造したメーカ側に設けられる遠隔管理装置20と、を備える。
これら空気調和設備の制御装置10、遠隔管理装置20は、インターネット、専用回線、公衆電話回線網等のネットワーク(外部ネットワーク)100を介し、互いにデータ通信が可能とされている。
なお、以下に説明する処理は、空気調和設備の制御装置10、遠隔管理装置20のそれぞれにおいて、予め定められたコンピュータプログラムに基づいて所定の処理を自動的に実行することで行われるものである。また、以下の説明において、判断処理の閾値として、温度、時間等の具体的な数値を挙げるが、これは例示するに過ぎず、適宜他の数値を閾値として用いることができるのは言うまでもない。
図2に示すように、空気調和設備の制御装置10は、空気調和設備の使用電力量を含む運転状況を示す情報を定期的(例えば、1日に一回、1時間に一回等)に検出する(ステップS101)。ここで、空気調和設備から検出する情報としては、例えば、使用電力量、室内機の吸い込み温度、室内機のON/OFF、室内機の熱交換器温度、室外機のファン回転数、室外機のコンプレッサ圧力、室外機のファンの圧力、膨張弁開度、およびこれらの設定値がある。
空気調和設備の制御装置10では、検出したこれらの情報を、ネットワーク100を介して遠隔管理装置20に送信する(ステップS102)。
その結果、目標値を上回っていなければ、次回、使用電力量を計測するまでそのままの運転条件での運用を継続する。
目標値を上回っている場合には、空気調和設備の運転状況を補正制御する(ステップS105以降)。
以下、このようなステップS105以降の制御について詳述する。
・1時間毎の目標値(図3(a)参照)
・1日毎の目標値(図3(b)参照)
・1週間毎の目標値(図4(a)参照)
・1ヶ月毎の目標値(図4(b)参照)
また、空気調和設備の規模に基づき、メーカ側から推奨可能な年間の目標値を提示し、それに基づき、1ヶ月毎、1週間毎、1日毎、1時間毎の目標値を設定することができる。
さらに、上記のようにして設定する目標値は、気象の長期予報に基づいて補正を与えるのが好ましい。例えば、猛暑予報が出ているのであれば、夏場の電力量は上昇することが予想されるため、それを目標値の設定値に考慮し、目標値を高めに設定することができる。
このような目標値の設定は、人手により行う。
このようにして設定された目標値は、遠隔管理装置20に入力され、記憶部に記憶される。
まず、運転モードが、冷房であるか暖房であるかを判定する(ステップS201)。
冷房である場合、
・リモコン(リモートコントローラ)がONになってから、10分以上連続してサーモON(吸い込み温度が設定温度以上で、冷房運転している状態)になっているか否か?(ステップS202)。
・室内熱交換器の温度が10℃以下か?(ステップS203)。
・リモコンがONになってから30分以上経過しているか?(ステップS204)。
・吸い込み温度は3度以上低下したか?(ステップS205)。
・リモコンがONになってから3時間以上経過しているか?(ステップS206)。
・サーモがOFFになった回数が2回以上か?(ステップS207)。
という判定を順次行う。
また、ステップS202〜S207の全ての条件を満足した場合は、「快適性は満足している」と判定する(ステップS209)。
そして、ステップS202、S204、S206の条件を満足しない場合は、ステップS201に戻り、快適性を満足しているか否かの判定を行わない。
・リモコン(リモートコントローラ)がONになってから、10分以上連続してサーモONになっているか否か?(ステップS211)。
・室内熱交換器の温度が40℃以上か?(ステップS212)。
・リモコンがONになってから30分以上経過しているか?(ステップS213)。
・吸い込み温度は3度以上上昇したか?(ステップS214)。
・リモコンがONになってから3時間以上経過しているか?(ステップS215)。
・サーモがOFFになった回数が2回以上か?(ステップS216)。
という判定を順次行う。
また、ステップS211〜S216の全ての条件を満足した場合は、「快適性は満足している」と判定する(ステップS217)。
そして、ステップS211、S213、S215の条件を満足しない場合は、ステップS201に戻り、快適性を満足しているか否かの判定を行わない。
・室外ファン回転数の最大値を制限する。
・室外ファン回転数の最大値を、目標値との乖離レベルに応じて段階的に設定する。
・コンプレッサの目標制御圧力値を変更する。
・コンプレッサの目標制御圧力値を目標値との乖離レベルに応じて段階的に設定する。
・コンプレッサの目標制御圧力値との偏差を変更する。
・コンプレッサの目標制御圧力値との偏差を目標値との乖離レベルに応じて段階的に設定する。
・室外ファンの目標制御圧力値を変更する。
・室外ファンの目標制御圧力値を目標値との乖離レベルに応じて段階的に設定する。
・室外ファンの目標制御圧力値との偏差を変更する。
・室外ファンの目標制御圧力値との偏差を目標値との乖離レベルに応じて段階的に設定する。
ここでは、制御指令処理において、コンプレッサの目標制御圧力値と、室外ファンの目標制御圧力値とを変更(補正)することで使用電力量を低減させる場合を例に挙げる。
すなわち、まず、室内機のコンプレッサ(図中、コンプと表記)の回転数を決定するための目標圧力(圧縮機周りの冷媒圧力)を運転開始以来変更したか否かを判定する(ステップS301)。これは、空気調和設備の制御装置10で記憶しているコンプレッサの目標圧力のデータを参照する。その結果、目標圧力を変更していなければ、コンプレッサの目標圧力を変更する(ステップS302)。具体的には、冷房時であればコンプレッサの目標圧力を上昇させ、暖房時であれば低下させる。目標圧力の変更は、コンプ回転数の低減へと反映されるため、電力量が低減して省エネ効果が出る。
目標圧力を変更した履歴がある場合、その変更回数が2回であるか否かを判定する(ステップS303)。その結果、目標圧力の変更回数が1回であれば、コンプレッサの目標圧力を変更する(ステップS302)。これにより、空気調和設備における消費電力が抑制できる。
これは、空気調和設備の制御装置10で記憶している室外ファンの目標制御圧力値の変更履歴のデータを参照する。その結果、目標制御圧力値を変更していなければ、室外ファンの目標制御圧力値を変更する(ステップS305)。具体的には、室外ファンの目標制御圧力値を冷房時であれば低下させ、暖房時であれば上昇させる。
室外ファンの目標制御圧力値を変更した履歴がある場合、その変更回数が2回であるか否かを判定する(ステップS306)。その結果、室外ファンの目標制御圧力値の変更回数が1回であれば、室外ファンの目標制御圧力値を変更する(ステップS305)。また、室外ファンの目標制御圧力値の変更回数が2回であれば、それ以上の運転条件の設定の変更(補正)を行わず、処理を終了する。
ステップS107の後は、ステップS103に戻り、新たな運転条件情報の受信を待機する。
これには、図7に示すように、前記のステップS103(図7におけるステップS401)で受信した電力量が、1時間毎の目標電力値を超えている場合には(ステップS402)、現在の時刻が13:00よりも早いか否かを判定し(ステップS403)、13:00以前の場合には、本日の使用電力量の目標値への割り当て変更を行い(ステップS404)、13時以降の場合には、翌日の使用電力量の目標値への割り当て変更を行うこととする(ステップS405)。
また、ステップS414において、電力量が、1ヶ月毎の目標電力値を超えていない場合であっても、1年の目標電力値を超えているようであれば(ステップS418)、ステップS415〜S417に移行し、目標値の割り当て変更または目標値の再設定を行う。
なお、ステップS414において、電力量が、1ヶ月毎の目標電力値および、1年の目標電力値を超えていない場合は、使用電力量の目標値の割り当て変更は不要であり、目標値はそのまま維持する(ステップS419)。
図8に示すように、ステップS404において当日の目標値の割り当て変更を行うこととなった場合は、「超過電力量/当日残り時間」を演算し、当日の残りの各時間に均等に割り当て、その割り当て分だけ各時間の目標値を低減させる(ステップS501、S502、S503)。
また、ステップS405において翌日の目標値の割り当て変更を行うこととなった場合は、「超過電力量/翌日の稼働時間」を演算し、翌日の稼働時間中の1時間毎に均等に割り当て、その割り当て分だけ各時間の目標値を低減させる(ステップS501、S502、S504)。
また、ステップS409において、翌週の目標値の割り当て変更を行うこととなったのであれば、「超過電力量/翌週の稼働日数」を演算し、翌週の稼働期間中の各日毎に均等に割り当て、その割り当て分だけ各日の目標値を低減させる(ステップS505、S506、S508)。
また、ステップS413において、翌月の目標値の割り当て変更を行うこととなったのであれば、「超過電力量/翌月の稼働日数」を演算し、翌月の稼働期間中の各日毎に均等に割り当て、その割り当て分だけ各日の目標値を低減させる(ステップS509、S510、S512)。
また、目標値の再設定を行う場合は、これは、ユーザとメーカとが直接相談した上で決める。
また、快適性を満足していないときには、使用電力量の超過分を、その時点以降の使用電力量の目標値に転嫁して目標値を低減させるようにした。つまり、快適性を満足していない場合には、使用電力量を無理に低減させない判断となるが、それ以上快適性を悪化させることはない。しかも、目標値の転嫁により、トータルでの使用電力量を目標値の範囲内に抑えやすい。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
Claims (7)
- 空気調和設備から当該空気調和設備の使用電力量を含む運転条件を示す情報を取得するクライアント端末と、
前記クライアント端末に外部ネットワークを介して接続された遠隔管理装置と、を備え、
前記クライアント端末は、予め定められたコンピュータプログラムに基づいた処理を自動的に実行することにより、前記空気調和設備の運転状況を示す情報を取得して前記遠隔管理装置に前記外部ネットワークを介して送信し、
前記遠隔管理装置は、予め定められたコンピュータプログラムに基づいた処理を自動的に実行することにより、受信した前記運転状況を示す情報に基づいて、前記空気調和設備における使用電力量が予め設定した目標値を下回るよう、前記空気調和設備の運転条件情報を生成し、生成した前記運転条件情報を前記外部ネットワークを介して前記クライアント端末に送信することを特徴とする空気調和設備の遠隔管理システム。 - 前記空気調和設備は、送信された前記運転情報に基づき、当該空気調和設備の運転条件を変更することを特徴とする請求項1に記載の空気調和設備の遠隔管理システム。
- 前記遠隔管理装置は、前記空気調和設備における使用電力量が予め設定した目標値を上回っている場合、前記空気調和設備で空気調和を行っている空間における快適性が満足されているか否かを診断し、
診断の結果、快適性が満足されている場合には、前記空気調和設備における使用電力量を低減させる前記運転条件情報を生成することを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和設備の遠隔管理システム。 - 前記遠隔管理装置は、前記クライアント端末から送信された前記空気調和設備の運転状況を示す情報に含まれる前記空気調和設備における使用電力量が、一定期間に対して設定された目標値を上回っている場合、運転条件情報として、その時点以降の使用電力量の目標値を低減した新たな目標値を生成することで、前記空気調和設備の使用電力量が、前記一定期間よりも長期の期間に対して設定された長期目標値を下回るようにすることを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和設備の遠隔管理システム。
- 外部ネットワークを介して空気調和設備の制御装置側から送信されてくる、前記空気調和設備の運転条件を示す情報に基づいて所定の処理を実行する遠隔管理装置であって、
一定期間に対して設定された使用電力量の目標値を下回るよう、前記空気調和設備の運転条件を示す情報に基づいてその時点での前記空気調和設備の使用電力量を低減させるための前記空気調和設備の運転条件の情報の生成、または、前記一定期間を複数の期間に区切ったときの各期間に対する使用電力量の目標値の配分を変更する情報を生成することを特徴とする空気調和設備の遠隔管理装置。 - 前年以前の前記各期間の使用電力実績量に基づき、前記各期間の使用電力量の目標値を設定することを特徴とする請求項5に記載の遠隔管理装置。
- 空気調和設備の制御装置であって、
一定期間に対して設定された使用電力量の目標値を下回るよう、その時点での前記空気調和設備の使用電力に基づいて、前記空気調和設備の使用電力量の低減、または前記一定期間を複数の期間に区切ったときの各期間に対する使用電力量の目標値の配分の変更を実施することを特徴とする空気調和設備の制御装置。
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